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2013/03/29

3/20 東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ“グラン・ガラ・コンサート” 〜私たちはひとつ!!〜

東日本大震災復興祈念チャリティ・バレエ“グラン・ガラ・コンサート” 〜私たちはひとつ!!〜
2013年3月20日(水・祝) Bunkamura オーチャードホール

http://ints.co.jp/grand-gala/index.htm

[舞台監督・演出]アラ・ラゴダ [プロデューサー]田北志のぶ

田北 志のぶ (キエフ・バレエ 第一舞踊手/ウクライナ功労芸術家)Shinobu Takita
アレクサンドル・ヴォロチコフ (ボリショイ劇場 プリンシパル・ダンサー)Alexander Volchkov
アレクサンドル・ザイツェフ (シュツットガルト・バレエ プリンシパル・ダンサー)Alexander Zaitsev
イーゴリ・コルプ (マリインスキー劇場 プリンシパル・ダンサー)Igor Kolb
ブルックリン・マック (ワシントン・バレエ プリンシパル・ダンサー)Brooklyn Mack
ヤン・ワーニャ (キエフ・バレエ ソリスト) Jan Vanya
エカテリーナ・ハニュコーワ (キエフ・バレエ ソリスト)Katerina Hanyukova
エカテリーナ・マルコフスカヤ (バイエルン国立劇場 ソリスト、フリーゲストダンサー)Katherina Markowskaja
エレーナ・エフセエワ (マリインスキー劇場 セカンドソリスト)Elena Yevseyeva
マリア・アラシュ (ボリショイ劇場 プリンシパル・ダンサー)Maria Allash

東日本大震災が起こった2ヶ月後、キエフでいち早くチャリティガラを開いてくれたのが、キエフ・バレエの第一ソリストである田北志のぶさんだった。 バレエを通して、感動や癒やしを届け、子供たちに笑顔を戻す手伝いをしたい」という田北さんの呼びかけに応え、ボリショイやマリインスキーをはじめ各国の一流バレエ団から、ダンサーが集結した。とても心がこもっていて温かみがある素敵なガラで、出演者のレベルも粒ぞろい、すべての演目を楽しむことができた。舞台監督・演出のアラ・ラゴダはキエフ・バレエのバレエ・ミストレスを長年務め、アリーナ・コジョカル、デニス・マトヴィエンコらを指導。田北志のぶさん、カテリーナ・ハニュコーワらも彼女の教え子だという。


【第1部】
『コッペリア 第三幕』より スワニルダとフランツのパ・ド・ドゥ
カテリーナ・マルコフスカヤ、アレクサンドル・ザイツェフ

マルコフスカヤは、今年一月のブベニチェク・ニューイヤーガラにも出演していたダンサー。(ところで、エカテリーナとなっていたけど、正しくはカテリーナKatherina Markowskajaのようです)
とても可愛らしいペアで、微笑ましくラブラブな雰囲気はぴったり。今年の6月にシュツットガルト・バレエを退団してしまうザイツェフ(グレン・テトリーの「春の祭典」がサヨナラ公演となるとのこと)も、30代半ば過ぎなのにこんなにも初々しくキュートな笑顔を見せてくれるとは。サーシャは少し重かったけど、綺麗に5番に入る着地は柔らかくて良かった。マルコフスカヤは、技術的にも優れていてフェッテもしっかりと安定して回っていた。


『ジゼル 第二幕』より ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥ
田北志のぶ、ヤン・ワーニャ

田北さんは、腕が長くてプロポーションに恵まれており、とても繊細な表現をする。透明感がありながらも気持ちのこもったジゼルで、リフトされるとふわりふわりと舞う。ヤン・ワーニャは、1月にフィリピエワとマトヴィエンコ主演のキエフ・バレエの「ジゼル」を観た時には、ヒラリオン役だった。大変な長身の割にはヴァリエーションでもしっかりと高く跳び、足先まで美しい。二人のあいだのドラマ性は少し弱く、アピール力がもう少しあるともっといいと思う。


『海賊』より メドーラとアリのパ・ド・ドゥ
エカテリーナ・ハニュコーワ、ブルックリン・マック

ブルックリン・マックは昨年のヴァルナ・コンクールで金賞を受賞した。とにかく跳躍が非常に高くて驚く程であり、最後にはしっかり540を決め、そしてヴァリエーションのフィニッシュで反らした背中の柔らかさにも驚かされた。かといって身体能力一辺倒ではなくてロシアバレエベースのエレガントさも持ち合わせており、まだまだ成長の余地はありそうだけど大変な逸材だ。ハニュコーワは美しい容姿のバレリーナで、テクニック、音楽性に優れている。特にグランフェッテでは、少しずつ角度を変えていくテクニックを盛り込んで魅せた。


『ライモンダ』より ライモンダとジャン・ド・ブリエンヌのパ・ド・ドゥ
マリア・アラシュ、アレクサンドル・ヴォロチコフ

ヴォロチコフは長いマントは身につけていなかったけれども、二人とも、ボリショイのプリンシパルらしいスターの輝きと美しさ、堂々とした気品があって圧倒された。ヴォロチコフは以前、パリ・オペラ座の「ライモンダ」にアレクサンドロワとゲスト出演したのを観て、その時は全く精彩を欠いていたのに、今回はそんな印象を完璧に払拭する、ダイナミックで力強くかつノーブルさもある踊り。着地も大変美しくて、まさにナイト(騎士)という感じ。アラシュは上手い人なのはわかっていたけど、今までは地味な印象があった。ところが、今回は非の打ち所のない優雅なお姫様で、洗練されていて実に美しい。難しいサポートもきれいに決まった。


『タリスマン』より パ・ド・ドゥ
エレーナ・エフセエワ、イーゴリ・コルプ

3月8、9日の牧阿佐美バレエ団の「眠れる森の美女」に続いてコールプを観られるのは嬉しい限り。それも、彼にしては珍しい勇壮な踊りである。水色のヒラヒラの衣装を身につけて跳ぶ、回る。全盛期は少し過ぎてしまったようだが、それでも高く上がるアントルラッセの後ろ脚、猫のように柔らかい着地とクラシックバレエの美しさを見せてくれた。溌剌としたエフセーエワは、音にきっちりと合わせてテクニックの正確さを見せ、明るい笑顔も眩しい。

【第2部】
『エスメラルダ』より パ・ド・ドゥ
田北志のぶ、ヤン・ワーニャ

「エスメラルダ」と言っても、ガラなどでよく観られるタンバリンを鳴らすヴァリエーションのものではない(タンバリンは基本的には男性ダンサーが持っている)。プログラムに誰の振付作品なのか書いていないけど、ボリショイ・バレエで上演されているユ-リ・ブルラーカと ワシリー・メドベージェフが復刻したジュール・ペロー振付作品に似ているような気がする。真っ赤な衣装がよく映える田北さんは、表現力もとても豊かで、エスメラルダの絶望と悲しみがよく伝わってきた。


『On the way』
ブルックリン・マック

この演目は、ブルックリン・マックがヴァルナ国際コンクールで金賞を受賞した際に踊った作品のひとつのようだ。Dai Jianという中国出身の振付家の作品で、ボストン国際バレエコンクールでも、男性の課題作品として選ばれているとのこと。上半身裸に白い袴、ブルックリンの黒い肌に白がひときわ映える。東洋的な歌声に合わせ、静謐さの中にも力強くしなやかな動きがよどみなく続き、彼がコンテンポラリー作品でも表現力が高いことを証明していた。

ヴァルナ国際コンクールでの映像


『ラ・シルフィード 第二幕』より シルフィードとジェームスのパ・ド・ドゥ
エカテリーナ・マルコフスカヤ、アレクサンドル・ザイツェフ

昨年シュツットガルト・バレエで「ラ・シルフィード」(ブルノンヴィル版)が上演された時に、サーシャ(ザイツェフ)もジェームズ役を踊っていたので見てみたかった。「コッペリア」では少し重そうだった彼だけど、こちらの演目では、ブルノンヴィル的な足さばき、飛距離の長い跳躍、アッサンブレ、そしてアントルシャまできれいに決めて、着地もばっちり。マルコフスカヤのシルフィードはとてもコケティッシュで愛らしく軽やか。小悪魔的なところは少なかったけど、いたずらっ子のようでキュートだった。


『グラン・パ ・クラシック』より パ・ド・ドゥ
エレーナ・エフセエワ、イーゴリ・コルプ

ブルーの鮮やかなチュチュに身を包んだエフセーエワは、調子が良さそうで、この演目の見せ場であるバロネも鮮やかに決まった。この前の演目「タリスマン」が長かったこともあり、コールプは少しお疲れ気味のようであったが、サポートが大変うまくてジェントルマンぶりを発揮。そして連続アントルシャ・シスのつま先がとっても美しくて惚れ惚れした。


『スパルタクス』より エギナとクラッススのパ・ド・ドゥ
マリア・アラシュ、アレクサンドル・ヴォロチコフ

去年のボリショイの全幕「スパルタクス」でも素晴らしいクラッススを見せてくれたヴォロチコフ、1幕冒頭の印象的なえびぞりジャンプのソロをまずは堪能し、力強く堂々としたクラッススの演じ方、ダイナミックな跳躍に見入った。来日公演では見逃してしまったアラシュのエギナも、狡猾で色っぽくパワフルで、ガラでこんなにドラマティックで濃厚な世界を見せてくれるとは、と嬉しい驚き。アクロバティックで複雑なリフトも見事なもので血沸き肉踊った。この日のハイライトと言ってもいい。「スパルタクス」また全幕で観たい。


『瀕死の白鳥』
[演奏]早川りさこ(hrp)、渡部玄一(vc)
田北志のぶ

舞台の上のハープとチェロの生演奏で演じられたのは嬉しい。田北さんは、素晴らしく長い腕の動きがなめらかで非常に繊細で、人間が演じているとは思えないほどだった。さざなみのような、震えるような細かいパドブレによる、舞台を滑るような動きと相まって、静謐な空間が舞台の上に現れて引き込まれた。死に瀕していながらも、生きようとする強い意志を感じさせる彼女の白鳥は、震災で亡くなった人や被災した人たちへと捧げられた祈りのように感じられて、深い感動を呼んだ。


『ドン・キホーテ』より キトリとバジルのパ・ド・ドゥ
エカテリーナ・ハニュコーワ、ブルックリン・マック

ブルックリン・マックは「海賊」よりこっちのほうがさらに良かったと思う。より踊り慣れている感じで、軸がしっかりしていて減速しきれいに止まるピルエット、高い高い跳躍、しっかりしたサポートとほとんど完璧で、観客も大いに沸いた。ハニュコーワのグランフェッテは、「海賊」同様、角度を変えていくものだったけど、その中でダブルも入れていて高度な技術を見せてくれた。若い二人だったけど、トリにふさわしく盛り上がった「ドン・キホーテ」だった。


【フィナーレ】

「花は咲く」という歌に乗せて各々のペアが登場して、自分たちが踊った演目の中から少しだけ踊ってくれた。整列した出演者たちに花が渡されたと思ったら、彼らは舞台を降りて、通路際の席にいる観客に花を手渡していった。たまたま通路近くに座っていたので、花はもらえなかったけど、何人かのダンサーは近くで見ることができてちょっと嬉しかった。とても心温まる素敵なガラだった。この素晴らしいガラ、また今後もぜひ開催して欲しいと思った。


河北新報に掲載された、仙台公演の記事。(マルコフスカヤ、ザイツェフの写真あり)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130320t15013.htm

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