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2013/11/06

10/19 シュツットガルト・バレエ「オテロ」  Stuttgart Ballet"Othello"

http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/othello/

OTHELLO Damiano Petenella
DESDEMONA Miriam Kacerova
JAGO Marijn Rademaker
EMILIA Carolina Agüero a. G.
CASSIO Alexander Jones

BRABANTIO Petros Terteryan
BIANCA Alessandra Tongnoloni
DER WILDE KRIEGER Roland Havlica

LA PRIMAVERA Katarzyna Kozielska
Mariya Batman
Paula Rezende

CHOREOGRAPHY AND PRODUCTION John Neumeier
MUSIC Nana Vasconcelos, Arvo Pärt, Alfred Schnittke u.a.,
WORLD PREMIERE 27. Januar 1985, Hamburg Ballett
PREMIERE AT THE STUTTGART BALLET 24. April 2008
CONDUCTOR James Tuggle

Othello_092
Foto: Stuttgarter Ballett

「オテロ」、キャスト違いで観たくなってもう一度シュツットガルトへ。直前に、エミリア役に予定されていたダンサーの体調不良により、キャスト変更があり、急きょハンブルク・バレエのプリンシパル、カロリーナ・アギュエロがゲスト出演することとなった。

この日のオテロ役は、ダミアーノ・ペテネッラ。ミラノ・スカラ座出身のイタリア人ベテランソリストで、普段は「オネーギン」のグレーミン、「ロミオとジュリエット」のティボルト、「白鳥の湖」のロットバルトなどキャラクター寄りの役を演じることが多い。長身で渋いハンサム、演技力に定評のある彼は、オテロ役にうってつけだと言える。オテロは人々の尊敬を集める将軍であるが、その役にふさわしい威厳と気品を持ちあわせていた。デスデモーナ役のミリアム・カチェロワもベテランのデミ・ソリストで、すらりと長身、落ち着いた雰囲気を持つダンサー。そういうわけで、ファーストキャストのジェイソン・レイリーとアリシア・アマトリアンとは打って変わって、成熟した大人のカップルに見えた。アリシアが演じるデスデモーナは少女のようで、天真爛漫さや奔放さを感じさせたのだが、ミリアム・カチェロワだと、そういった部分は感じられない。その分、二人の愛のシーンはより痛切に感じられ、またオテロの疑念が焚き付けられて二人の気持ちにすれ違いが出てくるところは、より切なく、痛ましいものだった。(余談だけど、「鏡の中の鏡」のパ・ド・ドゥでオテロの腰に巻き付けられた白い布がはずされるところ、ペテネッラのお尻が一番形が綺麗だと感じた)疑念が高まるあまり、ついにデスデモーナを殺してしまうオテロ、その行為に至るまでの苦悶も、ペテネッラが一番苦しんでいたように感じられた。横たわるデスデモーナの遺体の横で呆然と佇む姿にも、思わず胸が締め付けられた。

エミリア役が、ハンブルグ・バレエからのゲスト、カロリーナ・アギュエロ。急遽の出演となり、一度の通し稽古と一度のゲネプロだけで本番に臨んだと聞いた。だが、さすがはノイマイヤーのバレエ団でこの役を演じてきただけあって、インパクトの強い熱演を見せてくれた。エミリアもかなり複雑なキャラクターで、デスデモーナの侍女であるにもかかわらず、夫イアーゴにそそのかされて彼女を裏切ることになる。エミリアは、イアーゴにDVとしか言いようがない虐待を受けているにもかかわらず、ある意味支配されることに喜びを感じてしまい悲劇の引き金を引く。ところが、カロリーナが演じたエミリアは、自分の意志を持った強い女であり、イアーゴの脅迫にもかなり抵抗する。アルゼンチン出身のカロリーナは、スペイン語でイアーゴとやりとりをするのだが、ラテン女の激しさが出ていて、イアーゴに歯向かった挙句にねじ伏せられてしまうところがよく出ていた。そしてイアーゴを演じたマライン・ラドマーカーも、2週間前に共演したミリアム・サイモン相手とは違った演技を見せた。エミリアが強く出ている分、彼もより容赦のない、暴力的で抑圧的な人物として描かれ、怒りの炸裂も鮮烈で、純粋な悪としての存在感が圧倒的だった。

このように、相手役が変わっただけでもガラリと違った作品となるのが、ノイマイヤー版「オテロ」の醍醐味の一つである。5人の兵士たちは他日の公演とほぼ同じキャストであるが、男性ダンサーのレベルの高いシュツットガルト・バレエらしく、若々しく、荒々しく、時にはエロティックな存在として、エキゾチックながらも無国籍なイメージの作品世界を作り上げるのに大いに貢献していた。


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