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2012年3月

2012/03/31

NHKバレエの饗宴 2012

日本を代表するバレエ団やバレエダンサーが一堂に会する夢の饗宴という「NHKバレエの饗宴 2012」。これだけの多彩なバレエ団が集まってのガラというのは、本当に画期的なことだと思う。

ガラというと、通常はパ・ド・ドゥだけだったりするが、今回は各団体20分程度の持ち時間があって、1幕をまるごと群舞付きで見せてくれる趣向になっていた上、舞台装置もきちんと設置し、さらにはオーケストラや一流の演奏家、音楽家を集めての音楽面が素晴らしかったため、非常に満足度が高かった。大掛かりな舞台装置があるのにも関わらず、場面転換や進行がスムーズで時間通りにきちんと進められていたということにも感心した。さらに6月にはEテレ(教育テレビ)で放映してくれるというので、これも楽しみである。


2012年3月30日(金) NHKホール
http://www.nhk-p.co.jp/
[指揮]大井剛史 [管弦楽]東京フィルハーモニー交響楽団


【第1部】
新国立劇場バレエ団
『アラジン』から「財宝の洞窟」

[振付]デヴィッド・ビントレー [音楽]カール・デイヴィス
[舞台装置]ディック・バード [衣裳]スー・ブレイン [照明]マーク・ジョナサン
アラジン:八幡顕光
オニキスとパール:さいとう美帆、高橋有里、大和雅美、菅野英男、福田圭吾、原健太
ゴールドとシルバー:堀口純、米沢唯、小口邦明、清水裕三郎
サファイア:湯川麻美子
ルビー:長田佳世、厚地康雄
エメラルド:寺田亜沙子、細田千晶、古川和則
ダイヤモンド:川村真樹

大掛かりな舞台装置と華やかでめくるめく舞台展開は、オープニングにふさわしいもの。せっかくのテクニシャンの八幡さんが主役でありながら、見せ場が少ないのは少々残念だった。だが、新国立劇場バレエ団が国内団体の中でもさすがに頭一つ抜けた感じがある。(コンテンポラリーのNoismは別として)コールドの揃い方、ダンサーのプロポーションの美しさ、正確なテクニック、ソリストの存在感とレベル本当に高い。それだけに現状の公演数の少なさと、地方公演をほとんどしないことが残念だ。それぞれのソリストともみな良かったが、中でも圧倒的に魅せてくれたのがルビーの長田さんと厚地さん。特に大人の妖艶さとしっかりとした技術で魅力的だった長田さんにはブラボー。この二人の雰囲気作りがとても素敵で、厚地さんも辮髪姿であるにもかかわらずセクシーで、サポートも万全。ソリストの中でも最も拍手を浴びていたのがこの二人だった。

Noism1
『solo for 2』

[演出・振付]金森穣 [音楽]ヨハン・セバスティアン・バッハ
[照明デザイン]伊藤雅一(RYU)、金森穣 [椅子]須長檀
[衣装]山田志麻 [レオタード]金森愛 [演奏]渡辺玲子(ヴァイオリン)
※りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館と新国立劇場の共同制作による『ZONE〜陽炎 稲妻 水の月』(初演:2009年)より
井関佐和子、宮河愛一郎、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、真下恵、青木枝美、藤澤拓也、宮原由紀夫、亀井彩加、角田レオナルド仁
小尻健太(ゲスト)

Noismは実は生で観るのは初めてなのだが、映像で観て上手いのは知っていたけど改めて舞台に接してみんな踊りの基礎体力が凄いと思った。金森さんの振付も、単なるキリアン・フォロワーにとどまらずにオリジナリティがあって面白いし、ただならぬ緊張感あった。「アラジン」のスペクタクルの後、脚が1本短くなっている椅子が配置されているだけのシンプルな舞台で、衣装にしても至って簡素。渡辺玲子さんによる素晴らしいヴァイオリン演奏のみとという中での研ぎ澄まされた舞台。ダンサー一人一人の空間の使い方が大きい。なかでも、井関さんと小尻さんのデュオは圧倒的な支配力だった。小尻さんのかっこいいことといったら。さいたまの公演のチケットを確保したので今から楽しみである。


谷桃子バレエ団
歌劇『イーゴリ公』から「ダッタン人の踊りと合唱」

[振付]望月則彦 [作曲]アレクサンドル・ボロディン [照明]足立恒
[バス(コンチャック汗)]妻屋秀和
[合唱]藤原歌劇団合唱部、二期会合唱団 [合唱指揮]長田雅人
イーゴリ公:赤城圭
隊長:齊藤拓
副隊長(騎馬隊):今井智也
副隊長(弓隊):三木雄馬
ダッタンの美女:永橋あゆみ
奴隷の姫:朝枝めぐみ

谷桃子バレエ団による「ダッタン人の踊り」は、以前にNHKの新春オペラガラで観たことがある。今回、見事なオーケストラと合唱、独唱つきで個性を出した演目選びが上手かった。跳躍に切れのある三木雄馬さん、ピルエット・ア・ラ・スゴンドが見事な今井智也さんが光っていた。あとはシンクの衣装がよく似合う、伸びやかで奔放な永橋あゆみさんが魅力的だった。ここでは何より音楽の魅力と力を再確認。NHKホールは若干音響が悪いのが惜しまれるところだ。

【第2部】
牧阿佐美バレヱ団
『ライモンダ』第3幕からグラン・パ・クラシック

[振付]マリウス・プティパ [改訂振付]テリー・ウエストモーランド
[作曲]アレクサンドル・グラズノフ [美術・衣装]ボブ・リングウッド
ライモンダ:伊藤友季子
ジャン・ド・ブリエンヌ:京當侑一籠
グラン・パ・クラシック:吉岡まな美、笠井裕子、日高有梨、坂本春香、茂田絵美子、米澤真弓、久保茉莉恵、中川郁、塚田渉、今勇也、菊地研、中島哲也、石田亮一、清瀧千晴、濱田雄冴、中家正博
ヴァリエーション:青山季可
パ・ド・カトル:細野生、上原大也、篠宮祐一、清瀧千晴
パ・ド・トロワ:吉岡まな美、茂田絵美子、久保茉莉恵

今回唯一の純クラシック演目だが、演目選びには失敗してしまったのが牧阿佐美バレエ団。パ・ド・カトルの男性陣は大変健闘しており、一人ずつトゥールザンレールするところもちゃんと5番に降りられていたし、連続アントルシャも揃っていた。また、グラン・パ・クラシックの女性ダンサーたちも美しかったのだが、踊りのスケールが小さいように思えた。パ・ド・トロワは音に合っていなかったが、ヴァリエーションの青山季可さんは素晴らしかった。問題なのが主役二人で、京當さんはとてもクラシックバレエの主役を努められるようなテクニックの持ち主ではなかった。伊藤さんは怪我からの復帰後初の舞台のようで、あまりにも細くて痛々しく、アンドゥオールも甘い上上半身が硬かった。カンパニー全体のレベルは低くないのに、主役の人選を完全に間違えたと感じた。もっとこのバレエ団らしい、ローラン・プティの作品などを上演したほうが良かったのではないかと思う。

東京バレエ団
『ザ・カブキ』から第八場「雪の別れ」第九場「討ち入り」

[振付]モーリス・ベジャール [作曲]黛敏郎
[美術・衣装]ヌーノ・コルテ・レアル [照明]高沢立生
[演奏]田中悠美子(三味線)、西川啓光(鳴り物)、藤舎理生(笛)
[合唱]藤原歌劇団合唱部、二期会合唱団
[合唱指揮]長田雅人 [副指揮]鈴木竜哉、松下京介
[演奏(録音)]豊竹呂太夫(浄瑠璃)、鶴澤清治(三味線)
由良之助:柄本弾
顔世御前:二階堂由依
ヴァリエーション1:松下裕次
ヴァリエーション2:長瀬直義
亡霊:高岸直樹

なんといっても、この演目上演史上初めての、生演奏による上演というのが偉業である。三味線、鳴り物、笛、合唱の演奏レベルが非常に高くて、音楽の持つ力に圧倒された。ベジャールの「ザ・カブキ」は私は苦手な作品で、その中でも女性ダンサーたちの衣装のセンス(光沢のあるユニタードの上にペラペラの打掛を羽織るのは品がない)には耐えられないのだが、この音楽の迫力と、討ち入りシーンから切腹までのたたみ掛けるような展開、47人の浪士たちが駆け抜ける舞台には引き込まれた。柄本弾さんは、踊りそのものは良いし雰囲気も出てきたのだが、脚に筋肉がつきすぎてせっかくの長身なのにバレエ的ではないのが惜しい。二階堂さんは170cm以上の身体の半分以上を長く美しい脚が占めており、その脚をきちんとコントロールして足先まで気持ちが行き届いていたのだが、あまりにも長細くてまるで宇宙人のようだった。ヴァリエーションの松下さん、長瀬さんは良いパフォーマンスを見せ、なかでも松下さんの高い跳躍は目を引いた。また脇では高橋竜太さんが光っていた。


吉田都&ジョセフ・ケイリー
『真夏の夜の夢』から「オベロンとタイターニアのパ・ド・ドゥ」

[振付]フレデリック・アシュトン [作曲]フェリックス・メンデルスゾーン
[編曲]ジョン・ランチベリー
タイターニア:吉田都
オベロン:ジョセフ・ケイリー(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル)

都さんの見事な音楽性と軽やかさ、無駄のない滑らかな上半身、アシュトン振りの完璧さに非の打ち所はなく、別格。バーミンガムロイヤルのジョセフ・ケイリーも美しく威厳を持つ容姿がオベロンにぴったりで、ピルエットが美しくテクニックがあってパートナーリングも良かった。ただあまりに上演時間が短かったことだけが残念である。ジョセフ・ケイリーには今度是非、新国立劇場バレエ団のゲストとして来日して欲しい。

フィナーレでは、上演順に全出演者が集結。NHKホールの舞台を埋め尽くしたダンサーの数は100人以上。これだけの豪華なガラを、素晴らしい音楽と舞台装置付きで観られた幸せに感謝。「バレエの饗宴2012」と題されているからには、当然「バレエの饗宴2013」も期待してしまう。

東京バレエ団情報いくつか、神奈川県民ホールの予定

東京バレエ団のオフィシャルサイトに、長年、東京バレエ団でプリンシパルを務めた井脇幸江さんが、3月31日付で退団するとのお知らせが載っていました。

http://thetokyoballet.com/news/?id=383

井脇さんといえば、「ジゼル」のミルタ、「白鳥の湖」のスペイン、「春の祭典」の生贄、「牧神の午後」のニンフなどいくつもの印象的な役柄が、その美しさと共に記憶に残っています。退団は本当に残念です。また、長年貢献してきたプリンシパルの退団のお知らせが素っ気ないのも残念です。

井脇さんのスタジオのブログで、その思いが少し伝わってきます。

新国立劇場バレエ団ブログでは、やはり長く活躍してきた寺島まゆみさんの退団報告が載っていますが、こちらはまゆみさん自身の挨拶もあって、思いが伝わってきますね)

********

「バレエの饗宴」で配布されていた神奈川県民ホールの2012/13公演情報に、東京バレエ団の「オネーギン」の公演の予定が掲載されていました。

10月6日(土)15:00開演
東京バレエ団「オネーギン」
出演(予定)斎藤友佳理、木村和夫ほか東京バレエ団
チケット発売予定 5月中旬
主催:神奈川県民ホール 共催:横浜アーツフェスティバル

6月9日(土)14:00開演
熊川哲也 Kバレエカンパニー「海賊」
出演:熊川哲也、松岡梨絵ほか
主催:神奈川芸術協会、共催:神奈川県民ホール

2013年1月13日(日)
(公社)日本バレエ協会関東支部神奈川ブロック 第30回自主公演
「ドン・キホーテ」
主催:日本バレエ協会関東支部神奈川ブロック、共催:神奈川県民ホール

2013年1月14日(祝・月)
キエフ・バレエ「白鳥の湖」
主催:神奈川芸術協会、共催:神奈川県民ホール

2013年2月10日(日)
第9回アートダンスカナガワ
ストラヴィンスキー「兵士の物語」
演出・振付:中村恩恵 出演:中村恩恵、首藤康之
主催:公益社団法人神奈川県芸術舞踊協会 共催:神奈川県民ホール

「オネーギン」東京公演は今回もゲストなしなのか、気になるところです。

********
また、東京バレエ団では以下の公演があります。

横浜ベイサイドバレエ
http://thetokyoballet.com/news/?id=381

■開催日時:
 7月20日(金)19 時開演 
  (※雨天の場合7/23(月)19 時開演に順延)
 7月21日(土)19 時開演 
  (※雨天の場合7/22(日)19 時開演に順延)

■会場:赤レンガオープンステージ(赤レンガ倉庫野外特設会場)

■入場料:S 席= ¥9,000  A 席= ¥7,000(全席指定・消費税込)

■プログラム
「ギリシャの踊り」 
  ソロ:長瀬直義
「カルメン」    
  カルメン:斎藤友佳理
  ホセ:首藤康之(東京バレエ団特別団員)
  エスカミリオ:高岸直樹
  ツニガ:後藤晴雄
「ボレロ」
  メロディ:上野水香
          
■チケットのお申し込み・お問い合わせ:
 NBSチケットセンター 電話:03-3791-8888
■前売開始日:4月21日(土)10:00a.m.

「NHKバレエの饗宴2012」6/17 Eテレにて放映/「ららら♪クラシック」4/29バレエ特集

今日は「NHKバレエの饗宴2012」に行ってきました。日本を代表する様々なバレエ団の舞台を観ることができて、大変楽しめました。

ガラというと、通常はパ・ド・ドゥだけだったりしますが、今回は各団体20分~30分程度の持ち時間があって、1幕をまるごと群舞付きで見せてくれる趣向になっていた上、舞台装置もきちんと設置し、さらには一流のオーケストラや演奏家、音楽家を集めての音楽面が素晴らしかったため、非常に満足度が高かったです。フィナーレで舞台を埋め尽くしたダンサーの人数に思わず仰け反りそうになりました。チケットがソールドアウトになるなど、人気を呼んだ公演でもあり。ぜひ、この企画は継続的に実施して欲しいと思いました。

中でも東京バレエ団の「ザ・カブキ」が、上演史上初めて生演奏で、三味線、鳴り物や笛、合唱付きで演奏されたことは画期的なことでした。これだけの舞台装置を用意しても、場面転換がスムーズに行われていたことも驚異的でした。バレエの内容も全体的に良かったです。詳しくはまた後日書くつもりです。

さて、会場で配布されたキャスト表の中に、この「NHKバレエの饗宴2012」の放映予定が記載されていました。

「NHKバレエの饗宴2012」

6月17日(日)午後3時~5時 Eテレ(旧教育テレビ)

あと、「N響アワー」に代わって4月から始まる新番組「ららら♪クラシック」では、4月29日放送分は「バレエ事始め~究極のロマンティック・ワールドへようこそ~」と題したバレエ特集があります。

内容は小林十市さんが案内するバレエ入門で、ダニール・シムキンの舞台や、新しくなったボリショイ劇場での「眠れる森の美女」、さらに「NHKバレエの饗宴」の模様も舞台裏ドキュメントと共に紹介するそうです。

ららら♪クラシック 日曜日夜9時~10時 Eテレ

2012/03/30

オールニッポンバレエガラ2012開催 All Nippon Ballet Gala 2012

昨年夏に実施された東日本大震災チャリティ・ガラ、オールニッポンバレエガラが、今年も開催されます。

バレエナビさんの紹介より)

<オールニッポンバレエガラについて>
バレエダンサーで構成される実行委員と出演者、そして事務局で構成されるダンサーが主役のボランティア団体。
昨年8月にチャリティガラコンサートを開催し、その収益金を元に12月には福島県いわき市で特別無料公演を開催、その後も被災地にて無料バレエワークショップを実施しています。今年は『Heart to Heart!』というテーマで、身体と心で表現する復興への祈りを込めた新たなステージを届けます。

http://nippon-balletgala.com

オールニッポンバレエガラ2012公演概要

オールニッポンバレエガラ2012~東日本大震災復興支援チャリティ~
世界で活躍するダンサーが集結!

横浜公演 2012年8月14日(火)18:00開演 神奈川県民ホール 大ホール
  ※Dance Dance Dance@YOKOHAMA2012参加事業
東京公演 2012年8月15日(水)18:00開演 メルパルクTOKYO

・実行委員 遠藤康行、西島千博、酒井はな、島地保武、山本隆之、森田健太郎、伊藤範子、志賀育恵、中村恩恵
・入場料 SS席10,000円 S席8,000円 A席6,000円 B席4,000円
・主催 オールニッポンバレエガラコンサート2012実行委員会
・お問い合わせ オールニッポンバレエガラコンサート2012実行委員会事務局 

■出演予定者(五十音順)
青木尚哉、厚地康雄、荒井英之、伊藤範子、遠藤康行、大嶋正樹、岡田理恵子、奥村彩、風間自然、加藤三希央、金田あゆ子、吉瀬智弘、小池ミモザ、小尻健太、小林洋壱、酒井はな、佐久間奈緒、佐藤健作(太鼓)、佐藤美紀、佐藤理央、志賀育恵、田島香緒里、橘るみ、田中ルリ、中村恩恵、永橋あゆみ、西島千博、西田佑子、平山素子、福島昌美、藤井美帆、黄凱、三木雄馬、森真琴、柳本雅寛、ヤニック・ビタンクール、八幡顕光、横関雄一郎 ほか

■上演予定作品
海賊、眠れる森の美女、白鳥の湖、ロミオとジュリエットなどの古典作品のほか、ジャン=クリストフ・マイヨー、ケネス・マクミラン、ジョゼ・マルティネス振 付作品、新作、コンテンポラリー作品など

*出演者および作品は変更になる場合がございます。
*横浜、東京公演のプログラムは一部出演者が異なります。
*プログラムが決定次第、オフィシャルホームページ上で発表

昨年のオールニッポンバレエガラは私も観に行きましたが、手作り感のある暖かいガラで、UStreamによる生中継も行なった他、ダンサーたちが募金箱を持って呼びかけたりしていました。その収益で12月にはいわきで無料公演も行なった他、その後も被災地にて無料バレエワークショップを実施するという、大変意義深い活動をしていて頭が下がりました。内容も、海外で活躍するダンサーたちが特に素晴らしく、大変充実していました。

そして、オールニッポンバレエガラコンサート2011実行委員会は赤い羽根共同募金の災害ボランティアNPO活動サポート募金口に250万円を寄付したそうです。

オールニッポンバレエガラコンサート2011による無料ワークショップの予定(2012/3月現在)。
場所は福島県いわき市・いわきアリオスホールを予定。
第1回:2012/3/26 講師:西島千博・酒井はな
第2回:2012/4/21-22 講師:中村恩恵
第3回:2012/5/27 講師:山本隆之・志賀育恵
第4回:2012/6/10 講師:伊藤範子
第5回:2012/7/8 講師:遠藤康行

まだまだ被災したみなさんの苦難が続いている時に、このような試みが継続して行われるのは大変素晴らしいことです。今回は、2回公演に。また出演者も、モンテカルロ・バレエの小池ミモザさんや、パリ・オペラ座のヤニック・ビトンクール、オランダ湖国立劇場で活躍する奥村彩さんなど、さらにパワーアップしていますね。とにかく去年はラストを飾った佐久間奈緒さんと厚地康雄さんの「二羽の鳩」が素晴らしかったので、今年も彼らの素敵な踊りが観られるかと思うと楽しみです。世界バレエフェスティバルの時期と重なっているのが若干懸念材料ですが。

2012/03/29

小林紀子バレエ・シアターが8月にマクミラン「アナシタシア」を上演 Noriko Kobayashi Ballet Theare performs MacMillan's"Anastasia"

日々もごもごさんからの情報によると、小林紀子バレエ・シアターが、この夏ケネス・マクミランの『アナスタシア』を上演するとのことです。

小林紀子バレエ・シアター創立40周年記念公演『アナスタシア』
  8月18日(土)17時/8月19日(日)15時
  新国立劇場 オペラ劇場

共立アカデミーのサイトに出ていたとのことです。
http://www.kyoritsu-ac.jp/list.htm
(「バレエ鑑賞会」のところをご覧ください)

マクミランの「アナスタシア」はもちろん観たことがなく、マクミランの伝記「Different Drummer: The Life of Kenneth Macmillan」でこの作品を創作する過程を読んで興味を持ちました。

ロイヤル・バレエで最後に上演されたのが2004年で、当時主演したのがリアン・ベンジャミンでした。ラスプーチン役にはイレク・ムハメドフ。初演は1967年ベルリン・ドイツオペラ劇場バレエで、主演はリン・シーモア。自分はロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の娘アナスタシアであると主張した実在の女性アンナをモデルにした物語です。1971年の上演にあたり、1幕の作品を3幕に作り直したようです。ロイヤルの初演は1986年。

そのように、めったに観られる作品ではないのですが、それを日本のバレエ団で上演してしまうのはすごいです。上記共立アカデミーのサイトによれば、島添亮子さんが主演するようです。新国立劇場のオペラ劇場での上演ということなので、男性ゲストが誰になるのかも気になるところです。

Different Drummer: The Life of Kenneth MacmillanDifferent Drummer: The Life of Kenneth Macmillan
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「アナスタシア」のパ・ド・ドゥ(ヴィヴィアナ・デュランテ / ブルース・サンソム)が収められているDVD(コメント欄で教えていただきました)

ロイヤルバレエとオペラの祭典~チャイコフスキー没後100周年記念ウィンター・ガラ [DVD]ロイヤルバレエとオペラの祭典~チャイコフスキー没後100周年記念ウィンター・ガラ [DVD]

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ABTの韓国公演のキャスティング

ABTは7月18日~7月22日まで、ソウルアーツセンター(芸術の殿堂)で、「ジゼル」の公演を行います。そのキャストがオフィシャルサイトに出ていました。

http://www.abt.org/calendar.aspx?startdate=7/1/2012

7月18日         
ジゼル:J. Kent ジュリー・ケント
アルブレヒト:M. Gomes マルセロ・ゴメス
ヒラリオン:G. Saveliev ゲンナディ・サヴェリエフ
ミルタ:G. Murphy ジリアン・マーフィ

7月19日
ジゼル:H. Seo ヒー・セオ
アルブレヒト:C. Stearns コリー・スターンズ
ヒラリオン:P. Ogle パトリック・オグル
ミルタ:V. Part ヴェロニカ・パールト

7月20日 14時30分
ジゼル:X. Reyes シオマラ・レイエス
アルブレヒト:H. Cornejo エルマン・コルネホ
ヒラリオン:S. Radetsky サシャ・ラデツキー
ミルタ:S. Messmer シモーネ・メスマー

7月20日 19時30分
ジゼル:P. Herrera パロマ・ヘレーラ
アルブレヒト:M. Gomes マルセロ・ゴメス
ヒラリオン:J. Matthews ジャレッド・マシューズ
ミルタ:G. Murphy ジリアン・マーフィ

7月21日 2:30 PM
ジゼル:H. Seo ヒー・セオ
アルブレヒト:C. Stearns コリー・スターンズ
ヒラリオン:P. Ogle パトリック・オグル
ミルタ:S. Abrera ステラ・アブレラ

7月21日 7:30 PM
ジゼル:X. Reyes シオマラ・レイエス
アルブレヒト:H. Cornejo エルマン・コルネホ
ヒラリオン:S. Radetsky サシャ・ラデツキー
ミルタ:S. Messmer シモーネ・メスマー

7月21日 2:30 PM
ジゼル:Y. Kajiya 加治屋百合子
アルブレヒト:J. Matthews ジャレッド・マシューズ
ヒラリオン:G. Saveliev ゲンナディ・サヴェリエフ
ミルタ:D. Teuscher デヴォン・トゥッシャー

7月21日 7:30 PM
ジゼル:H. Seo ヒー・セオ
アルブレヒト:C. Stearns コリー・スターンズ
ヒラリオン:P. Ogle パトリック・オグル
ミルタ:V. Part ヴェロニカ・パールト

韓国公演、予定されていたデヴィッド・ホールバーグの出演はなく、自前のダンサーのみでキャスティングをしています。マルセロ・ゴメスとジュリー・ケント、ジリアン・マーフィの日が一番人気を集めそうですね。それから、先日ABTのシカゴ公演で大変な好評を博した、加治屋百合子さんとジャレッド・マシューズ主演の「ジゼル」が最終日に観ることができます。
レビュー
http://haglundsheel.typepad.com/haglunds_heel/2012/03/abt-giselle-debuts-in-chicago-325.html

2012/03/28

デンマーク・ロイヤル・バレエのノイマイヤー「椿姫」映像

デンマーク・ロイヤル・バレエは3月30日より5月2日までジョン・ノイマイヤー振付の「椿姫」を上演するのですが、この予告編映像が、古い映画のようでとても素敵です。

http://video.kglteater.dk/video/4770859/kameliadamen-trailer-2012

公演のサイトはこちら
http://kglteater.dk/Alle_forestillinger/11_12/Ballet/Kameliadamen.aspx

公演期間が長いのに、2キャストで回すんですね。(スザンネ・グリンデルと最近注目されているアルバン・レンドルフ、グルロン・ボイエセンとウルリック・ビヤケァー) そして、ここに記述はないのですが、芸術監督のニコライ・ヒュッベがアルマンの父を演じるのだそうです。

*******
最近、ノイマイヤーの作品が、ハンブルク・バレエ(と彼が以前在籍していたシュツットガルト・バレエ)以外で上演されるケースが増えています。ナショナル・バレエ・オブ・カナダは先日まで「かもめ」を上演し、来シーズンは「ニジンスキー」を上演します。(ナショナル・バレエ・オブ・カナダを観に行ったとき、ノイマイヤーに偶然遭遇しました)

「かもめ」のナショナル・バレエ・オブ・カナダの動画

また、「欲望という名の電車」は3月9日~11日まで、アメリカのピッツバーグ・バレエ・シアターにて上演されていました。
http://www.pbt.org/performances/streetcar

ジョン・ノイマイヤーのインタビューとピッツバーグ・バレエ・シアターのリハーサルの模様

ハンブルク・バレエの「ヴェニスに死す」のDVDも近々発売されます。輸入盤の日本発売は4月24日頃?(Side B-allet様いつもありがとうございます)

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ウィーン国立バレエの2012/2013シーズン Wiener Staatsballett Saison 2012/2013

悪性の風邪にかかってしまってここ数日寝込んでおり、更新ができませんでした。まだまだ起きているのも辛く、回復していないので、しばらくサイトをお休みすると思います。

ウィーン国立バレエの2012/2013シーズンが発表されていましたのでご紹介します。
(FacebookのWiener Ballettfreunde Freies Komiteeからソースを引っ張ってきました)

Wiener Staatsballett Saison 2012/2013

Staatsoper: ウィーン国立劇場

Romeo und Julia 「ロミオとジュリエット」
John Cranko ジョン・クランコ
14., 17., 19., 21. September; 31. Oktober; 02., 06. November 2012

Der Nussknacker 「くるみ割り人形」
Rudolf Nurejew ルドルフ・ヌレエフ
07., 09., 12., 15., 26. Oktober; 23., 25., 27., 28. Dezember 2012|Premiere

Balanchine / Neumeier / Robbins 「バランシン、ノイマイヤー、ロビンス」
Stravinsky Violin Concerto / Thema und Variationen / Bach Suite III / The Concert 「ストラヴィンスキー・ヴァイオリン・コンチェルト、テーマとヴァリエーション、バッハ組曲、コンサート」
25., 29. Oktober; 01., 04. November 2012

Meisterwerke des 20. Jahrhunderts 「20世紀の傑作」
Suite en blanc / Before Nightfall / L'Arlésienne 「白の組曲」「ビフォア・ナイト・フォール」「アルルの女」
Serge Lifar, Nils Christe, Roland Petit
09., 30. November; 01., . Dezember 2012, 06., 11. März 2013

Manon 「マノン」
Kenneth MacMillan ケネス・マクミラン
08., 11., 18., 25. Jänner; 02., 09. Februar 2013|Wiederaufnahme

Tanzperspektiven 「ダンスの展望」
A Million Kisses to my Skin / Eventide / Windspiele / Vers un pays sage
David Dawson, Helen Pickett, Patrick de Bana, Jean-Christophe Maillot デヴィッド・ドーソン、ヘレン・ピケット、パトリック・ド・バナ、ジャン・クリストフ・マイヨーの作品
20., 23., 26. Februar; 03., 21., 26. März 2013|Premiere

La Sylphide 「ラ・シルフィード」
Filippo Taglioni, Pierre Lacotte ピエール・ラコット
01., 05., 07. April 2013|Premiere

Nureyev Gala 「ヌレエフ・ガラ」
29. Juni 2013

Volksoper: フォルクスオーパー

Blaubarts Geheimnis 「青ひげ公の秘密」
Stephan Thoss ステファン・トス
15., 19., Dezember 2012, 17., 29., Jänner, 1. Februar, 10., 20., 24. Juni 2013

Ein Sommernachtstraum 「真夏の夜の夢」
Jorma Elo ヨルマ・エロ
16., 19., 24., März, 3., 14., 19., 21. April 2013

Kreation und Tradition 「創造と伝統」
27. April, 3., 7., 28. Mai 2013

Carmina Burana / Nachmittag eines Fauns / Bolero 「カルミナ・ブラーナ」「牧神の午後」「ボレロ」
Orlic / Nebyla / Lukács

Max und Moritz 「マックスとモリッツ」
Barbay/Kropf
21., 27. Dezember 2012, 4., 9., 20. Jänner, 4. Februar 2013

ウィーン国立バレエの方は実に魅力的で分かりやすい定番ラインアップではないかと思います。

追記:ものすごく見づらいですが、オフィシャルにもオペラのラインアップに続けて、載っています。
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/aktuelles/neuigkeiten/Spielzeit-20122013.de.php

2012/03/25

パリ・オペラ座バレエのアメリカツアー US Tour of Paris Opera Ballet /追記あり

パリ・オペラ座バレエが2012年6~7月にアメリカツアーを行うことは発表されていましたが、まだ詳細が発表されていませんでした。

そのうち、ニューヨークのリンカーンセンターフェスティバルの一環として行われる公演について、リンカーンセンターフェスティバルのサイトで発表されていましたので、お知らせします。(コメント欄で教えていただきました)

http://www.lincolncenterfestival.org/index.php/2012-paris-opera-ballet

会場は当初予定されていたメトロポリタン・オペラハウスではなく、David H. Koch Theater(旧ニューヨークステートシアター、NYCBの本拠地)で、チケットは4月5日に発売される予定のようです。

French Masters of the 20th Century (ミックスプロ)
http://www.lincolncenterfestival.org/index.php/2012-paris-opera-ballet-mixed-program

「白の組曲」「アルルの女」「ボレロ」
Wed, Jul 11 at 8:00
Thu, Jul 12 at 8:00
Sun, Jul 15 at 8:00

Orpheus and Eurydice A Dance Opera by Pina Bausch 「オルフェウスとエウリディーチェ(ピナ・バウシュ振付)」
http://www.lincolncenterfestival.org/index.php/2012-paris-opera-ballet-mixed-program

Fri, Jul 20 at 8:00
Sat, Jul 21 at 8:00
Sun, Jul 22 at 3:00

Giselle 「ジゼル」
http://www.lincolncenterfestival.org/index.php/2012-giselle

Fri, July 13 at 8:00
Sat, July 14 at 2:00
Sat, July 14 at 8:00
Tue, July 17 at 8:00
Wed, July 18 at 8:00
Thu, July 19 at 8:00

なんと「ジゼル」は6回公演も行うのですね。また、5月13日の「マノン」でオペラ座アデューのクレールマリ・オスタの最後の舞台が、この「ジゼル」になるとのことです。


他に以下の公演が予定されています。

シカゴ
ハリスシアター (チケット発売中)
http://www.harristheaterchicago.org/performers/paris-opera-ballet
2012年6月27日、28日 「ジゼル」
6月29日、30日(マチネ、ソワレ)、7月1日 、ミックス・ビル (「白の組曲」/「アルルの女」/「ボレロ」)

ワシントンDC 
ケネディセンター (チケットは4月4日に発売)
http://www.kennedy-center.org/events/?event=BMBSH
2012年7月5日~8日
「ジゼル」

追記
ダンソマニに、アメリカツアーの予定キャストが載っています。(あくまでも予定で変更の可能性あり)

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?p=59130

7月19日の「ジゼル」がクレールマリ・オスタの最後の舞台となります。アルブレヒト役に、夫君のニコラ・ル=リッシュ。また、ミックスプロの7月22日には、なんとオーレリー・デュポンが「ボレロ」を踊る予定となっています。

上記、削除されてしまいました。何か不都合があったようです。

2012/03/23

リュドミラ・パリエロがパリ・オペラ座のエトワールに任命 Ludmila Pagliero danseuse étoile

パリ・オペラ座バレエの3月22日の公演、「ラ・バヤデール」でガムザッティ役を演じたリュドミラ・パリエロが、ブリジット・ルフェーブル芸術監督とニコラ・ジョエル総裁により、エトワールに任命されました。

オペラ座の公式Twitterより

Opéra de Paris ‏ @operadeparis Close
Sur proposition de Brigitte Lefèvre, Nicolas Joel a nommé Ludmila Pagliero danseuse étoile à l'issue de la representation de la Bayadère.

3月22日は、「ラ・バヤデール」の収録が行われ、映画館で中継された日でしたが、ガムザッティを演じる予定のドロテ・ジルベールが怪我で降板、その代役を務める予定だったマチルド・フルステも降板し、リュドミラ・パリエロが代役を務めたところ、エトワール任命となったわけです。

アルゼンチン出身で、チリのサンチアゴ・バレエ(芸術監督はマリシア・ハイデ)から移籍してきたパリエロですが、頭角を現し、「泉(ラ・スルス)」では主演。女性ダンサーの中では最もエトワールに近い人と噂されてきました。私は12月に「シンデレラ(サンドリヨン)」の意地悪な姉の片方で彼女を観たのですが、驚くべきテクニックを持っており、コメディセンスも抜群でした。

おめでとうございます。(公式サイトのアナウンスがアップされたら追記します)

このエトワール任命の様子も収録されて放映されたのか、ということが気になります。そしてこの映像がDVD化されるかどうかということも!

追記:ニューヨーク・タイムズの記事。ROSLYN SULCAS氏はこの公演を観て、きちんと報告してくださっています。
http://rendezvous.blogs.nytimes.com/2012/03/23/an-etoile-is-born/

オペラ座の公式発表
http://www.operadeparis.fr/actualites/Ludmila-Pagliero-nomme-Danseuse-Etoile

3/23 YouTubeでロイヤル・バレエ・ライブ・ストリーミング Royal Ballet Live:Royal Ballet's live streaming event

ロイヤル・バレエが3月23日、日本時間の夜7時半より、「Royal Ballet Live」と題して、劇場の一日をロイヤル・オペラハウスのYouTubeのオフィシャルチャンネルで生中継するという画期的な試みを行います。

タイムスケジュールとしては以下が予定されています。(英国時間のため、日本時間とはマイナス9時間です)

http://www.guardian.co.uk/stage/2012/mar/22/royal-ballet-live-schedule

10:30 – daily class クラスレッスン (バレエマスター、ジョナサン・コープとダンサー、クリステン・マクナリーのインタビューを含む)
Including interviews with ballet master Jonathan Cope and dancer Kristen McNally

11:35 – interview ウェイン・マクレガーのインタビュー
Choreographer Wayne McGregor with Judith Mackrell

Midday – rehearsal 「不思議の国のアリス」のリハーサル
Alice's Adventures In Wonderland (choreographed by Christopher Wheeldon)

12:30 – interview ダンサーのインタビュー
Dancers

13:05 – interview 芸術監督モニカ・メイソンのインタビュー
Director of the Royal Ballet Monica Mason

13:20 – rehearsal 「パゴダの王子」のリハーサル
The Prince of the Pagodas (choreographed by Kenneth MacMillan)

13:50 – interview マリアネラ・ヌニェスのインタビュー
Principal dancer, Marianela Nuñez

13:55 – interview 音楽監督バリー・ワーズワースと音楽のチーフ、ロブ・クラークのインタビュー
Music director Barry Wordsworth and head of music Rob Clark

14:00 – rehearsal 「ポリフォニア」のリハーサル
Polyphonia (choreographed by Christopher Wheeldon)

14:30 – interview ダンサーのインタビュー
Dancers

15:15 – rehearsal 「ストリートストーリー」イースト・ロンドンのダンス学生との教育プロジェクトのリハーサル
Street Stories – education project with east London dance students

16:10 – rehearsal 「ロミオとジュリエット」のリハーサル
Romeo and Juliet (choreographed by Kenneth MacMillan)

16:50 – interview ダンサーのインタビュー
Dancers

17:00 – rehearsal 「スイートヴァイオレット」(リアム・スカーレットの新作)のリハーサル
Sweet Violets (new Liam Scarlett work)

17:30 – interview ダンサーのインタビュー
Dancers

18:30 – Insights public event インサイト・イベント(ウェイン・マクレガーとマーク・ロンソンのインタビューを含む、新作「カーボン・ライフ」についてのイベント
Carbon Life (new Wayne McGregor work), including interviews with McGregor and Mark Ronson

8時間にも及ぶ一大イベントですが、これらの中継のアーカイヴもYouTubeで視聴可能となっているとのことです。

予告編

追記:いくつかの映像のアーカイヴがロイヤル・オペラハウスの公式YouTubeチャンネルにアップされています。

http://www.youtube.com/playlist?src_vid=Ka51Qj3fWCI&feature=iv&annotation_id=annotation_581548&list=PL0A01774B446FB18E

クラスレッスン

リアム・スカーレットの新作「Sweet Violet」のリハーサル(リアン・コープとティアゴ・ソアレス)

「不思議の国のアリス」のクリストファー・ウィールダンによるリハーサル

ウェイン・マクレガーとマーク・ロンソンによる新作「Carbon Life」のリハーサル(スティーヴン・マックレーとサラ・ラム、エドワード・ワトソン)とトーク

モニカ・メイソンによる「パゴダの王子」のリハーサル(マリアネラ・ヌニェス)

ガラ「ロイヤル・エレガンスの夕べ」(8/30、31鎌倉芸術館) Gala"Royal Elegance Evening" by Dancers of the Royal Ballet

「ロイヤル・エレガンスの夕べ」という、ロイヤル・バレエのスターを中心としたガラが8月30日、31日に鎌倉芸術館(大船)で開催されるとのことです。

「ロイヤル・エレガンスの夕べ」
http://dancetoursproductions.com/index.html

鎌倉芸術館 小ホール
2012年8月30日(木) 19:00開演
2012年8月31日(金) 15:00開演

人気と実力を兼ね備えた英国ロイヤルバレエ団のトップダンサー達が、自ら演目を選び、心を込めて作り上げるステージということで、演目も出演者も大変魅力的です。

【演目】
「リーズの結婚」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フェルディナン・エロルド
ラウラ・モレーラ/スティーヴン・マックレー

「ウィンタードリーム」(三人姉妹)
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
サラ・ラム/ネマイア・キッシュ

「ファサード」
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:ウィリアム・ウォルトン
崔 由姫(チェ・ユフィ)

「海賊」よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:アドルフ・アダン
マリアネラ・ヌニェス/ティアゴ・ソアレス

「リーベストゥラウム」*日本初演
振付:リアム・スカーレット
音楽:フランツ・リスト
ラウラ・モレーラ/リカルド・セルヴェラ

休憩

「クローマ」よりパ・ド・ドゥ
振付:ウェイン・マクレガー
音楽:J.タルボット、J.ホワイト
サラ・ラム/リカルド・セルヴェラ

「カリオペ ソロ」エリート・シンコペイションズより
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジェームス・スコット
ラウラ・モレーラ

「白鳥の湖」より白鳥のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス/ティアゴ・ソアレス

「ジュエルズ」よりルビーのパ・ド・ドゥ
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イゴール・ストラヴィンスキー
崔 由姫(チェ・ユフィ)/リカルド・セルヴェラ

「マノン」より第1幕ベッドルームのパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
ラウラ・モレーラ/ネマイア・キッシュ

「サムシング・ディファレント」
振付:スティーヴン・マックレー
スティーヴン・マックレー

(出演者は2012年3月17日現在の予定)

出演
ラウラ・モレーラ、サラ・ラム、マリアネラ・ヌニェス、崔 由姫(チェ・ユフィ)、スティーヴン・マックレー、ティアゴ・ソアレス、ネマイア・キッシュ、リカルド・セルヴェラ(英国ロイヤル・バレエ)

なお、リハーサル鑑賞とファンミーティング・イベントも予定されているとのことです。

【チケット料金】

8月30日(19:00開演)
8月31日(15:00開演)
全席指定一律 13,000円

リハーサル鑑賞券(8月30日14:00)3,000円(先着150名限定)
ファンミーティング・イベント券(8月31日18:00)15,000円(先着50名限定)

* リハーサル鑑賞券、ファンミーティング券はいずれかの公演チケットをご購入いただいた方のみ、お買い求めいただけます。

【チケット販売】

2012年5月5日(土)10:00より

* 鎌倉芸術館チケットセンター TEL:0120-1192-40(9:00〜19:00)
* 鎌倉芸術館1Fインフォメーション(9:00〜19:00)
* 鎌倉芸術館ホームページ http://www.kamakura-arts.jp/
・ インターネット上からの購入には事前の登録が必要です

2012/03/21

「ディアギレフ 芸術に捧げた人生」Diaghilev: A Life

実は私はこの邦訳「ディアギレフ 芸術に捧げた人生」(鈴木晶訳)をまだ読んでいないのですが(入手済み)、この本の英語版をかなり前に読んで、こちらのブログで書評を書いたので、こちらの書評をリンクしておきますね。日本語版でも504ページある大作ですが、英語版の方は比較的簡単に、1ヶ月半でスルッと読めました。元がオランダ語で出版された書籍を英訳したものなので、外国人が読んでも読みやすくなっています。

英語で読んでも、この稀代の興行師の数奇な人生と、いかに彼が芸術の世界を変えたかということについて、綿密な調査に基づいた証言の多くをよむことができ、これだけ面白さが伝わってきた本はなかなかありませんでした。日本語版だと一層楽しめることでしょう。

Diaghilev: A Life (私の書評)
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2010/05/diaghilev-a-lif.html

日本経済新聞に、長野由紀さんによる書評が掲載されていました。
http://www.nikkei.com/life/review/article/g=96958A96889DE1EBE4E5E4E4E3E2E3E5E2E1E0E2E3E09F8890E2E2E3;p=96948D819791E18D91938D81E38D

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3/15 ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「眠れる森の美女」National Ballet of Canada "Sleeping Beauty”

エヴァン・マッキーがカナダのファッションマガジンで特集された記事。公演前のバックステージやリハーサルの様子がスライドーショーで見られる。これが実に美しくて惹きつけられる。
http://www.fashionmagazine.com/blogs/society/2012/03/15/the-national-ballets-special-guest-star-evan-mckie-takes-us-behind-the-scenes-of-the-latest-production-of-the-sleeping-beauty/

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの3月15日の公演は、前日14日の公演に引き続きソールドアウト。11日の公演について絶賛の嵐が吹き荒れ、エヴァン・マッキーの故郷への凱旋は大成功、カーテンコールでは観客が総立ちとなった。

前奏曲を演奏中に技術的なトラブルが発生したとのことで一旦演奏が中断し、開演が遅れるというアクシデントが発生。そのために3幕のダイヤモンドなど宝石のヴァリエーションがカットされるという異例の事態となった。(オーケストラの組合の関係で、上演時間を3時間以内に抑えなければならないため)

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ここで上演されるヌレエフ版「眠れる森の美女」はアポテオーズがないほか、赤ずきんちゃんも出てこないと「眠れる森の美女」にしてはコンパクト。2回の休憩時間(各15分と短い)込みでぴったり3時間で終了する。このオーケストラの演奏は非常に優れており、特にコンサートマスターのヴァイオリンソロとハープの響きが美しかった。バレエ団専属のオーケストラではあるが、独自に演奏会なども行なっているとのことである。

3月15日のキャスト
オーロラ姫:グレタ・ホジキンソン
フロリムント王子:エヴァン・マッキー
フロレスタン王:レックス・ハリントン
リラの精:リサ・マリー・ジョーダン
フロリナ王女:ティナ・ペレイラ
青い鳥:スカイラー・キャンベル

ここのヌレエフ版の「眠り」は、パリ・オペラ座の「ライモンダ」や、ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」「マノン」のデザインで知られるニコラス・ジョージアディスによる重厚な舞台装置と衣装が華麗で豪奢だ。フォーシズンズ・アート・センターの舞台は決して広くないのだけど、舞台を埋め尽くした舞台装置を観るだけでも夢の世界へと連れて行かれた気がする。リラの精は踊らないが、舞台奥を斜めに下っていく大階段を滑るように降りていく姿が美しく、マイムの一つ一つが美しくてうっとり。長いドレスを着用していて、床の上も本当に滑るように進んで行っているので、本物の妖精のよう。どれだけ素晴らしいプロダクションを持っているかが、舞台のクオリティを高める大きな要素であることを実感する。

オーロラの誕生を祝福する妖精たち。ここでは6人の妖精が登場するが、優しさの精、といった名前は付けられていない。第二ヴァリエーションだけ、二人のバレリーナが踊り、そして他の版だとリラの精のヴァリエーションを踊るのは、プリンシパル・フェアリーという役名のバレリーナ。プリンシパル・フェアリーはコーダでイタリアン・フェッテを少し変形させたヴァリエーションを踊る。具体的にいえば、エカルテにグランバットマンした後フェッテして、通常だったらアティチュードに保つ脚をルティレの位置に持って行くフェッテの連続技だ。何人かのプリンシパル・フェアリーを見たけれど、ファーストソリストのロシア人、エレーナ・ロブサノワがポール・ド・ブラが美しくて一番印象に残った。彼女のフロリナ王女も素晴らしかった。

まずは仮面をかぶったカラボスの手下が登場したかと思うと、女性のカラボスが登場してカタラビュットの鬘をむしり取る。オーロラは編み針が刺さって死ぬという呪いをかけると、それを阻止しようとする妖精たちとカラボスの手下たちが戦いを繰り広げる。これがまた複雑なリフトを含んだ振付で合わせるのが大変そうだ。


1幕では、冒頭に編み物に熱中する魔女たちが登場する。彼女たちはカラボスの差し金で、踊りながら編み物に夢中になっていて、それを面白そうと思った一般の女性たちに編み物に興味を持たせ、挙句の果てに逮捕させてしまう。女王様の恩赦により女性たちは解放される。そして16歳のオーロラが階段の上から登場。

グレタ・ホジキンソンはこのバレエ団に22年も在籍している大ベテランなのに、驚くほど初々しく、闊達で生き生きとしたオーロラ姫を踊っていた。一つ一つのパが軽やかで、重力など存在していないかのよう。愛らしくて鷹揚なお姫様。ローズアダージオでのバランスも見事なもので、毎回きちんとアンオーに腕を上げてバランスをとっていたし、デヴェロッペもゆっくりと脚を上げ下ろしていて品が良い。アラベスク・パンシェの動きも上品で愛らしいし、最後のヴァリエーションのランベルセは柔らかくて音楽にふわっと乗っていて軽やかで素敵だ。

ヌレエフ版で特徴的なのは、カラボスが正体を現した後、4人の王子がカラボスを退治しようとするものの、彼女の魔力にかかって相討ちとなってしまい全員倒れてしまうこと。1幕冒頭に登場する魔女たちといい、少しダークな風味がこのヴァージョンの持ち味と言える。

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(フォーシーズンズ・アートセンター全景)

2幕の狩りのシーン。水色のヴェルヴェットの上着に大きな帽子、ヒールのあるロングブーツを履いた王子が颯爽と登場。登場してきた時には少し傲慢な感じもするエヴァンの王子だけど、バットマン・エカルテした時の脚の長さに改めて驚く。ダーツ遊びでは、おつきの者たちがことごとく外すのに王子の投げたダーツは真ん中に命中してちょっと笑いが起きる。王子は目隠しされておつきの者たちや伯爵夫人一行と鬼ごっこをして戯れるが、ふと目隠しを外すと、伯爵夫人の問いかけに応じて涙を流すマイムをする。ここから徐々に、王子の背負っている悲しみが少しずつ明らかになっていくのだ。お付きの者の手を借りて、上着とロングブーツを脱ぐと、光り輝くばかりの王子の衣装で最初のヴァリエーション。長い脚のつま先まで神経の行き届いた美しい踊り。高く上がるアラベスク。何より端正なポールドブラは、ロシア流のエレガンスであることがわかる。

狩りの一行を見送ったあと、憂愁に沈む王子のところへリラの精が来て、なぜ悲しんでいるのですか、と問いかける。本当に愛する人をまだ見つけられなくて心が涙を流しているのです、と王子が答えると、眠れる姫のことをリラは伝える。まだ見ぬオーロラ姫への憧れを募らせ、胸を高鳴らせる王子のヴァリエーションがこの幕の最大の見せ場と言っていいだろう。美しいヴァイオリン・ソロに乗せて6分間も王子が踊るのだ。ヌレエフ版の「眠れる森の美女」は、初演がミラノ・スカラ座で、その後ウィーン国立バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、そしてパリ・オペラ座バレエと改訂され、王子のヴァリエーションが最もテクニック的に難しい振付となっているのがパリ・オペラ座版だという。そして、今回エヴァンは、敢えてこの一番高度なテクニックを要するオペラ座版のヴァリエーションに挑んだという。

このヴァリエーションの映像といえば、マニュエル・ルグリが踊っているDVDが決定版と言えるほどの素晴らしさだ。比類のないエレガンス、正確なテクニック。ルグリの踊りが頭に刷り込まれていると、エヴァンのには若さがあり、ルグリが見せている究極の優雅さや成熟の領域にはまだ到達していない。ヌレエフ版の「眠り」の王子を踊るのが今回初めてだから、致し方ない。だが、その細長く柔らかい肢体から繰り出されるラインの美しさと豊かな音楽性、ロン・ドゥ・ジャンブの足先の細やかさ、ロシアン・スクール出身ゆえのしなやかさ、大柄ゆえのダイナミックさという点では、鮮烈な印象を与えられた。そして一つ一つのパに意味を持たせて、まだ見ぬ姫への憧憬と熱情を高まらせていく彼のロマンティックさ、そしてドラマティックな表現には、胸を射抜かれるものがあった。

リラの精がオーロラの幻影を王子に見せる。手が届きそうでなかなか届かない。王子の行く手を阻む群舞たち。ようやくオーロラの儚げな幻に出会えてのパ・ド・ドゥがあるが、彼女は彼の腕の中をすり抜けていってしまう。そしてもう一つ王子のヴァリエーションが入る。そこでのパドシャとブリゼを交互にいれながらのディアゴナルに進んでいくコーダも見事だ。(そしてオーロラの幻影は、大きくグランジュテしながら彼を追う) いよいよ王子はオーロラへと彼を導くリラに再会し、ゴンドラに乗って彼女の眠る深い森へと導かれる。行く手を阻もうとするカラボスは手下共々年老いており、簡単にリラの精によってやっつけられる。眠れる森の中で王子はなかなかオーロラを見つけられないが、やがてたどり着き、彼のキスで姫は目覚め、彼女と共に眠りについていた王室の人々も100年の眠りから目を覚ます。

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3幕は、赤を基調にした重厚で派手な頭飾りをつけた衣装に身を包んだ宮廷一同が踊るサラバンドから始まる。サラバンドのソリストはなんと王様で、懐かしのレックス・ハリントンが典雅な踊りを披露した。この場面での衣装はジョージアディスらしい、悪趣味スレスレのゴテゴテと凝りに凝った豪奢ものである。こんなに巨大な頭飾りをつけて踊るダンサーたちは本当に大変だと思う。

冒頭で述べたように、今回は開演が遅れたために残念ながらダイヤモンドと宝石のヴァリエーションはカットされてしまい、すぐに青い鳥とフロリナのヴァリエーションに。フロリナ王女のティナ・ペレイラは可愛らしくも強靭なテクニックの持ち主で目をみはらされた。また、青い鳥のスカイラー・キャンベル(まだコール・ドのダンサー)は1回目の時はまだまだだと思ったが、この日は美しいつま先や高い跳躍、ブリゼ・ボレのなめらかな動きと見事であった。白猫と長靴を履いた猫の後、いよいよグラン・パ・ド・ドゥ。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ版の「眠れる森の美女」では、ヌレエフ版でも主役二人は鬘を着用しないところが良い。1幕の登場では初々しく快活な姫だったグレタ・ホジキンソンのオーロラは、ここでは初々しさを保ちながらも、堂々とした風格を身につけて余裕たっぷり。幸福感で輝いていた。そしてエヴァンの王子は、これぞ王子というエレガンスで、二人の間のパートナーシップも完璧。1回目の公演ではグレタの回転付きピルエットの軸がずれてしまったところがあったが、この日はそれもなくて、フィッシュダイブもとてもスムーズで二人のコミュニケーションが見事であることがよく見て取れた。

ヴァリエーションではエヴァンの長い脚でのマネージュが大きく羽のように軽やかで、舞台をはみ出てしまうのではないかと思うほど。彼の踊りはもちろんテクニック的にも優れているのだけど、何よりも、派手な見せ場を作ろうとするのではなくて、どうすれば美しく見えるかということを考え抜いて踊っていて、つま先や脚の軌跡が実に優雅な上に、ヌレエフ版ならではの細かい足技もしっかりと盛り込んでいる。今時の若い男性ダンサーといえば、ついつい大技に走りがちで美しさを二の次にしていると感じられることが多いので、彼のようなダンスールノーブルタイプはもはや絶滅危惧種に近いのだが、一つ一つのポーズ、特にアティチュードでのバランスとそこへ持って行くまでの動きのエレガントさにはうっとりさせられるほどの美しさがあった。

グレタのヴァリエーションは、とにかく音楽性の豊かさが素晴らしくて、音の粒をひとつひとつ拾いながら歌うように踊ってくれるのが心地よい。滑らかなポールドブラ、愛らしい表情、キラキラ輝く幸せなお姫様は、醒めてほしくない夢の中へと連れて行ってくれる。弾むようなコーダまで、この二人の幸福な物語の舞台が永遠に終わらないといいな、と心から願った。アポテオーズなしで幕が降りてしまうこのバージョンは、終わり方が唐突な感じがしなくもないけれども、この幸福感の絶頂で舞台が終わるという意味では、それもいいのかもしれない。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダでは、このヌレエフ版「眠れる森の美女」は2年に1回は上演される人気演目だというが、その人気の秘密もよくわかる。春休みの時期で、観客に子供の姿も目立った。豪華さといい、必要十分なプロダクションの長さといい、とても見やすいのである。最終的に、グレタ&エヴァンが出演した最終日までもソールドアウトとなったのは、多くの新聞にこのペアの絶賛評が掲載されて評判を呼んだ部分も大きい。トロント出身で、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのバレエ学校出身のエヴァンにとって、故郷に錦を飾ることができて本当によかったと思うし、トロントの人々も、地元出身のスターの里帰りに大いに沸くこととなった。

Princess Aurora
Greta Hodgkinson (March 11, 18 at 2:00 pm/ March 15 at 7:30 pm)

Prince Florimund
Evan McKie+ (March 11, 18 at 2:00 pm/ March 15 at 7:30 pm)

King Florestan
Rex Harrington (March 10, 15, 17 at 2:00 pm/ March 10, 14, 15, 17 at 7:30 pm)

Queen
Joanna Ivey+ (March 10, 13, 17, 18 at 2:00 pm/ March 10, 14, 15, 17 at 7:30 pm)

Catalubutte
Tomas Schramek (March 11, 15 at 2:00 pm/ March 15, 17 at 7:30 pm)

Lilac Fairy
Lise-Marie Jourdain (March 10, 11, 17 at 2:00 pm/ March 10, 14, 15, 17 at 7:30 pm)

Carabosse
Alejandra Perez-Gomez* (March 15 at 2:00 pm/ March 15, 16, 17 at 7:30 pm)

Principal Fairy
Adji Cissoko* (March 15, 18 at 2:00 pm)

Princess Florine
Tina Pereira (March 11 at 2:00 pm/ March 15 at 7:30 pm)

Bluebird
Skylar Campbell* (March 11 at 2:00 pm/ March 15, 17 at 7:30 pm)

* Debut + Guest Artist

オーレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ主演のパリ・オペラ座「眠れる森の美女」
(廉価盤が出ていてお得です)

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2012/03/19

パリ・オペラ座バレエ2012/13シーズン Paris Opera Ballet's 2012/2013 Season

土曜日にカナダより帰国し、空港から新国立劇場まで直行して「アンナ・カレーニナ」を観てきました。今日もキャスト違いで観たのですが、時差ボケにも関わらず、両日ともとても楽しみました。新国立劇場バレエ団のパワフルで美しい群舞に圧倒されました。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダのルドルフ・ヌレエフ版「眠れる森の美女」は、4キャストで結局5回観ました。重厚で豪奢な衣装と舞台装置、ヌレエフらしい難しい振付の中に潜む細やかな心理描写と、たっぷり楽しんできました。トロントは気温が20度近くと暖かく、帰国して寒いことにびっくりした次第です。これらの舞台については、また追ってもう少し詳しく書いていきたいと思います。

パリ・オペラ座バレエ2012/13シーズンは、私の旅行中に発表されたので、こちらでお知らせするのが遅くなり、すでにご存知の方も多いかと思います。しかし載せないわけにもいかないような気がしますので・・・。

http://www.operadeparis.fr/en/saison_2012_2013/Ballets/index.php


各演目のリンクから、プレゼンテーション映像を見ることができます(音が出ますので注意を)
GEORGE BALANCHINE
from 24 September to 18 October 2012 PALAIS GARNIER
「セレナーデ」「アゴン」「放蕩息子」(ジョージ・バランシン振付)

MARIE-AGNÈS GILLOT / MERCE CUNNINGHAM
from 31 October to 10 November 2012 PALAIS GARNIER
「Sous apparence」(マリ=アニエス・ジロ新作) / 「Un Jour ou deux」(マーズ・カニンガム振付)

DON QUICHOTTE
RUDOLF NOUREEV
from 16 November to 30 December 2012 OPÉRA BASTILLE
「ドン・キホーテ」(ルドルフ・ヌレエフ振付)

WILLIAM FORSYTHE / TRISHA BROWN
from 03 to 30 December 2012
フレデリック・フォーサイス、トリシャ・ブラウンの夕べ
In the Middle, Somewhat Elevated(フォーサイス) / O Zlozony O Composite(トリシャ・ブラウン) / Woundwork 1(フォーサイス) / Pas./Parts (フォーサイス) PALAIS GARNIER


NOUVEL AN À L'OPÉRA BASTILLE DON QUICHOTTE
RUDOLF NOUREEV
31 December 2012 OPÉRA BASTILLE
「ドン・キホーテ」大晦日公演

NOUVEL AN AU PALAIS GARNIER FORSYTHE / BROWN
31 December 2012
PALAIS GARNIER
フォーサイス/ブラウン 大晦日公演

BALLET PRELJOCAJ
from 05 to 10 January 2013
PALAIS GARNIER
ゲスト・カンパニー バレエ・プレルジョカージュ 「ヘリコプター」「エル・ドラド」

KAGUYAHIMÉ
JIRÍ KYLIÁN
from 01 to 17 February 2013
PALAIS GARNIER
「輝夜姫」(イリ・キリアン振付)

TRIBUTE TO RUDOLF NUREYEV
06 March 2013 PALAIS GARNIER
「ヌレエフへのトリビュート・ガラ」ルドルフ・ヌレエフ逝去20年を記念して

ROLAND PETIT
from 15 to 29 March 2013
PALAIS GARNIER
Le Rendez-vous / Le Loup / Carmen 「ランデヴー」「狼」「カルメン」(ローラン・プティ振付)

GUSTAV MAHLER'S THIRD SYMPHONY
JOHN NEUMEIER
from 09 April to 12 May 2013 OPÉRA BASTILLE
「マーラー交響曲3番」(ジョン・ノイマイヤー振付)

BÉJART/NIJINSKI/ROBBINS/CHERKAOUI, JALET
from 02 May to 03 June 2013 PALAIS GARNIER
L'Oiseau de feu / L'Après-midi d'un faune / Afternoon of a faun / Boléro「火の鳥」(ベジャール)、「牧神の午後」(ニジンスキー)、「牧神の午後」(ロビンス)、「ボレロ」(シェルカウイ、ジャレによる新作)

LA SYLPHIDE
PIERRE LACOTTE
from 22 June to 15 July 2013
PALAIS GARNIER
「ラ・シルフィード」(ピエール・ラコット振付)

SIGNES
CAROLYN CARLSON / OLIVIER DEBRÉ
from 03 to 15 July 2013
OPÉRA BASTILLE
「シーニュ」(カロリン・カールソン振付)


ドラマティックバレエ中心の現シーズンとは異なって、かなり現代作品比率が高く、古典は「ドン・キホーテ」「ラ・シルフィード」のみ。新作もマリ=アニエス・ジロ作品と、シェルカウイ、ジャレによる「ボレロ」のみと、正直言って魅力の薄いシーズンだと思います。コンテンポラリー志向の強い現芸術監督ブリジット・ルフェーブルの任期は2013/14シーズンまでの予定です。

2012/03/14

ロイヤル・バレエの2012/13シーズン Royal Ballet 2012/13 season announced

ロイヤル・バレエの2012/13シーズンが発表されました。

http://www.roh.org.uk/news/201213-season-announced-ballet-and-dance

こちらのサイトにはまだ出ていませんが、Dance Tabs(旧Ballet.co)によればこのシーズンに来日公演も予定されているそうです。

6つのワールド・プレミアと、2つのバレエ団にとっての新レパートリーがあるそうで、ケヴィン・オヘア新監督は意欲的に取り組んでいるようですね。「ラス・エルマナス」などを含むマクミランのトリプル・ビルや、「マイヤリング」「オネーギン」などドラマティック・バレエが多いのも嬉しいところです。まだ記事にしていないのですが、パリ・オペラ座バレエの新しいシーズンよりよほど魅力的ですね。
* = world premiere

Three & Four Quarters ROH2/Linbury Studio Theatre* マッツ・エック、ハヴィエル・デ・フルートス、ルカ・シルヴェストリーニとディディ・ヴェルドマンによる新作 (ROH2)
Choreo: Mats Ek, Javier de Frutos, Luca Silvestrini and Didy Veldman.
7 | 8 | 10 | 11 Sept

Swan Lake 「白鳥の湖」
8 | 10 | 11 | 12 | 13 mat and eve | 15 | 17 mat and eve | 23 | 25 | 27 Oct
6 | 9 | 10 mat and eve | 15 | 22 | 24 mat and eve Nov

Viscera/Infra/Fool’s Paradise 「ヴィスチェラ」「インフラ」「フールズ・パラダイス」
Choreo: Liam Scarlett, Wayne McGregor and Christopher Wheeldon.
3 | 5 | 7 | 8 | 12 | 14 Nov

Far and 3 new works* Wayne McGregor | Random Dance/Linbury Studio Theatre ウェイン・マクレガーによる3つの新作と「FAR」-ランダム・ダンス
Choreo: Wayne McGregor, Robert Binet, Alex Whitley and Paolo Mangiola.
15 | 16 | 17 Nov (FAR)
21 | 22 | 23 | 24 Nov (Triple bill)

Concerto/Las Hermanas/Requiem 「コンチェルト」「ラス・エルマナス」「レクイエム」
Choreo: Kenneth MacMillan.
17 | 21 | 27 | 29 | 30 Nov
5 Dec

Be Like Water ROH2/Linbury Studio Theatre* Be Like Water ROH2 (新作)
27 | 28 Nov

The Nutcracker 「くるみ割り人形」
Choreo: Peter Wright after Lev Ivanov.
8 | 10 | 11 | 13 | 14 | 23 mat | 27 mat and eve | 28 | 31 Dec
1 | 2 mat and eve | 5 mat | 8 | 12 mat and eve | 15 | 16 Jan

The Wind in the Willows ROH2/Linbury Studio Theatre 「たのしい川べ」ROH2
Choreo: Will Tuckett.
12 | 13 | 14 | 15 mat and eve | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 mat and eve | 27 mat and eve | 28 mat and eve | 29 mat and eve | 30 mat and eve | 31 mat and eve Dec
2 mat and eve | 3 mat and eve | 4 mat and eve | 5 mat and eve Jan

The Firebird/In the Night/Raymonda Act III 「火の鳥」「イン・ザ・ナイト」「ライモンダ3幕」
Choreo: Mikhail Fokine, Jerome Robbins and Rudolf Nureyev after Marius Petipa.
22 mat | 29 mat and eve Dec
4 | 9 | 11 Jan

Onegin「オネーギン」
Choreo: John Cranko.
19 | 22 | 23 | 25 | 26 mat | 30 | 31 Jan
1 | 2 mat and eve | 5 | 7 | 8 Feb

La Valse/Thaïs and Voices of Spring pas de deux/Monotones I and II/ Marguerite and Armand 「ラ・ヴァルス」、「タイス」と「春の声」パ・ド・ドゥ、「モノトーンIとII」「マルグリットとアルマン」
Choreo: Frederick Ashton.
12 | 13 | 15 | 21 | 23 Feb

Apollo/New Wheeldon*/New Ratmansky*「アポロ」「ウィールダン新作」「ラトマンスキー新作」
Choreo: George Balanchine, Christopher Wheeldon, Alexei Ratmansky.
22 | 23 mat February
7 | 9 mat | 14 Mar

Alice’s Adventures in Wonderland 「不思議の国のアリス」
Choreo: Christopher Wheeldon.
15 | 19 | 21 | 23 mat | 25 | 27 | 28 Mar
2 | 6 mat | 11 | 13 Apr

The Metamorphosis ROH2/Linbury Studio Theatre「メタモルフォシス(変身)」
Choreo: Arthur Pita.
16 | 17 | 18 | 20 | 21 | 22 | 23 mat and eve Mar

La Bayadère 「ラ・バヤデール」
Choreo: Natalia Makarova after Marius Petipa.
5 | 9 | 12 | 20 mat | 27 mat Apr
1 | 2 | 6 mat and eve | 13 | 14 | 22 May

Mayerling 「マイヤリング」
Choreo: Kenneth MacMillan.
19 | 25 | 30 Apr
3 mat | 30 May
1 mat and eve | 5 | 6 | 10 | 12 | 13 | 15 Jun

Raven Girl*/Symphony in C ウェイン・マクレガー新作「Raven Girl」、「シンフォニー・インC」
Choreo: Wayne McGregor and George Balanchine.
24 | 28 | 29 mat and eve May
3 | 8 mat and eve Jun

New Scarlett Linbury Studio Theatre(World premiere) リアム・スカーレット新作
Choreo: Liam Scarlett. May


The Royal Ballet School Summer Performances Linbury Studio Theatre ロイヤルバレエスクール夏季公演
3 | 4 | 5 | 6 mat and eve Jul
Main stage | 14 Jul

第13回世界バレエフェスティバルABプロ 概要 13th World Ballet Festival

出かける用事があってバレエフェスは全幕のことしか書けなかったので、皆様とっくにご存知かと思いますが念のため。

公演概要
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/renew/wbf2012.html#001475

第13回世界バレエフェスティバル
■公演日程
<Aプロ>
8月2日(木)6:00p.m. 
8月3日(金)6:00p.m. 
8月4日(土)3:00p.m. 
8月5日(日)3:00p.m. 

[予定される演目]
「ドン・キホーテ」 「ディアナとアクテオン」
「瀕死の白鳥」 「スターズ・アンド・ストライプス」
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」「オネーギン」
「イン・ザ・ナイト」「アザー・ダンス」ほか

<Bプロ>
8月11日(土)3:00p.m. 
8月12日(日)3:00p.m. 
8月13日(月)6:00p.m. 
8月14日(火)6:00p.m. 

[予定される演目]
「ドン・キホーテ」「ライモンダ」
「シェエラザード」「ロミオとジュリエット」
「ラ・シルフィード」「オネーギン」
「マノン」「タイス」「扉は必ず・・・」、ナチョ・ドゥアト作品ほか

※ プログラム内容の詳細発表は、6月下旬の予定です。A・Bプロで重複している演目は、異なる出演者で上演されます。

■会場:東京文化会館
■入場料(税込)
S=¥25,000  A=¥22,000  B=¥19,000  C=¥15,000  
D=¥11,000  E=¥7,000
エコノミー券=¥5,000
(7月7日(土)よりイープラスのみで発売。お 一人様2枚まで)

■出演者

予定される女性ダンサー
エレーヌ・ブシェ(ハンブルク・バレエ)
アリーナ・コジョカル(英国ロイヤル・バレエ団)
オレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団)
マリア・アイシュヴァルト(シュツットガルト・バレエ団)
アニエス・ルテステュ(パリ・オペラ座バレエ団)
ウリヤーナ・ロパートキナ(マリインスキー・バレエ)初出場
オレシア・ノヴィコワ(マリインスキー・バレエ)初出場
エフゲーニャ・オブラスツォーワ(ボリショイ・バレエ)初出場 Bプロのみ
ナターリヤ・オシポワ(ミハイロフスキー・バレエ)
タマラ・ロホ(英国ロイヤル・バレエ団)
ヤーナ・サレンコ(ベルリン国立バレエ団)
ポリーナ・セミオノワ(ベルリン国立バレエ団)
上野水香(東京バレエ団)
ディアナ・ヴィシニョーワ(マリインスキー・バレエ)
スヴェトラーナ・ザハロワ(ボリショイ・バレエ)

予定される男性ダンサー
ティアゴ・ボァディン(ハンブルク・バレエ)
ステファン・ビュリョン(パリ・オペラ座バレエ団)初出場 Bプロのみ
マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ団)Bプロのみ
マシュー・ゴールディング(オランダ国立バレエ団)初出場
マルセロ・ゴメス(アメリカン・バレエ・シアター)
マチアス・エイマン(パリ・オペラ座バレエ団)
ヨハン・コボー(英国ロイヤル・バレエ団)
マニュエル・ルグリ(ウィーン国立バレエ団)
ウラジーミル・マラーホフ(ベルリン国立バレエ団)
ジョゼ・マルティネス(スペイン国立ダンス・カンパニー)Aプロのみ
アンドレイ・メルクーリエフ(ボリショイ・バレエ)
セルゲイ・ポルーニン 初出場
マライン・ラドマーカー(シュツットガルト・バレエ団)初出場
ジル・ロマン(モーリス・ベジャール・バレエ団)Aプロのみ
レオニード・サラファーノフ(ミハイロフスキー・バレエ)
ダニール・シムキン(アメリカン・バレエ・シアター)
イワン・ワシーリエフ(ミハイロフスキー・バレエ)初出場
フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルト・バレエ団)
イーゴリ・ゼレーンスキー(マリインスキー・バレエ/モスクワ音楽劇場バレエ/ノヴォシビルスク・バレエ)初出場


■指揮:ポール・コネリー、ワレリー・オブジャニコフ
■演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
■主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会
■後援:各国大使館


全幕プロの方にコメントもいただいていますが、今回はロシア系、それもマリインスキーと元マリインスキーのメンバーが多いという、バレエフェスにおいては珍しい出演者ラインアップになっています(ジャパンアーツ、光藍社系が多い!)。ロパートキナが出演してくれるのは嬉しいですし、興行元の枠を超えた出演者陣となったことは喜ばしいことではないかと思います。

前回から予想されていたことですが、世代交代の波を感じます。常連のシルヴィ・ギエムやホセ・カレーニョの名前がないのが寂しいです。今回出演するダンサーも、今回で最後という人がかなりいそうな感じがします。の割には、新しい世代がいまいち育っていないような。あと、もれなくついてくる感じのある某女性ダンサーははっきり言って、いりません。前回のバレエフェスのときも、私の周りに座っている人たちは誰一人として、彼女に拍手をしていませんでした。

追記:NBSのオフィシャルサイトができていました。
http://www.nbs.or.jp/stages/1208_wbf/index.html

世界バレエフェスティバル全幕プロ「ドン・キホーテ」「ラ・バヤデール」

第13回世界バレエフェスティバル全幕特別プロが発表されていました。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/13.html#001474

「ドン・キホーテ」 全2幕 

【公演日】7月28日(土) 3:00p.m.
【主 演】ナターリヤ・オシポワ(キトリ)、イワン・ワシーリエフ(バジル)、ほかゲストを予定

【公演日】7月29日(日) 3:00p.m.
【主 演】タマラ・ロホ(キトリ)、セルゲイ・ポルーニン(バジル)、ほかゲストを予定


「ラ・バヤデール」」 全3幕

【公演日】8月7日(火) 6:30p.m.
【主 演】ディアナ・ヴィシニョーワ(ニキヤ)、マルセロ・ゴメス(ソロル)、
      ダニール・シムキン(ブロンズ像)
【公演日】8月8日(水) 6:30p.m.
【主 演】アリーナ・コジョカル(ニキヤ)、ヨハン・コボー(ソロル)、
      ダニール・シムキン(ブロンズ像)

【会場】東京文化会館
【出演】東京バレエ団
【指揮】ポール・コネリー、ワレリー・オブジャニコフ
【演奏】東京フィルハーモニー交響楽団

【入場料(税込)】
S=¥15,000 A=¥13,000 B=¥11,000 C=¥8,000 D=¥6,000 E=¥4,000
 ※未就学児童のご入場はお断りします。

【前売開始日】 6月9日(土)10:00a.m.~

※表記の出演者は2012年3月13日現在の予定のもので、今後やむを得ない
事情により 変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
※WEB先行予約受付期間、前売所等の発売方法は決定次第お知らせいたします。 


「ラ・バヤデール」は魅力的な配役ですね。ただし、ガムザッティ役も、ニキヤと対等に張れるクオリティのダンサー(ゲスト)でお願いしたいものです。

えーと、セルゲイ・ポルーニン、あれだけバレエ辞めるとか、ダンスを見るのは嫌いとかリハーサルが嫌いとかタマラ・ロホ以外の女性ダンサーには敬意を払えないとかお金のために仕方なく踊るとか、言いたい放題言って、周りに迷惑を掛け捲ってバレエフェスに来るんですか?非常に不愉快です。

彼の不愉快インタビューシリーズ。これらを読む前までは、遅れてきた反抗期なのねと軽く考えていたのですが、はっきり言って彼は世の中をなめています。女性ダンサーに対してもとても失礼で。もうおとななんだから、こういうことは思っても言ってはいけません。そんなに辞めたいなら早く辞めればいいのに。女性ダンサーと踊りたくなければ、一人で踊ればいいのに。(わたしの知り合いのダンサーも全員激怒しています)

http://www.guardian.co.uk/stage/2012/mar/06/sergei-polunin-give-up-ballet

http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/9126611/Sergei-Polunin-the-James-Dean-of-the-ballet-world.html

“I never watch dancing,” he says. “The only thing I love about dancing is men dancing, men’s solos. I have never enjoyed anything else. It is something that naturally happens to me so I do it, but I never liked watching it. So every time I rehearse with a ballerina – not Tamara – I am like, why are you telling me what to do, because I never get excited by their dancing.”

バレエフェスの出演者はだいぶ前に決まっていたとは思いますが、それにしても、残念です。「ドン・キホーテ」は両公演ともパスする予定です。

2012/03/13

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「眠れる森の美女」速報 National Ballet of Canada's Sleeping Beauty

トロントに到着してから、気温の上下動に戸惑ったり、海外ではいつもそうなんですがおなかを壊したり、時差ぼけに苦しんだり、カナダはソフトバンクの海外パケ放題適用外でなかなか報告できなかったのですが、一応現地報告です。

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ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、ヌレエフ版「眠れる森の美女」3月10日マチネ、ソニア・ロドリゲスとピョートル・スタンツィク、ソワレのヘザー・オグデンとギョーム・コテ、そして11日のグレタ・ホジキンソンとエヴァン・マッキーの回を観て来ました。あとは13日にジリアン・ヴァンストーンとズデネク・コンヴァリーナ、15日にもう一回グレタ・ホジキンソンとエヴァン・マッキーを観てきます。

ヌレエフ版「眠れる森の美女」は、パリ・オペラ座のルグリとデュポン主演の映像しか観たことがなくて、しかも私の記憶力が悪くて細かいところまで覚えていなかったのですが、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ版のはオペラ座版とはだいぶ違うらしいです。(ヌレエフ自身とヴェロニカ・テナントが踊った映像のDVDが劇場のショップで売っていたので買ってきました・・まだ観ていませんが)ただ、ヌレエフ版に特徴的な難しい振り付けと、男性のヴァリエーションが2幕の中心となっているところは同じではないかなと思います。

舞台美術と衣装は、ヌレエフやマクミランの作品を多く手がけているニコラス・ジョージアディスによるもので、数年前にリニューアルしたとのことで大変豪華。舞台奥に横向きの大階段があり、登場人物の多くはこの階段を下りて出てきます。衣装は特に頭飾りがすごいことになっていて、妖精たちもそうなんですが、一番すごかったのが3幕の王様の頭飾りで、まるでインディアンの酋長みたいなことになっています。

その王様ですが、10日の公演は2回とも、懐かしいレックス・ハリントンが演じていました。だいぶ恰幅よくなっていましたが、この版は3幕の頭にサラバンドがあり、王様もかなり踊ってくれてハリントンも健在ぶりをアピールしてくれました。やはり王様ならではの威厳が半端なかったです。

このカンパニーは日本人団員がかなり活躍しており、中でも青い鳥役の平野啓一さん(10日マチネ)と江部直哉さん(11日夜)は素晴らしかったです。二人とも長身でラインが美しい上に、跳躍がとても高くて青い鳥を観た!という満足感を感じさせてくれました。特に江部さんは最近「ロミオとジュリエット」「ラ・フィユ・マル・ガルデ」と立て続けに主役に抜擢されているだけあって、すごい才能を感じさせます。また、2006年にローザンヌコンクールでスカラシップを受賞した森志乃さんが白い猫を演じていて、コメディセンスを感じさせました。第4ヴァリエーションもよかったです。また、今回残念ながら観られないのですが、一日だけフロリナ王女を踊る予定です。さらに、平岡珠里さんが妖精の第6ヴァリエーション(通常だとリラの精が踊る役、ヌレエフ版はリラの精は踊らない)で、変形イタリアンフェッテを見事に決めていました。

カンパニーのレベルもなかなか高いと思います。日本人が多いことからもわかるように、カンパニーメンバーが多国籍で、非白人(アジア系、アフリカ系)もかなりいるのですが、みなプロポーションが良く、男性も長身で見栄えする人が多いです。ポール・ド・ブラがあまり綺麗ではないのがやや残念ですが、コール・ドは良く揃っていて、体力のあるカンパニーだと感じました。

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さて、主役についてですが、初日マチネペアはちょっと地味でした。ソニア・ロドリゲスはとても細くて上手なのですが、ローズ・アダージオではかなり緊張していたようです。しかしミスもなくきっちりと踊っていました。ピョートル・スタンツィクも堅実にしっかりと踊る人で、ヌレエフ版の王子の難しいヴァリエーションをヌレエフ版の振り付け通りにきちんと踊っている点ではとても評価できます。

今ではすっかりナショナル・バレエ・オブ・カナダの看板ペアとなっているヘザー・オグデンとギョーム・コテ。ヘザーのオーロラはとても良かったです。見るからにお姫様的な華のある美しい容姿は言うまでもなく、テクニックがとても強くて、ローズアダージオのバランスも長くて完璧。16歳の姫らしい闊達さも見せてくれる生き生きとしたヴァリエーションと、オーロラの資質を持っていました。ギョーム・コテはスターオーラはあるのだけど、マチネのピョートルと比較すると踊りが全然ヌレエフじゃないのが残念でした。3幕のヴァリエーションも、ヌレエフらしい複雑なマネージュではなく、身体を斜めに倒して豪快に高く跳躍するもので、テクニックはしっかりしているんだけどこれはヌレエフじゃないでしょう、と隣に座っていた評論家も言っていました。細かいロン・ド・ジャンブなども省略しており、これはありなのだろうかと疑問に思ってしまいました。へザーとギョームは実生活でも夫婦なだけあって、パートナーシップは鉄璧だったし、この日のチケットは完売だったそうなので、華やかさは感じられたペアでした。

今回のメーンの目的であるグレタ・ホジキンソンとエヴァン・マッキーのペア。グレタ・ホジキンソンは現在42歳とベテランなのですが、落ち着きがある中にも初々しさもあり、また技術的にもとても安定していました。ローズアダージオのバランスも完璧だったし、3幕のヴァリエーションで観た音楽性の豊かさも素晴らしく、とても女らしく素敵なオーロラでした。エヴァンは、登場して踊り始めると、まずは脚長!っと再確認。この版では、登場するところでは大きな帽子に鮮やかな水色のちょっといけていない上着、さらにはブーツを穿いているのですが、ヴァリエーションでそれらを脱ぐと長く美しい脚を高く上げてとても印象的でした。ヌレエフ版では、2幕で伯爵夫人たちがいなくなった後、ヴァイオリン・ソロに合わせて王子が憂愁のソロを踊ります。2幕の王子のソロは3つもあるのです。単なるおとぎ話の中の王子ではなく、憂いと悲しみを内に秘めていて、その悲しみを一つ一つのパが物語るのですが、この表現がドラマティックで思わず王子に感情移入してしまいます。2幕コーダのソロは、跳躍する間に身体の向きを変えつつ脚でも細かい技を駆使するのですが、これも綺麗に決めていました。(ピョートル・スタンツィクもここがきっちりできていました)

3幕のグラン・パ・ド・ドゥでは、このペアのもつ気品に圧倒されました。グレタは、時々サポートつきピルエットが斜めってしまうところがあったけど、それ以外は素晴らしく、身体で音楽を奏でているようで輝いていました。そしてエヴァンの一挙一動の中にあるノーブルさ。つま先やポールドブラの隅々まで行き届いた美しさ。ヴァリエーションでのマネージュに毎回しっかりとヌレエフならではのロンドゥジャンブを入れ、またアティチュードでのバランスしたポーズの華麗なこと。パートナーリングもとてもしっかりしていて、二人の息がとてもよく合っていました。観客も総立ちで、故郷に錦を飾ったエヴァンをたたえていました。

ヌレエフ版「眠れる森の美女」は、高度な技術の駆使のほかに演技力を要求されるところもあり男性ダンサーにとっては夢の役柄だといいます。これが踊れればどんな古典作品も踊ることができるでしょう。それだけに、シュツットガルト・バレエでの来日公演「白鳥の湖」のエヴァンの主演の日が貸し切り公演となってしまったのが残念です。

エヴァン出演日のレビュー 
Dancer Evan McKie triumphs in Sleeping Beauty
http://www.theglobeandmail.com/news/arts/theatre/dancer-evan-mckie-triumphs-in-sleeping-beauty/article2366612/

National Ballet of Canada’s The Sleeping Beauty awakens, excites Toronto fans
http://www.toronto.com/article/716745--national-ballet-of-canada-s-the-sleeping-beauty-awakens-excites-toronto-fans

Backstage at The Sleeping Beauty (ナショナル・バレエ・オブ・カナダのオフィシャルチャンネルから)

2012/03/08

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ「眠れる森の美女」土曜日から

3月10日初日を迎えるナショナル・バレエ・オブ・カナダのルドルフ・ヌレエフ版「眠れる森の美女」。
http://national.ballet.ca/performances/season1112/The_Sleeping_Beauty/#MarchBreakSpecial-tab

同バレエ団のブログには、今回ゲスト出演するシュツットガルト・バレエのエヴァン・マッキーのインタビューが載っています。
http://backstagepassblog.ca
トロント出身でナショナル・バレエ・オブ・カナダのバレエスクールで学んでいた彼は、10歳の時にクデルカ版の「くるみ割り人形」に子役として出演していたそうです。いかにヌレエフ版の「眠れる森の美女」が特別な作品であり、美しく磨かれた宝石を観客に見せるか如くであるかということについて語っています。今回は看板プリマであるグレタ・ホジキンソンとの共演。

オフィシャルYouTubeチャンネルに、リハーサルの様子の動画が載っています。
Evan McKie on Guesting in The Sleeping Beauty

またインタビュー記事も掲載されています。
Ballet star Evan McKie defies the purists
http://www.theglobeandmail.com/news/arts/theatre/ballet-star-evan-mckie-defies-the-purists/article2357170/

His world is the stage
http://www.thespec.com/whatson/article/680562--his-world-is-the-stage

というわけで、明日からトロントへ観に行ってまいりますので、その間更新が滞るかもしれませんが、レポートを楽しみにしてくださいね。ギョーム・コテ、ズデネク・コンヴァリーナが主演する回も観に行ってきます。(平野啓一さんや江部直哉さんの青い鳥、妖精のセンターの平岡珠里さんを観られるのも楽しみです。)

これはナショナル・バレエ・オブ・カナダのヘザー・オグデンとグレタ・ホジキンソンがポワントを加工する様子を映した動画です。なかなか面白い映像ですね。
http://www.torontostandard.com/video/national-ballet-of-canada-video-on-location

ジョシュア・オファルトがエトワールに昇進 Josua Hoffalt nominated Etoile of Paris Opera Ballet

パリ・オペラ座バレエのジョシュア・オファルトが、「ラ・バヤデール」の初日、3月7日の公演でエトワールにノミネされました。

今回の「ラ・バヤデール」では必ず昇進するだろうと多くの方々が確信していたかと思いますが、そのとおりになりましたね。「エトワールLove From Paris」での踊りを観ても、「オネーギン」でのレンスキー役を観ても、エトワールにふさわしいテクニックと気品の持ち主であることは見て取れました。おめでとうございます!

まだパリ・オペラ座のオフィシャルサイトには掲載されていませんが、オフィシャルのTwitterで速報がツイートされています。

#josuaHoffalt a été nommé danseur étoile par #NicolasJoel, sur proposition de #BrigitteLefevre à l'issue de la première de #Bayadère. BRAVO

ダンソマニにカーテンコールの写真がアップされています。またYTでもノミネの瞬間の動画などがアップされていますので、その辺は各自でお探しくださいませ。

AFP経由の速報記事も掲載されました!
http://www.maville.com/actu/actudet_-Une-nouvelle-etoile-au-ballet-de-l-Opera-de-Paris-a-l-occasion-de-la-reprise-du-ballet-mythique-La-Bayadere_fil-2116724_actu.Htm

写真入りの記事も。
http://www.francetv.fr/culturebox/une-nouvelle-etoile-au-ballet-de-lopera-de-paris-85183

(追記)
オペラ座のオフィシャルにも写真とリリースが載りました。
http://www.operadeparis.fr/actualites/Josua-Hoffalt-nomme-Danseur-Etoile

ポリーナ・セミオノワ、ベルリン国立バレエ退団の正式発表/追記あり

数日前にお知らせをした、ポリーナ・セミオノワがベルリン国立バレエを退団する発表をFacebookでおこなった件ですが、ベルリン国立バレエから正式なプレスリリースが3月7日付で出ましたので、お知らせします。

http://www.staatsballett-berlin.de/en_EN/press/detail/1471/18330

ドイツ語でしかプレスリリースがなく、自動翻訳をかけて読んでみたので、どこまで正確か保証はできないのですが。ポリーナのバレエ団との契約期間は2013年夏まで更新されていたため、契約年度途中の退団ということで、バレエ団としては非常に残念に思っているとの記述があります。最終的にはポリーナの意思を尊重して、退団を認めたと、芸術監督のウラジーミル・マラーホフは語っています。

ポリーナは2002/2003シーズンに17歳でベルリン国立バレエのプリンシパルとして入団しており、もう10年間看板スタートして活躍してきたわけですね。

気になる今後についての正式な発表はありませんが、Ballet.coのフォーラムで、3月5日付の投稿にてジャーナリストのケヴィン・ン氏が、ポリーナの移籍先はミハイロフスキー・バレエだと書いています。

http://www.balletcoforum.com/index.php?/topic/45-bolshoi-mariinsky-mikhailovsky/page__pid__3603__st__30#entry3603

(追記)上記ケヴィン・ン氏のエントリについては、裏がとれていませんので、本当にそうなのかどうかは今のところ不明です。

2012/03/06

シュツットガルト・バレエの韓国公演、カレンダー他、情報いろいろ

シュツットガルト・バレエの6月のソウル公演「椿姫」について、韓国の友人に教えていただきましたので、お知らせします。

チケット販売会社の日本語のサイトができています。
http://www.clubbalcony.com/home/library/leaflet_list.aspx?Mode=r&mid=8&pid=&bid=36676&Se=TITLE&Sestr=&page=1

公演は6月15,16,17日の午後5時ですが、15日(金)は一般発売はしないのだそうです。(貸切公演)チケットの予約は、3月15日からで、電話(+82-1577-5266)で英語の対応ができるんだそうです。クレジットカード番号と有効期限をいえばカード決済ができるそうです。主演は、2日間とも、スージン・カンとマライン・ラドマーカー。

*****
シュツットガルト・バレエの2013年カレンダーが現在予約受付中です。表紙はシュツットガルト・バレエのオフィシャルサイトで見ることができますが、去年の「マニュエル・ルグリの新しき世界」でも上演された、フリーデマン・フォーゲルが踊る「ファンシー・グッズ」です。
http://www.stuttgart-ballet.de/home/

日本のAmazonでも予約受付中です。(発売は6月9日頃)ちょうど来日公演の頃なので、多分今までの恒例によれば会場でも販売されるのではないかと思います。毎年、拙ブログを通してこのカレンダーを買ってくださる方がたくさんおり、とてもクオリティが高くて素敵なものです。

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*****
シュツットガルト・バレエのソウル公演「椿姫」でも主演するスージン・カンとマライン・ラドマーカー、そしてジェイソン・レイリーが7月に韓国で開催されるスージン・カン&フレンズというガラに出演します。

テジョン(大田)公演 大田文化芸術の殿堂アートホール(韓国語)
7月18日
http://ticket.interpark.com/Ticket/Goods/GoodsInfo.asp?GoodsCode=12002302&Point=N

1)Today is Yesterday from Tomorrow
振付:Raimondo Rebeck 音楽:Max Richter 出演:スージン・カン&Jason Reilly

2) Onegin 3幕 パドドゥ
振付:John Cranko 音楽:Kurt-Heinz Stolze 出演:スージン・カン&Jason Reilly

3)Romeo& Juliet バルコニーパドドゥ
振付:John Cranko 音楽:Sergei Prokofiev 出演:スージン・カン&Marijn Rademaker

4)The Lady of the Camellias 3幕パドドゥ
振付:John Neumeier 音楽:Frederic Chopin 出演:スージン・カン&Marijn Rademaker

5)Ballet 101
振付:Eric Gauthier 音楽:Eric Gauthier、Jens-Peter Abele 出演:Jason Reilly

6)Affi
振付:Marco Goecke 音楽:Johnny Cash 出演:Marijn Rademaker

7)No Comment
振付:シンチャンホ、音楽: "Silence of the Balkan"ほか 出演シンチャンホほか8名

他の日程は、マライン・ラドマーカーのオフィシャルサイトに出ています。
http://www.marijnrademaker.de/Marijn_Rademaker_-_Principal_Dancer_-_Stuttgart_Ballet/News_and_performance_dates.html

テジョンの他、19日にチェウォン(昌原)、21日にチョンジュ(全州)、24日にウルサン(蔚山)、26日にプジョン(富川)で公演があります。ソウル市内での公演がないのが不思議なのですが、富川はソウルと国際空港のあるインチョンの間にあるベッドタウンです。

********
マライン・ラドマーカーが、オランダ国立バレエに客演し、マイア・マッカテリと踊った「くるみ割り人形」のグラン・パ・ド・ドゥが彼のYouTubeチャンネルにアップされていたのでご紹介します。

ロサンゼルス・バレエに清水健太さん、八幡顕光さん出演

ロサンゼルス・バレエは現在、「白鳥の湖」を上演中ですが、王子のファーストキャストが元K-Balletの清水健太さん、道化役で新国立劇場バレエ団の八幡顕光さんが出演しています。

ドレスリハーサルの模様が、同バレエ団の公式チャンネルにアップされていました。清水さん、八幡さんの踊りを見ることができます。

また、早速彼らが出演した回のレビューがロサンゼルスタイムズに掲載されており、絶賛されていますね。日本でおなじみの彼らの活躍が海外でも報道されているのは嬉しいことです。
http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2012/03/-dance-review-los-angeles-ballet-swan-lake-ucla-royce-hall-west-los-angeles-.html

なお、ロサンゼルス・バレエのサイトを見ると、プリンシパルのところに清水健太さんの名前があるので、彼は今はここに所属しているのでしょうか。
http://www.losangelesballet.org/html/company_dancers.htm

2012/03/05

2/28、29 ユニバーサル・バレエ「This Is Modern」Universal Ballet

「This is Modern」
ユニバーサル・バレエ 2012年 日本公演
http://www.universalballet.jp

イリ・キリアンの「小さな死」と「ゼクト・タンツェ」、フォーサイスの「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」、オハッド・ナハリンの「マイナス7」と、コンテンポラリー・バレエの中でも比較的とっつきやすくキャッチーな3作品で揃えた公演。演目は面白いし、レベルの高いカンパニーなのに、会場がパルテノン多摩ととんでもなく遠いところで、片道2時間近くかかってしまうほどだった。どうか、今後はこんな不便な場所での公演はしないようにして欲しいものだ。平日にこんな遠いところで公演をしてしまっては、働いているバレエファンが足を運ぶのはほとんど不可能だと思われる。ちゃんとバレエファンに観て欲しいカンパニーなのだから、あまりにももったいない。

なお、次回の来日公演は、2013年1月で、「白鳥の湖」を予定しているとのこと。もっと便利な会場で、週末開催だそうなので、こちらはとても楽しみである。

ユニバーサル・バレエは、クラシックのテクニックがすごくしっかりしているカンパニーだと思うのだが、一番巧みに踊られていたのが、クラシック・バレエと一番遠いナハリンの「マイナス7」だったというのが意外で興味深い。ここはサービス精神も旺盛だし、ユーモアを表現するのが上手いんだな、と思った次第。必ずしもバレエファンが多いとは思えない客席も盛り上がっていて、バレエを知らない人にも受けていた様子だったのは良かった。

PETITE MORT「小さな死」
振付:イリ・キリアン(Jiri Kylian)
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト(W.A. Mozart)ピアノ協奏曲 第23番
David:Hongil Min(ミン・ホンイル)、Jorma:Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)、Stefan:Heonjae Jin(チン・ホンジェ)、Johann:Konstantin Novoselov(コンスタンティン・ノヴォショーロフ)、Martino:Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)、Paul:Dongtak Lee(イ・ドンタック)、Sol:Naeun Kim(キム・ナウン)、Nancy:Chaelee Kim(キム・チェリ)、Lorraine:Misun Kang(カン・ミソン)、Elke:Jieun Ahn(アン・ジウン)、Cora:Sungah Lee(イ・ソンア)、Jennifer:Yongjung Rhee(イ・ヨンジュン)

キリアンの「小さな死」を全編舞台で観るのはABTで2003年に観て以来で、実に9年ぶり。静謐で美しく大好きな作品。無音の中で剣を持って振ったり、大きな布を使ったり、ドレスのハリボテをつかったりの小道具使いも巧みで、よどみなく美しく踊られていた。ただ、きれいに踊られていて破綻がないのだけど、表現として弱くてどこか物足りないものがあって、それはなんだろうと考えたら官能性が薄いということだった。ダンサーはアンドゥオールもみな完璧で技術的には言うことないのだけど、「小さな死」というタイトルが象徴する、仄かながら必要とされているセクシャルな要素をあまり感じないのだ。その中では、パ・ド・ドゥを踊ったチン・ホンジェと、コンスタンティン・ノヴォショーロフ(とそのパートナー、誰だか判然とせず)が良かったと思う。帰宅して改めてNDTの演じるこの作品を観ると、同じ作品とは思えないほどの濃厚な官能が漂っていて、本家に並ぶまでにクオリティを高めるのは難しいことだと感じた。


SECHS TANZE「6つのドイツ舞曲」
振付:イリ・キリアン(Jiri Kylian)
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト(W.A. Mozart)
Karine:Jiyun Kim(キム・ジウン)、Paul:Jiyan Dai(ダイ・ジエン)、Marley:Seohye Han(ハン・ソへ)、Johann:Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)、Simone:Heaji Wang(ワン・ヘジ)、Glen:Taikyung Kwak(カク・テギョン)、Bibi:Aynsley Taylor Inglis(エインズレー・テイラー・イングリス)、Martin:Minwoo Kang(カン・ミヌ)

ユーモラスな表現については、このカンパニーは実に巧みだと思う。ABTで観たときには全然面白いと思わなかったんだけど、今回は楽しかった。先ほどの「小さな死」と関連性のある作品で、同じドレスのハリボテを使用しているのだが、車輪のついたこれらのハリボテが舞台を縦横無尽に横切り、白塗りの上おしろいを撒き散らすダンサーたちが一見馬鹿馬鹿しいような動きをするけど、この崩したところの中にクラシック的な要素が顔を出すのが味わい深い。二人羽織で背を高くしたハリボテ女性が男性の首を切り落とす振りをするところなど、爆笑ものだった。この作品は、ダイ・ジーイェンが光っていた。


In the middle, somewhat elevated「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」
振付:ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)
音楽:トム・ウィレムス(Thom Willems)/レスリー・ストック(Leslie Stuck)
Sylvie:Youhee Son(ソン・ユヒ)、Agnes:Jiwon Choi(チェ・ジウォン)、Vero:Jieun Ahn(アン・ジウン)、Myra:Hyemin Hwang(ファン・ヘミン)、Reggie:Yousun Kim(キム・ユソン)、Irene:Hoeun Kwon(クォン・ホウン)、Marc:Hyonjun Rhee(イ・ヒョンジュン)、Anders:Konstantin Novoselov(コンスタンティン・ノヴォショーロフ)、Alan:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)

実はこの作品を生でフルで観るのは初めて。パ・ド・ドゥはガラ公演などでの定番なのに、全部って珍しいのかもしれない。このカンパニーはクラシックのテクニックは本当に優れているし身体能力も高いし、この作品でもみんなすごく綺麗に踊っているのだけど、フォーサイスなのにクラシック・バレエ的に踊ってしまっているというか、バレエを脱構築した作品とは思えないところがもったいなく惜しい。個々のダンサーは素晴らしく、やはり何といってもプリンシパルの看板ペア、ファン・ヘミンとオム・ジェヨンは強靭で光っていたし、目を惹きつけるカリスマ性がある。特にファン・ヘミンはあの小さく細い体の中に一体どんなにパワーがあって自在に体を動かせるのか、と思うほど素晴らしかった。最後にパ・ド・ドゥを踊るペア、イ・ヒョンジュンとソン・ユヒもスタミナがあって最後までしっかりとキレイに踊っていたし、コンスタンティン・ノヴォショーロフも正確なピルエットがとても良かった。なのに、全然フォーサイスを観たという感じがない。彼の振り付けの特徴であるオフ・バランスや緊張感、鋭さがあまり感じられなかったのだ。(「小さな死」を含めて言えることだが)これは振付指導に問題があったのではないかと思われる。いずれにしても、「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」を全編観ることができたのはとても良かった。


Minus 7「マイナス7」
振付:オハッド・ナハリン(Ohad Naharin)
音楽:Tractor’s Revenge/Ohad Naharin 編曲
Solo:Youngdo Lee(イ・ヨンド)
Pas de deux:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Naeun Kim(キム・ナウン)
Corps:Youhee Son(ソン・ユヒ)、Misun Kang(カン・ミソン)、Naeun Kim(キム・ナウン)、Mengying Fang(パン・メンイン)、 Jiyun Kim(キム・ジウン)、Yousun Kim(キム・ユソン)、Hoeun Kwon(クォン・ホウン)、Hyojung Choi(チェ・ヒョジョン)、 Heaji Wang(ワン・ヘジ)、Sungmin Kim(キム・ソンミン)、Jimi Shin(シン・ジミ)、Dajung Lee(イ・タジョン)
Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Hongil Min(ミン・ホンイル)、Heonjae Jin(チン・ホンジェ)、Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)、 Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)、 Jiyan Dai(ダイ・ジエン)、Minwoo Kang(カン・ミヌ)、 Taikyung Kwak(カク・テギョン)、Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)、Youngdo Lee(イ・ヨンド)、 Mengfan Xu(ス・モンパン)、Shuang Lu(ウィ・シュアン)

今日の演目の中でも一番楽しみにしていた作品。オハッド・ナハリンの「アナフェイズ」という作品をベースに、いろいろなセクションをプラスしたりマイナスして構成されたもの。作品は開幕する前から、幕の前で始まっていることを知っていたので休憩時間も自席にいた。帽子に黒いスーツの男性(イ・ヨンド)が無表情でじーっと立っている。そのうちにカクカクしたり、くねっとした動きを見せたり横移動したり、自在なソロを15分ほども踊る。やがて幕が開くと、1日目はポワントで舞台を一周したり(2日目はなし)、下手に捌けると思ったらフェイントで上手側へと走って行ったり、舞台の中央で一人音楽に合わせてクネクネ踊っているうちに同じようにスーツ姿の男女が一人ずつ現れて奇妙な振り付けで踊る。

一度幕が降りて再び幕が上がると、有名な「アナフェイズ(細胞分裂)」のパート。「狂気と正気を分ける細い線・・・疲労と優雅さの共存」といった意味の英語のナレーションが流れる。半円形にずらっと椅子が並べられ、その上に腰掛けた、先ほどのスーツ姿のダンサーたち20人が椅子の上でジェスチャーゲームぽく動き、飛び上がったり踊ったり背中を大きく反らせたりするのを下手側から一人ずつウェーブのようにタイミングをずらして行う。ユダヤ教の「過越しの祭り」の数え歌を彼らが歌う中、ダンサーたちがまずは帽子、靴、上着、パンツ、シャツと一つずつ脱ぎ捨てていって、最後はタンクトップとショーツ姿になる。最後の右端のダンサーだけ、服を脱がないで毎回床へとダイブ。呪術的な儀式的でありながらどこかユーモラスなのだが、実は舞台中央に積み上がった服の山は、ナチス・ドイツによって奪われたユダヤ人たちの服や持ち物の山を象徴しているという読み方もできるのだ。そういう知識は置いておいても、初めて観る人にとってはとってもインパクトの大きな振り付けである。

曲が終わると、ダンサーたちは服を片付け、6人の女性たちがメトロノームの音に合わせて踊るパート。次に、ショパンの曲に合わせて、どこか奇妙ではあるけどややクラシック的な男女のパ・ド・ドゥ「Mabul」が、オム・ジェヨンとキム・ナウンで踊られる。オム・ジェヨンというダンサーはやはりパートナーリングがうまい。最後に、「オーバー・ザ・レインボー」の曲に合わせ、スーツ姿のダンサーたちが舞台に降りてきて観客を舞台へと上げて一緒に踊ってしまう「Zachacha」。ダンサーたちはポーカーフェイスで最初のパートと同じような奇妙なカクカククネクネ踊りをしているのだが、それに合わせてびっくりするほど達者な踊りを見せてくれた観客のおじさま、おばさま方には感嘆した。中でも、イ・ヨンドとペアで踊ったおばさまは、もちろん日によって違う人だったわけだが、舞台度胸がすごくてダンサーとすごくうまくコミュニケーションが取れていて素敵だった。

観客が客席に戻ると、ダンサーたちはダイナミックなジャンプや側転、トゥールザンレールやバック転など超絶技巧を見せて踊りまくったあと、「終」と書いた看板を持ってきて幕。でもここで終わったわけではなく、そのあともダンサーたちはいっぱい踊ってくれて、幕と戯れたり、サービス精神を発揮してすっごく楽しかった。クラシックのカンパニーが、一番非クラシック的なナハリン作品で一番光っていたのが興味深い。この作品を最後に持ってきた構成は大正解だ。楽しい気持ちのままで、長い家路も苦にならなかったほどだった。

なお、「アナフェイズ」と「Zachacha」のパートが入っているナハリン振付の「DANCE」を、貞松浜田バレエ団が2013年1月に新国立劇場の地方バレエ団招聘企画で上演する予定となっている。以前、「ローザンヌ・ガラ」で同バレエ団の「DANCE」を観たのだが、その時の上演は全員女性ダンサーによるもので、これも素晴らしかった。ぜひご覧になることをおすすめする。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/20000637_ballet.html

(ところで客席は韓流おばさんに占拠され、彼女たちの観劇態度の悪さに閉口した。携帯電話の電源を切ってください、上演中の会話はご遠慮ください、前のめりはやめてくださいという注意のアナウンスがなかったのが気になる。鑑賞時の注意事項についてのチラシは配られていたのだけど、ああいう人たちはそんなものを読まないから。前のめっていた女性が、後ろの人に注意されて、「腰が痛いから背中を座席に付けるなんて無理!」と逆ギレしていたのにはびっくりした)


NDTの「小さな死」「6つのドイツ舞曲」が収められているDVD

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2012/03/04

ABTの台北公演のキャスト American Ballet Theatre's Taipei Tour

ABTの台北公演のキャストがFacebookで発表されていました。

台北、國家戲劇院にて
http://www.balletstargala.com/cn_abt.2012.html

「ガラ」
7月12日
「アポロ」デヴィッド・ホールバーグ、ヴェロニカ・パルト、ヒー・セオ、メラニー・ハムリック
「パリの炎」サラ・レーン、ダニール・シムキン
「残酷な世界で」ジュリー・ケント、コリー・スターンズ
「ディアナとアクティオン」シオマラ・レイエス、エルマン・コルネホ
「13ディヴァージョンズ」マリア・リチェット、ジャレッド・マシューズ、イザベラ・ボイルストン、マルセロ・ゴメス、ステラ・アブレラ、エリック・タム、シモーヌ・メスマー、アレクサンドル・ハムーディ
http://www.artsticket.com.tw/CKSCC2005/Product/Product00/ProductsDetailsPage.aspx?ProductID=hx0fZA09nGfC93tJiGcnSQ


「ラ・バヤデール」マカロワ版
7月13日19:30、15日14:30 ニキヤ:ヴェロニカ・パルト、ソロル:マルセロ・ゴメス、ガムザッティ:ヒー・セオ
7月14日14:30 ニキヤ:パロマ・ヘレーラ、ソロル:コリー・スターンズ、ガムザッティ:ステラ・アブレラ
7月14日19:30 ニキヤ:ジリアン・マーフィ、ソロル:デヴィッド・ホールバーグ、ガムザッティ:イザベラ・ボイルストン

チケット購入サイト
http://www.artsticket.com.tw/CKSCC2005/Product/Product00/ProductsDetailsPage.aspx?ProductID=hx0fZA09nGdo%2B3O4ZtiZ8

さすがにこの公演は、ゲストは出演しないでオールABTメンバーのようです。(となると、実質的にABTの男性プリンシパルって、デヴィッド・ホールバーグ、マルセロ・ゴメス、コリー・スターンズ、エルマン・コルネホの4人だけと、実に少ないですね・・・)この台北公演の後は、韓国に移動してのソウル公演「ジゼル」ですね。

オランダ国立バレエの2012/13シーズン Het Nationale Ballet 2012-2013 season

オランダ国立バレエが2012/13シーズンを発表しました。同バレエ団では、フレンズを招いての発表会を行い、演目の発表の前に、ヘアメイクの様子を見学できたり、「ジゼル」のファッションショーや「ジゼル」のセットで記念撮影サービスをして、その様子をTwitterで配信するなど、ファンのことをとても意識したいい情報発信を行なっていますね。

http://www.het-ballet.nl/en/performances/2012-2013/

9月21日~10月5日 ハンス・ファン=マーネンプロ 
「Grosse Fuge(大フーガ)」、「Four Schumann Pieces」、「Two Pieces for HET」、「Frank Bridge Variations(フランク・ブリッジの主題による変奏曲)」とファン=マーネンの主要4作品を上演。

9月25日 「Stardust」 
古典のハイライト集とデヴィッド・ドーソン、クリストファー・ウィールダンの作品、同バレエ団のダンサーでもあるJuanjo Arqués振付による、すでにガラなどで好評を博している「Minos」。

10月18日~11月17日 「カルメン」「パキータ」「ボレロ」
同バレエ団芸術監督テッド・ブランセン振り付けによる「カルメン」、プティパの「パキータ」(新制作)、そして新作として常任振付家クリストフ・パストールによる世界初演の「ボレロ」。

12月13日~1月1日 「シンデレラ
クリストファー・ウィールダン振付による世界初演の新作(サンフランシスコ・バレエとの共同制作)

2月7日~3月1日 バランシン・ベスト
「セレナーデ」「アゴン」「シンフォニー・イン・C」のバランシン振付主要3作品を上演。

3月14日~5月13日 「ロミオとジュリエット
先日逝去した振付家、ルディ・ファン・ダンツィヒの不朽の名作。アムステルダムの他、デン・ハーグ、ロッテルダムなど国内ツアーも行う。

6月15日~18日 シェン・ウェイ、ドーソン
北京オリンピックの開会式で振り付け作品が上演されたニューヨークを拠点とする中国出身の振付家シェン・ウェイと、元常任振付家で現在はベルリンを中心に活動するデヴィッド・ドーソンの世界初演作品のダブル・ビル。

6月20日、21日 「new moves 2013」
カンパニーのダンサーを中心とする若手振付家の新作発表の機会


というわけで、世界初演のウィールダンの「シンデレラ」や、ダンツィヒの「ロミオとジュリエット」など、そしてオランダ国立バレエ団ならではの魅力的な作品が揃ったラインアップとなりました。


オランダ国立バレエ団のオフィシャルYouTubeチャンネルでも、来シーズンのラインアップ動画が発表されています。

2012/03/03

井上バレエ団「ジゼル」にティボー出演/キエフ・クラシック・バレエ/NBAバレエ団「コッペリア」にオスモルキナ出演

2月25日にNBAバレエ団の「アレキナーダ」(復元世界初演)、今日3月3日にスターダンサーズバレエ団の「ウェスタん・シンフォニー/ステップテクスト/ワルギルプスの夜」を観てきました。
「アレキナーダ」はレトロで可愛らしい作品で、ゲストのエカテリーナ・オスモルキナが美しいラインで、踊りも素晴らしかったです。スターダンサーズバレエ団は「ワルギルプスの夜」の吉田都さんが相変わらずの音楽にぴったり寄り添った軽やかな踊りで、彼女が出演しているときは至福の時でした。またパートナーのロバート・テューズリーとの息もぴったりで、この二人の組み合わせで全幕が観られたらいいな、と思いました。

さて、この2公演で配布されていたチラシの情報をいくつかご紹介します。

NBAバレエ団は、6月16日(土)17日(日)にプティパ復元版「コッペリア」を上演します。17日の公演には、再びエカテリーナ・オスモルキナ(マリインスキー・バレエ)が客演します。チケット代がS席でも6000円と海外ゲストのいる公演にしては格安ですね。
NBAバレエ団のサイトには、まだゲストの情報は載っていません。
http://nbaballet.org/performance/index.html

NBAバレエ団 第9回トゥールビヨン公演
Coppèlia(全3幕)

日時:6月16日(土) 開場18:00 / 開演18:30
6月17日(日) 開場14:30 / 開演15:00
チケット料金:S席:¥6,000 / A席:¥5,000
会場:メルパルクホール

******

井上バレエ団は、7月21日、22日にバレエ団第100回公演記念として、ピーター・ファーマー美術による「ジゼル」を上演します。ゲストには、同バレエ団のゲストとしてはすっかりお馴染みとなった、パリ・オペラ座バレエのエマニュエル・ティボー。また、クーランド公役に、元パリ・オペラ座バレエのシリル・アタナソフ、ペザント・パ・ド・ドゥにはデンマーク・ロイヤル・バレエのクリストファー・リカードが客演します。

井上バレエ団「ジゼル」
7月21日(土)18時開演、22日(日)15時開演
チケット料金 S席9000円、A席7000円、B席5000円、C席4000円、D席3000円、学生席2000円
会場:文京シビックホール大ホール
http://inoueballet.net (オフィシャルサイトにはまだ記載なし)

******

この井上バレエ団の「ジゼル」と日程が重なるのが、キエフ・クラシック・バレエの「チャイコフスキー3大バレエ・ハイライト」。キエフ・バレエのエレーナ・フィリピエワとアルテム・ダツィシンを迎えて、「眠れる森の美女」(ハイライト)、「白鳥の湖」(第1幕2場より)、「くるみ割り人形」(第2幕より)を上演します。

キエフ・クラシック・バレエ「チャイコフスキー3大バレエ・ハイライト」
7月21日(土)13時30分開演 千葉市民会館大ホール 全席指定 5500円
7月22日(日)13時30分開演 ゆうぽうとホール 全席指定 6000円
前売り開始:4月12日(木)
主催の光藍社さんのサイトにはまだ掲載されていません。
http://www.koransha.com/index.html

一方、同じ光藍社さん主催で、キエフ・バレエの「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」も開催されます。
こちらもキエフ・バレエのダンサーが出演予定で、「白鳥の湖」(第1幕2場より)、「眠れる森の美女」(ローズ・アダージオ)、「くるみ割り人形」(第2幕より)、「ドン・キホーテ」、「人形の精」「アレキナーダ」「ゴパック」などが上演される予定だそうです。

「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」
7月21日(土)11時30分開演、15時30分開演 ゆうぽうとホール 全席指定 6000円
8月5日(日)13時30分開演 神奈川県民ホール 全席指定 6000円(主催は神奈川芸術協会)
前売り開始:4月12日(木)

******
そして、7月21日は、すてにチケットが発売になっていますが、
ニーナ・アナニアシヴィリ グルジア国立バレエの「特別プログラム」が開催されます。
7月21日(土)14時00分開演 東京文化会館
「特別プログラム」
 第1部 《サガロベリ》
 第2部 《ビゼー・ヴァリエーション》《デュオ・コンチェルタント》《Falling Angels》
 第3部 《マルグリットとアルマン》
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/ballet_of_georgia/index.htm

かなりこの時期にはバレエ公演が集中しており、また、まだ日程は発表されていませんが、世界バレエフェスティバルもこの後の時期に予定されていると思われますので、チケットを取るときには気をつけましょう。

ボリショイ・バレエの「海賊」3月11日にYouTubeでも生中継/追記

ボリショイ・バレエの「海賊」の3月11日16時からの上演が、世界的に映画館で生中継されます。

http://www.belairmedia.com/le-corsaire-ballet-bolchoi/lang/en/

この「海賊」はプティパの振付に基づき、アレクセイ・ラトマンスキーとユーリ・ブールラカが復元した、215分にも及ぶ大作です。出演キャストも出ています。

Music : Adolphe Adam
Conductor : Pavel Klinichev
Choreography : Marius Petipa
Scenography and new choreographic version : Alexei Ratmansky, Yuri Burlaka
Médora: Svetlana Lunkina (réserve : Ekaterina Shipulina)
Conrad: Ruslan Skvortsov (réserve : Mikhail Lobukhin)
Seyd, le Pacha : Alexey Loparevich
Birbanto : Andrey Merkuriev (réserve : Denis Savin)
Zulmea : Kristina Karaseva
Gulnare : Nina Kaptsova (réserve : Chinara Alizade)
Isaac Lanquedem : Gennady Yanin
Gardien de Seyd : Andrey Sitnikov

さて、映画館での生中継は22カ国300箇所で行われるのですが、残念ながら日本(そしてロシア国内)は中継されません。ところが、ボリショイ劇場のオフィシャルYouTubeチャンネルが、YouTube上の全てのチャンネルの中で唯一劇場として100位以内を記録したとのことで、YouTubeでも生中継をしてくれるとのことです。(ダンソマニより)ただし、日本で見られるかどうかは確認が必要ですね。

BelAirMediaが製作を担当していることから、DVD化も期待されます。

Le théâtre Bolchoï entre dans le top-100 des chaînes Youtube
http://french.ruvr.ru/2012_03_02/67321169/

ボリショイ劇場のオフィシャルYouTubeチャンネル
http://www.youtube.com/user/bolshoi?ob=0&feature=results_main

ちなみに、ボリショイ劇場のチャンネルでは、ボリショイ・バレエの日本公演を特集した映像を見ることができます。セルゲイ・フィーリンと岩田守弘さんのインタビュー、それから「スパルタクス」「白鳥の湖」「ライモンダ」など日本公演の様子なども。

(追記)
上記記事の日本語版がありました。
ボリショイ劇場、インターネットでバレエ生中継を開始
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_08/67869258/
「11日より、ボリショイ劇場はロシア人向けの生中継を、インターネットを介して開始する。」とあるので、今回の中継はロシア国内のみに限定されている可能性が高そうですね。

ただ、今後のプログラムは1年半先まで作成済みで、「海賊」の後のバレエ公演は、「明るい小川」となっている。世界中の観客が次回の公演を4月29日に見ることができるそうです。(世界中で見ることができるとは、映画館も含めた話なのでしょうか?)

2012/03/02

ハンブルク・バレエの2013年2月ツアーは米国の予定 Hamburg Ballet Tours US in 2013

米国カリフォルニア州コスタ・メサの Segerstrom Center for the Artsの2012/13シーズンが発表され、ロサンゼルス・タイムズのブログに掲載されていました。

http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2012/03/segerstrom-center-for-the-arts-.html

このうちバレエ関連は、マリインスキー・バレエとオーケストラが2012年10月2ー7日、Trey McIntyre Project が11月23日‐15日、ハンブルク・バレエが2013年2月8日ー10日、エイフマン・バレエが2013年3月3ー5日に公演が予定されています。

マリインスキー・バレエは「白鳥の湖」、ハンブルク・バレエはノイマイヤーの「人魚姫」、エイフマン・バレエはエイフマン新作の「ロダン」が予定されています。

もう一つ記事
http://www.ocregister.com/entertainment/series-342810-center-quartet.html

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ハンブルク・バレエの2012/13シーズンはまだ発表されていませんが、毎年ツアーの恒例は1,2月となっているため(今年は中国ツアー)、2013年のツアーは米国となる可能性が高いと思われます(あくまでも予想ですが)。

前回のハンブルク・バレエの米国ツアーは、2007年で、やはりコスタ・メサの同劇場とNYブルックリンのブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(BAM)で「ヴェニスに死す」を公演しています。したがって、NYでも「人魚姫」を上演する可能性は高いかもしれません。

ハンブルク・バレエの前回来日公演は2009年だったわけですが(その前は2005年)、2013年は来ない可能性が大なのが残念なところです。

最新の「ダンスマガジン」では、パリ・オペラ座のドロテ・ジルベールとヤニック・ビトンクールが、今年の8月にイリ・ブベニチェク主催のグループ公演で来日することを表明しています。このガラには、オットー・ブベニチェク、そしてもしかしたら、ハンブルク・バレエのほかのダンサーが来日する可能性もあるかと思われます。それから、世界バレエフェスティバルにも誰かは出演することでしょう。

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ハンブルク・バレエのオーストラリア・ブリスベン公演(アリーナ・コジョカルがゲスト出演)、ノイマイヤーのインタビュー

ハンブルク・バレエは、8月末から9月頭まで、オーストラリア、ブリスベンのクイーンズランド・パフォーミング・アーツ・センター(QPAC)にて公演を行います。演目は「ニジンスキー」(8月26~28日)と「真夏の夜の夢」(8月30日~9月5日)。ハンブルク・オペラとの合同ツアーで、ハンブルク・オペラは「ラインの黄金」、「マーラー交響曲2番」(コンサート)を上演します。会場のサイトを見たら、チケットはすでにかなり売れているようです。

http://www.qpac.com.au/hamburg/

さて、このオーストラリア・ツアーに関連して、オーストラリアのサイトDancelines でジョン・ノイマイヤーのロングインタビューが掲載されています。

Neumeier: the presiding spirit of Hamburg
http://dancelines.com.au/neumeier-the-presiding-spirit-of-hamburg/

とても興味深い内容なのですが、全部訳する余裕がありませんので、リンク先を是非お読みください。面白いのは、ノイマイヤーは以前シュツットガルト・バレエに所属していた関係で、ジョン・クランコの影響が大きいと言われることが多いとのことですが、本人曰く、クランコよりもアンソニー・テューダーやアグネス・デ・ミルに多く影響を受けたということです。この二人の作品こそが、パントマイム、ロマンス、神話や魔法よりも人間の世界を描いていると彼は感じたそうです。そして、シュツットガルト・バレエを離れフランクフルト・バレエの芸術監督に就任したとき、彼はまだ27歳だったのですね。彼は、バレエ・カンパニーを、様々なタイプのメンバーにより構成された素晴らしい俳優たちによるカンパニーにしたいと夢見ていたそうです。そして4年後にはハンブルク・バレエの芸術監督に就任し、以後40年間にわたってここで多くの作品を創造し、手腕を振るってきたことは言うまでまもありません。カンパニーの年間予算は6400万ユーロであり、そのうちの3分の2は州からの補助だそうです。

さて、このインタビューの中で、ノイマイヤーはオーストラリア公演のキャストについて言及しています。「ニジンスキー」(3公演)のタイトルロールは、アレクサンドル・リアブコの他、ティアゴ・ボアディンが予定されているそうです。(今まで彼はこの役を踊ったことがないはずです) また、「真夏の夜の夢」では、アリーナ・コジョカルがタイターニアとヒッポリタの二役を踊るそうです。彼女はノイマイヤーの最も新しいミューズであり、 彼女のことを、「メソッド・ダンサーであり、振付家にとっての理想のダンサーである」と評しています。

このサイトでも紹介されていた、ノイマイヤー振付「アルミードの館」の動画(ブベニチェク兄弟のオフィシャルチャンネルより)

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