ジャン・バビレ逝去
「若者と死」の初演などでよく知られたジャン・バビレが、91歳の誕生日の数日前の1月30日にパリで亡くなりました。
ル・モンド紙の訃報記事
http://www.lemonde.fr/culture/article/2014/01/31/le-danseur-jean-babilee-est-mort_4357651_3246.html
1923年にパリに生まれた彼は、パリ・オペラ座学校で学び、1940年にカンヌ・バレエに入団。第二次世界大戦中の一時期、フランスのレジスタンス「マキ」の一員として戦っていたそうです。45年から49年にバレエ・デ・はシャンゼリゼに入団し、「独立心旺盛で好きなものを自由に踊った」と彼の元妻アポリーヌ・マリオンは語っています。
ジャン・バビレは彼の世代のダンサーの中でも最も才能にあふれた一人であり、狂気すら感じさせる踊りと評されました。完璧な技術に加え、鮮烈な舞台上での存在感、猫のような踊りを見せたと専門家は語っています。1947年~53年までパリ・オペラ座のエトワールでもあった彼は、1950年代には自身のカンパニーも設立し、映画や舞台の仕事中心に活動します。72年にはストラスブールのライン・バレエの芸術監督になりますが、1年で退任。1979年から6年間は、モーリス・ベジャールの「Life」を踊ります。1983年に、バビレは自身が1946年に初演した「若者と死」(ローラン・プティ振付)をシャトレ座にて再び踊りました。
彼を追ったドキュメンタリー映画「Le Mystère Babilée」( 『神秘のダンサー ジャン・バビレ』)は2000年にベンサード・パトリックが監督して作られています。
(このダイジェスト映像は、彼の妻Zapo BabiléenのYouTubeチャンネルにアップされています。
http://youtu.be/R_vUkwQckkE
http://youtu.be/HkovxHTh3nA
この抜粋では、バビレとミハイル・バリシニコフが語り合っています。
『神秘のダンサー ジャン・バビレ』は、彩の国さいたま劇場の『dance on screen2012』でも上映されています。また再上映されないかしら。
ベジャールの「ライフ」
http://youtu.be/axsnmjYSBhE
フランスのダンソマニで紹介されていた、若き日のバビレを捉えたこの写真、すごいです。
http://www.theguardian.com/artanddesign/gallery/2009/oct/01/willy-rizzo-best-shoot
バビレはレジオンドヌール勲章や芸術文化勲章、Officer of the National Order of Meritなどいくつかの勲章を受章しています。偉大なダンサーの一人でした。ご冥福をお祈りします。
「若者と死」については、こちらのブログの記事が大変詳しい記事を載せているので、ご紹介しますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/200905250000/
実は、熊川哲也さんの「若者と死」のDVDの特典映像が一番詳しい、というのが興味深いです。
その記事にも紹介されている、「若者と死」初演時のリハーサル映像が、3分30秒ごろ見られます。(ジャン・コクトーのドキュメンタリー)
http://youtu.be/HQb5nNcrU-I
Le Jeune Homme et La Mort from Dance Films Association on Vimeo.
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追記:パリ・オペラ座の公式サイトにも彼の追悼記事が載っています。
http://www.operadeparis.fr/blogopera/l-opera-national-de-paris-la-tristesse-d-apprendre-le-deces-de-jean-babilee
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