クロアチア、ボスニア他旅行記(その4)プリトヴィッツェ湖群国立公園
この日向かうプリトヴィッツェ国立公園は、メジャーもメジャー、ドブロヴニクと並んで2大人気旅行先なのでした。
バスで走ること3時間半、まずは公園の近くのレストランでます料理のランチ。動物のはく製がいくつもあって不思議なレストランだったけど、どうも子供たちの遠足と重なったようで、レストランの中は小学生の団体でいっぱいに。クロアチアでも、子供たちはみんなスマホで遊んでいるんだけど、iPhoneはちょっとぜいたく品のようで、私がiPhoneを取り出したら羨望のまなざしに囲まれました。
プリトヴィッツェ湖群国立公園は、16の湖が連なり92もの滝があるという圧倒的なスケールの国立公園。石灰分が沈殿したことにより生まれたエメラルドグリーンの水は、驚くほど透明度が高くて悠々と泳ぐマスの姿を見ることもできる。実はお天気がここ数日悪くて、大丈夫かなと思っていたのですが、ツアーの中に最強晴れ女の方がいて、無事晴れました。その代わり、水かさが増して、通れなくなってしまった場所もあります。足元まで水があふれそうになっているところもありました。1979年に世界遺産に登録されました。クロアチア唯一の自然遺産です。
現地ガイドは若い女性で、金髪ですらりとしていてバレリーナのような、驚くほどの美人でした。クロアチアは美男美女が多いです。
写真などで目にしていたので、プリトヴィッツェのイメージはあったのですが、実際に目にしてみるとやはり圧倒的なスケールと澄んだ空気、自然が織りなす造形の美しさに心身とも癒されます。また、路傍に咲く可憐な草花にもふと心がなごみます。湖まで歩いて下りて行き、一番大きな滝(高さ78m)のふもとまで歩くことができます。また、湖をわたる細い橋を歩いていくと、その橋の真下からも滝になっていて水が落ちていくのを見ることができます。晴れていたので、滝にかかる虹も見られました。
このエメラルドグリーンの水の色が、刻一刻と変化して、印象派の絵のように微妙な色彩の変化や光の反射をしていくのが言葉にもできない美しさです。前日までの雨で水かさが増していて、滝の勢いもありました。一番大きな滝から水が落ちていく様子を見て、父が、観音様が滝に打たれているように見えると言ってましたが、確かに言われてみれば観音様が見える気がします。
植物だけでなく、様々な小動物もいました。蛇、今まで見たことがないくらい緑色のトカゲなど。これだけ水も空気もきれいだと、動物にとっては天国のようです。ただ、最近外来種の魚がマスを駆除してしまっているということがあり、世界遺産なので外来種を駆除することができないのが悩みなのだそうです。
滝の一つには、ミルカ・トルニナ滝という滝があります。この名前は、クロアチア出身の有名なオペラ歌手から取られたものです。彼女は世界的に活躍したソプラノだったのですが、突然顔面麻痺を発症して引退を余儀なくされたとのこと。階段のように段々と流れ落ちる美しい滝で、彼女がこよなく愛したそうです。1897年ザグレブ歌劇場に出演した時の出演料をそっくりプリトヴィッツェ湖保護整備に寄付したとのこと。
コースの最後を歩くと、湖を渡る遊覧船があり、そこでさわやかな風に吹かれながら30分ほど最後の絶景を楽しむことができます。この大きな湖にも、いくつかの滝があります。
今回は、下湖群だけでしたが、実際には上湖群もあるので、ぜひ次回はそちらの方も行ってみたいと思いました。先ほどの校外学習の生徒さんたちにも遭遇しました。
この自然が生み出した奇跡ともいえるプリトヴィッツェ湖群国立公園も、ユーゴ紛争に巻き込まれ、ここで軍事衝突が起き「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録されたこともあったのですが、地雷の撤去も進んで除外されたそうです。
ここまで圧倒的で、元の自然がそのまま保全されている自然美は世界的に見ても稀だと思いました。死ぬまでに一度は観たい、そんな場所でした。
観光を終え、バスはスプリットへと向かいます。4時間ものバスの旅。途中、いくつかのドライブインにトイレ休憩のために立ち寄ります。クロアチアのドライブインは、みな、お手洗いがとても清潔に保たれているのに感心しました。手を乾かす乾燥機も整備されています。コンビニエンスストアと小さなカフェも併設されていました。たまに日本語のガイドブックまで置いてあります。プリトヴィッツェはバスでないと行けない場所なので、やはりドライブインの役割は大きいということですね。
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