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2013/05/06

フレデリック・フランクリンが逝去 Frederic Franklin, ballet dancer, coach and director, dies at 98

バレエ・リュス・ド・モンテカルロなどで活躍し、バランシンら振付家たちにインスピレーションを与え、90代を迎えてもなおABTの舞台に立つ傍ら、バレエ界の生き字引として振付指導やバレエの歴史保存に活躍したダンサー、フレデリック・フランクリンが亡くなりました。享年98歳。

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ワシントン・ポスト
http://www.washingtonpost.com/local/obituaries/frederic-franklin-ballet-dancer-coach-and-director-dies-at-98/2013/05/05/9b69f642-0e3a-11e1-a560-dfb7ccea65aa_story.html?wprss=rss_obituaries

ニューヨーク・タイムズ
http://www.nytimes.com/2013/05/06/arts/dance/frederic-franklin-inventive-ballet-star-dies-at-98.html?hp&_r=0

ほとんどのダンサーが引退する年齢を過ぎてなお、フランクリンは、ダンサー、生き字引、歴史家としてバレエ界に重要な貢献を果たしました。細かいことまで覚えられる優れた記憶力を持ち、重要な振付家やダンサーたちとの経験をしている彼は、若い世代へとそれを伝えていくことで、バレエ界の至宝として崇められる存在となったのです。映像などの記録が少ない時代のバレエが今に伝わっているのは、彼の大きな功績です。

1914年に英国、リバプールで生まれたフレデリック・フランクリンは、英国バレエの草創期に育ちました。当時は、バレエといえばロシアのもので、英国人の男性が踊るのは非常に珍しいことでした。17歳でパリに渡り、ジョセフィーヌ・ベーカーが看板として踊っていたカジノ・ド・パリでアンサンブル・ダンサーとして踊るようになりました。タップの技術もここで身につけました。

1938年にバレエ・リュス・ド・モンテカルロに参加した彼は、理想的なプロポーションと美しい容姿、そして振付をすぐに覚えられる素晴らしい記憶力の持ち主としてスターダンサーとなり、45本もの作品に主役で出演し、何本かのハリウッド映画にも出演しました。彼が出演した「ロデオ」(初めてのアメリカン・バレエと呼ばれる作品)の振付家アグネス・デ・ミルは、「私が初めて一緒に仕事をすることができた偉大な男性テクニシャンでした。私は人間の体ができるすべてのことをやってみたけど、彼はムスタングのように強靭で、スピーディで、疲れを知りませんでした」と彼を評しました。

アリシア・マルコワ、アリシア・アロンソ、マリア・トールチーフなど多くの同世代のバレリーナと共演した彼ですが、最も有名なパートナーシップは、アレクサンドラ・ダニロワとのものでした。「ジゼル」から「コッペリア」まで、彼らの共演は幅広い作品にわたりました。中でも映像化された、レオニード・マシーン振付「ゲテ・パリジェンヌ」での踊りは有名です。

1950年代初頭にバレエ・リュス・ド・モンテカロが解散した後は、自らのバレエ団を率いて、52年には「欲望という名の電車」を踊り、それが元で、マーロン・ブランドの同名の映画が制作されたのです。1957年から61年には、ワシントン・バレエの共同芸術監督を務めました。また、84年にダンス・シアター・オブ・ハーレムに振り付けた「ジゼル」は、「クレオール・ジゼル」の異名を取って有名になりました。2007年には、ジョフリー・バレエのために古典版「ジゼル」を振り付けています。

彼の活動は、ダンサーから指導者、演出家へとシフトしていったものの、90代になってもABTで「白鳥の湖」の家庭教師役、「ロミオとジュリエット」のローレンス神父役、「ラ・シルフィード」などで舞台に立ち続けました。私も幸運にも何度か彼の舞台姿を見ることができましたが、それはそれはエレガントで美しく、とても90代とは思えないほどピンと張った背筋が印象的でした。

2011年には、フランクリンはバレエ界に対する長年の功績を讃えられて、ベッシー賞を受賞しています。その時ですらも、彼は足腰が立つ限り舞台に立ち続けるとインタビューで語っていました。

映画「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」でも、80代になっても、かくしゃくとしたフランクリンがアレクサンドラ・ダニロワと踊る姿を、インタビューとともに見ることができます。

20世紀バレエに大きな貢献をした、偉大なダンサーのご冥福をお祈りします。

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