SWAN MAGAZINE Vol.34 2013年 冬号
SWAN MAGAZINE Vol.34 2013年 冬号が発売されました。
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巻頭連載 パリ・オペラ座 エトワールに夢中!
Vol.18は、エレオノラ・アバニャートです。
オペラ座のもっとも新しいエトワールであるエレオノラ。美しく華があって、どんな写真でも絵になっているのはさすがです。ローラン・プティに抜擢されて12歳の時にプティの「眠れる森の美女」に主演。その後、当時は非常にまれだった外国人生徒としてオペラ座学校に編入した。コンテンポラリー作品に定評のある彼女にとっての重要な出会いはノイマイヤーとプティで、プティの「カルメン」を踊ってエトワールに昇進。11月末から「眠れる森の美女」でオーロラ役を踊り映像収録キャストに抜擢されていたけれども、こちらは残念ながらケガで降板してしまいました。
サッカーのイタリア代表選手であるバルザレッティと結婚し、女の子にも恵まれて絶好調の彼女は、来年の「エトワールガラ2014」での来日も予定されています。フォトアルバムでは、「椿姫」、ロビンス版「牧神の午後」、「カルメン」「若者と死」などの素敵な写真を見ることができます。
特集は〈有吉京子のバレエ紀行 ドイツ2013〉。約4年の連載を経て『SWAN─モスクワ編』が遂に完結! 次回作の新たな構想に意欲を燃やす作家が訪れたハンブルク&シュツットガルト・バレエの今を紹介するものです。有吉さんの、それぞれのバレエ団を訪れたときのエッセイ漫画がとても楽しいです。ダンサーの素顔などもちょっと覗けます。また、ドラマティックな舞台写真も多数掲載。
ハンブルグでは、ハンブルグ・バレエ週間で「オテロ」「マタイ受難曲」「プルガトリオ」。今はハンブルグ・バレエもダンサーの世代交代期で、ベテランではアッツオーニ、ウルバン、リアブコ、ユング、ブーシェなど素晴らしいダンサーがいる一方、今一つ若手ダンサーが精彩に欠ける印象があるのが否めないところです。ちなみに、「ロミオとジュリエット」で主演したアレクサンドル・トリッシュがこのたびプリンシパルに昇進しました。
シュツットガルトは、真澄とレオンが二年間を過ごした地。ここでは、大評判を呼んだ新作「クラバート」と、「春の祭典」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」「フォー・テンペラメンツ」のトリプルビルをレポート。アレクサンダー・ザイツェフのさよなら公演となった舞台です。有吉京子さん描き下ろしの「クラバート」のイラストがとても素敵です。「クラバート」の振付家、まだ27歳と若いデミス・ヴォルピは、このたび、権威あるドイツ・ダンス賞「未来」を受賞することが決まりました。「オテロ」は今年はシュツットガルトとハンブルグが同時期に上演されていましたが、舞台の出来としてはシュツットガルトに軍配が上がったようです。ジェイソン・レイリーのシリアスな役柄に合わないニコちゃんマークのタトゥーが可愛い。
9月に上演されたパリ・オペラ座バレエ「椿姫」の現地ルポでは、アニエス・ルテステュの引退公演のほか、前回の上演の時にけがをしてしまったエルヴェ・モローの復活の様子が読めるのが嬉しいところです。美しい写真も満載で、来年3月の来日公演が楽しみですね。
8月に開催されたローザンヌ・ガラのレポートもあります。ガラの中でも特に評判が良かった加治屋百合子さんのジゼル。その加治屋さんのインタビューが掲載されています。(別媒体の記事ですが、同じインタビュアーである浦野芳子さんによる加治屋さんのインタビュー記事がここにあります) また、やはりこのガラに出演したミコ・フォーガティさんのインタビューも。このガラで上演されたリアム・スカーレット振付の「アスフォデル・メド-ズ」(崔由姫、平野亮一)も大変評価が高く、来年の「ロイヤル・エレガンスの夕べ」で観られるのが楽しみです。
さらに、Noismの金森穣さん、ルーマニア国立ブカレスト・オペラ劇場の奥野凛さんのインタビューも載っているなど、インタビュー記事が充実。ブカレスト・オペラ劇場には、このたびヨハン・コボーが芸術監督に就任しました。
「SWAN モスクワ編」はクライマックス、最終回です。シュツットガルトのガラ・コンサートで真澄とレオンが「アグリー・ダック」そして「アダージェット」を踊り大喝さいを浴びます。そして、二人は新しい道へと進んでいきます。これは、今後予定されている「SWANドイツ編」へとつながっていきます。
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