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« NHKバレエの饗宴2015 | トップページ | 11/28、30 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「ニジンスキー」 »

2014/12/09

ボリショイ劇場で、ウクライナのためのチャリティ・ガラ開催/追記

12月7日に、ボリショイ劇場で、ウクライナ若手ダンサー支援のためのチャリティバレエ公演が行われました。

時事通信の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141207-00000094-jij-int

“Ballet Without Borders” と題されたこの公演は、ボリショイ・バレエの日本公演を終えたばかりのスヴェトラーナ・ザハロワが主催し、やはりウクライナ出身のユーリ・バラノフ(ボリショイ・バレエのソリスト)がプロデューサーとなって開催されたものです。収益は、ウクライナのキエフ・バレエ学校のために寄付されます。


テレグラフ紙の記事
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/russia/11278734/Russias-Bolshoi-theatre-hosts-concert-in-aid-of-Ukraine.html

AFP配信の記事
http://www.wort.lu/en/culture/moscow-gala-at-bolshoi-world-ballet-stars-dance-for-ukraine-548460a00c88b46a8ce45061

ビデオレポート
http://www.vesti.ru/videos/show/vid/629109/#

公演はソールドアウトで大きな成功だったと、バラノフはAFPに語っています。しかしながら、クリミア併合に伴うルーブルの急落で、目標収益30万ドル(約3600万円)の半分にも届かない見通しとのことです。

ウクライナとロシアとの間の紛争で4000人もの人々が死亡し、クレムリンは、4月以降ウクライナ東部の分離主義者たちを支援してきました。そのため、この公演は政治的にも微妙な位置にあり、スポンサーを見つけることはできなかったそうです。しかし、バラノフは、このガラは政治とは距離を置いているとしています。「これはアーティストのためのイニシアチブであり、政府やマネジメントとは関係ありません」

「どんな国に住んでいるにしても、子供たちを助けることが大事なのです」とザハロワは語っています。昨年、政治状況が悪化する前にキエフの母校を訪れた後、彼女はこの公演のことを思いついたそうです。

キエフ・バレエ学校は旧ソ連において、トップのバレエ学校でしたが、ザハロワは母校を見て惨状にショックを受け、改装と修理の必要性を感じたそうです。特に屋根の状態がひどく葺き替えが必要だと。

公演に参加したナタリア・オシポワも「子供たちを助けるために来ました。目を背けることはできない。冬のレッスン室に震えながら入るひどさがどんなものか、思い出します」

ニュース動画
http://youtu.be/4axNH1EY31I

このガラには、他にミハイロフスキー劇場バレエのレオニード・サラファーノフ、イングリッシュ・ナショナル・バレエのアリーナ・コジョカルらキエフ出身(コジョカルはルーマニア人ですが、キエフ・バレエ学校出身でキエフ・バレエにも在籍)のダンサーが出演しています。

しかしながら、政治的なメッセージがまったくないわけではないようです。

パトリック・ド・バナが振付け、ザハロワとド・バナが踊った「Digital Love」という作品は、ウクライナの親ロシア派が放ったミサイルによって撃墜されたマレーシア航空MH370の犠牲者にささげる作品だと、バラノフは語っています。

この作品は、今年8月の上海のド・バナのガラで初演されたもので「距離、遠距離の恋愛についての作品」とド・バナは中国でのインタビューで語っていました。「これは、この電子的な世界における愛、世界の片側からもう片側に感情、情感とつながりを持とうとすることについての作品です」 したがって、政治的な意図は全くない、撃墜そのものに対する関連性はないとしています。

ウクライナのバレエのレベルの高さは世界に知られています。キエフ・バレエ学校の芸術監督、日本出身の寺田宜弘さんは、ザハロワの善意により公演が開催されることはありがたいけれども、この悪条件の中でも、バレエ学校は世界トップレベルの教育を行っていると強調していました。「ウクライナ人は、世界のバレエ界を制覇しています」キエフ出身の最高のダンサーたちが海外で踊らなければならないことを「悲しいし、国のためによくない」としています。

プログラム
http://www.bolshoi.ru/en/performances/824/

「カルメン組曲」はザハロワと、やはり来日公演に参加していたデニス・ロヂキン、そしてデニス・サヴィンらが出演。オシポワとイヴァン・プトロフが「ロミオとジュリエット」とラッセル・マリファント振付の「Two times Two」、そしてコジョカルとアルチョム・オフチャレンコが「椿姫」、ヤーナ・サレンコとディヌ・タマズラカルが「白鳥の湖」、ザハロワとサラファーノフが「海賊」、エイフマン・バレエのニーナ・ズミエヴェッツとデニス・クリミュークがエイフマンの「赤いジゼル」を踊っています。

カーテンコール映像
http://youtu.be/HiSRRLyFmfw


追記:キエフ・バレエ学校は支援金の受け取りを拒否すると表明したとのことです。

バレエ慈善興行で政治対立=「主宰者はプーチン支持」-ウクライナ
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014121400019

ザハロワが、ウクライナ南部クリミア半島を編入したプーチン・ロシア大統領を支持しているのが原因とのことです。

キエフ国立バレエ学校のドロシェンコ校長は文化省ウェブサイトに掲載した文書で「興行に参加したウクライナのダンサーらはザハロワがクリミアでのプーチンの政治を支持する書簡に署名していたことに気付いていないようだ」と語った上で、「そうでなければ、ダンサーらはこの挑発的な茶番劇への参加に同意しなかったはずだ」と指摘した。
 さらに校長は「興行で得られた資金は、ウクライナが失った数千人の命や広大な領土とは比べものにならない」と切り捨てた。

ザハロワは、プーチンがクリミアの併合を行ったことを支持する書簡に署名をしているとのことです。

これは非常に難しい問題で、学校側の言い分もわかるし、チャリティに参加したダンサーの多くは善意で参加しているはずなので、なんともコメントしづらいところです。今月末のキエフ・バレエの「バレエ・リュスの夕べ」に当初出演を予定していた、マハリナとルジマトフが出演がキャンセルとなってしまったのも、この問題が関係しているからです。紛争が平和的に解決し、わだかまりが解けることが一番なのですが、なかなか一筋縄ではいきません。

もう少し詳しい英語のニュース(AFP配信)
http://zeenews.india.com/news/world/ukraine-ballet-school-rejects-charity-from-pro-putin-dancer_1514148.html

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