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2013/11/10

11/9 マチルド・モニエ&ジャン=フランソワ・デュルール「ピュディック・アシッド/エクスタシス」

『PUDIQUE ACIDE』『EXTASIS』 Mathilde Monnier and Jean-François Duroure
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2013/d1109.html

振付:マチルド・モニエ、ジャン=フランソワ・デュルール
出演:ソニア・ダルボワ、ジョナタン・プランラ
初演:
『ピュディック・アシッド』1984年3月(ニューヨーク)
『エクスタシス』1985年11月メゾン・ドゥ・ラ・ダンス (リヨン)
再演:2011年モンペリエ・ダンス・フェスティバル
音楽:クルト・ヴァイル、ベルナール・エルマン
彩の国さいたま芸術劇場

モンペリエ国立振付センター(ラングドック=ルシヨン)の芸術監督であるマチルド・モニエは、80年代のヌーヴェルダンスを代表する振付家の一人。今回上演された『ピュディック・アシッド』は、彼女のデビュー作品。彼女の作品が日本で上演されるのは初めてだそうだ。

『ピュディック・アシッド』
http://youtu.be/LYYQRRQLOgY

『エクスタシス』
http://youtu.be/0g8Ne9d78yk

2つとも、20分ちょっとの小品で、音楽も同じくクルト・ヴァイル、男女一組のペアによるダンスなので雰囲気は似ており、前後編と言ってもいい感じ。『ピュディック・アシッド』では、赤いキルトスカートを着用した男女二人の踊り。シンプルな舞台装置と明るい照明。無音の中で始まるが、やがてドイツ語の歌が。クルト・ヴァイルの「三文オペラ」だ。ダンサー、ソニア・ダルボワ、ジョナタン・プランラはふたりともすらりとしていて長身。ソニア・ダルボワは中性的なイメージで、ふたりともほぼ同じ振りをユニゾンで踊るのが多いのだが、時にはパ・ド・ドゥ的になってお互いをリフトしたりする。そしてスカートを脱いでショートパンツにサスペンダー姿に。手を一緒に動かしたり、明るくユーモラスな振りが多いけれども、クラシックバレエ的な動きがあり、さらにヒップホップ的な部分や、他の作品からの引用も観られる時々、ドキッとするほど色っぽかったり、情感を感じさせる場面も。同じ衣装、同じような振付、性差を感じさせない姿の二人で、観ているうちに、男女の違いの意味ってなんだろう、ってことが炙りだされて来る気がするのが面白い。あまり複雑なことや難解なことはやっていないようだが、素晴らしくしなやかでダイナミック、かつ美しい動きで、ふたりとも大変優れた表現者であることが感じられた。

『エクスタシス』では、スタジオを思わせるような舞台装置で、スタジオ用の照明器具がいくつも立てられている。ふたりとも、ベージュ色のトレンチコートのようなコートの裾から、白い長いチュールスカートを覗かせていて、それがまるでチュチュのように見える。長身の男性がそんな姿をしているのに、少しも滑稽ではなく、かえってスタイリッシュに見えるから面白い。古典バレエのパ・ド・ドゥのようなパートナーリングも見受けられる。正面を見据えて、観客に目線を送っている様子は、やや挑発的だ。タンツテアター的な影響も感じられる。こちらもコートを脱いで、と少しずつ衣装が変わっていくが、『ピュディック・アシッド』では、ラストは女性が白いレオタード一枚に、前にチュールを垂らして短いドレスのような姿となる。音楽の調子が一変してメロディアスになりシリアスでリリカルな雰囲気に。照明も暗転した中青白い光が差し込んでいる。女性が去っていき男性が取り残される。

シンプルでコンパクト、洗練されているけどユーモラス。音楽と照明、衣装のセンスが素晴らしく良い上、ずっと踊りっぱなしの二人のダンサーもテクニック、表現力が見事で、現代ダンスの最良の部分を抽出したような舞台だった。30年近く前の作品なのに古さはほとんど感じない。衣装は、初演ダンサーたちが自分たちで買いに行ったものをそのまま使っているとのこと。フランス人のモニエがドイツ語の歌を使っているのは、彼女がフランスでもドイツとの国境地帯近くで育ち、ドイツ語に親しみつつも、様々なアンビバレントな感情を持っていたことが反映されているからだそうだ。

モニエは現在も年に1作品ほど新作を振りつけており、コミックなど他分野とのコラボレーションも積極的に行っている。また、モンペリエ国立振付センターでは教育にも力を入れているそうだ。新作はまた全く違った雰囲気の作品なのだそうで、ぜひそれらも日本で見る機会があると嬉しいと思った。

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