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« アリス・ルナヴァン、パリ・オペラ座のエトワールに任命 | トップページ | エトワール・ガラ2014 演目発表 /追記 大阪、名古屋公演 »

2013/12/23

12/13 ロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」映画館中継

ロイヤル・バレエの冬の風物詩「くるみ割り人形」が今年も映画館で上映された(シアタス・カルチャー)。中継なので3500円と高額なのは痛いけど、このプロダクションを観ないと一年が終わらないような気がするのだ。

http://www.theatus-culture.com/roh/movie/index.html#a3

配られたキャスト表は本当に主役級しか書いていないので、現地でご覧になった方に当日のキャストを教えていただいた。

【出演】
金平糖の精 ラウラ・モレーラ
王子 フェデリコ・ボネッリ
クララ フランチェスカ・ヘイワード
ハンス・ピーター/くるみ割り人形 アレクサンダー・キャンベル
ドロッセルマイヤー ギャリー・エイヴィス

フリッツ テイラー・イェーツ
ダンシング・ミストレス ディードル・チャプマン
アルルカン フェルナンド・モンターニョ
コロンビーヌ エリザベス・ハロッド
ヴィヴァンデール 高田茜
兵士 蔵健太
ねずみの王様 平野亮一

スペイン クリスティナ・アレスティス ヨハネス・ステパネク、ナタリー・ハリソン、エリック・アンダーウッド
      デメルザ・パリッシュ、ヴァレンティノ・ズケッティ
アラビア メリッサ・ハミルトン、ニコル・エドモンズ、平野亮一、トーマス・ホワイトヘッド
中国 フェルナンド・モンターニョ、マルセリーノ・サンベ、ミカエル・ストイコ、ジェームズ・ウィルキー
ロシア トリスタン・ダイアー、ポール・ケイ
葦笛 エリザベス・ハロッド、ミーガン・グレース・ヒンキス、ジェマ・ピッチリー・ゲール、高田茜

ローズ・フェアリー 崔由姫
ローズ・フェアリーのエスコート リカルド・セルヴェラ、ヴァレリー・ヒストリフ、蔵健太、ダヴィッド・トリゼンシミエッチ
花の精のソリスト 小林ひかる、イツァール・メンディツァバル、ロマニー・パジャック、ベアトリス・スティクス=ブルネル

【振付】ピーター・ライト(レフ・イワノフの原振付に基づく)
【音楽】ピョートル・チャイコフスキー
【指揮】トム・セリグマン

本編前に上映されたメイキング映像(リハーサルの様子、ピーター・ライトのインタビューなど)
http://youtu.be/H0UTvG5jyUs

ピーター・ライトはもう85歳なのですね。リハーサル期間中にお誕生日を迎えてみんなにハッピーバースデーを歌ってもらって嬉しそうだった。お元気そうだけど、もっと長生きしてほしい。

上映前と休憩時間の映像の司会進行はダーシー・バッセル。相変わらずきれいで、しゃべりもうまい。ただ、出演者の名前を把握していなかったみたいで、カーテンコールのときのダンサーの名前が出てこなかった。休憩時間では、くるみ割り人形に欠かせない楽器、チェレスタを奏者とともに紹介してくれたのは良かった。初めてちゃんとこの楽器を見ることができた。

ピーター・ライト版のくるみ割り人形って本当によくできている。ドロッセルマイヤーの甥ハンスピーターがくるみ割り人形であるという設定があるので、ストーリーに説得力があって最後の再会シーンの感動が大きい。ドロッセルマイヤーが物語上ほぼ主役であり、この役を、カリスマ性があって演技がうまいギャリー・エイヴィスが演じていることで一本筋ができている。ドロッセルマイヤーは狂言回しとしてお菓子の国にクララを案内し、ディヴェルティメントごとに彼女と掛け合いを演じてくれるので、ストーリー性が感じられる。豪華でわくわくさせてくれるプロダクションデザインが秀逸で、特にクリスマスツリーが大きくなるシーンは、何回観てもときめいてしまう。「聖なる怪物たち」でシルヴィ・ギエムが語っていた「エマーヴェイユ」とはまさにこのクリスマスツリー目の前にした子供たちの心境だろう。

クララ役は、まだ入団2年目というフランチェスカ・ヘイワード。ケニア出身で、ポリーナ・セミオノワに少し似たエキゾチックな美少女。ホワイトロッジからの生粋のロイヤル育ち。伸びやかな踊りと可愛らしさのある演技、テクニックもしっかりあって将来が楽しみ。スリッパでねずみの王様をやっつける強さも感じさせてくれた。当初予定されていた、ロイヤルのクララといえばこの人でしょう、のアイオーナ・ルーツは残念ながら産休からの復帰が叶わず引退してしまったそう。ハンス・ピーター役は、アレクサンダー・キャンベル。跳躍力はあって踊りはうまいけど、顔が大きく太ももがイワン・ワシーリエフ並みに太くてプロポーションに難あり。ハンス・ピーターが当たり役のリカルド・セルヴェラで観たかった。

くるみ割り人形は、一幕が踊りが少ない場合があって、版によっては大変退屈なのだけど、ロイヤル・バレエはキャラクターダンサーも普通のダンサーも演技が達者なので飽きない。ロイヤル・バレエ・スクールの子供たちもたくさん出ているけど彼らも演技ができるのでとても楽しい。

ヴィヴァンデールに高田茜さん、兵士に蔵健太さん、ねずみの王様に平野亮一さんと日本人が大活躍なのも嬉しいところ。特に平野さんは長身を生かした堂々とした王様ぶりで良かった。高田さんも安定していてくっきりとした踊り。雪のシーンは、ロイヤルなので群舞は全然揃っていないけど、雰囲気は素敵だし、ロイヤル・バレエ・スクールの子達が演じる天使たちが実に可愛らしい。

二幕のディヴェルティメントでは、踊りのたびにドロッセルマイヤーが踊りの象徴となるもの、葦笛や中国の踊りの独特なポーズなどを見せてくれるし、クララやハンス・ピーターが踊りに参加したりもするので、クララの役割もしっかり与えられているのが良い。アラビアの平野さんがとてもセクシーですてきだし、メリッサ・ハミルトンも妖艶で良く似合っている。ローズ・フェアリーのユフィさんは、実に華やかでキラキラしていて、優雅なポールドブラとアカデミックな動き、気品があって素敵だった。彼女の金平糖もぜひ見てみたい。

そして金平糖の踊り。ライト版は、金平糖の精と王子の出番が少ないけど、その少ない場面で鮮やかな印象を与えて幸福感で満たすことが至上命題。この日のラウラ・モレーラとフェデリコ・ボネッリはその点で完璧だった。二人とも派手なダンサーではないけど、ロイヤル・バレエの良心ともいえる、抑制がありながらもしっかりと魅せることができる、真のプロフェッショナル。フェデリコは王子様的な甘い雰囲気、サポートのうまさを発揮して、安心して見ていられる。そしてラウラも、とにかく精確で緻密に踊りながら、華やかさもあって、音楽性も豊かだ。郷愁を誘われるアダージオの美しく切ない音色を二人で歌い上げると、それだけで心震えて涙が溢れてくる。チェレスタの天上的な響きでキラキラとパを刻むラウラ。コーダの難しいフェッテも見事に決まった。ブラーヴォ。

ライト版のくるみ割り人形が毎年ものすごい人気でチケットも入手困難なのがよくわかる。ここまで夢と感動に満ちたプロダクションはほかに無い。東京での映画館上映でも、チケットが売り切れた劇場があったようだ。時差の関係で完全な生中継ではないものの、生で見ているようなライブ感と臨場感はとても楽しく、幸福感で胸いっぱいになって帰途につけた。いつか、ロイヤル・オペラ・ハウスでこれを観られたら、と思う。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
英国ロイヤルの「くるみ割り人形」、上映館が郊外で遠い上に、終演時間には、最終バスがもう終わってしまっているという、ペーパードライバーの私にとっては見に行くか行かないか、かなり迷う状況でしたが、思い切って見に行くことにしました。
行って良かった!やっぱりクリスマスシーズンは「くるみ割り人形」ですね!劇場の華やいだ雰囲気も良いです。
ライト版は、本当にストーリーが素晴らしいと思います。
クララが夢?から覚めてハンスと出会う場面は、とても好きなところです。心地よい余韻にひたることができます。
ハンス役は、私もリカルド・セルヴィラで見たかったなと思いました。このような夢物語的なバレエは、登場人物もあくまでもステキであって欲しい!スタイルは重要だと思います。
あと一つ贅沢を言えば、雪のシーンは、同じライト版でも英国バーミンガム・ロイヤル・バレエで踊られている(いた?)風が登場する版が好きなので、それだったら最高なのにと思いました。

ashitaさん、こんにちは。現在バンコクでバカンス中につきお返事が遅くなり申し訳ありません!

せっかくの上映なのに映画館が少ないですよね、私は品川が比較的近くて良かったのですが終演時刻はたしかに遅かったです。

でもライト版くるみは夢があっていいですよね。クララとハンス・ピーターがすれ違った後で気がついて思わずニッコリ、みたいな。リカルドはこの役ではベストですよね。小柄だけど顔が小さくバランスのとれた体型だし、踊りも演技も上手い!

バーミンガムロイヤルで上演している版もいいですよね。ライトがまだ存命中なのでちょこちょこ変更は加えているようですね。

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