パロマ・ヘレーラ、2015年にABTを引退
24年間ABTに在籍し、20年間プリンシパルとして活躍してきたパロマ・ヘレーラが、2015年に引退することを発表しました。
http://dancemagazine.com/blogs/dance-glance/5822
パロマ本人から、同僚やダンス界の人々宛てに、引退宣言のメールが送られてきたということです。
「7歳の時からバレエは私の情熱であり人生でした。こんなに素晴らしい人生、キャリアを送れるとは夢にも思っていませんでした。でも、同時に、若いうちに、エネルギーに満ちて若い時と同じ情熱を持ち続けた状態の時に引退するのも私の夢でした。やり残したことはないし、後悔もありません。幸せな状態で引退したかったのです」
故国のアルゼンチンでも報道されています。
http://www.lanacion.com.ar/m1/1687866-paloma-herrera-se-despide-del-ballet
7月にABTを去った後、ブエノスアイレスでも引退公演が予定されているようです。
15歳でABTに入団して以来、天才少女の名をほしいままにしてきたパロマ。
「特別な存在となり注目されるだけでは不十分です。注目されたいと思っていたら、注目されただけで終わり、天才だと言われてそれで終わりです。やっていることを本当に愛し、より素晴らしくなりたいと思うべきです。ステージの上に立って働くことが幸せだし、魂を満たしてくれます」
今年のABTの来日公演、パロマは「オールスターガラ」で、相変わらずの見事なテクニックと明るく華やかな存在感を見せてくれました。とても引退するとは思えないほど若々しくキュートでパッションに満ちていました。私も好きなバレリーナの一人だったので、もう観られなくなるのは本当に残念ですが、本人の希望とあっては仕方ありません。
このドキュメンタリーDVDはとても良い映像です。
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しかしABTは本当に大丈夫なのでしょうか。春のMETシーズンの62公演のうち、実に29公演の主演をゲストが務めます(ヴィシニョーワ、ボッレ、ワシーリエフ、セミオノワなど、プリンシパルではあるけどゲスト的なダンサーを含む)。あまりにゲストだらけである上、コリー・スターンズ、デニス・マトヴィエンコ(マトヴィエンコはゲストですが)の怪我により、踊る人がいなくなって世界中から主役をかき集める事態となっています。内部のダンサーを育てようとしなかったツケが回っています。
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