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« ABT(アメリカン・バレエ・シアター)来日公演鑑賞スペシャルプラン | トップページ | マラーホフ、ベルリン国立バレエを去ること、そして東京バレエ団での仕事を語る »

2013/12/01

ボリショイ フィーリン襲撃事件の裁判、火曜日に判決/ボリショイ劇場の内幕映画化

ボリショイ・バレエのセルゲイ・フィーリン芸術監督が襲撃されて重傷を負った事件で、現在3人の容疑者の裁判が行われています。

判決は火曜日に言い渡される予定ですが、求刑は、ボリショイのファースト・ソリストであるパーヴェル・ドミトリチェンコに9年の重労働、実行犯のユーリ・ザルツキーに10年、そして運転手役を務めたアンドレイ・リパトフに6年の重労働です。

http://www.theguardian.com/world/2013/nov/29/bolshoi-ballet-dancer-acid-attack-trial-dmitrichenko-filin

最終弁論において、ドミトリチェンコは、フィーリンに痛い目をさせようと思いつき、ザルツキーに彼を殴ることを示唆したことを認めたものの、酸を顔にかけるつもりはなかったと語りました。「私は酸がかけられてしまったことをとても残念に思います。自分が大口をたたいたおかげで、こんな事態になったなんて」

しかしながら、彼は無罪を主張し、自分の考えでフィーリンの顔に酸をかけ、そのことを計画しているとドミトリチェンコには話さなかったと証言したザルツキーが主犯だったとしました。

前科のあるザルツキーは唯一有罪を認めており、自分への慈悲は請わないが、ドミトリチェンコとリパトフには情状を酌量してほしいと言いました。「二人の無罪の人間をこの事件に巻き込んでしまったことを申し訳ないと思う」とフィーリン、そして2人の被告に許しを請いました。

裁判の詳細は、イスミーン・ブラウン氏のブログで報じられています。
http://www.ismeneb.com/Blog/Entries/2013/11/30_Trial_day_12__Final_statements_before_verdict.html

なお、裁判の10日目にはニコライ・ツィスカリーゼの証人喚問がありました。ツィスカリーゼは、フィーリンについては現役時代は素晴らしいダンサーだと思っており、カンパニーの皆は彼をセロージャの愛称で呼んでいたけれども、芸術監督となってからは、フィーリンは自分のことを「セルゲイ・ユリエヴィッチ」と呼ぶように命じたそうで、それがまずやりにくさにつながったとしています。また、フィーリンがバレエの知識がほとんどないアシスタントの、ディリャーラ・ティメルガジナにキャスティングの権限を与えてしまったことを批判しています。「2年半もの間、ボリショイ・バレエは、バレエの訓練を受けたことのないこの女性に支配されていました」と。また、フィーリンが日常的に人の悪口を言い、こき下ろしてきたとも。襲撃事件が起きたときに、その背後に自分の名前がフィーリンによって挙げられたことには驚かなかったそうです。「宣伝のためには、彼は私の名前を利用します」とツィスカリーゼは語りました。そしてドミトリチェンコはその日の審理で、逮捕されたときに捜査官から、この事件の背後にはツィスカリーゼがいるんだろうと言われたと語りました。

一方、ボリショイのトップダンサーたちは、このツィスカリーゼの証言に対して怒りをあらわにしていました。ボリショイの教師であるマリナ・コンドラチェワ、ダンサーのオルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン、エフゲーニャ・オブラスツォーワ、アルチョム・オフチャレンコ、デニス・メジェーエフは、フィーリンは冷静で礼儀正しい人物だと擁護しました。裁判の中で、スミルノワはフィーリンと関係にあったために早く昇進したという証言まで出てきましたが、スミルノワはそれを否定しています。襲撃事件の当日、フィーリンは彼女を自宅まで車で送って、そのあとに彼の自宅前で襲撃されました。スミルノワは、今年の9月にフィーリンの秘書の息子と結婚しています。

マリナ・コンドラチェワは、ツィスカリーゼがテレビ番組でボリショイの教師たちのことを愚弄する発言をしたため、彼を解雇する請願を総裁宛てに出す話まで出てきたけれども、それには署名しなかったため、やっと彼は教師たちに個別に謝ったとのことです。また、彼は出席すれば自分の沽券に係わると、参加しなければならない会議に出席をしていなかったそうです。スミルノワが昇進したのも、彼女自身の実力によるものだと。ソリストのデニス・メジェーエフは、ボリショイ・バレエの中で挑発的なことを言ったり人をこき下ろしていたのはツィスカリーゼだけだったと証言しました。

オフチャレンコは、ツィスカリーゼが本当にフィーリンにかけられたのが酸だったのかを疑問視する発言をしていたことに対し、事件後まもなく病院に彼を見舞った時のことを語りました。座っていたフィーリンは震えており、目からは赤い液体が出てきており、赤く染まったナプキンを持っていたそうです。その時、彼はフィーリンにかけられたのが酸だということを知らなったそうですが、水以外の何かがかけられたことは間違いないと。フィーリンが仕事に復帰した後も、彼はサングラスを着用しており、左目は良くなったようだけど、右目は「頭の上に袋がかかっているようで、何かを通して見ているような感覚」だと語っており、右目のまつ毛はすべて抜け落ちていたそうです。「それは宣伝には決してなりえません」

真相がどうであれ、フィーリンがこの事件によって20数回もの手術を経た今でも片目が失明の危機にあり苦しんでいるという事実だけは変えられないのが、やりきれないところです。そしてボリショイ劇場の評判が地に落ちてしまったということも。

こちらの番組「ボリショイへのチケット」、「マルコ・スパーダ」公演についての番組の中で、セルゲイ・フィーリンが少し登場しています。8分30秒過ぎから。
http://www.youtube.com/watch?v=YFsAXBPNk0w


一方で、BBCがボリショイ劇場の内幕を描くドキュメンタリー映画を撮影することが明らかになりました。
http://realscreen.com/2013/11/29/idfa-13-bbc-to-examine-scandal-struck-bolshoi-ballet/

「ボリショイ・バビロン」という仮題がつけられたこの映画は、初めて、スキャンダルにまみれた劇場の内幕に迫ることになります。100分。制作者たちは、ボリショイ劇場の内部にアクセスする許可を得ました。製作費は51万ポンド($693,800)です。おそらくは、上記裁判の内容も反映されることになることでしょう。

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