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2012年5月

2012/05/31

映画「バレエに生きる パリ・オペラ座のふたり」と「ファーストポジション 未来のエトワールたち(仮題)」公開予定

ブログ休止期間ですが、こういうニュース記事は負担が小さいので、情報提供します。

Bunkamuraル・シネマの今年下半期のラインアップが発表されました。
http://www.bunkamura.co.jp/topics/2012/05/post-58.html

「パリ・オペラ座のすべて」のフレデリック・ワイズマン監督による「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」が6月30日より公開。

パリで最も有名で前衛的なエンタテインメントショー「クレイジーホース」に密着したドキュメンタリーで、振付家フィリップ・ドゥクフレによるショーの舞台裏も観られるそうです。
http://crazyhorse-movie.jp/

「バレエに生きる パリ・オペラ座のふたり」
UNE VIE DE BALLETS
初秋ロードショー予定

1951年からパリ・オペラ座の振付師として活躍し続けるピエール・ラコットと、かつてのエトワールのギレーヌ・テスマ―夫妻を辿ったドキュメンタリー。ルドルフ・ヌレエフ、アニエス・ルテステュ他、豪華ダンサーの映像と「ラ・シルフィード」「椿姫」ほか数々の名シーンで綴るそうです。

そして、ついに公開決定!と喜んだのがこの映画
ファーストポジション 未来のエトワールたち(仮題)
FIRST POSITION
12月ロードショー予定

世界最大のバレエ・コンクール、YAGP(ユースアメリカグランプリ)の最終審査に残った6人の子どもたちを追ったドキュメンタリー映画。多くの映画祭で賞を受賞していて、大変評判の良い作品です。これは楽しみ!
http://www.balletdocumentary.com/

2012/05/26

シュツットガルト・バレエ2012/2013シーズン発表 Stuttgart Ballet 2012/13 Season

シュツットガルト・バレエの2012/2013シーズンが発表されました。

http://www.stuttgart-ballet.de/flipping-book/stuttgarter_ballett_12_13/index.html
(ドイツ語)

概要はこちらで見ることができます。
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/

プレミアとしては、
ドン・キホーテ
マキシミリアーノ・グエラ振付版の新改訂版
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/don-quijote/
9月23日より15公演

ダンサー・イン・ザ・ダーク
Schauspiel Stuttgart(演劇カンパニー)との共同制作、 Christian Brey演出、マルコ・ゲッケ振付の世界初演、ラース・フォン・トリアー監督の同名映画をバレエ化
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/dancer-in-the-dark-/
http://www.stuttgarter-ballett.de/spielplan/spielzeituebersicht-2012-13/dancer-in-the-dark/
11月28日初演(なぜか初演の日程しか載っておらず、1月のスケジュールがほぼ空白なので、この時期にこの公演が行われるようですね)

Tanz/Töne」(ミックスレパートリー)
「フルートとハープのためのコンチェルト」(ジョン・クランコ振付)、「スライス・トウ・シャープ」(ヨルマ・エロ振付)、「ボレロ」(モーリス・ベジャール振付)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/tanz-toene/
2月2日より11公演

Krabat
デミス・ヴォルピ振付の世界初演作品、オトフリート・プロイスラーの児童文学「クラバート」が原作
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/krabat
http://www.stuttgarter-ballett.de/spielplan/spielzeituebersicht-2012-13/krabat/
3月22日初演、11公演

Masterpieces」(ミックスレパートリー)
「四つの気質」(ジョージ・バランシン振付)、「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」(ジェローム・ロビンス振付)、「春の祭典」(グレン・テトリー振付)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/masterpieces/
4月20日より11公演

若手振付家の夕べ
(カンパニー内ダンサーによる新作披露公演)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/young-choreographers-2013/


レパートリー作品としては、

オネーギン」(ジョン・クランコ振付)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/onegin/
10月12日より10公演

ロミオとジュリエット」(ジョン・クランコ振付)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/romeo-and-juliet/
12月2日より7公演

オテロ」(ジョン・ノイマイヤー振付)
http://www.stuttgart-ballet.de/schedule/overview-2012-13/othello/
2012年7月5日より5公演


ツアー

中国(上海、北京)11月3日~11日、「椿姫」

ロシア(モスクワ、ボリショイ劇場)5月2日~5日、「ロミオとジュリエット」、ミックスレパートリー

*****
注目は、二つの全幕新作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と「クラバート」です。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」はかのラース・フォン・トリアーの映画(ビョーク主演)を原作としているとのことで、昨シーズンの「オルランド」に続くマルコ・ゲッケによる作品です。

また、エリック・ブルーン・プライズで振付賞を受賞し、ABTなどにも作品を提供している、コール・ドの若手ダンサー/振付家のデミス・ヴォルピが初めて全幕作品に挑戦するというのも凄いことです。原作は宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」を作るにあたって参考にしたことでも有名な「クラバート」は、例年行われている「バレエ・イン・ザ・パーク」(劇場前のシュロスガルデン公園での生中継)でも上演されるということで、カンパニーのこの作品にかける意気込みが伝わってきます。ヴォルピはジョン・クランコ・スクールやハンブルク・バレエ学校に「動物の謝肉祭」を振付けていたりして、子供向けの作品は非常に達者な印象があります。去年の12月に、Fingerspitzengefühl という作品を上演したのを観ましたが、彼の振り付けにはオリジナリティがあってとても面白いです。

世界初演の全幕新作を年に二つも制作できるカンパニーはなかなかありません。期待できる新シーズンだと言えます。

*****
さて、しばらくこのブログは更新を休止する予定です。復帰の時期は不明ですがそのうち、帰ってくることができるでしょう、たぶん。

2012/05/20

ジャン=ギヨーム・バール講演会「ダンス・クラシックの今:伝統と革新のはざま、逆説に満ちた世界」Jean Guillaume Bart's Lecture "Dance Classic at Present,Between Tradition and Innovation, A Paradoxical World"

ジャン=ギヨーム・バール氏講演会
「ダンス・クラシックの今:伝統と革新のはざま、逆説に満ちた世界」(青山学院大学文学部フランス語学科主催)
http://www.cl.aoyama.ac.jp/french/2012/conference.html

元パリ・オペラ座バレエのエトワールで、現在はオペラ座ほかで後進の指導に携わりつつ、初全幕振付作品「ラ・スルス(泉)」が昨年オペラ座で上演されたジャン=ギョーム・バール。彼のレクチャーが無料で聴けるということで青山学院大学へと足を運んでみた。

ジャン=ギョーム・バールは、指導者、振付家としてだけでなく、ダンス・クラシックについて相当の知見を持っており、極めてアカデミックな内容の講演を、多くの映像資料、そして自らの美しい実演をも交えて行なってくれた。映像を豊富に用いた周到な準備を経て、大変わかりやすい内容に噛み砕いており、主張も明解で論旨が一貫していた。

ダンスクラシックが古典美術から影響を受けていること、古典美術―絵画や彫刻のポーズにも見られるエポールマンの持つ意味、アンドゥオールの持つ意味についての話がとても興味深かった。また、ダンス・クラシックにおいて重要なのは腕の動きと視線であるという話も面白い。

テクニックに注目が集まるあまりに現代のバレエが失ってきたものについての話も示唆に富んでいた。シルヴィ・ギエムの登場は革命的なことであったけれども、彼女の持つ高い芸術性や、柔軟な身体を強靭なものにするための見えない努力が忘れ去られて、ただただ彼女のように踊りたいというダンサーばかりになってしまったのは、困った現象であったともバールは語っていた。行き過ぎたテクニックの追求により、ダンサー生命が短くなっている話や、身体的な条件に恵まれないために優れたダンサーが思うようなキャリアを得ることができないという問題点も指摘した。

「眠れる森の美女」や「海賊」「ドン・キホーテ」の様々な年代の映像を見せて、古い映像においては現代のようなスーパーなプロポーションやテクニックはないけれども、ダンサーの感情や品性が伝わってきているのがはっきりわかる、それに対して現代の映像では、まるで体操やアクロバットのようになっていて、芸術性が失われているのではないかというバールの指摘には思わず頷いてしまった。

これぞダンス・クラシックの理想、としてバールが見せてくれた映像は、ガリーナ・ウラノワの「エチュード」、モニク・ルディエールのリハーサルするシーン、そしてナタリア・マカロワとミハエル・バリシニコフの「アザー・ダンス」。それぞれが、思わずうっとりとして見入ってしまうほど情感豊かな踊りであった。

バールの考えるダンス・クラシックとは、ダンサーの感情が踊り全体に現れるものであり、時代を超えた普遍的な魅力があり、優雅で軽やかでドラマを感じさせるものであるということがよくわかった。また、芸術に完璧というものはなく、完璧を目指すことで失われるものがある、アートは未完成なものであり、「絶対を探求する」ことこそが重要であるという主張には説得力があった。最後に彼が見せてくれた二つのポール・ド・ブラの例では、二つ目の、気持ちを込められた美しい腕の動きに惚れぼれとしてしまった。

パリ・オペラ座というダンス・クラシックを伝承するカンパニーでありながら、今では積極的に現代作品を取り入れている場所で、バールの考えているところは、今や異端ですらあるのではないかという気もした。彼自身、ダンス・クラシックの今後の行方については悲観的だという。だが、ダンス・クラシックが生まれた場所として、オペラ座はその伝統を守り続けて欲しいと思っている人は多いだろう。ダンス・クラシックを重んじながらも、新しいダンスを生み出すにはどうすればいいのだろうか。その中で出た答えのひとつが、バールの振りつけた「ラ・スルス」であるというのはよくわかった。ぜひとも、この「ラ・スルス」を日本で観る機会を与えて欲しいと思う。

********
(以下、聞き書きであり、録音していたわけではないので、正確性には欠けるかもしれませんが、メモです)


講義の前半は、ダンス・クラシックの定義、ということから始まり、その歴史をざっと俯瞰。

ダンス・クラシックは、感情を運ぶ表現方法であり、理性と感情をテクニックで結びつけたものであり、光に満ちたポジティブなイメージ、絶対の探求という要素がある。ダンスにおいての道具が、ダンサーの身体であり、その身体を使えるようには長い時間がかかるものである。そしてダンス・クラシックとは、文明を得た人、つまりはルネッサンスを経た人々のダンスである。自らを取り巻くことがらを考察し発明する力を得た人々、自らの身体の可能性と限界についての知識を持ち、あらゆる感情をコントロールすることができる人々のダンス。造形的な形象としては、古代の彫像を模したものであり、それは均整という名の調和、形態を通して超越性を獲得したものである。

これらを象徴するものが、エポールマンである。ミケランジェロのような古代の彫像にもエポールマンは見られるし、ダ・ヴィンチの絵画もこれらの古典から影響を受けている。ルネッサンスの肖像画などにも、エポールマンが使われている。エポールマンとは、すなわち深さを生み出すポーズであり、古典的な芸術には備えられているものだ。水平と垂直のラインはダンサーに安定を保証してくれるものであり、垂直軸を起点として全ての動きが展開するものである。そして上体の位置が感情を表現する機能を持っている。(エポールマンを少し実演)

-ダンスの歴史-

16世紀の終わりに宮廷のダンス(バロックダンス)が登場し、ルイ14世の時代にはダンスとして真剣に取り組まれるようになってプロのダンサーの育成が体系化されるようになる。この時代に推奨されたのがエレガンスで、自然な状態を努力もしていないように見せることが重視され、エレガンスを示す5つのポーズが考えられる。それが、すなわち現在のバレエでも使われている5つのポジションである(と、バールがこれら5つのポーズを実演)

5つのポジションは、アンドゥオールを基本としているが、アンドゥオールが使われるようになったのは、横に開いている方が自然に横にも後ろにも移動できるからだ。また、アンドゥオールは機能的な役目の他にも、世界に向かって開く姿勢、観客に持っているものを与える姿勢をも示していて、心理的な側面も持ったポーズなのである。

バロックダンスの時代には振付も多彩となっていき、腕の動きも体系化される。体のポジションも、アン・ファス、アン・ナヴァン、アン・ナリエールなどが取り入れられる。18世紀には衣装も軽くなり、それに伴いテクニックも発達してきた。オペラと結び付けられたダンスが自立し、「バレエ・ダクシオン」が誕生する。18世紀から19世紀にかけてダンス・クラシックは発展し、ダンサーの跳躍が垂直方向に高くなり、ピルエットの技術も上がる。オーギュスト・ブルノンヴィルのスタイルにこれらは今も残っている。アンシェヌマンのつながりも豊かになってきたが、今のようにアクロバティックな踊りや理由のないアクションは存在していなかった。

次にロマン主義の時代がやってきて、女性ダンサーが前面に出るようになった。シルフィードの登場に象徴されるポワントの軽い動きが出てくる。19世紀後半にイタリアで華々しいテクニックが登場し、チェケッティがそれらのスタイルを広げ、プティパの作品の中にそれは現れている。20世紀始めにはディアギレフが率いたバレエ・リュスが登場し、男性ダンサーの踊りが再び発展するとともに、アブストラクト・バレエも生まれた。1917年のロシア革命で、ダンスは新しい方向へと向かう。体操から発生したアクロバティックな動きやスペクタクル化する。1950年代にはバランシンが細長い身体を強調する作品を作るととも、新しいダンサーの身体のあり方が登場した。


後半は、ダンス・クラシックとはそもそも何なのかということを考察すると共に、時代の変化によって失われてしまったものや、現在のダンスの傾向に対しての批判的な考察が登場した。

―そもそも、ダンス・クラシックとは何か?―

ダンス・クラシックとは、人間の形に対する敬意であり、感情を見せていく入れ物である。タマラ・カルサヴィナが言った言葉がある。観客の目は身体の一部に行くのではなく、ダンス全体を観るようにさせなければならない、大事なのは、ダンスを表現する力である、と。「眠れる森の美女」の1954年(65年の聞き間違い?)の映像(アラ・シゾーワ主演)と2011年の映像(スヴェトラーナ・ザハロワ主演)を見て、2011年の映像では視線が引きつけられているのは脚であるけれども、1954年(正しくは65年と思われる)の映像では、表情に目が引きつけられる。3,40年前に大事に考えられていたのは、感情表現であり、その思いの強さが体に出てきたものであった。

―テクニックの行き過ぎに対する危惧―

1980年代にシルヴィ・ギエムという驚くべきダンサーが登場した。彼女の解剖学的な可能性は比類ないものであった。だが、あまり知られていないことだが、彼女は非常な柔軟性を制御するために大変な努力をした。くるぶしを強化しなければならなかったし、柔らかすぎる背中を鍛えなければならなかった。ダンス・クラシックは身体の柔らかさと共に筋肉の緊張をも備えなければならないのだ。観客がギエムのテクニック的な面にのみ注目し、彼女の非常に高い芸術的な資質が語られないのは問題である。バレエ界の全てが、(テクニック的な意味で)ギエムのようになりたいと思うようになってしまった。このような身体を持っていないダンサーはそれだけでダンサーという仕事につけなくなってしまった。

ダンスは脚を高く上げるだけのものではない。19世紀に存在していた軽やかで速いダンスは一体どこへ行ってしまったのだろうか。柔らかすぎる体はバットゥリーには障害となってしまう。脚を腰以上に上げるということはかつては教師に注意されていた。19世紀において脚を高く上げるのは、フレンチカンカンのダンサーだけだった。ラインの調和はどこへ行ってしまったのだろうか。観客が大喜びするから、脚を高く上げるようになってしまったのではないか。バランシンの「セレナーデ」では、ア・ラ・スゴンドが使われない時には、腕と脚はパラレルになっていて、手と視線もパラレルとなっていた。(モニク・ルディエールがリハーサルする映像)今日のバレエは、ルディエールのような美しさを失ってしまったのではないか。ロシアで教えた経験もあるが、現在のロシアのダンサーの多くはバットゥリーを嫌がっていた。これは40年前には考えられなかったことである。バットゥリーはダンス・クラシックの重要なテクニックで、感情を伝えるものである。

―男性ダンサーにみられる傾向―

最近の男性ダンサーにおいては次の二つの傾向が見られる。ひとつは、両性具有的な男性ダンサーが出現したことである。男性と女性というダンスクラシックでは重要な区別が、現在では曖昧になってきている。彼らは驚くほど長く細い脚を持っているが、そのような脚で古典的なテクニックを使うことができるのだろうか。
また、もうひとつの男性ダンサーのカテゴリーとしては、アクロバティックでアスレチックなダンサーが挙げられる。このようにアスレチックなダンサーは、ダンサーとしての寿命がほかのダンサーと比較して短くなってしまう傾向がある。(と、ここで各年代における、いくつかの「海賊」「ドン・キホーテ」等の映像を上映。最初の二人が誰だったかは不明。ルジマトフのアリ、マラーホフ(ABTのランケデム役)、マトヴィエンコ(ラトマンスキー版「海賊」)、ワシーリエフ(「パリの炎」))
「ダンス・クラシックのダンサーになるには、このように超人的なテクニックが必要なのか」とバールは疑問を投げかける。最後の方の映像については、舞台の代わりに体操のマットを敷いても違和感がないのでは、と批判的であった。

―ダンス・クラシックまとめ―

ダンサーが観客の注意を自分に引きつけることができるのは、視線と、その視線を延長する手である。これによって、舞台空間の広がりを感じさせることができるからである。18世紀中盤に、ノヴェールは、「手が行き着く場所に目があり、目が行き着く先に心がある」と書いた。インドで数千年続く伝統舞踊でも、「手が行くところに目がある、目が行くところに精神があり、精神が行き着くところに感動がある。エモーションが湧き上がったところに感情がある」と同じようなことが伝えられている。ダンスを感動的にさせるものは、すべてが魂、そして視線によるものだとしている。ギレーヌ・テスマーは、ジゼルのリハーサルを終えた時に、ウラノワの伝えようとしたことがわかったと語っている。観客に伝わるのは、身振りではなく思考の力であると。

ーダンス・クラシックの今後―

しかし、現在においては、ダンス・クラシックのテクニックを使ったコンテンポラリー作品で問題が提起されている。(と、ウェイン・マクレガー振付によるオペラ座の現代作品2作品の映像を上映)ダンス・クラシックのテクニックを使ったダンスではあるが、ダンスはテクニックだけのものではない。テクニックは手段、道具にしか過ぎないのである。ダンス・クラシックとは、古典芸術の思想を反映し、品性を重んじていてポジティブなものであるが、先ほど観た映像では、顔の表情は体の声を聞いていないように見えて、古典芸術の思想とは対極的なものである。ダンス・クラシックの特徴である、ハーモニー、時を超えた感覚が数量的なものに代わってしまっている。それはダンスコンクールでも特徴的なものとなっており、芸術という数量化できないものが、テクニックによって数値化されてしまっている。偉大なアーティストは今日でも存在しているが、残念に思うのは、優れたアーティストであっても、身体的な資質、テクニックを備えていないために思うようなキャリアを描けないことである。ダンス・クラシックの将来については、悲観的にならざるを得ない。

(質疑応答)
Q.今回は音楽性についての話が出なかったのはなぜか

A.今回の講演は、ダンス・クラシックのアカデミックな話を中心にしたために音楽性の話は割愛した。今日において、体操的なダンスがありとあらゆるところで席巻し、6時の形からその後の展開をどうするかということばかりに注意が行ってしまっている。体に無理をさせてダンサー生命を縮めてしまう踊りより、もっと身体に優しい踊りをすべきであると考えている。現在は無理をしたことによって30歳くらいでキャリアを終えてしまうダンサーが多くなってしまっている。そのようなパラドックスについて話したいと思った。

Q.今回のテーマを日本でレクチャーしようと思った理由は何か

A.ダンス・クラシックは、言葉にできない表現、数量化できない表現を重視したものである。日本においては特に、名前のあるカンパニー、名前のあるダンサーが好まれる傾向が特に強く、その傾向に警鐘を鳴らしたいと思った。日本のバレエ関係者も沢山知っているが、日本のダンサーで優れた人もたくさんいる。どういうダンスが素晴らしいのかを改めて考えて欲しいと思う。

舞台を見た時に強い印象を与えられたのと感動するのは違うことである。動かない、ということもダンスの一つである。演劇的なこと、言葉にならないものを表現し、身体を歌わせることを学ぶ必要がある。バランシンの作品によって、体が歌うことを教えてもらい、身体が歌えることを教えてもらった。

また、完璧さを求めることはダンサーにブレーキをかけてしまうものである。目的があるから完璧ということを考えてしまうのである。アート、芸術に完璧というものはない。アートは未完成なものであり、アーティストは「絶対の探求者」であるべきである。絶対を探求しているうちに自分自身を見つけるのだ。筋肉の正しい使い方を学ぶのは早い段階から必要なことである。しかしながら、厳密さと正確さを混同する傾向がある。規律を守ろうとするあまり表現が失われてしまうことがある。毎日の鍛錬は必要なことであるが、自分を超える、自分の中の心の自由を目指していくことが必要だ。魂から動きが出ると、まったく違ったものになる。(と、ポール・ド・ブラを二つ実演。二つとも形は同じもので正確に動かしているのだが、二つ目には気持ちが込められているので、同じ動きでも全く違っていてとても優雅で美しいものとなっていた)


追記:この講義で紹介されたアラ・シゾーワの「眠れる森の美女」の動画を見つけました。昔風ではありますが素晴らしいです。

2012/05/19

マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」の演目発表

12月2日(日)に開催されるマリインスキー・バレエ来日公演「オールスター・ガラ」の演目とキャストが発表されました。

http://ja-ballet.seesaa.net/article/270533879.html


12月2日(日)18:00開演 東京文化会館

レニングラード・シンフォニー
(D. ショスタコーヴィチ作曲/I. ベリスキー振付)
ウリヤーナ・ロパートキナ&イーゴリ・コールプ

アルレキナーダ
(R. ドリゴ作曲/M. プティパ振付)
ナデジダ・バトーエワ&アレクセイ・ティモフェーエフ

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ
(P. チャイコフスキー作曲/G. バランシン振付)
マリーヤ・シリンキナ&ウラジーミル・シクリャローフ

「海賊」より “パ・ド・ドゥ”
(R. ドリゴ作曲/M. プティパ振付)
オクサーナ・スコーリク&ティムール・アスケロフ

「ル・パルク」より “パ・ド・ドゥ”
(W. モーツァルト作曲/A. プレルジョカージュ)
ディアナ・ヴィシニョーワ&コンスタンチン・ズヴェレフ

瀕死の白鳥
(C. サン=サーンス作曲/M. フォーキン振付)
ウリヤーナ・ロパートキナ

ディアナとアクテオン
(R. ドリゴ作曲/A. ワガーノワ振付)
ヴィクトリア・テリョーシキナ&キム・キミン

パキータ
(L. ミンクス作曲/M. プティパ振付)
アリーナ・ソーモワ&ダニーラ・コルスンツェフ
ヤナ・セーリナ、オクサーナ・スコーリク、スヴェトラーナ・イワーノワ、
マリーヤ・シリンキナ、ヴィクトリア・テリョーシキナ

*****

来日メンバーが、主役クラスしか発表されていなかったので、他にどんなダンサーが出演するのかがわかったのが嬉しいです。今年のYAGPのグランプリを受賞したキム・キミン(研修生ながら、すでにマリインスキーで「ドン・キホーテ」に主演)や、オクサーナ・スコーリク、マリーヤ・シリンキナなどの若手が出演するんですね。

また、「レニングラード・シンフォニー」が上演されるのも嬉しいです。これは抜粋になるのでしょうか。まだ観たことのない作品ですが、ショスタコーヴィチの交響曲7番「レニングラード」に振りつけた作品ということで、とても興味があります。

*****
なお、公演オフィシャルサイトの方で、兵庫公演のキャストが発表されています。
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/mariinsky/ticket.htm

12月1日(日)15:00 『白鳥の湖』 兵庫県立芸術文化センター [お問合せ]芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
<予定キャスト>オクサーナ・スコーリク/ティムール・アスケロフ

若手キャストで来ましたね。オクサーナ・スコーリクはペルミ・バレエ学校のドキュメンタリー「犠牲の先に夢がある 〜ロシア国立ペルミバレエ学校」でフォーカスされていたバレリーナですね。あの弱々しかった少女が、マリインスキーで「白鳥の湖」オデット/オディール役に抜擢されるまで成長するとは。ティムール・アスケロフはキエフ・バレエから2011年に移籍したダンサー。

2012/05/17

東京バレエ団の「オネーギン」にシュツットガルト・バレエのエヴァン・マッキーが客演 Evan McKie Guesting in Tokyo Ballet's Onegin

朝からとても嬉しいニュースが飛び込んできました。東京バレエ団の9月公演「オネーギン」のゲストに、シュツットガルト・バレエのエヴァン・マッキーがゲスト出演するとのことです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat19/post-408.html

エヴァン・マッキーの出演は、シュツットガルト・バレエからの強力な推薦で決まったそうです。去年11月に韓国のユニバーサル・バレエで、12月にはパリ・オペラ座バレエでオネーギン役でゲスト出演し、大変な評判になったこともあり、カンパニーを代表するオネーギン役として認められたということなので、ファンとしてはとっても喜ばしいことです。6月のシュツットガルト・バレエ来日公演では、主演するのがびわ湖の「白鳥の湖」だけなのが残念だったのですが、これで9月の楽しみができました。パートナーが吉岡美佳さんで、彼女のタチアーナは是非観てみたかったのも嬉しいことです。

私が去年12月にパリ・オペラ座で観た「オネーギン」の感想を貼っておきますね。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2011/12/129-ballet-de-l.html

東京バレエ団
「オネーギン」全3幕

振付:ジョン・クランコ 
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー 
衣裳・装置:ユルゲン・ローゼ

吉岡美佳、エヴァン・マッキー 主演

■公演日:
9月28日(金)7:00p.m. 
9月30日(日)3:00p.m.
■入場料(税込み):S=\12,000 A=\10,000 B=\8,000 C=\6,000 D=\4,000 E=\3,000 

斎藤友佳理、木村和夫 主演

■公演日:
9月29日(土)3:00p.m.

■入場料(税込み):S=\10,000 A=\8,000 B=\6,000 C=\5,000 D=\3,000 E=\2,000 

2012/05/14

NBS「バレエの祭典」ラインアップ発表 Lineup of NBS 2012-14

NBSの第24回「バレエの祭典」ラインアップが発表発表されました。

http://www.nbs.or.jp/saiten2012/lineup.html

2012年9月 東京バレエ団「オネーギン」 オネーギン役はゲスト(未定) The Tokyo Ballet "Onegin"

2012年11月 「ダニール・シムキンのすべて」 ワイノーネン振付「くるみ割り人形」、ガラ「インテンシオ」(2演目) Daniil Simkin program, "The Nutcracker" (Vasili Vainonen)、Gala "Intensio"

2013年3月 モーリス・ベジャール・バレエ団 Aプロ「ライト」「デュオニソス組曲」「シンコベ」、Bプロ「ボレロ」「カンタータ51」「鳥たちは何処へ」(2演目) Bejart Ballet Lausanne A Program "Light" "Dyonisos Suite""Syncobe", B Program "Bolero" "Cantata 51" "Where the Birds Go?"

2013年5月 「マラーホフの贈り物」ファイナル(2演目) "A Gift From Malakhov" (Final)

2013年7月 ロイヤル・バレエ 「不思議の国のアリス」「白鳥の湖」(2演目) Royal Ballet "Alice's Adventures in Wonderland" "Swan Lake"

2013年8月 「ヴィシニョーワの華麗なる世界」(1演目)「ディアローグ」ほか Diana Vishneva Gala "Dialoges"

2013年9月 ミラノ・スカラ座バレエ 「ロミオとジュリエット」(マクミラン振付)コジョカル&フォーゲル、オシポワ&ワシーリエフ客演 Teatro Alla Scala Ballet, "Romeo and Juliet" (Kenneth MacMillan) Cojocaru & Vogel, Osipova & Vasiliev

2013年11月 「シルヴィ・ギエム・プロジェクト」(仮題、2演目) Sylvie Guillem Project

2014年2月 東京バレエ団「ロミオとジュリエット」(ノイマイヤー振付) Tokyo Ballet "Romeo and Juliet" (john Neumeier)

2014年3月 パリ・オペラ座バレエ 「椿姫」ほか1演目 (2演目) Paris Opera Ballet "Lady of the Camelias"& TBA


全10公演16演目とのことです。


これがファイナルとなる「マラーホフの贈り物」、ヴィシニョーワのガラ、ロイヤルの「アリス」、オペラ座(もう一演目が何か気になる)は観たいです。「椿姫」の本家であるシュツットガルト・バレエが来日公演では上演しなくて、韓国だけで上演だと思ったら、今度オペラ座が持ってくるんですね。

ヴィシニョーワのガラ公演は、NYのシティセンター、マリインスキー劇場で上演した「Dialogues」そのままなのでしょうか。ノイマイヤーの新作「Dialogues」、ポール・ライトフット&ソル・レオンの作品「Subject to Change」、そしてマーサ・グラハムの「Errand into the Maze」の3作品だったと思いますが、これをそのままやってくれたら凄いと思います。

2012/05/13

Theatre in My Blood - A Biography of John Cranko, John Percival (ジョン・クランコの伝記)

ダンス批評家のジョン・パーシヴァル氏による、偉大な振付家でシュツットガルト・バレエの現在の形を作り上げたジョン・クランコの伝記である。

ジョン・パーシヴァル氏は85歳の高齢ながら存命であるのだが、この本にも登場するドイツのダンス批評家で同い年のホルスト・コーグラー(Horst Koegler)氏が昨日亡くなったとのことで、ご冥福をお祈りしたい。Horst Koegler氏は、ドイツのダンス評論を英語でも発信してきた偉大な批評家であった。彼の英語での批評はこちらで読むことができる。亡くなる一か月前まで精力的に活動されてきたとは驚きである。クランコとは同じ年の生まれであった。
http://www.danceviewtimes.com/horst_koegler/

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ジョン・クランコは、1927年に南アフリカで、ユダヤ人の血を引くオランダ系の弁護士の父と、これが2度目の結婚となる母の元に生まれた。少年時代に両親が離婚し、結局は父親に引き取られることになる。子供の頃から編み物が好きだったクランコは、やがて人形芝居づくりに熱中し、それがきっかけでバレエに興味をもち学び始める。もともとダンサーになるというよりは振付家になりたいと思っていた彼は、南アフリカでダンサーとして、そして振付家として活動した後、19歳の時、1946年にロンドンへと旅立ち、サドラーズ・ウェルズ・オペラ・バレエ(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ)に入団する。入団の年から小品を振りつけるようになり、早くも1950年にはNYCBに振付作品を提供し、24歳でサドラーズ・ウェルズ・オペラ・バレエの常任振付家に就任。51年には現在もバーミンガム・ロイヤル・バレエなどで上演されている「パイナップル・ポール」を、そして57年には初の全幕作品「パゴダの王子」を振り付けて早熟ぶりを発揮する。現在シュツットガルト・バレエで上演中の「貴婦人と道化師」は、54年、まだ27歳の時の作品である。さらに、ウェストエンドで大ヒットを記録したレビューショー「Cranks」の振り付けも手がけるほか、オペラやミュージカルの振付も行う。今も世界中で広く上演されている「ロミオとジュリエット」の原型は、58年にミラノ・スカラ座で初演された。57年に同性愛の取り締まりに遭って逮捕されるが、「パゴダの王子」の上演がきっかけで61年1月にシュツットガルト・バレエから芸術監督への就任をオファーされて、ドイツへと移る。

1973年に機上で不慮の死を遂げるまでの12年間に、クランコは”シュツットガルトの奇跡”をもたらす。オペラ劇場のバレエ部門に過ぎなかったバレエ団を、世界でも有数のカンパニーへと進化させ、当時まだ22歳でコール・ドのダンサーだったマリシア・ハイデを発掘し、リチャード・クラガン、ビルギット・カイル、エゴン・マドセンなどともに看板スターに育て上げる。メトロポリタン・オペラハウスでの全米公演も2回実現させるなどの成功を収めた。そして、「オネーギン」「じゃじゃ馬ならし」など物語バレエの傑作を作り上げる。だが後半生、「オネーギン」や「じゃじゃ馬ならし」の音楽の編曲を行なったクルト=ハインツ・シュトルツェなど盟友たちが自ら命を絶つといった人生上の困難にあたり、彼はアルコール依存と欝病に苦しむ。そして、2度目のアメリカ公演から帰国する機上で、軽い睡眠薬を服用したところ、吐瀉物が喉に詰まって窒息し、45年の生涯を閉じる。といったことが、よく知られているクランコの生涯の概略である。

この伝記を読んで印象的だったこと。まず、45年という短い生涯の間に、クランコは非常に多くの作品を振りつけたこと。巻末に収録されている振付作品一覧を見ても一目瞭然だが、大きな作品に取り組むために新作を振り付けなかった年もあるものの、ほとんどの年では一年に5,6作品、またはそれ以上の新作を創作と大変多作であった。この本は、彼がどのようなアイディアをもとに作品を創っていったかということが主軸となっているのだが、彼が尽きることのない想像力の泉を持っていたことが感じられる。それは、少年時代に人形芝居づくりに熱中し、自分で衣装や装置まで作っていたことで培われていたものだった。また、マリシア・ハイデの例を持ち出すまでもなく、埋もれていた才能を見つけ出す能力も持っていた。「椿姫」「オネーギン」「ロミオとジュリエット」などの衣装や装置をデザインしたユルゲン・ローズも彼が発掘した才人である。

ユニークだったのは、彼自身は芸術監督用のオフィスを実質的には持たず、シュツットガルト州立劇場の食堂で電話を片手に仕事をしていたこと。ダンサーやスタッフが彼を捕まえたければ、食堂に行けば見つかるということであった。彼は劇場のメンバーとのコミュニケーションを非常に大事にしていたのである。彼の頭に浮かんだアイディアは独り占めするものではなく、共同作業を行うダンサーやスタッフと共有し、話し合い、変化させ、構築するものであったため、必然的に作品を作り上げていくメンバーとは親しくなって、それは私生活にも及んだ。そして彼は、自分の作品が、芸術的に優れていると評価されることよりも、多くの観客を楽しませることが重要だと考えていた。なぜなら、この自伝のタイトルにあるように、彼自身の体の中に、”舞台の血が流れている”からだ。

クランコはバレエはダンスとして、そして物語としての次元の両方が機能していることを重視し、ダンスそのものより物語への比重が増してしまった場合にはその作品は失敗したとみなしていた。そして”リアルな人物”についてのバレエを創ることが、彼の大きなモチベーションとなっていた。人物像を”リアリスティック”ではなくて、実在する人物そのものとして創るべきであるという信条を持っており、そのため人間を細かく観察することが習性となっていた。だからこそ、彼はドラマティックバレエの振付家として成功したのだろう。たとえば、女性の登場人物は旧来の概念と離れて、必ずしも優しく美しくあるべきではない、処女性の呪縛から解き放たれるべきであり、女性は女として、男性は男として作品の中で自由に存在すべきであると考えていた。

初期の「貴婦人と道化師」を見ればわかるように、彼の作品にはヒューマニズムの視点が強く感じられる。クランコは、南アフリカでの少年時代、自宅の使用人に有色人種がいて親しくしており、南アで黒人が差別されていることに嫌悪感を抱いたことが、国を出た大きな理由であると語っていた。彼の人生の終わりの方の作品には、イスラエルのバットシェバ・ダンスカンパニーに振りつけた「Song of My People(Ami Yam Ami Ya'ar)」がある。イスラエルの俳優によるヘブライ語の詩の朗読が使われているこの作品は、クランコが自身のユダヤ系のルーツを意識していたことが創作した理由の一つであったが、創作している最中に、強制収容所で腕に番号を刻みつけられてしまったとおぼしき女性ウェイトレスを見かけたことが作品のイマジネーションを喚起したというエピソードに強い印象を受けた。「Song of My People」は、ホロコーストがモチーフとなっているが、クランコは自分自身にユダヤ系の血が流れていてそのルーツを意識していると共に、そのユダヤ人を滅ぼそうとしたドイツという国で働いていることに強い葛藤をもって苦しんでいたとのことである。(この作品は、昨年シュツットガルト・バレエの50周年記念で同バレエ団で初めて上演されたのだが(全部ではなくパ・ド・トロワ)、見逃してしまって残念であった) 

「オネーギン」が初めてロシアの劇場(スタニスラフスキー・ダンチェンコ劇場)でシュツットガルト・バレエにより上演された際、クランコは地元のアーティストたちと交流したのだが、その中で親しくなったキーロフ劇場のダンサー(ヴァレリー・パノフとその妻)が亡命を希望していた時に、クランコが彼らを助けようとしたものの彼らは出国禁止を言い渡されて辱めを受けたという事件があった。その年、シュツットガルト・バレエが”バレエ週間”にボリショイのダンサーを招待することになったのだが、クランコは、彼らが出国できるようになるまでロシアのダンサーはシュツットガルトには呼ばないこととした。(彼らが出国できたのは、クランコが亡くなった後のことであった)クランコの生涯最後の作品は、マーラーの未完成の第十交響曲に振りつけた「Traces」で、全体主義者によって人生を破壊された女性を描いており、彼ら夫妻に捧げられていた。クランコがいかに友情を大切に思っていたかが伺えるエピソードである。

クランコの中には相矛盾する性質が同居しており、人と交わることが好きでありながら、特定のパートナーとの長い関係を保つことは苦手だった模様である。同性愛の傾向は少年時代から自覚しており、それに気がついた父親がその事実を寛大に受け入れたことは、彼の人間性の形成に大きな影響があったものと伺える。

クランコの大きな功績としては、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアンなどのちのバレエ界を代表する振付家を育てたことも挙げられる。シュツットガルト・バレエのファン組織である「ノヴェール・ソサエティ」(1958年設立)が主催している「若手振付家」プログラムで、クランコがマチネ公演において積極的にカンパニー内の若手の振付家を登用するようになり、そのプログラムが10周年を迎えた1969年までに、18人の振付家志願者が作品を発表するようになっていた。クランコは、若手振付家プログラム10周年を記念したパンフレットの中で、振付家はどうやって育てられるかについて述べている。「教育、才能と運である」と。振付家はあらゆるスタイルのダンスが教えられている良い学校で学ぶ必要があり、作品に取り組んでいる一流のダンサーや、偉大な振付家がアイディアを実現する様子をみる経験も必須だと。そして最も重要なのは、ダンサーを提供し、そしてリハーサルや舞台を実施できる団体があること。クランコは、最後が最も実現が困難な要素であると実感していた。自身の作品が上演されるようになるまでには戦いの日々であったと。紙の上に自身を表現できる画家や作曲家が羨ましかった。振付家が死んだら、作品は残らないと思っていたからである。だが結果として、「パゴダの王子」を例外として、彼の作品の多くは死後40年近く経った今でも、ドイツ国内をはじめとして、パリで、ロンドンで、ニューヨークで、オーストラリアでと世界中で上演され続けているのであった。

シュツットガルト・バレエは今も、新しい振付家を生み出す土壌を持ち続けており、現在も「若手振付家の夕べ」は行われている。クランコの死後も、ウィリアム・フォーサイス、ウヴェ・ショルツ、そして現在においてはクリスチャン・シュプック、マルコ・ゲッケ、ダグラス・リー、そしてコール・ドの現役若手ダンサーでありながらABTにも作品を提供しているデミス・ヴォルピがこのプログラムの中から活躍している。クランコは、惜しみなくその経験をダンサーたちや振付家に提供して、多くの舞台人を育てていたのであった。彼の没後に「ジョン・クランコ・スクール」と命名されることになるバレエ学校の教育水準を高め、65年に今の形にしたのも彼であった。バレエ学校と、一般教育を同時に行う学校はドイツでも初めてだった。

本編233ページと短い伝記ではあり、クランコの盟友であったケネス・マクミランの伝記「Different Drummer」ほど密度の濃いものとはなっていない。シュツットガルト・バレエ時代のダンサーたちの生の証言などをもっと読みたかったという気もする。だが、この本が出版された時には存命中だった彼の母親への取材をはじめ、多くの情報源に当たっているとともに、大変読みやすい本であり、またクランコが振りつけた作品のほとんどについて言及されているということでも貴重な資料となっている。彼の子供時代の肖像から、振付作品を踊るダンサーたちまで、多くの写真も掲載されている。現在は絶版となっているが、Amazon.comなどで安価な古書を入手することが可能。


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このDVDに収められている「貴婦人と道化師」は心を打つ素敵な作品です。

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2012/05/11

「バレエ・アステラス2012」出演者決定

新国立劇場で7月22日に行われる「バレエ・アステラス2012~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて~」の出演者が決定しました。海外のカンパニーで活躍する日本人バレエダンサー、新国立劇場バレエ研修所修了生および現在の研修生が参加するバレエ公演。今年は、サンフランシスコ・バレエ学校の研修生が特別に参加することが決定しているとのことです。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/30000025.html

海外で活躍する日本人バレエダンサー★

菅野茉里奈★(ベルリン国立バレエ団)/ライナー・クレンシュテッター(ベルリン国立バレエ団)

佐久間奈緒★(バーミンガム・ロイヤルバレエ団)/厚地康雄(新国立劇場バレエ団)

菅野真代★(ディアブロ・バレエ)/ローリー・ホーエンスタイン(ジョフリー・バレエ)

高橋絵里奈★(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)/ズデネク・コンヴァリーナ(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)

田北志のぶ★(ウクライナ国立バレエ団)

藤井美帆★(パリ・オペラ座バレエ団)/ヤニック・ビッタンクール(パリ・オペラ座バレエ団)/グレゴリー・ドミニアク(パリ・オペラ座バレエ団)

また、新国立劇場バレエ研修所修了生とパートナーは以下のとおり決定しました。

新国立劇場バレエ研修所修了生◎

伊藤友季子◎(牧阿佐美バレヱ団、第1期修了生)/未定

小野絢子◎(新国立劇場バレエ団、第3期修了生)/八幡顕光◎(新国立劇場バレエ団、第2期修了生)

本島美和◎(新国立劇場バレエ団、第1期修了生)/マイレン・トレウバエフ(新国立劇場バレエ団)


上演予定演目(上演順未定)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」「ロメオとジュリエット」「ライモンダ」「くるみ割り人形」「海賊」「白鳥の湖」
「アダージェット」ほかコンテンポラリー作品

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バレエ・アステラスの公演概要はこちらです。

http://www.nntt.jac.go.jp/training/20000646_training.html

2012年7月22日(日) 3:00開演
予定上演時間:約2時間15分(休憩含む)

※開場は、開演の45分前


若手ダンサー対象と言いつつ、長年活躍してきたダンサーの方も多く出演されますが、その代わりプリンシパル級を揃えた豪華なラインアップになっていると言えます。藤井美帆さんとヤニック・ビッタンクールはオールニッポンバレエガラにも出演しますね。しかもこちらには、パリ・オペラ座からグレゴリー・ドミニアクも出演されるのがちょっとすごいです。3月に観たナショナル・バレエ・オブ・カナダの「眠れる森の美女」で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたズデネク・コンヴァリーナが観られるのも嬉しいですね。

2012/05/09

オールニッポンバレエガラ2012 プログラム発表/追記あり

昨年も開催され、大成功を収めたオールニッポンバレエガラ、今年も開催されますが、演目が発表されました。今年は東京公演に加え、横浜公演も予定されています。

プログラムも、ジャン=クリストフ・マイヨー振付の世界初演作品、ジョゼ・マルティネスの「ドリーブ組曲」など、去年よりもスケールアップしていますね。パリ・オペラ座バレエからヤニック・ビタンクールが参加したり、モンテカルロ・バレエから小池ミモザさん、オランダ国立バレエから奥村彩さんが参加したりと海外からの参加者も増えています。開演時間があと30分遅ければもっと良かったと思いますが。チケットは5月12日発売とのことです。

http://nippon-balletgala.com/

<オールニッポンバレエガラ2012プログラム>
※出演者、作品、上演順は変更になる場合がございます。

■ 横浜公演 2012年8月14日(火)18:00開演 神奈川県民ホール 大ホール
※Dance Dance Dance@YOKOHAMA2012参加事業

1「ドリーブ スイート」振付:ジョゼ・マルティネス
 藤井美帆 ヤニック・ビタンクール

2 タイトル未定(新作) 振付:遠藤康行
 小池ミモザ 柳本雅寛 遠藤康行

3「シンデレラ」より グラン パドドゥ 振付:鈴木稔
 渡辺恭子 福原大介

4 ブラックバード より 振付:イリ・キリアン
 中村恩恵

5「エリート・シンコペーションズ」より ベティーナ ワルツ 振付:ケネス・マクミラン
 佐久間奈緒 西島千博

6「海賊」より パドトロワ
 田中ルリ 三木雄馬 厚地康雄

7「椿姫」より パドドゥ 振付:小林洋壱
 伊藤範子 小林洋壱

8 Mayday,Mayday,Mayday,This is...2012ver. 振付:遠藤康行
 平山素子 岡田理恵子 佐藤美紀 田島香緒理 福島昌美 森真琴 青木尚哉 大嶋正樹
 吉瀬智弘 山田勇気 八幡顕光 遠藤康行

  ―休憩15分―

9 タイトル未定(新作) 振付:西島千博
 志賀育恵 西島千博 佐藤健作(和太鼓)

10「グラン パ クラシック」
 奥村彩 横関雄一郎

11「Spring Water」パドドゥ
 橘るみ 三木雄馬

12「眠れる森の美女」より グラン パドドゥ
 酒井はな ヤロスラフ・サレンコ

13 Dov'e la Luna 振付:ジャン=クリストフ・マイヨー(日本初演作品)
 小池ミモザ 田島香緒理 森真琴 小尻健太 風間自然

14【福島県より特別参加】「パリの炎」より グラン パドドゥ
 佐藤理央 加藤三希央

~出演者全員によるグランドフィナーレ~

■ 東京公演 2012年8月15日(水)18:00開演 メルパルクTOKYO
1「ダイアナとアクティオン」グラン パドドゥ
 西田佑子 八幡顕光

2 タイトル未定(新作) 振付:+81
 青木尚哉 柳本雅寛

3「ラ・シルフィード」より パドドゥ
 永橋あゆみ 荒井英之

4「エリート・シンコペーションズ」より ベティーナワルツ 振付:ケネス・マクミラン
 佐久間奈緒 西島千博

5 ブラックバードより 振付:イリ・キリアン
 中村恩恵

6「ロミオとジュリエット」より バルコニーのパドドゥ
 橘るみ 黄凱

7 Mayday,Mayday,Mayday,This is...2012ver. 振付:遠藤康行
 平山素子 岡田理恵子 金田あゆ子 佐藤美紀 田島香緒理 福島昌美 青木尚哉 大嶋正樹
 吉瀬智弘 八幡顕光 山田勇気 遠藤康行

 ー休憩15分ー

8 タイトル未定(新作) 振付:西島千博
 志賀育恵 西島千博 佐藤健作(和太鼓)

9「ドリーブ スイート」 振付:ジョゼ・マルティネス
 藤井美帆 ヤニック・ビタンクール

10 タイトル未定 振付:小尻健太
 小尻健太

11「椿姫」より パドドゥ 振付:小林洋壱
 伊藤範子 小林洋壱

12 「チャイコフスキー パドドゥ」 振付:ジョージ・バランシン
 佐久間奈緒 厚地康雄

13 タイトル未定(新作) 振付:遠藤康行
 小池ミモザ 柳本雅寛 遠藤康行

14「白鳥の湖」より グラン アダージオ
 酒井はな ヤロスラフ・サレンコ

15【福島県より特別参加作品】 「パリの炎」より グラン パドドゥ
 佐藤理央 加藤三希央

~出演者全員によるグランドフィナーレ~

5/12(土)チケットぴあにて前売開始決定。

※5/21追記

佐久間奈緒さんの出演がキャンセルとなったとのことです。

2012/05/07

5/6 新国立劇場バレエ団「白鳥の湖」 National Ballet of Japan "Swan Lake"

http://www.atre.jp/12swan/

振付:マリウス・プティパ
レフ・イワーノフ
Choreography : Marius Petipa / Lev Ivanov
照明: 沢田 祐二
Lighting : Sawada Yuji
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
Music : Pyotr Tchaikovsky
指揮:アレクセイ・バクラン
Conductor : Alexei Baklan
演出・改訂振付:牧 阿佐美
Revised by Maki Asami
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
Orchestra : Tokyo Philharmonic Orchestra
美術:ピーター・カザレット
Design : Peter Cazalet

オデット/オディール:小野絢子
ジークフリード王子:福岡雄大
ロートバルト:厚地康雄
道化:福田圭吾
王妃:西川貴子
パ・ド・トロワ:さいとう美帆、長田佳世、奥村康祐
ハンガリー:長田佳世、古川和則
ナポリ:大和雅美、井倉真未、八幡顕光
ルースカヤ:米沢 唯
スペイン:湯川麻美子、楠元郁子、マイレン・トレウバエフ、江本 拓
2羽の白鳥(act4):堀口 純、厚木三杏

今年は新国立劇場バレエ団の「白鳥の湖」は観ないつもりだったのだけど、思いがけず観る機会を与えられることに。しかも今回オデット/オディール役では初めて観る小野絢子さん主演で観られるということで、楽しみにしていた。

小野さんは、小柄でいわゆるオデット向きのバレリーナではないけれども、脚は長く、身体のラインもとてもきれいだった。惜しむらくは小野さんはやや腕が短いので白鳥らしさに少し欠けるところであったが、その腕の動きは柔らかくてしなやかだし、身体能力も非常に高い。また彼女の特筆すべき点としては、音楽性の豊かさ。音楽と戯れるように、緩急を自在に操り滑らかに動く様子は実に美しかった。だが表現としてはちょっと大人しめであり、悲劇性は薄い。白鳥の女王というよりはお姫様のような可憐さがあって、今までに観たことのないオデットだった。

オディールの小野さんは、不敵な笑みを浮かべながらも小悪魔のような可愛らしさと若さにあふれていて、とても生き生きと踊っていた。3幕のグランフェッテの演奏が今まで聴いたことがなかったくらいのものすごい速さで、このスピードでフェッテするの、と驚いたのだが小野さんはしっかりと音に乗せて、ダブルも入れながらきちっとスピーディに回転していた。フィニッシュだけ少し乱れたけど素晴らしいテクニックを見せてくれた。生き生きと魅力的なオディールには王子もクラクラ来ていたようだが、その王子に求婚されるとオディールが片側だけふっと唇を上げて軽く笑い飛ばす姿も堂々としていた。

小野さんはバレリーナとしての才能は吉田都級の逸材だと私は思うし、白鳥のように決して向いているとは思えない役にも果敢に取り組んでいて、すごく応援したい気持ちにさせられる人だ。後もうひと皮剥けたら、とてつもないダンサーになるんじゃないかと思うので、その後一歩、もっと強烈なものを感じさせてくれるようになって欲しいと心から思う。そのためには、上品すぎる新国立劇場バレエ団だけにとどまらず、もっと他のところ(海外)で経験を積むべきではないのだろうかとこの日思った。とりあえずは、「マノン」と、初日に主演することが発表されたビントレー版「シルヴィア」に期待。

小野さんの持つ才能を生かすには、まずこの牧阿佐美作品に出演させるのをやめさせるべきではないかと今回思った。牧阿佐美の演出は、ことごとくバレエからドラマ性を剥ぎ取り、つまらなくさせる、盛り下げることに集中しているとしか思えないからだ。特にこの「白鳥の湖」は、以前採用していたセルゲイエフ版の劣化コピーで、冒頭に取ってつけたようなブルメイステル版のオープニングをつけて、ますますよくわからなくなっている。マイムを排しているので王子とオデットが惹かれあう理由が全く意味がわからないし、ラストもなぜオデットが王子を許しているのか説明がないし、王子はほとんどロットバルトと戦うことなく、勝手にロットバルトは自滅している。相当演技力の高いダンサーをもっても、これをドラマティックに仕上げることは困難である。ましてや経験の浅い若手にこの役を演じさせてもいかんや、だ。せっかく衣装や舞台装置はシックで素敵なのに、残念なことであり、そろそろこの版は御蔵入りさせるべきであろう。

王子役の福岡さんは、怪我明けであるということもあり、跳躍も重くてまだ本調子ではなさそうだった。着地は柔らかく綺麗だし、回転もきっちりしているし、サポートは万全であったが福岡さんならもっとやれるのではないかと期待していた。このヴァージョンを演じるのに演技力が、と言われるのも気の毒な話であるが、やはりドラマ性が非常に薄くて、王子はオデットのつっかい棒か、って感じである。あと本当はハンサムなのにメイクが良くなかったのと、時々口がぽかんと開いているのもいただけない。

福岡さんの王子のお株を奪う形で、この日一番の拍手をもらっていたのは、パ・ド・トロワの奥村さん。美しくエレガントなライン、高い跳躍、綺麗なつま先と柔らかい着地、「白鳥の湖」のパ・ド・トロワを観てこれだけときめいたことはないほどだ。彼は容姿も美しいし、パートナーリングの訓練さえできればすぐにでも王子を演じることができるのではないかと思った。今回最大の収穫といってもいい。

新国立劇場バレエ団の最大の売り物は、一糸乱れぬコール・ド・バレエだ。今回も2幕、4幕の群舞はとてもよく揃っていて、思わず息を詰めて見入ってしまい湖畔の幻想の世界に浸ってしまうほど非常に美しかった。だが、だいぶ世代交代をしてきているようで、大きな4羽の白鳥、小さな4羽の白鳥にその辺がスムーズに行っていないのが見えてしまった。小さな4羽は全然揃っていなくてハラハラしたし、大きな4羽にいたっては、バラバラもいいところであり、かつ個々人の技量の差が大きく、アンドゥオールすらできていない人もいれば背中が硬くてまったく白鳥にも見えない人もいて、なんでこのような配役になったのかはまったく謎である。

3幕のディヴェルティスマンはソリスト大投入で見応えがあった。このバレエ団は全体的な水準が高くて、1幕のパ・ド・トロワのさいとうさん、長田さんも含めてとても安心して見られるクオリティとなっている。中でも楽しかったのはスペインで、湯川さんももちろんかっこいいのだが、髭ともみあげを描いて怪しさ満点のマイレンのキメキメの踊りには、思わず笑いが漏れそうになったけれど、とても魅せてくれた。ルースカヤは、最初この牧版が出た時に観て、一人で延々と退屈な踊りを踊らされてまるで罰ゲーム、と思ったのだが、米沢唯さんの踊りは切れ味があって正確でかつ可愛らしく、初めて退屈しないでこのソロを観ることができた。

ロットバルトの厚地さんは、長身から繰り出される跳躍も舞い上がるようで爽快であり、存在感があったのだが、何のためにロットバルトが存在し行動しているのか全く意味不明なこの牧版では、少々もったいなかった。福田さんの道化は八幡さんほどの派手さはないけれども、軽やかで弾むようであり、またピルエット・ア・ラ・スゴンドの大回転も見事であった。

牧阿佐美版の退屈な演出さえなければ、オーソドックスではあるけれども水準の高い上演で、感動までには至らなかったものの、きっちりとした全幕の充実した舞台を観たという満足度は得られた。この日の「白鳥の湖」には芸術監督のデヴィッド・ビントレーが来ていなかったのが残念である。振付家として辣腕ぶりを発揮している彼だったら、この演出には決して満足せず、別の版を検討するであっただろうから。


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2012/05/06

ボリショイ・バレエの「ジュエルズ」初演/「ボリショイへのチケット」字幕つきに

ボリショイ・バレエでは、5月5日にバランシンの「ジュエルズ」が初演されました。

http://www.bolshoi.ru/en/performances/456/roles/#20120505190000

今回は衣装はカリンスカのではなく、バランシンにかつてこの作品のインスピレーションを与えたヴァン・クリーフ&アーペルがスポンサーとなり、新たに、マリインスキー・バレエの「眠れる森の美女」の復元版のデザインをしたデザイナー、エレーナ・ザイツェワがヴァン・クリーフ&アーペルの宝石をイメージしてデザインしました。

こちらでデザインを見ることができます。(ロシア語サイト)
http://mir24.tv/news/culture/4904882

今回の上演についての英語の記事。「ダイヤモンド」の振り付け指導は、バランシン時代の最後のバレリーナである、メリル・アシュレー。「ルビー」と「エメラルド」はやはり元NYCBのサンドラ・ジェニングス。

ボリショイ劇場のYouTubeオフィシャルチャンネルで、メイキングの映像を見ることができます。メリル・アシュレーの他、チュージン、スミルノワ、クリサノワ、シプーリナなどが登場。

なお、ボリショイ劇場がYouTubeオフィシャルチャンネルで配信している番組「ボリショイへのチケット」に、英語字幕をつけられるようになりました。動画を再生した時に現れる下部のメニューバーに「CC」というボタンがあり、これをクリックすると字幕が現れます。さらにこの字幕の優れものである点は、英語字幕からGoogle翻訳を使って、ほかの言語にも翻訳できることです。もちろん日本語への自動翻訳も可能です。全部の動画が字幕付きになったわけではありませんが、最新の#208(「海賊」「ラ・シルフィード」上演など)、#207、#206(「ラ・バヤデール」(オルガ・スミルノワ、ウラディスラフ・ラントラートフ、アンナ・チホミロワの役デビュー)、そして来日公演を取り上げた#204が字幕付きで見られます。

また、ボリショイ・バレエのダンサーの昇進が発表されています。
http://www.bolshoi.ru/en/about/press/articles/

Anastasia Stashkevich and Artem Ovcharenko Leading Soloists; アナシタシア・スタシュケヴィチ、アルチョム・オフチャレンコがリーディング・ソリストへ
Olga Smirnova and Denis Savin — First Soloists; オルガ・スミルノワ、デニス・サヴィンがファーストソリストへ
Anzhelina Vorontsova, Daria Khokhlova — Soloists アンジェリーナ・ヴォロンツォワ、ダリア・コフロワがソリストへ

2011年にワガノワを卒業して入団したばかりのオルガ・スミルノワが、「ジュエルズ」のダイヤモンドにも抜擢されニキヤ役もデビューし、さらにファーストソリストへ昇進と飛ぶ鳥を落とす勢いであるのが感じられます。

2012/05/04

「ロイヤル・エレガンスの夕べ」キャスト変更

8月30日、31日に鎌倉芸術館で開催される、ロイヤル・バレエのダンサーたちによるガラ公演「ロイヤル・エレガンスの夕べ」。チケットが明日発売になりますが、キャスト変更のお知らせがありました。

http://www.dancetoursproductions.com/news.html

マリアネラ・ヌニェスとティアゴ・ソアレスは一身上の都合により不参加となり、代わりにバーミンガム・ロイヤル・バレエの佐久間奈緒さんとツァオ・チーが出演するとのことです。演目には変更なく、二人の得意とする古典バレエから「海賊」と「白鳥の湖」のパ・ド・ドゥを踊るそうです。

今回参加できない理由については、マリアネラとティアゴからの手紙もサイトにアップされています。
http://www.dancetoursproductions.com/pic/letter.pdf
マリアネラの故国であるアルゼンチンでの公演日程が変更となって時期が重なってしまったためとのことです。(アルゼンチンで踊るのはロイヤル入団後初めてとのことで)

マリアネラとティアゴが参加できないのはとても残念ですが、代わりに佐久間奈緒さんとツァオ・チーを観られるのは良かったと思います。

【チケット料金】

8月30日(19:00開演)
8月31日(15:00開演)
全席指定一律 13,000円

リハーサル鑑賞券(8月30日14:00)3,000円(先着150名限定)
ファンミーティング・イベント券(8月31日18:00)15,000円(先着50名限定)

* リハーサル鑑賞券、ファンミーティング券はいずれかの公演チケットをご購入いただいた方のみ、お買い求めいただけます。

* 音源はCDを使用いたします。
* 3才未満のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。お子様につきましても1人1枚チケットをお求めください。
* 車椅子をご利用のお客様は鎌倉芸術館チケットセンターまでお問い合わせください。

【チケット販売】

2012年5月5日(土)10:00より

* 鎌倉芸術館チケットセンター TEL:0120-1192-40(9:00〜19:00)
* 鎌倉芸術館1Fインフォメーション(9:00〜19:00)
* 鎌倉芸術館ホームページ http://www.kamakura-arts.jp/

・ インターネット上からの購入には事前の登録が必要です

2012/05/02

4/30 ウィーン国立バレエ「こうもり」 Wiener Staatsballet Die Fledermaus

http://www.nbs.or.jp/stages/1205_wienerstaatsballett/index.html

ウィーン国立バレエ団 2012年日本公演
「こうもり」

振付・演出:ローラン・プティ
音楽:ヨハン・シュトラウスⅡ世(ダグラス・ギャムリー編曲)
舞台美術:ジャン=ミッシェル・ウィルモット
衣裳:ルイザ・スピナテッリ
装置制作・照明:ジャン=ミッシェル・デジレ
振付指導:ルイジ・ボニーノ、ジャン・フィリップ・アルノー


◆キャスト◆

ベラ:オルガ・エシナ
ヨハン:キリル・クルラーエフ
ウルリック:マニュエル・ルグリ
メイド:マルタ・ドラスティコワ
グランカフェのギャルソン:ダヴィデ・ダト、マーチン・デンプス、ドゥミトル・タラン
チャルダッシュ:木本全優
看守:ガーボア・オーベルエッガー

他、ウィーン国立バレエ団

指揮:ペーター・エルンスト・ラッセン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力: 東京バレエ学校


新国立劇場バレエ団でも2月に上演されたばかりの「こうもり」。同じルイザ・スピナッテリデザインの衣装だが、印象はだいぶ違っている。群舞の踊りに関しては新国立劇場の方が揃っていてレベルは高いと思うけれども、さすがに美男美女度はこちらが上。ゴージャスな男女が美しい衣装で着飾って踊る姿はそれはそれは目の保養になった。また、主役のみならず、周囲のダンサーたちの演技が出過ぎずにとても達者で、洒落た雰囲気の出し方がとても上手い。

今回の公演は、フランスのローラン・プティの作品の上演というより、ウィーンのバレエ団での上演という印象が強く、プティ作品としてはどうなのという気はするのだが、ヨハン・シュトラウスの曲を使った「こうもり」という作品と考えると、そのような独自のカラーを出していったのは正解だったように思える。牢屋に入れられたヨハンが歌を歌うとき、ドイツ語で歌うのはさすがにウィーンのバレエ団なので違和感がない。

ベラ役のエルガ・エシナは日常生活の中では設定通り赤毛のカツラをかぶっていて、ナイトクラブのシーンでは金髪を黒く染めていた。髪を黒くしていても、冴えない赤毛でも絶世の美女でクールビューティなのは相変わらず、演技は上手で愛嬌はあるのだけど、子供が5人もいて欲求不満の人妻にはあまり見えない。終始美人すぎるのがちょっとハンディかもしれない。すごく清楚で、夫が求めに応じてくれない時に拗ねる姿は、とっても可愛らしい。最初から美しいので、ナイトクラブで変身してもそれほど大きな変化はないのだけど、これほどまでに美しい女性がサービス精神豊かにその美しい脚を露わにしてくれることに興奮する人は多いのではと思う。(事実、ギャルソンたちは、彼女がコートを脱いで脚を見せた時に失神していたし)マリインスキー・バレエ出身のバレリーナだけあって、腕の使い方は実に優雅で綺麗だし、脚も美しいんだけど、脚が語るという領域まではいかず、プティらしいエスプリはなかった。ラストのとろんと幸せに輝く表情は実に愛らしくて、美しい女性は存在しているだけでも周囲を幸福にするものだと、こちらも嬉しくなってしまった。

ヨハン役のキリル・クルラーエフも、本当は金髪のところ髪を黒く染めていたけど、ちょっとだけお顔がヨハン・コボーに似ていた。彼もちょっとクールな印象がある人で、チョイ悪浮気男ヨハンを演じるには少し真面目な演技。こうもりの羽をつけて飛翔するところの腕の使い方はもう少しダイナミックにしても良かったのでは。ただ、踊りは上手な人で、ナイトクラブのシーンで見せるマネージュも浮かび上がるように高く、540まで入れてキメてくれたし、パートナーリングも見事なもので、きっちりと仕事をしてくれる印象。2幕からはもっと演技も洒脱になっていって、浮気心がありつつも妻の魅力を見直す男性を魅力的に演じていた。

踊りも演技も一枚上のところを見せてくれたのが、ウルリック役のマニュエル・ルグリ。私(今回振付指導の担当をしている)ルイジ・ボニーノのわざとらしくコミカルに振れ過ぎた演技がとっても苦手で、まさかとは思うけどそのボニーノの演技にルグリが似ていたらとっても嫌、って思っていのだのだが、それは杞憂に終わった。ルグリはきっちりアイラインを引いてちょび髭をつけているものの、白塗りもメイクも控えめで、とってもダンディで謎めいた素敵な紳士。登場した時の羽が生えたような軽やかなステップ、鮮やかな足捌きには惚れぼれ。2幕のチャルダッシュでは、木本全優さんと一緒に踊るところがあるが、スタイルが良くて足先もきれいでテクニックもある木本さんも、さすがにルグリと踊るとどうしても目がルグリの方へと行ってしまう。仕草の一つ一つもエレガントで洗練されているウルリックだが、御者やギャルソンや看守と次々と変身して変幻自在の姿を見せてくれる。序盤ではベラに隙あればお触りしようとするちょっとエッチなところもあるし、看守の時には鍵を振りながらの踊りも見事だったし、投獄されたヨハンをからかう姿やつけ鼻つけメガネをつけた様子はとっても剽軽で、これがあのルグリ様なのか、と思うほど。それでいてやりすぎではなく、絶妙のさじ加減で上品さを保っているところが実に素敵。最後にカップル二人を残して去るところは、なんとも言えず寂寥感があって、次の世代にバトンタッチしようとしているのかしら、と切なくなった。

3人のギャルソンたちの演技も楽しく、中心のギャルソン役のダヴィッド・ダドは溌剌として素晴らしい身体能力の持ち主で、ピルエット・ア・ラ・スゴンドの連続回転も綺麗にずっと回り続けてくれたし、とっても魅力的だった。このナイトクラブのシーンは華やかでみんな演技が細かくてとっても楽しい。チャルダッシュの木本さんは本当に踊りは上手なのだから、もう少し色気があるともっといいな、って思う。

「こうもり」は楽しく観終わったあとは浮き浮きした気持ちになれる幸せな作品だけど、プティの群舞の振付って今ひとつ平凡というかバレエらしさがなく、「こうもり」は特にソシアルダンスっぽいところが多いのが好みのツボから外れるところ。でも今回は、メイドやギャルソンたち、役名のない人たちに至るまでリアリティがあって演技が上手いため、ずっと楽しく観ていられた。ワルツの中で踊っていた橋本清香さんや玉井るいさん、ほかのダンサーたちに負けず、いやむしろ、より華やかで美しく、日本人のダンサーも実力だけでなく容姿が際立つようになってきたものだとしみじみ。ルグリが手塩にかけて育てているカンパニーは、着実に成長していて、トップクラスまで迫ろうとしている。また遠くない将来にこのカンパニーを観たいものだと思った。去年のゴールデンウィークはウィーンで彼らのヌレエフ版「ドン・キホーテ」を観て楽しんだけど、今年のゴールデンウィークは東京で楽しめた贅沢さ。

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2012/05/01

6月のNHK‐BSプレミアム「プレミアムシアター」でマリインスキー「くるみ割り人形」パリ・オペラ座「天井桟敷の人々」ほか放映

6月のNHKBSプレミアムのプレミアムシアターは、バレエ特集で、DVD化されていない作品の放映もあるので見逃し厳禁です。

テレビ初放映(DVDは発売済み)の「不思議の国のアリス」、未DVD化のマリインスキー・バレエ「くるみ割り人形」(ソーモワ/シクリャーロフ主演)、モイセーエフ・バレエ団のパリ公演、そしてパリ・オペラ座の「天井桟敷の人々」(シアラヴォラ/ガニオ主演)と素晴らしいラインアップです。


http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
(最新情報はリンク先でご確認ください)

6月4日(月)【3日(日)深夜】午前0時~午前4時
プレミアムシアター

◇英国ロイヤル・バレエ公演 バレエ「不思議の国のアリス」

<出 演>
アリス:ローレン・カスバートソン
ジャック/ハートのジャック:セルゲイ・ポルーニン
ルイス・キャロル/白うさぎ:エドワード・ワトソン
アリスの母親/ハートの女王:ゼナイダ・ヤノフスキー
アリスの父親/ハートのキング:クリストファー・サウンダース
マジシャン/マッドハッター:スティーヴン・マックレー
公爵夫人:サイモン・ラッセル・ビール
他:英国ロイヤル・バレエ団

<振 付>クリストファー・ウィールドン
<台 本>ニコラス・ライト
<音 楽>ジョビー・タルボット
<指 揮>バリー・ワーズワース
<管弦楽>コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
収録:2011年3月9日
コヴェントガーデン王立歌劇場


◇英国ロイヤル・バレエ公演
バレエ「スケートをする人々」&「ピーターとおおかみ」

<演 目>バレエ「スケートをする人々」

<出 演>
英国ロイヤル・バレエ団
スティーヴン・マックレー
ラウラ・モレーラ ほか

<音 楽>ジャコモ・マイヤベーア
<振 付>フレデリック・アシュトン
<演 目>バレエ「ピーターとおおかみ」
<出 演>ロイヤル・バレエ学校
<ナレーター>ウィル・ケンプ
<音 楽>プロコフィエフ
<振 付>マシュー・ハート

収録:2010年12月16日~23日
コヴェントガーデン王立歌劇場


6月18日(月)【17日(日)深夜】午前1時~午前5時
プレミアムシアター

◇マリインスキー・バレエ公演 バレエ「くるみ割り人形」

<出 演>
クララ:アリーナ・ソーモワ
王子:ウラジーミル・シクリャーロフ
ほか:マリインスキー・バレエ団

<振 付>
ワシーリー・ワイノーネン
<音 楽>
チャイコフスキー
<指 揮>
ワレリー・ゲルギエフ
<管弦楽>
マリインスキー劇場管弦楽団

収録:2011年11月21日、22日
マリインスキー劇場

◇ロシア国立 モイセーエフ・バレエ団公演

<演 目>
「パルチザン」ほか

<出 演>
ロシア国立モイセーエフ・バレエ団

収録:2011年12月21,22日
パリ国際会議場


6月25日(月)【24日(日)深夜】午前0時~午前4時
プレミアムシアター

◇パリ・オペラ座公演 バレエ「天井桟敷の人々」

<出 演>
バチスト:マチュー・ガニオ
ガランス:イザベル・シアラヴォラ
ラスネール:バンジャマン・ペッシュ
ルメートル:カール・パケット
ほか:パリ・オペラ座バレエ団

<振 付>
ジョゼ・マルティネス
<音 楽>
マルク・オリヴィエ・デュパン

収録:2011年7月6日,9日
パリ・オペラ座ガルニエ


◇ベルリン国立バレエ公演 バレエ「カラヴァッジョ」

<演 目>
「カラヴァッジョ」

<出 演>
ウラディーミル・マラーホフ
ポリーナ・セミオノワ
中村 祥子
ドミートリ・セミオノフ
エリサ・カリッリョ・カブレラ
ミハイル・カニスキン
ベアトリス・クノップ

<振 付>
マウロ・ビゴンゼッティ
<原 曲>
クラウディオ・モンテヴェルディ
<音 楽>
ブルーノ・モレッティ
<指 揮>
ポール・コネリー

収録:2008年
ベルリン国立歌劇場


※ちなみに、6月11日(月)【10日(日)深夜】午前1時~午前5時放映は、野村萬斎演出の三島由紀夫「サド侯爵夫人」で、こちらも楽しみですね~。


「不思議の国のアリス」は国内盤DVDが発売されるんですね。6月20日発売予定。

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