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2014年2月

2014/02/27

バーミンガムロイヤルバレエ 厚地康雄さんのインタビュー

2年間新国立劇場バレエ団で踊った後、今シーズンより、古巣のバーミンガムロイヤルバレエに戻った厚地康雄さん。ファーストアーティストという下から2番目の位ではありますが、「くるみ割り人形」では王子を踊り、「眠れる森の美女」では青い鳥を踊りました。そしてこのたび、バーミンガムで上演される「パゴダの王子」で王子役を踊ります。(2月26日)

その厚地康雄さんのインタビューが、バーミンガムロイヤルバレエのサイトに掲載されました。聞き手は、同バレエ団のプリンシパル、イアン・マッケイ。英国と日本のバレエ環境の違いなど興味深い内容です。

The Return of Yasuo Atsuji
http://www.brb.org.uk/Yasuo-2014.html

イアン「バーミンガムロイヤルバレエに戻ってどんな気持ち?」

厚地「戻って半年になったので、やっと2度目の試用期間に合格することができたよ。戻ってきてとてもうれしいし、このバレエ団に所属している気持ちだ。個人的にも、芸術的にも自分がいるべき場所だし、2年間いなかったなんて信じられないほどだよ」

イアン「新国立劇場とバーミンガムロイヤルの大きな違いは?」

厚地「ここでは、もっと労働環境が安定しているよ。日本では、公演に出演したときだけギャラが支払われるから、怪我をしてしまったらお金はもらえない。またバーミンガムロイヤルバレエではジャーウッドセンターのように、ピラティスや上半身を鍛えるためのジムの施設が充実していて、健康やフィットネスにとってとてもいいんだ。

また、新国立劇場では、年間40公演しかなかった。デヴィッド・ビントレーが、バーミンガムロイヤルバレエで公演しているようなとても楽しい作品を持ってきてくれたけれども、一つの演目について6回しか公演できなくて少ない。いくつかのバレエでは、5組ほどのキャストが組まれるので、一つの役を1回くらいしか踊れなかったりして残念だった」

イアン「2011年にビントレーが『パゴダの王子』を振付けたときに彼と一緒に仕事をしたよね。バーミンガムロイヤルバレエのプロダクションと比較して、日本側はどうだった?」

厚地「とても興味深かったよ。バーミンガムで最初のゲネプロを見たとき、全く違うバレエのように思えた。日本では、2か月の期間をかけて『パゴダの王子』のリハーサルを行い、とてもよくリハーサルできたし、良く統制されていた。バーミンガムではそこまでのリハーサル時間をかけられなかったけど、ここのダンサーはデヴィッドの振付をよく知っている。みんな、彼の動きのスタイルを正確にわかっているし、それぞれの役がどのように踊るべきかも知っている。

それに、ここではダンサーたちは自分たちの個性を持った発揮していて、このバレエをもっと面白いものにしていたよ。日本でこの作品を踊った時よりも僕は楽しんでいる」

イアン「クリスマスには、君は初めてのくるみ割り人形の王子を踊ったよね。今度デビューを飾る『パゴダの王子』のサラマンダーの王子を踊るのと何が違う?」

厚地「2つの役はとても違っている。『くるみ割り人形』は特に2幕では、典型的な王子の衣装を着る。白いタイツにチュニック、それを着るとこの役だというのを実感できる。『パゴダの王子』では、衣装はパジャマのようなダボッとしたズボンで、長いポニーテールをつけているから、王族であるように見せるのがもっと大変なんだ。このキャラクターになりきるのが難しい。サラマンダーの姿をしているときには、できる限り動物のように見えるようにしなければならない。すごく疲れるけど、サラマンダー役を踊るのは凄く楽しい。動きをできるだけ面白く見せるように一生懸命やっているよ」

イアン 「デヴィッドの『パゴダの王子』のプロダクションは、日本の大きな影響があるよね。自分のキャラクターを発達させるために、個人的な記憶を助けにしたりした?」

厚地 「皇帝、つまり自分が演じる王子の父親の前では、ぼくはとても礼儀正しく、身体言語や身振りなどの癖を静かに行おうとしている。皇帝に対しては、できる限りの敬意を見せるようにね。今現在でも、日本では目上の人に対してはそのようにふるまわなければならないから。そして作品の舞台となっている時代では、もっと厳しかっただろうし」

イアン 「君はとても職業倫理がしっかりしているし、スタジオで仕事をしているときにはいつもとても集中している。でも、リハーサルが終われば、一番に冗談を言ったり、ほかの男性ダンサーたちとからかい合ったりしているよね。日本でもこんなに楽しい人だったの?」

厚地 「実際には違うよ。日本で働くというのはだいぶ違っている。自分自身をどう見せるかについて、とても気を使わなければならないんだ。新国立劇場に入った初めての月に、リハーサルでゲストダンサーが素晴らしいヴァリエーションを見せてくれた時に、歓声をあげたら怒られてしまった。ゲストは喜んでくれたけど、スタッフに注意されたよ。仕事場所では、人々は自分たちをある程度抑えなければならないことになっているので、僕はそれに気を付けなければならなかった。とても気を使ったよ。文化の違いが大きく影響しているんだよね。

でも、日本で踊ったことはとても良い経験だった。日本では背が高かったから、バーミンガムに残っていたら踊ることができなかったかもしれない役をたくさん踊ることができたよ。バーミンガムロイヤルでは、もっと背の高い男性ダンサーがたくさんいるから、役を得る競争はもっと激しい。でも日本で難しい役を踊ってきたことでたくさんの経験を得ることができたし、そしてここに戻ってきてからもいいチャンスを得られていることを幸運に思う。サラマンダーの王子を初めて演じることを含めてね。日本に戻ったのがちょうどいい時期だったし、バーミンガムロイヤルにもちょうど良い時に戻ることができたよ。戻ってきて、とてもうれしい」

(なお、最初にこの記事がアップされた時にはもう少し細かいことが書かれていたのですが、その後一部削除されたようです)

2014/02/26

ABT、2015年にラトマンスキー振付で「眠れる森の美女」の新制作

今日は、ABTの「オールスター・ガラ」を観に行きました。メンバーの世代交代があったとはいえ、やはり輝けるスターの多いバレエ団だなと感じました。そして、中でもラトマンスキー振付のショスタコーヴィチ ピアノ・コンチェルトは大変面白い作品でした。ロシア表現主義を思わせる舞台デザイン、赤とシルバーを効果的に使った衣装。ラトマンスキーの振付は非常に音楽性豊かで、ショスタコーヴィッチのユニークな音楽を見事に舞踊化し、ジリアン・マーフィ、コリー・スターンズらの見事な技術も見せつつ群舞のフォーメーションも斬新で面白くて、とても素晴らしかったです。もう一度明日別キャストで観るのも楽しみです。また、演奏の方も素晴らしかったので、ショスタコーヴィッチの音楽が好きな音楽ファンも楽しめたことでしょう。

ABT常任振付家として、来日公演でも踊られた「くるみ割り人形」をはじめ、大成功を収めているラトマンスキー。彼が、2015年に「眠れる森の美女」を新たに振付けることが発表されました。


WORLD PREMIERE OF ALL-NEW PRODUCTION OF THE SLEEPING BEAUTY CHOREOGRAPHED BY ALEXEI RATMANSKY
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=468

現行のABTの「眠れる森の美女」は、2007年6月に初演されたマッケンジー版なのですが、批評家には大変受けが悪くて、有名なデザイナーを起用した衣装デザインも酷評されてきました。まだ7年しか経っていないプロダクションを新しいものに取り換えるのは、英断だと思います。某国立バレエ団も見習ってほしい姿勢ですね。

初演は、 2015年3月3日に、カリフォルニア州コスタ・メサのSegerstrom Center for the Artsで行われる予定です。衣装デザインは、1921年にレオン・バクストがバレエ・リュスのためにデザインしたものを元に、トニー賞を受賞したリチャード・ハドソンがデザインするそうです。リチャード・ハドソンは、ラトマンスキー版「くるみ割り人形」の衣装デザインも手掛けています。

ABTのパトロンであるDavid H. Koch氏による $250万ドルの寄付と、それに彼が集め、マッチングした一般の寄付で制作費は賄われるそうです。

ラトマンスキーがABTのために振付けた作品は、これで11作品目となるそうです。


私が書いた「くるみ割り人形」の英文レビューが掲載されました。瀬戸秀美さんによる美しい写真も使用されていますので、よろしければお読みください。

http://bachtrack.com/review-feb-2014-american-ballet-theatre-nutcracker-japan

2014/02/24

ソチオリンピック閉会式の出演者

ソチオリンピックも終わってしまいましたね。連日深夜のテレビ観戦で生活パターンがすっかり狂ってしまいましたが、熱戦の数々には感動しました。やはり浅田真央選手のフリーの演技が素晴らしくて思わずテレビの前で涙してしまったり。

さて、閉会式では、ロシアの様々な文化芸術に対するオマージュが捧げられました。ラフマニノフ、ハチャトゥリアン、リムスキー=コルサコフ、プロコフィエフなどの音楽、マレーヴィチ、カンディンスキー、シャガールの美術、そして文学など。ロシア文化の豊かさを実感した次第です。マツーエフの演奏するラフマニノフ2番、そしてハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」を聴いて、ここでもまた真央さんの演技を思い出していました。

もちろん、ロシアバレエも。というわけで、バレエ・リュスにオマージュを捧げた素晴らしいシーンもありました。(音楽は「シェヘラザード」)

開会式と違って、テレビではどのダンサーがどの役を踊ったのかテレビではアナウンスがされませんでした。リア・ノヴォスチの記事と、あちこち話題になっていたところを総合して、まとめてみます。(一部の国では、ダンサーの名前の紹介もテレビで会ったようです)
腰に赤いリボンを巻いていたのがボリショイ、青いリボンを巻いていたのがマリインスキーのダンサーだったそうです。

http://ria.ru/sochi2014_news/20140223/996576284.html

『パブロワとチェケッティ』
セルゲイ・ディアギレフ ユーリ・スメカロフ (マリインスキー・バレエ)
アンナ・パブロワ クセニャ・ジガンシナ(ワガノワ・バレエ学校の生徒)
チェケッティ マクシム・ジュージン (マリインスキー・バレエ)

『シェヘラザード』 
ゾベイダ アリサ・ソドレワ (マリインスキー・バレエ)
黄金の奴隷 デニス・ロドキン (ボリショイ・バレエ)

『薔薇の精』 アントン・コルサコフ (マリインスキー・バレエ)

『瀕死の白鳥』 マリーヤ・セメニャチェンコ (ボリショイ・バレエ)

『火の鳥』 アナスタシア・コレゴワ (マリインスキー・バレエ)

恥ずかしながら、テレビの画面で観て、すぐにこの人だ!とわかったのは火の鳥のコレゴワだけでした。インタビューでゲルギエフがロパートキナが出演すると言っていたのですが、残念ながら彼女は出演せず。ほかに出演すると言われていたバシュメット、マツーエフは出ていたので残念です。ザハロワ、コルスンツェフ、ヴィシニョーワ、ウラジーミル・ワシーリエフ、イワン・ワシーリエフなどが出演していた開会式と比較すると、スターは出ていなかったのですね。

写真はこちらなどで見られます。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/23/sochi-olympic-closing-ceremony_n_4842964.html

http://www.theguardian.com/sport/gallery/2014/feb/23/sochi-winter-olympic-games-closing-ceremony-in-pictures

2月8日には、ソチでバレエガラが行われ、こちらにはロパートキナは出演しました。ほかにも、マシュー・ゴールディング、マトヴィエンコ、コレゴワ、コルスンツェフらが出演しています。
http://www.flickr.com/photos/britishcouncilrus/sets/72157640775387733/with/12473973525/

<追記>
閉会式の映像、Gorin.jp公式サイトで見ることができます。「バレエの世界」のところをクリックすれば、バレエシーンを選ぶことができます。
http://www.gorin.jp/highlight/20140223.html

イヴァン・ナジーが逝去

20世紀のバレエ界で、ナタリア・マカロワのパートナーとして活躍したスター、イヴァン・ナジーが亡くなりました。70歳でした。

スペイン語の記事
http://www.diariodemallorca.es/opinion/2014/02/23/ivan-nagy/913185.html

ハンガリー語
http://mno.hu/grund/elhunyt-nagy-ivan-balettmuvesz-1212478

英語
http://www.gramilano.com/2014/02/dancer-ivan-nagy-dies-70/

1943年にハンガリーで生まれたナジーは、65年にヴァルナ国際コンクールで金賞を受賞。フレデリック・フランクリンにアメリカに招かれた彼は、NYCBで、ついで68年よりABTでプリンシパルとして踊りました。マーゴ・フォンテーン、カルラ・フラッチらトップスターのパートナーとして知られていますが、もっともよく一緒に踊ったのはシンシア・グレゴリー、ゲルシー・カークランドそしてナタリア・マカロワでした。クリーンなテクニックとパートナーリング技術で知られていました。

また、第一回世界バレエフェスティバル(1976年)では、マーゴ・フォンテーンと「ロミオとジュリエット」を踊っています。

バレエ写真を多く撮影しているマックス・ウォルドマンが彼の美しいポートレートを撮影しています。
「ラ・バヤデール」ソロル
http://www.maxwaldman.com/pages/nagypor.html
ゲルシー・カークランドと踊った「ロミオとジュリエット」
http://www.maxwaldman.com/pages/romeo.html

ここにも、有名な「白鳥の湖」の写真などいくつか
http://www.flickriver.com/photos/42399206@N03/sets/72157623670159165/

シンシア・グレゴリーと踊っている映像
http://youtu.be/ry5m91KUVyo

イヴァン・ナジーは35歳でダンサーを引退し、引退公演はABTで盛大に行われました。そののち、彼はチリのサンティアゴ・バレエ、シンシナティ・バレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエの芸術監督を務め、2000年よりマヨルカ島に居を定めながら、世界中で振付指導を行ったり、コンクールの審査員を務めるなどして活躍。現在はハンガリー国立バレエでアドバイザーとして教えていたとのことです。ハンガリーに滞在してカンパニーを指導しているときに急に体調を崩し亡くなられたそうです。

ナタリア・マカロワとの「白鳥の湖」(以前VHSで映像が発売されていました)
http://youtu.be/H-8aDgDOuBs


ニューヨークタイムズの訃報記事
http://www.nytimes.com/2014/02/26/arts/dance/ivan-nagy-star-of-american-ballet-theater-is-dead-at-70.html

2014/02/22

第25回バレエの祭典 特別鑑賞会

第25回バレエの祭典の案内が来ていました。

<追記>公式サイトにも発表が出ていましたので、リンクを張っておきますね。日程も発表しているものは追加しました。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat16/25.html#001883

このシリーズの公式サイトもできています。
http://www.nbs.or.jp/saiten2014/index.html

アリーナ・コジョカルドリームプロジェクト(2014年7月)
 2014年7月20日(日)~27日(日) ゆうぽうとホール

すでに案内が出ている通りの、アリーナ・コジョカルを座長に迎えた、ちょっと素敵なガラ公演です。


東京バレエ団創立50周年記念祝祭ガラ(2014年8月)
 2014年8月30日(土)~31日(日) NHKホール

日本と縁の深い3大アーティスト、ウラジーミル・マラーホフが「ペトルーシュカ」、シルヴィ・ギエムが「ボレロ」、そしてマニュエル・ルグリが「オネーギン」を踊るという豪華版です。またマカロワ版「ラ・バヤデール」の影の王国と、ノイマイヤーの「スプリング・アンド・フォール」も上演するそうです。


ベジャールのベートーヴェン第九交響曲(2014年11月)
 2014年11月8日(土)~9日(日) NHKホール

東京バレエ団とベジャールバレエ団共同制作、ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団演奏という豪華版。200名ものアーティストによるコラボレーション。15年ぶりの復活とのこと。


モンテカルロ・バレエ「白鳥の湖」(LAC)、(2015年2~3月)

ジャン・クリストフ・マイヨーの「LAC~白鳥の湖」は、先日テレビでも放映された話題の作品。3月にはニューヨーク公演でも上演されます。ベルニス・コピエテルスの美しくも怖ろしい夜の女王が観られることでしょう。


バーミンガムロイヤル・バレエ「白鳥の湖」と「シンデレラ」(2015年4~5月)

4年ぶりの来日。「白鳥の湖」はピーター・ライト版、そして「シンデレラ」はビントレー振付作品です。佐久間奈緒さんとツァオ・チーの素晴らしいパートナーシップ、新国立劇場バレエ団からバーミンガムに戻ってから主役も演じている厚地康雄さん、そしてもう一人の日本人プリンシパル平田桃子さんの活躍が期待されます。


世界バレエフェスティバル(2015年7~8月)

Aプロ、Bプロ(全幕プロは今のところ発表なし)。バレエ界最大のイベント、今度は誰が出演するんでしょうか?


シュツットガルト・バレエ 「オネーギン」、「ロミオとジュリエット)(2015年11月)

今回はクランコの名作2作品を従えての来日。やはりシュツットガルト・バレエといったら、この2作品に尽きます。韓国国立バレエ団の芸術監督に就任したスージン・カンのおそらく最後の日本での舞台(同時期に行われる韓国公演で、最後のタチヤーナを踊るそうです)。マリア・アイシュヴァルト、フィリップ・バランキエヴィッチが退団してしまいますが、若くて魅力的なダンサーがたくさん観られそうです。もちろん、世界最高のオネーギンであるエヴァン・マッキーに期待。


東京バレエ団50周年記念シリーズ3公演
「ドン・キホーテ」(2014年9月)

 2014年9月19 日(金)~21日(日) ゆうぽうとホール
「くるみ割り人形」(2014年12月)
 2014年12月19日(金)~21日(日) 東京文化会館
「ジゼル」(2015年3月)
 2015年3月13日(金)~15日(日) ゆうぽうとホール
から一つ

豪華ゲストを迎えての上演となる予定です。今年8月から、ウラジーミル・マラーホフをアーティスティックアドバイザーに迎えた東京バレエ団は、パワーアップしていることでしょう。


今回は25万円の寄付が含まれた「ロイヤルシート会員」ができました。チケットは最優先で確保してくれるとのことで、世界バレエフェスティバルのガラ公演のチケットも購入する権利が付いてくるほか、いろいろ豪華特典があるそうです。


******
世界バレエフェスティバルあり、大イベントである50周年記念ガラとベートーヴェン第九あり、そしてモンテカルロのLAC、バーミンガムロイヤル、シュツットガルト・バレエと大変魅力的なラインアップです。イングリッシュ・ナショナル・バレエとか呼んでくれたらもっと嬉しかった気もしますね。ハンブルグ・バレエはしばらく来日していませんが、それはまた民音さんが呼んでくれるのかしら?とりあえずお金を貯めなくてはなりません!

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「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」<公演記念特別イベント>マックレー、モレラ、セルヴェラのトークショー開催

今年8月に開催される「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」。

ロイヤル・バレエ他英国のトップダンサーを迎えて、このガラでしか観られない英国的な演目を取り揃えての贅沢なガラ公演です。

http://www.royalelegancenight.com/

この公演に出演するダンサー3人を迎えてのトークイベントが、3月5日(水)18:00~19:00チャコット新宿店で開催されます。どなたでも無料でご参加いただけます。

「英国ロイヤル・バレエ団 人気トップダンサー に聞く」
http://www.chacott-jp.com/j/topics/detail1554

ゲスト3人がとても豪華です。ロイヤル・バレエのプリンシパル、ラウラ・モレーラ、スティーヴン・マックレー、そしてファーストソリストのリカルド・セルヴェラです。3人ともとても性格が明るくおしゃべり好き、ワークショップの講師としても活躍していてフレンドリー。スティーヴン・マックレーといえば、「Dancin'」に連載されているコミック「バレエ・ヒーロー・ファンタジー」の登場人物としてもおなじみ、今ではすっかりスーパースターですね。

日本ではめったに上演されない演目が含まれる公演の見どころや、演劇性、音楽性に代表される英国バレエの特徴について語っていただきます。公演、そしてバレエを10倍楽しむヒントが満載です。

また、ダンサーと記念撮影ができるプレゼント抽選会も同時開催されます。


「ロイヤル・エレガンスの夕べ2014」

本公演
2014年8月8日(金) 19:00開演
8月9日(土) 13:30開演
8月10日(日) 13:30開演
日本青年館ホール (神宮外苑)

リハーサル見学会 2014年8月8日(金)  14:00~
ファンミーティング 2014年8月10日(日)  17:00~


<出演者>

ラウラ・モレーラ
英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

サラ・ラム
英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

崔 由姫
英国ロイヤル・バレエ団 ファースト・ソリスト

佐久間 奈緒
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

ネマイア・キッシュ
英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

スティーヴン・マックレー
英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

リカルド・セルヴェラ
英国ロイヤル・バレエ団 ファースト・ソリスト

平野 亮一
英国ロイヤル・バレエ団 ファースト・ソリスト

ツァオ・チー
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

2014/02/21

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」9月に公演、マルセロ・ゴメス主演

今日、ABTの「くるみ割り人形」の初日に行ってきました。ラトマンスキー版の「くるみ割り人形」、最高に楽しくて、子役の子供たちから主演のパフォーマンスまで素晴らしく、そして舞台装置や衣装まで凝っていて素敵なプロダクションでした。まだ東京で3公演ありますので、チケットを買っていない方はぜひ!近年まれに見るほどよくできた「くるみ割り人形」です。

ドレスリハーサルのレポートも載っていますが、実際の舞台はさらにずっと素敵です。
http://www.www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=842
また後ほど、感想もアップしますね。

さて、この会場で配られていたチラシ。

2014年9月、東急シアターオーブにて、「マシュー・ボーンの白鳥の湖」が上演されます。

しかも、主演のザ・スワン/ザ・ストレンジャーに、今日の「くるみ割り人形」にも主演して素晴らしかったABTのマルセロ・ゴメスが出演するそうです。

まだ詳細は発表されていませんが、
http://l-tike.com/play/leaflet/swanlake/
に登録すると、チケット詳細や先行発売情報 etc、最新情報をメールで届けてくれるそうです。

お問い合わせ キョードー東京 0570-550-799 (平日 11:00~18:00、土日祝10:00~18:00)
ローソンチケット 0570-000-407 (10:00~20:00)

主催/キョード―クラシックス ローソンHMVエンタテインメント ほか

2014/02/20

7月 アリーナ・コジョカル〈ドリーム・プロジェクト2014〉公演

7月に開催される、アリーナ・コジョカル 〈ドリーム・プロジェクト2014〉の概要が発表されました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/renew/20140220.html#001879

◆公演日程
2014年
Aプロ
7月20日(日)  3:00p.m.
7月21日(月・祝) 3:00p.m.
7月22日(火)  6:30p.m.

Bプロ
7月25日(金)  6:30p.m.
7月26日(土)  3:00p.m.
7月27日(日)  3:00p.m.

◆会場
ゆうぽうとホール(五反田)

◆予定される出演者

アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru 
(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

ローレン・カスバートソン Lauren Cuthbertson
(英国ロイヤル・バレエ団)
ヨハン・コボー Johan Kobborg
(ルーマニア国立バレエ芸術監督)
スティーヴン・マックレー Steven McRae
(英国ロイヤル・バレエ団)
ワディム・ムンタギロフ Vadim Muntagirov
(英国ロイヤル・バレエ団)
カースティン・ユング Carsten Jung
(ハンブルク・バレエ)
オシール・グネーオ Osiel Gouneo
(ノルウェイ・バレエ団)

東京バレエ団

◆演目
Aプロ/Bプロ
※アリーナ・コジョカルは以下の演目を踊る予定です。
ジョン・ノイマイヤー振付「リリオム」の一場面(共演:カースティン・ユング)ほか、もう1演目のノイマイヤー作品。
レフ・イワーノフ振付「白鳥の湖」第2幕(共演:東京バレエ団)
「海賊」ディヴェルティスマン

※音楽はすべて特別録音による音源を使用します。

◆入場料(税込み) 
S=¥16,000 A=¥14,000 B=¥12,000 C=¥9,000 D=¥7,000 

◆前売り開始日
4月19日(土) 10:00a.m.より一斉発売開始

◆NBSWEBチケット先行抽選予約(S、A): 4月1日(火)10:00〜4月8日(火)18:00

※本公演(Aプロ・Bプロ)は第25回〈バレエの祭典〉特別鑑賞会のシリーズに入っております。


…ということで、そろそろ次の「バレエの祭典」のラインアップも発表されそうですね。

このガラでは、ハンブルグ・バレエのカーステン・ユングが参加して、コジョカルと「リリオム」の一部を踊ってくれるのが楽しみです。


ところで、ハンブルグ・バレエは、現在アメリカツアー中で、ロサンゼルスではコジョカルを迎えて「リリオム」を上演する予定ですが、その前のシカゴ公演は災難続きでした。船便で送った「マーラー交響曲3番」の衣装が届かず、パリ・オペラ座から急きょ借りたものの、会場であるハリス・スアターが電気系統の火事で、2公演とも中止となってしまいました。残りのツアーはうまくいきますように。
http://www.hamburgballett.de/e/index.htm

http://www.harristheaterchicago.org/events/2013-2014-season/hamburg-ballet

7/14 東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ 第二回「グラン・ガラ・コンサート~私たちはひとつ!!~」

昨年の3月に開催されて好評だった「東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ  グラン・ガラ・コンサート~私たちはひとつ!!~」が今年も開催されることになりました。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/20140714.html

2014/7/14(月)19:00開演
会場 Bunkamura オーチャードホール

出演予定ダンサー:
田北 志のぶ(キエフ・バレエ リーディングソリスト/ウクライナ功労芸術家)、
マリア・アラシュ(ボリショイ劇場 プリンシパル・ダンサー)、
アレクサンドル・ヴォロチコフ(ボリショイ劇場 プリンシパル・ダンサー)、
イーゴリ・コルプ(マリインスキー劇場 プリンシパル・ダンサー)、
エレーナ・エフセエワ(マリインスキー劇場 セカンドソリスト)、
アレクサンドル・ザイツェフ(シュツットガルト・バレエ プリンシパル・ダンサー)、
エカテリーナ・マルコフスカヤ(フリーダンサー)、
ブルックリン・マック(ワシントン・バレエ プリンシパル・ダンサー)、
オレーサ・シャイターノワ(キエフ・バレエ ソリスト)、
ニキータ・スハルコフ(キエフ・バレエ ソリスト)

演目:「白鳥の湖」3幕より黒鳥のパ・ド・ドゥ、「ダイアナとアクティオン」よりグランパドドゥ、「シェヘラザード」よりゾベイダと金の奴隷のアダージョ、「赤と黒」よりパ・ド・ドゥ 他

※音楽は特別録音による音源を使用いたします。 

料金
S・¥11,000 A・¥9,000 B・¥7,000(税込)

一般発売
2014/03/02(日)

発起人の田北志のぶさんをはじめ、ボリショイのアラシュ、ヴォロチコフ、マリインスキーのコルプとエフセーエワ、元シュツットガルト・バレエのザイツェフ、ヴァルナ国際コンクールで金賞を受賞したブルックリン・マックなどトップダンサーの共演が楽しみです。前回の公演は、とても温かい雰囲気に包まれて楽しかったです。今年も期待できますね。

今年も仙台での公演もあるのでしょうか?

追記:演目がTBSのサイトに出ていました。そして仙台公演もありました。
http://227.tbs.co.jp:8000/event/grand_gara2014/

<仙台公演>
【7月9日(水)】
●開演18:30(開場17:45)
●東京エレクトロンホール宮城
●S席9,000円、A席7,000円
●予約・お問合せ:河北チケットセンター 022-211-1189(平日10:00~17:00)

【第1部】
「パリの炎」よりパ・ド・ドゥ
(シャイタ-ノワ&ブルックリン)

「Como Neve al Sore」(振付ローランドアレシオ)
(マルコフスカヤ&ザイ ツェフ)

「白鳥の湖」第三幕より黒鳥のパ・ド・ドゥ
(エフセエワ&コルプ)

「La rose malade(薔薇の死)」アダージョ
(田北&スハルコフ)

「ラ・バヤデール」第三幕よりパ・ド・ドゥ
(アラシュ&ヴォロチコフ)

【第2部】
「エスメラルダ」よりダイアナとアクティオンのパ・ド・ドゥ
(エフセエワ&ブルックリン)

「As above, So below」ソロ
(ブルックリン)

「赤と黒」よりパドドゥ
(マルコフスカヤ&ザイツェフ)

「黄金時代」よりパ・ド・ドゥ(タンゴ)
(アラシュ&ヴォロチコフ)

「シェヘラザード」よりパ・ド・ドゥ
(田北&コルプ)

「ダイアナとアクティオン」よりパ・ド・ドゥ
(エフセエワ&マック)

フィナーレ 「花は咲く」
(全員)
主催
東京エレクトロン、TBS
後援
文化庁 / 外務省 / 在日ウクライナ大使館 / 在日ロシア連邦大使館 / ロシア連邦交流庁

田北さんとコールプの「シェヘラザード」!これは見逃せませんね。

2014/02/19

2/4、8 パリ・オペラ座バレエ「オネーギン」 Paris Opera Ballet "Onegin"

1/30に、「今パリ行きの電車に乗って、パリ・オペラ座でのリハーサルに向かっている」という連絡を受けました。2月4日と8日の「オネーギン」を、指をねん挫したエルヴェ・モローが降板して代役としてエヴァン・マッキーが出演するということでした。その時点でチケットがすべてソールドアウトだったけど、意を決してパリに向かい、無事に2公演観ることができました。(なお、エルヴェ・モローは無事怪我が回復して、今は「オネーギン」の舞台に立っています)

http://www.operadeparis.fr/saison-2013-2014/ballet/oneguine-john-cranko

Ballet De L'Opera
Oneguine
John Cranko

Orchestre de l'Opera National de Paris
James Tuggle Direction musicale

Evan McKie  Eugene Oneguine
Isabelle Ciaravola Tatiana
Mathias Heymann Lenski, ami d'Oneguine
Charline Giezendanner Olga, soeur de Tatiana

Christine Peltzer Madame Larina
Ghyslaine Reichert La Nourrice
Karl Paquette Le Prince Gremine

イザベル・シアラヴォラがエトワールに任命されたのが、このタチヤーナ役で2009年4月のこと。5月に彼女がエルヴェ・モローと踊ったのを観て、その時の彼女も素晴らしかったけど、大人っぽい容姿から1幕では年若く内気な少女には見えなかったという記憶がある。ところが、今回の彼女は違っていた。大人しく夢見がちな女の子だけど、オネーギンの登場で瞳をキラキラさせ、恥ずかしそうに微笑む。鏡のシーンでは、まるで向日葵のように笑顔を全開にさせて、幸福感を全身で表現していた。演技力に提供のあるイザベルならではのタチヤーナは、10代の少女が恋を知った様子をすごくリアルに表現していて、実に可愛らしく、観ているほうも思わずウルウルと涙ぐんでしまうほどだった。本番までに2回しか通しリハーサルをする時間がなかったと聞いていたが、パートナーシップも完璧。オペラ座一の美脚を誇る長細い肢体のイザベルと、長身で手脚の長いエヴァンは、ビジュアル的にもとても合っていて、華奢で軽やかなイザベルの体は空を舞うようにリフトされて、魔法のように彼の手によって操られていた。

恋する少女だったタチヤーナが、2幕でひどく傷つけられメソメソ泣いていたのもつかの間、レンスキーの非業の死によって一気に大人への階段を上ることとなり、再びオネーギンに再会した時の3幕での彼女のあでやかさ。幸せな生活を送っていたにもかかわらず、イザベルのタチヤーナは激しく揺れ動いていた。彼女は最後の最後まで、オネーギンとの人生を送ることまで考えていたように思えた。後ろからにじり寄ってくる彼の求愛に、思わず茫然自失となり放心したように倒れこむ様子には、感情の波に翻弄されているのが胸に痛いほど伝わってきた。そして彼を自分の人生から永遠に立ち去るように命じた後の、我を失い、ひどく混乱してよろよろと舞台を彷徨う姿には、作り物ではない、本物の想いが感じられたのである。イザベルとエヴァンは、舞台の上でいくつも会話を交わし、様々な感情をつぶさにぶつけ合っていた。グレタ・ガルボのような古典的な美貌のイザベルとエヴァンの手紙のシーンは、古いハリウッド映画から抜け出た美男美女の物語のようでもあり、それでいて、ここで繰り広げられるドラマは絵空事ではない。とても繊細で、感情豊かで、本当に存在していて血を流して呼吸をしている人々を描いていた。3幕のパ・ド・ドゥでは、ドレスの裾から覗くイザベルの、絶妙なカーヴを描く足首の美に魅せられるとともに、そのちらりと覗く華奢な足首のラインこそが彼女の強い想いを表現する最大の武器の一つとなっていたのを感じた。

2010年1月のオネーギン役デビューから4年。現代最高のオネーギン役の称号をついに手にしたエヴァンだが、彼は毎回少しずつ演じ方を変えている。1年半前に観たときには、剃刀のように尖っていてほかの人を寄せ付けないような、それでいてとても悲しげなオネーギンだった。今回の彼は、もっとリラックスしていて、1幕ではタチヤーナに対しても丁寧に感じよく接していながらも、でも本質的には彼女には関心がないのだった。3幕では、過去の恋人たちの幻影に苦しめられ、レンスキーを殺したことやタチヤーナを傷つけたことを悔やみ、それでも最後の希望として彼女への想いを遂げようとする姿を鮮やかに演じていた。特筆すべきは、手の表現の豊かさと、隅々まで行き届いた美意識あふれるしぐさの美しさ、そしてパートナーによって臨機応変に演技を変えていく柔軟性だろう。イザベルという成熟した大人のあでやかさを引き立てる、クラシックな演技をこの日は見せていた。オーレリー・デュポンと彼が演じた「オネーギン」はパリではすでに伝説となっている。その伝説を超えるのは難しい。オーレリーとイザベルでは、タイプがまるで違う、オーレリーのタチヤーナは大地に根差した強さを持つ女性で、ロシア女性らしさは彼女のほうが持っていたと感じられるし、イザベルのような繊細さがない分、我を失いタチヤーナとしての感情に溺れる姿は強烈なインパクトがあった。今回のイザベルとの「オネーギン」は、よりドラマとして整っていて、クラシックなメロドラマとしての美しさがあったように感じられた。

2009年にイザベルがエトワールにノミネされた時に、同時にレンスキー役でエトワールとなったマチアス・エイマン。純朴で好感度が高い、理想主義的な青年をこの日も好演し、その彼がオネーギンに侮辱して傷つく姿を見るのはとても痛ましかった。月光の下のソロはあくまでも悲劇的で自己憐憫性やナルシズムは低く、ひたむきなだけに悲しく思えた。オルガを演じたのはシャルリーヌ・ジザンダネ。軽薄でうわついたオルガの可愛らしさをよく演じていて、踊りのテクニックもとても達者だったけど、もっとレンスキーとの気持ちの交わり合いが伝わってきたらもっと良かっただろう。今回、まだ2回目の登場だったので、3月頭に「オネーギン」が幕が下りるころにはきっと、愛らしいカップルのじゃれあいがもっと感じられるようになっているはず。

コール・ドについては、女性はエロイーズ・ブルドン、ローラ・エケ、パク・セウンなどのスジェが多く投入され、男性ではアクセル・イボが身体能力の高さで目立っていたほか、ヤニック・ビッテンクール、フロリモン・ロリュー、マルク・モロー、ファビヨン・レヴィヨン(モロー、レヴィヨンは別の日にレンスキー役で出演予定)、ダニエル・ストークスなど、日本でもよく知られているダンサーたちで固めてあったが、2日目は、ディアゴナルでグランジュッテで駆け抜けて行くシーンはまだ十分そろっていなくて、やや迫力に欠けるところがあった。

グレーミンを演じたのはカール・パケット。彼がタチヤーナに寄せる、包む込むような穏やかな愛情が感じられ、威厳もあって素晴らしい演技だった。前日の初日にはオネーギン役を演じた彼が、翌日にはグレーミンというのもなかなか大変だったのではないかと思われるが、グレーミンとして舞台に立っている間も、エヴァンが演じるオネーギンをよく観察しているのがわかった。

イザベル・シアラヴォラは、2月28日に「オネーギン」のタチヤーナ役で、オペラ座に別れを告げる。(3月には「椿姫」でオペラ座の来日公演には参加する)繊細でドラマティックな演技者として、これ以上彼女のアデューに適した役はないだろう。長年共演を重ねてきたエルヴェ・モローがその時のパートナーとなり、そしてもう一人の長年の共演者、カール・パケットがグレーミン役で彼女をサポートする、それはきっと心ふるえるような感動的な一日になることだろう。これを観に行くことができないのがとても残念。

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ミュンヘン・バレエ次期芸術監督に、イーゴリ・ゼレンスキーが就任決定

2016/17シーズンより、ミュンヘン・バレエ(バイエルン州立劇場バレエ)次期芸術監督に、イーゴリ・ゼレンスキーが就任することが発表されました。

ww.km.bayern.de/pressemitteilung/8790/nr-053-vom-18-02-2014.html
(バイエルン州のオフィシャルサイト)

バレエ団のオフィシャルサイト
http://www.bayerische.staatsoper.de/861-ZG9tPWRvbTImbXNnX2lkPTE2NzMz-~Staatsoper~bso_aktuell~aktuelles_detail.html

ミュンヘン・バレエは、1998年よりイヴァン・リスカが芸術監督として率いてきました。かなり長期にわたって芸術監督を務めていましたが、2016年には65歳とドイツでは引退の年齢に達したことも一つの理由のようです。

ゼレンスキーの他に、もう一人、Richard Siegalというアメリカ人でフォーサイスの下で働いていた振付家が有力候補とされていましたが、Richard Siegalが芸術監督となった場合には、レパートリーは完全に現代作品のみとなってしまうだろうということで、格式ある州立劇場はゼレンスキーを選んだようです。

言うまでもなく、ゼレンスキーは88年にマリインスキー・バレエに入団し、プリンシパルとして長年活躍してきたほか、ロイヤル・バレエとNYCBにも在籍してきた経験があるスターです。また、1999年から2004年の間はミュンヘン・バレエにもゲスト出演をしていました。2006年からはノヴォシビルスク・バレエの芸術監督、さらに2011年からはモスクワ音楽劇場バレエの芸術監督も務めています。果たして、彼がミュンヘンに着任した場合には、これら二つのバレエ団での芸術監督業はどうなるのか、それはまだ不明です。

ゼレンスキーは、2016年9月1日にミュンヘン・バレエの芸術監督に就任するとのことです。

関連記事
http://www.tanznetz.de/blog/26243/etwas-glamour-am-staatsballett

http://www.sueddeutsche.de/95K38W/1841948/Russengold.html

追記:ロシア語ではもう少し詳しい記事が載っています。

http://www.kommersant.ru/doc/2412802

これによれば、ゼレンスキーのモスクワ音楽劇場での芸術監督の契約は2014年夏までで、2016年9月までの次の任期を更新するかどうかはまだ不明だけどもうすぐ判明する、そしてミュンヘン・バレエの契約は5年間であることが明らかになっています。また、イヴァン・リスカは、2016年9月からはミュンヘン・バレエ学校の校長に就任するそうです。

2014/02/17

ロイヤル・バレエ、ギャリー・エイヴィスにバレエを学ぶワークショップ

ロイヤル・バレエでは、主役を踊るプリンシパルダンサー以上の存在感があるのがこの人、ギャリー・エイヴィスです。「くるみ割り人形」のドロッセルマイヤーや「白鳥の湖」のロットバルトとしてお馴染みですが、その他、「ジゼル」のヒラリオン、「ロミオとジュリエット」のティボルト、「マノン」のムッシュGMなど、非常に演劇性の高い難役に生命を吹き込み、生き生きと物語を伝えます。これらの役では彼以上の役者はいないし、思わず場をさらってしまう魅力があります。

また、ギャリー・エイヴィスは、プリンシパル・キャラクター・ダンサーとしての活躍の他に、ロイヤル・バレエのバレエ・マスターとして、ダンサーたちを指導する立場にもあります。

そのギャリー・エイヴィスから直々にバレエを、日本に居ながらにして学ぶことができるワークショップが東京で開催されます。

http://www.dtpjapan.com/2014gary

今回の講習会では、役作りの秘密から、舞台での自然な立ち居振る舞いや会話が聞こえてくるようなマイムなど、他では決して習えない、ユニークな内容でお届けします。今回のレッスンには通常のバレエクラスも含まれます。また、
バレエには欠かせないパ・ド・ドゥやソロのプライベートレッスンも開催します。ロイヤル・バレエ団のダンサー達の受けるコーチングで、コンクールや舞台でひときわ輝くポイントを習得してください!

日時:2014年3月8日〜9日

【学生クラス(11才〜18才)】
【日程】 2014年3月8日(土)~9日(日)
【場所】 新宿村スタジオ
【対象】 11才から13才(レベル1)/ 14才から18才(レベル2)
【定員】 20名
【内容】 バレエクラスレッスン、キャラクター/マイム/演技等(英国ロイヤル・バレエレパートリー)

【時間】
3月8日(土) 14:00 〜 16:30 (レベル1) / 17:00 〜 19:30 (レベル2)
3月9日(日) 10:00 〜 12:30 (レベル1) / 13:00 〜 15:30 (レベル2)

【プライベートレッスン】
【日程】 2014年3月8日(土)~9日(日)
【場所】 新宿村スタジオ
【対象】 11才以上
【定員】 8日:6組 / 9日:8組
*プロ、セミプロの方のレッスンも承ります。ご希望の方は直接メールにてご連絡ください。dtpspring2014@gmail.com

〈〆切〉各クラス定員になり次第、随時受け付けを終了させていただきます。どうぞお早目にお申込みください。

〈お問い合わせ〉

ダンス・ツアーズ・プロダクションズ

電話:050-5532-3488(日本時間、火〜金、18:00〜21:00)
(ロンドンへのIP電話となります。出来るだけEメールでのお問い合わせをお願い申し上げます。)

Eメール:dtpspring2014@gmail.com

2014/02/16

新国立劇場バレエ団 大原永子次期芸術監督による新シーズン説明会

2月15日の新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」の舞台を観た後、大原永子次期芸術監督による新シーズン説明会に参加しました。

ラインアップはこちら
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/variety/#anc2014_15

「白鳥の湖」については、後で感想をアップするかもしれませんが、ここの牧版の「白鳥の湖」がこれほどまでにつまらない作品だったのか、と思わず愕然としてしました。主演の小野絢子さんはじめ、ダンサーのレベルはとても高く、またこのバレエ団自慢のコール・ド・バレエもとても良く整っていて非常に美しかったのですが、あまりに平板な仕上がりとなっていて。このバレエ団は大好きですし、クオリティは高いのに、なんでこれほどまでに感動が薄いのか…。それはやはり、演出がどうしようもなくつまらなく、ドラマツルギーの点でもつじつまが合っていないからです。


さて、大原永子さんの演目説明会、事前にお客さんからいただいた質問をもとに、質疑応答が行われました。こういうことはとても良いことだとは思うのですが、やはり多くの観客は、「ロミオとジュリエット」のようなドラマティックなバレエはやらないの?とか、デヴィッド・ビントレーの作品は一つもやらないの?とか、コンテンポラリー作品はやらないの?といった疑問を当然ながら持ちますよね。そのような質問が出てきたのですが、どうもそれらの質問に対する答えについてはあまり腑に落ちるような回答はありませんでした。

一番いえることは、この劇場はこのような方向性を持ってプログラムを組みました、というビジョンが明らかになっていないことです。「作品の質の向上」「ダンサーのレベルの向上」「観客動員」が3つの目標ということですが、これは、劇場を運営する上では当然のことであって、胸を張って言えるような方向性ではないと思います。

国から援助が出ている劇場ならば、メッセージ性をもってしかるべきだし、より幅広い観客層に受け入れられるにはどうしたら良いのか、ということを考えていなければならないと思うのです。バレエ芸術を多くの人びと、日本の国民に広げるにはどうするべきか、そして(厳密には国立ではありませんが)日本の国立のバレエ団として発信していくことはたくさんあると思います。

たとえば、ビントレー時代の「パゴダの王子」という作品では、日本人が震災という悲劇に負けず立ち直っていき、家族の絆と伝統文化を大切にしながら復興していくという強いメッセージ性があり、この新国立劇場バレエ団で生まれた作品が、今英国のバーミンガムロイヤルバレエで上演されているということは、ビントレーの残した素晴らしい実績だと思います。新しい芸術監督の下では、このようなクリエーションやメッセージ性の発信は残念ながらまったく望めないと感じました。
新国立劇場の芸術監督の役割

まず、国立の劇場なんだからレパートリーは古典寄りにすべきだというお考えが良くわかりません。もちろん、クラシックのテクニックは基本ですが、このバレエ団のダンサーは皆さんクラシックのテクニックに優れた方ばかりなので、今更強調することでもないでしょう。その古典も、オープニングの「眠れる森の美女」が新制作なのはいいと思うのですが、残りの「ラ・バヤデール」と「白鳥の湖」は、評判の良くない牧阿佐美版です。「白鳥の湖」を2シーズン連続で上演する意味は何でしょうか?どうしても古典3演目、ということでしたら、まだ「ドン・キホーテ」か「ライモンダ」にすれば良かったのではないかと思います。大原氏曰く、「コンテンポラリーばかり踊っているとクラシックは踊れなくなる」とのことですが、現在のラインアップだってコンテンポラリーばかりではないですし、クラシックは十分踊れていると感じられます。古典ばかりでは、ダンサーもモチベーションが上がらないのではないでしょうか。

古典中心のカンパニーでももちろん良いと思いますが、そう主張するだけの信念を感じさせるプログラムではないと感じました。(たとえば、ボリショイ劇場では、古典中心のレパートリーを主張するグリゴローヴィッチやツィスカリーゼの一派がありましたが、彼らには、信念はありました。この劇場には、そのような信念はあるのでしょうか?)

アシュトン版の「シンデレラ」は、大原氏曰く、これよりも良い「シンデレラ」はなかったとのことですが、本当にそう思われたのでしょうか?ビントレー版、クデルカ版、ウィールダン版、ヌレエフ版、ボーン版などいくつも「シンデレラ」はあります。今回アシュトン版の「シンデレラ」が上演されるのは実に8度目で、いくらなんでもマンネリなのではないでしょうか。クリスマスシーズンに幅広い観客層を集めたいということなら、「くるみ割り人形」の、やはり評判の悪い現在の版を改定して上演するということは考えなかったのでしょうか。また、「アラジン」も、ファミリーエンターテインメント作品なので上演しても良かったのではないかと思います。


牧阿佐美版「ラ・バヤデール」は、牧改訂版の中では良いほうですが、「長過ぎる『バヤデール』から余計なものを取り除いた」ということです。3段のスロープがあるなど豪華なプロダクションですが、実際にはとても楽しい太鼓の踊りを省略してしまっているのが残念に思えます。今年3月に初演される熊川哲也版と比較してどうなのかは、気になるところです。

唯一のトリプルビルはバランシン「テーマとヴァリエーション」ドゥアト「ドゥエンデ」そして新制作のロバート・ノース「トロイ・ゲーム」。前2作品は良いと思いますが、なぜ、古臭い作品である「トロイ・ゲーム」(1974年初演)を今更取り上げるのか、よくわかりません。男性のマッチョさを強調した作品が、日本人ダンサーによる新国立劇場バレエ団に合うのか、疑問に感じられてしまいます。「眠り」以外では唯一の新制作がこれ、ってあまりにもセンスが古いと思います。

トロイ・ゲーム(ダンスシアターオブハーレム)
http://youtu.be/pEVkfCFb4cI

ローラン・プティの「こうもり」も、なぜこの作品がこんなにも繰り返し上演されているのか疑問に感じます。大人向けで音楽ファンも呼び込めるから何年に1回は上演したい、とのことですが、そこまで出来の良い作品かどうか。同じプティ作品なら、以前も新国立劇場バレエ団で上演した「コッペリア」では駄目だったんでしょうか?

現行のシーズンでは、ニジンスカの「結婚」、そしてハンス・ファン・マネンの「大フーガ」、ジェシカ・ラングによる世界初演作品とデヴィッド・ビントレーは、海外のカンパニーにも負けない高いクオリティの新制作作品を入れることに成功しました(加えて、バランシンの「アポロ」と「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツも新制作)。それだけに、来シーズンがあまりにも見劣りしているのが悲しいところです。

東京バレエ団は、今シーズン、マッツ・エックの「カルメン」そしてノイマイヤーの「ロミオとジュリエット」を新制作で上演しました。来シーズンは、ベジャールの「第九交響曲」を上演予定です。このバレエ団も財政的に苦しいところがあると思われますが、プログラム自体は非常に意欲的です。民間のバレエ団がこれだけ頑張っているのに、新国立劇場バレエ団の来シーズンの体たらくはいったい何でしょう。


「とにかく一人でも多くのお客さんに来てもらえるラインアップにした」ということですが、そのお客さんはどのような層を考えているのでしょうか。今の新国立劇場バレエのWebサイトや、新シーズンのチラシが、とてもファンシーでお子様向けなのが非常に気になるところです。

「デヴィッド・ビントレー作品は上演しないのですか」という質問に対しては、今までの彼の芸術監督時代では、彼の作品ばかりを上演してきたので、一年お休みにすることにしました、とのことでした。古典中心だったバレエ団が、幅を広げるきっかけとなったビントレー作品、ぜひ今後は続けて上演してレパートリーとして大切にしてほしいものです。

ドラマティック・バレエについては、いつとはいえないけど考えたい、という消極的なお答え。今までも、マクミランの「ロミオとジュリエット」「マノン」そしてボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニナ」などを上演してきたわけですが、そのような財産は大切にしてほしいと思います。「大変なのであれもこれもはできない」ということですが、あまりにも来シーズンはバラエティに富んでなさすぎです。

コンテンポラリー作品については、一言、「お客さんが入らないんですよね」。お客さんが入らないのは、コンテンポラリー作品だから、ということだけではないと思います。日本人が古典バレエが好きなのは事実ではありますが、上演時期が悪い(新国立劇場バレエ団の公演時期は、ほかの海外メジャーカンパニーの来日公演と重なることが多い)、お客さんを呼ぶ努力をしていない、ということも大きいと思われます。チュチュとトウシューズで踊られる作品だけがバレエではありません。同じ新国立劇場でも、オペラのほうは観客動員の成績は大変良いのですが、オペラに来る男性客には、チュチュで踊られる古典作品より、現代作品のほうが足を運びやすい可能性が高いわけです。実際、今シーズンのストラヴィンスキー・バレエ・リュス・プロでは、「結婚」のオーケストラ&合唱付きの上演ということもあって、多くの音楽ファンが足を運んだということです。もちろん、大原さんは、「新しい作品を入れていかないと世界の趨勢に置いて行かれる」ということは認識されているようなので、その次のシーズン以降は、コンテンポラリーも入れてきてほしいと思います。

ダンスプログラムでは、一応新国立劇場バレエ団ダンサーによる振付作品集「Third Steps」が残っていることが救いですが、日本人の振付家による、このバレエ団のダンサーが踊る作品が観たいです。以前の平山さんの作品集や金森穣さんの作品を上演した時のように。

とにかく、3大チャイコフスキー・バレエのような有名な作品じゃなくても、このバレエ団が上演する作品なのだから素晴らしいから、観に来てほしい、という積極的な姿勢を見せてほしいし、自信をもって観客に届けられるクオリティの高いものを見せてほしいと思います。バレエ団は、伝統芸能ではないのだし、博物館であってはいけないのです。

いろいろと財政事情が厳しいことは端々に伺えますし、とにかく経済性第一、で組まれたプログラムであると感じました。

それから、お客さんに来てほしい、お客さんにサポートしてほしいと盛んにおっしゃっていましたが、応援するに値する、と判断すればお客さんは観に来るはずですし、それに値しないと感じたら足は運びません。チケット代は決して安いわけではないですし、来シーズンは値上げも予定されています。まずは自分たちが、お客さんに足を運んでもらうにはどうすればいいのかを考えるべきであって、客が来ないのは、来ない客が悪いと言われたらいい気がしないのは当たり前です。

***********

私が感じるのは、とにかくこのバレエ団は、熱心なファン、ロイヤルカスタマーを大事にしないことです。たとえば、ライバルである東京バレエ団は、この点非常に上手だと感じます。クラブ・アッサンブレというファン組織があって、ファン目線の会報を発行し、会員限定のリハーサル見学会やパーティを開催してます。会費も決して高くありません。チケットを買うとポイントがついて、それを貯めてチケットを買うこともできます。ダンサーからサイン入り年賀状が届きます。ポワント基金を開設し、女性ダンサーたちのためにポワントを寄付できて彼女たちがそれを履いているのも実感できます。ブログも、ダンサーに書いてもらったりして、内容がとても面白いです。バレエ団に熱心なファンが付くのもよくわかります。それだけ、バレエ団が大変な努力と労力を割いているのがわかるので、応援したくなります。

去年行われていた「めぐろ子どもバレエ祭り」もとても良い試みでした。

翻って、新国立劇場バレエ団はどうでしょう。アトレという会員組織はありますが、チケットを買うときに少し割引があって優先販売があるのと、オペラもいっしょくたになった豪華な会報(ただしバレエの情報はほんの少し)が届くだけ。ファン向けのイベントは一切ありません。シーズンエンディングにパーティはありますが、セット券を購入しないと参加資格がありません。キャストもなかなか発表されないので年間セット券なんて買えません。リハーサル見学会は、ビントレーの「パゴダの王子」のときにちょっとあっただけです(あの企画は良かったです)。バックステージツアーはありますが、フリーのお客さん対象の当日の抽選で、会員かどうかなんて全く関係ありません。チケットをたくさん買っているから、チケットを割引きしてくれるかとかそういうのも一切ありません。(「くるみ割り人形」の時に握手会をやったのは良い企画だと思いますが)Facebook、Twitterも開設はしていますが、業務連絡中心で、お役所っぽいです。それに、主演以外のキャストが発表されるのが遅くて、目当ての人が出ている回を買おうとすると予定がたてられません。

先日、パリに行ったときには、オペラ座で「令嬢ジュリー」の公開リハーサルを見学することができました。これは誰でも観ることができるイベントで、チケットは発売(ただし無料)されていたけれど、チケットを持っていなくても当日会場に行くと入ることができました。アナ・ラグーナが振付指導する様子を直接観ることができて、とても面白かったです。ロイヤル・オペラハウスではバックステージツアーが毎日のように開催されています。お金は取りますが、衣装や装置を作っているところを見学できて、さらに運が良ければクラスレッスンまでも観ることができるし、ダンサーやスタッフとすれ違ったりするのでとても楽しいです。

新国立劇場バレエ団は、どうも観客のターゲットを、バレエを習っているお子さんとその親、というところに絞っているのですが、子供だからと言って子供だましの演目を上演すればいいというものではありません。「しらゆき姫」は私も観ましたが、とても大人の目に堪えるようなものではありませんでした。ロイヤル・バレエでは真剣にアウトリーチ活動をしていて、地域に出向いてバレエを見せたり、ロイヤルオペラハウス内で無料のイベントを行い、ロイヤルバレエのトップダンサーが子供たちと一緒にバレエを踊ったり、かなり本格的なことをやっています。日本では、東京シティバレエ団が、アウトリーチ活動をしています。国立の劇場こそ、このようなことをやるべきではないでしょうか。

せっかくの素晴らしい箱を持っていて、しかもダンサーのレベルは超一流なのですから、新国立劇場には、もっとしっかりとしたビジョンを持ったうえで、観客層を広げる努力をしてほしいものです。

古い記事ですが、貼っておきます。
次期芸術監督の人事迷走 新国立劇場
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY200807090066.html


<追記>
こちらのブログで書かれていることにも、私は全面的に同意します。1月の厚木公演は、ちょうど体調を崩していて観に行けなかったのですが、客入りが非常に悪かったと聞いています。
http://d.hatena.ne.jp/mousike/20140218/1392731580

新国立劇場のオフィシャルサイトに掲載されたニュース「大原永子 舞踊次期芸術監督による2014/2015シーズン舞踊演目説明会が開催されました」
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/140217_003877.html

2014/02/13

K-BALLET 「ラ・バヤデール」追加公演詳細および追加公演に伴うキャスト変更

熊川哲也Kバレエ カンパニー<15周年記念公演>『ラ・バヤデール』公演は、
先の告知の通り、熊川哲也さんが出演する追加公演の詳細が決定しています。

また、追加公演に伴い、既に発売中の他日公演のキャスト変更をするとのことです。
http://www.k-ballet.co.jp/news/view/972

〜追加公演開催にあたり、芸術監督・熊川哲也からのメッセージ〜

芸術監督としての立場では、感情よりも環境を優先し、次世代のダンサーのために、
演目、キャスティング全ての決断をしてきました。
15周年を記念する『ラ・バヤデール』制作過程において、作品に向かい合う程に様々な思いがかけめぐり、
このたびは環境よりも感情を優先する決断に至りました。
このような時期の発表となってしまったことにより、様々な方面への混乱が予想されますが、
もうしばらくこの熊川哲也にお付き合い願いたいという気持ちと共に、皆様には全身全霊を傾けてお届けする
新作『ラ・バヤデール』の誕生を見守っていただければ幸いです。
K-BALLET COMPANY  芸術監督 熊川哲也

______________________________________________________________

■熊川哲也 K-BALLET COMPANY<15周年記念公演>
「ラ・バヤデール」追加公演

[会 場]オーチャードホール
3月19日(水)18:30開演 ニキヤ:荒井祐子  ソロル:熊川哲也  ガムザッティ:白石あゆ美
3月20日(木)14:00開演 ニキヤ:荒井祐子  ソロル:熊川哲也  ガムザッティ:白石あゆ美
3月24日(月)18:30開演 ニキヤ:荒井祐子  ソロル:熊川哲也  ガムザッティ:白石あゆ美
3月26日(水)  18:30開演 ニキヤ:荒井祐子  ソロル:熊川哲也  ガムザッティ:白石あゆ美
追加公演料金  S\18,000 A\14,000 B\10,000(税込)※未就学児童入場不可
______________________________________________________________
■追加公演に伴う他日公演のキャスト変更

<ガムザッティ役>
●3月21日(金・祝) 17:00公演 浅川紫織  →  浅野真由香
●3月22日(土)   12:30公演 白石あゆ美 → 浅川紫織
●3月23日(日)   17:00公演 白石あゆ美 → 浅川紫織
●3月24日(月)   14:00公演 浅川紫織  → 浅野真由香
●3月25日(火)   14:00公演 白石あゆ美 → 浅川紫織
詳しくはこちら>>
______________________________________________________________

【チケットのご予約】
2月13日(木)10時より下記にてご予約を承ります。
【チケット取扱い】
●チケットスペース03-3234-9999  <2/13 10:00~18:00 オペレーター対応>
チケットスペースオンライン 検索 (PCのみ)   <2/13 10:00~ 24時間>
●Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9912  <2/13のみ10:00~17:30 オペレーター対応>
●オンラインチケットMy Bunkamura http://www.bunkamura.co.jp/mybunkamura   <2/13 10:00~ 24時間>
●ローソンチケット0570-084-632  <2/13 10:00~2/14 23:59音声応答>

2月14日(金)以降は下記にてご予約を承ります。
●チケットスペース03-3234-9999 チケットスペースオンライン 検索 (PCのみ)
●Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00-17:30オペレーター対応)
●オンラインチケットMy Bunkamura http://www.bunkamura.co.jp/mybunkamura/
●TBSオンラインチケット TBS 熊川 検索
●チケットぴあ 0570-02-9999  (熊川哲也出演Pコード435-359/その他Pコード433-785) http://pia.jp/t/k-ballet/
●ローソンチケット 0570-000-407(オペレーター)
0570-084-003(熊川哲也出演Lコード32517/その他Lコード38418) http://l-tike.com/k-ballet/
●イープラス http://eplus.jp/kumakawa/
 
キャストは2014年2月13日現在です。出演者の病気や怪我等、やむを得ない事情で変更となる場合があります。
最新キャストはhttp://k-ballet.co.jp/company にてご確認ください。


今日放映された、「ラ・バヤデール」の特別番組も観ましたが、本当に今回は熊川さんは気合の入った作品づくりをしているようです。彼のブロンズ・アイドルがヌレエフと記念撮影をした貴重な写真も紹介されました。ブロンズ・アイドルについても、新演出を熊川さんはされているようなので、それも注目ですね。毎回凝っている舞台美術も楽しみです。

40代となった熊川さんですが、40代ならではの成熟を身に着けつつも、20代の時と同じレベルのテクニックで踊らなければならないという強い信念を持っているのは凄い気概だ、と身震いしました。

チケットはものすごい勢いで売れているようで、朝一度Bunkamuraのサイトではソールドアウトになっていました。今はチケットは少し戻ってきているようではあるのですが…。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2014/15シーズン

少し掲載が遅れましたが、ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2014/15シーズンが発表されています。

http://national.ballet.ca/performances/season1415/

http://national.ballet.ca/uploadedFiles/MediaReleases/2014-15%20Season.pdf

Four Seasons Centre for the Performing Arts, Toronto トロント、フォーシーズンズセンター

Fall Season 秋シーズン

Manon 「マノン」 (マクミラン振付)
November 8 – 16, 2014

Nijinsky 「ニジンスキー」 (ノイマイヤー振付)
November 22 – 30, 2014

Holiday Season クリスマスシーズン

The Nutcracker 「くるみ割り人形」 (クデルカ振付)
December 13, 2014 – January 3, 2015

Winter Season 冬シーズン

... black night's bright day ... & Chroma 「black night's bright day」(クデルカ振付)&「クローマ」(マクレガー振付)
March 4 – 8, 2015

Alice's Adventures in Wonderland 「不思議の国のアリス」 (ウィールダン振付)
March 14 – 29, 2015

The Eleventh International Competition for The Erik Bruhn Prize エリック・ブルーン・プライズ コンクール
March 24, 2015

Summer Season 夏シーズン

Being and Nothingness† & The Tempest*「Being and Nothingness」(ギョーム・コテ振付、世界初演)、「テンペスト」(ラトマンスキー振付、カンパニー初演)
May 30 – June 7, 2015

The Sleeping Beauty 「眠れる森の美女」(ヌレエフ振付)
June 10 – 14, 2015

Gala ガラ
June 17, 2015

Touring ツアー公演

Romeo and Juliet 「ロミオとジュリエット」(ラトマンスキー振付)
July 10 – 13, 2014, The Music Center, Los Angeles ロサンゼルス、ミュージックセンター

Alice's Adventures in Wonderland 「不思議の国のアリス」 (ウィールダン振付)
April 9 – 12, 2015, Canada’s National Arts Centre, Ottawa オタワ、ナショナルアートセンター

† World Premiere
* Company Premiere

また、今後のプロジェクトとして、今シーズンロイヤル・バレエで初演される「冬物語」(ウィールダン振付)を2015-16年シーズンに上演するほか、プリンシパルでもあるギョーム・コテ振付の「星の王子様」(サン=テグジュペリ原作)の新作バレエも予定しています。

芸術監督カレン・ケインがシーズンのラインアップを発表する動画
http://youtu.be/JhPTmrdgdkg


ナショナル・バレエ・オブ・カナダは、幅広い層に受け入れられる古典作品から、ファミリー向けの作品、さらには先シーズン上演して好評だったノイマイヤーの「ニジンスキー」そしてウェイン・マクレガーの「クローマ」などの先鋭的な作品までバラエティに富んだレパートリーを上演します。「マノン」やヌレエフ振付の「眠れる森の美女」など、バレエ通にも受けそうな作品が核となっており、魅力的なラインアップです。

さらに、他カンパニーとの共同制作も多く手掛けており(ウィールダン振付の「不思議の国のアリス」もそう)、ABTで上演されたラトマンスキー振付の「テンペスト」、そしてさらに次のシーズンでは、やはりロイヤルで今シーズン世界初演される予定の「冬物語」も予定しています。人気プリンシパルであるギョーム・コテの振付作品が上演されることにも注目。


なお、3月にナショナル・バレエ・オブ・カナダでは「白鳥の湖」を上演しますが、こちらは豪華2ゲストプリンシパル、スヴェトラーナ・ルンキナ(ボリショイ・バレエ)とエヴァン・マッキー(シュツットガルト・バレエ)が共演します。
http://national.ballet.ca/performances/season1314/Swan_Lake/#Casting-tab

事情があってボリショイ・バレエを休職し、現在トロント郊外に在住しているルンキナは、今シーズン、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのゲストプリンシパルとなっています。ガラの「ドン・キホーテ」、「Unearth」(Robert Binet振付)、年末の「くるみ割り人形」、今月末の「Watch Her」に続いての出演。大きな注目を集めています。シーズン終了後、ボリショイを正式に退団して、カナダの正式団員となるのか、引き続きゲストプリンシパルであり続けるのか。カナダ国籍の子供たちを育てている彼女にとっては、カナダに完全移籍する可能性もかなり高いのではないかと思われます。

ルンキナにインタビューした11月の記事
http://www.theglobeandmail.com/arts/theatre-and-performance/ballerina-svetlana-lunkina-from-russia-with-star-power/article15535936/

2014/02/12

ロイヤル・エレガンスの夕べ2014 上演作品発表

一昨年夏、バレエファンを驚きと感動の渦に巻き込んだ、あの「ロイヤル・エレガンスの夕べ」が、さらにパワーアップして登場します。現代の英国バレエを代表する9名のトップダンサーが外苑の森に熱い火花を散らします。

http://www.royalelegancenight.com/


日本青年館ホール (神宮外苑)

2014年8月8日(金) 19:00開演 *ロビー開場は各開演の45分前
8月9日(土) 13:30開演
8月10日(日) 13:30開演

チケット料金(税込)

S席¥13,800 A席¥11,800 *未就学児童入場不可

上演作品が決定しました。日本初演作品も、注目のマクレガー「レイヴン・ガール」はじめ4作品あり、またマクミランの名作「レクイエム」なども観られて大変楽しみなガラです。バレエファンが観たい、このメンバーでしか観られない英国的な作品を集めていてコンセプトのしっかりした構成ですね。スティーヴン・マックレーのタップも観られます!


予定演目(3日間共通)

「真夏の夜の夢」よりパ・ド・ドゥ(オベロンとタイターニアのパ・ド・ドゥ)
振付:フレデリック・アシュトン
出演:ラウラ・モレーラ/ツァオ・チー

「レクイエム」よりソロとパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
出演:崔由姫/ネマイア・キッシュ

「エニグマ変奏曲」よりトロイトのソロ
振付:フレデリック・アシュトン
出演:リカルド・セルヴェラ

「眠れる森の美女」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
出演:サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「ルーム・オブ・クックス (Room of Cooks)」 *日本初演
振付:アシュリー・ペイジ
出演:ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ/ネマイア・キッシュ

「(未定)」
振付:クリストファー・ウィールドン
出演:サラ・ラム/スティーヴン・マックレー

「エリート・シンコペイションズ」よりスウィート・ハート
振付:ケネス・マクミラン
出演:崔由姫/リカルド・セルヴェラ

「アスフォデルの花畑」より第2楽章
振付:リアム・スカーレット
出演:ラウラ・モレーラ/ネマイア・キッシュ

「ディアナとアクティオン」
振付:A・ワガノワ改訂(マリウス・プティパより)
出演:佐久間奈緒/ツァオ・チー

「レイヴン・ガール」よりパ・ド・ドゥ *日本初演
振付:ウェイン・マクレガー
出演:サラ・ラム/平野亮一

「(未定)」*世界初演
振付:クリスティン・マクナリー
出演:崔由姫

「QUIZAS(キサス)」 *日本初演
振付:ウィリアム・タケット
出演:ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ

「〜Tap〜(未定)」 *日本初演
振付:スティーヴン・マックレー
出演:スティーヴン・マックレー

*上演順ではございません。
*音楽は録音音源になります。

また、前回も開催されて好評だったリハーサル見学会とファンミーティングもあります。

リハーサル見学会
2014年8月8日(金) 14:00より 日本青年館ホール ¥3,000(税込)

ファンミーティング
2014年8月10日(日) 17:00より アリスガーデン(千駄ヶ谷) ¥20,000(税込)

チケット一般発売
3月29日(土)10:00より ※3月16日公式HP先行開始!

ラウラ・モレーラから日本の皆さんへのご挨拶動画。
http://youtu.be/Ja3csXSriSM

Dan's Adventure BALLET HERO FANTASY feat. Steven McRae, Principal Dancer, The Royal Ballet / バレエ・ヒーロー・ファンタジー ダンの冒険 Act.1 <英語版> (Dancin' Manga)Dan's Adventure BALLET HERO FANTASY feat. Steven McRae, Principal Dancer, The Royal Ballet / バレエ・ヒーロー・ファンタジー ダンの冒険 Act.1 <英語版> (Dancin' Manga)
足立 たかふみ Adachi Takafumi スティーヴン・マクレイ

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『パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング シーズン2 2013~14』スケジュール決定

パリ・オペラ座のオペラとバレエを映画館で上映する、『パリ・オペラ座へようこそ ライブビューイング シーズン2』のスケジュールが決定したとのことです。

http://parisoperamovie.blog.fc2.com/blog-entry-25.html

第1作「アイーダ」(オペラ)
3月20日(木)~3月27日(木)

第2作「眠れる森の美女」(バレエ) マチアス・エイマン、ミリアム・ウルド=ブラーム主演のヌレエフ版
4月18日(金)~4月24日(木)

第3作「清教徒」(オペラ)
5月09日(金)~5月15日(木)

第4作「西部の娘」(オペラ)
6月13日(金)~6月19日(木)

第5作「白鳥の湖」(バレエ) アニエス・ルテステュ引退特別上映、2005年の映像(DVD発売済)
7月18日(金)~7月24日(木)

第6作「フィガロの結婚」(オペラ)
8月08日(金)~8月14日(木)

第7作「バランシン/ミルピエ」(バレエ) 「水晶宮」「ダフニスとクロエ」
9月12日(金)~9月18日(木)

第8作「椿姫」(オペラ)
10月10日(金)~10月16日(木)


TOHOシネマズ日本橋(新館オープン!)他全国順次公開


追記:「パリ・オペラ座へようこそ」の公式サイトもリニューアルされて、シーズン2の内容にアップデートされました。
http://www.opera-yokoso.com/index.html

Bachtrackに英文レビュー3本、パリ・オペラ座「オネーギン」、Noism「PLAY 2 PLAY」、ユニバーサルバレエ

今年に入ってから、一本もバレエ公演の感想をブログにアップしていないことに気が付いてしまって焦っている私です。いつの間にか、2月も中旬になってしまっているし。Bachtrackに英文レビューを書いていて力尽きて日本語まで手が回らないのですね。余裕ができたら日本語の感想も書きたいと思います。

そういうわけで、3本、英語のレビューが追加で掲載されているので、お知らせしますね。

パリ・オペラ座バレエ「オネーギン」
http://bachtrack.com/review-feb-2014-paris-opera-ballet-onegin

Noism1「PLAY 2 PLAY」
http://bachtrack.com/review-jan-2014-kanamori-noism-1-japan

ユニバーサル・バレエ「スペシャル・ガラ」
http://bachtrack.com/review-feb-2014-universal-ballet-gala-tokyo

というわけで、急遽2月4日~9日までパリに行ってきて、「オネーギン」を2公演と、「令嬢ジュリー」の公開リハーサルを見てきました。その辺の感想については、また後ほど。

旅行中、コメントにお返事ができなくて申し訳ありません!これからコメントを付けていきますね。

2014/02/08

K-BALLET COMPANYの「ラ・バヤデール」に熊川哲也さん出演、特別番組

新制作ということで注目を集めているK-BALLET COMPANYの「ラ・バヤデール」。

追加公演が行われるそうです。しかも、現在のキャストでは熊川哲也さん出演予定はありませんでしたが、出演するそうです。これは絶対に見逃せません!

2月13日(木)10:00より、K-BALLET COMPANYのホームページにて
熊川哲也出演『ラ・バヤデール』追加公演に関する詳細を発表されるそうです。

また、関東地方のお客様につきましては、同13日(木)10:05から放送の
『ラ・バヤデール』特別番組(TBSテレビ)番組内でもご案内するそうです。

http://www.k-ballet.co.jp/news/view/962

というわけで、特別番組も放映されます。

【2月13日(木)、16(日)】放送 特別番組「『ラ・バヤデール』 熊川哲也が愛した二人の女〜運命の再会 22年の時を越えて〜 

特別番組「『ラ・バヤデール』 熊川哲也が愛した二人の女
〜運命の再会 22年の時を越えて〜

熊川哲也、K-BALLET COMPANY
『ラ・バヤデール』制作密着

放送日時:2月13日(木) 10:05~11:00
     (TBSテレビ ※関東ローカル)

放送日時:2月16日(日) 16:00~17:00
     (BS TBS)
     ※内容は2月13日放送分と同内容になります。

※放送日時は変更となる場合もございます。

ローザンヌ国際コンクールで日本人が3人入賞したため、熊川さんもテレビ出演に引っ張りだこになっていたようですね。しかも、1位の二井さん、2位の前田さんはバヤデールのヴァリエーションを踊っていたので、ますます注目されます。言うまでもなく、「ラ・バヤデール」はロイヤル・バレエ時代に熊川さんの名を世界に知らしめた、彼にとって特別な意味を持つ作品なので、見逃せません。

2/16「世界に挑む 若き日本人ダンサーたち~第42回ローザンヌ国際バレエコンクール~」放映

「世界に挑む 若き日本人ダンサーたち~第42回ローザンヌ国際バレエコンクール~」

http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/180619.html

ローザンヌに入賞した日本人ダンサーの演技を一足先に観られます。

【放送日時】
●2月16日(日)
Eテレ 午後4:00~ 4:30
●22日(土)【再放送】
総合テレビ 午前10:50~11:20 ※一部の地域を除く

吉田都や熊川哲也など世界的に活躍する日本人ダンサーの多くが挑戦し、優秀な成績を収めてきた若手バレエダンサーの登竜門、ローザンヌ国際バレエコンクール。

2月1日に行われた決選で、日本人3人が第1位、第2位、第6位に入賞するという快挙を成し遂げました。第1位は松本市の二山治雄さん17歳。日本人の男性ダンサーが最高位になるのは、1989年に熊川哲也さんがゴールドメダルを受賞して以来25年ぶり。

番組では、3人の決選でのパフォーマンス(クラシックおよびコンテンポラリー)をノーカットで紹介するほか、詳細な解説をつけて、演技のポイントを分かりやすく伝えます。

また、決選に至る5日間の選考の模様も紹介。これまであまり紹介されることのなかった、コンクールの「育成」の側面にも迫ります。

入賞者のインタビューと現役のトップダンサーの話を紹介しながら、将来性を見出された若い日本人ダンサーたちの無限の可能性と、バレエ芸術を極めるために果てしなく続く厳しい鍛錬の道のりを見つめます。

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2014/02/06

ボリショイ・バレエの来日公演キャスト発表/追記(地方公演など)

今年11月、12月に来日公演を行うボリショイ・バレエの来日公演キャストが発表されました。

http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=820

「白鳥の湖」Bunkamuraオーチャードホール
11月20日(木)19:00 スヴェトラーナ・ザハーロワ/デイヴィッド・ホールバーグ/ウラディスラフ・ラントラートフ
11月24日(月・休)17:00 スヴェトラーナ・ザハーロワ/デイヴィッド・ホールバーグ/ウラディスラフ・ラントラートフ
11月26日(水)13:00 オリガ・スミルノワ/アレクサンドル・ヴォルチコフ/アルテミー・ベリャコフ
11月26日(水)19:00 アンナ・ニクーリナ/ルスラン・スクヴォルツォフ/ウラディスラフ・ラントラートフ

「ラ・バヤデール」東京文化会館
12月3日(水)18:30 スヴェトラーナ・ザハーロワ/ウラディスラフ・ラントラートフ/マリーヤ・アレクサンドロワ
12月4日(木)12:00 アンナ・ニクーリナ/ミハイル・ロブーヒン/エカテリーナ・クリサノワ
12月4日(木)18:30 オリガ・スミルノワ/アレクサンドル・ヴォルチコフ/エカテリーナ・シプーリナ

「ドン・キホーテ」東京文化会館
12月6日(土)12:30 マリーヤ・アレクサンドロワ/ウラディスラフ・ラントラートフ
12月6日(土)18:30 エカテリーナ・クリサノワ/セミョーン・チュージン
12月7日(日)14:00 エカテリーナ・シプーリナ/ミハイル・ロブーヒン

<今後の発売スケジュール>
【夢倶楽部WEB単券】 2/8(土)10:00~ ※セット券の扱いはございません。
【夢倶楽部TEL単券/セット券】 2/9(日)10:00~
【ジャパン・アーツぴあネット会員単券】 2/16(日)10:00~ ※セット券の扱いはございません。
【一般発売】 受付開始日:3/8(土)10:00~

ちなみにわたくし今パリにおりますので、セット券発売に参戦できない…( ̄◇ ̄;)

<追記>
来日公演のオフィシャルサイトができています。
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/index.html

宇都宮、名古屋、大津、富山、大阪、浜松での公演を予定しているとのことです。

11.22(土)13:30 ボリショイ・バレエ「ドン・キホーテ」(愛知県芸術劇場)
11.23(日)17:00 ボリショイ・バレエ「ドン・キホーテ」(びわ湖ホール)
11.27(木) ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」(富山・オーバードホール)

2014/02/02

第42回ローザンヌ国際コンクールの結果 二山治雄さんが一位

ローザンヌ国際コンクールの中継をネットで観ていました。

そして結果が発表されました。日本人出場者が大健闘です。

http://www.prixdelausanne.org/press/Prize_Winners_2014Prixdelausanne_Laureats.pdf

1位
Mr Haruo Niyama 二山治雄
Japan, Hakucho Ballet Academy 白鳥バレエ学園

2位
Ms Maeda Sae 前田紗江
Japan, Mayumi Kinouchi Ballet Studio マユミ キノウチ バレエ スタジオ

3位、コンテンポラリー賞
Ms Precious Adams プレシャス・アダムス
USA, Bolshoi Ballet Academy 米国、ボリショイアカデミー

4位、観客賞
Mr David Fernado Navarro Yudes  デヴィッド・フェルナド・ナヴァロ・ジュデス
Spain, Princess Grace Academy, Monte-Carlo スペイン、プリンセス・グレース・アカデミー

5位
Mr Garegin Pogossina  ガレギン・ポゴッシナ
France, Conservatoire National Supérieur  フランス、リヨン・コンセルヴァトワール
de Musique et de Danse Lyon

6位
Mr Mikio Kato 加藤三希央
Japan, Princess Grace Academy, Monte-Carlo モナコ・プリンセス・グレース・アカデミー


1位の二山さん、クラシック・ヴァリエーションの「ラ・バヤデール」のソロルが素晴らしかったです。男子は不安定な人が多い中、非常にしっかりとしたテクニックと柔軟性を持っていて凄かった。1位は順当です。前田さんのバヤデールもエレガントで美しく、素敵でした。6位の加藤さんは、白鳥の王子も良かったですが、コンテンポラリーの表現力が目を引きました。彼は被災地の星としてこれから先も応援したいです。

4位のデヴィッド・ナヴァロは、脚が長く華があるダンサーで、丁寧さは行き届いていないバジルでしたが、ダイナミックでかっこよく、観客受けがとても良かったです。コンテンポラリーも良かった。

そして注目は、ボリショイ・バレエアカデミーのアフリカ系アメリカ人、プレシャス・アダムス。クラシックがオーロラだったのですが、丁寧できっちりとしていて、しかも柔らかく優雅で、肌の黒いオーロラがこんなに素敵だとは思いませんでした。さらに素晴らしかったのがコンテンポラリーで、表現力、身体能力とも突出しており、コンテンポラリー賞は順当なところでしょう。

とても良かったので入賞を期待したのが渡邊綾さん。コンテンポラリーがとても優れていて、日本人離れした表現力の持ち主だったので、なぜ入らなかったのか、と思ったほどです。

いずれにしても、今回出場した日本人ダンサーは、コンテンポラリーが弱い人はいたものの、クラシックの技術は皆さん、出場者の中でも目立って素晴らしく、日本のバレエのレベルの高さを証明しました。みなさん、おめでとうございます。

ローザンヌ国際コンクールは、入賞することがゴールではなく、出発点。残念ながら入賞できなかったり、決勝に進出できなかったとしても、ここで素晴らしい教師や仲間に出会い、刺激され、新しい扉を開くことができる、とても良い経験になると、お子さんがこのコンクールに出場された方から聞きました。みなさんの輝かしい未来を祈っています。

また、審査が行われる間、クリスチャン・シュプック振付の「ロミオとジュリエット」が、チューリッヒ・バレエのカーチャ・ヴュンシュとウィリアム・ムーアによって踊られました。二人とも、シュツットガルト・バレエから、シュプックのチューリッヒ芸術監督就任に伴って移籍しています。カーチャは、ローザンヌ国際コンクールに過去に出場して受賞しています。この「ロミオとジュリエット」は、現代的な風味がありながらも、とてもロマンティックで素敵でした。

コンテンポラリーヴァリエーションに作品が採用された振付家ゴヨ・モンテロの作品も、彼が芸術監督を務めるニュルンベルグ・バレエのダンサーたちによって踊られました。音楽はなく、スペイン語のナレーションに合わせて踊るという斬新でユニークな作品でした。

二山さんをフィーチャーしたビデオブログ(5分27秒あたりから)
http://youtu.be/cZd9DulhWYk

追記:入賞したプレシャス・アダムスがボリショイ・アカデミーで苦労しているという記事。
http://www.themoscowtimes.com/news/article/us-ballerina-faces-discrimination-at-bolshoi-academy/489887.html
教師に肌の色を白くしろと言われたり、学校公演に出させてもらえなかったり。ロシアのカンパニーには就職できないだろうと悟った彼女は、ローザンヌ国際コンクールに出場したということです。差別に負けず、頑張ってほしいですね。


決勝に進出した6人の日本人出場者についての記事
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=37862078

ローザンヌ国際バレエ、17歳の二山さん優勝
http://www.asahi.com/articles/ASG220T0GG21UHBI01G.html

ローザンヌ国際バレエ:二山さんが優勝
http://mainichi.jp/select/news/20140202k0000m040114000c.html

ローザンヌバレエで日本人優勝
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140202/j63019710000.html

ローザンヌ国際コンクールって、「優勝」というのはないコンクールなのですが…。二山さんはサンフランシスコ・バレエスクールを希望しているそうです。

二山治雄さんが優勝、前田紗江さんが2位 ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人が上位独占
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/01/prix-de-lausanne_n_4710921.html?utm_hp_ref=tw

全国バレエコンクールで二山さんが優勝した際の、朝日新聞長野版のインタビュー記事
http://www.asahi.com/area/nagano/articles/TKY201309210247.html


NHKでは、ニュース映像もアップしていて、二山さん、前田さんの演技やインタビューも観られます。
若手バレエ登竜門 日本人1位2位独占
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140202/k10014951351000.html

こちらもNHKのニュース映像がアップされています。二山さんの出身、白鳥バレエ学校の生徒へのインタビューも。
バレエ登竜門で優勝 入賞者の半数が日本人
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140202/k10014954061000.html

決勝戦本編の動画もアップされていますが、ちょっとノイズがひどくて聞きづらいです。音声を修正したものが後日アップされるとのことです。 新しくアップされた映像を貼りなおしました。
http://youtu.be/NhSrmd_JAqk

ローザンヌ国際バレエコンクール 高校2年・二山治雄さんが優勝(フジテレビのニュース映像)
http://youtu.be/H5OzcW1UT14

チャコットのDance Cubeの現地レポート
http://www.chacott-jp.com/magazine/news/concours/42-1.html

2014/02/01

NHK BSプレミアムで3/9ロイヤル・バレエ「ドン・キホーテ」放映

NHK BSプレミアムの3月の番組表が出ています。

http://www.nhk.or.jp/bs/lineup/pdf/bspremium_nextmonth.pdf

その中で、3月9日(日)24時~「プレミアムシアター」で、ロイヤル・バレエの「ドン・キホーテ」が放映されます。カルロス・アコスタが再振付し、主演はマリアネラ・ヌニエスとカルロス・アコスタです。映画館で上映されたのと同じ映像と考えて良さそうですね。

プレミアムシアター

3月9日(日)24時~

英国ロイヤル・バレエ公演
「ドン・キホーテ」

出演:カルロス・アコスタ (バジル)、
    マリアネラ・ヌニェス (キトリ) ほか
音楽:レオン・ミンクス
管弦楽:コヴェントガーデン
     王立歌劇場管弦楽団
指揮:マーティン・イェーツ
振付: カルロス・アコスタ 


3月16日(日)24時~

ボリショイ劇場公演
歌劇「イーゴリ公」

出演:エルツィン・アジゾフ  (イーゴリ公)、
    エレーナ・ポポフスカヤ   (ヤロスラヴナ)、
    ロマン・シュラコフ   (ウラディーミル・イゴレヴィチ)、
    ウラディーミル・マトリン  (ウラディーミル・ヤロスラヴィチ)、
指揮:ワシーリ・シナイスキー
演出:ユーリ・リュビーモフ
台本・音楽:アレクサンドル・ボロディン
合唱:ボリショイ劇場合唱団
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

こっちはバレエシーンはあるのかな?

ローザンヌ国際コンクール2014の決勝進出者

ローザンヌ国際コンクール2014の決勝進出者が発表されました。明日(土曜日)、現地時間午後3時より決勝が行われます。

http://www.prixdelausanne.org/press/Finalistes_2014PrixdeLausanne_Finalistes.pdf

(105) Ms Maria Clara Marinho Coelho
Brazil, Balletarrj School of Dance


(108) Ms Maeda Sae 前田紗江
Japan, Mayumi Kinouchi Ballet Studio マユミ キノウチ バレエ スタジオ


(110) Ms Carollina Bastos
Brazil, Centro de Dança Rio


(114) Ms Bianca Teixeiraa
Brazil, Estudio de Dança Adriana Soares


(118) Ms Aya Watanabe 渡邊綾
Japan, Reiko Yamamoto Ballet School 山本禮子バレエ団付属研究所


(201) Mr Johannes Goldbach
Germany, Palucca Hochschule für Tanz,
Dresden


(202) Mr Shunyo Mori 森春陽
Japan, Petit Ballet Studio プティバレエスタジオ


(203) Mr Tanner Bleck
USA, Next Generation Ballet at Patel
Conservatory, Tampa, FL, USA


(204) Mr Jun Joon Hyuk
South Korea, Korea National Institute for
the Gifted in Art


(206) Mr Vinicius Silva
Brazil, CEP em Artes Basileu França


(313) Ms Saho Kumagai 熊谷佐保/早畝(さほ)さん (どっちが正しいのでしょうか)
Japan, Pacific Northwest Ballet School パシフィック・ノースウェスト・バレエ


(319) Ms Precious Adams
USA, Bolshoi Ballet Academy


(401) Mr Daniel Rodriguez Domenech
Spain, Real Conservatorio Profesional de
Danza Mariemma


(402) Mr David Fernado Navarro Yudes
Spain, Princess Grace Academy, Monte-Carlo

(403) Mr Garegin Pogossina
France, Conservatoire National Supérieur
de Musique et de Danse Lyon


(404) Mr Haruo Niyama 二山治男
Japan, Hakucho Ballet Academy 白鳥バレエ学園


(406)Mr Michael Ryan
USA, Houston Ballet Academy


(409) Mr Karl-Erik Wigle Andersson
Sweden, The Royal Swedish Ballet
School


(411) Mr Chang ZhiXu
China, The Secondary Dance School of
Beijing Dance Academy


(413) Mr Mikio Kato 加藤三希央
Japan, Princess Grace Academy, Monte-Carlo モナコ・プリンセス・グレース・アカデミー

20人の決勝進出者のうち、日本人は6人と健闘。13人の男子、7人の女子と今年も男性が優勢です。

加藤三希央さんは、一昨年のオール日本バレエガラにも出演した、福島県出身の子ですね。
また、ボリショイ・バレエ学校のプレシャス・アダムスは、アメリカからの留学生で、アフリカ系であるため差別されたということがニュースになっていました。


決勝の模様は、現地時間3時、日本時間は夜の11時よりインターネット中継で観ることができます。
http://lausanne.streamakaci.com/

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