NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ)のドキュメンタリーcity.ballet公開
ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)のドキュメンタリー、city.balletが11月4日にWeb上で公開されました。1本が6~8分の長さで全12エピソードに加え、メイキングやインタビュー映像などの特典映像もあります。
http://on.aol.com/show/cityballet-517887470/episode/517995636
NYCBのボードメンバーで、かつてはシンシナティ・バレエの団員だった女優、サラ・ジェシカ・パーカーがプロデュースしたこのシリーズ。彼女の持つ製作会社が制作し、彼女自身がナレーションも担当しています。
「アプレンティス(準団員)」や「コール・ド・バレエ」「ソリスト」「プリンシパル」などカンパニー内ランクの話から始まり、「パートナーリング」「怪我」「白鳥の湖」「男性ダンサー」といった切り口、さらには、「犠牲」「人間関係」など、バレエそのものより、バレエダンサーの人生についてのエピソードもあります。例えばバレエ団内の恋愛関係、家族(NYCBには、ミーガン・フェアチャイルドとロバート・フェアチャイルドなど、兄弟団員が3組います)、家族や子供を持つ決断、バレエのために犠牲にしたこと、引退した後の人生について、などです。芸術監督ピーター・マーティンス、そして様々なランクの団員のインタビュー映像が登場します。日本でお馴染みのアシュレー・ボーダー、ホアキン・デ・ルース、サラ・マーンズなども。
ボーナス映像、舞台メイクやトウシューズについての話も大変興味深いものでした。特にサラ・ジェシカ・パーカーがシューズ部門の担当者にインタビューしたところは面白いです。年間8500足ものポワントを購入するそうですから…。ぜひ字幕付きで日本でも放映できたらいいなと思います。
この番組の狙いとしては、バレエ・ダンサーがいかに凄くて大変な仕事であるかということもありますが、そのような厳しい仕事についている彼らも一人の人間であり、時には私生活も映すことによって、より親しみを持てる存在として幅広い層に知ってもらえるようにする、というのがあるように感じられました。その分、バランシン作品がこのバレエ団でどれほどの重要性があるのか、そしてテクニック等、バレエそのものについての内容は少なめになっています。まずは、バレエの世界ってどんな感じなのかを、多くの人々、特に若い人に知ってもらうのが目的の映像シリーズなのですね。
面白いなと思ったのは、ある男性ダンサーが、バレエって8割がメンタルで残り2割が肉体だと語っていたこと。メンタルが強くなければプレッシャーに晒され続け、毎晩舞台に立つ仕事はできないなと思った次第でした。
こちらのWSJの記事によれば、組合との関係でホームグラウンドのDavid H. Koch Theaterでの撮影は少ししかできず、本来バレエ団の休日である月曜日に撮影が行われたとのことです。
今も随時、ボーナス映像が続々と追加されています。サラ・ジェシカ・パーカーがピーター・マーティンスにインタビューしたり、衣装セクションの話など。
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304171804579119333574571584
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