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2014/10/22

バンジャマン・ミルピエのトークとVOGUEの記事(アニー・リーボヴィッツ撮影)

今シーズン、パリ・オペラ座バレエの芸術監督に就任したバンジャマン・ミルピエ。(正式就任は11月1日より)

彼が率いるL..A.ダンスプロジェクトは、11月8日、9日に彩の国さいたま芸術劇場で来日公演を行いますが、その前に、ニューヨーク、ブルックリンのBAM(ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)で公演を行っています。

そのBAMでの公演の際に彼はトークを行い、そのトークが全編視聴できます(聞き手は、ダンス批評家のデボラ・ジュイット氏)。

http://www.bam.org/video#

http://youtu.be/pvFdNHcvgsM

この対談映像は、全部で1時間余りあるので、全部聞くのは大変なのですが、ミルピエはフランス人ではあるもののアメリカでの生活が長いため、とても聞き取りやすい英語で話しています。アフリカのセネガル、ダカールでの子供時代から、SAB時代にジェローム・ロビンスによって彼の新作に抜擢されたことなど、生い立ちから始まって、NYCB時代のこと、L.A.ダンスプロジェクトでの仕事の進め方、パリ・オペラ座バレエのことについてまで語っています。

かいつまんで、オペラ座について何を話していたかをまとめると、


パリ・オペラ座という機関に対してどのようなアプローチをするつもりか語っています。オペラ座の歴史、彼の振付家としての位置づけ、過去のバレエと現代のバレエとのバランスのとり方を考えているそうです。

オペラ座はヒエラルキーを重視しているけれど、コール・ドのダンサーも主役に抜擢することでその上下関係を少し崩していきたい。

音楽の重要性と音楽性を育てることについて。オペラ座のクラスレッスンでのピアノ演奏に対して不満を持っていること

芸術監督ではあるけど、クラスレッスンを教えたりもしたい。過去の芸術監督で、そのようなことをしたのはヌレエフくらいだったようです。

バレエ・リュスの100周年の際に多くのカンパニーがバレエ・リュス作品を上演したけれども、その上演については不満に思っていること
(バレエ・リュス作品をそのまま上演したことに対してなのか、それとも、バレエ・リュスにオマージュを捧げた新作を作りながらも、同じ音楽を使っていたことに対してなのかは不明。たとえばアクラム・カーンなどは「TMOi」という、ストラヴィンスキーにオマージュを捧げながらも、全く別の音楽を使っているのですが…)

オペラ座のダンサーのうちの何人かは、42歳の定年を全うして年金をもらうことばかりを考えていて、意欲がないことについてミルピエは批判的です。できれば、やる気のないダンサーには辞めてもらうことを考えていることを示唆していました。
(現実にはそれは不可能ですが)

彼自身は、32歳の時にはもうダンサーとしては意欲を失い、10年間ダンスを続けるよりは、と振付家、芸術監督の方向にかじを切り替えたとのことです。NYCBでは、ダンサーはオペラ座のような42歳までの契約ではなく、1年ごとの契約となっていて身分の保証はありません。

L.A.ダンスプロジェクトとオペラ座について、どのように自分の時間を割くか、ということについては、オペラ座はフルタイムの仕事であり、最優先である。この一年は、ロジスティックなことや事務手続きな問題を重点的に対応し、組織を変え、プログラミングも変えたいと。(具体的な内容はなし)。L.A.ダンスプロジェクトについては、今まで通りに継続させると。

パリとNYの違いについては、パリの方がNYよりもチケット代は安く、劇場は常に満杯だと。ただし、オペラ座の観客はエリート的で、多様性がなく、実際には様々な人々がいるパリという街を反映していない、と。彼はオペラ座を変えて、観客が舞台で観るものを理解できるものにしたいとのことです。また、今のオペラ座は、ガルニエでバレエを観たいと思っているだけの観客が多く、どんなにひどい作品を上演しても客が入るとしています。彼は、観客のすそ野を広げるために、ダンサーたちは砦の外に出て、ルーブル美術館やパレ・デ・トーキョーなど他の組織とのプロジェクトもやるべきだとしています。


一方、こちらのヴォーグの記事では、ガルニエの中で、著名写真家のアニー・リーボヴィッツが、スーパーモデルのナタリア・ヴォディアノヴァを配置させながら、ミルピエ、オペラ座のダンサーたちを撮影したスライドショーを掲載しています。ポートレートやモード写真のトップ写真家リーボヴィッツが撮影しただけあって、大変美しいのですが、気になるのは、ダンサーたちはほとんどが単なる背景として機能しており、主役は、ミルピエとヴォディアノヴァ。唯一、エルヴェ・モローの美しい跳躍だけが、ダンサーをきちんと写したものです。

http://www.vogue.com/2298381/natalia-vodianova-ballet-november-cover/

この記事のインタビューの中で、ミルピエは、2015/16シーズンについてこのように語っています。

・公演数は170回(現在とほぼ同じ)で、7つの新作を上演する予定
・ミルピエの新作が上演され、バランシン、ロビンスを含んだトリプルビルでシーズンは明ける予定
・「眠れる森の美女」が上演され、衣装のデザインは、 Mulleavy姉妹によるもの(「ブラック・スワン」の衣装や、ミルピエとナタリー・ポートマンの結婚式の衣装をデザインしたデザイナー)
・ウィールダン、ラトマンスキー、ジャスティン・ペック(NYCBのダンサー兼振付家)の新作が予定されている。

なお、別のインタビューで、ウィリアム・フォーサイスがオペラ座のために新作を振付けることも明らかにされています。

********
ミルピエが目指しているものは、非常にアメリカ的なバレエ団なのではないかと、彼の来シーズンのラインアップ予定などを見ると感じられます。振付家の名前も、バランシンやロビンスといえばまさにNYCBだし、ウィールダン、ラトマンスキーの作品はNYCBのほか、世界中のバレエ団で上演されています。ペックに至っては、現役のNYCBのダンサーというわけです。フォーサイスはヨーロッパで活躍してきましたが、アメリカ人であり、現在はカリフォルニアで教鞭をとっています。

オペラ座は、古典だけでなく、現代作品にしても、プレルジョカージュ、マラン、カールソンなど、フランスダンスの伝統を受け継ぐ革新的な作品を上演してきたわけですし、それ以外にも、リファール、ラコットなど特徴的なプログラムを上演してきましたが、フランス的なコンテンポラリーも上演するかどうかは、今の感じではわかりません。


新しいパリ・オペラ座バレエの方向性を占うには、このL.A.ダンスプロジェクトの公演を観るのが良さそうですね。映像は非常に魅力的です。

http://youtu.be/loMU_cIttxg?list=UU79X9J1TYWOZG8WGsX_VxKQ

■バンジャマン・ミルピエ L.A. Dance Project
日程:11月8日(土)・9日(日)15時~
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
料金:<一般>S席¥6,000、A席¥4,000 <U25>S席¥3,000、A席¥2,000
(U25=25歳以下対象。枚数制限あり、入場時に身分証の提示が必要)
問い合わせ先:彩の国さいたま芸術劇場チケットセンター Tel.0570-064-939
www.saf.or.jp

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コメント

パリオペラ座によるアンヌ・テレサ・ド・ケースマイケルのRain再演が昨日始まりました。またまたフランス国内限定配信になってしまう恐れもありますが、ArteWebでの配信日程も発表されています。

http://www.operadeparis.fr/saison-2014-2015/ballet/rain-anne-teresa-de-keersmaeker

ぶらりん さん、こんにちは。

またまた情報をお知らせいただきありがとうございます。25日の中継のようですね。エチュードはフランス国内限定配信になってしまいましたが、今回はどうでしょう。エチュードも、私は結局Holaを使ってみることができました。

naomiさん!
お久しぶりです!
このLADanceProjectの舞台、ご覧になりましたか。
私は先週観てきました。韓国でもLGARTでやったんですよ。
あまり情報もなく、ただ新しいPOBの芸術監督が率いるカンパニーということで、好奇心でチケットを取ったのですが、意外と良かったです。
ところが、私が感動したのは、ミルピエじゃなくてフォーサイスの作品です。
彼の作品を見るのは初めてでした。
事前に全く何も知らずに観たにもかかわらず、だんだん涙があふれてきました。
こんなことは久しぶりでしたね。
Stephanie Amuraoという若いダンサーの踊りもとっても良かったです。妙な魅力のあるダンサーでした。
今年は大きなカンパニーの来韓公演があまりなかったのですが、来年はもっと来てほしいです。
naomiさん、また韓国にいらしたら、ご連絡くださいね! :D

HESSさん、こんにちは。お久しぶりです!お元気でしたか?

韓国公演もあって、ご覧になったのですね!おそらくですが、韓国公演とさいたまの公演と、演目は同じだったのではないかと思います。この時期、他の公演も重なっていたのですが、遠いさいたままで足を運んで良かったと思いました。ダンサーの皆さん、身体能力が高くて表現力もあって、バレエとは違う感じですが素晴らしかったですね。ミルピエの作品も悪くなかったけど、フォーサイスのは特にすごかったです。圧倒的でしたね。このフォーサイスだけでも、もう一回みたいな、って思いました。HESSさんも同じように感じられたのですね!

また韓国を訪ねる時にはご連絡しますね。またお会いしたいです!そういえば韓国で海外バレエの公演、あまりなかったですね。来年はたぶんシュツットガルト・バレエが来るのではないかしら、スージン・カンもおそらく最後だと思うし。。。スージンのさよなら公演だったら私観に行きたいです。

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