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2013/11/16

11/14〈シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2013〉エックの「カルメン」/東京バレエ団 Sylvie Guillem in Ek's Carmen

2013年11月14日
「カルメン」「エチュード」/東京文化会館

http://www.nbs.or.jp/stages/1311_carmen/index.html

「エチュード」
振付:ハラルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー、クヌドーゲ・リーサゲル

エトワール:上野水香、高岸直樹、梅澤紘貴、松野乃知
白の舞踊手(ソリスト):吉川留衣、岸本夏未

ほか、東京バレエ団

高岸さんが怪我のために後半部分を急遽梅澤紘貴さんが踊ることになった。でもどうせだったら梅澤さんが全部踊ったほうが良かったと感じた。彼が登場してくる時の、指パッチンしながらのドヤ顔はケレン味があって良かった。松野さんは、まだ不安定なところがあるけど、伸びしろを感じる。
最初のバーレッスンのシーンで、東京バレエ団の女性ダンサーたちが非常によく揃っていて、ポジションも正確で容姿も美しくクオリティが高いと感じた。女性ダンサーのレベルの高さに男性ダンサーが追いついていないのが、問題。


「カルメン」
振付:マッツ・エック
音楽:ジョルジュ・ビゼー、ロジオン・シチェドリン

カルメン:シルヴィ・ギエム
ホセ:マッシモ・ムッル
エスカミリオ:柄本弾
M:高木綾
オフィサー:木村和夫
ジプシー:岡崎隼也
女性たち:奈良春夏、
矢島まい、川島麻実子、河谷まりあ、伝田陽美、三雲友里加
兵士たち:氷室友、松野乃知、岸本秀雄、入戸野伊織、岩村暁斗

マッツ・エック版カルメンは初見。音楽はアロンソ版と同じシチェドリン編曲のもの。大きな水玉のついた背景が、巨大なチーズのようだった。銀紙のようなメタリックな衣装の女性たち。後半にギエムが着用するメタリック・レッドのドレスは後ろのトレーンが長くて、まるでゴジラのしっぽのようだった。エック特有の重心をしたに置いた振付、2番プリエの多用、スペイン語で繰り広げられる叫び声とともに、一歩間違えたら悪趣味の極みとなってしまうのだが、これが洗練されていて時代を超越したように見えつつも、独特の生命力や力強さを感じさせて好ましい。

カルメンを殺してしまったドン・ホセが死刑となる前の回想から始まる。大きな黒い玉の上に腰掛けたホセ。長身で華奢なマッシモ・ムッルは、美しくて、気弱で繊細でセクシーで、肉食系カルメンに絡め取られてしまった男のどうしようもなさを体現。長い腕が描く軌跡は美しく、そしてギエムとのパートナーシップも完璧だった。カルメンを殺してしまった時に上げる叫び声、口を大きく開けて慟哭する姿。自己主張は強くないが、彼がいてこそカルメンが輝いていたのだと実感させられた。ここでのカルメンはファム・ファタルではないけど、ムッルのホセは、オム・ファタルだ。嬉しそうに大きな花束を持って、つかの間の幸せな時間を過ごす姿がせつない。

ギエム。現在48歳の彼女がここまで踊れるのは奇跡だといえるだろう。自由自在に身体を操り、誰のものにもならない、自分の生き方を貫き通す強い女。怪物じみた、突出した凄さが彼女のカルメンをカルメンたらしめている。彼女の踊りはエックにしては少しクラシカルではあるが、カルメンの自由で奔放な精神をエッジの効いた身体表現で完璧に体現している。特に、まるで昆虫のような足の甲の表現力が凄い。後半の巨大な髪飾りにゴジラドレスが、更にその怪物性を強調している。官能性はほとんど感じさせないけど、ホセ、そしてエクカミリオと股間から赤い布を引き出すところも、肉食系の女らしくて様になっていた。シルヴィは、敬意を込めて化物だと呼びたい。

ミカエラ、そしてホセの母親、さらには「死」をも体現するM役の高木さん、彼女が素晴らしかった。古典のイメージの強い彼女が、エックの振付言語をものにしていて、大胆な動きを見せてくれる様子が爽快だった。存在感もしっかりとしていて、時には聖母、時には死、演じ分けも堂に入っていた。オフィサー役の木村さん、学生服のような詰め襟の服と口ひげが似合いすぎていて、まるで人間ではないかのような人形っぽい感じが怖くてはまっていた。途中でオフィサーは死んでMに死体をズルズル引きずられているのに、最後にまた登場したりして、ゾンビか、と思った!柄本さんのエスカミリオは、色気もありなかなか魅力的ではあったけど、少し若いかな。

東京バレエ団、中でも女性の群舞がものすごく良くて目を瞠った。上半身を大きく反らせたり重心を低く保ったりのエックの動きが入っている感じで、とても猥雑でスタイリッシュで葉巻を吸う姿も決まっていて、活き活きとしていて。もちろん、これから良くなる余地もあるのだろうけど、エック作品はこのバレエ団に合っている。今後は古典なんか踊るのをやめて、ベジャールとエックなど現代作品に特化したバレエ団になればいいのに。

カーテンコールでは、マッツ・エック、カルメン役初演のアナ・ラグーナ、そして振付指導のラフィ・サディも登場。エック本人を見るのが初めてで嬉しかった。長身で哲学者のような紳士。ぜひ再演を期待したい。

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コメント

ホント、東京バレエ団とエックの相性いいですね。というか、日本人にはエックの重心の低い動きが合っているのかも? 他のエック作品もぜひ踊って欲しいです。久しぶりにまた見たいと思いました。ギエムはこういう女性を踊った方が断然いいですね。

にわくさん、こんにちは。

はい、日本のバレエ団でここまでよくエックの動きができたな、とすごく感心しました!クラシックバレエの作品との二本立てで両方出た方もいましたが、こっちのほうが断然光っていましたね。これを機会に、他のエック作品を踊ってほしいと私も思いました。このエックのカルメンのキャラクターは、ギエムにもピッタリです。また再演も期待したいですよね。

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