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2013/01/24

パリ・オペラ座バレエ団新芸術監督にバンジャマン・ミルピエが決定

追記:公式サイトでもアナウンスがありました。
http://www.operadeparis.fr/actualites/Benjamin-Millepied-nouveau-Directeur-de-la-Danse

現在のブリジット・ルフェーブルが2013-14シーズン末に退任した後、誰が就任するか大変注目されていたパリ・オペラ座バレエ団の新芸術監督が決定しました。フランス時間朝11時半(日本時間7時半)に発表される予定でしたが、その前にNew York Timesにリークされました。

Millepied Will Be New Director of Paris Opera Ballet
http://www.nytimes.com/2013/01/24/arts/dance/benjamin-millepied-to-be-paris-opera-ballet-director.html

NYCBの元プリンシパル(2011年に引退)で、現在は振付家として活躍するとともに、LA Dance Projectという自らのカンパニーを率いているミルピエ。映画「ブラック・スワン」で共演したナタリー・ポートマンの夫であることでも知られています。ボルドー生まれのフランス人ですが、パリ・オペラ座学校ではなく、リヨンのコンセルヴァトゥールを経てスクール・オブ・アメリカン・バレエ出身。パリ・オペラ座バレエにも「Amoveo」「Triad」と過去2作品、小品を振りつけてきました(3作品目を来シーズン振り付ける予定)。1977年生まれで現在35歳という若さです。ミルピエは2014年9月に就任が予定されています。


今まで、現メートル・ド・バレエのローラン・イレール、2014年に現役を引退するニコラ・ル=リッシュ、現ボルドー・バレエの芸術監督シャルル・ジュド、ウィーン国立バレエ芸術監督で成功しているマニュエル・ルグリ、シルヴィ・ギエム、ミラノ・スカラ座芸術監督のワジーエフ、元ボリショイ・バレエの芸術監督アレクセイ・ラトマンスキー、さらにアンジェラン・プレルジョカージュ、ウィリアム・フォーサイスらの名前が有力候補として取り沙汰されてきました。その中で、昨日突然バンジャマン・ミルピエの名前が俎上にあがり、そして最終決定したというもので、世界中がこのニュースに驚いています。

(以下随時更新します)


水曜日に、ミルピエがNY Timesのインタビューに答えました。昨年11月にミルピエは、現在のパリ・オペラ座のニコラ・ジョエル総裁の後継者であるステファン・リスナー(現ミラノ・スカラ座総裁、2015年に着任予定)から接触を受けました。パリ・オペラ座では、バレエ団芸術監督のポリシーは総裁の同意を得なければならないのですが、過去数十年にわたって、総裁が口を挟んだり実際に関わったことはなかったそうです。声をかけられたときミルピエは大変驚き、また他にバレエ団内から候補者がいることも分かっていたそうですが、アーティスティックな会話はとてもワクワクするものだと感じ、そしてしばらくして、この地位を得られる感触を感じたそうで、頭がクラクラしたそうです。


ミルピエは、150人のダンサーで構成される世界最高のクラシックバレエカンパニーを率いることになります。ルイ14世の宮廷でのバレエという、バレエの歴史の始まりからの伝統を持つ。ほとんどのダンサーはパリ・オペラ座学校の出身者であり、カンパニーに入団してから離れる人はほとんどいません。団員は42歳の引退年齢まで契約が続く公務員でもあります。ルフェーブルという例外を除けば、過去の芸術監督で長続きした人はほとんどおらず、ヌレエフが6年間、ヴィオレット・ヴェルディは数シーズン率いていただけでした。

ミルピエは長いことツアーグループを作って公演を行ってきており、ダンサーとしての全盛期においてもミュージシャンやダンサーたちと共に小さな振付プロジェクトやフェスティバルを組織してきました。ABTやNYCB、パリ・オペラ座バレエで彼が振りつけた作品は上演されてきました。また、映画「ブラックスワン」やナタリー・ポートマンとの結婚で一般的にも知名度は高いです。

しかしながら、彼のカンパニー「L.A.ダンスプロジェクト」は9月に旗揚げ公演を終えたばかりで小さく実験的なものです。ミルピエは、オペラ座の芸術監督に就任するまではこのカンパニーの運営を続ける予定であると言っており、オペラ座に就任するにあたってポートマンと彼らの息子と共にパリに引っ越すとのこと。LAダンスプロジェクトは3年間の予算が保証されており、今後も存続することを願っているそうです。

ミルピエは、彼のプログラミングの中に、自身の振付作品を優先的に上演するとは考えていないとのことです(ちなみに、振付家だったパリ・オペラ座の芸術監督はセルジュ・リファール以来(もちろん、ヌレエフは古典作品の再振付を行っているわけですが)。そして、ヴィジョンとしては、コンテンポラリー・バレエのレパートリーを中心にするとのこと。「ブリジット・ルフェーヴルがジェローム・ベルやピナ・バウシュといった振付家をレパートリー入りさせたことには大きな敬意を持っている」「しかし自分が興味を持っているのは、とても豊かで興味深いバレエの芸術と技術を発達させること。新しいアイデンティティを発達させ、ダンサーたちに真の意味で挑戦させ、古典だけではないバレエを踊って欲しいと思う」

どの振付家を招くかという具体的な名前を挙げるのは避けていましたが、NYCBでの経験が自身の振付や音楽の嗜好に強く影響を与え、自身のプログラミングに、コミッションされた音楽を作って使いたいという意図があるとミルピエは語っていました。もうひとつの優先事項は、バレエ団内の振付家の才能を伸ばしたいということだそうです。「長いこと、ここでは大きく育った振付家はいなかったけど、ここには間違いなく才能はあるし、パリでは、創造的な人間にとっての豊かな環境を作るための全てがある」

さて、11時半から行われた記者会見に出席した、ジャーナリストのローラ・カペルさん(ファイナンシャルタイムズのダンス記事を執筆)のTwitter @bellafiguralで、会見の速報が流れていました。

要旨

2014-15年のシーズンのプログラムは、引き継ぎをスムーズにするために、ルフェーヴルがプログラミングを担当する。(すでに、2013-14シーズンは「椿姫」「オネーギン」「ノートルダム・ド・パリ」「眠れる森の美女」が上演されるとされています)

ミルピエの芸術監督としての契約期間は無期限のものとなる。

ミルピエは、ヌレエフ作品はパリ・オペラ座バレエの歴史の一部と言っているが、数年後には変えていくかもしれない。バレエの新しい見方を提供したいと。

新しいスタッフ(バレエ・マスター等)を連れて行くということはない。(現在のメートル・ド・バレエはそのまま残留するそうです)

次期総裁のステファン・リスナーによれば、彼は9人の候補者と面談したそうで、フランス、そして海外の候補者とも会ったとのこと。また、ミルピエには、ぜひオペラとバレエのコラボレーションをして欲しいと思っている。

ミルピエは、オペラ座バレエはもっとツアーを行い、彼の世代のクラシックの振付家に開かれた存在としたい。そして自身のパリ・オペラ座での新作は「ダフニスとクロエ」となる予定。

また、ミルピエは、フランス国内のツアーも行い、そしてダンサーのための定期的な振付ワークショップを、振付の訓練とともに行いたい。

米国での彼のカンパニーで行っているように、公演前に観客に向けて作品の解説を自身が行いたい。


*********
ミルピエのインタビューからは、今後のパリ・オペラ座がさらに現代作品寄りのレパートリーとなることが予想され、一部では反発が出てくるものと思われます。自身が設立したアメリカのカンパニーがすでに3年分の資金を確保していることからも、彼はスポンサー集めの手腕に関しては大変優れているという認識があり、そのことが、今回の仕事を手に入れることのできた大きな理由では、と思われています。さらに、イヴサンローランの香水"L'Homme Libre"の広告や、エールフランスのキャンペーン、もちろんナタリー・ポートマンの夫であるということなど、セレブとして有名だということも勘定に入っていることでしょう。

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パリ・オペラ座バレエ」カテゴリの記事

コメント

バンジャマン・ミルピエですか。ちょっと、というかずいぶん意外な人選ですね。
オペラ座にほとんどかかわりのない人、ですよね。(振りつけたことがあるとはいえ)
これでますますオペラ座はクラシックから離れていくのですね。ヌレエフ世代が引退して、オペラ座バレエはどこにいくのでしょう。
正直、オペラ座バレエは多くのファンを失うことになるんじゃないのかしら。
就任する前から言うことではないと思いますが、がっかりしました。
将来、パリに出かけても、オペラ座バレエは見なくなるかも・・・。

はじめまして!いつも興味深く拝読させて頂いております。
今回は、びっくりしました!
ミルピエがオペラ座にどのような新風を巻き起こすか興味がありますが、
コンテンポラリー中心になるのでしょうか。ご本人はクラシックに興味なさそうですね。

脱ヌレエフは以前から耳にしていましたが、パリオペの歴史は、大切にして欲しいです。
ヌレエフ大好き人間の私は、ヌレエフの子供や孫たちに夢を託すことにします。

映画、ブラックスワンの振り付けがミルピエなんですよね。
はっきり言って、ムムム・・・・・・・・

来シーズンは、パリに通うことにしましょう。最後になるのかしら・・・

ショコラ・ショーさん、こんばんは。

ミルピエ、オペラ座に2作品振付けているとはいえ、これらの作品は決して評価は高くなかったようですし、オペラ座学校の出身ではないですし。
ここ1,2年で多くの人気エトワールが引退してしまいますよね。アニエス・ルテステュ、ニコラ・ル=リッシュ、イザベル・シアラヴォラ、オーレリー・デュポンなど。彼らがいなくなってしまった後のオペラ座が心配な上、ミルピエになってプログラムがどう変わるのか、私も正直とても不安です。来シーズンはルフェーブルがプログラミングしているし、ある程度内容もわかっているし、これら引退するエトワールを見られるほぼ最後のシーズンなので、来シーズンを見納めだと思ってパリに行く人も多いのではないかと思います。

marikaさん、こんにちは。

私も今回の件、ミルピエは最初下馬評に上がっていなくて、イレールが有力なのかなと思っていたので驚きました。ルフェーブル時代が20年も続いたので、新風は必要だと思いますが、パリ・オペラ座バレエ団はバレエの歴史そのものであり、革新的な作品を取り入れることも大事ですが、同時にクラシックバレエの伝統を守り続けることも義務だと思います。ヌレエフ作品も、もちろん大事にしなければならない遺産です。就任前から判断はできませんが、非常に不安に思ったのは私も同じです。ブラックスワンの振り付けはむむむでしたよね。。

来シーズンのプログラムは今のところは良さそうなので、もしかしたら見納めかもという感じで(引退してしまうエトワールも多いし)、私もパリにまた行くかもしれません。

naomi 様

お久しぶりです。最近多忙のため、しばらくバレエから離れていたのですが…
次々に驚きのニュースが飛び込んできますね。

まず、フィーリンの事件については、本当に痛ましく、私はすぐにあの楽しかった「明るい小川」を思い出して、何とも言いようがない気持ちでいっぱいです。

ドヴォロヴェンコは私も好きなダンサーの一人で、これでまたABTのスターが消えるのだなあと。
一時期はあんなにスターがいたのですが・・・じわじわとこうなってしまったので、全く予想外のことではないのですが、マッケンジーってどうなんでしょうねえ。

最後にパリ・オペです。私はルフェーブルもかなり癖があるので、あまり好きになれなかったのですが、その次にミルピエを持ってくるというのに衝撃を受けました。何か新しいことをやってくれそう、ということなのでしょうか?私も、イレールだと思っていたのですよ。まあ、次にルグリなんでしょうけども、正直今はバレエ(だけ)見るならドイツに行きたいですね。

sandyさん、こんにちは。

バレエ界が激動した1月でしたね。
今朝テレビを見ていたら、ワイドショーでもこのフィーリン事件をテレビで放送していてびっくりしました。ボリショイがゴタゴタしていたのはなんとなく伝わってきていたのですが、こんなひどい暴力事件が起きるなんて信じられない思いです。政治やビジネスの世界ではなくてバレエなのに。

私も、イリーナよりもジュリー・ケントの方が先に引退すると思っていたのでショックです。数年前までは本当にきら星のようなスターたちがABTにいたのに、いつの間にかごっそり入れ替わっていて、アルダニ・バレエ・シアターになってしまいました。マッケンジーは何を考えているのか(怒)

パリ・オペラ座新芸術監督のミルピエにもびっくりです。誰もがイレールかルグリになると思っていたのに本当にやらかしてくれたというか…。ルフェーブルも、基本コンテンポラリー大好きで古典をないがしろにしていたところはあったし癖がある人ではあるけど、彼女はビジネス面では大変なやり手で功績もあった。でも、ミルピエは正直海のものとも山のものともわからない上、セレブ好き、派手好きな印象があって、イメージはあまりよくないですよね。まずはお手並み拝見ですが…。

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