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« DVDバレエ名作物語6 ジゼル 新国立劇場バレエ団 | トップページ | シアタス・カルチャー 英国ロイヤル・オペラ&バレエ 2013/14シーズン »

2013/09/01

ロイヤル・バレエ、ENBのダンサーたちの映像をiTunesで配信 Crystal Ballet

以前にも一度ご紹介しましたが、スティーヴン・マックレー、アリーナ・コジョカルら英国バレエ界のトップダンサーたちが踊ったオリジナル作品をiTunesで配信するプロジェクト、Crystal Balletの第一回作品が近日中に公開されます。

少し前のことですが、今年7月に、Crystal Balletの芸術監督であるヘンリー・セントクレア(元ロイヤルバレエ)にお話を伺うことができ、また映像全編を見せていただいたので、もう少し詳しくご紹介します。

http://www.crystalballet.com/

予告編
http://youtu.be/Gj51U-BNPZA

この作品「Genesis」は4つのパートに分かれています。
Spring スティーヴン・マックレー、サラ・ラム 振付:キム・ブランドストラップ 音楽 ブラームズ
Summer ワディム・ムンタギロフ、ダリア・クリメントヴァ 振付:エルンスト・マイズナー 音楽 ラフマニノフ
Autumn 高橋絵里奈、エステバン・ベルランガ 振付:エルンスト・マイズナー 音楽 メンデルスゾーン
Winter アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー 音楽 バッハ

2人の恋人たちの関係が四季を通してどのように変化していくかを、主にパ・ド・ドゥで表現しています。夏、秋のパートのみ、ワディム・ムンタギロフ、そしてエステバン・ベルランガ(撮影当時はENBに所属、来シーズンからスペイン国立ダンスカンパニーへ移籍)のソロがあります。春と冬を振付けたキム・ブランドストラップは、ロイヤル・バレエを中心に、デンマーク・ロイヤル・バレエなどにも作品を提供している人気振付家で、彼の作品は、プロットレスな中にもなんとも言えない叙情性があってとても美しいです。エルンスト・マイズナーは、オランダ国立バレエのソリストで来シーズンより新しく設立されるオランダ国立バレエのジュニアカンパニーの芸術コーディネーターに就任します。彼が振りつけた夏のパートでは、ムンタギロフの高い身体能力を活かした生き生きとした作品を作り上げました。全部で40分強の作品です。

このプロジェクトのために振りつけられた作品であるため、それぞれのダンサーの魅力が最大限発揮されていて、繰り返し何度でも観たい素敵な作品になりました。特に冬のパートは、コジョカルとコボーの二人ならではのドラマティックさが発揮されていて、とても情感あふれるパートになっています。スマートフォンの小さな画面で観ても、実際とても見やすくて、モバイルでの見え方を考慮した照明の使い方もメリハリがあって非常に美しく、そして全体的にも楽しめる作りになっていました。

なぜこのプロジェクトが始まったかというと、スマートフォンで気軽にどこででも観られる作品を作りたいからとのこと。スマートフォンで観るのに観やすい作品を作るために様々なテクノロジーを駆使しました。映画「007 スカイフォール」や「ハリー・ポッター」シリーズで使われた技術だそうです。

ヘンリー・セントクレア自身は、96年にカンパニーの来日公演で東京に来た時にお金を電子ガジェットに使いまくったことで、テクノロジーに関心を持つようになったそうです。ダンサーを引退した後は、経済学を大学で、そしてフィジオテラピーを学び、このプロジェクトを企画することになりました。

2011年末に会社が設立され、1年間を準備に費やし、今年の4月に撮影が行われました。プロジェクトにはIT畑の人も参入して、ファンドを手に入れることができたのでゴーサインが出たとのことです。撮影は、子供たちがちょうど休みの時期のロイヤル・バレエスクールを使って2週間かけて行われました。それぞれのパート、10~20分間の映像を20テイクも撮影したそうです。ムンタギロフのソロパートの音楽は、45分間で作曲して翌朝収録した、なんてすごいエピソードもあります。演奏は、スタインウェイのピアノを使ったのですが、スタジオにピアノが入らなかったために扉を外してやっと入れることができたという逸話も。

スマートフォン向けの700MBのファイルのほかにも、タブレット端末での視聴、さらには4Kテレビ向けの32Gのバージョンまで作り上げて、様々なメディアで視聴できるものにしたそうです。サステイナブル(継続可能)なプロジェクトを目指しており、今後も3本映像を制作する予定でアイディアもできているとのこと。オフレコだったので詳細は書けませんが、あっと驚くようなすごい内容のものとなる様子です。

当初はリアム・スカーレットも振付に参加する予定だったのが、マイアミ・シティ・バレエにViceraを振付ける仕事が伸びたために今回は参加することができず、代わりにブランドストラップになったとのこと。撮影も、映画学校に通っていたブランドストラップとマイズナー、さらにはロイヤル・バレエのファースト・ソリストであるベネット・ガートサイドが手がけました。ガートサイドは、ロイヤル・バレエの記録用映像の撮影や、02アリーナで「ロミオとジュリエット」が上演されたときの映像監督を担当してきました。

また、このプロジェクトに関わってきたメンバーのうち一人は写真家のデヴィッド・ウェイトで、ロイヤル・バレエのプリンシパル・キャラクター・アーティストであるジェネシア・ロサートの夫君でもあるのですが、リハーサルや創作の過程などを撮影し、ドキュメンタリーブックも発売する予定なのだそうです。映画館で上映するための予告編も制作したそうです。ロイヤルのダンサーが様々な形で関わっているこのプロジェクト、なんとスティーヴン・マックレーとタマラ・ロホも出資しているとのこと。利益は全ての参加者のあいだで等分に分割するそうで、本当に画期的な企画ですね。

近日中にiTunes ストアで配信される予定で、価格は15ポンド、日本では2300円の予定。またリリースされましたらお知らせします。出演しているダンサーのファンの皆さんは必見です。

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