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2014年3月

2014/03/31

ロイヤル・バレエの2014/15シーズン

ロイヤル・バレエの2014/15シーズンが発表されました。

http://www.roh.org.uk/news/ballet-and-dance-201415

マノンで開き、アシュトンのトリプルビル、ドン・キホーテ、クリスマスにアリス、白鳥の湖、オネーギン、リーズの結婚、マクレガーの全幕新作(アレッサンドラ・フェリがゲスト出演)他にトリプルビルがいくつか上演されます。


Manon 「マノン」
By Kenneth MacMillan
Music: Jules Massenet, orchestrated by Martin Yates

26 September at 7.30pm; 27 September at 12.30pm; 30 September at 1pm
1 | 7 | 8 | 9 | 10 | 13 | 15 | 16† | 25 | 29 October at 7.30pm; 4 October at 2pm and 7pm; 5 October at 12 noon; 11 October at 12.30pm
1 November at 7pm

† Live cinema relay (映画館上映有)


Scènes de ballet / Five Brahms Waltzes in the Manner of Isadora Duncan / Symphonic Variations / A Month in the Country 「バレエの情景」「イザドラ・ダンカン風の5つのブラームスのワルツ」「シンフォニック・ヴァリエーションズ」「田園の出来事」
By Frederick Ashton
Music: Igor Stravinsky / Johannes Brahms / Cèsar Franck / Fryderyk Chopin

18 October at 7pm; 22 | 28 October at 7.30pm
4 | 5 | 11 | 12 November at 7.30pm


Ceremony of Innocence / The Age of Anxiety / Aeternum
By Kim Brandstrup / NEW Liam Scarlett / Christopher Wheeldon
Music: Benjamin Britten / Leonard Bernstein / Benjamin Britten

リアム・スカーレットの世界初演作品

7 | 13 | 14 | 17 November at 7.30pm; 8 November at 2pm and 7pm


Don Quixote 「ドン・キホーテ」
By Carlos Acosta after Marius Petipa
Music: Ludwig Minkus, arranged and orchestrated by Martin Yates

25 | 27 | 28 November at 7.30pm
12 | 15 December at 7.30pm; 20 December at 1.30pm and 7pm; 29 December at 7pm; 30 December at 12.30pm
3 January at 1.30pm and 7pm; 5 | 7 | 8 | 14 | 19 | 21 | 22 January at 7.30pm


Alice’s Adventures in Wonderland 「不思議の国のアリス」
By Christopher Wheeldon
Music: Joby Talbot, orchestrated by Christopher Austin and Joby Talbot

6 December at 1.30pm and 7pm; 10 | 16† December at 7.30pm; 19 December at 2pm and 7.30pm; 22 December at 12.30pm; 23 December at 1.30pm and 7pm; 24 December at 12 noon; 27 December at 1.30pm and 7pm; 31 December at 12 noon and 5pm
10 January at 7pm; 12 | 15 | 16 January at 7.30pm

† Live cinema relay (映画館上映有)


Onegin 「オネーギン」
By John Cranko
Music: Kurt-Heinz Stolze after Pyotr Il’yich Tchaikovsky

24 January at 2pm and 7pm; 27 | 28 | 30 January at 7.30pm; 31 January at 12.30pm
2 | 4 February at 7.30pm; 7 February at 12.30pm; 11 February at 2.30pm and 7.30pm; 16 | 18 February at 7.30pm; 27 February at 2.30pm and 7.30pm


Swan Lake 「白鳥の湖」
By Marius Petipa and Lev Ivanov, additional choreography by Frederick Ashton and David Bintley
Music: Pyotr Il’yich Tchaikovsky

10 | 13 February at 7.30pm; 14 February at 7pm; 19 February at 2pm and 7.30pm; 21 February at 1.30pm and 7pm
13 | 16 | 17† | 18 | 19 | 25 | 26 March at 7.30pm; 14 March at 12.30pm; 21 March at 1.30pm and 7pm
2 | 7 | 9 April at 7.30pm

† Live cinema relay (映画館上映有)


The Four Temperaments / Hofesh Shechter / Song of the Earth「フォー・テンペラメンツ」ホフェッシュ・シェクターの新作、「大地の歌」
By George Balanchine / NEW Hofesh Shechter / Kenneth MacMillan
Music: Paul Hindemith / TBC / Gustav Mahler

27 | 30 March at 7.30pm
8 | 10 | 14 April at 7.30pm


La Fille mal gardèe 「リーズの結婚」
By Frederick Ashton
Music: Ferdinand Hérold, arranged and orchestrated by John Lanchbery

16 | 21 | 22 | 23 | 24 | 28 | 29 April at 7.30pm; 26 April at 3pm
2 May at 2pm and 7pm; 5† May at 7.30pm

† Live cinema relay (映画館上映有)


Woolf Works NEW ウェイン・マクレガーの世界初演作品(全幕)
By Wayne McGregor
Music: Max Richter

11 | 13 | 14 | 15 | 20 | 21 | 26 May at 7.30pm; 23 May at 12 noon


Afternoon of a Faun / In the Night / Song of the Earth 「牧神の午後」「イン・ザ・ナイト」「大地の歌」
By Jerome Robbins / Kenneth MacMillan
Music: Claude Debussy / Fryderyk Chopin / Gustav Mahler

The Royal Ballet’s mixed programme brings together two of Jerome Robbins’s masterpieces with MacMillan’s powerful depiction of love and loss.

29 May at 7.30pm; 30 May at 12.30pm
1 | 4 June at 7.30pm


このほかに、リンバリー・スタジオでの公演がいくつかあります。ゲストカンパニー中心ですが、若手ダンサー、ルドヴィク・オンディヴィエラが振付けた全幕「Cassandra」、そしてソリストのクリスティン・マクナリーの作品をバレエ・ボーイズの公演で上演、Shobana Jeyasinghが振付けた「ラ・バヤデール」の新版「The Bayadere Project」、「不思議の国のアリス」と同時期に上演されるZoo Nationの「The Mad Hatter’s T Party」というもう一つの「アリス」、ロイヤルのダンサーの振付作品を上演する「Draft Works」など、興味深い上演がたくさん行われます。


映画館で中継されるのは以下4作品。
Manon 「マノン」 October 16, 2014 10月16日
Alice's Adventures in Wonderland 「不思議の国のアリス」 December 16, 2014 12月16日
Swan Lake 「白鳥の湖」 17 March, 2015 3月17日 
La Fille mal Gardée 「リーズの結婚」5 May, 2015 5月5日

http://youtu.be/CbEiSmxaDhQ

映画館上映の予告編
http://youtu.be/klaRZa3a85g

現シーズンはアシュトン、マクミランの上演が少なくて熱心なファンからは批判を浴びたケヴィン・オヘア。今年は、その分アシュトン作品の上演に力を入れて、アシュトン作品ばかりを集めたプログラム、そして「リーズの結婚」を上演します。マクミランも、「マノン」のほか、「大地の歌」を二つのトリプルビルで上演。新作としては、ウェイン・マクレガーが全幕を振付けます。ヴァージニア・ウルフに関する作品で、アレッサンドラ・フェリがゲスト出演と、大きな話題を呼びそうです。クリスマスシーズンは、恒例の「くるみ割り人形」ではなく「アリス」が上演。全体的には、比較的ロイヤルらしいラインアップと言えそうです。ホフェッシュ・シェクターによる新作を上演するというのは、ちょっと冒険で興味深いですね。

映画館上映については、「マノン」を上映してくれるのはありがたいのですが、「白鳥の湖」「アリス」は2年前に上映したばかりなので、別の作品を観たかったような気がします。

海外ツアーは、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDCで「ドン・キホーテ」を上演します。

3/19 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「オネーギン」

ナショナル・バレエ・オブ・カナダは、「オネーギン」の上演についてはかなりの歴史がある。84年に初演され、唯一映像が収録され市販されたのがここでの舞台だった。(フランク・オーギュスティン主演、VHSで発売されたけど現在は廃盤。良い映像。) 現シュツットガルト・バレエの芸術監督、リード・アンダーソン(クランコ財団)は、以前このカンパニーの芸術監督だったし、レックス・ハリントンなど、オネーギン役で評価されたダンサーもいた。

http://youtu.be/yTugCaQHrLs

(この動画でタチヤーナを踊っているのは、今回の上演ではなぜか出演していないヘザー・オグデン)

前回2010年にリバイバルした際に、従来のユルゲン・ローゼの衣装や舞台装置を一新し、ウディ・アレンの一連の映画のデザインや、ABTのラトマンスキー版「くるみ割り人形」などのデザインを手がけたサント・ロカストが美術を担当。ユルゲン・ローゼのデザインは淡い中間色を使った落ち着いたものだが、ロカストは、華麗でロマンティックな雰囲気がある舞台装置に仕上げた。暗く沈んだ背景には白樺の林があり、室内は金や曲線を多用していて19世紀のゴージャスな貴族生活を再現しつつもモダンな雰囲気。特に3幕の舞踏会での真っ赤な背景に金を利かせたデザインは美しい。衣装なども、より手が込んだものとなっているが、タチヤーナが3幕の舞踏会でティアラを付けているのはちょっと違和感がある。

舞台装置や衣装のメイキング映像
http://youtu.be/iHq2Bi3WxgI

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McGee Maddox and Xiao Nan Yu in Onegin. Photo by Aleksandar Antonijevic.

本来、今回の「オネーギン」は、前のシーズンまでプリンシパルとして在籍していたイリ・イェリネク(元シュツットガルト・バレエ)がゲストとして出演する予定だったのだが、クランコ財団は基本的にゲストダンサーの出演はシュツットガルト・バレエ団員以外は認めないために変更となってしまった。主演したのは、ファースト・ソリストのマクギー・マドックス。長身でサポートはうまく、テクニックもしっかりしている。しかしながら、童顔の持ち主でしかも実際年齢も若く、ちょっとオネーギンのイメージがないのが残念だった。彼が演じるオネーギンは、鼻持ちならない人間という部分はあまりなく、基本的には感じよくしているのだけどふとした瞬間にダークサイドが覗くというイメージ。決闘の後でレンスキーを殺してしまった時の、茫然としながら悔やむシーンでは、この人は実はとってもいい人、優しい人なんだろうなというのが出ていた。

タチヤーナ役はシャオ・ナン・ユー。残念ながら、これはかなりのミスキャストだった。背が高く大柄だし、お顔も少し老け気味なので少女時代のタチヤーナ役が似合わないし、若いオネーギン役とのバランスが取れない。手脚は長いのだけど繊細さに欠けてしまっていて表現が一本調子だ。背中も硬いようである。

一方、タチヤーナの妹オルガ役は、当初はロシア出身の可憐な若手エレーナ・ロブサノワが演じる予定だったのだけど、当日直前に急病で降板。(翌日の公演には無事出演できたそうで良かった)代役として、別の日に踊る予定だったジリアン・ヴァンストーンが踊った。ジリアンはテクニックも強く軽やかに舞い、レンスキー役と一度もリハーサルで合わせる時間がなかったというのに息が良く合っていて、オルガの明るさや軽薄さを的確に表現していた。

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Evan McKie in Onegin. Photo by Aleksandar Antonijevic.

そしてレンスキー役には、エヴァン・マッキー。実にレンスキー役を演じるのは7年ぶりとのことで、今回で最後だという。演技に定評がある彼のこと、当たり前だけどふだん演じているオネーギンとは全く違った、若々しく、一幕で登場した時には陽だまりのように温かいレンスキーだった。それがオネーギンの苛立った心の邪心によりオルガにちょっかいを出され、それに簡単に乗って浮かれている彼女の姿を見てひどく傷つく。エヴァンのアプローチが、舞台俳優のようなメソッド演劇的なものなので、まだオネーギン役に馴染んでいないマドックスと差があり過ぎてバランスが悪いように感じられた。決闘の前、レンスキーが深く傷つき、迫りくる死に慄きながら踊るソロは圧巻。自己憐憫は感じられず、とても透明だった。ヴィオラの独奏に合わせて、リリカルにフレージングするようにアラベスクし背中を反らす様子は、一遍の詩のようであった。レンスキーの死こそが、「オネーギン」という物語が暗転する出来事であり、主要登場人物4人のイノセンスの死を象徴するものだと感じられた。

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Artists of the Ballet in Onegin. Photo by Aleksandar Antonijevic.

ナショナル・バレエ・オブ・カナダは、アンサンブルのレベルが高い。特に男性ダンサーの質はかなりのもので、1幕の青年たちの群舞も見ごたえがあったし見栄えがする人も多い。女性は東洋人が多いので、その点についてはロシアの物語だと考えると少し違和感がないこともないけれども、こちらもダンスのクオリティは高く、雰囲気は良く出せていた。「オネーギン」の上演経験が豊富なカンパニーならではだ。

願わくば主役二人が違うキャストの日で観たかったし(グレタ・ホジキンソンや、今シーズンこの演目で引退するというアレクサンダー・アントニエヴィックは素晴らしかったことでしょう)、イリ・イェリネクのオネーギンが観たかったのだけど。スヴェトラーナ・ルンキナもきっとタチヤーナ役が似合ったことでしょうけど、ちょうどこの時はロンドンでの「キングス・オブ・ザ・ダンス」に出演していたので、カナダには出演できなかったのだった。

Backtrackに載せた英文レビュー
http://bachtrack.com/review-national-ballet-canada-onegin-march-2014

Googleでパリ・オペラ座を見る―ガルニエとエトワールたち

GoogleでGoogle Cultural Instituteというプロジェクトが行われています。

世界中の美術館やアーカイブから展示やコレクションを検索することができます。 まだ知名度の低いものから傑作まで、さまざまな文化財について非常に詳しく記述しているとのことです。
https://www.google.com/culturalinstitute/home?hl=ja

それぞれが大変興味深く、これを見ているだけで一日潰せてしまうようなコンテンツなのですが(日本からも、愛知県立美術館、広島平和記念資料館などが参加)、その中にパリ・オペラ座も加わりました。

http://www.google.com/culturalinstitute/collection/op%C3%A9ra-national-de-paris

大きく分けて3つのコンテンツがあります。

一つは、1940年から72年、そして1972年から現在までのエトワール全員が時系列に並べられて、写真は一点ずつだけですが紹介されています。
http://www.google.com/culturalinstitute/exhibit/le-chemin-des-etoiles-1972-2014/QQscSIp9?position=14%2C62
http://www.google.com/culturalinstitute/exhibit/le-chemin-des-etoiles-1940-1972/QQtCevFv

二つ目は、ミュージアム・ビュー。ガルニエの劇場内部、舞台から見た客席、ホワイエ、大階段などを精密な画像で見ることができます。また、ガルニエの屋上に上がり、そこから360度のパリの街のビューを楽しむことができます。ガルニエの地下水道も探検できます。ガルニエの図書館の中にも入ることができます。

最後に、展示アイテムとして、ガルニエの中の美術を堪能できます。有名なシャガールの天井画をはじめ、ホワイエの天井画、屋上のアポロ像などガルニエを彩る様々な絵画や彫刻を一点ずつ見られます。何回かガルニエに行ったことがある私でも、マリー・タリオーニ、ファニー・エルスラー、カルロッタ・グリジなどの肖像画があることは知りませんでした。

これらのコンテンツは、ガルニエ全体を紹介するサイトの一部としても組み込まれています。
http://visitepalaisgarnier.fr/

特にクリエーションの項目は、非常に貴重な資料となります。
http://visitepalaisgarnier.fr/fr/lhistoire/frise-chronologique-des-grandes-creations

作品数は少ないのですが、主要なバレエ作品が年代別に紹介されています。「ジゼル」から「マーラー交響曲3番」まで。
http://visitepalaisgarnier.fr/fr/timeline/56/les-grands-ballets-au-palais-garnier-et-lopera-bastille-frise

建築としてのガルニエについても非常に詳しいので、訪れる前にはぜひこのサイトを予習すると良いかと思われます。

すでにご存じの方も多いとは思いますが、オペラ座はDaily Motionにチャンネルがあり、上演作品のプロモーション用映像をたくさん見ることができます。
http://www.dailymotion.com/operadeparis#video=xxskeh

「令嬢ジュリー」の映像

Mademoiselle Julie - Birgit Cullberg (2) 投稿者 operadeparis

2014/03/30

ローザンヌ国際コンクールの放映は5月10日(土)

今日、NHKバレエの饗宴を観に行きました。

吉田都さんのシルフィードはふわふわと軽やかで足音もさせなくてまさに妖精でしたね~。愛らしかったです。フィリップ・バランキエヴィッチのジェームズもとても良かった!足先が綺麗で、アントルシャには高さがあってよく浮いていました。これで今シーズンで彼が退団だなんてちょっと悲しすぎます。東京シティバレエの「ベートーヴェン交響曲7番」(ウヴェ・ショルツ)も素晴らしかったです。カンパニーの総合力も高いし、志賀育恵さんはやはり凄い。中村恩恵さんと首藤康之さんは、美しい舞台を観た、という夢のような世界を作り出してくれました。全体的にとても楽しめたので、テレビ放映が楽しみです。

「NHKバレエの饗宴」の放映は、Eテレで4月20日(日)午後9時~「クラシック音楽館」で行われます。
http://www4.nhk.or.jp/ongakukan/

さて、このNHKバレエの饗宴の会場で、ローザンヌ国際コンクールの放映をアナウンスしていました。チラシなどは配られていなかったので、ソースが自分の耳しかないのですが、5月10日(土)の放映予定だそうです。今年は3人の日本人入賞者がいましたし、放映が楽しみですね。

ローザンヌ国際コンクールで一位の二井治雄さんの活躍ぶりについてのニュースもあちこちにあります。プロ野球、巨人、阪神線の開幕試合でも踊られたとのことでニュースになっていました。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20140329-OYT1T00124.htm

これは長野市での催しなのですが、NHKのニュース映像で踊る二山さんの姿を少し観ることができます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140329/k10013349651000.html

たまたま見つけた二山さんがバジルをリハーサルする映像。素晴らしいテクニックです。
http://youtu.be/bXCKnLg3-Bs

これはローザンヌ公式より、受賞した時のソロルの演技
http://youtu.be/fKM7d_kFKGU

テレビ放映と言えば、土曜日に放映されたボリショイのフィーリン裁判の番組はちょっとひどかったですね。決めつけが多くて、オルガ・スミルノワが気の毒になりました。インタビューで出演していたアンジェリーナ・ヴォロンツォーワは、今日(29日)、ミハイロフスキー・バレエの「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」に主演し、シモーヌ役はなんとニコライ・ツィスカリーゼが演じたようです。

ちなみ、この「リーズの結婚」のニュース映像を見ることができます。ツィスカリーゼの女装姿と木靴の踊りも。

http://www.vesti.ru/videos?vid=588214

http://www.ntv.ru/novosti/872216/ (こっちは動画が重いです)

2014/03/29

デニス・マトヴィエンコのプロジェクト「グレート・ギャツビー」

すでにご存じの方も多いかもしれませんが、デニス・マトヴィエンコは、「グレート・ギャツビー」というプロジェクトを進めています。

http://gatsbyballet.com/eng/

昨年もバズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ主演の映画が公開された、スコット・フィッツジェラルドの小説「華麗なるギャツビー」のバレエ化です。コンプレクションズ・コンテンポラリー・バレエの芸術監督をデズモンド・リチャードソンとともに務めるドワイト・ローデンが振付を行い、音楽はウクライナではもっとも有名な作曲家というKonstantin Meladzeです。プロデューサーはマトヴィエンコの姉、アリョーナ・マトヴィエンコ。

プロモーションビデオがアップされていて、これはちょっとバズ・ラーマンっぽいポップな雰囲気です。

http://youtu.be/Rp5824PV79o

この映像では、キエフ・バレエのエリザベータ・チェプラソワがデイジー役で出演していますが、出演者は4月に発表される予定だそうです。

http://pointemagazine.com/blogs/dwight-rhoden/dwight-rhoden-choreographing-great-gatsby

予定では今年の10月にモスクワでプレミアを迎え、その後はキエフ、ペテルブルグ、ニューヨークなどで世界ツアーを行うという大きな計画です。ドワイト・ローデンは、ディアナ・ヴィシニョーワの他、プリンス、レニー・クラヴィッツ、シルク・ド・ソレイユにも振付を行うなど、幅広い分野で活躍しており、一味違った作品が期待されます。

ウクライナ情勢は予断を許さず、ウクライナで活躍するダンサーの皆さんのことも心配なこの頃ですが、マトヴィエンコは相変わらず世界中で大活躍。マリインスキー・バレエの正プリンシパルとなったほか、ABT、サンフランシスコ・バレエなどにゲスト出演をしています。

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第1回 国際バレエコンクール イン 東京 スペクタクル

Side B-allet さんから頂いた情報です。(いつもありがとうございます)

第1回 国際バレエコンクール イン 東京というコンクールが今年7月に開催される予定となっているそうです。
http://www.irc21-ryugaku.net/

7月20日~23日がパリ・オペラ座エトワールによるワークショップ
7月24日~25日が予選 (よみうりホールにて)
7月26日が決勝 および スペクタクル(公演)

詳しくはこちらに掲載されています(PDF)
http://www.irc21-ryugaku.net/PDF/20140224_LE_1ER_concours_tokyo.pdf

審査員長:ジョゼ・マルティネーズ José Martinez
審 査 員:キャロル・アルボ Carole Arbo
ファビエンヌ・セルティ Fabienne Cerutti
ベルトラン・ベレム Bertrand Belem
ラリオ・エクソン Larrio Ekson

スペクタクルについては、以下のように予定されているようです。

☆日 程
2014 年 7 月 26 日(土) 開演 18:30

☆会 場
「よみうりホール」(コンクールと同じ場所です)

<スペクタクルⅠ>

☆内 容
パリ・オペラ座プルミエダンサーによるスペクタクル
演目1:「眠れる森の美女」第3幕 パ・ドゥ・ドゥ
演目2:「バクチ」ベジャール振付

☆出 演
ダンス:アマンディーヌ・アルビソン Amandine Albisson
ヤニック・ビトンクール Yanik Bittencourt

<スペクタクルⅡ>

☆内 容
パリ・オペラ座エトワールによるスペクタクル
演目1:「ジゼル」第2幕アダージョ
演目2:「カラヴァッジョ」ビゴンゼッティ振付

☆出 演
ダンス:ミリアム・ウルド・ブラーム Myrian Ould-Braham
ミカエル・ラフォン Mickaël Lafon

注)ダンサー、演目は変更になることがありますので、予めご了承ください。

チケットはチケットぴあから購入できます。
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1413565
2014/4/3(木) 10:00より発売

2014/03/28

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」チケット発売情報とスケジュール

久しぶりに日本に帰ってくる、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」。今回はスペシャルゲストとして、ABTのマルセロ・ゴメスがザ・スワンとザ・ストレンジャーを踊ることも話題です。

その公演日程とチケット発売情報が発表されていました。
http://l-tike.com/classic/swanlake/

マシュー・ボーンの白鳥の湖
■料金(税込)
【プレビュー公演 9/6[土]~7[日]】 S席¥11,000 A席¥9,000 B席¥7,000
【本公演 9/9[火]~21[日]】 S席¥13,000 A席¥11,000 B席¥9,000
シアターオーブ

ゲストダンサー マルセロ・ゴメス(アメリカン・バレエ・シアター プリンシパル)
≪出演期間≫9/9[火]~21[日]
※ただし、キャストの発表は、カンパニーの意向により公演当日とさせていただきます。予めご了承ください

一般発売日 4/20[日]
Lコード 32222
一般発売受付電話 0570-084-632 (初日特電/Lコード不要 10:00~18:00)
0570-000-407 (オペレーター 10:00~20:00)
電話予約
0570-084-003 (発売初日18:00以降/Lコード必要)
0570-000-407 (オペレーター 10:00~20:00)
店頭販売 ローソン・ミニストップ店頭Loppiにて

4/5[土]12:00~4/19[日]23:59の間に「プレリクエスト先着先行」があり、PCからだと席が選べるとのことです。

会場のシアターオーブのサイトにも情報が載っています。
http://theatre-orb.com/lineup/14_swanlake/

気になるのが、マルセロ・ゴメスの他にザ・スワン、ザ・ストレンジャーを踊るのが誰ということ。もちろん、王子役もですが。キャストが当日発表というのは、このボーン版「白鳥の湖」では今までも行われてきた方式ですが、なかなかチケットを買う方は大変です。

『白鳥の湖』 マシュー・ボーン振付、ニュー・アドヴェンチャーズ(2012)『白鳥の湖』 マシュー・ボーン振付、ニュー・アドヴェンチャーズ(2012)


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2014/03/26

bachtrack掲載英文レビュー パリ・オペラ座「椿姫」、カナダ「白鳥の湖」、「オネーギン」、ABT来日公演など

ちょっとここのところ、なかなかバレエを観に行った感想をアップできずに申し訳ありません。英文レビューを書くのが予想以上に大変で、日本語まで手が回っていないのが現実です。英文レビューのリンクをとりあえず貼っておきますね。

まだこれから書きますが、K-Balletの「ラ・バヤデール」は作品的にもカンパニーの力的にも非常にレベル高く楽しめました。ぜひ再演、DVD化を期待したいところです。

パリ・オペラ座バレエ「椿姫」(シアラヴォラ、ガニオ)
http://bachtrack.com/review-paris-ballet-lady-camellias-tokyo-march-2014

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「オネーギン」
http://bachtrack.com/review-national-ballet-canada-onegin-march-2014

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「白鳥の湖」(ルンキナ、マッキー)
http://bachtrack.com/review-national-ballet-canada-swan-lake-march-2014

ABT「マノン」(ヴィシニョーワ、ゴメス)
http://bachtrack.com/review-feb-2014-abt-manon-tokyo

ABT「オールスターガラ」
http://bachtrack.com/review-feb-2014-abt-all-star-gala-tokyo

ABT「くるみ割り人形」(パールト、ゴメス)
http://bachtrack.com/review-feb-2014-american-ballet-theatre-nutcracker-japan

ウィーン国立バレエの2014/15シーズン

マニュエル・ルグリ率いるウィーン国立バレエの2014/15シーズンが発表されました。

http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/aktuelles/neuigkeiten/Spielzeit_2014_2015.de.php

バレエは全56公演。新レパートリーとしては、ジョン・ノイマイヤーの「ヨゼフの伝説」(もともとこの作品はウィーン国立バレエのために振付けられたもの)「ヨゼフの伝説」は、ウェルザー=メストが指揮をするんですね。
そしてイリ・キリアン、Alexander Ekman、ハンス・ファン・マーネンのトリプルビル。キリアンは「ベラ・フィギュラ」、エクマンは「Cacti」そしてファン・マーネン「Adagio Hammerklavier」です。
2015年6月28日には「ヌレエフ・ガラ」が行われます。

また、フォルクスオーパーでは、ティエリー・マランダンの「ドン・ファン」と、ボリス・エイフマンの「赤いジゼル」を上演します。

他の上演作品としては

「白鳥の湖」(ヌレエフ振付)、
「MASTER SIGNATURES」(ブベニチェクの「ル・スフル・デ・レスプリ」、ノイマイヤーの「ヴァスラウ」、バランシンの「アレグロ・ブリランテ」、ダンツィヒの「四つの最後の歌」)、
「ロミオとジュリエット」(クランコ振付)、
「マイヤリング」(マクミラン振付)、
「BALLETT-HOMMAGE」(フォーサイスの「The Second Detail」、ホレチナの「Contra Clockwise Witness」(新作)、ランダーの「エチュード」)、
「くるみ割り人形」(ヌレエフ振付)、
"CHOREOGRAPHISCHE WERKE"(振付ワークショップ)
「TANZPERSPEKTIVEN」 デヴィッド・ドーソン、ヘレン·ピケット、パトリック・ド=バナ、ジャン=クリストフ・マイヨーの4人の新作
「ラ・シルフィード」(ラコット)

古典、ドラマティックバレエ、現代作品とバランスの取れた良いプログラムだと思われます。

今シーズンの上演演目も一部含まれていますが、こちらのサイトで演目がまとまっています。映像なども。
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/staatsballett_neu/medien/medien.de.php

リード・アンダーソンがシュツットガルト・バレエの芸術監督契約を2018年まで延長

1997年よりシュツットガルト・バレエの芸術監督を務めているリード・アンダーソン。近年、健康問題がささやかれていることから、2016年までの現在の契約が延長されるかどうかが注目されていました。

3月25日にシュツットガルトの市長と科学文化相によって、2018年まで契約期間が延長されることが発表されました。

http://www.tanznetz.de/blog/26317/reid-anderson-bleibt-bis-2018

現在、ジョン・クランコスクールの校舎を新築するプロジェクトが推進されていますが、様々な問題から予定以上に時間がかかっているという問題があります。このプロジェクトを進めるうえでも、アンダーソンが継続したほうが良いだろうという判断がありました。

また、リード・アンダーソンの功績により、シュツットガルト・バレエは大きな成功を収めています。若手ダンサーや振付家を発掘につとめ、積極的に新作を上演し続けています。8作品もの新作を一シーズンに上演するカンパニーは他にはありません。特に、2013年に初演されたデミス・ヴォルピの「クラバート」はすべての公演が売り切れ、ヴォルピがドイツ・ダンス賞を受賞するなど批評的にも成功しました。アンダーソンが着任してからバレエの観客動員率は90%を超え、ここ数年は95%まで到達するなどチケットの売り上げも上々。男性ダンサーの充実ぶりは他のバレエ団の追随を許さず、Tanz誌の最優秀ダンサーは、「シュツットガルト・バレエの男性プリンシパル全員」が選ばれたほどでした。

2014/03/25

フジテレビ 「土曜プレミアム・世界法廷ミステリー」でフィーリン襲撃事件

フジテレビ系で放映されている「土曜プレミアム・世界法廷ミステリー 第4弾」3月29日(土)21:30~23:40の放映は、

<偽愛の「ブラックスワン」は誰だ!?>というタイトルで、ボリショイでのセルゲイ・フィーリン襲撃事件を扱うようです。

http://www.fujitv.co.jp/b_hp/premium/

世界三大バレエ団のひとつである、ボリショイ・バレエ団の芸術監督が、硫酸をかけられ襲われるという事件が発生。裁判の鍵を握ったのは、「白鳥の湖」のプリマドンナの座をめぐっての実力派ダンサー、アンジェリーナと新人、オルガの争い。首謀者の主役級のダンサー、ドミトリチェンコ被告とアンジェリーナは夫婦同然の仲。犯行の動機は、配役をめぐるトラブルなのか?
番組では日本のテレビ局としては初めて、事件の鍵を握るアンジェリーナのインタビュー取材に成功。果たして、事件の真相とは?

これは、ドミトリチェンコらの裁判の内容が再現されるということなのでしょうか?また、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワのインタビューを収録したということで、興味深い内容です。

ちなみに、裁判の行方ですが、ドミトリチェンコは減刑され、懲役5年5か月となりました。実行犯のザルツキーは懲役9年、運転手のリパトフは懲役4年となりました。またドミトリチェンコは120万ルーブル、ザルツキーは150万ルーブル、リパトフは30万ルーブルを賠償金としてフィーリンに支払うこととなりました。刑の内容が確定したということで、ドミトリチェンコは正式にボリショイ・バレエを解雇されました。また、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワは、裁判で証言する用意があると声明を出しています。
http://www.ismeneb.com/Blog/Entries/2014/3/6_Bolshoi_sacks_Dmitrichenko_as_he_loses_appeal.html

2014/03/24

アニエス・ルテステュのドキュメンタリー「至高のエトワール パリ・オペラ座に生きて」公開

パリ・オペラ座バレエの日本公演が終わりましたね。

私は、結局「椿姫」の2公演しか観られなかったのですが、圧倒的な演技力で魂を震わせてくれたイザベル・シアラヴォラのマルグリット、見事な復活を遂げ、ノイマイヤーが理想のアルマンだと語っていたエルヴェ・モローを観ることができたのがとても嬉しかったです。デ・グリューのクリストフ・デュケンヌ、マノンのエヴ・グランツステインも素晴らしかったです。

さて、今回の「椿姫」で最後のオペラ座のエトワールとしての舞台を踊ったアニエス・ルテステュ。彼女のドキュメンタリー映画が製作されました。すでにフランスではDVDが発売されていて、私も買ったもののまだ観ていません。が、このドキュメンタリー、日本では映画館のスクリーンで観ることができます。

「至高のエトワール パリ・オペラ座に生きて」
Agnes Letestu L'Apogee d'une Etoile

監督は、ピエール・ラコットとギレーヌ・テスマー夫妻を追った「バレエに生きる パリオペラ座のふたり」のマレーヌ・イオネスコ。晩秋に、Bunkamuraル・シネマほかで順次全国公開とのことです。

2013年10月10日にオペラ座でアデューを迎えたアニエスの、それまでの2年間を追ったものとのこと。マルティネス、ラコット、イレール、テスマーらのオペラ座にゆかりの関係者や演目、そしてフォーサイスやキリアン、カールソンといったコンテンポラリーの振付家やその作品映像も登場するそうです。楽しみですね。

http://youtu.be/Kqo4dJ33TNE

チャコット ダンスキューブの記事
パリ・オペラ座のエトワール、アニエス・ルテステュのアデュー公演までを描いたDVDが刊行された
http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/dvd.html

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2014/03/22

K-Ballet Company「ラ・バヤデール」の公演レポートが面白い!

3月19日~26日まで上演されるK-Ballet Company「ラ・バヤデール」、待望の新作の初日の幕が開きました。私が公演を観るのは24日で、少し先なのですが、Bunkamuraのサイトで、公演レポートが掲載されていて大変わくわくしています。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_bayadere/topics/index.html

K-Balletといえば、どの作品も美術や衣装が大変凝っていて美しいのですが、「ラ・バヤデール」の衣装は本当にすごいです。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_bayadere/topics/post_4.html

稽古場レポート、浅川紫織さんと宮尾俊太郎さんのインタビューも。
https://members-club.flets.com/pub/pages/contents/list/bunkamura/e/news/140313/

初日のレポート
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_bayadere/topics/2014320.html

そしていよいよ、浅川&遅沢カップル初日登場
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_bayadere/topics/2014321.html

ブロンズアイドルの黄金っぷりったら、凄いです。こんなに黄金に輝くブロンズアイドルは見たことがありません。そして本物と見まがうばかりの象さんも。


熊川哲也さんのインタビュー記事。面白いです。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/classic/clnews/02/20140311-OYT8T00616.htm


新作の誕生というのは、本当にワクワクするものです。ぜひ、熊川さん渾身の「ラ・バヤデール」を観に行きましょう。


*当日券について

熊川哲也さん出演の回:開演1時間前よりキャンセル待ちの札を配布。

熊川哲也さん出演のない回:開演の1時間前よりオーチャードホール当日券売り場にて販売。

2014/03/21

3/13,16 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「白鳥の湖」

カナダのトロントで、ナショナル・バレエ・オブ・カナダの「白鳥の湖」と「オネーギン」を見てきました。

振付:ジェームズ・クデルカ
美術、衣装 :サント・ロカスト

オデット/オディール スヴェトラーナ・ルンキナ
ジークフリート エヴァン・マッキー
ベンノ 江部直哉
ロットバルト パトリック・ラヴォイエ
道化 ディラン・テダルディ
娼婦 ジョーダナ・ドーメック
ハンガリーの姫 ティナ・ペレイラ(13)、ステファニー・ハッチンソン(16)
ロシアの姫 エレーナ・ロブサノワ
スペインの姫ジェナ・サヴェラ
イタリアの姫 ジリアン・ヴァンストーン(13)、森 志乃(16)

http://youtu.be/lHJ4_un1AzI

夫君のトラブルに巻き込まれてボリショイから実質離れ、カナダに定住しているスヴェトラーナ・ルンキナ。今シーズンは、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのゲストプリンシパルとして、「くるみ割り人形」と現代作品の新作に出演。今回、この「白鳥の湖」こそがボリショイのプリマである彼女の持ち味を生かせるとして話題となっていた公演だった。

さて、ここの「白鳥の湖」はジェームズ・クデルカが1999年に振り付けたもの。非常に変わった設定の作品である。オデットは白鳥に変えられてしまった姫ではなく、もともと白鳥なのである。ロットバルトが、腐敗した人間どもを懲らしめるために彼女送り込み、王家を滅ぼそうと企んでいるのである。この企みはまんまと成功し、3幕の終わりには洪水が起きて王子とロットバルト以外全員死に、4幕は洪水で崩壊した城の廃墟の前で繰り広げられる。ロットバルトは冒頭では大きな翼を持った堕天使のような姿、二幕ではロングヘアーに半裸というなんとも怪しいいでたちで、オデットと王子のパドドゥにも相当割り込んでくる。それもそのはず、少なくとも最初のうちはオデットは完全なロットバルトの繰り人形なのだから。

また、特徴的なのが、この作品にはミソジニー(女性嫌悪)が描かれていること。1幕のワルツは通常男女が踊るのだが、ここでは、王子の友人である騎士達が踊り、登場する女性は二人だけ。女王と「a wench」という役名の女性1人。この役名をどうやって訳したらいいのか難しいところなのだが、辞書を引くと、娼婦、または召使い女とある。どちらとも取れるのだが、王子の友人たちへの絡み方を見ると娼婦のように思える。パ・ド・トロワは、ベンノ、道化、娼婦の3人で踊るという変則版だし、道化はグリゴローヴィッチ版でロットバルトが3幕のヴァリエーションで使う音楽で、娼婦は同じくグリゴローヴィッチ版でオディールが踊るヴァリエーションの音楽でソロを踊る。さらに、普通王子の一幕終わりの憂愁のソロで使われる音楽で、王子とベンノがデュエットを踊るのだ。どうも、王子とベンノはただの友人ではない、それ以上の関係にあるように思える。まるでバチェラーパーティのように王子の友人たちは激しい踊りを繰り広げ高揚していくが、王子はこの踊りの輪には加わらず、冷ややかに見ている。一方友人たちは最後、娼婦を連れ込んで集団で彼女に乱暴をしてしまうのである。王子はそういう男性的なものには関心がなく、ベンノと親しげに語らうだけ。

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Evan McKie and Svetlana Lunkina with Artists of the Ballet in Swan Lake. Photo by Aleksandar Antonijevic.

そのミソジニー的な部分は3幕でも出てくる。花嫁候補である各国の姫たちは、商品のように大きな色鮮やかなマントにくるまれて、大使に伴われて差し出される。彼女たちは、各国の民族舞踊をソロでポワントで踊るが、王子は途中で飽きてその場から退出するほど関心がない。そして最後は、やはり台の上に載せられて、売られて行く家畜のように立たされているのだ。

2幕も変わっているのがこの版の特徴。湖畔のシーンも、湖畔というよりは寧ろ沼地のようで、まるで昼間のように明るい。ロットバルトは、緑色の透けている薄い服をまとった半裸状態の上、長髪でなんだか変質者のよう。そして、ロットバルトがやたら出しゃばるというか、オデット王子の間に割って入ってきてすごく邪魔なのだ。オデットがロットバルトの繰り人形であることを示すための演出とはいえ、本来パドドゥであるべきところがトロワになってしまうのはちょっと残念。音楽の順番もかなり変えており、グラン・アダージョの前にオデットがヴァリエーションを踊る。グラン・アダージョはコーダの前にあって、オデットが王子の愛によって人間の女性的な感情を獲得し、愛が高まったことを示すということでは、効果的な演出である。だが、大きな白鳥の踊りが白鳥2羽とロットバルト、王子のパ・ド・カトルになっているというのは違和感を拭えない。音楽と音楽の間のつながりが悪くてぶつ切り感がある。また、コール・ドのフォーメーションも独特で、それぞれ別の動きをする時があって、一人一人に意思があるかのように思える。

そういう意味では、4幕が一番オーソドックスな演出になっているのだが、ここでは白鳥のコール・ドは全員黒鳥となっていて、唯一オデットだけが白い。視覚的には美しく、白鳥たちが全員ロットバルトの手下であることを示しているようだ。ここで繰り広げられるオデットと王子のパドドゥは哀しく美しい。ルンキナの全身を使った感情表現が実に豊かで、王子に対しての深い愛と赦しの感情が、彼女の柔らかく伸びやかな腕と肩の動きで語られていた。王子とロットバルトは激しく戦うも、結局は相討ちとなり、ロットバルトとともに死んだ王子をかき抱いたオデットが一人嘆き悲しむという幕切れだが、王子が死んでいることに気がついて見せたオデットの嘆きの姿も心を打つものだった。

ルンキナの白鳥としての表現力は見事としか言いようがない。登場した時は、人間ではなくロットバルトが王家を滅ぼすために送り込んだ、美しい女性に見せかけた白鳥であり、魂のない人形のように空虚で動きもやや硬い。だが、王子の愛に触れるに従って、少しずつ人間の心を持つようになってきて、動きも滑らかで雄弁に、そして感情豊かになっていく。ルンキナは、むしろ小柄な部類に入るのだが、腕の可動領域がとても広く、大きくダイナミックで素早い動きも、ゆっくりとした繊細な動きも自由自在な上、エポールマンや背中の表現も饒舌だ。黒鳥の時は、決して大袈裟になることなく、むしろ控えめな中に魔性を感じさせ、アクセントの利かせ方が上手くて、非常に魅惑的だった。特に白鳥のふりをするところはぞっとするほど美しい。ヴァリエーションもバランスの取り方が素晴らしくて見事だったが、グランフェッテはやや不得意のようだった。やや中心が移動してしまったりしていたが、きっちり回り切ったのはさすが。

エヴァンは、まさに立っているだけで王子という雰囲気の持ち主で、1幕ではベンノとのパドドゥ以外は立っているか座っているかのどちらかで、ほとんど踊らない。だが、座っている時の長く伸びてつま先までピンとした脚のゴージャスさにはうっとりするし、立ち居振る舞いの優雅さは持って生まれたもののように見える。白鳥の湖の王子さまってメランコリックなのはデフォルトなのだが、単に憂いがあるだけでなく、ダークサイドを持っているのが感じられる。母親に結婚しろと迫られることに反抗するだけでなく、おそらくは女性に興味がなく、ベンノには単なる友情以上の感情を持っている。一幕で友人の騎士たちが踊りを繰り広げ、娼婦を手篭めにする様子を見てもその輪には加わらないし、彼らに対して嫌悪感すら感じているほどだ。したがって、人間ではなく白鳥に恋したというのも必然と言えるのかもしれない。一目でオデットに恋し、ひたむきに愛を捧げることによって彼女に感情を芽生えさせる。愛を伝える優しいサポート、ルンキナの動きと呼応するようハーモニーを奏でる。二人の気持ちが通じ合い高まりあって行くのが手に取るように伝わり、言葉はなくてもとても雄弁で台詞が聞こえて来るようだった。そしてエヴァンは、アラベスクの角度がすごく高い。3幕ヴァリエーションのアントルシャ・シスの足先がきれい。ルルヴェが高い。彼は王子らしくエレガントに踊ることを主眼にしているから、派手なことは一切しないし、人によっては物足りなく感じる部分もある。けれども、極めてロシア的な踊りをするのでルンキナによくマッチしている。

ベンノ役はファーストソリストの江部直哉さん。王子とデュエットを踊るところは、さすがに長身のエヴァンと並ぶと見劣りするところはあるけど、テクニックは素晴らしい。跳躍は高く、着地が美しくて回転も非常に正確だ。王子とのやりとりも多くて、役作りもしっかりしており存在感がある。すでにアルブレヒトやロミオを踊っている彼はまだ25歳と若いが、プリンシパルになれる可能性も高い。このバレエ団は日本人の活躍が目立っており、森志乃さんは白鳥コール・ドの先頭、小さな4羽の白鳥、イタリアの姫と大活躍。特にイタリアの姫は技術の高さが求められ、別の日にはプリンシパルも踊っている役。平野啓一さんは別の日には道化を踊っていたがそれは見られず、騎士の一人で踊っていたが、長身で見栄えがしており、跳躍も美しい。国際色豊かなバレエ団で、東洋系始め肌の色も様々だけど、アンサンブルの実力は高かった。

美術は、ABTのラトマンスキー版くるみや、ナショナルバレエオブカナダのオネーギンを手がけたサント・ロカストの手によるもの。ロットバルトの悪趣味な衣装を除けば、高い美意識が貫かれた、ややエッジーながら華麗でドラマティックなデザインが魅力的だ。特に3幕の秘密サロンのようなダークな舞踏会において、鮮やかな色彩のマントに、まるで贈り物のように包まれた姫君たちが立っている様子は鮮烈である。

オーソドックスな白鳥の湖とは一線を画する、ダークでビザールなクデルカ版は、かなり賛否が分かれており、否定論の方が多い。特にミソジニー的な描写と音楽の順番を入れ替えていること、邪魔すぎるロットバルトに拒絶反応があるようだ。だが、古典でありバレエの代名詞である白鳥の湖でも、こんなひねった解釈ができて、インパクトの強い作品を作ることができるのは素晴らしいと思う。退屈な作品よりは、変だけど面白い作品の方がいい。

私の英語のレビューはこちらです。
http://bachtrack.com/review-national-ballet-canada-swan-lake-march-2014

2014/03/13

ニーナ・アナニアシヴィリにバレエを習うグルジアツアー

モスクワ・ボリショイバレエ団のプリマであり、そしてアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルを16年勤めた伝説のバレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリ。
ニーナの故郷であるグルジアを訪ね、彼女のバレエレッスンを受けられる夢の企画第1弾が実施されます。
バレエレッスンツアーと同時に観光をメインにしたツアーも同時に用意しているそうです。

http://www.proco-air.co.jp/tour/?id=1394438899-298959

特典1:ニーナの直接バレエ指導3日間!(バレエレッスングループ)
特典2:バレエレッスン最終日はニーナからの個別アドバイスとツーショット撮影!(バレエレッスングループ)
特典3:ニーナのワイナリー見学とワインの試飲、そして夜はニーナを囲んでの特別ディナー!(バレエレッスングループ / 観光グループ)

もちろん、ニーナが出演するグルジア国立バレエのバランシン・ガラも観られるという貴重な機会も用意されています。

ニーナからのビデオメッセージ。
https://docs.google.com/file/d/0BxmGI4xiOwFkbldzZkVITF9uY0E/preview?pli=1

ファンにとっては、絶対に見逃せない企画ですね。

■企画/株式会社ネイチャープラス
■旅行実施/株式会社プロコ・エアサービス
観光庁長官登録旅行業第187号 日本旅行業協会正会員
東京都港区新橋3-5-10 新三ビル1階

2014/03/12

マリインスキー・バレエのロンドン公演

7月28日~8月16日まで、ロイヤルオペラハウスにて、マリインスキー・バレエのロンドン公演が行われます。

キャストも発表されているのでお知らせします。ロパートキナ、ヴィシニョーワらスターも出演しますが、日によって当たり外れが大きい感じがするのでご注意を。注目の英国人コリフェ、ザンダー・パリッシュも「白鳥の湖」「ロミオとジュリエット」「アポロ」に主演します。また、最近ようやくオデット・オディールデビューを果たした、マリインスキー・バレエファンに高い人気のあるユリア・ステパノワも。

http://dancetabs.com/2014/03/mariinsky-ballet-london-season-including-casting/

一般発売は4月8日よりです。
http://www.roh.org.uk/mariinsky.com

MARIINSKY BALLET 28 July – 16 August 2014 CASTING

Monday
28 July
7.30pm
Romeo and Juliet 「ロミオとジュリエット」
Diana Vishneva, Vladimir Shklyarov
Mercutio - Alexander Sergeyev

Tuesday
29 July
7.30pm
Romeo and Juliet 「ロミオとジュリエット」
Viktoria Tereshkina, Xander Parish
Mercutio - Kimin Kim

Wednesday
30 July
7.30pm
Romeo and Juliet 「ロミオとジュリエット」
Alina Somova, Philipp Stepin
Mercutio - Alexander Sergeyev

Thursday
31 July
7.30pm
Romeo and Juliet 「ロミオとジュリエット」
Olga Esina, Konstantin Zverev
Mercutio - Kimin Kim

Friday
1 August
7.30pm 
Swan Lake 「白鳥の湖」
Oxana Skorik, Timur Askerov

Saturday
2 August
2pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Olga Esina, Xander Parish

7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Viktoria Tereshkina, Vladimir Shklyarov


Monday
4 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Uliana Lopatkina, Daniil Korsuntsev

Tuesday
5 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Yulia Stepanova, Konstantin Zverev

Wednesday
6 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Ekaterina Kondaurova, Timur Askerov

Thursday
7 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Alina Somova, Kimin Kim

Friday
8 August
7.30pm 「アポロ」
Apollo
Olga Esina, Vladimir Shklyarov

A Midsummer Night’s Dream 「真夏の夜の夢」
Viktoria Tereshkina, Timur Askerov
Oxana Skorik, Konstantin Zverev

Saturday
9 August

2pm 
Apollo 「アポロ」
Maria Shirinkina, Xander Parish

A Midsummer Nights’ Dream 「真夏の夜の夢」
Ekaterina Kondaurova, Philipp Stepin
Nadezhda Batoeva, Kimin Kim

Saturday
9 August
7.30pm
Apollo 「アポロ」
Oxana Skorik, Alexander Sergeyev


A Midsummer Night’s Dream 「真夏の夜の夢」
Uliana Lopatkina, Konstantin Zverev
Maria Shirinkina, Philipp Stepin


Monday
11 August
7.30pm
The Firebird 「火の鳥」
Yulia Stepanova, Andrey Yermakov


Marguerite and Armand 「マルグリットとアルマン」
Diana Vishneva, Vladimir Shklyarov

Concerto DSCH 「コンチェルトDSCH」
Svetlana Ivanova, Konstantin Zverev,
Nadezhda Batoeva, Philipp Stepin,
Kimin Kim

Tuesday
12 August
7.30pm
The Firebird 「火の鳥」
Anastasia Matvienko, Konstantin Zverev

Marguerite and Armand 「マルグリットとアルマン」
Uliana Lopatkina, Timur Askerov

Concerto DSCH 「コンチェルトDSCH」
Ekaterina Kondaurova, Andrey Yermakov, Nadezhda Batoeva, Vasily Tkachenko, Alexander Sergeyev

Wednesday
13 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Viktoria Tereshkina, Vladimir Shklyarov

Thursday
14 August
7.30pm
Swan Lake 「白鳥の湖」
Anastasia Matvienko, Xander Parish

Friday
15 August
7.30pm
Cinderella 「シンデレラ」
Diana Vishneva, Konstantin Zverev,
Ekaterina Kondaurova, Yuri Smekalov, Zlata Yalinich

Saturday
16 August
2pm
Cinderella 「シンデレラ」
Anastasia Matvienko, Alexander Sergeyev, Anastasia Petushkova,
Yuri Smekalov, Zlata Yalinich

Sunday
16 August
7.30pm
Cinderella 「シンデレラ」
Maria Shirinkina, Vladimir Shklyarov,
Ekaterina Kondaurova, Yuri Smekalov
Zlata Yalinich

2014/03/11

ヤング・ブリティッシュ・ダンサー・オブ・ザ・イヤー2014

英国のバレエ学校で学ぶ15歳から17歳までの生徒たちが競うコンクール、ヤング・ブリティッシュ・ダンサー・オブ・ザ・イヤー2014が行われました。英国のバレエ学校に3年以上学んでいるか、英国人であれば参加できるものです。

準決勝に進んだ生徒は男女8人ずつの16人で、全員ロイヤルバレエスクールの生徒でした。3月8日に決勝が行われました。そして結果は以下の通りです。

YBDY 2014
First: Erik Woolhouse
Second: Joseph Sissons
Third: Nicholas Landon

Sibley Dowell Award for a promising student with potential: Ricardo Castellanos

Commendations: 入賞
Jerome Barnes
Scott McKenzie
(Joseph Aumeer)

審査員は、スティーヴン・ジェフリーズ、デヴィッド・ニクソン、ケヴィン・オヘア、タマラ・ロホ、サラ・ウィルドーと英国バレエ界を代表する人ばかり。

http://www.royalballetschool.org.uk/2014/03/young-british-dancer-year-2014/

1位のエリック・ウルハウスは、日英ハーフです。日本で学んでいたオーストリア・バレエ・スクールのサイトにインタビューが載っていました。
http://www.abc-tokyo.com/abs/ErikWoolhouseInterview.htm

エリック・ウルハウスは、「ジゼル」のアルブレヒト2幕のヴァリエーションと、「海賊」のアリのヴァリエーションを踊りました。賞金は3000ポンドです。

過去の優勝者は、こちらのWikipediaにまとまっています。ローレン・カスバートソン、セルゲイ・ポルーニン、バーミンガム・ロイヤルのプリンシパルであるジョセフ・ケイリーなどが優勝しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Young_British_Dancer_of_the_Year

2013年の優勝も、Chisato Katsuraさんという日本人のロイヤルバレエスクールの生徒です。彼女は、DVD「ピーターと狼」(マシュー・ハート振付、セルゲイ・ポールニン主演)にも出演していますね。

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BS朝日「ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~」に森下洋子さんが出演

BS朝日「ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~」
3月16日(日)18:00~18:54に、森下洋子さんが出演します。

http://www.bs-asahi.co.jp/interview/

3月16日(日)ゲスト:森下洋子

60年以上踊り続けている、バレリーナ森下洋子。 実は、バレエを始めたきっかけは、体が弱く体力をつけるのが目的だった。しかし、すぐにその魅力にひかれ、小学校6年生のころにはバレエの稽古のために一人で広島から上京。 母親は「あの娘はバレエにあげてしまった。バレエの事はよくわからないから、お金は出すけど、口は出さない」と言って支えてくれた。

26歳のころ、ブルガリアのヴァルナで行われた、世界バレエ・コンクールに出場し、金賞を受賞。それをきっかけに活躍の舞台を世界へと移して行く。 27歳の時には松山バレエ団の樹子先生のご子息、清水哲太郎さんと結婚。 バレエを中心とした知られざる結婚生活とは?

20世紀を代表する偉大なダンサー、マーゴ・フォンテーンとルドルフ・ヌレエフ。森下さんはマーゴ・フォンテーンからはバレリーナとして様々なことを教わったという。またマーゴからもらった思い出の品は今でも大切に保管してある。また、ルドルフ・ヌレエフからは何度もパートナーに指名され共演した。 偉大な二人のダンサーの秘話を語る。 現在も1日6時間に及ぶ稽古に励む森下。 65歳のプリマバレリーナの素顔に、作家、吉永みち子が迫る。

ボリショイ・バレエ来日公演 東京以外の公演予定

今年11~12月の、ボリショイ・バレエ来日公演、東京以外の公演予定が発表されていました。

http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/ticket.html#schedule

11月19日(水) 栃木県総合文化センター  ≪白鳥の湖≫    栃木県総合文化センタープレイガイド 028-643-1013

11月22日(土) 愛知県芸術劇場大ホール ≪ドン・キホーテ≫ 中京テレビ事業 052-957-3333

11月23日(日) びわ湖ホール大ホール    ≪ドン・キホーテ≫ びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136

11月27日(木) オーバード・ホール      ≪白鳥の湖≫    (公財)富山市民文化事業団 企画制作課 076-445-5610

11月28日(金) フェスティバルホール    ≪白鳥の湖≫    フェスティバルホールチケットセンター 06-6231-2221

11月29日(土) フェスティバルホール    ≪ドン・キホーテ≫ フェスティバルホールチケットセンター 06-6231-2221

11月30日(日) アクトシティ浜松大ホール  ≪白鳥の湖≫    (公財)浜松市文化振興財団 053-451-1114


ボリショイ・バレエの来日公演のオフィシャルサイトはこちらです。
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/index.html

東京公演のチケットは3月8日より発売されていますが、ザハロワ&ホールバーグ主演の「白鳥の湖」、ザハロワ&アレクサンドロワ主演の「ラ・バヤデール」のチケットの売れ行きはさすがに良いですね。S席がソールドアウトの日もあります。

2014/03/10

エトワールガラ2014 愛知・大阪公演

エトワールガラ2014」は愛知と大阪でも公演が予定されています。

大阪公演 (内容は東京のAプロと同じ)
http://www.ktv.jp/event/etoilesgara/index.html

公演日時
2014年8月4日(月)18:30開演 (17:30開場)

会場
フェスティバルホール

【主催】
関西テレビ放送 / フェスティバルホール

プログラム

「3つの前奏曲」 ☆
振付:ベン・スティーブンソン 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
出演:ドロテ・ジルベール&オードリック・ベザール

「マノン」第一幕より パ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ 編曲:レイトン・ルーカス
出演:イザベル・シアラヴォラ&マチュー・ガニオ

「月に憑かれたピエロ」 ☆
振付:エラ・ヤロシェヴィッチ 音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
出演:エルヴェ・モロー

「海賊」より
振付:ジョゼフ・マジリエ 音楽:アドルフ・アダン
出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ&マチアス・エイマン

「マーラー交響曲第3番」より
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:グスタフ・マーラー
出演:エレオノラ・アバニャート、エルヴェ・モロー、オードリック・ベザール(トリオ)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ (デュオ)

「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン 音楽:カミーユ・サン=サーンス
出演:イザベル・シアラヴォラ

「白鳥の湖」第2幕より アダージョとヴァリエーション
出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ&マチアス・エイマン

「アルルの女」 より
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

「イン・ザ・ナイト」☆
振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:フレデリック・ショパン
出演:イザベル・シアラヴォラ&バンジャマン・ペッシュ
ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ
エレオノラ・アバニャート&エルヴェ・モロー

ピアノ 金子三勇士

発売日
3月29日(土)10:00am~

プレイガイド
CNプレイガイド
0570-08-9990 10:00~18:00
ローソンチケット 
0570-084-005 Lコード:54879 24時間受付
チケットぴあ
0570-02-9999 Pコード:435-606 24時間受付

ぴあ各店舗
サークルKサンクス各店舗
セブン-イレブン各店舗
イープラス

フェスティバルホールチケットセンター
06-6231-2221

問い合わせ先
フェスティバルホール
06-6231-2221 10:00~18:00


愛知公演 (内容は東京のBプロと同じ)
http://tokai-tv.com/event/etoiles/index.html

日 程
2014年7月25日(金) 
開場17:45 開演18:30

会 場
愛知県芸術劇場 大ホール

主 催
東海テレビ放送 中日新聞社

共 催
公益財団法人愛知県文化振興事業団

発売日
【オンラインチケット特別先行発売】
3月11日(火)10:00 ~ 3月13日(木)23:59
※先行発売はS席、A席のみとなります。  B席、C席、D席は一般発売でご購入ください。

【一般発売】
2014年3月15日(土) 10時~チケット発売開始

エトワール・ガラ公演事務局
052-678-5308 (平日10:00~18:00)

東海テレビチケットセンター
【発売初日特電】 052-308-4855 (10時~18時)
【発売日以降】 052-951-9104(平日10時~18時)

クラシック名古屋
052-678-5310 (月~土 10時~17時)

中日新聞コンサートデスク
052-308-8282 (平日10時~18時)

アイ・チケット
0570-00-5310 http://clanago.com/i-ticket

チケットぴあ
【電話予約】 0570-02-9999( Pコード 435-000 )
【WEB】 http://t.pia.jp/ (PC・ケータイ共通)

ローソンチケット
【電話予約】0570-084-004( Lコード 46258 )
【WEB】http://l-tike.com/ (PC・携帯共通)
※ローソン店内Loppiでも直接購入頂けます

芸文プレイガイド
052-972-0430
栄プレチケ92
052-953-0777
e+(イープラス)
http://eplus.jp/ (PC・携帯共通)

チラシ
http://tokai-tv.com/event/etoiles/etoiles.pdf

元パリ・オペラ座総裁のジェラール・モルティエが死去

ザルツブルク音楽祭総監督や、パリ国立オペラ総裁などを歴任したジェラール・モルティエ氏が、すい臓がんのために3月8日に亡くなりました。70歳。

ジェラール・モルティエさん死去 元パリ国立オペラ総裁
http://www.asahi.com/articles/ASG397DNXG39UHBI01S.html

Gerard Mortier, Opera Visionary, Dies at 70
http://www.nytimes.com/2014/03/10/arts/music/gerard-mortier-opera-visionary-dies-at-70.html

Mort de Gerard Mortier, directeur d'opéra, iconoclaste et visionnaire
http://www.lemonde.fr/disparitions/article/2014/03/09/gerard-mortier-directeur-d-opera-est-mort_4380044_3382.html

Gérard Mortier, mort d’un bâtisseur de cathédrales
http://www.lalibre.be/culture/scenes/gerard-mortier-mort-d-un-batisseur-de-cathedrales-531c2804357024dca856a33a

Avant-garde opera director Gerard Mortier dies aged 70
http://www.theguardian.com/music/2014/mar/09/opera-director-gerard-mortier-dies

パリ・オペラ座のサイトに掲載された訃報。「トリスタンとイゾルデ」の4月8日の公演は彼に捧げられたものとなります。
http://www.operadeparis.fr/blogopera/hommage-gerard-mortier


ベルギーに生まれ、もともと法律を学んで学位を取ったモルティエですが、大学卒業後はフランダース音楽祭をはじめ、パリ・オペラ座、デュッセルドルフ、フランクフルト、ハンブルグの劇場で働き、1981年、38歳の若さで母国ベルギーの王立モネ劇場総裁に就任しました。大胆で現代的なプログラミングや演出家の起用を行い、オペラにおける演出の重要性を高めました。10年間の間風雲児として名を轟かせましたが、劇場の改装に巨額の予算をかけるなど4億ベルギーフランの赤字を出し、モーリス・ベジャールと決別して、ベジャールは1987年にスイスのローザンヌへと去りました。

1991年にはオーストリア・ザルツブルク音楽祭総監督に就任。ここでも、観客動員には成功しながらも、大胆なプログラミングを導入し、改革に辣腕を振るって保守的な観客をぎょっとさせました。音楽祭を去る時の「こうもり」は、ドラッグやナチスのごろつきを登場させたりしました。敵を作ることを恐れない、果敢な姿勢でオペラを現代化した功績は讃えられました。映画や文学を愛した彼は、異分野のアーティストを積極的にオペラにかかわらせるようにしました。

ルールトリエンナーレの芸術監督を務めた後、2004年にパリ・オペラ座の総裁に就任。「ヨーロッパで最も刺激的なステージ」を目指して斬新なプロダクションを次々と制作し注目を集めました。2006年の来日公演での『トリスタンとイゾルデ』では、ピーター・セラーズとビデオ・アートの第一人者であるビル・ヴィオラのコラボレーションによるステージを展開して、強烈な印象を与えました。この作品は、フランス音楽批評家協会賞グランプリも受賞しています。彼の時代において、オペラ座の最も安いチケットは5ユーロにするという思い切ったことも行われました。モルティエ自身は、バレエにはあまり詳しくなかったため、パリ・オペラ座時代は基本的にブリジット・ルフェーブルにバレエのことは任せていたようです。

2007年には、ニューヨーク・シティ・オペラの総裁に就任するも、財政上の問題で折り合わず1年半で退任(その後ニューヨークシティオペラはほぼ消滅)。2009年にマドリッドのテアトロ・レアルの総裁に就任しました。テアトロ・レアルでは、スペインの財政悪化で大幅に予算を削られながらも、引き続き斬新でスキャンダラスな作品を上演しつつ大成功を収めていました。最後の作品、映画で有名な「ブロークバック・マウンテン」のオペラを2008年から5年の年月をかけて音楽をCharles Wuorinenに委嘱するなどして制作して上演し、大きな反響を得ました。(ガーディアン紙の批評) 病で弱った体をおして、彼はこの作品の1月27日の初演に立ち会いました。任期は2016年まででしたが、昨年9月に、がんにかかっていることを公表して退任、アーティスティックアドバイザーの地位にとどまりながら、ベルギーに戻りました。ベルギーでは、治療を行いながら振付家のアラン・プラテル、映画監督で、テアトロ・レアルでオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を彼のもとで演出したミヒャエル・ハネケらの親しい友人たちとの日々を送っていました。

オペラ界のみならず、パフォーミングアーツ界は偉大な芸術家を失いました。

モルティエ氏が来日して講演を行った時の講演録が、昭和音楽大学のサイトにアップされていますので、ご興味のある方はぜひお読みください。
公開講座 2006年2月18日(土)
=オペラ劇場運営の現在・フランス=
「伝統と前衛、実験する歌劇場」
http://www.tosei-showa-music.ac.jp/orc/kougiroku/14/20060218-1.pdf
http://www.tosei-showa-music.ac.jp/orc/kougiroku/14/20060218-2.pdf
http://www.tosei-showa-music.ac.jp/orc/kougiroku/14/20060218-sitsugi.pdf

2014/03/09

「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」トークショー

今年8月のガラ公演「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」に出演するダンサー3名、ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー、リカルド・セルヴェラが集ってのトークショー「トーク・ウィズ・ダンサーズ 英国ロイヤルバレエ団人気トップダンサーに聞く」が3月5日に開催されました。

一般のファンを前にして、フレンドリーな雰囲気で行われたこのトークショー、立ち見も出るなど大盛況でした。前日に行われた記者会見と、トークの内容はあまりかぶっておらず、非常に興味深い内容だったので、こちらもご紹介しますね。ここでも、ラウラ・モレーラが巧みな司会進行を見せてくれました。

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今回の「ロイヤル・エレガンスの夕べ」について

リカルド 「ふだん僕たちは、レパートリーの中の様々なスタイルのものを見せる機会がなかなかない。アシュトンからコンテンポラリーまで、すべてのレパートリーを見せることができる、このような親密なスペースでやる機会はめったにない。今回の企画のような小さな会場で踊ると、直で観客のレスポンスを受けられるので、お客さんとの共同作業のようなものになるよね」

スティーヴン 「ほかの公演との違いは、通常は主催者が演目を決めるけれども、ここでは自分が意見を持って何を踊るかを決められるので、踊ることについて誇りを感じられることだね」

ラウラ 「そう、今度の公演では、同じマクミラン作品でも、『ロミオとジュリエット』のようにポピュラーな作品から、「エニグマ変奏曲」や「レクイエム」のようになかなか観られない作品も踊られるのですよね」

ラウラ 「マクミランの作品を踊るのはどういう気持ちかしら?」

スティーヴン 「マクミランの作品は、とてもリアリスティックなものです。初めて演じた彼の全幕作品は、アリーナ・コジョカルと踊った「ロミオとジュリエット」でした。その時は僕はまだとても若くて、ドラマティックな演技をすることをすぐに学ばなければなりませんでした。マクミランは、振付が物語をかたるもので、自分が自然であればあるほど感情が伝わります。何度も踊った作品でも、新たなチャレンジをそのたびに与えてくれます」

ラウラ 「では、リカルドにはアシュトンについて語ってもらいますね」

リカルド 「アシュトンはロイヤルバレエのスタイルを作った振付家です。素早い脚の動きと音楽性が求められます。チャレンジングな踊りだけど、その分見返りも大きいのです。楽しく踊っているように見えます。今度踊る「エニグマ変奏曲」のトロイトのソロは特にそうです」

ラウラ 「私がロイヤルで一番学んだことは、素晴らしい作品は、すべての出演者全員で作り上げるものであり、またパートナーとのケミストリーで作り上げるということです。サラ・ラムとスティーヴン、リカルドと私というペアはロイヤルオペラハウスでもよく共演しています」

スティーヴン 「僕は世界で最も素晴らしいバレリーナたちと踊る幸運を与えられました。アリーナ・コジョカルやラウラからは、パートナーリングの仕方を教わることができました。タマラ・ロホ、ヤナ・サレンコ、ロベルタ・マルケス、サラ・ラム、そして素晴らしい吉田都さんといった素晴らしいダンサーと踊る幸運が僕にはあったのです。それぞれの女性ダンサーたちが違った方法で踊るので、自分も違った風にそれぞれ役作りをして、自分も変わっていきます。信頼関係を持っているパートナーと踊ると、アーティストとしても、テクニック的にも信頼が得られます」

ラウラ 「リカルド、なんで私と踊るときに、気の合った踊りができるの?」

リカルド 「練習して上手く生まれるのがケミストリーではないんだ。ケミストリーがない人とでもいい作品を踊ることはできるんです。ケミストリーを感じられる人を見つけることができるのは稀なのです。お互いを信頼し、尊敬しているからこそ生まれるものです。パートナーと平等な関係であることは重要だし、二人ではなく、二人が一人の人間として踊るんです」

ラウラ 「『ルーム・オブ・クックス』『キサス』の二つはとても違っている作品です。違った振付家が、どのように違ったやり方でケミストリーを見せていくかを観て欲しいと思います」


ラウラ 「スティーヴン、あなたの素晴らしいテクニックは、自然にできるものなのか、それとも努力してできるようになったものなのか、どちらなのかしら?」

スティーヴン 「僕は最初はダンスのことすらよくわかっていなかったんだ。ダンスに興味のある家族ではなかったし。でも、初日からわからずにやることを励ましてくれる先生たちに出会えたんだ。先生たちは毎日毎日、もっと早く回れるように、高く跳べるようにプッシュしてくれたので僕も一生懸命にやった。次世代にも、このことは伝えたい。これは持って生まれた才能ではなくて、努力して得られたものなんだ」

ラウラ 「これは私たち全員に当てはまることですよね。私たちにとってダンサーというのは偉大なのではなくて、偉大であろうとしてくれるんです。一般的にダンサーの中では、そう考えている人たちは珍しいのですが、私たちはみんなそのタイプのダンサーなのです」

ラウラ 「どんな時にステージ上で幸せを感じますか?」

リカルド 「物語性のあるバレエに参加することですね。役を演じる時に喜びを感じます。パフォーマンスとして技術に集中するだけでなく、アーティストであることを感じさせるときにね。若い時に、どうしたら自然な演技をすることができるのか、学ぶのはとても難しかったです。経験を得て、やっとその役を本当に演じているという気持ちになることができました。再演するときにその役とともに成長できると感じます。そしてその成長したところを見せることが大事です」

スティーヴン 「再演するということは、難しいことなんです。最初に役を演じるときは、すべて未知の世界です。どういう風にペース配分していくのか、図るのが難しい未知の国に行くようなものです。同じ役を再びやるときは、知識や経験があるけど時には難しいこともあります。鮮やかな記憶が残っているからです。素晴らしい相手役のこと、素晴らしかった経験が残っているので、それを再現したいと思うけど、同じように再現しようとすることはやめて、一から始めるようにしています。相手役によって違うし、前の経験を活かしながらも、一からやるようにしています」

ラウラ 「ダンサーにとって特別な作品とは、自分自身のために振付けられた作品ですね。ウィールダンの、まだ未定の作品をスティーヴンとサラが踊ります。また日本初演の『レイヴンガール』はマクレガーがサラのために振付けられたものです。『ルーム・オブ・クックス』と『キサス』はリカルドと私のために、大昔に振付けられました」

「私たちに振付をしてくれた振付家たちについて話したいと思います。リアム・スカーレットは私たちのために6作品を振付けてくれました。マクミランもやはり、ダンサーにとって素晴らしい振付家でした。新しい振付家が生まれ、私たちを見て振付けていくという過程が素晴らしいと思います。『ヘンゼルとグレーテル』はスティーヴンと私のためにリアムが振付けてくれました。自分のために振付けてもらうという感覚について、スティーヴンに聞きたいと思います」

スティーヴン 「自分のために作品が作られているというのは、粘土の人形を作っていくようなものです。他の人に振付けられた作品の場合には、像がすでにあって、ジャケットやネックレス、靴などを身に付けていくようなものです。自分のために振付けられた作品を踊るのは、自由を感じます。自分が振付を最大限に生かせるからです」

ラウラ 「リカルド、振付家はみなあなたのために振付けたいと思っていますが、その中で一つの作品をあげるとしたら何かしら?」

リカルド 『すべての振付の経験が素晴らしいので、一つを選ぶのは難しいです。ほとんどの振付家の作品を気持ちよく踊ることができます。良く見せてくれるものを作ってくれるからです。ダンサーはわがままな存在なので、踊りやすいものがいいんですよね。自分が一緒に働きやすかった振付家を挙げるとしたら、リアム・スカーレット。彼は自分のホームにいるような感覚を与えてくれます。そして大体ラウラと一緒に踊るので、よりホームにいるような感覚です」

ラウラ 「私の一番の思い出は、『アスフォデルの花畑』の初演を踊った時のことです。第三楽章を振付けてもらったのですが、今回抽出するのは、第二楽章です、そちらの方がガラに向いているので。若い人が踊るのは、未来があると感じているからであるので、この公演のために、新しい作品を一つ振付けてもらいました。才能ある若手振付家で、ロイヤルの女性ダンサーでもあるクリスティン・マクナリーの作品です」

ラウラ 「マクミランは、どんなダンサーでも踊りたいと思う作品を作ってきました。「マノン」など、男性にとっても、女性にとっても踊りたい作品です。自分に振付けてもらうならどんな役がいいと思いますか?」

スティーヴン 「全幕ものの作品を自分に振付けてもらえたら嬉しいです。たくさんの素晴らしいバレリーナとともに、役の旅路を終えるところを皆さんに見せたいのです。世界中の振付家に、僕は何となくそうしてほしいと伝えています」

リカルド 「考えたこともなかったけど、引退する前に自分のためのデュエットを振付けてもらえたらなと思います。ラウラと踊るデュエットを。僕はコール・ドのときからラウラと踊ってきたから。そして、それは日本で初演、踊りたいです。僕のキャリアのハイライトは、日本でラウラと踊った『ラ・フィユ・マル・ガルデ』でした。リアムにも、二人のための作品を作ってほしいと伝えています」

ラウラ 「自分の墓銘碑に書いてほしい子とは何ですか?ダンサーとしてキャリアを終えるとき、自分について覚えておいてほしいことは」

スティーヴン 「まだ死にたくないよ(笑)」

ラウラ 「彼女はアーティストで、忘れられない思い出を残してくれた、いい人だった、と」

スティーヴン 「僕は永遠に生きようと思う。彼はインスピレーションをいろんな人に受けていた、そして彼は人にインスピレーションを与えた、と」

リカルド 「芸術に寛大であった。ステージ上ですべてを出し切った。躊躇しなかった」

ラウラ 「この公演はとてもエキサイティングな素晴らしいものになるわ。皆さんに支援いただいているように、皆さんにも楽しんでほしいと思います」


ここで質問コーナーとなりました。

Q 「マックレーさんの、役を演じるにあたって大事にしていることは何ですか?」

スティーヴン 「自分自身に嘘をつかないことです。自分が達成していることを誇りに思うことです。振付家と作品の責任者に誇りを持ってほしいです。究極的には、自由でありたいと思います。毎日、本当にたくさんたくさん練習をしていますが、ステージに一歩足を踏み出したら、ステージ上で自由でいられるように練習をしているのです」

Q「今まで踊ったことがない作品でこれから踊りたいものは何ですか?ロイヤルのレパートリーにないものも含めて」

リカルド 「ロイヤルバレエスクールを卒業した時に、ハンス・ファン・マネンがピアソラの曲に振付けた「ファイブ・タンゴ」という作品を踊りました。もう一度踊りたいなと思います」

スティーヴン 「できるだけたくさんの振付家の作品を踊りたいと思います。ベジャールやフォーサイスの作品も踊りたいです。自分とすごく一緒に作品を作りたいと思っている振付家の作品を踊りたいですね。振付家がダンサーからインスピレーションを与えてもらったのが、すごい作品だと思うから」

ラウラ 「以前、ナチョ・ドゥアトが着て振付けてくれたとき、楽しかったです。有名でなくても自分たちを見て作ってくれるというのは特別な感覚があるのでやりたいです。コンテンポラリーも違ったスタイルの踊りを踊ることは挑戦であり楽しいです。私は演劇性のある作品が踊りたいので、自分の中のそのような部分を出してくれる振付家とも仕事をしたいですね」

Q バレエを始めたきっかけと、続けている理由について教えてください。

ラウラ 「私は踊らずにはいられませんでした。舞台に一歩踏み込んだら自由になれる感覚が好きです。その感覚がなくなったら、引退するときです」

スティーヴン 「体操選手だった姉の影響で始めました。バレエの公演は、ロイヤルバレエスクールに入るまで、一度も生の舞台を観たことがありませんでした。映像ではアステアやジーン・ケリー、そしてアンソニー・ダウエルの踊りは観ていましたが。8歳の時からステージでソロを踊っていたので、ステージの上にいる感覚が好きです。カーテンが上がると平和な感覚を感じます。でも、舞台というのはリスクもあります。父がレースドライバーだったので、リスクという感覚は父から受け継ぎました。生の舞台は何でも起こりうるし、なんでもできるという未知の感覚が好きなんです」

リカルド 「僕の家族は、誰も踊りをする人はいなかったのですが、自分では覚えていないのですが4歳の時からダンスのポーズをしていたそうです。6歳の時には、フォンテーンとヌレエフのロミオとジュリエットの映像を見ました。姉がダンサーになりたがっていたので、彼女にダンスクラスに連れていかれました。ステージの上にいるのが究極のゴールです。一歩上がると日常のすべてが消え去るし、お客さんも連れて行かれます。ダンサーに、どうして踊るのと聞くのは、画家にどうして絵を描くの?と聞くようなものです。とにかくやらずにはいられません」

Q 9歳の時には何をしていましたか?(たぶん9歳の女の子からの質問)

ラウラ 「私は11歳までスペインにいたので、テクニックを磨いていました。ピルエットの練習などをね」

スティーヴン 「ジャズ、タップ、バレエ、モダン、ヒップホップのクラスを受けていました。先生が何でもすることを進めてくれたのです。それは、学校では全教科を勉強するのと同じようなものです。僕はダンス中毒でした」

リカルド 「9歳の時は週に4~5レッスンも受けていました。バレエ、モダン、後でタップも習ったよ。クラシックバレエのダンサーを目指していても、リズム感や音楽性を得るためにはこれらを学んでいてよかったです。モダンダンスは、自分を自由にさせてくれました」

*****

3人とも、本当に話が上手で思わず引き込まれてしまいました。大変魅力的な人柄の持ち主であることが感じ取れました。そして、古い伝統を大事にしながらも、新しいものをどんどん取り入れていき、創造していくという意欲が感じられて、それがバレエの長い歴史とつながって未来を創っている心意気というのが彼らからは感じられました。アシュトンやマクミランなどの伝統があり大事に受け継ぎつつも、そこだけに踏みとどまることはなく、新しい作品を作り、振付家とコラボレートしてという姿勢。同時に、若い世代にそれを伝えていこうとするところも。過去から未来への橋渡し役なんだな、と思いました。

そして、舞台の上にいると、自由でいられるという感覚を愛していること。舞台で自由でいられるために、一生懸命練習しリハーサルを重ねる、という姿勢。踊るために生まれてきた人たちなんだなと思いました。

そんな彼らが自分たちでプロデュースしているのですから、素晴らしい公演になることは約束されているようなものです。本当に夏が楽しみですね!

http://www.royalelegancenight.com/

日本青年館ホール (神宮外苑)

2014年8月8日(金) 19:00開演 *ロビー開場は各開演の45分前
8月9日(土) 13:30開演
8月10日(日) 13:30開演

チケット一般発売日

3月29日(土)10:00より ※3月16日公式HP先行開始!

チケット発売所
e+(イープラス)
http://eplus.jp/royal-e/ (パソコン・携帯)

チケットぴあ
0570-02-9999〈 Pコード: 435-177 〉
http://pia.jp/t/royalelegance/ (パソコン・携帯)

ローソンチケット
0570-084-003〈 Lコード: 32347 〉0570-000-407(オペレーター)
http://l-tike.com/ren2014/ (パソコン・携帯)

サンライズオンライン
http://sunrisetokyo.com

サンライズプロモーション東京
0570-00-3337 (10:00-19:00)

2014/03/08

ウィリアム・フォーサイスがフォーサイス・カンパニーの芸術監督を退任

2005年以来、ウィリアム・フォーサイス率いるフォーサイス・カンパニーは、フランクフルト・アム・マイン市とドレスデン市の両方に本拠地を持っていました。

ところが、現在64歳のフォーサイスが重い病気にかかってしまったため(病名は不明)、今後彼が芸術監督を続けるのは難しいということで退任することが報道されています。
http://www.sz-online.de/nachrichten/kultur/?pubdate=06.03.2014 (ドイツ語、本文は有料のため読めなくて見出しのみ)

フォーサイス・カンパニーとドレスデン市との契約は2016年までとなっており、150万ユーロの予算が拠出されています。ドレスデンの市長は、この契約を2018年まで延長したいと提案していますが、それに対して、フォーサイス・カンパニーは、フォーサイスは退任し、2015年9月より、ダンサーであり振付家でもあるJacopo Godaniが新しい芸術監督となると回答したものです。Jacopo Godani は1991年から2000年までフランクフルト・バレエのソリストで、フォーサイス・カンパニーでもいくつも振付を手掛けているとのことです。

ドイツ語の詳しい記事

http://www.dnn-online.de/dresden/web/regional/kultur/detail/-/specific/Fuehrungswechsel-bei-Forsythe-Company-Tanzensemble-soll-weiter-in-Dresden-bleiben-1795463017

先ほどの見出しのみ読める記事の中身ですが、ballet.coフォーラムなどによると、フォーサイスの病状は深刻で、少なくとも今後新作を振付けるのは難しいのではないかとのことです。

フォーサイスは20世紀~21世紀の重要な振付家の一人であり、非常に気になるというか心配なニュースです。


なお、ドレスデン市の野党ドイツ社会民主党の議員は、1公演あたりドレスデン市が6万ユーロを助成するという今回の契約更新内容について、多額過ぎると批判しているそうです。
http://www.dnn-online.de/dresden/web/regional/kultur/detail/-/specific/Dresdner-SPD-kritisiert-geplante-Vertragsverlaengerung-mit-Forsythe-Company-802674447

「シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」

1月にアンスティチュ・フランセで監修者である美術史家エメ・ブラウン・プライス氏の講演会を聴きに行ったにも関わらず、ちょっと忙しくてようやく会期末に行けた「シャヴァンヌ展」。

Chavanne

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/14_chavannes/index.html

2月にパリに行った際には、オルセー美術館で、本展にも出展されている「気球」「伝書鳩」の大きい方の作品などを観ることができて、早くこちらの展覧会も観に行きたい!と思っていたのでした。

19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌは、フランスでは大変有名な画家で、多くの画家、セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、はては黒田清輝にまで影響を与えた大家。しかし、壁画が中心であるため、日本ではあまり知名度がなくて、彼の展覧会が日本で開かれるのは初めてだそうです。壁画が中心であるけれども、持ち運べないという壁画の特性があるため、同じ作品の縮小版を彼は描いていて、それが今回の展覧会に出展されています。

こちらの展覧会では、35分にもわたる映像を観ることができますが、そこでは、彼がパリのパンテオンや市庁舎、ソルボンヌ大学、そしてリヨン美術館のために制作した壁画が紹介されています。思わず、パリに行きたくなってしまいますが、どれだけ彼がフランスでは著名な画家だったかということがよくわかります。エメ・ブラウン・プライス氏によれば、壁画の場合には、作品の中に登場する岩を、建築物の漆喰の色に合わせて彩色していたり、環境に合わせて色を使っていたりするのが、美術史的に興味深いのだそうです。

特に、リヨン美術館の壁画である「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」(チラシに使用されている作品)は、展示されている様子も会場で再現されているのですが、いつか行ってみたいと思わせるものでした。この作品の縮小版は、シカゴ美術館に収蔵されていて、今回実物を観ることができます。水辺のアルカディアに、さまざまな芸術の美神たちが集ってポーズをとっているのですが、バランシンの「アポロ」に登場するテレプシコーラ、カリオペ、ポリュヒュムニアも登場するので、バレエファンにとってはますます興味深いです。この作品の構図の絶妙なこと。スーラ、マティスにも大きな影響を与えているのが感じられます。また、同時に象徴主義にも影響を与えていることも。

シャヴァンヌは美術学校には通わず、独学で絵画を学んだそうですが、短期間ドラクロワに師事したりしており、展示されている習作やデッサンを観ると画力があったことが感じられます。

数少ない国内で所蔵されているシャヴァンヌの作品として出展されている「幻想」(大原美術館蔵)。これは、高名な評論家・作家であるマダム・ヴィニョンによって依頼された作品で、鮮やかな青の使い方がとても印象的だし、「マヨルカ陶器のよう」と形容されています。ペガサスのかもし出す幻想的なムードにはうっとりします。この作品は、ピカソの「青の時代」に影響を与えたのが良くわかります。

普仏戦争、パリ・コミューンもシャヴァンヌの作品に影響を与えています。前述の「気球」「伝書鳩」は、普仏戦争の時の通信手段として使われたものですが、大変モダン、スタイリッシュでまるでポスターのようです。黒い縁は訃報をあらわし、黒い服の女性はパリそのものの象徴です。印象が似ている「警戒」は、古典的な服装をしている女性が、アトリビュートであるかがり火を掲げている作品。自由の女神のような印象を与える姿で寓話性が感じられます。

「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」も、島根県立美術館に所蔵されている作品。この壁画は、パンテオンにあります。聖ジュヌヴィエーヴは、パリの守護聖人であり、パンテオンは彼女に献堂するために建てられた建物であるからして、シャヴァンヌがどれほど当時高名な画家であったかというのが伺えます。この作品は、幼く愛らしい少女でありながら、ジュヌヴィエーヴの聖人らしい神々しさが感じられておごそかな気持ちになる逸品。パンテオンには、老年となった彼女がパリを見守る壁画もあります。

オルセー美術館から今回貸し出された「海辺の乙女たち」は、3人の乙女たちがそれぞれ違った方向に顔を向けており、一人の乙女は上半身だけのみで切り取られている独特の構図がとても斬新です。この手法は、ドガがバレエをモチーフに描いた作品にも使われているものです。

http://youtu.be/qrQgqiYPuzs

普仏戦争、そしてパリ・コミューンの悲劇に心を痛めたシャヴァンヌが、戦争のない理想郷を描き続け、また一方でより直接的に戦争のモチーフを描いた「気球」「伝書鳩」のような作品を描いたのも興味深いです。

最後に、日本近代洋画を確立することとなる画家・黒田清輝が、助言を求めて1893年にシャヴァンヌに会っていたということで、東京国立博物館蔵の黒田清輝の作品も展示されていたり、また他の日本の画家が彼の作品を模写したものも観られるというのは、日本の美術に彼が影響を与えたということもわかって面白かったです。

あと2日間の開催ですが、お時間がある方はぜひ。


開催期間:2014年1月2日(木)~3月9日(日)
会期中無休
開館時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/

主催:Bunkamura、日本経済新聞社
協賛・協力等:
[後援]
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
[協力]
エールフランス航空、日本航空
[企画協力]
島根県立美術館
[特別協力]
東京国立博物館

この後、島根県立美術館へ巡回します。(2014年3月20日~6月16日)

2014/03/07

魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展【国立新美術館】

以前も、国立新美術館でバレエ・リュス展が開催されることはお知らせしましたが、公式サイトができていました。

http://www.tbs.co.jp/balletsrusses2014/

オーストラリア国立美術館が有する世界屈指のバレエ・リュスのコスチューム・コレクション32演目、約140点の作品を中心に、デザイン画や資料などと併せて、これまでにない規模でその魅力の全貌を紹介する展覧会です。本展覧会では、約40年かけて丁寧に修復されたコスチュームが、オーストラリア国外で初めてまとまった形で展示されるそうです。

TBSが主催ということで、K-Ballet Companyがタイアップ。オーディオガイドの案内役を熊川哲也さんが務め、ホームページでの所属ダンサーからのコメント掲載などが予定されているそうです。

また、講演会がとても充実しています。

講演会 「Ballets Russes: The Art of Costume」
6月18日(水)14:00-15:30
講師:ロバート・ベル氏( 本展企画者、オーストラリア国立美術館装飾芸術・デザイン部門シニア・キュレーター)(逐次通訳付)

講演会 「バレエ・リュスの功績」
7月13日(日)14:00-15:30
講師:薄井憲二氏(公益社団法人日本バレエ協会会長)

上映会
「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」(監督:ダン・ゲラー、デイナ・ゴールドファイン 2005年、118分)
6月21日(土)および8月16日(土)10:30、13:00、15:30

解説会
7月11日(金)、8月15日(金)両日とも18:30-19:00
講師:本展担当研究員

※いずれも会場は国立新美術館3階講堂 定員:250名(先着順)
※参加は無料ですが、本展の観覧券(半券可)の提示が必要です。

また、Facebookサイトもオープンしています。
https://www.facebook.com/balletsrusses.the.art.of.costume

どんな展覧会になるのか、今からとても待ちきれません!

会場
国立新美術館 企画展示室1E(〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2)

会期
2014年6月18日(水)~ 9月1日(月)
毎週火曜日休館 ただし、8月12日(火)は開館

開館時間
10:00 - 18:00 金曜日、8月16日(土)、23日(土)、30日(土)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで

主催
国立新美術館、TBS、オーストラリア国立美術館、読売新聞社

後援
オーストラリア大使館、公益社団法人日本バレエ協会

協賛
大日本印刷、チャコット

協力
K-BALLET、日本航空、ヤマトロジスティクス

お問合せ
03-5777-8600(ハローダイヤル)

オーストラリア国立博物館の素晴らしいコレクションの一端は、このニュース映像で観られます。
http://youtu.be/8RLVEYQcVpY

2014/03/06

アマンディーヌ・アルビッソンがオペラ座のエトワールに任命

3月5日のパリ・オペラ座「オネーギン」最終公演にて、アマンディーヌ・アルビッソンがオペラ座のエトワールに任命されました。

http://www.operadeparis.fr/blogopera/amandine-albisson-nommee-danseuse-etoile

昨年11月の昇進試験でプルミエに昇進したばかりの彼女が、「オネーギン」のタチヤーナ役にキャスティングされた時から、エトワールに任命されるのではないかと噂をされていました。「ラ・フィルフィード」のシルフィード役は大変評判は良かったものの、タチヤーナ役は明らかにミスキャストだったようで、評判はあまりよくなく、また大柄なため相手役のジョシュア・オファルトとのバランスも良くなかったようです。しかしながら、ブリジット・ルフェーブルが彼女を大変気に入っていて、自分の在任中に何としてでもエトワールに任命したかったようで、イザベル・シアラヴォラのアデューの興奮が冷めやらぬうちの任命となりました。

しかし、日本の観客にとっては、アルビッソン、誰それ?って感じですよね…。なんだかエトワールの価値というものも、ずいぶんと低下しているように思える任命劇です。昔はエトワールと言えば殿上人のような、圧倒的な存在だったわけですが。いずれはエトワールになるかもしれない逸材であることは間違いないようですが、あまりにも時期尚早、しかも役柄として疑問に思われる役での任命ということに対しては、これでいいのか、と思っている方が現地でも多いようです。

オペラ座の日本公演では、「ドン・キホーテ」の森の女王を踊る予定だそうです。私は今回オペラ座の「ドン・キホーテ」自体観る予定がありませんが。

任命の時のビデオもさっそくアップされています。任命は周到に準備されていた感じがしますね。
http://www.operadeparis.fr/videopera/amandine-albisson-nommee-danseuse-etoile

フランスのバレエファンのブログをいくつかご紹介します。このあたりが代表的な意見ではないかと。

http://www.dansesaveclaplume.com/non-classe/amandine-albisson-nommee-danseuse-etoile/

http://danse-opera.over-blog.com/article-amandine-albisson-etoile-122855046.html

ミハイロフスキー・バレエ「ロミオとジュリエット」これからネット中継&ミュンヘン・バレエ「ラ・バヤデール」ネット中継

ミハイロフスキー・バレエの「ロミオとジュリエット」(ナチョ・ドゥアト振付、主演:ナタリア・オシポワとレオニード・サラファーノフ)がネットで生中継されます。

http://www.mikhailovsky.ru/en/afisha/performances/detail/467522/

3月5日(水)現地時間19時より。日本とは、5時間の時差がありますので、午前0時からとなります。また、ありがたいことに、この中継映像は後日もアーカイヴをサイトから観ることができるようになっています。

視聴サイト
http://mikhailovsky.ru/en/media/online/

ここでも観られます。
http://paraclassics.com/mikhailovsky-theatre-prokofiev-romeo-and-juliet-duato-osipova-sarafanov-tatarnikov//

Microsoft Silverlightのインストールが必要です。

また、少し先ですが、ミュンヘン・バレエの「ラ・バヤデール」もネット中継されます。

バイエルン国立バレエ「ラ・バヤデール」

3月16日(日)午後7時
(現地開催日程:3月 15 日(土)午後 7 時30分)

振付:マリウス・プティパMarius Petipa/
   パトリス・バールPatrice Bart
作曲:レオン・ミンクス
舞台&衣装:毛利臣男Tomio Mohri
照明:マウリツィオ・モントッビオ Maurizio Montobbio
ドラマトゥルギー:Wolfgang Oberender
出演:ルシア・ラカッラLucia Lacarra (ニキヤ)/
   マーロン・ディノMarlon Dino(ソロル)

http://www.bayerische.staatsoper.de/1248-ZmxhZz0xJmw9ZW4-~Staatsoper~staatsopertv.html

2014/03/05

ロイヤル・エレガンスの夕べ2014 インサイト・カンバセーション

8月8日~10日に開催される「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」。出演するロイヤル・バレエのラウラ・モレーラ、リカルド・セルヴェラ、スティーヴン・マックレーを迎えてのインサイト・カンバセーションに参加してきました。

上演される作品について、英国バレエとは何かということについて、非常に興味深い話を聞かせていただきました。一人一人が、非常にインテリジェントで、バレエに対して深い洞察をしているのが感じられ、今回のこの公演の内容が充実して個性的な理由が良くわかりました。ダンサー達が自ら作り上げる「ロイヤル・エレガンスの夕べ」ならではの企画です。バレエに対する愛情、そして公演に寄せる熱意も伝わってきました。

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司会進行役はラウラ・モレーラが務め、和やかな雰囲気で進められました。

「ロイヤル・エレガンスの夕べ」を主催しているのは、元ロイヤル・バレエのダンサーだったジャスティン・マイズナー率いるダンス・ツアーズ・プロダクションズ。今回の公演のほか、世界各国でバレエを学ぶ若い人向けにワークショップを行っております。

ラウラ・モレーラが語った、このダンス・ツアーズ・プロダクションズの設立目標としては、彼女たちが受けてきたバレエ教育をバレエを学ぶ生徒たちにお返しをしたいということ。特に、日本の生徒たちに対して、テクニックに加えて英国バレエならではの芸術性を伝えたいということでした。その成果あって、彼らの下で学んできた生徒の多くが英国の名だたるバレエ学校のオーディションに合格し、現在12名がそこで学んでいるそうです。

「ロイヤル・エレガンスの夕べ」も、この教育活動の延長線上にあるもので、アシュトンの作品のように、英国的な、芸術性の高い演目や、あまり他で観る機会のない作品を見せたいということがあるそうです。今回のインサイトに参加した3人のダンサーとも、ロイヤル・バレエスクールの出身であり、そこで学んだロイヤルスタイルを伝えたいと。

アシュトン作品については、ロイヤルバレエスクールで3人とも、アシュトンから直接役を伝授されてきた教師たちに学んできています。そのため、オリジナルのアシュトンに一番近い踊りを見せることができていると彼らは自負していました。古典については、このたび、ライブシネマで、スティーヴンと、今回の公演にも参加するサラ・ラムが「眠れる森の美女」を踊り、世界中の映画館に生中継されます。

スティーヴン 「『眠れる森の美女』は、ロイヤルバレエの象徴的な作品です。40年代に、ロイヤル・バレエを世界的なカンパニーに押し上げたのがこの作品でした。カンパニーの歴史そのものとして心の中心になる作品で、自分にとってもサラにとっても大きなチャレンジです。ロイヤルオペラハウスで踊るのと、今回のロイヤル・エレガンスの夕べで小さな会場で踊るのは違った経験になるでしょう。オペラハウスだと舞台は豪華だけど、遠くから眺めているような感覚、でも8月の舞台だと舞台に立っているのは二人だけなので、関係性が際立ってきます。サラは理想的なオーロラであるし、彼女を間近で見るチャンスです」

リカルド 「今回、アシュトンの『エニグマ・ヴァリエーション』の中のトロイトのソロを踊ります。アシュトンを踊るには、音楽性を使うこと、素早いフットワークを使うことの二つが重要であり、それを一番出せる作品です。ここでは、脚の動きが止まることはありません。また、腕と脚が違うスピードで動きます。全く努力しなくて簡単に見えるようにしなければなりません」
「今回3作品を踊りますが、「エニグマ・ヴァリエーション」は、初演をしたアンソニー・ダウエルに指導してもらいました。できるだけオリジナルに近い形で踊りたいと思います。ほかの2作品はもっとコンテンポラリーなもので、ラウラと自分のために作られた作品です。カンパニーに入りたての若い時に作られた作品なので、久しぶりに踊るというのは新鮮な気持ちです。2,3人のために作られた作品であり、ダンサーの間のケミストリーを探り続けるものです。アーティストとして自分が成長していく過程を見せて、自分のために作品も成長させたいと思います」

スティーヴン 「ステージの上に立って踊るのが幸せなのです。今までのキャリアを通じて、たくさんのスタイルを学んで、それぞれのフレイバーを与えてくれる先生がいました。異なった振付家の作品を踊るときに、それらのフレイバーを取り出しています。自分が学んできたこと、楽しく踊ることを見せることができる、経験したことのない違うスタイルをお客さんに見せられるのが誇らしく思います」

「この公演の面白いところは、クラシックでの関係性、コンテンポラリーでの関係性の両方を見せるころができることです。クリストファー・ウィールダンは音楽性の高い振付家です。音楽的に自分を挑戦させる、技術的に挑戦させる振付家で、自分が自然と動く方向とは違った方向に動くこともあります。彼は大きなヴィジョンを描いているので、彼の言うとおりに動いて大丈夫だと思わせてくれます」

ラウラ 「ウィールダンのパ・ド・ドゥ(今回の上演作品は未定)は、素晴らしいものばかりです。スティーヴンのように技術的に素晴らしいダンサーにとって最適なものです。スティーヴンは小柄なため、良いパートナーだと思ってもらえないこともありますが、ロイヤル・バレエの中でも最もパートナーリングが素晴らしいダンサーの一人です。彼の姿を見て、生徒さんたちが、身体条件の問題があったとしてもいろんなことが達成できるということを信じさせてくれます」

「今回『アスフォデルの花畑』の第2楽章のパ・ド・ドゥを私は踊ります。私に振付けられたのは第三楽章なのですが。リアム・スカーレットとは、彼がリンバリースタジオで初めて作った作品の時から、一緒に創作活動をしてきました。彼の才能を確信してきました。リアムが、私を、彼が表現したいことを体現できるダンサーとして信頼してくれているのは光栄です。この作品は、以前も日本で上演されたことがありますが、その時とはまた違った感じになると思います」

リカルド 「今度踊るアシュリー・ペイジの『ルーム・オブ・クックス』を、日本の観客の皆さんは楽しんでくれると思います。前回ラウラと踊ったスカーレットの作品は、物語があるものではないけれども、感情が流れているので、物語性を感じてもらえて、お客さんに大変評判が良かったのです。今度のペイジの作品も、強い物語性が感じられて、日本のお客さんにアピールすると思います。お客さんが自分たちなりの解釈をしてくれます。二人のケミストリーを感じてらえたら嬉しいです」

ラウラ 「これは、緊張感のある暗い作品、ワイルド・カードのようなものですね。持ってくるのが楽しみです」

スティーヴン 「ぼくのタップ作品は、自分で振付けているんだ。タップのソロはドラマーになったような気分だよ。踊る前に何をしたいかという考えは持っているけど、インプロヴィゼーションをする余裕もあるので、同じものを二度と観ることはないね」

「今まで受けてきたトレーニングのすべてがダンサーとしての自分を作ってきている。タップは音楽性を養うのに素晴らしいし、アシュトン作品を踊るのに重要な膝下を鍛えるのにもいい。スパニッシュダンスも学んだけど、「ドン・キホーテ」のバジル役を踊る時に役に立ったよ」

ラウラ 「リカルドは、自分たちの中で生まれたケミストリー、緊張感を引き出すことができるのが素晴らしい。『ルーム・オブ・クックス』でそれを観ることができるわ」

リカルド 「僕たちの間のケミストリーは、仲のいい友人だから生まれると思われるのだけど実は逆で、ステージ上でケミストリーがあったから仲良くなったんだ。お互いの一番いいところを引き出せるんだ。リアムにとって、ラウラはミューズであり、ラウラの中から彼は一番いいところを引き出せていると思うよ」

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ラウラ 「『キサス』を振付けたウィル・タケットはロイヤルのダンサーだったので、仕事上でもプライベートでもお互いのことをよく知っている。彼はユーモアを持ち続けている人で、楽しむこととハードワークの両方ができるので、そちらの面が作品にも反映されています。上演するのが待ちきれないわ。スティーヴンはまだ「ルーム・オブ・クックス」も『キサス』も観ていないんですよ」

リカルド 「ウィルは一つのトーンだけではない、優しいところもあるし、楽しいだけでない深い友情も出せる人なんですよね」

ラウラ 「今回は前回とほぼ同じメンバーだけど、平野亮一さんが加わってくれています。ジャスティンの目的の一つに、日本からどれだけ素晴らしいダンサーが出てきたかということを見せたいというのがあるのです。どれほど、彼らが英国スタイルを吸収し、お客さんに賞賛されてきたかということを知ってほしいのです」

「私は『真夏の夜の夢』でツァオ・チーと踊ります。私たちは別のカンパニーで踊っているけど、同じロイヤルの教育を受けてきて、同じように踊ることができるのです。彼とは学校時代、1995年以来の共演なんですよ」

「ジャスティンと私は、ダンスの旅路を見せたいと思っています。この世にはいない振付家、現在の振付家、そして未来の振付家たちの旅路をね。ダンサーは振付家なしには存在できないのですから。私たち一人一人の芸術性を見ていただきたいと思います」


ここで質疑応答に入ります。

Q 「日本のダンサーは演劇性が弱いように思われますが、どのように演劇性を高めていますか?」


スティーヴン 「若い時から、演劇性の高い役を踊ってきました。演劇性は学ばなければなりません。レスリー・コリア、ジョナサン・コープらからできるだけ本当の表現をするようにと言われてきました。そして、生きた表現ができるようになりました」

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リカルド 「ロイヤルのレパートリー、特にマクミラン作品は、「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」と違って、もっと人間的な作品です。そういったレパートリーを踊れるようにロイヤルでは向かっています。自然な演技、自分でいられる方がお客さんも舞台の上で起こっていることを信じられます。自然であることを励ましてくれるカンパニーであることは幸せに思います」

ラウラ 「私は11歳の時にロイヤルバレエスクールに入り、12歳の時にロイヤルバレエの「白鳥の湖」で、子役の小さな白鳥を踊りました。その時に、「白鳥の湖」でさえ、舞台のどこにいても役になりきらなければならないのを感じました」

「私は自分のキャリアを通じて、自分を実現するようにしてきて、一緒に踊る相手や共演者の反応からたくさんのことを学びました。振付家たちはいろいろと引き出してくれました。自分が教えられてきたように、ダンスツアーズでは教えてきています。講習会の中では、マイムや自然な演技も教えるようにしています。自分をさらけ出すことによって、お客さんも受け入れてくれます」

Q 「ウェイン・マクレガーについて教えてください」

リカルド 「マクレガーのアプローチは他の振付家とは全く違います。彼は脳と解剖学に興味があり、感情的な作品は作りません。明確なチャレンジをしたいと思っていて、頭の中にチャレンジしたいところがはっきりしています。彼の作品は美術館のようで、インスタレーションのようなものです。今回上演される『レイヴン・ガール』は、彼の初めての物語作品です。踊られるのはこの作品からのパ・ド・ドゥなので、「クローマ」とはだいぶ違います。どの振付家も、日本に作品を持って行ってくれることについて喜んでくれて、興奮してくれています」

Q 「ご自身で振付を行いたいですか?」

リカルド 「振付家というのも才能であり、誰が才能があるのかはすぐにわかってしまいます。自分で振付をすることはありませんが、一緒に作品を作っていくのは楽しいです」

ラウラ 「ダンスツアーズで、学生たちに振付についても教えています。振付家はダンスの未来だからです。学生たちを立たせてみると、彼らは自分で動き出します。教師をしていると、ここから未来の振付が生まれるということを感じます。たとえば『クローマ』の踊りを見せた後で、この作品の音楽を与えると、14~16歳の彼らは、全く違う振付を考えてきます。見たものと違うものを頭の中で作り出して表現してくれるんですね」

********

この3人は、大変仲が良いようで、また非常に気さくでフレンドリーです。3月5日にはチャコット新宿店で、誰もが参加できるトークイベントが実施されるので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

3月5日(水)18:00~、チャコット新宿店
「トーク・ウィズ・ダンサーズ 英国ロイヤルバレエ 人気トップダンサーに聞く」
ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー、リカルド・セルヴェラの3人が参加します。


公演のオフィシャルサイト
http://www.royalelegancenight.com/

<本公演>
2014年8月8日(金) 19:00開演
8月9日(土) 13:30開演
8月10日(日) 13:30開演
日本青年館ホール (神宮外苑)

リハーサル見学会 2014年8月8日(金)  14:00~
ファンミーティング 2014年8月10日(日)  17:00~

チケットは、3月29日(土)10:00より発売開始です。 ※3月16日公式HP先行開始!

そして未定だったプログラムが一つ決定しています。

「「ロミオとジュリエット」よりバルコニーのパ・ド・ドゥ」

振付:ケネス・マクミラン
出演:佐久間奈緒/平野亮一

これもとても楽しみですね。異なったカンパニーのダンサーがどのようなパートナーシップを見せてくれるのか、期待します。

2014/03/04

パリ・オペラ座バレエ 2014/15シーズン発表/ノイマイヤー新作「大地の歌」

パリ・オペラ座の来シーズンについては情報がリークしていましたが、今日正式な発表が行われました。バンジャマン・ミルピエ新芸術監督の最初のシーズンですが、プログラミングを行ったのは、現在のブリジット・ルフェーブル芸術監督。

http://www.operadeparis.fr/saison-2014-2015/ballet

バレエ

2014/9/1~9/7 ガルニエ ヴッパータール・ダンス劇場(客演) TWO CIGARETTES IN THE DARK(ピナ・バウシュ振付)

2014/9/20~10/3 ガルニエ ランダー&フォーサイス ランダー振付「エチュード」、フォーサイス振付「WOUNDWORK 1」「PAS/PARTS」

2014/10/21~11/7 ガルニエ レイン ケースマイケル振付

2014/11/26~12/29 バスティーユ くるみ割り人形 ヌレエフ振付

2014/11/29~12/30 ガルニエ ラ・ソース(泉) ジャン=ギョーム・バール振付作品

2014/12/31 バスティーユ くるみ割り人形 年末特別公演

2014/12/31 ガルニエ ラ・スルス(泉) 年末特別公演

2015/1/6~1/10 ガルニエ スウェーデン王立バレエ団(客演) マッツ・エックの「ジュリエットとロミオ」

2015/2/3~2/20 ガルニエ ポール&RIGAL&LOCK ニコラ・ポール振付「RÉPLIQUES」、Pierre Rigal振付「SALUT」(世界初演の新作)、エドゥアール・ロック振付「ANDRÉAURIA」

2015/2/24~3/12 ガルニエ 大地の歌 ジョン・ノイマイヤー振付「大地の歌」(世界初演の新作)

2015/3/11~4/9 バスティーユ 白鳥の湖 「白鳥の湖」ヌレエフ振付

2015/4/3~4/8 ガルニエ オペラ座バレエ学校公演 「D’ORES ET DÉJÀ」(ニコラ・ポール)、「VARIATIONS DON GIOVANNI」(モーリス・ベジャール)、「AUNIS」(ジャック・ガルニエ)、「SOIR DE FÊTE」(Léo Staats)

2015/4/20~5/20 ガルニエ マノン

2015/5/2~5/19 ガルニエ パキータ

2015/5/28~6/6 ガルニエ 天井桟敷の人々

2015/6/29~7/14 ガルニエ ラ・フィーユ・マル・ガルデ

2015/7/4~7/16 バスティーユ L’Anatomie de la sensation (感覚の解剖学) ウェイン・マクレガー作品


というわけで、古典全幕が「くるみ割り人形」と「白鳥の湖」「パキータ」、完全な古典ではないけれども準古典的な物語的全幕作品として「マノン」「ラ・フィユ・マル・ガルデ」そして「ラ・スルス」「天井桟敷の人々」があり、それまでの現代作品中心のレパートリーと打って変わってかなり保守的な演目が並んでいます。

新作は2作品しかありませんが、ジョン・ノイマイヤーが「大地の歌」を振付けるというのは大きなニュースであり、大変注目されます。

もう一つの新作を振付けるPierre Rigalは、ヒップホップやサーカスを振付けているという異色の振付家。Joan Cambonによる、委嘱された音楽を使用するとのことです。

また、デフィレは9月20日とルフェーブルのアデュー公演である10月4日に行われます。10月4日は特別に、「エチュード」(ランダー)/「WOUNDWORK 1」、「PAS/PARTS」(フォーサイス)/「オーニス」という構成となります。

シーズンの予告編動画
http://www.operadeparis.fr/videopera/bande-annonce-saison-2014-2015


Bande-annonce de la saison 2014-2015 投稿者 operadeparis

ゲストカンパニーであるスウェーデン国立バレエが上演される「Juliet & Romeo」(マッツ・エック振付)のDVD/Blu-rayは4月にフランスで発売されるので、日本でもそのうち入手できるかと思います。
http://www.cmajor-entertainment.com/catalogue/show/id/2955
(DVDについては、Side B-alletさんの情報を参照)

イーサン・スティーフェル、ロイヤル・ニュージーランド・バレエの芸術監督を退任

2011年にロイヤル・ニュージーランド・バレエの芸術監督に就任したイーサン・スティーフェルが、2014年9月1日に退任することが発表されました。

http://www.rnzb.org.nz/news/news/rnzb-artistic-director-to-leave-after-three-outstanding-years/

スティーフェルが芸術監督に就任してから、バレエ団は順調に成功を重ねてきました。ヨハン・コボーが振付けた「ジゼル」はDVD化され、批評家からも高い評価を得ました。2013年には中国、2014年にはニューヨークへのツアーを成功させました。

彼が就任した時には32名のダンサーが所属していましたが、現在は36名、長期計画では2017年には40名まで増える予定となっています。音楽面も、音楽監督を任命するなど充実させました。そして2015年までのプログラミングは終わっており、2016年の計画を現在立てているところです。2015年には、2つの世界初演作品も予定されています。

「素晴らしい経験ではあったけれども、家族や友人と遠く離れていることはつらかった。また、カンパニーの仕事の他に提供されるプロジェクトに参加することも、距離が遠くて難しかった」とのコメントが発表されています。スティーフェルはアメリカに戻って新しい仕事を探すとのことです。

スティーフェルのフィアンセであるジリアン・マーフィもゲストプリンシパルとしてたびたび出演しており、彼がカンパニーを去った後も引き続きゲスト出演を続ける予定とのことです。


昨年11月に発表され、このブログでもご紹介しましたが、有料チャンネルStarzでのバレエ界を舞台にしたテレビドラマ「Flesh and Bone」でスティーフェルは監修と振り付けを担当するとのことです。撮影はNYで行われ、放映は2015年を予定しています。脚本家とエグゼクティブプロデューサーは、人気シリーズ「ブレイキング・バッド」のモイラ・ウォーリー・ベケットで、彼女自身が元ダンサー。主演は、ドレスデン・バレエのコリフェであるサラ・ヘイです。
http://www.hollywoodreporter.com/live-feed/ballet-drama-flesh-bone-ordered-658349

この記事によれば、ロイヤル・ニュージーランド・バレエは本当はスティーフェルにあと2年間芸術監督を続けてほしかったとのことだそうです。
http://deborahjones.me/djs-diary-3/
3年間は確かに期間としては短いものだと思われますね。

NHKバレエの饗宴2014 4/20にNHK Eテレで放映

3月29日にNHKホールで行われる公演「NHKバレエの饗宴2014」の放映予定が早くも決定しています。

クラシック音楽館 NHK Eテレ
http://www4.nhk.or.jp/ongakukan/

4月20日(日)放送 (21:00~23:00)

NHKバレエの饗宴2014

第1部
コンサートガイド
ご案内:渡邊佐和子アナウンサー

第2部
NHKバレエの饗宴2014

1:「ドン・キホーテ」第1幕
出演:貞松・浜田バレエ団
原振付:プティパ、ゴルスキー
再演出:ニコライ・フョードロフ
新演出:貞松正一郎
新演出:貞松正一郎
音楽:ミンクス

2:「ラ・シルフィード」からパ・ド・ドゥ
出演:吉田都、フィリップ・バランキエヴィッチ
振付:ブルノンヴィル
音楽:レーヴェンスヨルド

3:「3月のトリオ」(初演)
出演:島地保武、酒井はな
振付:島地保武、酒井はな
音楽:バッハ

4:「スコッチ・シンフォニー」
出演:スターダンサーズ・バレエ団
振付:バランシン
音楽:メンデルスゾーン

5:「The Well-Tempered」
出演:首藤康之、中村恩恵
振付:中村恩恵
音楽:バッハ

6:「ベートーベン交響曲第7番」
出演:東京シティバレエ団
振付:ウヴェ・ショルツ
音楽:ベートーベン

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:大井剛史
チェロ:古川展生(3曲目)
ピアノ:若林顕(5曲目)
収録予定:2014年3月29日NHKホール

第3部
コンサート・プラス
内容未定

2014/03/03

セルジュ・リファール国際バレエコンクールが中止

現在、ウクライナ情勢が悪化していて、激化した反政府デモが発端となり、ロシアがウクライナ南部クリミア半島での軍事介入を拡大するなど、戦争状態に近づきつつあります。

ウクライナ出身のバレエ・ダンサーは多く、また日本で親しまれているキエフ・バレエなどウクライナにはいくつかのバレエ団があるために、気になっている方も多いかと思います。

そんな中、ウクライナで今月開かれる予定だったバレエの国際コンクールが緊迫する情勢のため中止になり、京都市のバレエ教室から参加する予定の中学生も渡航を取りやめたとのことです。

ウクライナのバレエ国際コンクール中止に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140303/k10015687021000.html

京都市左京区にあるバレエ教室、「寺田バレエ・アートスクール」によりますと、今月23日からロシアに近いウクライナ東部のドネツク市でバレエの国際コンクールが開かれる予定でしたが、1日、関係者から「治安の悪化が懸念されるため中止になった」と連絡が入ったということです。
ことしで8回目となる予定だったこのコンクールは、これまでウクライナの首都キエフやドネツク市で開かれ、このバレエ教室からは女子中学生1人が参加することになっていましたが、渡航を中止したということです。
京都市は昭和46年からキエフと姉妹都市の関係を結び、このバレエ教室も昭和50年からキエフにある国立バレエ学校と姉妹校の協定を交わして交流を続けてきました。
今回のコンクールには、去年からキエフに留学している男子高校生も参加する予定だったということです。

国際バレエコンクール中止 京都のスクール生、出場できず
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140304/kyt14030402340003-n1.htm

この国際コンクールは、セルジュ・リファール国際バレエコンクール。
http://lifarcomp.com.ua/

セルジュ・リファール国際バレエコンクールの過去の受賞者の中には、デニス・マトヴィエンコ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、ヤナ・サレンコ、竹島由美子さんなど多くの活躍中のダンサーがいます。

早く紛争が収まって、平和な日々が戻ってきますように。

2014/03/02

イザベル・シアラヴォラのアデュー

2月28日、パリ・オペラ座のエトワール、イザベル・シアラヴォラがオペラ座に別れを告げる舞台「オネーギン」でタチヤーナ役を踊りました。昇進試験を11回も受け、37歳でのエトワール任命と遅咲きながらもその美貌、美しい脚と素晴らしい演劇性で多くのファンを魅了してきた彼女を惜しむ声が世界中から聞かれます。

2009年の映像ですが、エルヴェ・モローと「オネーギン」を踊っているところが少し観られます。

http://www.dailymotion.com/video/x1cf33b_isabelle-ciaravola-danse-tatiana-dans-oneguine_creation


Isabelle Ciaravola danse Tatiana dans Onéguine 投稿者 operadeparis

インタビュー記事 (英語)
http://www.operadeparis.fr/en/blogopera/isabelle-ciaravola

彼女の最後の48時間を追った映像(France3) エルヴェと「オネーギン」をリハーサルする様子や本番も少し。
http://youtu.be/taAstSuiRO4

そして感動的なカーテンコールの映像。紙吹雪が星の形に切り抜かれていてとても美しいですね。

http://youtu.be/yF8DCYB262o

日本の観客は、幸運にも今月のオペラ座の来日公演「椿姫」と、7月の「エトワール・ガラ」で彼女の踊りを観ることができますね。


追記:オペラ座公式サイトでのイザベルアデューの記事と写真
http://www.operadeparis.fr/blogopera/les-adieux-d-isabelle-ciaravola

NHK BSプレミアムシアターで、マリインスキー・バレエ「シンデレラ」4月放映

4月のNHK BSプレミアムの放映予定が出ていました。

http://www.nhk.or.jp/bs/lineup/pdf/bspremium_nextmonth.pdf 

4月20日(日)24時~ (月曜早朝)
BSプレミアム プレミアムシアター

マリインスキー劇場公演バレエ「シンデレラ」

出演:ディアナ・ヴィシニョーワ(シンデレラ)
ウラディーミル・シクリャローフ (王子)
エカテリーナ・コンダウーロワ(継母)
マリインスキー・バレエ
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
振付:アレクセイ・ラトマンスキー

ロイヤル・バレエ「アリス」 
ローレン・カスバートソン出演

4月27日(日)24:30~ (月曜早朝)
ザルツブルク音楽祭2013歌劇「後宮からの誘拐」) 出演:デジレ・ランカトーレ

ベジャールバレエローザンヌ 「80日間世界一周」
出演:ジル・ロマン、 エティエンヌ・ベジャール、 カトリーヌ・ズアナバール、 ダリア・イワノワ ほか 
振付:モーリス・ベジャール、ジル・ロマン


ついでに、3月の放映もリマインドしておきますね。
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

3月10日(月)【3月9日(日)深夜】午前0時15分~午前4時15分

プレミアムシアター
◇英国ロイヤル・バレエ公演
バレエ 『ドン・キホーテ』 【5.1chサラウンド】


◇英国ロイヤル・バレエ公演
バレエ 「ドン・キホーテ」

0:15:00~2:26:30

<演 目>
バレエ音楽 「ドン・キホーテ」(全3幕)
(レオン・ミンクス作曲/マーティン・イェイツ編曲)

<出 演>
キトリ: マリアネラ・ヌニェス
バジル: カルロス・アコスタ
ドン・キホーテ: クリストファー・サウンダース
サンチョ・パンサ: フィリップ・モーズリー
エスパーダ: 平野 亮一
メルセデス: ラウラ・モレーラ
ガマーシュ: ベネット・ガートサイド
ロレンツォ: ギャリー・エイヴィス
キトリの友人:
  崔 由姫
  ベアトリス・スティックス・ブルネル
2人の闘牛士:
  ワレリー・フリストフ
  ヨハネス・ステパネク
ロマのカップル/ファンダンゴのカップル:
  イツァール・メンディザバル
  トーマス・ホワイトヘッド
森の女王: メリッサ・ハミルトン
キューピッド: エリザベス・ハロッド
ドゥルシネア姫: クリスティーナ・アレスティス
居酒屋の女: クリステン・マクナリー

英国ロイヤル・バレエ団
英国ロイヤル・バレエ学校の生徒たち

<原振付>
マリウス・プティパ

<演出・改訂振付>
カルロス・アコスタ

<美 術>
ティム・ハットリー

<照 明>
ヒュー・ヴァンストーン

<管弦楽>
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団

<指 揮>
マーティン・イェイツ

収録:2013年10月16日
コヴェントガーデン王立歌劇場

3月17日(月)【3月16日(日)深夜】午前0時30分~午前4時

プレミアムシアター
◇ボリショイ劇場公演 歌劇 『イーゴリ公』

◇ボリショイ劇場公演 バレエ 「パリの炎」

<演 目>
バレエ 「パリの炎」

<音 楽>
ボリス・アサフィエフ

<出 演>
ナターリヤ・オシーポワ (ジャンヌ)
イワン・ワシーリエフ (フィリップ)
ほか

ボリショイ・バレエ団

<振 付>
アレクセイ・ラトマンスキー

<原振付>
ワシーリー・ワイノーネン

<音楽監督>
パヴェル・ソロキン

収録:2010年3月24・29・31日
新ボリショイ劇場(モスクワ)
(初回放送:2012年2月19日)

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