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2014/02/27

バーミンガムロイヤルバレエ 厚地康雄さんのインタビュー

2年間新国立劇場バレエ団で踊った後、今シーズンより、古巣のバーミンガムロイヤルバレエに戻った厚地康雄さん。ファーストアーティストという下から2番目の位ではありますが、「くるみ割り人形」では王子を踊り、「眠れる森の美女」では青い鳥を踊りました。そしてこのたび、バーミンガムで上演される「パゴダの王子」で王子役を踊ります。(2月26日)

その厚地康雄さんのインタビューが、バーミンガムロイヤルバレエのサイトに掲載されました。聞き手は、同バレエ団のプリンシパル、イアン・マッケイ。英国と日本のバレエ環境の違いなど興味深い内容です。

The Return of Yasuo Atsuji
http://www.brb.org.uk/Yasuo-2014.html

イアン「バーミンガムロイヤルバレエに戻ってどんな気持ち?」

厚地「戻って半年になったので、やっと2度目の試用期間に合格することができたよ。戻ってきてとてもうれしいし、このバレエ団に所属している気持ちだ。個人的にも、芸術的にも自分がいるべき場所だし、2年間いなかったなんて信じられないほどだよ」

イアン「新国立劇場とバーミンガムロイヤルの大きな違いは?」

厚地「ここでは、もっと労働環境が安定しているよ。日本では、公演に出演したときだけギャラが支払われるから、怪我をしてしまったらお金はもらえない。またバーミンガムロイヤルバレエではジャーウッドセンターのように、ピラティスや上半身を鍛えるためのジムの施設が充実していて、健康やフィットネスにとってとてもいいんだ。

また、新国立劇場では、年間40公演しかなかった。デヴィッド・ビントレーが、バーミンガムロイヤルバレエで公演しているようなとても楽しい作品を持ってきてくれたけれども、一つの演目について6回しか公演できなくて少ない。いくつかのバレエでは、5組ほどのキャストが組まれるので、一つの役を1回くらいしか踊れなかったりして残念だった」

イアン「2011年にビントレーが『パゴダの王子』を振付けたときに彼と一緒に仕事をしたよね。バーミンガムロイヤルバレエのプロダクションと比較して、日本側はどうだった?」

厚地「とても興味深かったよ。バーミンガムで最初のゲネプロを見たとき、全く違うバレエのように思えた。日本では、2か月の期間をかけて『パゴダの王子』のリハーサルを行い、とてもよくリハーサルできたし、良く統制されていた。バーミンガムではそこまでのリハーサル時間をかけられなかったけど、ここのダンサーはデヴィッドの振付をよく知っている。みんな、彼の動きのスタイルを正確にわかっているし、それぞれの役がどのように踊るべきかも知っている。

それに、ここではダンサーたちは自分たちの個性を持った発揮していて、このバレエをもっと面白いものにしていたよ。日本でこの作品を踊った時よりも僕は楽しんでいる」

イアン「クリスマスには、君は初めてのくるみ割り人形の王子を踊ったよね。今度デビューを飾る『パゴダの王子』のサラマンダーの王子を踊るのと何が違う?」

厚地「2つの役はとても違っている。『くるみ割り人形』は特に2幕では、典型的な王子の衣装を着る。白いタイツにチュニック、それを着るとこの役だというのを実感できる。『パゴダの王子』では、衣装はパジャマのようなダボッとしたズボンで、長いポニーテールをつけているから、王族であるように見せるのがもっと大変なんだ。このキャラクターになりきるのが難しい。サラマンダーの姿をしているときには、できる限り動物のように見えるようにしなければならない。すごく疲れるけど、サラマンダー役を踊るのは凄く楽しい。動きをできるだけ面白く見せるように一生懸命やっているよ」

イアン 「デヴィッドの『パゴダの王子』のプロダクションは、日本の大きな影響があるよね。自分のキャラクターを発達させるために、個人的な記憶を助けにしたりした?」

厚地 「皇帝、つまり自分が演じる王子の父親の前では、ぼくはとても礼儀正しく、身体言語や身振りなどの癖を静かに行おうとしている。皇帝に対しては、できる限りの敬意を見せるようにね。今現在でも、日本では目上の人に対してはそのようにふるまわなければならないから。そして作品の舞台となっている時代では、もっと厳しかっただろうし」

イアン 「君はとても職業倫理がしっかりしているし、スタジオで仕事をしているときにはいつもとても集中している。でも、リハーサルが終われば、一番に冗談を言ったり、ほかの男性ダンサーたちとからかい合ったりしているよね。日本でもこんなに楽しい人だったの?」

厚地 「実際には違うよ。日本で働くというのはだいぶ違っている。自分自身をどう見せるかについて、とても気を使わなければならないんだ。新国立劇場に入った初めての月に、リハーサルでゲストダンサーが素晴らしいヴァリエーションを見せてくれた時に、歓声をあげたら怒られてしまった。ゲストは喜んでくれたけど、スタッフに注意されたよ。仕事場所では、人々は自分たちをある程度抑えなければならないことになっているので、僕はそれに気を付けなければならなかった。とても気を使ったよ。文化の違いが大きく影響しているんだよね。

でも、日本で踊ったことはとても良い経験だった。日本では背が高かったから、バーミンガムに残っていたら踊ることができなかったかもしれない役をたくさん踊ることができたよ。バーミンガムロイヤルでは、もっと背の高い男性ダンサーがたくさんいるから、役を得る競争はもっと激しい。でも日本で難しい役を踊ってきたことでたくさんの経験を得ることができたし、そしてここに戻ってきてからもいいチャンスを得られていることを幸運に思う。サラマンダーの王子を初めて演じることを含めてね。日本に戻ったのがちょうどいい時期だったし、バーミンガムロイヤルにもちょうど良い時に戻ることができたよ。戻ってきて、とてもうれしい」

(なお、最初にこの記事がアップされた時にはもう少し細かいことが書かれていたのですが、その後一部削除されたようです)

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コメント

日本語訳ありがとうございました。
興味深い内容で面白かったです。
日本では、素晴らしい!と思った感情を外に出すと注意されるんですね、びっくりです。
こんな風潮が、日本人の奥ゆかしさ…ではなく内面の感情を外に表現する際の妨げになっているのでしょうか…

yasumikeさん、こんにちは。

私も、声を出したら怒られる、というのに驚きました。本番じゃないんだからいいじゃないって思いますよね。
これを読むと、だから日本のバレエ団は演劇的な作品が苦手なのかな、と感じます。奥ゆかしさは日本人の美点ではあるけど、バレエはやはり西洋の芸術なんですね。

目の前で素晴らしいパフォーマンスを観たら「いやっほー」って叫びたくなりますよね。。。
そういう気持ちを開放することが身体表現なのでは。。。なんで(泣)

はっちゃんさん、こんにちは。

やっほーって叫びたくなるお気持ちもわかります!特にものすごい超絶技巧などがあった時には、そういううのもいいんじゃないかな~と。アメリカなどでバレエを見ると、特にそういう反応は多いみたいですね。表現する側も、自分の感情を解き放つことが表現につながるのかな、と私も思います。

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