アレッサンドラ・フェリの復帰作「シェリ」続報
以前にもお知らせした、アレッサンドラ・フェリの舞台復帰作「シェリ」。大変好評のようで、上演期間が延長され、12月29日までの6週間の上演となったとのことです。
作品の動画がアップされていますので、ご紹介しますね。フェリの美脚は健在です。
http://www.broadwayworld.com/videoplay.php?colid=638760
上演劇場シグネチャー・シアターの公式YTにも。
http://youtu.be/TpUrnqs_b6g
New York Timesのレビュー
http://www.nytimes.com/2013/12/09/theater/reviews/alessandra-ferri-and-herman-cornejo-in-cheri-at-the-signature.html?_r=0
アカデミー賞にもノミネートされた大女優エイミー・アーヴィングが、エルマン・コルネホ演じるシェリの母親役を演じているなど、セリフもある作品ですが、シェリと、フェリが演じるレアの間の感情はすべて踊りでつづられています。音楽はラヴェル、ドビュッシー、プーランクなどで、ピアノの生演奏によって奏でられている”印象派的な”作品だそうです。二人のパ・ド・ドゥはマクミラン作品のものによく似ていて延々と続いていると評されていますが、振付家のマーサ・クラークは、アンソニー・テューダーに師事したとのことなので、心理描写には長けているようです。1時間5分と短い作品ですが、舞台美術もとても美しく、294席の小劇場での上演なので、観られた人は本当に幸運だと思います。
NYTのサイトにも動画があります。
http://www.nytimes.com/video/theater/100000002591697/excerpt-chri-.html
同じNYTで、フェリのインタビューも掲載されていました。
http://www.nytimes.com/2013/12/08/arts/music/alessandra-ferri-returns-to-the-stage-in-cheri.html
その中で、彼女は、ダンサーとしての道程の中で、ダンスと演劇の間の境界線を越えることに興味を惹かれてきたと語っています。「私のダンスの語彙を演劇の中で使いたい」
「私たちは、ダンスを、バレリーナであることだと考えてしまい、『もうこれはできないわ』と思ってしまいがちです。でも、今までいたチュチュの世界の外にも、それまでは思っても見なかったダンスという広大な世界があります。私はその概念と衣装から自分を解き放ち、広い世界を見てみたい」
「シェリ」は高級娼婦レアと、若い恋人シェリの別れを描いた作品です。フェリ自身、昨年、写真家のファブリッツィオ・フェリとの15年間の結婚生活に終止符を打ったとのこと。それゆえ、このレアという女性を非常によく理解できたということだそうです。
振付家マーサ・クラークは、「シェリ」のような作品は細部の表現に依存するところが大きいので、真実の感情に到達するために動きを解き放つことが重要だと語っています。キャラクター同士というだけでなく、フェリとコルネホがお互いをアーティスト同士としてお互いを発見することができるようにしたそうです。
昨年の自身の振り付け作品「The Piano Upstairs」の他に、フェリは今後も様々なプロジェクトがあります。室内オペラ作品への参加、ノイマイヤーが彼女のために振付ける新作で、実在の女優エレオノラ・デュースを描いた作品(ミラノ・スカラ座で上演)、そしてミュージカルのワークショップなどです。
「初めての舞台をいつでも覚えています。それはロンドンで、19歳の時の『マイヤリング』でした。舞台に歩み出て、パ・ド・ドゥの音楽が始まった時、何かが私の胸の中で開いたのを感じました。私は広がり、そこで爆発しました」「踊ることと舞台の上にいる時の感情、深遠な充実感、それは何物にも代えがたいものです。私はただ息をしているのではなくて、本当に生きているのだと」喝采を得るためではない、と。
バレエ雑誌「Pointe」のサイトには、リハーサルに取り組むフェリとコルネホの素敵な写真が何点か載っています。
http://www.pointemagazine.com/issues/december-2013january-2014/new-passion
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