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« SWAN MAGAZINE 2014 秋号 (スワンマガジン) | トップページ | マライン・ラドマーカーがオランダ国立バレエに移籍 »

2014/10/17

パリ・オペラ座バレエのバックステージを違った視点でとらえた写真展

2013年9月から2014年7月まで、写真家のPierre-Elie de Pibracは1シーズン丸ごとパリ・オペラ座バレエと過ごしました。このシーズンは、ニコラ・ル=リッシュとブリジット・ルフェーブル芸術監督の最後のシーズンということで特別なものでした。Pierre-Elie de Pibracは、3つの写真シリーズを撮影するために、舞台裏に潜むことができました。

彼が撮影した写真は、In situ, dans les coulisses de l’Opéra de Parisという写真集にまとめられ、また11月23日まで、サンルイ島の Galerie Clémentine de la Féronnière で展示されています。

メイキング映像(「オネーギン」のリハーサルの様子ですが、足元のみ撮影されています)
http://youtu.be/9vRSdf1HoUI

ここで、3つのシリーズのうちの一つ、「Catharsis(カタルシス)」のスライドショーを観ることができます。
http://www.loeildelaphotographie.com/2014/10/16/exhibition/26346/pierre-elie-de-pibrac-backstage-at-l-opera-de-paris

「カタルシス」はダンサーの踊りを抽象的にとらえたシリーズです。ダンサーのエネルギー、そしてそのエネルギーがどうやって周囲に放たれていくかということをリサーチした結果生まれたものです。ダンサーの形ははっきりと映っていない者の、踊りのエネルギーが迫ってきて、ダンスを観たときに観客が受け取る力が感じられます。

こちらの記事では、Pierre-Elie de Pibracのインタビューが掲載されています。
http://www.citazine.fr/diaporama/photographe-dans-opera-garnier

写真集を撮影したいと申し出たとき、ブリジット・ルフェーブルは快諾したそうです。ただし、ダンサーの邪魔は絶対にしないことが条件でした。最初の1枚の写真を撮影するのに、数か月かかったそうです。毎日ランドマークを観察し、そしてカンパニーに受け入れられるように努力しました。何よりも、ダンサーたちに気づかれないように存在を消し、柱や壁の一部になったそうです。「彼らに拒絶されているという感覚はなく、彼らから友情と共犯関係の空気を感じるようになりました。自分たちが想像していたほど厳しい世界ではなかった。もちろん競争はあるけど、それはこのような場所では起こりうること。彼らのものすごい集中力には感銘を受けました」

「Confessions」と題したモノクロのシリーズでは、ダンサーに非常に接近して撮影され、いくつかの写真ではダンサーの息遣いも感じることができました。オペラ座に撮影のために足を踏み入れる前に、1年をかけて、適用される技術、適切な目的、自分が想像した写真のための道具をリサーチしました。モノクロ写真のシリーズでは、レンジファインダーのカメラを使いました。これは音を立てないので、ダンサーたちの邪魔にならないで近くで撮影することができたそうです。

「Analogia」という3つ目のシリーズでは、特に広いアングルを捉えるためのデバイスを見つけました。ガルニエという特別の場所にダンサーを置いたのがこのシリーズです。ここで彼は、この伝説的で美しいガルニエはどうやってその住民を得たのかを描こうとしました。この場所にはダンサーに強い影響を与えているとのことです。世界で最も大きなカンパニーであり、ガルニエは他には絶対にない劇場です。ダンサーたちは一日を過ごし、食事をし、時には寝ることもあります。バロック建築が彼らを包んでいます。

1年間、Pierre-Elie de Pibracは毎日ガルニエに通いました。同じ写真を撮影するのに7時間をかけたこともあります。本を作っている最中には、どのような物語を語りたいのか理解していました。撮影した翌日には、何が足りないのはすぐわかりました。彼はガルニエのすべての隅に潜り込んでいました。テクニシャンの助けでリスクを冒したこともありました。「セット、照明、飛びぬけた芸術の世界であり、一つの都市でした」撮影が終わった今、オペラ座とダンサーたちは彼がいなくなって寂しく思っているそうです。「終わったころには、すべてを諳んじていました。眠るときには音楽が聞こえてきて、どの部分に間違いがあるのかもわかりました」

2年間の作業、うち一年間はガルニエの中に入り浸ったあとで、Pierre-Elie de Pibracは、写真家の仕事に対する考えも変わったそうです。「ルポルタージュを作る際に、対象を知るために少なくとも1年間は必ず必要だと思いました。私たちは、誰か別の存在、カメレオンにならなければなりません」


写真集の内容も興味深いもので、3つの写真のシリーズのほか、
オーレリー・デュポン、ニコラ・ル=リッシュ、エレオノラ・アバニャート、そして若手ダンサーたちとのインタビュー。
イザベル・シアラヴォラのアデューとインタビュー
アマンディーヌ・アルビッソンのエトワール任命
バンジャマン・ミルピエ
についても取り上げているとのことです。

http://www.pierreeliedepibrac.com/

EXHIBITION
In situ - Dans les coulisses de l’Opéra de Paris
Photographs by Pierre-Elie de Pibrac
October 10th - November 23rd 2014
Galerie Clémentine de la Féronnière
51 rue saint-Louis-en-l’île
75004 Paris
France

http://www.galerieclementinedelaferonniere.fr/

BOOK
In situ - Dans les coulisses de l’Opéra
Photographs by Pierre-Elie de Pibrac
Publisher: Clémentine de la Féronnière
24 x 32,5 cm
368 pages
72 €

写真集はフランス語のほか英語でも書かれていてバイリンガル対応、約250枚の写真が掲載されているそうです。367ページ。ガルニエのブティック、フランスのアマゾン、そしてFNACなどで購入可能です。

http://boutique.operadeparis.fr/produit/in-situ-dans-les-coulisses-du-palais-garnier

http://www.amazon.fr/Situ-Dans-coulisses-lOp%C3%A9ra-Paris/dp/2954226633

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パリ・オペラ座バレエ」カテゴリの記事

コメント

細かなことを言うと、シテ島ではなくて、ガレリエの住所にもあるとおりに、シテ島の隣のサンルイ島です! 素晴らしい情報をありがとうございます。明日さっそく行ってきます。

ぶらりんさん、こんにちは!

すみません!訂正していただいて、私も修正しました。きっとぼけていたんでしょうね(;^ω^)

ご覧になられましたか?とても美しいしぜひ見てみたいな~と思うのですが、お値段がすごく高いしアマゾンフランスから買えるけど送料も高そうなので躊躇しているところです。パリに行く予定もないのですよね。ぜひご感想をお聞かせくださいね。

行ってきました!感想遅くなってすみません。展示会ではなくて現代写真家の個展&作品即売会と考えて行った方がいいでしょう。渡されたフォリオにはプロフィールと今回の制作背景の他に、プリントのサイズ別価格表が載っていました。

写真集はパート1の「Confidences」はモノクロルポルタージュとして発想はいいのですが、本人もバレエを理解するのに1年かかったと言ってるようにバレエの知識が最初はなかったようなので、バレエマニア視線からはちょっとシャッターチャンスが違うという感じがしました。最近良く見るバックステージルポルタージュのディープ度としては「もはや」並で、「 Confidences(フランス語的には内緒)」なんて言うほどかな、と思いますが、写真集の中でも一番ページを割いていることもあり、ボリュームは多く見応えはあります。ただこの「Confidences」という意味を考えると、Pierre-Elieがバレエ団の「Confidences(内緒)」に到達するために信頼(英語的にConfidence)と知識を得る彼自身のプロセスだったように感じます。しかも客の側から見ると、もはや「それ、知ってた」というオチ。

いまは漢字入りのTシャツやユニクロのウルトラライトダウンベストを着た、元来はConfidential(日本語的には内密)にとどまるべきリハーサルがリアルタイムで全世界に動画配信される時代です。さらにダンサーが自らプライベートタイムのSelfieをネットにアップする時代ですから、こういうバックステージルポルタージュやメイキングルポルタージュは世の中の要求レベルが高くなって、一段と難しくなったと感じました。

シャッターチャンスが「?」という意味では現像処理ががんがんにかかっている特殊効果写真のパート2「Catharsis」でも感じました。壁の作品に売約済みの赤丸シールは結構ついているのですけど。

パート3の「Analogia」は1枚あたりの資源と力量の入れ方から言って、彼的にも最大の売りだと思うのですが、Vogueの Annie Leibovitzと完全にネタがかぶってしまったところがあります。Pierre-Elie de Pibracの方が時間をかけていることもあり、より広い範囲(例えばガルニエの屋根の上や1ere etageの星空ドーム←正確にはなんて言うんだろう?)でバレエダンサーを小道具にしてガルニエの写真を完璧な照明と現像コントロールで撮っています。ようやるわ、と思うほどに「ガルニエの写真集」としては非常に良く出来てます。ただ、ここではダンサーははっきりいってダシで、シューリアルなシチュエーションでバレエ衣装付けてポーズつけたり突っ立っててなにやってるの?って感じがします。バレエダンサーなしで撮っては単なる建築写真家になってしまうので、それはそれでダメなんでしょうけど。

ニコラ・ル・リッシュのアデュー公演のカーテンコールを収録している写真集としては現時点で唯一・最新のものだと思いますので、パリ・オペラ座バレエがないと3度のごはんも食べられない人やニコラ命な人には良い写真集だと思いますが、しかし重いし厚いし、どうしましょう。。。。気楽にスーツケースに入れて持ち帰れるようなシロモノではありません。

こんなところで勘弁していただけますでしょうか。いつもタイミングの良い情報をありがとうございます。


ps. 再来週にはニコラ・ル・リッシュのカルテ・ブランシュ公演がシャンゼリゼ劇場であります。
http://www.theatrechampselysees.fr/danse/danse/carte-blanche-a-nicolas-le-riche

ぶらりんさん、こんにちは。

とても詳しい写真展の感想、ありがとうございました。とても参考になりますね。
いろいろと凝った写真ではあるようですが、、ダンサーはどちらかといえば付録?おっしゃる通り、今はソーシャルメディアでダンサー自身が写真を共有したりしている時代なので、写真の役割というのも変わってきますね。オペラ座というエリート中のエリートが集まっているところですら、かなりオープンになってきて、親しみがわく半面、神秘性が薄れてきた気がしますね。
スーツケースに入れて持って帰るにはちょっと重そうです!

別ネタでここに書くの申し訳ないのですが、適切なエントリーが見つからなかったので失礼します。

シャルル・ジュドー率いる国立ボルドーバレエの「セルジュ・リファールプログラム」が配信になっています。フランス国外からでも見られますかね?

配信期限は長めで来年10月28日までだそうです。
http://culturebox.francetvinfo.fr/live/danse/danse-classique/icare-hommage-a-lifar-a-lopera-national-de-bordeaux-191849

今日のパリオペラ座バレエ「Rain」は録画用のカメラ6台、記録用のカメラ2台でカメラだらけでした。オーケストラピットの中にもハンディカメラが一台入って、変わりまくるオーケストラのポジションと演奏者を追っていました。舞台上のダンスもさることながら、オーケストラピットの中の動きが意外に満ちていて鮮烈です。スティーブ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」。これもひとつのダンス作品なのかもしれません。

ぶらりんさん、こんにちは。

お返事が遅くなってしまってごめんなさい。ボルドー・バレエのリファールプログラム、日本からも無事観ることができました。しかし、culturebox、最近、予定配信期間が終わっていないのに見られなくなってしまっていたりして、あれ?って思うことがありますね。

Rainも配信日が当初とちょっと変わりましたよね。観た友人は、とても良かったと言ってましたが、ローサスのダンサーが踊るのとはやはり全然違うようですね。

余談ですが、エチュードほかのデフィレ、France3の人のTwitterによれば2月に日本のNHKーBSで放映される予定があるようです。

オペラ座のRain、今回は再演ですが、メンバー違うとどうにもならないくらいに違いますねえ。トレーニング方法も違うローザスメンバーと比較してしまうのはかわいそうな気が。おまえそれでスジェなの?とか常識疑いたくなるようなのまで舞台に上がっていて、ちょっとオペラ座の後退著しい感じがしました。

オペラ座のRainがそれでも素晴らしいところは、生でオーケストラが入るところです。これが凄すぎる。スティーブ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」をライブで聞くことができるだけでも感激ですが、それをガルニエで、ですから!
あのドーム天井の劇場に木琴の音がひたすらに響き続けます。3日くらいじゃ頭の中で鳴っているのが抜けません!

詳しくは書きませんが、オーケストラの振る舞いは舞台のダンスよりも面白いところがあります。配信の映像収録日31日に見てきましたけど、ハンディカメラが一台オーケストラピットにも入って指揮者と演奏家を追っていたので、ぜひともオーケストラの様子も含めて日本で見られるようになることを祈ります。自分はピットの中のほうが面白くて、オーケストラだけを見に、2度目を見に行ってしまいました。

ぶらりんさん、こんにちは。

「Rain」の詳しい感想をありがとうございます。スティーヴ・ライヒの音楽素晴らしいですよね!生で聴かれたらさぞかしいいだろうなと思います。収録された映像、日本でも観られることが分かったので、後でゆっくり見てみようと。さわりだけ見たのですが、作品としては面白いな~って思いました。ローザス、来年日本に「Drumming」を持って来日するらしいので、これはぜひ観たいなと思います。

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