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« ウィリアム・フォーサイスがフォーサイス・カンパニーの芸術監督を退任 | トップページ | 元パリ・オペラ座総裁のジェラール・モルティエが死去 »

2014/03/09

「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」トークショー

今年8月のガラ公演「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」に出演するダンサー3名、ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー、リカルド・セルヴェラが集ってのトークショー「トーク・ウィズ・ダンサーズ 英国ロイヤルバレエ団人気トップダンサーに聞く」が3月5日に開催されました。

一般のファンを前にして、フレンドリーな雰囲気で行われたこのトークショー、立ち見も出るなど大盛況でした。前日に行われた記者会見と、トークの内容はあまりかぶっておらず、非常に興味深い内容だったので、こちらもご紹介しますね。ここでも、ラウラ・モレーラが巧みな司会進行を見せてくれました。

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今回の「ロイヤル・エレガンスの夕べ」について

リカルド 「ふだん僕たちは、レパートリーの中の様々なスタイルのものを見せる機会がなかなかない。アシュトンからコンテンポラリーまで、すべてのレパートリーを見せることができる、このような親密なスペースでやる機会はめったにない。今回の企画のような小さな会場で踊ると、直で観客のレスポンスを受けられるので、お客さんとの共同作業のようなものになるよね」

スティーヴン 「ほかの公演との違いは、通常は主催者が演目を決めるけれども、ここでは自分が意見を持って何を踊るかを決められるので、踊ることについて誇りを感じられることだね」

ラウラ 「そう、今度の公演では、同じマクミラン作品でも、『ロミオとジュリエット』のようにポピュラーな作品から、「エニグマ変奏曲」や「レクイエム」のようになかなか観られない作品も踊られるのですよね」

ラウラ 「マクミランの作品を踊るのはどういう気持ちかしら?」

スティーヴン 「マクミランの作品は、とてもリアリスティックなものです。初めて演じた彼の全幕作品は、アリーナ・コジョカルと踊った「ロミオとジュリエット」でした。その時は僕はまだとても若くて、ドラマティックな演技をすることをすぐに学ばなければなりませんでした。マクミランは、振付が物語をかたるもので、自分が自然であればあるほど感情が伝わります。何度も踊った作品でも、新たなチャレンジをそのたびに与えてくれます」

ラウラ 「では、リカルドにはアシュトンについて語ってもらいますね」

リカルド 「アシュトンはロイヤルバレエのスタイルを作った振付家です。素早い脚の動きと音楽性が求められます。チャレンジングな踊りだけど、その分見返りも大きいのです。楽しく踊っているように見えます。今度踊る「エニグマ変奏曲」のトロイトのソロは特にそうです」

ラウラ 「私がロイヤルで一番学んだことは、素晴らしい作品は、すべての出演者全員で作り上げるものであり、またパートナーとのケミストリーで作り上げるということです。サラ・ラムとスティーヴン、リカルドと私というペアはロイヤルオペラハウスでもよく共演しています」

スティーヴン 「僕は世界で最も素晴らしいバレリーナたちと踊る幸運を与えられました。アリーナ・コジョカルやラウラからは、パートナーリングの仕方を教わることができました。タマラ・ロホ、ヤナ・サレンコ、ロベルタ・マルケス、サラ・ラム、そして素晴らしい吉田都さんといった素晴らしいダンサーと踊る幸運が僕にはあったのです。それぞれの女性ダンサーたちが違った方法で踊るので、自分も違った風にそれぞれ役作りをして、自分も変わっていきます。信頼関係を持っているパートナーと踊ると、アーティストとしても、テクニック的にも信頼が得られます」

ラウラ 「リカルド、なんで私と踊るときに、気の合った踊りができるの?」

リカルド 「練習して上手く生まれるのがケミストリーではないんだ。ケミストリーがない人とでもいい作品を踊ることはできるんです。ケミストリーを感じられる人を見つけることができるのは稀なのです。お互いを信頼し、尊敬しているからこそ生まれるものです。パートナーと平等な関係であることは重要だし、二人ではなく、二人が一人の人間として踊るんです」

ラウラ 「『ルーム・オブ・クックス』『キサス』の二つはとても違っている作品です。違った振付家が、どのように違ったやり方でケミストリーを見せていくかを観て欲しいと思います」


ラウラ 「スティーヴン、あなたの素晴らしいテクニックは、自然にできるものなのか、それとも努力してできるようになったものなのか、どちらなのかしら?」

スティーヴン 「僕は最初はダンスのことすらよくわかっていなかったんだ。ダンスに興味のある家族ではなかったし。でも、初日からわからずにやることを励ましてくれる先生たちに出会えたんだ。先生たちは毎日毎日、もっと早く回れるように、高く跳べるようにプッシュしてくれたので僕も一生懸命にやった。次世代にも、このことは伝えたい。これは持って生まれた才能ではなくて、努力して得られたものなんだ」

ラウラ 「これは私たち全員に当てはまることですよね。私たちにとってダンサーというのは偉大なのではなくて、偉大であろうとしてくれるんです。一般的にダンサーの中では、そう考えている人たちは珍しいのですが、私たちはみんなそのタイプのダンサーなのです」

ラウラ 「どんな時にステージ上で幸せを感じますか?」

リカルド 「物語性のあるバレエに参加することですね。役を演じる時に喜びを感じます。パフォーマンスとして技術に集中するだけでなく、アーティストであることを感じさせるときにね。若い時に、どうしたら自然な演技をすることができるのか、学ぶのはとても難しかったです。経験を得て、やっとその役を本当に演じているという気持ちになることができました。再演するときにその役とともに成長できると感じます。そしてその成長したところを見せることが大事です」

スティーヴン 「再演するということは、難しいことなんです。最初に役を演じるときは、すべて未知の世界です。どういう風にペース配分していくのか、図るのが難しい未知の国に行くようなものです。同じ役を再びやるときは、知識や経験があるけど時には難しいこともあります。鮮やかな記憶が残っているからです。素晴らしい相手役のこと、素晴らしかった経験が残っているので、それを再現したいと思うけど、同じように再現しようとすることはやめて、一から始めるようにしています。相手役によって違うし、前の経験を活かしながらも、一からやるようにしています」

ラウラ 「ダンサーにとって特別な作品とは、自分自身のために振付けられた作品ですね。ウィールダンの、まだ未定の作品をスティーヴンとサラが踊ります。また日本初演の『レイヴンガール』はマクレガーがサラのために振付けられたものです。『ルーム・オブ・クックス』と『キサス』はリカルドと私のために、大昔に振付けられました」

「私たちに振付をしてくれた振付家たちについて話したいと思います。リアム・スカーレットは私たちのために6作品を振付けてくれました。マクミランもやはり、ダンサーにとって素晴らしい振付家でした。新しい振付家が生まれ、私たちを見て振付けていくという過程が素晴らしいと思います。『ヘンゼルとグレーテル』はスティーヴンと私のためにリアムが振付けてくれました。自分のために振付けてもらうという感覚について、スティーヴンに聞きたいと思います」

スティーヴン 「自分のために作品が作られているというのは、粘土の人形を作っていくようなものです。他の人に振付けられた作品の場合には、像がすでにあって、ジャケットやネックレス、靴などを身に付けていくようなものです。自分のために振付けられた作品を踊るのは、自由を感じます。自分が振付を最大限に生かせるからです」

ラウラ 「リカルド、振付家はみなあなたのために振付けたいと思っていますが、その中で一つの作品をあげるとしたら何かしら?」

リカルド 『すべての振付の経験が素晴らしいので、一つを選ぶのは難しいです。ほとんどの振付家の作品を気持ちよく踊ることができます。良く見せてくれるものを作ってくれるからです。ダンサーはわがままな存在なので、踊りやすいものがいいんですよね。自分が一緒に働きやすかった振付家を挙げるとしたら、リアム・スカーレット。彼は自分のホームにいるような感覚を与えてくれます。そして大体ラウラと一緒に踊るので、よりホームにいるような感覚です」

ラウラ 「私の一番の思い出は、『アスフォデルの花畑』の初演を踊った時のことです。第三楽章を振付けてもらったのですが、今回抽出するのは、第二楽章です、そちらの方がガラに向いているので。若い人が踊るのは、未来があると感じているからであるので、この公演のために、新しい作品を一つ振付けてもらいました。才能ある若手振付家で、ロイヤルの女性ダンサーでもあるクリスティン・マクナリーの作品です」

ラウラ 「マクミランは、どんなダンサーでも踊りたいと思う作品を作ってきました。「マノン」など、男性にとっても、女性にとっても踊りたい作品です。自分に振付けてもらうならどんな役がいいと思いますか?」

スティーヴン 「全幕ものの作品を自分に振付けてもらえたら嬉しいです。たくさんの素晴らしいバレリーナとともに、役の旅路を終えるところを皆さんに見せたいのです。世界中の振付家に、僕は何となくそうしてほしいと伝えています」

リカルド 「考えたこともなかったけど、引退する前に自分のためのデュエットを振付けてもらえたらなと思います。ラウラと踊るデュエットを。僕はコール・ドのときからラウラと踊ってきたから。そして、それは日本で初演、踊りたいです。僕のキャリアのハイライトは、日本でラウラと踊った『ラ・フィユ・マル・ガルデ』でした。リアムにも、二人のための作品を作ってほしいと伝えています」

ラウラ 「自分の墓銘碑に書いてほしい子とは何ですか?ダンサーとしてキャリアを終えるとき、自分について覚えておいてほしいことは」

スティーヴン 「まだ死にたくないよ(笑)」

ラウラ 「彼女はアーティストで、忘れられない思い出を残してくれた、いい人だった、と」

スティーヴン 「僕は永遠に生きようと思う。彼はインスピレーションをいろんな人に受けていた、そして彼は人にインスピレーションを与えた、と」

リカルド 「芸術に寛大であった。ステージ上ですべてを出し切った。躊躇しなかった」

ラウラ 「この公演はとてもエキサイティングな素晴らしいものになるわ。皆さんに支援いただいているように、皆さんにも楽しんでほしいと思います」


ここで質問コーナーとなりました。

Q 「マックレーさんの、役を演じるにあたって大事にしていることは何ですか?」

スティーヴン 「自分自身に嘘をつかないことです。自分が達成していることを誇りに思うことです。振付家と作品の責任者に誇りを持ってほしいです。究極的には、自由でありたいと思います。毎日、本当にたくさんたくさん練習をしていますが、ステージに一歩足を踏み出したら、ステージ上で自由でいられるように練習をしているのです」

Q「今まで踊ったことがない作品でこれから踊りたいものは何ですか?ロイヤルのレパートリーにないものも含めて」

リカルド 「ロイヤルバレエスクールを卒業した時に、ハンス・ファン・マネンがピアソラの曲に振付けた「ファイブ・タンゴ」という作品を踊りました。もう一度踊りたいなと思います」

スティーヴン 「できるだけたくさんの振付家の作品を踊りたいと思います。ベジャールやフォーサイスの作品も踊りたいです。自分とすごく一緒に作品を作りたいと思っている振付家の作品を踊りたいですね。振付家がダンサーからインスピレーションを与えてもらったのが、すごい作品だと思うから」

ラウラ 「以前、ナチョ・ドゥアトが着て振付けてくれたとき、楽しかったです。有名でなくても自分たちを見て作ってくれるというのは特別な感覚があるのでやりたいです。コンテンポラリーも違ったスタイルの踊りを踊ることは挑戦であり楽しいです。私は演劇性のある作品が踊りたいので、自分の中のそのような部分を出してくれる振付家とも仕事をしたいですね」

Q バレエを始めたきっかけと、続けている理由について教えてください。

ラウラ 「私は踊らずにはいられませんでした。舞台に一歩踏み込んだら自由になれる感覚が好きです。その感覚がなくなったら、引退するときです」

スティーヴン 「体操選手だった姉の影響で始めました。バレエの公演は、ロイヤルバレエスクールに入るまで、一度も生の舞台を観たことがありませんでした。映像ではアステアやジーン・ケリー、そしてアンソニー・ダウエルの踊りは観ていましたが。8歳の時からステージでソロを踊っていたので、ステージの上にいる感覚が好きです。カーテンが上がると平和な感覚を感じます。でも、舞台というのはリスクもあります。父がレースドライバーだったので、リスクという感覚は父から受け継ぎました。生の舞台は何でも起こりうるし、なんでもできるという未知の感覚が好きなんです」

リカルド 「僕の家族は、誰も踊りをする人はいなかったのですが、自分では覚えていないのですが4歳の時からダンスのポーズをしていたそうです。6歳の時には、フォンテーンとヌレエフのロミオとジュリエットの映像を見ました。姉がダンサーになりたがっていたので、彼女にダンスクラスに連れていかれました。ステージの上にいるのが究極のゴールです。一歩上がると日常のすべてが消え去るし、お客さんも連れて行かれます。ダンサーに、どうして踊るのと聞くのは、画家にどうして絵を描くの?と聞くようなものです。とにかくやらずにはいられません」

Q 9歳の時には何をしていましたか?(たぶん9歳の女の子からの質問)

ラウラ 「私は11歳までスペインにいたので、テクニックを磨いていました。ピルエットの練習などをね」

スティーヴン 「ジャズ、タップ、バレエ、モダン、ヒップホップのクラスを受けていました。先生が何でもすることを進めてくれたのです。それは、学校では全教科を勉強するのと同じようなものです。僕はダンス中毒でした」

リカルド 「9歳の時は週に4~5レッスンも受けていました。バレエ、モダン、後でタップも習ったよ。クラシックバレエのダンサーを目指していても、リズム感や音楽性を得るためにはこれらを学んでいてよかったです。モダンダンスは、自分を自由にさせてくれました」

*****

3人とも、本当に話が上手で思わず引き込まれてしまいました。大変魅力的な人柄の持ち主であることが感じ取れました。そして、古い伝統を大事にしながらも、新しいものをどんどん取り入れていき、創造していくという意欲が感じられて、それがバレエの長い歴史とつながって未来を創っている心意気というのが彼らからは感じられました。アシュトンやマクミランなどの伝統があり大事に受け継ぎつつも、そこだけに踏みとどまることはなく、新しい作品を作り、振付家とコラボレートしてという姿勢。同時に、若い世代にそれを伝えていこうとするところも。過去から未来への橋渡し役なんだな、と思いました。

そして、舞台の上にいると、自由でいられるという感覚を愛していること。舞台で自由でいられるために、一生懸命練習しリハーサルを重ねる、という姿勢。踊るために生まれてきた人たちなんだなと思いました。

そんな彼らが自分たちでプロデュースしているのですから、素晴らしい公演になることは約束されているようなものです。本当に夏が楽しみですね!

http://www.royalelegancenight.com/

日本青年館ホール (神宮外苑)

2014年8月8日(金) 19:00開演 *ロビー開場は各開演の45分前
8月9日(土) 13:30開演
8月10日(日) 13:30開演

チケット一般発売日

3月29日(土)10:00より ※3月16日公式HP先行開始!

チケット発売所
e+(イープラス)
http://eplus.jp/royal-e/ (パソコン・携帯)

チケットぴあ
0570-02-9999〈 Pコード: 435-177 〉
http://pia.jp/t/royalelegance/ (パソコン・携帯)

ローソンチケット
0570-084-003〈 Lコード: 32347 〉0570-000-407(オペレーター)
http://l-tike.com/ren2014/ (パソコン・携帯)

サンライズオンライン
http://sunrisetokyo.com

サンライズプロモーション東京
0570-00-3337 (10:00-19:00)

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