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2014年1月

2014/01/31

ジャン・バビレ逝去

「若者と死」の初演などでよく知られたジャン・バビレが、91歳の誕生日の数日前の1月30日にパリで亡くなりました。

ル・モンド紙の訃報記事
http://www.lemonde.fr/culture/article/2014/01/31/le-danseur-jean-babilee-est-mort_4357651_3246.html

フィガロ紙
http://www.lefigaro.fr/flash-actu/2014/01/31/97001-20140131FILWWW00090-deces-du-danseur-et-choregraphe-jean-babilee.php

1923年にパリに生まれた彼は、パリ・オペラ座学校で学び、1940年にカンヌ・バレエに入団。第二次世界大戦中の一時期、フランスのレジスタンス「マキ」の一員として戦っていたそうです。45年から49年にバレエ・デ・はシャンゼリゼに入団し、「独立心旺盛で好きなものを自由に踊った」と彼の元妻アポリーヌ・マリオンは語っています。

ジャン・バビレは彼の世代のダンサーの中でも最も才能にあふれた一人であり、狂気すら感じさせる踊りと評されました。完璧な技術に加え、鮮烈な舞台上での存在感、猫のような踊りを見せたと専門家は語っています。1947年~53年までパリ・オペラ座のエトワールでもあった彼は、1950年代には自身のカンパニーも設立し、映画や舞台の仕事中心に活動します。72年にはストラスブールのライン・バレエの芸術監督になりますが、1年で退任。1979年から6年間は、モーリス・ベジャールの「Life」を踊ります。1983年に、バビレは自身が1946年に初演した「若者と死」(ローラン・プティ振付)をシャトレ座にて再び踊りました。

彼を追ったドキュメンタリー映画「Le Mystère Babilée」( 『神秘のダンサー ジャン・バビレ』)は2000年にベンサード・パトリックが監督して作られています。

(このダイジェスト映像は、彼の妻Zapo BabiléenのYouTubeチャンネルにアップされています。
http://youtu.be/R_vUkwQckkE

http://youtu.be/HkovxHTh3nA

この抜粋では、バビレとミハイル・バリシニコフが語り合っています。

『神秘のダンサー ジャン・バビレ』は、彩の国さいたま劇場の『dance on screen2012』でも上映されています。また再上映されないかしら。

ベジャールの「ライフ」
http://youtu.be/axsnmjYSBhE

フランスのダンソマニで紹介されていた、若き日のバビレを捉えたこの写真、すごいです。
http://www.theguardian.com/artanddesign/gallery/2009/oct/01/willy-rizzo-best-shoot

バビレはレジオンドヌール勲章や芸術文化勲章、Officer of the National Order of Meritなどいくつかの勲章を受章しています。偉大なダンサーの一人でした。ご冥福をお祈りします。

「若者と死」については、こちらのブログの記事が大変詳しい記事を載せているので、ご紹介しますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/200905250000/
実は、熊川哲也さんの「若者と死」のDVDの特典映像が一番詳しい、というのが興味深いです。

その記事にも紹介されている、「若者と死」初演時のリハーサル映像が、3分30秒ごろ見られます。(ジャン・コクトーのドキュメンタリー)
http://youtu.be/HQb5nNcrU-I

http://vimeo.com/17084210

Le Jeune Homme et La Mort from Dance Films Association on Vimeo.

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追記:パリ・オペラ座の公式サイトにも彼の追悼記事が載っています。
http://www.operadeparis.fr/blogopera/l-opera-national-de-paris-la-tristesse-d-apprendre-le-deces-de-jean-babilee

2014/01/29

パリ・オペラ座の2014-15シーズン判明

海外でのクラシック音楽、オペラ、バレエのチケットの手配をしているムジークライゼンさんのブログで、パリ・オペラ座の2014-15シーズンについて載っていました。ムジークライゼンさんはパリ・オペラ座の正規代理店です。

http://blog.musik-reisen.jp/article/386383177.html

バレエ

2014/9/1~9/7 ガルニエ ヴッパータール・ダンス劇場(客演)
2014/9/20~10/3 ガルニエ ランダー&フォーサイス
2014/10/21~11/7 ガルニエ レイン
2014/11/26~12/29 バスティーユ くるみ割り人形
2014/11/29~12/30 ガルニエ ラ・ソース(泉)
2014/12/31 バスティーユ くるみ割り人形 年末特別公演
2014/12/31 ガルニエ ラ・ソース(泉) 年末特別公演
2015/1/6~1/10 ガルニエ スウェーデン王立バレエ団(客演)
2015/2/3~2/20 ガルニエ ポール&RIGAL&LOCK
2015/2/24~3/12 ガルニエ 大地の歌
2015/3/11~4/9 バスティーユ 白鳥の湖
2015/4/3~4/8 ガルニエ バレエ学校スペクタクル 
2015/4/20~5/20 ガルニエ マノン
2015/5/2~5/19 ガルニエ パキータ
2015/5/28~6/6 ガルニエ 天井桟敷の人々
2015/6/29~7/14 ガルニエ ラ・フィーユ・マル・ガルデ
2015/7/4~7/16 バスティーユ L’Anatomie de la sensation (感覚の解剖学)

オペラ

2014/9/8~10/12 バスティーユ ヴェルディ;椿姫
2014/9/19~11/3 バスティーユ ロッシーニ;セヴィリアの理髪師
2014/10/10~11/28 バスティーユ プッチーニ;トスカ
2014/10/16~2015/2/15 ガルニエ モーツァルト;後宮からの誘拐
2014/11/20~12/18 ガルニエ フンパーディンク;ヘンゼルとグレーテル
2014/11/30~12/30 バスティーユ プッチーニ;ラ・ボエーム
2015/1/15~2/14 バスティーユ モーツァルト;ドン・ジョヴァンニ
2015/1/22~2/17 バスティーユ R.シュトラウス;ナクソス島のアリアドネ
2015/2/7~2/28 バスティーユ ドビュッシー;ペレアスとメリザンド
2015/3/2~3/28 バスティーユ グノー;ファウスト
2015/3/27~4/21 ガルニエ マスネ;ル・シッド
2015/4/3~4/26 バスティーユ ドヴォルザーク;ルサルカ
2015/4/17~6/28 バスティーユ モーツァルト;魔笛
2015/5/16~6/14 バスティーユ パーセル;アーサー王
2015/6/16~7/15 ガルニエ グルック;アルセステ
2015/6/23~7/15 バスティーユ チレア;アドリアーナ・ルクヴルール

(正式発表ではないので、正確には2月終わりごろに行われる公式発表をお待ちください)


バンジャマン・ミルピエ新芸術監督の一シーズン目です。(このシーズンの終わりまでは、ルフェーブルがプログラミングしています)
バレエについては、来シーズンは古典が多いらしいと聞いていましたが、実際そうだったのですね。でも日本から観に行くお客さんにとっては楽しめるのではないでしょうか。

年々チケット入手が困難になっているオペラ座ですが、自力で取れるか不安な方は、ムジークライゼンさんに手配を依頼するとよいかと思います。

******
というわけで、もう少し詳しく解説を。

ゲスト・カンパニーその1のピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団は「Two Cigarettes in the Dark」という作品を持ってくる予定です。(1985年の作品で、ビング・クロズビーの歌を使用しているとのこと)

ランダーは、間違いなく「エチュード」だと思われます。フォーサイスに関しては、現時点では何の作品かは不明です。

「レイン」はアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの作品で、最近では2011年にオペラ座で上演されています。

「ラ・ソース(フランス語発音ではラ・スルス、「泉」)」は、ジャン・ギョーム・バールの作品で、2011年初演。12月は、古典とコンテンポラリーのプログラムを同時に上演することが多いのですが、「泉」は振付は古典で、音楽はドリーブ、サン・レオンの作品の蘇演というか再振付です。衣装はクリスチャン・ラクロワがデザインしていてとても美しいです。作品自体もとても高い評価を得ました。

ゲストカンパニーその2は、スウェーデン・ロイヤル・バレエ。マッツ・エックがこのバレエ団のために2013年に振付けた「ロミオとジュリエット」を上演する予定です。

「ポール、リガルとロック」は、珍しく今回唯一のコンテンポラリートリプルビル。ポールは、パリオペラ座のスジェであるニコラ・ポールのことです。彼は以前から振付に意欲を燃やしていて、すでに1作品をオペラ座で上演しています。Pierre Rigalは若手の振付家。ロックは、ラ・ラ・ラ・ヒューマンステップスのエドゥアール・ロックです。新作になるのか、すでにオペラ座で上演されている作品なのかは不明。

「大地の歌」は、振付家が不明ですが、ケネス・マクミランの「大地の歌」もかつてオペラ座で上演されたことはあります。ただ、65分と短い作品のため、これ一本なのか、もう一つ作品が上演されるかはわかりません。マクミランの作品でない可能性もあります。

「マノン」は、定年となったオーレリー・デュポンのさよなら公演が行われる予定です。

「パキータ」は昨年9月のボリショイ劇場でのパリ・オペラ座バレエの公演で上演されています。

「天井桟敷の人々」は、去年の来日公演でも踊られているのおなじみです。3回目の上演となります。

「ラ・フィユ・マル・ガルデ」も、アシュトンの作品なのにオペラ座での上演頻度が高く、人気のある作品です。ミリアム・ウルド=ブラムがリーズ役でエトワールに昇進しました。

「 L’Anatomie de la sensation (感覚の解剖学)」はウェイン・マクレガーの振付作品。一部が、2012年の世界バレエフェスティバルのガラで上演されたことを覚えている方も多いことでしょう。フランシス・ベーコンの絵画にインスピレーションを得た作品です。

ミルピエの最初のシーズンですが、ミルピエの振付作品が見当たらないため、彼は一年目は振付よりアドミニストレーションに専念するのかもしれません。もしくは、古典作品のミルピエ改訂版があったりするかもしれません。詳細の発表が待たれます。

2014/01/28

第42回ローザンヌ国際バレエコンクールスタート

このブログに、ローザンヌ国際バレエコンクールで検索される人が大幅に増えて、ああ、ローザンヌの季節がやってきたのね、と実感する今日この頃です。1月26日~2月1日の開催です。

まずは、日本から予選を通過してローザンヌに到達したダンサーたちの名前をご紹介しますね。


女子
① 阿部夏香 アクリ・堀本バレエアカデミー

② 新井花奈 アクリ・堀本バレエアカデミー

③ 池田絢音 一柳多鶴バレエ学園

④ 石原朱莉 山本禮子バレエ団付属研究所

⑤ 川添智香 デパルク バレエスクール

⑥ 熊谷佐保  パシフィック・ノースウェスト・バレエ

⑦ 前田紗江 マユミ キノウチ バレエ スタジオ

⑧ 荻野あゆ子 法村友井バレエ学校

⑨ 大谷遥陽 佐々木三夏バレエアカデミー

⑩  高橋怜衣 エプリバレエスタジオ

⑪ 立川透子 福谷葉子バレエスタジオ

⑫  寺沢里紗 ゴー・バレエ・アカデミー 

⑬ 鳥居舞羽 法村友井バレエ学校

⑭ 脇田紗也加 豊田バレエ学校

⑮  渡邊綾 山本禮子バレエ団付属研究所

⑯  山田夏生 白鳥バレエ学園

男子
① 加藤三希央 モナコ・プリンセス・グレース・アカデミー 

② 水島裕哉 インターナショナル・バレエ・アカデミー

③ 森春陽 プティバレエスタジオ

④  二山治男 白鳥バレエ学園

⑤  大塚卓 Kバレエスクール


さて、ローザンヌ国際コンクールは、近年、ソーシャルメディアでの情報提供が大変充実しています。Twitterでは公式ツイート@pdl_tweets で写真や情報を配信していますし、フランスのダンソマニエも現地でレポートしてくれています。@dansomanie

さらに、日本からは、男の子向けバレエ雑誌Dancin'の編集部も現地に赴いています。@dancin_magazine Dancin'に連載されているコミック「バレエ・ヒーロー・ファンタジー ダンの冒険」がローザンヌとコラボし、出場者の写真撮影スポットの背景に、ダンシンの大人気連載漫画「バレエヒーローファンタジー」が選ばれたとのことです(モデルとなっているスティーヴン・マックレーがローザンヌで受賞した縁があるため)。ローザンヌコンクールのサイトでも、その撮影した写真が続々アップされています。Dancin'のTwitterでは、ローザンヌの前にベルリン国立バレエで「マラーホフ&フレンズ」、そしてシュツットガルト・バレエで「クラバート」を観てきたとのことで、そのレポートも。

ローザンヌ国際コンクールのFacebookサイトでも、コンクールの様子が続々アップされています。
https://www.facebook.com/PrixdeLausanne

ビデオブログもスタートしています。
http://www.prixdelausanne.net/v4/index.php/fr/Videoblog-2014/

またはローザンヌ国際コンクールのYouTubeオフィシャルチャンネルでも。
https://www.youtube.com/user/PrixdeLausanne

毎年、Swissinfoでは、ローザンヌ国際コンクールの詳細なレポートを配信しています。
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=34224698

今年は、バレエと健康の関係についてフォーカスしています。
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=37787726

ニュース動画を観ることもできます。
http://www.rts.ch/video/info/journal-12h45/5565510-le-prix-de-lausanne-a-debute.html

また、決勝進出者が決まったらレポートしますね。

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ワディム・ムンタギロフがロイヤル・バレエに移籍

ENBのリード・プリンシパルであるワディム・ムンタギロフが、ロイヤル・バレエに移籍することが電撃的に発表されました。

Vadim Muntagirov to join The Royal Ballet as a Principal dancer
27 JANUARY 2014 AT 5.17PM

Russian-born dancer will make his Company debut in The Sleeping Beauty.
http://www.roh.org.uk/news

ロイヤル・オペラハウスの記事がリンク切れをしているので、Dance Tabsに掲載されたリリースにリンクします。
http://dancetabs.com/2014/01/vadim-muntagirov-to-join-the-royal-ballet-as-a-principal-dancer/

ワディム・ムンタギロフのロイヤル・バレエでのデビューは、3月25日の「眠れる森の美女」、パートナーは高田茜さんです。(高田さんの役デビュー) また、新作「冬物語」(ウィールダン振付)にも出演が予定されています。

23歳のワディムは、ロシアのチェルビンスク生まれ。99年にペルミバレエ学校に入学し、2006年のローザンヌ国際コンクールで銀賞を獲得し、ロイヤル・バレエ・スクールへ。2009年にENBに入団しました。2011年にプリンシパル、2012年にリード・プリンシパルに昇進しました。2013年には、ブノワ賞を受賞しています。


一方で、金の卵をここまで育てたENBもプレスリリースを出しています。
http://blog.ballet.org.uk/vadim-muntagirov-join-royal-ballet/

これによると、ワディムは2月末で退団し、そのため、ラッセル・マリファント、アクラム・カーン、リアム・スカーレットの3人の振付家による新作、および「ロミオとジュリエット」には出演しないとのことです。

グラハム・ワッツ氏による詳しい解説記事。
http://londondance.com/articles/news/vadim-muntagirov-to-join-royal-ballet/

*****
一方で、ロイヤル・バレエでは、ソリストのダヴィッド・チェンツェミエックがやはり電撃的に退団することが報道されています。木曜日にカンパニーを去るとのこと。

Royal Ballet faces new revolt from dancers over overwork (テレグラフ紙)
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/10597060/Royal-Ballet-faces-new-revolt-from-dancers-over-overwork.html

この記事によれば、ダヴィッドは、十分にケアされず、また指導もされなかったことを不満に思っていたと友人に漏らしていたとのことです。そして、彼が移籍するのは、ヨハン・コボーが芸術監督に就任したルーマニア国立ブカレスト歌劇場バレエで、プリンシパルとなります。ヨハン・コボーの退団も急だったので、この記事の中では様々な憶測があります。

ダヴィッドは、ヨハン・コボーが振付けた「ラ・シルフィード」でジェームズ役に抜擢され、タマラ・ロホと踊りました。ポーランド出身の彼は、長身で身体のラインが美しいダンサー。ソリストながら、「ラ・シルフィード」のほか、「くるみ割り人形」の王子役も踊り、また「眠れる森の美女」では高田茜さんを相手に王子役を踊る予定でした。

この記事では、一方で、ロイヤル・バレエのコール・ドのダンサーたちが待遇に不満を持ち、労働組合とカンパニーのスタッフを交えて12月に話し合いを持ち、1時間の固定した昼休みを獲得したと書いてあります。

組合のスポークスマンによれば、現在のスケジュールが過密で常にプレッシャーにさらされており、怪我をする危険性と隣り合わせだったため、それを訴えたとのことです。ロイヤル・オペラハウスのスポークスマンは、クリスマスは毎年とても忙しい時期で、怪我人や病気となる人が増えるため、さらに忙しさが増すとも。新作を覚えなくてはならないことも拍車をかけるとのことです。

この記事については、ダンスではなくエンターテインメント専門の記者が書いているため、センセーショナリズムに流れ、暗にケヴィン・オヘアを批判しているトーンが感じられます。(コボーとコジョカルの退団についても触れています)
また、ダヴィッドの件についても、本人に取材しているわけではないので、どこまで信用できる内容なのか疑問符が立ちます。

*****
ワディム・ムンタギロフは、ABTにゲスト出演した経験もあり、また新国立劇場バレエ団ではシーズンゲストとして多くの作品に出演するなど、国際的なスターとなりつつあります。ENBをいつか去るのではないかという憶測もありました。もともとロイヤル・バレエスクール出身だったのですが、英語があまり得意でなく教師とのコミュニケーションがうまくとれなかったことから、ロイヤル・バレエには入団できずENBに入団したわけです。ベテラン・バレリーナのダリア・クリメントヴァと共演したところ、彼女を甦らせたと大絶賛され、二人のパートナーシップはヌレエフとフォンテーンになぞらえられました。

パートナーを失ってしまうクリメントヴァのことも気になります。予定されていたクリメントヴァとムンタギロフの「ロミオとジュリエット」は、クリメントヴァの最後のジュリエットとなるのではないかという噂がありました。

また、ロイヤル・バレエは、ケヴィン・オヘアが芸術監督となってから、ナタリア・オシポワをはじめ、マシュー・ゴールディング、そして今回のムンタギロフと外のバレエ団からプリンシパルを連れていく傾向が顕著です。バレエ団内から引き立てることをせず、外から入団させたり、ゲストとして呼ぶことが目立つ彼のその政策を批判する人も多くいます。その反面、昨シーズンから、コジョカル&コボー、ロホ、ベンジャミン、ガレアッツィなどが去り、プリンシパルダンサーについては、特に男性ダンサーは明らかに人材不足となっていました。

イーサン・スティーフェル振付、イリーナ・ドヴォロヴェンコらが出演のTVドラマシリーズ'Flesh and Bone'

アメリカのケーブルテレビ向けペイテレビ局Starzは、'Flesh and Bone'というタイトルのテレビドラマシリーズを放映することを発表しました。春から撮影がスタートするそうです。放映は2015年の予定。

Dresden Ballet Dancer Wins Lead Role in New Starz Series
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2014/01/26/dresden-ballet-dancer-wins-lead-role-in-new-starz-series/?smid=nytimesarts

Ballet Drama 'Flesh and Bone' Ordered to Series at Starz
http://www.hollywoodreporter.com/live-feed/ballet-drama-flesh-bone-ordered-658349

最近アメリカでは、バレエ界を描いたドラマシリーズが流行しており、バレエ・ウェストを舞台にしたリアリティシリーズ「Breaking Pointe」や、ABC Familyでの「Bunheads(バレエ・ガールズ~パラダイスへようこそ~)」などが放映されてきました。しかしながら、これらは大成功したとは言えず、シリーズ続編が中止になったりしています。

今回の'Flesh and Bone'は、リアリティものではなく純粋なドラマ仕立てです。主役のバレリーナ、クレア役はオーディションの結果、ドレスデン・バレエのコリフェであるサラ・ヘイが選ばれました。

人気ドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」のプロデューサー兼脚本家であるモイラ・ウォーリー・ベケット(自身も元ダンサー)は、一人のバレリーナが自分を一人のアーティストとして、そして女性として認めていく過程を描いた、ダークなドラマだと語っています。ニューヨークのバレエカンパニーに入団した、繊細で純粋で、傷ついた過去を持ち自己破壊願望を見せる女性がヒロインです。エグゼクティブプロデューサーには、アカデミー賞にノミネートされたローレンス・ベンダー(「イングロリアス・バスタード」「グッド・ウィル・ハンティング」)、そして「愛と喝さいの日々」に主演したレスリー・ブラウンの親戚であるケヴィン・ブラウンなどが名前を連ねています。

バレエ団のプリマ・バレリーナ役にはイリーナ・ドヴォロヴェンコ、彼女のパートナーで元恋人役のダンサーにはサシャ・ラデツキーがキャスティングされました。イリーナはブロードウェイミュージカル「オン・ユア・トウズ」で好演し、ラデツキーも映画「センターステージ」に出演しているなど、演技経験があります。ドラマのコンサルタントであり、振付家には、やはり「センターステージ」に出演したイーサン・スティーフェルが起用されました。

サラ・ヘイは映画「ブラック・スワン」にもコール・ド・バレエのダンサー役で出演しています。しかし、ボディ・ダブルを使った「ブラック・スワン」と異なり、このドラマではダンスシーンはすべてその役を演じるダンサーが踊ります。現役のバレエダンサーが出演するそうです。撮影はニューヨークで行われる予定です。

サラ・ヘイはスクール・オブ・アメリカン・バレエを経て、ABT付属ジャクリーン・ケネディ・オナシススクールを卒業し、2010年に入団したドレスデン・バレエでは「シンデレラ」の主役をはじめ、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠れる森の美女」などにも出演しています。

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英国ナショナルダンスアワード発表

英国ダンス界の最高の賞である、第14回ナショナルダンスアワード2013が発表されました

http://dancetabs.com/2014/01/2013-national-dance-awards-winners-announced/

対象となるのは、2012年9月1日から2013年8月31日のあいだに英国内で上演された作品とダンサーです。

The 2013 Winners

BEST CLASSICAL CHOREOGRAPHY クラシックバレエ振付賞
Christopher Wheeldon for Aeternum by The Royal Ballet
クリストファー・ウィールダン、ロイヤル・バレエ「Aeternum」

BEST MODERN CHOREOGRAPHY  現代ダンス振付賞
Russell Maliphant for Fallen by BalletBoyz® The TALENT
ラッセル・マリファント バレエボーイズ・サ・タレント「フォールン」

OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (CLASSICAL) クラシックバレエ男性ダンサー賞
Nicolas Le Riche for Le Jeune Homme et la Mort / English National Ballet
ニコラ・ル=リッシュ ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)「若者と死」

DANCERS PRO AWARD FOR OUTSTANDING MODERN PERFORMANCE (FEMALE) 現代ダンス女性ダンサー賞
Julie Cunningham for New Works 2012 / Michael Clark Company
ジュリー・カニンガム マイケル・クラーク・カンパニー

OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (CLASSICAL) クラシックバレエ女性ダンサー賞
Yuan Yuan Tan for RAkU / San Francisco Ballet
ヤンヤン・タン 「RAKU」サンフランシスコ・バレエ

DANCERS PRO AWARD FOR OUTSTANDING MODERN PERFORMANCE (MALE) 現代ダンス男性ダンサー賞
Paul White for The Oracle / Meryl Tankard
ポール・ホワイト 「The Oracle / Meryl Tankard」

JANE ATTENBOROUGH DANCE UK INDUSTRY AWARD ダンスUK賞
Amanda Chinn, General Manager of Scottish Dance Theatre
アマンダ・チン、スコティッシュ・ダンス・シアターのジェネラル・マネージャー

GRISHKO AWARD FOR BEST INDEPENDENT COMPANY ベスト独立カンパニー賞
BalletBoyz® The TALENT
バレエ・ボーイズ・ザ・タレント

STEF STEFANOU AWARD FOR OUTSTANDING COMPANY 最優秀カンパニー賞
Mikhailovsky Ballet
ミハイロフスキー・バレエ

THE DANCING TIMES AWARD FOR BEST MALE DANCER 最優秀男性ダンサー賞
Dane Hurst / Rambert Dance Company
デーン・ハースト ランベール・ダンス・カンパニー

GRISHKO AWARD FOR BEST FEMALE DANCER 最優秀女性ダンサー賞
Natalia Osipova / Mikhailovsky Ballet
ナタリア・オシポワ ミハイロフスキー・バレエ

DE VALOIS AWARDS FOR OUTSTANDING ACHIEVEMENT ニネット・ド・ヴァロワ記念 貢献賞
Leanne Benjamin
Matthew Bourne
リアン・ベンジャミン、マシュー・ボーン

ガーディアン紙の記事はこちらです。
http://www.theguardian.com/stage/dance-blog/2014/jan/27/national-dance-awards-natalia-osipova-ramberts-dane-hurst

ノミネートについての記事はこちら。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2013/11/2014-8a67.html

今年の最優秀男性ダンサーは、ランベール・ダンス・カンパニーのダンサーに授与され、通常クラシックバレエのダンサーが受賞することが多い中、異例のことのようです。(ノミネートされたのは、ほかにポルーニン、ムンタギロフ、ワトソン)

また、クラシックバレエのダンサーに授与される賞は、両方とも、海外のカンパニーのベテランダンサー、ニコラ・ル=リッシュとヤンヤン・タンに贈られました。特にニコラ・ル=リッシュの「若者と死」の踊り(タマラ・ロホと共演)は絶賛されています。今年パリ・オペラ座を定年で去る彼ですが、勅使川原三郎さんとの日本でのコラボレーションが予定されているなど、ダンサーとしての活動は今後も活発に続けるようです。

2014/01/26

ボリショイ・バレエ来日公演と来日ダンサー

今年11月~12月のボリショイ・バレエ来日公演について、来日予定ダンサー名がジャパンアーツのサイトで発表されていました。

http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_search.php?disp=calendar&sell_flg=1&info_sche_year=2014&info_sche_month=03


2014/03/08(土) チケット発売

ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」

2014/11/20(木) 19:00
Bunkamura オーチャードホール
11/24(月・祝) 17:00
Bunkamura オーチャードホール
11/26(水) 13:00
Bunkamura オーチャードホール
11/26(水) 19:00
Bunkamura オーチャードホール


ボリショイ・バレエ「ラ・バヤデール」

2014/12/03(水) 18:30
東京文化会館
12/04(木) 12:00
東京文化会館
12/04(木) 18:30
東京文化会館


ボリショイ・バレエ「ドン・キホーテ」 

2014/12/06(土) 12:30
東京文化会館
12/06(土) 18:30
東京文化会館
12/07(日) 14:00
東京文化会館


◇ 来日予定メンバー ◇
マリーヤ・アレクサンドロワ/エフゲーニャ・オブラスツォーワ/エカテリーナ・シプーリナ/
スヴェトラーナ・ザハーロワ/セミョーン・チュージン/デイヴィッド・ホールバーグ/
ウラディスラフ・ラントラートフ/ミハイル・ロブーヒン/アレクサンドル・ヴォルチコフ/
アンナ・ニクーリナ/オリガ・スミルノワ 他
Maria Alexandrova/Evgenia Obraztsova/Ekaterina Shipulina/
Svetlana Zakharova/Semyon Chudin /David Hallberg/
Vladislav Lantratov/Mikhail Lobukhin/Alexander Volchkov/
Anna Nikulina/Olga Smirnova

※出演者は1月10日現在の来日予定メンバーです。
公演日毎の予定キャストは決定次第、ホームページ、朝日新聞広告内、
ABT(2/20~3/1)等バレエ公演会場での配布チラシにて発表いたします。

チケット代    (夢倶楽部会員価格)
S ¥22,000 ¥21,000
A ¥18,000 ¥17,000
B ¥15,000 ¥14,000
C      ¥11,000 ¥10,000
D ¥7,000 ¥6,300

3演目セット券
S   ¥63,000 ¥60,000
A ¥51,000 ¥48,000
B ¥42,000 ¥39,000


<チケット発売詳細>
3月8日(土) 10:00a.m.~ 一般 前売開始    

※ジャパン・アーツ夢倶楽部会員先行発売などで満席になった席種は、以降販売されない場合がございます。

【単券】
① 2月8日(土) 10:00a.m.~発売  夢倶楽部ネット会員 

② 2月9日(日) 10:00a.m.~発売  夢倶楽部会員 

③ 2月16日(日) 10:00a.m.~発売  ジャパン・アーツぴあネット会員 

【3演目セット券(「白鳥の湖」&「ラ・バヤデール」&「ドン・キホーテ」)】
① 抽選申込期間:1月30日(木)10:00~2月2日(日)23:00 結果配信:2月6日(木)夜  夢倶楽部ネット会員 

②受付開始日:2月9日(日)10:00~  夢倶楽部会員 

③抽選申込期間:2月8日(土)10:00~2月10日(月)17:00 結果配信:2月14日(金)夜  ジャパン・アーツぴあネット会員

<追記>
「1月30日(木)10:00より受付開始を予定しておりましたが、各公演日のキャスト決定が遅れているため、夢倶楽部ネット会員3演目セット券の受付を中止とさせていただきます。
夢倶楽部ネット会員単券は2月8日(土)10:00より、夢倶楽部会員電話受付(単券・セット券)は2月9日(日)10:00より受付いたします。」

http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=803
なので、セット券は電話でとるしかないということですね。

東京文化会館が11月まで改装工事中のため、11月の「白鳥の湖」はオーチャードホールでの上演となります。そして「ラ・バヤデール」は全部平日の上、一回はマチネ公演。「ドン・キホーテ」ばかりが土日という変則的なスケジュールです。

まだ発表されていませんが、おそらく間に地方公演が入るのではないかと思われるので、こちらの発表も待たれますね。
(追記:ジャパンアーツのTwitterによれば、
【ボリショイ・バレエ】日本公演は東京の他、宇都宮、名古屋、大津、富山、大阪、浜松での公演を予定しております。
とのことです。

来日予定メンバーは今回はなかなか豪華です。夏のロンドン公演で舞台上で怪我をしてしまったマリーヤ・アレクサンドロワが出演予定なのが嬉しいですし、前回来なかったザハロワ、そして浜松公演のみだったホールバーグも期待できそうです。しかしアルチョム・オフチャレンコ、アンドレイ・メルクリエフ、ルスラン・スクヴォルツォフの名前がないのがちょっと気になります。

ボリショイは、若手の男性ダンサーで素敵な人もいっぱいいるので、脇役を観る楽しみもあります。

フィーリンの目もこの時までは回復していることを祈ります。

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パシフィック・ノースウェスト・バレエの中村かおりさん、引退

パシフィック・ノースウェスト・バレエのプリンシパルとして長年活躍した中村かおりさんが、 2013-2014シーズンの終わりに引退することが発表されました。

Principal Dancer Kaori Nakamura to Retire at End of the 2013-2014 Season
http://blog.pnb.org/2014/01/press-release-principal-dancer-kaori.html

群馬県の山本禮子バレエ団で学んだ中村さんは、1986年のローザンヌ国際コンクールで1位となり、スクール・オブ・アメリカン・バレエに留学。88年にはヴァルナ国際コンクールで銅賞を受賞。卒業後90年に入団したロイヤル・ウィニペグ・バレエでプリンシパルに上りつめ、97年にパシフィック・ノースウェスト・バレエにソリストとして入団、98年にはプリンシパルとなります。

バランシン振付「真夏の夜の夢」のDVD(99年)では、中村かおりさんは蝶の役で出演しています。また、数多くの作品で主演を務め、カンパニーを代表するバレリーナでした。バランシンのほとんどの作品をはじめとして、ラトマンスキー振付「ドン・キホーテ」のキトリや、「眠れる森の美女」といった古典から、フォーサイス「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」やキリアンの「小さな死」、ジャン・クリストフ・マイヨーの「ロミオとジュリエット」などの現代作品までレパートリーは幅広く、強靭さと気品を併せ持っていました。

日本では、2007年の「ローザンヌ・ガラ」に「Kaori & Lucien」で出演しています。幸いにしてこれは観ることができました。

アレクセイ・ラトマンスキーは、ロイヤル・ウィニペグ・バレエ時代のパートナーであり親しい友人でした。上記の通り、2012年にパシフィック・ノースウェスト・バレエで初演された「ドン・キホーテ」を彼は彼女に振付けていました。「私はいつもカオリの軽々とこなし、軽やかで鋭くフェミニンな踊りを称賛していました。技術的には、彼女はどんなことでもできましたが、芸術的に花開くことができたのは、シアトルにいたからであり、彼女が自分の才能をパシフィック・ノースウェストバレエに捧げたことをうれしく思います」と彼はコメントしています。

もうすぐ43歳となる中村さんについては、「17年前にこのバレエ団に入団したのと同じような完璧な軽やかさと優しげな強さを持っています」とシアトルタイムズは評しています。しかし、彼女は五度目となる「眠れる森の美女」の主演で舞台を降り、パシフィック・ノースウェスト・バレエ学校の教師に転身します。

http://seattletimes.com/html/thearts/2022731092_kaorisleepingbeautyxml.html

「ほとんどのバレエ作品を私は踊り続けることはできます。でも、見苦しくなるまで踊り続けたくないのです」と彼女は語っています。中村さんは、昨年引退することを考えましたが、芸術監督のピーター・ボウルが、まだ踊り続けてほしいと引き止めました。「何回か引退したいと言ってましたが、毎回『まだ駄目だ』と答えました」とボウル。「彼女は、あと3年はこのレベルで踊り続けられるでしょう」と。

引退までに、中村さんは「眠れる森の美女」のオーロラをはじめ、「ジゼル」、「真夏の夜の夢」などを踊り、そしてシーズン最後の「Season Encore Performance」(6月8日)は、彼女に捧げられたものとなり、彼女は今までの代表的な役柄の数々を踊ることになっています。

こちらでは、中村かおりさんの美しい舞台写真をたくさん見ることができます。
http://blog.pnb.org/2014/01/photo-retrospective-pnb-celebrates.html

中村かおりさんが踊る「小さな死」
http://youtu.be/DFaluVGPnKw

パシフィック・ノースウェスト・バレエのYouTubeチャンネルには、ほかにも「ドン・キホーテ」「眠れる森の美女」「白鳥の湖」などたくさんの中村さんの踊る映像がアップロードされています。

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2014/01/25

YAGPガラの出演者

世界最大のバレエコンクール、YAGP(ユースアメリカグランプリ)は、みなさんにもおなじみかと思います。

今年は、NYでのファイナルは4月9日にDavid H. Koch Theaterで行われます。7000人が参加し、全米14か所の他、日本、アルゼンチン、ブラジル、ベルギー、メキシコ、南アフリカで予選が行われます。5大陸、30か国から350人がファイナルに出場します。

ちなみに、日本予選で入賞者した方、ファイナル進出する方のリストはこちらです。
http://www.yagp.org/eng/japan_2014_winners.php

決勝戦では、ジュニア部門(12歳から14歳)とシニア部門(15~19歳)の出場者が、観客を前に踊り、入賞者が表彰されるとともに、世界のトップのバレエ学校へのスカラシップも授与されます。

過去にこのコンクールに出場したダンサーで、バレエカンパニーで活躍している人のリストはこちら。日本人の名前も多く見られます。
http://www.yagp.org/eng/2013/Alumni%20Success%20Stories.pdf

4月10日には、"STARS OF TODAY MEET THE STARS OF TOMORROW"という恒例のガラ公演があります。入賞者とともに、YAGPの過去の入賞者を含む世界のトップダンサーのパフォーマンスを観ることができます。今年ですでに15回目です。ポリーナ・セミオノワ、ナタリア・オシポワ、イワン・ワシーリエフといったスターがNYで初お目みえしたのも、このガラです。

今年の出演は、

ルシア・ラカッラ (ミュンヘン・バレエ)
オルガ・スミルノワ (ボリショイ・バレエ)
マチアス・エイマン (パリ・オペラ座バレエ)
コリー・スターンズ (ABT)
イザベラ・ボイルストン (ABT)
サラ・レイン (ABT)
エヴァン・マッキー (シュツットガルト・バレエ)

が出演することが発表されています。中でも最も注目されるのが、ボリショイ・バレエの新星オルガ・スミルノワ。エヴァン・マッキーと「オネーギン」を踊ります。

また、11日には、YAGP 15th ANNIVERSARY CELEBRATION というガラ公演も行われます。こちらの出演者は、

ダニール・シムキン(ABT)
アリシア・グラフ (アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンスシアター)
サラ・マーンズ (NYCB)
ローレン・ラヴェット (NYCB)
テイラー・スタンリー (NYCB)
ジェームズ・ホワイトサイド (ABT)
ブルックリン・マック (ワシントン・バレエ)
ルシア・ラカッラ (ミュンヘン・バレエ)
ダニエル・ウルブリヒト (NYCB)
エルマン・コルネホ (ABT)

こちらのガラでは、ダニール・シムキンがアリシア・グラフと踊る、アルヴィン・エイリーがミハイル・バリシニコフとジュディス・ジャミソンのために振付けたPas de Dukeを踊るのが注目されます。

*******

以前にもお知らせしましたが、このYAGPのファイナルと、"STARS OF TODAY MEET THE STARS OF TOMORROW"ガラを観劇し、さらに舞台裏まで覗けてしまうというツアーが発売されています。

【YAGP決勝とガラ公演を鑑賞 in NEW YORK】
http://entame.knt.co.jp/YAGP_2014/

■YAGPの舞台裏を見学
■YAGP決勝、授賞式を鑑賞
■ゲストダンサーによるガラ公演

ツアー限定のオプショナルが用意されています。

■「YAGP参加者のためのワークショップ」に参加
期間中に行われるワークショップに参加できます。
年齢性別問わず参加可能です(バレエ経験は5年以上必要です)
参加費:175ドル(現地で支払い)

■ゲイナー社のショールームでプロのフィッターによるトウシューズのフィッティング体験
正しい立ち方と、ダンステクニックの向上をサポートするトウシューズをぜひお試しください!
参加費:無料
※もちろん体験だけでもOKです

■旅行期間
2014年4月6日(日) ~12日(土) 5泊7日

■旅行代金(2名1室利用・大人おひとり様あたり) 1名部屋利用追加代金
249,800円                          54,000円
(燃油サーチャージ(目安:47,000円 12/4現在)および航空保険料が別途必要となります)

■お問い合わせ
近畿日本ツーリスト(株) トラベルサービスセンター東日本
『YAGP決勝とガラ公演を鑑賞 in NEWYORK』係
〒130-0022 東京都墨田区江東橋3-4-2錦糸町マークビル3F
TEL:0570-064-826 FAX:03-6730-3230
※ひかり電話・PHSからはご使用いただけません。お持ちの携帯電話よりお問い合せください。
E-mail:tourdesk51@or.knt.co.jp
※休業日・営業時間外にお送りいただいたEメールの返信は、翌営業日以降の返信となります。
営業時間 (月)~(金) 10:00~17:00 ※土・日・祝日・年末年始(12/28~1/5)は休業

*******
こちらは、フロリダで行われた、YAGPに関連したガラのDVDです。マリア・コチェトコワ、マルセロ・ゴメス、アシュリー・ボーダー、マシュー・ゴールディングらの踊りを観ることができます。マチュー・ガニオらのインタビュー映像も。

バレエ・グレイテスト・ヒッツ ユース・アメリカ・グランプリ・ガラ(DVD)
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219322936.html

2014/01/24

エトワール・ガラ2014、特設サイト開設そしてチケット発売

エトワール・ガラ2014のチケットが、まもなく発売されます。

4年ぶりの待望の公演となる今回はなんと7人のエトワールダンサーと、3人のプリンシパルが出演、出演者全員が世界の大舞台で主役を務めることができる"スーパースター"という稀にみるガラ公演です。

チケット情報
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_gala.html

2014/02/08(土)から一般発売ですが、その前に、My Bunkamura会員に登録した人は先行発売があります。登録は無料です。

My Bunkamuraでは、2014/01/27(月)が先行発売です。

S席セット券はその前の日、26日(日)発売開始です。(セット券は電話予約のみ)
Bunkamuraチケットセンター特別電話03-3477-9912<10:00~17:30>

※本公演のBunkamuraでの一般発売日<2/8>は、
Bunkamuraチケットセンターおよびオンラインチケットでの受付となります。

S¥16,000 A¥12,000 B¥8,000(税込)
S席セット券 ¥30,000(税込) (Aプロ・Bプロ同時にご購入の場合のみ)
※セット券は限定数、Bunkamuraチケットセンターのみで発売。My Bunkamura(オンラインチケット)でのお取扱いはございません。予定枚数に達し次第、販売を終了いたします。
※一般発売初日(2/8)、Bunkamuraチケットセンターはセット券、1回券ともに電話のみのお取扱いとなります。
2/9以降カウンター販売あり。


そして、とても素敵な特設サイトもオープンしました。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/14_gala/index.html

プロモーション用の動画もアップされています。
http://youtu.be/UhyRj3v4m_M

この公演の座長である、バンジャマン・ペッシュのインタビューがチャコットのダンスキューブに掲載されています。「エトワール・ガラ」に賭ける熱い思いが伝わってきます。
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1401c.html

一部引用します。

Q:エトワール・ガラは今年が4回目になりますね。

A: 初回は2005年の公演でしたが、その前の2004年から準備を始めたので、もうじき10年。回を重ねるごとに、エトワール・ガラのプログラムは意欲的になっています。 プログラムの中にはコンテンポラリーあり、ネオクラシックあり、クリエーションあり。今日のダンサーたちが観客に何を見せたいのか、というセルフプロデュース公演にはヒューマンタッチがあります。クラシック作品だけが日本の観客の心を揺すぶるものだという感じのところに、エトワール・ガラは別の色をもたらし、日本の観客が待ち望んでいたことに応えることができたと思っています。

Q:今回は何がプログラムの要ですか。

A:ローラン・プティとジェローム・ロビンズという、20世紀を代表する偉大なコレオグラファー2名へのオーマジュです。クラシック・ダンスのレパートリーの規模を広げたのが、この二人です。プティはその演劇性によって、ロビンスはその音楽性、正確さ、微妙さによって。エトワール・ガラの過去の成功のおかげで、こうしたレパートリーが踊れるアクセスが得られるようになりました。彼らの作品を日本で見せることができるのは、とてもうれしい。プログラムは毎回AとBの2つのプログラムがあって、過去に見せたものを繰り返すのはごく稀なので、毎回約20作品が必要となります。これって、なかなかたいへんなんですよ。

オランダ国立バレエがヴィクター&ロルフとコラボレーション

フランス・パリ市内で19日から23日まで14年春夏パリ・オートクチュールコレクションが開かれています。22日には、ヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)が手がける「ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)」が新作を発表しました。

<14年春夏パリ・オートクチュール>ヴィクター&ロルフ
http://www.afpbb.com/articles/-/3007097?pid=12985162&p=1

上記の記事には書かれていませんが、モデルを務めているのは、オランダ国立バレエのダンサーたち。足元が全員ポワントとなっています。

「ヴィクター&ロルフ」2014年春夏パリ・オートクチュール 肌と洋服の境界線を探る全身ゴムのコレクション(WWDJapan)
http://www.wwdjapan.com/fashion/2014/01/23/00009448.html

「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のコンセプチュアルなコレクションは、今度は「肌と洋服の境界を探る」をテーマとした。

 モデルの代わりに起用したバレリーナが身につけているのは、全身ラテックス(ゴム)のドレスたち。ヌードやヌードピンク、モデルが黒人ならチョコレートブラウンのドレスは、体にピッタリと密着するため、モデルの"ナマ肌"とゴムドレスの境界が判然としなくなる。そこに加えたのは、手描きのリボンやプリーツ。ゴムは体に密着するから、3次元の構造を持ちにくい。それなら、一点一点手で描いて、ドレスのアクセントにしようという考えだ。実際はたった一着のゴムドレスは、たとえばブラトップとウエスト周りは別の色のラテックスで切り替えたり、素材が素材にも関わらずタッキングやノッティング(結ぶこと)、ドレーピング(垂らすこと)のテクニックに挑戦したり、クラフツマンシップは十二分に備わっている。

http://www.wwd.com/runway/spring-couture-2014/review/viktor-rolf

ヴィクター&ロルフは、オランダ国立バレエで初演される、ヨルマ・エロの新作の衣装と装置を手掛けています。彼らが舞台の衣装を手がけるのは初めてのことです。この作品は4月16日に世界初演されます。
http://www.het-ballet.nl/en/performances/2013-2014/dutch-doubles/

こちらの記事によれば、モデルを務めた21人のダンサーの中には、プリンシパルのアンナ・ツィガンコワとイゴーヌ・デ・ヨンもいたとのことです。
http://balletnews.co.uk/dutch-national-ballet-dancers-show-viktorrolfs-haute-couture-spring-summer-collection-2014-in-paris/


最近ファッションデザイナーとバレエのコラボレーションは増えていて、イングリッシュ・ナショナル・バレエは宣伝ビジュアルにヴィヴィアン・ウェストウッドを起用しているし、同じくウェストウッドの衣装は、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでウィーン国立バレエのダンサーたちが着用していました。バンジャマン・ミルピエの振付作品でパリ・オペラ座で上演された「アモヴェオ」の衣装はマーク・ジェイコブスが手掛けています。マリメッコも、ファッションショーにフィンランド国立バレエのダンサーたちを起用しています。

動画もありました。バレリーナたちがパドブレしています。
http://youtu.be/XrNSKnUle2E

2014/01/22

マラーホフ、ドイツ連邦政府より宮廷舞踊手の称号を授与される

ウラジーミル・マラーホフは現在、最後となる「マラーホフ&フレンズ」のガラに出演中です。

http://www.staatsballett-berlin.de/de_DE/repertoire/detail/premiere/944831

針山愛美さんのブログによると、その初日、1月21日の公演において、マラーホフは宮廷舞踊手(Kammertanzer)の称号をドイツ連邦政府より授与されたとのことです。
http://eym.jugem.jp/?eid=636

宮廷舞踊手は大変名誉ある称号で、現役ダンサーではスージン・カン、過去にはリチャード・クラガン、マリシア・ハイデ、タマシュ・ディートリッヒらが授与されています。おめでとうございます。

ドイツ語の記事
http://www.tanznetz.de/blog/26209/vladimir-malakhov-als-%25e2%2580%259eberliner-kammertanzer-ausgezeichnet

<追記>
ベルリン国立バレエのFacebookに、Kammertanzer授与のお知らせと、マラーホフ&フレンズガラの写真が数点アップされています。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.10152174699316147.1073741852.150782756146&type=1
(ところで、上野水香さんと踊る予定だった「レダと白鳥」、ナディア・サイダコワとの写真になっています)


マラーホフ&フレンズの出演者と上演作品

A SWEET SPELL OF OBLIVION, Duett 「A SWEET SPELL OF OBLIVION」
Choreographie: David Dawson
Tänzer: Elisa Carrillo Cabrera, Mikhail Kaniskin エリッサ・カリーリョ・カブレラ、ミハイル・カニスキン

DELIBES SUITE, Pas de deux 「ドリーブ組曲」
Choreographie: José Martinez
Tänzer: Mizuka Ueno, Matthew Golding 上野水香、マシュー・ゴールディング

DIE KAMELIENDAME, Pas de deux 「椿姫」
Choreographie: John Neumeier
Lucia Lacarra, Marlon Dino ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

DUETTO INOFFENSIVO, Duett 「DUETTO INOFFENSIVO」
Choreographie: Mauro Bigonzetti
Tänzer: Nadja Saidakova, Elisa Carrillo Cabrera ナディア・サイダコワ、エリッサ・カリーリョ・カブレラ

ICARUS, Solo 「イカルス」
Choreographie: Sidi Larbi Cherkaoui
Tänzer: Vladimir Malakhov ウラジーミル・マラーホフ

LEAVES ARE FADING, Duett 「葉は色あせて」
Choreographie: Antony Tudor
Tänzer: Julie Kent, Sascha Radetsky ジュリー・ケント、サシャ・ラデツキー

LEDA AND THE SWAN, Duett 「レダと白鳥」
Choreographie: Roland Petit
Tänzer: Mizuka Ueno, Vladimir Malakhov 上野水香、ウラジーミル・マラーホフ

LES INTERMITTENCES DU COEUR: MOREL & ST. LOUP, Duett 「プルーストよりモレルとサン・ルー」
Choreographie: Roland Petit
Tänzer: Rainer Krenstetter, Marian Walter ライナー・クレンシュテッター、マリアン・ワルター

LIGHT RAIN, Duett 「ライト・レイン」
Choreographie: Gerald Arpino
Tänzer: Lucia Lacarra, Marlon Dino ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ

SINATRA SUITE, Duett 「シナトラ組曲」
Choreographie: Twyla Tharp
Tänzer: Julie Kent, Sascha Radetsky ジュリー・ケント、サシャ・ラデツキー

SPRING WATERS Duett 「春の水」
Choreographie: Assaf Messerer
Tänzer: Irina Perren, Marat Shemiunov イリーナ・ペレン、マラト・シェミウノフ

THE OLD MAN AND ME, Duett 「THE OLD MAN AND ME」
Choreographie: Hans van Manen
Tänzer: Beatrice Knop, Vladimir Malakhov ベアトリス・クノップ、ウラジーミル・マラーホフ


シディ・ラルビ・シェルカウイがマラーホフのために振付けたというソロ、「イカルス」がどんな作品か、ちょっと興味を惹かれます。

2014/01/21

バーミンガム・ロイヤル・バレエと新国立劇場バレエ団の「パゴダの王子」キャスト

2011年に新国立劇場バレエ団で初演された、デヴィッド・ビントレー振付の「パゴダの王子」は、ビントレーのバーミンガム・ロイヤル・バレエでも初演されます。

http://brb.org.uk/masque/index.htm?act=WhatsOn&urn=26724&tsk=show

写真ギャラリーで使われている写真は、新国立劇場バレエ団での初演の時のものです。

バーミンガム・ロイヤル・バレエでの「パゴダの王子」の、マンチェスターThe Lowryでの公演のキャストが発表されていました。
http://brb.org.uk/masque/index.htm?act=WhatsOn&urn=30151&tsk=fullcast

30 January 2014 7:30 pm

Princess Belle Sakura: Momoko Hirata 平田桃子
The Salamander Prince: Joseph Caley
Empress Epine: Elisha Willis
The Emperor: Rory Mackay
King of the North: Mathias Dingman
King of the East: Chi Cao
King of the West: James Barton
King of the South: Tyrone Singleton


31 January 2014 2:00 pm

Princess Belle Sakura: Miki Mizutani 水谷実喜
The Salamander Prince: Mathias Dingman
Empress Epine: Céline Gittens
The Emperor: Valentin Olovyannikov
King of the North: Kit Holder
King of the East: William Bracewell
King of the West: James Barton
King of the South: Brandon Lawrence

31 January 2014 7:30 pm

Princess Belle Sakura: Jenna Roberts
The Salamander Prince: Yasuo Atsuji 厚地康雄
Empress Epine: Samara Downs
The Emperor: Jonathan Payn
King of the North: Oliver Till
King of the East: Tzu-Chao Chou
King of the West: Feargus Campbell
King of the South: Tyrone Singleton

1 February 2014 2:00 pm

Princess Belle Sakura: Momoko Hirata 平田桃子
The Salamander Prince: Joseph Caley
Empress Epine: Elisha Willis
The Emperor: Rory Mackay
King of the North: Mathias Dingman
King of the East: Chi Cao
King of the West: James Barton
King of the South: Tyrone Singleton

1 February 2014 7:30 pm

Princess Belle Sakura: Jenna Roberts
The Salamander Prince:  Yasuo Atsuji  厚地康雄
Empress Epine: Samara Downs
The Emperor: Jonathan Payn
King of the North: Oliver Till
King of the East: Tzu-Chao Chou
King of the West: Feargus Campbell
King of the South: Tyrone Singleton

王子/サラマンダー役には、新国立劇場バレエ団からバーミンガム・ロイヤル・バレエに戻った厚地康雄さんが、そしてさくら姫役には、2009年にローザンヌ国際コンクールでスカラシップを獲得し、2012年に入団したばかりの水谷実喜さん、そして平田桃子さんが出演する予定となっています。日本が舞台になっている作品とはいえ、若手の厚地さんや水谷さんが抜擢されているのは嬉しい限りです。

また、新国立劇場バレエ団での初演キャストである小野絢子さん、福岡雄大さんは、バーミンガムでの公演にゲスト出演する予定です。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/131020_003463.html
【出演日】 2014年2月27日(木)午後7時30分開演、2014年3月1日(土)午後7時30分開演
【会場】  英国バーミンガム・ヒッポドローム

こちらは初演の時の特設サイト
http://www.atre.jp/11pagodas/


なお、新国立劇場バレエ団で6月に上演される「パゴダの王子」のキャストも、少し前に発表になっていました。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/131225_003664.html

【さくら姫】
小野絢子     (6月12日 19:00/15日 14:00)
 米沢 唯     (6月13日 14:00/14日 19:00)
奥田花純     (6月14日 14:00)

【王子】
福岡雄大     (6月12日 19:00/15日 14:00)
 菅野英男     (6月13日 14:00/14日 19:00)
奥村康祐     (6月14日 14:00)

【皇后エピーヌ】
湯川麻美子    (6月12日 19:00/15日 14:00)
 本島美和     (6月13日 14:00/14日 19:00)
長田佳世     (6月14日 14:00)

注目すべきなのは、まだコール・ドのダンサーである奥田花純さんがさくら姫に抜擢されていることです。「アポロ」「結婚」でソリストの役を好演した彼女、これからの活躍が楽しみですね。王子役の奥村さんともども、フレッシュなコンビです。初演の時はさくら姫役だった長田さんがエピーヌ役でどんな怪演をみせてくれるかも楽しみです。

今年の公演の情報はこちら
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/performance/140612_001620.html

ビントレー芸術監督時代の最後を飾る「パゴダの王子」、日本という国の再興にかける思いが込められた素敵な作品です。舞台美術も本当にファンタジックでマジカルで楽しいし。ぜひ、毎回満席にして、ビントレーさんを笑顔で送り出したいと思います。

<追記>
バーミンガム・ロイヤル・バレエのサイトで、「Creating Pagodas」という、パゴダの王子のプロダクション製作に関する特設ブログがあります。衣装制作の様子、舞台装置などが登場していて大変面白いです。新国立劇場バレエ団も、こういう、ブログ形式で軽くアクセスしやすいサイトを作ればいいのにね。

http://www.creatingpagodas.com/

2014/01/19

タナキル・ル・クラークのドキュメンタリー映画がベルリン映画祭に出品

ジョージ・バランシンのミューズであり、彼の4番目で最後の妻だったバレリーナ、タナキル・ル・クラーク。ジェローム・ロビンスの「牧神の午後」の初演者であることも知られています。

「牧神の午後」を踊るタナキル・ル・クラークとジャック・ダンボワーズ
http://youtu.be/lmnnhq_ZXlw

バレエ漫画が好きな人には、山岸凉子さんの「黒鳥―ブラック・スワン」の登場人物としても記憶があるのではないでしょうか。

女優のような美貌とバランシンスタイルを体現するプロポーション、強靭な身体能力に恵まれたタナキル・ル・クラークは、1929年にパリで生まれました。スクール・オブ・アメリカンバレエの学生だった15歳の時にバランシンの「フォー・テンペラメンツ」の「いらだち」のソリストを踊りました。その後も、「シンフォニー・イン・C」「ラ・ヴァルス」「ウェスタン・シンフォニー」「コンチェルト・バロッコ」の初演を踊り、またバランシンの「くるみ割り人形」のDew Drop役を初演しました。ジェローム・ロビンスも彼女に魅せられ、1952年、22歳の彼女がバランシンと結婚すると聞いた時には失恋に苦しみました。

ウェスタン・シンフォニー
http://youtu.be/llJmiAaR_9o

しかし、NYCBの56年のデンマークへのツアーの際、タナキル(愛称タニー)は意識を失ってしまいました。当時猛威を振るっていたポリオに感染してしまったのです。人工呼吸器につなげられ、意識が回復しないと思われましたが、それは取り戻した。しかし、彼女の体は麻痺してしまい、二度と踊れなくなりました。バランシンは献身的に看病しリハビリを手伝いまた。ロビンスも頻繁に病院を訪れて、彼女の写真を多く撮影しました。しかし彼女は腰から下が麻痺したままで、69年にバランシンと離婚しました。強い精神の持ち主だった彼女は2000年、71歳まで一人で生き延び、ダンス・シアター・オブ・ハーレムでバレエを教えたり、バレエ公演に足を運んでいました。

くしくも、彼女が15歳の時に、バランシンはポリオのチャリティのための作品を彼女に振付けていました。その作品の中で、彼女はポリオに倒れる役を演じていたのです。

苦難に満ちた人生を送った彼女だけど、その美しい姿は、「牧神の午後」「シンフォニー・イン・C」「コンチェルト・バロッコ」などの名作を通じて受け継がれています。

そのタナキル・ル・クラークについてのドキュメンタリー映画「Afternoon of a Faun」(牧神の午後)が製作されました。
http://www.afternoonofafaun.com/index.html
Facebookページ
https://www.facebook.com/TannyFilm

予告編
http://youtu.be/yKlzD3YFEAw

監督のNancy Buirski はエミー賞を受賞したことがあります。

この映画では、タニー自身の言葉、そして彼女の周りの人々の証言を通して、彼女のバレエへの愛、そしてユーモア、率直さ、情熱に満ちたパーソナリティを描き、そして20世紀アメリカでもっとも偉大な二人の振付家にインスピレーションをもたらし愛された女性の姿を振り返ります。

この映画は、2月6日から開催されるベルリン国際映画祭のBerlinale Special で上映されることが決定しています。
http://www.berlinale.de/en/presse/pressemitteilungen/alle/Alle-Detail_21524.html

またニューヨークのリンカーンセンターで劇場公開されることが決定しています。日本でもいつか観られるといいですよね。

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山岸 凉子

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2014/01/17

新国立劇場バレエ団  2014/2015シーズン ラインアップ発表

新国立劇場バレエ団の 2014/2015シーズン ラインアップが発表されました。

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/140117_003754.html

2014/2015シーズンのバレエ公演ラインアップ及び主演ダンサー(一部)が、以下のとおり決定しましたので、お知らせいたします。 (※主演ダンサーの未定部分については、決定次第お知らせいたします。)

眠れる森の美女
【演出・改訂振付】 ウエイン・イーグリング

2014年11月8日(土)14:00・9日(日)14:00・11日(火)18:30・13日(木)14:00・15日(土)14:00・16日(日)14:00

【オーロラ姫】米沢 唯(8日)、 長田佳世(13日)、瀬島五月(15日)、小野絢子(16日)
【デジレ王子】ワディム・ムンタギロフ(8日)、菅野英男(13日)、奥村康祐(15日)、福岡雄大(16日)


シンデレラ』 
【振付】フレデリック・アシュトン

2014年12月14日(日)14:00・18日(木)19:00・19日(金)14:00・20日(土)13:00/18:00・21日(日)14:00・23日(火・祝)14:00

【シンデレラ】小野絢子(14日)、長田佳世(19日)、米沢 唯(20日)、寺田亜沙子(21日)


ラ・バヤデール』 
【演出・改訂振付】牧 阿佐美

2015年2月17日(火)19:00・19日(木)14:00・21日(土)14:00・22日(日)14:00

【ニキヤ】小野絢子(17日)、米沢 唯(22日)
【ソロル】ワディム・ムンタギロフ(17日)、福岡雄大(22日)


トリプル・ビル』 

2015年3月14日(土)14:00・15日(日)14:00・19日(木)19:00・21日(土・祝)14:00・22日(日)14:00
演目名:「テーマとヴァリエーション」(ジョージ・バランシン)「ドゥエンデ」(ナチョ・ドゥアト)「トロイ・ゲーム」(新制作、ロバート・ノース振付)

 出演:新国立劇場バレエ団ダンサー


こうもり』 
【振付】ローラン・プティ

2015年4月21日(火)19:00・23日(木)19:00・25日(土)13:00/18:00・26日(日)14:00

【ベラ】海外ゲストダンサー(21日、23日)
【ヨハン】海外ゲストダンサー(21日、23日)


白鳥の湖』 
【演出・改訂振付】牧 阿佐美

2015年6月10日(水)19:00・11日(木)14:00・13日(土)14:00/18:30・14日(日)14:00

【オデット/オディール】海外ゲストダンサー(10日)
【ジークフリート】ワディム・ムンタギロフ(10日)


一言でいえば、失望しました。古典3演目(しかも2つは牧阿佐美版)と、繰り返し再演されて、もうすっかり飽きた「シンデレラ」と「こうもり」。トリプルビルは一つだけ。ビントレー作品は影も形もなし。新芸術監督のあまりの志の低さに呆れました。

ライジング・スターであるワディム・ムンタギロフが3演目にゲスト出演するのは良いことだとは思うものの、せっかく自前ダンサーだけで賄えるレベルを達成したのに、「白鳥の湖」や「こうもり」に海外ゲストダンサーを招聘するのはどうなんでしょう。瀬島五月さんは素晴らしいダンサーだと思いますが、自前の優れた団員があるのになぜゲスト?

ビントレーがバレエ団のために世界初演の新作を振付けたり、ユニークな作品をレパートリー入りさせ、若手ダンサーを登用したり、ダンサーに振付をさせたりして生み出された新風はどこに行ってしまったのでしょう。まるで彼が芸術監督としていたことが、なかったことにされているかのようです。

古典全幕はお客さんは入るでしょうけど、それでは、税金をつぎ込んでバレエ団を運営する意味はないと思います。文化の発展に何も寄与していませんので。


追記:ダンス公演のラインアップも発表されているので、併せてお知らせします。

http://www.nntt.jac.go.jp/dance/variety/#anc2014_15

JAPON dance project
2014年8月30日(土)~31日(日)

新国立劇場バレエ団 DANCE to the Future ~Third Steps~ NBJ Choreographic Group
2015年1月16日(金)~18日(日)

ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2015
2015年3月7日(土)~8日(日)

森山開次「サーカス」
2015年6月20日(土)~28日(日)

とりあえず、DANCE to the Future ~Third Steps~の企画が続いていることにはホッとしました。

2014/01/16

ミリアム・ウルド=ブラムがお手本見せるiTunesアプリ/Crystal Ballet ワディム・ムンタギロフ

パリ・オペラ座のエトワール、ミリアム・ウルド=ブラムが、バレエのパのお手本を見せてくれるiPhone/iPadアプリ、BALLET femmeが発売されました。

https://itunes.apple.com/fr/app/ballet-femme/id780615879

これは、パリ・オペラ座バレエのカドリーユであるArnaud Dreyfusが製作したものです。プロダクションカンパニーはCapisco。http://capiscoprod.com/ このカンパニーでは、クレールマリ・オスタの引退ドキュメンタリーも制作しています。http://capiscoprod.com/les-adieux-documentary/

このアプリでは、ミリアムが、プリエ、ロン・ドゥ・ジャンブ、バットマン、フォンデュ、デヴロッペなどなどのバレエの基本の動きを実演している映像を見せてくれています。

例えばロン・ドゥ・ジャンブでは、アンドゥオール、アン・デダンと両方見せてくれるし、デヴェロッペも3方向見せてくれて、それぞれのパが見やすいような位置から撮影しているので、とてもわかりやすいです。また、バーを離れての、アラベスク、ランヴェルセ、ピルエット、ピケ、グランジュッテ、エシャッペ、アッサンブレ、スーブルソーなども、1番、2番、4番から、とか、アンドゥオール、アンデダン、クロワゼ、エファッセなど様々な方向やポジションからのものを細かく見せてくれているので、バレエを学んでいる人にはとっても役に立ちます。

ミリアムは、オペラ座の中でも特にクラシックバレエが得意なので、お手本も当然とても正確で美しく、鑑賞だけする人にとっても眼福です。用語はフランス語ですが、バレエ用語自体がフランス語なので大丈夫な方が多いと思います。

お値段は500円ですが、iPhoneやiPadなどでいつでもバレエのパの素晴らしいお手本しかもミリアムによるお手本が観られるのだから、かなりお得なのでは?バレエ用語集の本も最低1000円くらいします。

http://youtu.be/oZjOlHoibsc

サンプル(デヴェロッペ・ア・ラ・スゴンド)
http://youtu.be/cSixPabQzU8

******
iTunesで購入できるバレエ映像としては、以前もご紹介したCrystal Balletがあります。
http://www.crystalballet.com/

スティーヴン・マックレー、サラ・ラム、アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、ワディム・ムンタギロフ、ダリア・クリメントヴァ、高橋絵里奈さんらが踊るオリジナル映像作品です。ネット配信専用に作られたバレエです。

第一弾のスティーヴン・マックレーとサラ・ラムの踊りももちろん素晴らしいのですが、第二弾として、ワディム・ムンタギロフのソロをダウンロードして購入できるようになりました。200円です。オランダ国立バレエの団員であり振付家でもあるエルンスト・マイズナーの作品ですが、今もっとも注目される若手男性ダンサーの一人であるワディムの輝かしいテクニックが堪能できます。

https://itunes.apple.com/jp/music-video/genesis-part-2-8-summer-male/id794141055

この映像は、全部で8作品ありますが、iTunesで1作品ずつダウンロードもできますし、また、Crystal Balletのサイトで全部一度にダウンロードしてPayPalで買うこともできます。
http://www.crystalballet.com/?page_id=51

http://youtu.be/Gj51U-BNPZA

ワディム・ムンタギロフは、現在、イングリッシュ・ナショナル・バレエの「海賊」に出演中です。新制作作品としてレパートリー入りした「海賊」、大変評判が良いです。衣装も、スワロフスキー・クリスタルを多用した豪華なもの。このプロモーション用動画がとってもかっこいいです。もちろん、ワディムも、タマラ・ロホも登場します。http://youtu.be/Irz8V-BB2qc

http://youtu.be/UO6ixtaawTE

2014/01/15

NHKバレエの饗宴2014 吉田都さんのパートナーは、フィリップ・バランキエヴィッチ

3月29日に開催されるNHKバレエの饗宴2014。3回目の公演となります。

出演者と演目は発表されていましたが、吉田都さんが踊る「ラ・シルフィード」のパートナーが未定となっていました。

http://www.nhk-p.co.jp/concert/20140329_151331.html

そのパートナーが発表されました。シュツットガルト・バレエのフィリップ・バランキエヴィッチです。

日本でも、世界バレエフェスティバルに2回出演して人気の高かったバランキエヴィッチは、今シーズン限りでシュツットガルト・バレエを退団します。今後、彼はフリーランスのダンサーとして活動しながらも教師としての活動を中心としていくことになっています。したがって、もしかしたら今回、彼の踊りを日本で観ることができるのは最後かもしれません。

2012年にシュツットガルト・バレエでは「ラ・シルフィード」が上演されており、その時にバランキエヴィッチも踊っています。都さんとどのようなパートナーシップを見せてくれるのか、とても楽しみですね。そして、この公演はテレビ放映もされる予定なので、これも嬉しいことです。


【日時】 平成26年3月29日(土)
     開場:午後4時 開演:午後5時 終演予定:午後8時
【会場】 NHKホール
【前売開始】 平成25年1月25日(土)午前10時


なお、現在シュツットガルト・バレエでは、先シーズン初演されて大評判を呼んだ「クラバート」が上演されていますが、ちょうど今日、バランキエヴィッチは、悪の親方役を初役として踊ります。この役は、ほかにマライン・ラドマーカー、ジェイソン・レイリーが演じており、カリスマ性と演技力が重要な役です。バランキエヴィッチが演じる様子もぜひ観てみたかったです。

http://www.stuttgarter-ballett.de/spielplan/krabat/

2014/01/14

bachtrackに英文レビュー2本、キエフ・バレエ「ドン・キホーテ」、日本バレエ協会「アンナ・カレーニナ」

年明け、バレエ公演を2つ観たのですが、日本語の感想が遅れてしまっています。

というのは、今年から、英国をベースにしたクラシック音楽、オペラ、ダンス/バレエの情報およびレビューを掲載するサイトbachtrackに、バレエ/ダンス公演の英文レビューを書くことになったからです。こちらは、公演後48時間以内に記事をアップしなければならないことになっているのでちょっと大変。

http://bachtrack.com/

キエフ・バレエ「ドン・キホーテ」
http://bachtrack.com/review-jan-2014-kiev-ballet-quixote-tokyo

日本バレエ協会「アンナ・カレーニナ」(下村由理恵、佐々木大主演)
http://bachtrack.com/review-jan-2014-jba-karenina-tokyo

今後もいろいろと書いていく予定です。

日本語の感想も後で書きます。英語で長文を書くのは、なかなか慣れない部分もあるのですが、頑張っていこうと思います。


追記:「アンナ・カレーニナ」のレビューには、バレエ協会のご提供により、美しい舞台写真も追加されています。

2014/01/12

ミコ・フォガティと一緒に参加するバレエ講習会、バレエ・アート・ワークス

以前も少しご紹介しましたが、バレリーナの卵を子供に持つ二人のお母さんがローザンヌ国際コンクールで出会って意気投合し、始めた活動がBallet Art Works バレエアートワークスです。

海を越えて国境を越えてバレエが大好きなママ2人(さとこフォガティさんと、ひさだゆみさん)が始めたバレエアートワークス(本拠地はアメリカ)は、ダンサーの卵ちゃんももちろんのこと、海を越えて国境を超えて世界でこれから活躍を目指すバレエダンサーも応援しています。

オフィシャルサイト
http://www.balletartworks.com/
ブログ
http://ameblo.jp/balletartworks/
Facebook
https://www.facebook.com/balletartworks

さとこフォガティさんは、名前からもわかるように、YAGPのドキュメンタリー映画「ファースト・ポジション」に出演し、モスクワ国際コンクール金賞を受賞し、ローザンヌ国際コンクールでもベスト・スイス賞を受賞したミコ・フォガティさんのお母さんです。

さて、このBallet Art Worksでは、3月に講習会を行います。
http://www.balletartworks.com/#!japanese/c1ky8

Screenshot22

ミコ・フォガティさんを指導している、タチアナ・パリ先生による講習会です。ミコさんも、全日程参加します。
クオリティの高いクラスを選考された少人数の生徒を対象におこなわれます。

東京(芸能花伝舎)
3/24~26(3日コース)クラスレッスン  16500円 
    中級 1:30~3:00、上級 3:30~5:00   

3/30、31(2日コース)ヴァリエーション 12000円
    中級 1:30~3:00、上級 3:30~5:00    

東京での両方のコースを受講     25000円

金沢(金沢市民芸能村 パフォーミングスクエア)
3/27、28 (2日コース) クラスレッスン   9000円
    中級 1:30~3:00、上級 3:30~5:00

どちらのコースも、希望者は、タチアナ先生の学校 Indiana Ballet Conservatory(米国)のサマーインテンシブ参加の資格を得るためのオーディションとして受講することも可能です。

タチアナ先生は、ボリショイ学校卒、モスクワクラシカルバレエの元プリンシパル、ヴァルナ国際バレエコンクールの金賞受賞者です。

最近では、Indiana Ballet Conservatoryでバレエミストレスとして指導され。、今年は、生徒、みこフォガティが彼女の指導のもとモスクワ国際バレエコンクールで金賞を受賞しました。

全てのコースにみこフォガティも受講予定です。

講習会の受付フォームは、上記リンク先にあります。

これからコンクールを目指す方
これから海外バレエ学校に留学を考えている方に朗報ですね。

http://youtu.be/tDir5_vrb4I

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2014/01/09

2013年バレエ界を振り返って

1月も9日ともなると、2013年は遠い過去のような気もしますが、個人的に2013年を振り返ってみようと思います。

2013年といえば衝撃的な、ボリショイ・バレエ芸術監督セルゲイ・フィーリンが襲撃される事件が1月にありました。犯人3人の有罪も確定しましたが、依然として謎の部分もあります。真相がどうであれ、フィーリンが一生癒えることのない傷を負い片目は失明状態となってしまったという事実は動かせず、大変悲しい事件でした。

また、ワガノワ・バレエ学校の芸術監督であるアルティナイ・アスィルムラートワが、校長のヴェーラ・ドロフェーワとともに解任され、ボリショイ・バレエを解雇されたニコライ・ツィスカリーゼが校長に就任するという件も、関係者に大きな衝撃を与えました。ワガノワ・バレエ学校の伝統は果たして守られるのでしょうか。アスィルムラートワはミハイロフスキー劇場の芸術顧問となり、今年2月にバレエ団を去るナチョ・ドゥアト芸術監督の後任となることが有力視されています。

一方、西ヨーロッパに目を転じると、ロイヤル・バレエにおいて、一時代を築いたスター、アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボーが退団したのを始め、マーラ・ガレアッツィ、リアン・ベンジャミンが引退をして、マクミランを得意とした優れたダンサーが多く去ってしまいました。その一方で、去年就任したケヴィン・オヘア芸術監督は、ナタリア・オシポワ、マシュー・ゴールディングをプリンシパルとして入団させて、ロイヤル・バレエのカラーを一新しようとしています。ロイヤル・バレエの芸術監督争いに敗れたタマラ・ロホは、アリーナ・コジョカルを得て、カンパニーをロイヤルのライバルとすることができるように攻勢に出て意欲的なプログラムを組んでいます。

パリ・オペラ座バレエの次期芸術監督には、バンジャマン・ミルピエが決定しました。インタビューでは、現在のオペラ座には人種的な多様性が足りないと発言し、また今後はバレエ団内での振付家を養成していくとともに、コンテンポラリー色をさらに強めることを表明しているため、バレエそのものを生み出したオペラ座が変容することに懸念を感じる人も多いようです。

10年間に渡りベルリン国立バレエを率いてきたウラジーミル・マラーホフが、解任に近い形でベルリン国立バレエを去ることになりました。前年にポリーナ・セミオノワが突然退団したことでスターを失い、彼女に代わるスターを育てられなかったこと、より現代作品寄りのレパートリーを求めた文化省との対立が原因で、彼の後任は、現ミハイロフスキーバレエ芸術監督のナチョ・ドゥアトとなります。ドゥアトに芸術監督が交代することにより、ベルリン国立バレエも現代作品中心のカンパニーとなり、多くのダンサーが職を失うことが予測されています。マラーホフは、東京バレエ団の芸術アドバイザーに就任し、2014年夏より1年間東京に滞在することになります。


国内各紙が昨年の回顧についての記事をまとめているので、リンクを張っておきます。

読売新聞(国内中心)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/classic/clnews/02/20131210-OYT8T00729.htm

【評論家3氏が選ぶベスト3】(日付順)
◇立木あき子氏(「あき」は「火」ヘンに「華」)
▽モーリス・ベジャール・バレエ団「ライト」全幕(3/8)
▽勅使川原三郎「第2の秋」(9/6)
▽新国立劇場バレエ団「バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イブニング」(11/15)

◇貫成人氏
▽KENTARO!!+東京ELECTROCK STAIRS「東京るるる」(6/5)
▽白井剛「澱‐オリの星座」(8/4)
▽近藤良平(コンドルズ)「第68回国民体育大会開会式式典演技『未来からきた手紙』」(9/28)

◇村山久美子氏
▽勅使川原三郎「第2の秋」(9/8)
▽ニューヨーク・シティ・バレエ団「プログラムA『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』ほか」(10/21)
▽WRECKING CREW ORCHESTRA 2013「COSMIC BEAT」(11/30)

産経新聞(岡見さえ氏)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/131222/ent13122211300009-n1.htm

日本経済新聞 (ネット版はないので、誌面からの紹介)
長野由紀氏

ブベニチェク・ニューイヤーガラ
ニューヨークシティバレエ
東京シティバレエ団 トリプルビル ベートーヴェン交響曲7番(ウヴェ・ショルツ振付)

毎日新聞 三浦雅士氏
http://mainichi.jp/shimen/news/20131218dde012040003000c.html (会員登録が必要)
東京シティ・バレエ団 ウヴェ・ショルツ「ベートーヴェン交響曲第七番」
崔由姫、平野亮一「アスフォデルの花畑」(ローザンヌ・ガラ、リアム・スカーレット振付)
K-BALLET COMPANY 「プロムナード・センチメンタル」(リアム・スカーレット振付)ほか
東京バレエ団&シルヴィ・ギエム マッツ・エックの「カルメン」


少々長いですが、英国のLondon Danceでは、批評家のグラハム・ワッツ氏が英国を中心としたバレエの回顧について月ごとに書いています。ワッツ氏は、日本のダンスマガジンでも、もう少しまとめた記事を載せています。
http://londondance.com/articles/features/graham-watts-review-of-2013/

ベストのパフォーマンスとしては、
Jonathan Goddardの「ドラキュラ」
「さすらう若者の歌」(ベジャール)におけるワディム・ムンタギロフ(ENB)
マリアネラ・ヌニェス(ロイヤル・バレエ)のすべてのパフォーマンス
を挙げています。


ダンスマガジンでの批評家のベストは、様々な公演が挙げられていますが、新国立劇場バレエ団のバレエ・リュス ストラヴィンスキー・イヴニング(特に「結婚」)と、ブベニチェク・ニューイヤーガラ、アクラム・カーン「DESH」、ロイヤル・バレエ「アリス」が多く挙げられているようでした。


というわけで、私が個人的に選んだ公演は以下の通りです。
ブベニチェク・ニューイヤーガラ
新国立劇場バレエ団 バレエ・リュス ストラヴィンスキー・イヴニング
アクラム・カーン「DESH」

振付家
デミス・ヴォルピ(「クラバート」、シュツットガルト・バレエ
アクラム・カーン「DESH」「聖なる怪物たち」
イリ・ブベニチェク ブベニチェク・ニューイヤーガラ 特に「牧神」

女性ダンサー
長田佳世 新国立劇場バレエ団 「ジゼル」「くるみ割り人形」
イザベル・シアラヴォラ パリ・オペラ座バレエ「天井桟敷の人々」
アリシア・アマトリアン シュツットガルト・バレエ 「オネーギン」「オテロ」

男性ダンサー
アクラム・カーン「DESH」「聖なる怪物たち」
マニュエル・ルグリ 「マニュエル・ルグリの新しき世界III」 「シルヴィア」「ル・パルク」
エヴァン・マッキー シュツットガルト・バレエ 「オネーギン」「オテロ」

2014/01/08

パリ・オペラ座バレエ「眠れる森の美女」の映画館上映は4月18日より

好評だった「パリ・オペラ座へようこそ」(パリ・オペラ座のバレエ、オペラのライブビューイング)は、2013/14シーズンも行われることは以前お知らせしました。

公式サイト
http://www.opera-yokoso.com/
には、3月20日(木)よりTOHOシネマズ日本橋(新館オープン)ほかにて全国公開、とあります。

「アイーダ」 ヴェルディ
「清教徒」 ベッリーニ
「眠れる森の美女」 ヌレエフ
「西部の娘」 プッチーニ
「トリスタンとイゾルテ」 ワーグナー
「バランシン/ミルピエ」
「椿姫」 ヴェルディ
※上映順は変更の可能性あり

パリ・オペラ座へようこそ -ライブビューイング2013~2014-

料金:¥3,500(予定) ※特別興行につき各種割引対象外
配給:ブロードメディア・スタジオ

さて、この「パリ・オペラ座へようこそ」のラインアップ発表があったということで、音楽評論家の飯尾洋一さんのブログでその内容が報告されていました。
http://www.classicajapan.com/wn/2014/01/071046.html
第1作は3/20(木)よりヴェルディ「アイーダ」
第2作は4/18(金)よりチャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」

というわけで、4月には「眠れる森の美女」を観ることができそうです。


なお、収録は、当初はエレオノラ・アバニャートとマチュー・ガニオが予定されていましたが、キャストが変更となり、ミリアム・ウルド=ブラムとマチアス・エイマンで収録されました。大変評判も良かったようなので、楽しみです。


オペラを映画館で上映することの先駆けは、メトロポリタン・オペラの「ライブ・インHD」(2006年より)です。これを推進したMETのピーター・ゲルプの最近のインタビューが大変興味深かったので、英語の記事ですが貼っておきますね。
http://www.reuters.com/article/2013/12/30/us-opera-met-idUSBRE9BT06L20131230

今や64か国で300万人もの人が映画館で「ライブ・インHD」を観ているとのこと。ライブ・インHDの場合、1作品につき100万ドルの製作費がかかるそうです。期待以上の利益も上がっているとのこと。そして、観客の層が広がり、若返らせることにも成功したそうです。ゲルプが総裁に就任した時には、メトロポリタン・オペラの観客の平均年齢は65歳でしたが、現在は59~61歳に下がったとのことです。映画館で観る観客については、もっと年齢が低く、特にフランスとドイツに関してはかなり若いそうです。また、オペラ歌手にとっては、METの中継された公演で歌うことは、30万~35万人もの人が自分のパフォーマンスを映画館で観る/聴くということになるので、大きなメリットとなります。

2014/01/05

2013年を振り返って

毎回振り返るのがとても怖いのですが、去年どれくらい公演に通ったか、ちょっとリストアップしてみました。

バレエ/ダンス

1/6、7  ブベニチェック ニューイヤーガラ
1/10 キエフ・バレエ「ジゼル」
1/14 貞松・浜田バレエ団 新国立劇場 地域招聘公演「6DANCES/Memoryhouse/DANCE」
1/19、20 ユニバーサルバレエ「白鳥の湖」
1/26  新国立劇場バレエ団「ダイナミック・ダンス」
1/27 アクラム・カーン「DESH」
2/10 中村恩恵x首藤康之 「兵士の物語」
2/17 新国立劇場バレエ団「ジゼル」
2/22 ミュンヘン・バレエ「Zugvogel」
2/23 シュツットガルト・バレエ「ロミオとジュリエット」
3/7 K-BALLET COMPANY 「シンデレラ」
3/8 牧阿佐美バレエ団 「眠れる森の美女」
3/11 ユニバーサル・バレエ 「白鳥の湖」
3/20 東日本大震災復興祈念 チャリティバレエ グランガラコンサート
3/26 新国立劇場バレエ団 「Dance to the Future First Steps」
4/18 マニュエル・ルグリの新しき世界 III Aプロ
4/21 マニュエル・ルグリの新しき世界 III Bプロ
4/28 新国立劇場バレエ団 「シンフォニーインC E =mc2 ペンギンカフェ」
4/30 ロイヤル・バレエ「マイヤリング」
5/1 ロイヤル・バレエ「ラ・バヤデール」
5/2 ロイヤル・バレエ「ラ・バヤデール」
5/3 ロイヤル・バレエ「マイヤリング」
5/21、22 マラーホフの贈り物 ファイナル Aプロ
5/25、26 マラーホフの贈り物 ファイナル Bプロ
5/30 パリ・オペラ座バレエ「天井桟敷の人々」 
5/31 Noism 「中国の不思議な役人/Solo for Two」
6/15 マギー・マラン「Salves」
6/21 シュツットガルト・バレエ 「フォー・テンペラメンツ、ダンシズ・アット・ア・ギャザリング、春の祭典」
6/23 ミュンヘン・バレエ 「幻想 白鳥の湖のように」
6/24 シュツットガルト・バレエ「クラバート」
6/30 新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」
7/5  ロイヤル・バレエ 「不思議の国のアリス」
7/10 ロイヤル・バレエ  ロイヤル・ガラ
7/11、12、13 ユニバーサルバレエ「オネーギン」
7・20、21 ボリショイ・バレエ「オネーギン」
8/3 日本バレエ協会 全国合同バレエの夕べ
8/4 キエフ・バレエ 華麗なるクラシックハイライト
8/9 森山開次 「LIVE BONE」
8/16 瀬山亜津咲xさいたまゴールド・シアター 
8/17、18 ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界 Aプロ
8/22 ディアナ・ヴィシニョーワ 華麗なる世界 Bプロ
10/5、6、19、21 シュツットガルト・バレエ「オテロ」
10/14 東京バレエ団「ジゼル」
10/23 ニューヨーク・シティ・バレエ2013 Bプロ 
11/9 マチルド・モニエ「ピュディック・アシッド/エクスタシス」
11/14 東京バレエ団&シルヴィ・ギエム「エチュード/カルメン」
11/17、18 新国立劇場バレエ団「バレエ・リュス ストラヴィンスキーイブニング 火の鳥 アポロ 結婚」
11・29、30 シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン「聖なる怪物たち」
12/7 新国立劇場バレエ団「Second Steps」
12/21 新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」

ベストについては、またゆっくり考えたいと思います。

演劇
8/2 世田谷パブリックシアター 「春琴」
10/9 「マイ・フェア・オードリー・ヘップバーン」
10/26 新国立劇場 「エドワード2世」

歌舞伎
4/22 杮葺落四月大歌舞伎 「壽祝歌舞伎華彩」「お祭り」「熊谷陣屋」
5/20 杮葺落五月大歌舞伎 「梶原平三誉石切」「京鹿子娘二人道成寺」

音楽
3/3 オーケストラ・ダスビダーニャ定期演奏会 ショスタコーヴィチ バレエ組曲より抜粋、交響曲第4番
12/1 アトリウム四重奏団 ショスタコーヴィチ弦楽四重奏全曲演奏会
12/4 エルミタージュ美術館オーケストラ 
12/15 伊豆フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲8番、ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番
12/20 東京交響楽団定期演奏会 バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番、バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」

オペラ
6/22 シュツットガルト歌劇場「ナクソス島のアリアドネ」


美術展
エル・グレコ展(東京都美術館)
メディア芸術祭 (国立新美術館)
クラークコレクション (三菱一号館美術館)
エドワード・スタイケン展 (世田谷美術館)
ノイエ・ピナコテーク (ミュンヘン)
ラファエロ展 (国立西洋美術館)
フランシス・ベーコン展 (国立西洋美術館)
ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア(Bumkamuraミュージアム)
フェンディ展 (東京芸術大学大学美術館)
アーウィン・ブルーメンフェルド展 (東京都写真美術館)
デヴィッド・ボウイ展 (ヴィクトリア&アルバート美術館)
マン・レイ展 (ナショナル・ポートレート・ギャラリー)
ピカソ 青の時代展 (コートルード・ギャラリー)
夏目漱石の美術世界展 (東京芸術大学大学美術館)
ミュシャ展 (森アートギャラリー)
アントニオ・ロペス展 (Bumkamuraミュージアム)
プーシキン美術館展 (横浜美術館)
トレチャコフ美術館
プーシキン美術館
プーシキン博物館
バフルーシン記念演劇博物館
LOVE展 (森美術館)
モダン・パリの装い展 (練馬区立美術館)
コレクション展「ブリヂストン美術館コレクション展  色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』(ブリヂストン美術館)
モロー&ルオー 聖なるまなざし (パナソニック汐留ミュージアム)
アンドレアス・グルスキー展 (国立新美術館)
アメリカン・ポップアート展 (国立新美術館)
安野光雅 皇居の花展 (高島屋美術ギャラリー)
バレエ・マンガ ~永遠なる美しさ~(京都国際マンガミュージアム)
ネコライオン (東京都写真美術館)
シュテーデル・ギャラリー (フランクフルト)
ムンク展 (シュツットガルト州立美術館)
シュツットガルト現代美術館
レオナール・フジタ展(Bumkamuraミュージアム)
三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し 印象派と世紀末美術(三菱一号館美術館)
山寺 後藤美術館コレクション展 バルビゾンへの道(Bumkamuraミュージアム)
ロマンティック・バレエの世界 妖精になったバレリーナ(ニューオータニ美術館)
カイユボット展 (ブリヂストン美術館)


これでもバレエに行った回数は減っていました。その分、美術展に行く回数が増えたと思います。

さて、2014年はどうなることでしょうか?

12/21(夜) 新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」

今年のバレエ納めは、新国立劇場バレエ団の「くるみ割り人形」。やはり「くるみ割り人形」はチケットが売れるようで、ほとんどの公演がソールドアウトとなったとのこと。ホワイエにはサンタクロースの姿をした研修生が雰囲気を盛り上げ、クリスマスツリーの前で記念撮影したり、子供用のネイルアートサービスをしたりとサービスも素晴らしい。とても賑やかで華やか、素敵な雰囲気に包まれてた。しかし、肝心の振り付けと演出が残念なのが、現行の牧版「くるみ割り人形」なのであった。衣装や舞台装置はとても洗練されていて、お金がかかっている雰囲気もあるのだが。

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http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/13nutcracker/

金平糖の精       長田佳世
王子           マイレン・トレウバエフ
クララ          加藤朋子
ドロッセルマイヤー  山本隆之
雪の女王        堀口 純

(第1幕)
シュタルバウム    貝川鐵夫
シュタルバウム夫人 湯川麻美子
フリッツ         高橋一輝
ハレーキン       原 健太
コロンビーヌ      石山紗央理
トロル          福田圭吾

(第2幕)
ねずみの王様    小柴冨久修
くるみ割り人形    小野寺 雄
スペイン        湯川麻美子  古川和則
アラビア        本島美和  貝川鐵夫
中国          竹田仁美  江本拓
トレパック       八幡顕光  福田圭吾  高橋一輝
葦の精        堀口 純  細田千晶  奥田花純
花のワルツ     丸尾孝子  川口 藍  小村美沙  中田実里
            輪島拓也  田中俊太朗 林田翔平 原 健太 小柴富久修 宝満直也

初演時に観たときの自分の感想を読み返してみたら、あまりにもぼろくそに酷評して笑ってしまったのだが、この版の演出はドラマツルギーに致命的な欠陥がある。現代の東京・新宿に生きるクララがなぜ19世紀のドイツにタイムスリップするのか、合理的な説明がない。現代の描写がとても薄っぺらいのも残念だ。今の時代だったら、ガラケーではなくスマホをいじっているのが普通だろう。

クララはクリスマスの日に一人ぼっちのかわいそうな女の子なのに、タイムスリップした先でも、せっかく王子様が現われてもいつの間にか彼のパートナーは雪の女王に代わってしまい、彼女はぽつんと二人が踊るのを観ているだけ。それは2幕のディベルティスマンにも引き継がれ、各国の踊りが踊られている間も、彼女は下手前方にある椅子に腰かけて、踊りを観ているだけなのだ。まるでお仕置きのために座らされているみたい。ドロッセルマイヤーの役割があまり大きくなくて、2幕では終わりを除いてほとんど登場しないし、彼女の相手をしてくれる人はほとんどいない。なので、クララの寂しい気持ちは最後まで解消されない。いくら、最後にドロッセルマイヤーがサンタクロースに変身して橇で飛んで行っても、彼女への贈り物は何もなかったのだ。クララやハンス・ペーターが各国の踊りに参加したり、クララとドロッセルマイヤーが芝居で絡むピーター・ライト版の「くるみ割り人形」が、どれほど魅力的な作品だったのか改めて実感した。

1幕のシュタルバウム家のパーティは、なぜか子供がほとんどいなくて大人ばかり。衣装はシックで美しいのだけど、子役はフリッツくらいしかいないものだから、どうも活気に欠けるし非常に退屈である。もともと「くるみ割り人形」は1幕はあまり面白くない作品という欠点があるのに、その欠点を解消しようという意識が感じられない演出である。

振付そのものもあまり感心できるポイントがない。雪のシーンで雪の女王に王子を奪われる可哀想なクララ。花のワルツの振り付けは、上の階から見てもフォーメーションが単調だし、花の精がぴょんぴょん跳ねていたりで、クラシックバレエらしくない。衣装もクラシックチュチュではないし。アラビアといいつつ、まったくアラビアではなくてエジプト、バックにスフィンクスが現われたり。葦笛は3人の女性ダンサーのグランフェッテ合戦で、あの音楽の典雅な雰囲気はみじんもなくて発表会のよう。金平糖のパ・ド・ドゥだって、大きなリフトもなく中途半端に終わってしまうのだ。

もうデヴィッド・ビントレー芸術監督時代は今年の6月で終わってしまうけれども、次期芸術監督の大原永子さんには、ぜひ改訂した「くるみ割り人形」を上演してほしいと思う。せっかくの素晴らしいダンサーたちの無駄遣いだし、子供たちでお客さんは大入り満員になるけれど、そうであるからこそ、もっと幸せな気持ちになる「くるみ割り人形」にしてほしいのだ。スターダンサーズ・バレエ団が従来上演していたピーター・ライト版「くるみ割り人形」から、鈴木稔さん演出の「くるみ割り人形」に変更した。鈴木版の「くるみ」もオリジナリティがあって大変評判が良いのだが(未見)、ぜひとも新国立劇場バレエ団ではライト版に変更してほしいと思う。

プロダクションの不出来さはさておき、ダンサーのレベルは非常に高かった。クララ役は上記に述べたように、実際に踊る場面が少な目で、1幕終わりのくるみ割りの王子と踊るパ・ド・ドゥくらいなのがもったいないのだが、加藤さんはとても柔らかでなめらかな踊りを見せてくれた。雪の女王の堀口さん、偶然私が観た2009年の時と同じ役だったのだが、確実に進歩を見せている。女王らしい威厳と統率力があり、長い肢体をしなやかに操っていた。

金平糖の精の長田さん、出番は最後のグラン・パ・ド・ドゥくらいで少ないのだが、スーパーアンドゥオールの持ち主だけあって、正確でアカデミックな踊り。しかもキラキラと輝き、見事な音楽性を見せて、穏やかながらも暖かいオーラに思わずじんわりと涙が出てきた。ポールド・ブラはエレガントで、回転も安定していて音楽そのものとなっていた。アラベスクはくっきりと美しい。王子のマイレンは、言うまでもなく見事なサポートぶりで、実に息の合ったふたり。マイレンのヴァリエーションも、いかにもワガノワ出身者らしい古典バレエの美をしっかりと見せた折り目正しいもの。ロシアンなクラシックテクニックの持ち主によるパ・ド・ドゥには打ちのめされるような幸福感があった。このペアで、もっとたくさん古典作品が観たいとしみじみ思った。

ディヴェルティスマンは、それぞれとても完成度が高かったのだが、なかでも、身体能力抜群の3人が踊ったトレパックは出色。真ん中の八幡さんの跳躍の高さ、ぶれなくていつまでも続く回転。それに負けじと弾む福田さんと高橋さん。気持ちよかった。葦笛は、前述のとおり3人の回転合戦なので振り付けとしては面白みに欠けたけれども、3人のグランフェッテがぴったりと合っていて、完璧だった。本島さんの妖艶さは、アラビアにとても似合っていた。

そして、新国立劇場バレエ団の誇り、コール・ド・バレエ。雪にしても、花のワルツにしても、精緻に整っていて美しく、揃ってはいるけど揃えることに命を懸けているわけではなく生き生きとしていて、一人一人の息遣いが感じられる。踊る喜びが感じられていて、ここでもまた圧倒的な多幸感に満たされた。

終演後は、ファンサービスとして主演キャストによる握手会が行われた。小さな子たちもプリマや王子に会えて大喜び。さらにネズミさんたちが手を振って見送ってくれた。新国立劇場バレエ団のFacebookによれば、ネズミの中には小野絢子さんもいたという。


このバレエ団のみなさんは、本当にファンを大事にしてくれて、いとおしい存在だ。それだけに、今度はもっと楽しいプロダクションを採用してほしいと切に願うのである。

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2014/01/02

NHKプレミアムシアター 2月はマリインスキーの白鳥ほか/本日TBS「眠りの森」/追記(変更)

みなさま、あけましておめでとうございます。皆様方にとって、今年は素晴らしい幸せな一年になりますように。素敵な舞台との出会いがありますように。そして平和な世の中が続きますように。

年末、バンコクで1週間ほど過ごしたあとバタバタしてしまい、去年のことも全く振り返れていませんが、まずはテレビの放映予定から。

NHKプレミアムシアターの2月の予定が出ています。
(プレミアムシアターのサイトにはまだ出ていませんが、番組表には載っています)

特にマリインスキー・バレエの「白鳥の湖」は、今年2月に映画館中継がされたコンダウーロワとアスケロフの出演による最新映像なので、楽しみです。

http://www.nhk.or.jp/bs/lineup/pdf/bspremium_nextmonth.pdf

プレミアムシアター

2月9日(日)深夜0時(月曜早朝)
ザルツブルグ音楽祭2013「後宮からの誘拐」 
デジレ・ランカトーレ
ベジャール・バレエ「80日間世界一周」
ジル・ロマン他   →放映延期となりました。

2月16日(日)深夜0時(月曜早朝)
マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」
エカテリーナ・コンダウーロワ、ティムール・アスケロフ、アンドレイ・エルマコフ、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
モンテカルロ・バレエ「ダフニスとクロエ」「シェエラザード」
ベルニス・コピエテルス他

2月23日(日)深夜0:45時(月曜早朝)
ミラノ・スカラ座 プッチーニ
「外套」
ホアン・ポンス、ミロスラフ・ドヴォルスキー ほか
「修道女アンジェリカ」
バルバラ・フリットリ、マリアナ・リポヴシェク
「ジャンニ・スキッキ」
レオ・ヌッチ、ニーノ・マチャイゼ ほか
合唱:ミラノ・スカラ座合唱団
管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団 指揮:リッカルド・シャイー


<追記>1/22
クラウディオ・アバドの死去に伴い、NHKでいくつか特集番組が放映されます。
http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/178318.html
◆2月10日(月)午前0時~(日曜深夜) BSプレミアム
「プレミアムシアター」はアバドの特集番組となりますので、
ザルツブルク音楽祭とベジャールの80日間世界一周は放映延期となります。


ところで、本日(1月2日)夜9時より、TBSで「新参者 眠りの森」が放映されます。
http://www.tbs.co.jp/shinzanmono/nemurinomori/

『眠りの森』は、バレエ界を舞台にした作品ということで、世界が認めるバレエダンサー・熊川哲也が芸術監督を務めるKバレエカンパニーの全面協力の下、撮影されました。振付から音楽、舞台美術、衣裳など、舞台に関わる全ての要素を、Kバレエカンパニーが実際の公演で使用するものを用意し、「白鳥の湖」「眠れる森の美女」の演目も登場。カンパニーの宮尾俊太郎、益子倭はダンサー役として、他のダンサーもステージのシーンでドラマに出演されます。また、出演者へはカンパニーのプロフェッショナルなスタッフによる丁寧な指導を行い、本格的な仕上がりに。バレエファンの方にも存分に楽しんでいただける映像も見どころでしょう。

事件の真相に共に迫る先輩刑事として、柄本明が出演。ヒロインのバレリーナ役には石原さとみが出演します。バレリーナ役を本格的に演じるのは初めて。バレエ以外は興味が無いほどバレエに夢中というバレリーナ役を熱演するために、撮影の合間を縫って、熊川哲也が芸術監督を務めるKバレエ カンパニーのプロフェッショナルなスタッフから丁寧な指導を受け、真剣にレッスンに励んだ石原さん。加賀を一瞬で魅了した、王子を誘惑するように踊る「白鳥の湖」の“黒鳥”のシーンは見逃せません。

この番組のホームページでは、

益子 倭のバレエの見方・楽しみ方
Kバレエカンパニー宮尾俊太郎のバレエダンサー基礎講座

という出演者による連載コラムがあって、とても興味深いです。

http://youtu.be/jksH1ZJSfIw

追記:ニューヨークでのロケはABTのスタジオで撮影されたようです。
針山真実さんのブログから。

お邪魔しました!新春ドラマスペシャル“新参者”「眠りの森」 TBSテレビ
http://mamisensei.jugem.jp/?eid=1380

そして番組も観ました。プリマ役の音月桂さんが、立ち姿が美しくてカリスマ性があり、美しかったです。K-Balletのスタジオでのリハーサルシーン、そして「眠れる森の美女」のゴージャスな舞台シーンを観ることができたのが良かったです。ゆうぽうとの舞台やロビーが登場していました。ABTのスタジオシーンでは、JKOスクールの生徒たちも出演していましたが、みんなスタイルがいいですよね。石原さとみさんは、さすが女優だけあって、踊っているときも表情が素敵で、阿部寛さん演じる加賀が引き込まれるのもよくわかりました。

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