ブベニチェク・ニューイヤー・ガラ Skypeミーティング
2013年1月にBunkamuraオーチャードホールにて上演される「ブベニチェク・ニューイヤー・ガラ『カノン』」。この公演に出演するイリ・ブベニチェク、ドロテ・ジルベール、そしてエルヴェ・モローとSkypeで回線を結び、公演に対する意気込みを伺うというイベントに招待していただきました。
ブベニチェク・ニューイヤーガラ
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/12_canon/index.html
3名は現在、このガラのためにパリでリハーサル中とのこと。この日はパリ・オペラ座バレエのフォーサイス・ブラウンプロの公演日でエルヴェ・モローの出番がある日であり、またドロテ・ジルベールは「ドン・キホーテ」への出演を控えてリハーサルで多忙な中、時間を割いていただいたものです。ちなみにオペラ座での会議室の手配はエルヴェが行ってくれたそうです。
まず、イリ・ブベニチェクからは、今回の公演プログラムの簡単な説明がありました。前回彼の作品を上演した彩の国さいたま芸術劇場での公演では、彼の作品は2演目の上演(もう一演目はフォーサイス)だったけど、今回は5演目とパワーアップしました、とアピール。
「ル・スフル・ドゥ・レスプリ~魂のため息(「カノン)」はロングヴァージョンを見せてくれる。
「トッカータ」はNYCBに振付けた作品。オットー・ブベニチェクが作曲した複雑な音楽のネオクラシックな作品で、ピアノ一台では弾けない曲なのでピアノ2台、ヴァイオリンとチェロで演奏される。
「ドリアン・グレイの肖像」は物語バレエであり、この新しい作品をみなさんに見せることはとても嬉しい。
「牧神の午後」はドビュッシーの音楽を使用。出演者は男性ダンサーのみで、ドレスデン・バレエの初演ダンサーを連れてくる。
「プレリュードとフーガ」はショスタコーヴィチの音楽(「24のプレリュードとフーガ」)に振り付けた。今回のBunkamuraの公演のために創作した作品。
エルヴェ・モローからは、東京に戻ってこられるのは大変嬉しく思います。「トッカータ」のリハーサルが始まっており、また新作のクリエーションも始まっているので楽しみにしています、とのこと。
ドロテ・ジルベールは、イリの作品をこの中で踊れることを楽しみにしています、というメッセージ。そしてエルヴェに対して、ドロテはどんなダンサーか?という質問がありました。「長いこと一緒には踊っていなかったけど彼女はとても良い友人です。彼女は素晴らしいダンサーであり、自分自身が踊るのが大好きなのです」とのことでした。
ブベニチェク&フレンズの公演はプラハ、ローマ、さいたまでも行われ、今ではガラというよりはひとつのパフォーマンスとなっていると語るイリ。だんだん公演としても進歩してきていて、集まった人達は友人だし、もっと豊かにフィーリングがパフォーマンスの形にすることができるようになっている。ドレスデン・バレエからはベストのダンサーを選び、元ハンブルク・バレエのアルセン・メグラビアンはイリのハンブルク・バレエ時代の友人である。それぞれのダンサーのキャラクターが違うことが素晴らしいとのことです。
今回、「トッカータ」はエルヴェ・モロー、ドロテ・ジルベール、ヨン・ヴァイエホで踊ることになっていますが、エルヴェにこの作品を踊ってもらおうとイリが考えたきっかけは、この作品はNYCBのダンサーのために振りつけたネオクラシカルな作品であること。クラシックテクニックで毎日踊っているパリ・オペラ座のダンサーに是非踊って欲しいと思ったからだそうです。
「プレリュードとフーガ」の踊りのイメージはどのように作られたかということについては、ショスタコーヴィチからインスピレーションを得たとのことです。ショスタコーヴィチがこの曲(24の前奏曲とフーガ)を作曲した時には、J.S.バッハの没後200年を記念して、ライプツィヒで開催された第1回国際バッハ・コンクールの審査員に選ばれ、ソ連代表団長として参加し、そこで若く美しい女性タチアナ・ニコラーエワに出会い、二人で練習のためにモスクワに行ったというエピソードから着想したとのこと。全曲初演はニコラーエワによって1952年12月23日行われたとのことで、ちょうど60周年記念として日本に持っていくことにしたそうです。物語性のある作品ではなく、ヴァリエーションを主とした作品だそうです。
イリはドレスデン・バレエにハンブルクから移籍して6年が経ち、ドレスデンでの7シーズン目ということで、ハンブルク時代からはダンサーとしてかなり変化をしているとのこと。しかしブベニチェク&フレンズのグループとしては一つであり、またオットーとのパーソナリティも違うので興味深いと考えているそうです。ダンサーとしてそれぞれのキャラクターを持って踊ってもらうことは必要なことだけど、同時に二人とも特別な関係であり、今日、こうやって一緒に踊ることができるのは本当に嬉しいと感じているとのことです。
最後にイリから日本のファンへのメッセージがありました。日本のみなさんのために、オットーは今回新しいセットデザイン、音楽も作っています。私たちは100%力を全開にしてこのガラに注入したい、とのことでした。
ドロテはリハーサルが、そしてエルヴェは本番が控えていたために、あまり時間がなくて話を充分聞けなかったのですが、その分イリがたっぷりとこのガラについて語ってくれました。終始和やかな雰囲気で、ケラケラと明るく笑っていたドロテ、穏やかなほほえみを浮かべた元気そうなエルヴェの姿も印象的。きれいな英語を話すイリの知的な感じも素敵でした。
公演日程
2013/1/5(土)19:00開演
2013/1/6(日)15:00開演
2013/1/7(月)19:00開演
会場
Bunkamura オーチャードホール
こちらは、今回上演される「牧神の午後」のリハーサルと本番の映像です。なかなか官能的な雰囲気で期待できそうですね!
こちらは、「トッカータ」がNYCBで初演された時のNew York Timesのレビュー。辛口で知られるアレイスター・マコーリー氏が絶賛しています。
http://www.nytimes.com/2009/05/15/arts/dance/15gala.html
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コメント
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いつも記事を無視してすみません。
BBC2 Scotlandでは、没後25周年のピーター・ダレルのドキュメンタリーが放映されました。
xfs.jp/UHMZT
投稿: rednal | 2012/12/06 21:40
Rednalさん、こんにちは。
いつも貴重な動画をありがとうございます!拝見させていただきますね。
投稿: naomi | 2012/12/11 00:20