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2012年2月

2012/02/29

ロイヤル・バレエ、ウェイン・マクレガーの新作はマーク・ロンソンとのコラボレーション Mark Ronson Scoring Royal Ballet Dance Piece with Wayne McGregor

4月5日より23日まで、ロイヤル・バレエでは、ウェイン・マクレガーの新作、リアム・スカーレットの新作、そしてクリストオファー・ウィールダンの「ポリフォニア」というトリプル・ビルを上演します。

New Scarlett / Polyphonia / New McGregor
http://www.roh.org.uk/whatson/production.aspx?pid=18146

この中で注目されているのが、ロイヤルの常任振付家であるウェイン・マクレガーの新作「Carbon Life」です。ポップミュージックとバレエが初めて本格的に行う音楽のコラボレーションを、著名なプロデューサーであるマーク・ロンソンと行います。マーク・ロンソンは、今までリリー・アレン、ロビー・ウィリアムズ、デュラン・デュラン、エイミー・ワインハウスなどのアルバムを手がけてきました。

今回のコラボレーションには、複数の著名なミュージシャンが参加することが決定しており、ザ・キルズのアリソン・モスハート、ザ・ドラムスのジョナサン・ピアース、そして米国のラッパーウェールが参加します。

デザイナーのギャレス・プーグとソングライターでスウェーディシュ・ポップ・バンドマイク・スノーのアンドリュー・ワイアットもコラボレーションに参加し、「ポップ、ダンスそしてファッションの完璧なフュージョン」というのがこのプロジェクトのコンセプトです。

ロンソンはアンドリュー・ワイアットとこの新作のために9つのラブソングを共同で作曲しています。そして18人のダンサーがマクレガーの振り付けで踊ります。

ギャレス・プーグは、レディ・ガガやカイリー・ミノーグの衣装などを手がけてきており、その彫刻的なデザインで、もっともアヴァンギャルドなデザイナーの一人として知られてきました。

そしていうまでもなく、ウェイン・マクレガーは最近ではレディオヘッドの「Lotus Flower」のPV(1500万回もの再生を記録)のトム・ヨークの振り付けを手がけたことで一般的にも知られる存在となった鬼才です。

ロイヤル・バレエのスポークスマンは、この新作は従来のバレエ美学の受け止められ方をぼやかさせて、ダンサーたちの炭化したバージョンを見せていくだろう、と語っています。そしてマクレガーは、このプロダクションにより、新しい若い観客がロイヤル・オペラハウスを惹きつけることを期待しています。「この作品は、ステージ上の小さなポップコンサートになるけれども、これらの曲は夢見るようなラブソングではなく、エッジィで表現力豊かなものになるだろう。新しくて新鮮で、オペラハウスにとって本当に生の音であって、ギャレスのデザインはダンサーにとって肉体的な挑戦ともなるだろう。従来の観客と共に、普段オペラはバレエを見に行かない若者たちを惹きつけることを期待している」

また、この作品は、「アニマ(男性の中の女性像)/アニムス(女性の中の男性像)」というユング的なテーマ男性性、女性性の無意識的な部分についての理論を中心としているとのことで、まだ具体的なものは想像しがたいものの、大変面白い作品になるのではないかと期待されます。

Royal Ballet fuses pop music, ballet and high fashion in groundbreaking new production
http://www.telegraph.co.uk/culture/culturenews/9105731/Royal-Ballet-fuses-pop-music-ballet-and-high-fashion-in-groundbreaking-new-production.html

Mark Ronson to score Royal Ballet work
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-17125011

Mark Ronson Scoring Royal Ballet Dance Piece Alongside Andrew Wyatt, Gareth Pugh, Wayne McGregor
http://www.huffingtonpost.com/2012/02/23/mark-ronson-royal-ballet_n_1295036.html

日本語のニュースもあります。
マーク・ロンソン、今度はロイヤル・バレエ団をプロデュース
http://bmr.jp/news/detail/0000012734.html

ところで、私の記憶に間違いがなければ、これだけ注目されているウェイン・マクレガーの作品が日本で上演されたのは、2008年のロイヤル・バレエの来日公演のうち、大阪だけで上演されたガラでの「Chroma」1作品だけで、東京では一度も上演されていないというのが信じがたいことです。ロイヤル・バレエだけでなく、パリ・オペラ座バレエ、ボリショイ・バレエ、シュツットガルト・バレエ、サンフランシスコ・バレエでも彼の作品は上演されているのに、なぜ東京では一度も観る機会がないのでしょうか。いくら日本人が古典を好むとはいえ、不思議でなりません。

Lotus Flower


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The Royal Ballet

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2012/02/28

マニュエル・ルグリの篠山紀信撮影写真集「ルグリ・イン・オペラ」iPadアプリ化

現ウィーン国立バレエの芸術監督、マニュエル・ルグリをオペラ・ガルニエで篠山紀信が撮影した2000年の写真集「ルグリ・イン・オペラ」は、現在絶版となっており、Amazonのマーケットプレイスなどでは大変高いお値段で販売されているようです。

その写真集が今回、iPadアプリ化されました。「KISHIN VS. ~Manuel Legris~」という題名です。(twitterで教えていただきました)

http://itunes.apple.com/jp/app/kishin-vs.-manuel-legris/id477057882?mt=8

定価12000円の写真集で、実際には3万円くらいで取引されているものが、3800円で買えるのですから、これはお得ですよね。というわけで、私も早速買ってみました。

「椿姫」「マノン」「ル・パルク」「ノートルダム・ド・パリ」「アルルの女」「ラ・シルフィード」などをイメージしたルグリの美しい写真が、モニク・ルディエール、エリザベット・モーラン、デルフィーヌ・ムッサン、オーレリー・デュポンなどの共演で見ることができます。また、バンジャマン・ペッシュや、エレオオラ・アッバニャート、メラニー・ユレルなど当時の若手ダンサーと談笑する様子、さらには、ガルニエでヌードでポーズした写真まで、この写真集を持っていない方には必見の、鮮烈なイメージが描かれています。一つ一つの項目ごとに、演目の説明のインデックスも付いています。

また、この撮影にまつわる篠山紀信さんのインタビューなども収録されています。

これは、佐藤尚之さんが手がけたプロジェクトとのことで、iPad化の経緯に関しては、こちらに書かれています。紀信さんが保存していたポジから、書籍版では未発表の作品も数十点掲載できたそうです。
http://www.satonao.com/archives/2012/02/_ipad_2.html

今では手に入らない写真集や書籍を、こうやって電子化して手頃に購入できるようになると本当に便利ですね!

ルグリ・イン・オペラルグリ・イン・オペラ
篠山 紀信

朝日出版社 2000-01
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2012/02/27

2/21,22 アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト Bプロ Alina Cojocaru Dream Project Program B

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト Bプロ

http://www.nbs.or.jp/stages/1202_cojocaru/index.html

ラリナ・ワルツ」(振付:リアム・スカーレット、音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー)
Larina Waltz
Chor. Liam Scarlett

   アリーナ・コジョカル、ローレン・カスバートソン、ロベルタ・マルケス
   ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン
   Alina Cojocaru, Lauren Cuthbertson, Roberta Marquez, Johan Kobborg, Steven McRae, Vadim Muntagirov, Sergei Polunin

Aプロと同じ作品だけど、次の演目でロベルタとスティーヴンが早めに抜けなければならない関係上、若干ペアの組み合わせ等が変わっていた。アリーナの髪型が椿姫仕様のセミ・クラシックになっていて、ちょっとこの作品のはつらつした感じには似合わないけど、それは仕方ない。アリーナ&ヨハンのペアの息の合い方、スティーヴンのウキウキしてしまうような軽やかな動き、ローレンのラインの美しさにほれぼれ。


タランテラ」(振付:ジョージ・バランシン、音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク)
Tarantella
Chor.George Balanchine

   ロベルタ・マルケス、スティーヴン・マックレー
   Roberta Marquez, Steven McRae

スティーヴンがタランテラを踊る、という事実だけで興奮しちゃったのだけど、やや期待が大きすぎたのかもしれない。音楽性に優れているスティーヴンが、なぜかこの作品ではそれほど凄く見えなかったのはなぜだろう。パートナーのロベルタとの息やリズム感が合っていなかったからだと感じられた。スティーヴンは音にぴったり寄り添っていて切れ味良く軽々と難しいステップを決めて行くし、跳躍も滞空時間がすごく長いのだだけど、自己主張が薄いというか少々品が良すぎるのかもしれない。ロベルタは、テクニックは途中まではとても鮮やかだったのだけど、後半ちょっと不調で回転のところがドゥミに降りたままやっていた。ロベルタは可愛らしいのだけど、少々ふくよかになった模様。


『くるみ割り人形』よりグラン・パ・ド・ドゥ(原振付:ワシリー・ワイノーネン、音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー)
Grand Pas de Duex from Nutcracker
  
  ダリア・クリメントヴァ、ワディム・ムンタギロフ
   Daria Klimentova, Vadim Muntagirov

理想的な「くるみ割り人形」とも言えるもので、涙が出てくるほど素晴らしかった。ダリア・クリメントヴァは、ゆったりと優雅なアダージオ、正確な回転、すべてに余裕があり、キラキラ輝いていた。これほど緩やかに安定したコーダのフェッテを見せられる人もなかなかいないと思った。ピンク色のゴージャスなチュチュも美しかった。ムンタギロフは柔らかく端正な踊りで、まだ21歳と若いのにとても完成度が高くて王子らしさが良く出ていた。何より二人のパートナーシップの安定感、お互いに寄せる信頼感が素敵だった。幸福感があふれるパ・ド・ドゥで、ガラの「くるみ割り人形」のパ・ド・ドゥにこんなに感動させられるとは思わなかった。


 「ディアナとアクティオン」(振付:アグリッピーナ・ワガノワ、音楽:チェーザレ・ブーニ)
Diana and Acteaon
   ローレン・カスバートソン、セルゲイ・ポルーニン
   Lauren Cuthbertson, Sergei Polunin

ローレンのディアナは、長い手足に茶色の派手すぎない衣装がよく似合っていて、パにも容姿同様の清潔感と伸びやかさがあり、とても好印象。1日目はコーダの着地に失敗しフェッテも調子悪そうだったけれども笑顔を絶やさずに踊りきり、2日目はうまくいったので良かった。セルゲイは、登場シーンの体を弓なりにする空中姿勢から美しく、540を右に2回、左に2回と決めてダイナミックな跳躍をこれでもかと見せてくれた。さらにドゥーブル・アッサンブレ連発のマネージュ。タトゥーはテーピングで隠していたけれども、この演目に必要な野性味も押し出しの強さもばっちり。しかし私は彼の踊りはあまり気品は感じず、今後もしフリーで活動するのなら踊りが荒れてしまうのではないかと非常に心配に感じてしまう。


『椿姫』より第三幕のパ・ド・ドゥ(振付:ジョン・ノイマイヤー、音楽:フレデリック・ショパン)
Lady of the Camelias (Die Kameliendame) 3rd Act Pas de Duex
Chor: John Neumeier

   アリーナ・コジョカル、アレクサンドル・リアプコ
   Alina Cojocaru, Alexandre Riabko
   ピアノ:三原淳子

1日目はとにかくピアノの演奏のひどさ、そしてクライマックスに携帯電話の着信音が鳴ったことで舞台に集中できず、集中力が削がれてしまってとても残念だった。特にリフトが連続する場面でピアノのタッチもリズムも狂ったために、リフトのタイミングが合わずに失敗してしまったため、大変憤慨してしまった。2日目もピアノの演奏の乱れはひどく、こんなにひどい演奏ならテープにすればよかったのにと思ったのだが、できるだけ音楽を聴かずにパフォーマンスに集中しようと考えて観たのが功を奏した。

サーシャのアルマンはとてもナイーブで傷つきやすい。彼はマルグリットが彼の元から去っていったことにひどく傷ついていて、怒っているが、その怒りは静かで内向的なだけに、とても強いものに感じられる。そんな彼だけども、もうこれ以上私のことを傷つけないでと懇願するマルグリットに触れるうちに、内に秘めたパッションを少しずつ出していき、それはやがて激情として奔流のように溢れ出して、超高速のマネージュへとつながっていく。個人的なことだけど、去年4回も全幕でスージン・カンとマライン・ラドマーカーの「椿姫」を観てしまったので、どうしてもこの二人の「椿姫」がデフォルトとして刷り込まれてしまっているのだが、サーシャのアルマンの表現はマラインとは全く違っているし、音の取り方も全然違うので、とても興味深く見ることができた。(サーシャのアルマンだって今まで何回も観てきたのに、今回はアリーナと組んでいるせいか、とても不思議な印象を受けたのだった)とても不器用で、どういう風にマルグリットを愛していいのかわからなくて、ただただ感情に身をゆだねてそれを体で表現していくサーシャのアルマンは、とてもいとおしい。

アリーナのマルグリットは、今まで観てきたすべてのマルグリットと違っていた。アリーナという個性が演じているマルグリットなのだ。病に弱り、アルマンの背信に傷ついているマルグリットだけど、原作のマルグリットのように年齢的にもまだ若く、とても芯が強くて、受身の女ではない。アルマンに対して懇願している一方で、激しい情熱を炎のように続けており、そしてその情熱を燃やすことについて強い歓びを感じているのだ。二人の間に交わされるキスを主導しているのは彼女だし、彼を抱きしめながら微笑みすら浮かべていたのには驚いた。演技のための演技ではなくて、アリーナは自分自身をマルグリットに投影して、彼女自身としてサーシャのアルマンを愛しているんだと感じた。二人のはあはあという激しい息づかいが伝わってくる。そして最後にサーシャを見つめるアリーナの視線に、涙腺決壊。こんな目で見つめられた男性は、きっと死ぬまで彼女を愛さずにはいられないだろう。(なのに、なぜこの次のシーンでアルマンはあんなにもひどくマルグリットを傷つけてしまうのだろうか、というところが「椿姫」という作品、そして愛というものの難しさである)

いつか、アリーナとサーシャの「椿姫」を全幕で観たい。一つの物語としてこの二人がどのように紡いでいくのか、この目で見てみたい。


ザ・レッスン」(振付・デザイン:フレミング・フリント、音楽:ジョルジュ・ドルリュー)
The Lesson
Chor. Flemming Flindt

   バレエ教師:ヨハン・コボー
   生徒:アリーナ・コジョカル
   レッスン・ピアニスト:ローレン・カスバートソン
Johan Kobborg, Alina Cojocaru, Lauren Cuthbertson

変態コボー先生大爆発のこの作品の存在を知った日から、観られる日を楽しみにしていた。まさか本当に観られる日が来るとは!しかもコボーとコジョカルのペアの主演で。(余談だけど、この「ザ・レッスン」は「Kings of The Dance」でも上演されていて、アンヘル・コレーラもこのバレエ教師役を演じているし、ボリショイではセルゲイ・フィーリンやニコライ・ツィスカリーゼ、ロイヤル・バレエではやはり演技力に定評のあるエドワード・ワトソンも演じていたそう)レッスン・ピアニスト役のローレン・カスバートソンは初役だという。

もちろん最初から挙動不審でありながら、徐々に狂って行って変態性を露にするコボーの、何かに取り憑かれたような演技も凄いのだが、とても初役とは思えない、ローレンの基本的には無表情で冷静だけどたまにキレたりする共犯者的で謎めいたレッスン・ピアニスト役の演技も素晴らしいと思った。演じることに対するこだわりが強いのは、ロイヤル・バレエならではの特徴なのだと実感した。どこかドイツ表現主義を体現するような独特の身体の動きも面白いし、ポワントシューズを見つけてはヒステリックに反応してポイっと別室へと投げ捨てるところも、後の伏線になっていて面白かった。

登場シーンではいかにも気が弱そうでおどおどしていたバレエ教師が、内股なども登場するなんとも奇妙なアンシェヌマンを振り付けては生徒の少女にそれを踊ることを強制し、そのアンシェヌマンをどうにか生徒がこなしてしまうと、どんどん教え方がエスカレートしていく。反対するピアニストを猛烈な勢いで追い出し、少女がポワントシューズで踊りだしたら彼の狂気のスイッチが入った。コボーの目の色が変わった瞬間には思わず身震い。教師は少女の脚にフェティッシュな興味を覚えてお触りしようとし、そしてどんどんサディスティックな振り付けを押し付ける。カーテンを閉め、逃げようとする少女からバッグを蹴り出し、上着を脱ぎタイを外しシャツのボタンも外してついに変質者としての本能をむき出しにする。教師がお手本として踊る振り付けも、つま先に完全に乗り切ったポワントでの踊りもあったり、高度なテクニックを要しながらも奇妙なもので、こういう踊りを嬉々として踊るコボーの楽しげなことといったら。乱暴なパ・ド・ドゥを踊らせたあと、彼の異様さに怯える少女に苛立ち、バレエ教師はついに彼女を手にかけてしまう。バーの上でぐったりとする様子を見て、再び弱気になるバレエ教師。彼が途中で追い出したピアニストがレッスン室に入ってくると、ピアニストが「またやってしまったのね」といった冷静な様子で少女の死体を片付けるのに協力する。そして再び彼は落ち着きを取り戻し、呼び鈴が鳴って次なる犠牲者であろうバレエ少女が入って来るところ。

鮮やかな黄色いコートと同じく黄色くてキュートなレッスンウェア、二つに結わえてアップにした髪が死ぬほど愛らしい天真爛漫なバレエ少女を演じていたコジョカルは、先ほどの病み衰えていたマルグリットと同じ人物とは思えない。その記号のような可愛すぎる出で立ち(持っていたレッスンバッグがまたすごく可愛い!)を見るにつけ、あの教室の裏には、ポワントシューズに憧れ人形のようにキュートなコジョカルの死体がいっぱい転がっているんだろうか、とますます背筋が寒くなる思いがした。そして、見るからにオールドミスっぽいピアニストとバレエ教師の共犯者的な関係は何だろうか、そのへんが説明されていない謎めいたところが、かえって色々と好奇心を喚起させるところがあるのも、この作品の面白さである。無邪気で溌剌としたバレエ少女が実は凄いテクニックを持っているところも、現実にはありえないことだろうなと思うんだけど、そのミスマッチ加減が興味深い。

レトロなバレエ教室の内装といい、奇妙にゆがんだ音楽といい、不条理な物語と不気味な音楽、何より怪しすぎるバレエ教師、日常世界に近いはずなのに異空間のように逸脱している、非現実的な世界にすっかり引き込まれた。

(続く)

ドン・キホーテ」 ディヴェルティスマン
Don Quixote Divertissments
原振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス

   アリーナ・コジョカル、ローレン・カスバートソン、ダリア・クリメントヴァ、ロベルタ・マルケス、
   ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン
   高村順子、西村真由美、乾 友子、高木 綾、奈良春夏、田中結子、吉川留衣、岸本夏未
   Alina Cojocaru, Lauren Cuthbertson, Daria Klimentova, Roberta Marquez,
Johan Kobborg, Steven McRae, Vadim Muntagirov, Sergei Polunin
The Tokyo Ballet

リアブコ以外の出演者全員が出演しての、ガラならではの遊び心たっぷり、エンターテインメント性あふれる楽しい「ドン・キホーテ」だった。

東京バレエ団の女性ダンサー8人によるアントレの後、まずはアリーナとヨハンによるアダージオ。アリーナのアラスゴンドのバランスがとっても長くてびくりともしない。続けての片手リフトでは、ヨハンが奮闘してこれまた長い時間リフトを維持。さらにその後も、アリーナの手を離してのアティチュード・バランスが10秒、一小節分続くなど、彼女のスーパーテクニックをたっぷり見せてもらった。フィニッシュは、ヨハンの180度開脚ジャンプ。

続いて、セルゲイのヴァリエーションは、「パキータ」の曲を使用してのもの。体を斜めに倒してのクペ・ジュテ・アン・トゥールナンで豪快に決めた。そしてロベルタによる1幕カスタネットのヴァリエーション(カスタネットはなし)。後ろに闘牛士が並んでいないのはちょっと寂しいけど、きっちりと決めてきた。西村さんと乾さんを従えてのバジルの回転とランベルセを多用したパ・ド・トロワはヨハン。東京バレエ団の二人ともよく合っていて、スピーディで爽快。スティーヴンは、半袖シャツにベストを羽織った衣装で、2幕酒場のシーンのソロを踊る。パドシャも軽やかで足先が綺麗!(この足先の綺麗さを、セルゲイは見習って欲しいと個人的には思う)

3幕第一ヴァリエーションはローレン。赤の長袖チュチュに全面的に黒いレースがかかっている衣装は、彼女の品の良さとスタイルの美しさを際立たせる。長身で脚が長いから、ジュってもすごく大きく見える。第二ヴァリエーションはダリア。音楽に寄り添っていてこれまた美しい。

バジルの3幕ヴァリエーションはワディム。若さが時々顔を出すけど、きっちりと毎回5番に着地する柔らかい踊りで、すごく基本がしっかりしていて今後の伸びしろが期待できそう。キトりのヴァリエーションはアリーナ。扇子を使って、エシャッペを繰り返す。テープの音楽をちょっと無視してタメをつけながらの踊りは、ガラならではのもの。そしてコーダがとにかく豪華!最初はヨハンが登場して若い者には負けないって張り切って踊り、次にはまた540を3連発するセルゲイ、跳躍しては後ろ向きに、床につきそうなくらい大きく背中を反り、驚きの柔らかさを見せつけてくれたワディム。そしてスティーヴンの斜め向きのマネージュは空に浮かんでいるかのようだった。。

通常はコーダ後半はキトリの32回転グランフェッテだけど、アリーナは前半は非常にゆっくりとしてぴたっと見事に止まるイタリアンフェッテで魅せてくれた。こんなにも遅いスピードでの安定してきっちりとしたイタリアンフェッテを観るのは初めてで、彼女のテクニックの素晴らしさに驚嘆。後半は西村さん、乾さんとグランフェッテ。最後に男性陣が全員登場してのピルエット・ア・ラ・スゴンド合戦を見せてくれてこれはもう壮観。軸足や回転方向は違っていても、みんなが皆見事な技術の持ち主だから、一体どこを見ていいのかわからなくなるほど。そして女性陣も集合してみんなで踊りまくり。楽しかった~。

*****

今回の「アリーナ・コジョカル・ドリームプロジェクト」はその題名に相応しく、舞台の上での夢を見させてくれた、まさに夢のように楽しいガラだった。出演人数は決して多くないのに、エンターテインメント性にあふれていて驚くべき充実度だった。出演者全員が、観客を楽しませて夢の世界へ連れて行ってくれようと心を込めて踊ってくれたのがよくわかる。素晴らしいこのプロジェクト、ぜひ定期的に開催されることを期待したい。また、日本ではまだほとんど知られていないダリア・クリメントヴァアとワディム・ムンタギロフという素敵なダンサーを紹介してくれたことも感謝したい。

2012/02/26

2011年Amazon売上ランキング

当ブログではAmazonのアフィリエイトを利用しており、このブログを通じて何が売れたかというデータを取ることができます。実は、昨年のアフィリエイト収入(微々たるものですが)は、Amazonの被災地支援(Amazonのお買い物券で被災地の「ほしい物リスト」商品を買って寄付)で大部分を使ったこともご報告しておきます。

DVDや本のレビューをメーンコンテンツとしているブログではなく、観たり読んだりしてもなかなかレビューを書く暇がないのですが、どんなものが売れたかということは興味深いのではないかと思ってお知らせいたします。

DVD/Blu-Ray (DVDの方が売れますが、Bly-Rayを買われる方も増えてきました)

1.Alices Adventures in Wonderland「不思議の国のアリス」ロイヤル・バレエ

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3.Cinderella「シンデレラ」バーミンガム・ロイヤル・バレエ

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10.オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

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DVDでは「不思議の国のアリス」が圧倒的な人気です。そして国内盤も出たオランダ国立バレエの「ドン・キホーテ」はマシュー・ゴールディング効果で売れましたが、実際内容もとても良いです。書籍関係では、やはり吉田都さんの最新刊。それから、シュツットガルト・バレエのカレンダー(来年分も予約は始まっています)2種類と、スワンマガジンが常に人気がありますね。

今後も、アフィリエイト収入の一定の部分は被災地支援の寄付に充てていきますが、このブログを通じて書籍、DVDを購入してくださる方には感謝です。

2012/02/24

ポリーナ・セミオノワがベルリン国立バレエを退団予定

ポリーナ・セミオノワが、自身のFacebookのオフィシャルで、今シーズン末でベルリン国立バレエを退団する予定であることを明らかにしています。その後の予定については触れていません。

http://www.facebook.com/polinasemionova

Dear friends,

I would like to announce that the 2011/12 season will be my last season at the Staatsballett Berlin.

Sincerely,

Polina


様々な憶測がありますが、なぜ退団し今後はどうするのかについては、追って公式発表を待つしかありませんね。

ちなみに、ポリーナは、 ABTのMETシーズン、「ジゼル」(5月19日、マルセロ・ゴメス)、「ラ・バヤデール」(5月26日、デヴィッド・ホールバーグ)、「白鳥の湖」(6月29日、デヴィッド・ホールバーグ)に出演する予定です。

http://www.abt.org/dancers/dancer_display.asp?Dancer_ID=256

追記:ポリーナは、ミハイロフスキー・バレエやエイフマン・バレエ、現在開催中の「Kings Of the Dance」公演などの興行、そしてナタリア・オシポワやイワン・ワシーリエフのマネジメントを手がけているArdaniに所属しているようです。
http://www.ardani.com/projects-semionova.php

さらに追記:ポリーナのメッセージが以下のように書き換えられていました。

Dear Friends,

I would like to announce that the 2011/12 season will be my last season as a fixed member at the Staatsballett Berlin.

Sincerely,

Polina

つまりは、ゲストとしてはベルリン国立バレエに出演することはあるということなのだと考えられます。

ミハイロフスキー・バレエ「バッハへのオマージュ」(ドゥアト振付)、3/22ネット生中継

ミハイロフスキー・バレエの「バッハへのオマージュ」(ナチョ・ドゥアト振付)が、3月22日、ロシア時間19時よりネット生中継されるとのことです。

http://www.mikhailovsky.ru/en/afisha/shows.html?date=2012-03-22&sh=1045

当日はこちらからアクセスすると観ることができるようです。
http://www.mikhailovsky.ru/en/live/

原題をMultiplicity. Forms of Silence and Emptinessという、ドゥアトによるこの作品は、2007年2月のスペイン国立ダンスカンパニーの来日公演でも上演されました。「ラ・バヤデール」の影の王国を思わせるシーンがあったり、女性ダンサーをチェロに見立てたりのユニークでちょっとエロティックなところもある作品で、とても面白かったです。1999年には、ブノワ賞の振付賞を受賞しています。

この作品がミハイロフスキー・バレエで上演されるのは初めてのことだそうです。ナチョ・ドゥアトの従来の作品をミハイロフスキー・バレエのダンサーがどのように踊るかは大変興味深いので、楽しみです。

これは同作品がバイエルン州立劇場(ミュンヘン・バレエ)で上演された時の映像です。

「小さな村の小さなダンサー」のリー・ツンシン、クリーンズランド・バレエの芸術監督に

映画「小さな村の小さなダンサー」のモデルで、原作である自伝「Mao's Last Dancer 毛沢東のバレエダンサー」の著者である、元ヒューストン・バレエ、オーストラリア・バレエのプリンシパル、リー・ツンシンが、オーストラリアのクイーンズランド・バレエの芸術監督に就任するとのことです。

http://www.queenslandballet.com.au/media/press-releases/2012/li-cunxin-announced-new-artistic-director/

リー・ツンシンは、同バレエ団の芸術監督候補40人のうちから、次期芸術監督に選ばれました。7月に着任するとのことです。

1999年にオーストラリア・バレエから引退し株式投資の世界で成功してきたリー・ツンシンは、オーストラリア・バレエの理事としても活動してきました。夫人で元オーストラリア・バレエのメアリー・マケンドリーもクイーンズランド出身と、浅からぬ縁があったというわけです。79年に中国から亡命してヒューストン・バレエに移籍したリー・ツンシン。2003年に自伝「Mao's Last Dancer 毛沢東のバレエダンサー」が出版されて国際的なベストセラーとなり、2009年にバーミンガム・ロイヤル・バレエのツァオ・チー主演にて「小さな村の小さなダンサー」として映画化されてヒットしたことは記憶に新しいところです。

リー・ツンシンの芸術監督就任についてのニュース記事(映像付き)
http://www.couriermail.com.au/entertainment/arts/maos-last-dancer-to-helm-qld-ballet/story-e6freqkf-1226279972660


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原作も映画も私、大好きです!

2012/02/23

イヴァン・プトロフとセルゲイ・ポルーニンの「Men In Motion」サドラーズ・ウェルズで3/13-15日再演 Ivan Putrov — Men in Motion featuring Sergei Polunin

現在「アリーナ・コジョカル・ドリームプロジェクト」で来日中のセルゲイ・ポルーニン。今日Bプロを観てきたのですが、度肝を抜くテクニックと存在感で、このままバレエを辞めてしまうのは本当にもったいないと思いました。とても楽しそうに踊っている彼を観て、きっと踊り続けてくれるだろうと思っていましたが、早速次のプロジェクトが決まったようです。ビザ問題も解決したそうですね。

ポルーニンの電撃退団後、サドラーズ・ウェルズ劇場で上演されて大きな話題を呼んだ、(元ロイヤルプリンシパル)イヴァン・プトロフの「Men In Motion」公演がソールドアウトの好評につき、わずか3週間後にポルーニンが参加して早速3月13日~15日に再演されます。

http://www.sadlerswells.com/show/Ivan-Putrov-Sergei-Polunin-Men-in-Motion

前回はイーゴリ・コールプも出演した豪華なものでしたが(出演予定のメルクーリエフとチュージンはビザが降りずにキャンセル)、さすがに急遽メンバーを集めるのに苦労したようで、今回、この二人以外の出演者は、スペイン国立ダンスカンパニーから2人のダンサーと、デンマーク・ロイヤル・バレエのティム・マティキアス。演目は、ナチョ・ドゥアト振付の「レマンゾ」と、ニジンスキーの「牧神の午後」、そしてかつてミハイル・バリシニコフが踊ってセンセーションを起こした「ヴェストリス」(ヤコブソン振付)、ポルーニン自身の振り付けによる作品などだそうです。


ナチョ・ドゥアトの「レマンゾ」が観られるのはこのDVD。他の演目も素晴らしいですが(アンヘル・コレーラとパロマ・ヘレーラの「ドン・キホーテ」や、ホセ・カレーニョとスーザン・ジャフィの「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥなど)、やはりマラーホフ、パリッシュ・メナード、キース・ロバーツが出演した「レマンゾ」は白眉です。リージョン1なので普通の日本のDVDでは見られませんが、パソコンなどで再生はできます。

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同じ内容のVHS「アメリカン・バレエ・シアター スターの饗宴」は以前新書館から出ていましたが、今は廃盤なんですが、FAIRYでセールをしています。在庫僅少ですが、ぜひお勧めです。http://fairynet.co.jp/SHOP/1010000010007.html

2012/02/21

バーミンガム・ロイヤル・バレエの2012/13シーズン発表/ENBの芸術監督イーグリング、退任へ

バーミンガム・ロイヤル・バレエの2012/13シーズンが発表されました。

http://www.brb.org.uk/BirminghamSeason.html

26 – 29 September
Opposites Attract: Lyric Pieces(ジェシカ・ラングによる新作) | Take Five(ビントレー振付) | Grosse Fuge「大フーガ」(ハンス・ファン・マーネン振付)

2 – 6 October
Swan Lake

21 November–9 December
Cinderella (ビントレー振付)

15–23 February 2013
Aladdin (ビントレー振付、英国初演)

4–8 June 2013
Coppélia (ピーター・ライト振付)

19–22 June 2013­
Giselle

というわけで、デヴィッド・ビントレーが新国立劇場バレエ団に振りつけた「アラジン」が、バーミンガム・ロイヤル・バレエで初演されます。BRBのダンサーがどのようにこの作品を踊るのか、興味深いところですね。

少し詳しい記事
http://www.dancing-times.co.uk/news/item/809-aladdin_lyric_pieces_for_brb

******

英国関係でもう一つニュースがありましたので、お知らせします。

イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の芸術監督、ウェイン・イーグリングが突然、今シーズン末をもっての退任を発表しました。退任の理由はENBからは発表されておらず、不明となっています。

The Arts Deskの記事
http://www.theartsdesk.com/dance/now-english-national-ballet-loses-its-second-head-eagling-leave

2005年以来ENBの芸術監督を務めてきたイーグリングは、アレッサンドラ・フェリとの「ロミオとジュリエット」のDVDでおなじみの元ロイヤル・バレエのスター。カンパニー運営にも手腕を発揮し、現在来日中のワディム・ムンタギロフとダリア・クリメントヴァのパートナーシップを生み出したり、バレエ・リュスの作品(「牧神の午後」「アポロ」)をフィーチャーしたプログラムやマクミラン振付「春の祭典」のカンパニー初演を手がけたり、精力的に活動してきました。

イーグリングは、ガーシュインの全国ツアーや「くるみ割り人形」など大衆に迎合したプログラミングを手がけて一部で批判を浴びる一方で、ローラン・プティプロ(偶然にもプティ逝去の直後に開催)や、リファール・プロを実現させたり、今年の夏にはテイト・ギャラリーでバレエレッスンを行なったり、ヒップホップのグループとのコラボレーションをしたりと積極的に動いていました。

ENBは先月にはエグゼクティブ・ディレクターも退任したばかりであり、イーグリングの急な退任表明で、ENBの次の芸術監督探しは難航するものと考えられています。

なお、イーグリングのディレクションの下で、3月4日には「アンナ・パブロワ・ガラ」がENBの本拠地であるロンドン・コロシウムで行われます。
http://www.eno.org/see-whats-on/productions/production-page.php?&itemid=1991

出演予定は、マキシム・ベロツェルコフスキー、アレッシオ・カルボネ、アリーナ・コジョカル、マーロン・ディノ、イリーナ・ドヴォロヴェンコ、ドロテ・ジルベール、ダリア・クリメントヴァ、ヨハン・コボー、ルシア・ラカッラ、ヴラディスラフ・ラントラートフ、ヴャチェスラフ・ロパーティン、ウリヤーナ・ロパートキナ、デヴィッド・マッカテリ、ワディム・ムンタギロフ、ジュゼッペ・ピコーネ、セルゲイ・ポルーニン(!)、タマラ・ロホ、ヤーナ・サレンコ、マラト・シェミウノフ、オルガ・スミルノワ、アリーナ・ソーモワ、ナタリア・ソーモワ、アタスタシア・スタシュケヴィッチ、マリアン・ワルター、スヴェトラーナ・ザハロワ、そしてイーゴリ・ゼレンスキーとなんとも豪華です。

この出演者の中には、現在開催されているアリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクトの出演者が何人もいますね。果たしてセルゲイ・ポルーニンは無事英国で踊れるのでしょうか?

2012/02/20

シュツットガルト・バレエ、ABT、マリインスキー・バレエの韓国公演

今年はシュツットガルト・バレエ、ABT、マリインスキー・バレエが韓国・ソウルで公演を行うとのことで、この新聞サイトで情報が載っていました。
(注意:このサイトの該当ページに最初にアクセスした際に、スパイウェアに感染する可能性がありますと警告が出ていました。現在は警告が出ていませんが、自己責任でアクセスしてくださいね)

Stuttgart, Mariinsky, to dazzle ballet fans
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/art/2012/02/292_103402.html

この記事によれば、6月15日~17日にシュツットガルト・バレエは世宗(セジョン)センターにてノイマイヤーの「椿姫」を上演するとのことです。

セジョンセンターのサイト(韓国語、画像になっているために自動翻訳不可能)
http://www.sejongpac.or.kr/performance/view.asp?langCode=001¤tYear=2012¤tMonth=06¤tDay=&sval=&currPage=1&performIdx=18544&performCode=grpb1112081608001&listType=2&bcode=PERFORM1&placeCode=&genreCode=&artGroupCode=&menuNum=010101&searchGubun=MONTH

このサイトを見ると、「スージン・カンとシュツットガルト・バレエ」となっており、上記記事を読んでも、3日間ともスージン・カンが主演する可能性が大です。

セジョンセンターのサイトの英語版については、まだ公演の情報は載っていません。また、チケットの発売日も不明です。チケットの買い方については、英語の説明がこちらにありますが、かなり面倒なようです。(パスポート番号を明記したFAXを送って会員になるとか、電話でなら取れるとか、英語のインターネット予約システムがなく韓国語しか通じないとか)
http://www.sejongpac.or.kr/eng/performance/booking_guide.asp

ここでお願いなのですが、申し訳ありませんが、シュツットガルト・バレエの韓国公演のチケット入手方法に関してのお問い合わせ、質問は受け付けません。韓国語がわからない以上、正しい情報を責任もってお伝えできないからです。各自劇場にお問い合わせするなり、旅行会社やカード会社の代行サービスを利用するなりするのか良いかと思います。

追記:チケット興行会社から前売りのお知らせが掲載されていましたが、画像で韓国語となっている上、ネットで購入するには外国人の場合には外国人登録番号を入力しなければならず、韓国在住者でないとこちらからのチケットは購入できないようです。
http://www.clubbalcony.com/home/library/leaflet_list.aspx?Mode=r&mid=8&pid=&bid=36661&Se=TITLE&Sestr=&page=1

******
ABTの韓国公演は7月18日~22日にソウルアーツセンター(芸術の殿堂)で行われます。演目は「ジゼル」で、こちらはキャストは不明です。
http://www.abt.org/calendar.aspx?startdate=7/1/2012

ソウルアーツセンターのサイト
http://www.sacticket.co.kr/home/play/play_view.jsp?seq=13058

ここも会員登録は韓国人しかできないようなので、直接劇場に問い合わせるしかないと思います。電話では予約できるようですが、英語、日本語が通じるかどうかは不明です。この件についても、お問い合わせはご遠慮ください。
http://www.sac.or.kr/eng/program/ticket_info.jsp

なお、ABTは「ジゼル」の前に、台北で「ラ・バヤデール」(マカロワ版)の公演も予定されています。

******
ちょっと先になりますが、マリインスキー・バレエのソウル公演は、11月11日~13日にセジョン・センターにて「白鳥の湖」が予定されています。おそらくですが、この韓国公演に続けて日本公演があるものと思われます。

最近、キム・キミンという男性ダンサーが、アジア人男性として初めてマリインスキー・バレエに入団し(研修生)、早速「海賊」のアリ役と「ドン・キホーテ」のバジル役(2月8日)に抜擢されるという快挙を成し遂げています。モスクワ、ジャクソン、ヴァルナなど多数の国際コンクールで入賞している逸材のようですね。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet_mt_men/kimin1/

また、マリインスキー・バレエにはKeenan Kampaというワガノワを卒業しボストン・バレエに所属していたアメリカ人の女性ダンサーも入団しました。アメリカ人の女性団員としては初めてだそうです。
http://www.washingtonpost.com/entertainment/theater-dance/dance-restons-keenan-kampa-to-join-mariinksy-ballet/2012/01/18/gIQA5NP78P_story.html

グリシコのサイトでのインタビュー(これによれば、コリフェなのだそうですが、まだ団員一覧に名前はありません)
http://archive.constantcontact.com/fs033/1102598867708/archive/1109268419726.html

英国人としては、元ロイヤル・バレエのザンダー・パリッシュが2010年に入団し、現在コリフェですね。怪我が長引いていて最近はあまり舞台に立っていなかったようですが、ようやく舞台に復帰したとのことです。
http://www.mariinsky.ru/en/company/ballet/coryphees/coryphees_man/parish1/

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト Aプロ(2月18,19日)Alina Cojocaru Dream Project

アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト Aプロ
http://www.nbs.or.jp/stages/1202_cojocaru/index.html

アリーナ・コジョカルと仲間たち、という公演であるが、とても親密な雰囲気が漂って楽しいガラだった。少ない出演者数ではあるのに、ヨハン・コボーが冒頭から3演目連続で出演したりして大活躍し、充実度がアップしていた。カーテンコールの時にコボーの姿が見えないと思ったら、着替えている最中だったというわけである。コボー振付の洒落た小品「レ・リュタン」もあったり、彼の古巣であるデンマーク・ロイヤルのレパートリーである「ゼンツァーノの花祭り」や「エチュード」(そしてBプロでは「ザ・レッスン」)があったりと、コボーがこの公演の成功の影の立役者なのではないかと感じられた。
また、無事にセルゲイ・ポルーニンが来日してくれたことも喜ばしい。ポルーニンは「レ・リュタン」でも「エチュード」でも楽しそうに踊っていたので、バレエを辞めるなんてことは考えないで踊り続けて欲しいと思う。彼を失うことはバレエ界にとって大きな損失であることが、この公演で証明されたのだから。


「ラリナ・ワルツ」(振付:リアム・スカーレット、音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー)
Larina Waltz
Chor. Liam Scarlett

  アリーナ・コジョカル、ローレン・カスバートソン、ロベルタ・マルケス
  ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン
 Alina Cojocaru, Lauren Cuthbertson, Roberta Marquez, Johan Kobborg, Steven McRae, Vadim Muntagirov

「ラリナ・ワルツ」って何の意味なんだろうと考えていたのだが、チャイコフスキー作曲のオペラ「エフゲニー・オネーギン」第二幕冒頭のワルツを使っているということなので、なるほど、タチヤーナの苗字なんだと思った次第。振りつけたリアム・スカーレットは、ロイヤル・バレエの若手ダンサー(2005年入団、現在ファースト・アーティスト)で、Asphodel Meadowsという作品が高い評価を得ている。この作品はロイヤル・バレエ・スクールの卒業公演で上演されたことがあるようだ。
女性3人が白いチュチュ、男性4人は黒い衣装で目に快く、音楽によく合っているクラシカルな振付。特に目新しいところは何もないのだが、男女3組を基本としたパ・ド・ドゥやトリオなどにの組み合わせによって華やかさが出ていて、オープニングとしては今後のプログラムに期待を持たせる素敵な幕開けとなった。途中でコボーとマルケスの姿がなくなってフィニッシュは5人、と思ったら、次のプログラムはコボー&マルケスだったのだ。18日に2階席から観たら、3人の女性ダンサーのうちコジョカルの背中の筋肉のものすごさに驚かされてしまった。華奢なイメージが強かった彼女なのに、いつのまにこんなにムキムキになったのだろう!


 「ゼンツァーノの花祭り」(振付:オーギュスト・ブルノンヴィル、音楽:エドヴァルド・ヘルステッド、ホルガー・シモン・パウリ)
Flower Festival in Genzano
Chor. August Bournonville

  ヨハン・コボー、ロベルタ・マルケス 
  Roberta Marquez, Johan Kobborg

ヨハン・コボーは今シーズンロイヤル・バレエでキャスティングされることが少なくなっており、それは若返りを進めている現芸術監督モニカ・メイソンの方針だとも言われていた。確かに年齢的にはもうすぐ40歳というところなのだが、輝かしいブルノンヴィル・テクニックは健在であり、思わず彼の足先に目が吸い寄せられてしまった。アントルシャやバットゥリーなどの細かく精緻な脚捌き、上半身を動かさないまま脚を高く振り上げる飛距離のある跳躍やロンドゥジャンブ・アンレール、至芸と言えるこれらの技術に衰えは全く感じられない。いいものを見せてもらった。マルケスはとにかく村娘の衣装が似合っていて愛らしいし、タン・ルヴェなどの足捌きもきれいだし、ポワントのドゥミを通過しての下り方も丁寧でとても好感が持てた。コボーのサポートも磐石。


『眠れる森の美女』より「ローズ・アダージオ」(振付:マリウス・プティパ、音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー)Rose Adagio from "Sleeping Beauty"
Chor. Marius Petipa

  アリーナ・コジョカル
  ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン
   Alina Cojocaru, Johan Kobborg, Steven McRae, Vadim Muntagirov, Sergei Polunin

幕が空いたら白いシャツに黒いパンツ、腰に赤いバラを挿した4人の王子が舞台中央に集結し、後方からチュチュ姿のコジョカルが登場。鬘や古典的な衣装を身につけていないだけ、4人の王子の素顔、そして表情が伺えて面白い趣向だし、現代的な味付けが感じられて洒落ている。コジョカルのバランスは素晴らしく、エカルテでもピタッと止まるし、一番緊張してしまうアティチュードのバランスも、両腕をアンオーに上げる余裕があった。こんなに余裕たっぷりなのに愛らしく初々しい姫を演じられるから彼女はすごい。そして4人の王子も、ノーブルな立ち振る舞いの中でもお互いの様子を探り合ったりしているのがよく見えて一体どこを見ればいいのやらと思うほど。ピルエットサポート担当はやはりコボーで、彼のサポートだと安心できるのか、高速で何回も何回もコジョカルは回って強靭なテクニックを見せてくれるのだけど、それが決してイヤミにならないところがいい。後半、王子一人ずつにサポートされてピルエットするときには、1人目は1回、2人目は2回、3人目は3回、4人目は4回と彼女は回転数を変えていきながら音楽にピタリと合わせているのがまたすごい。もちろん4回ピルエット担当はコボーで、彼女をサポートする様子にも愛と包容力が感じられていいな、としみじみ思った。コジョカルの踊りに16歳という一瞬の芳紀の儚さを感じて、思わず涙がこぼれそうになったほどだった。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:ジョージ・バランシン、音楽:ピョートル・I・チャイコフスキー)Tchaikovsky pas de deux
Chor. George Balanchine

   ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ
   Lauren Cuthbertson, Vadim Muntagirov

ワディム・ムンタギロフは日本では初お目見え。まだ21歳の新星で、Bプロに出演するダリア・クリメントヴァとは「ヌレエフとフォンテーン以来のパートナーシップ」とロンドンで熱狂を引き起こしたそう。その様子は、BBCのドキュメンタリー「Agony & Ecstasy」で3回にわたって特集されたほど。(この番組はとても面白いのでお勧めです。YouTubeにアップされているので興味がある方はぜひご覧になってください。ポリーナ・セミオノワのビザが間に合わず急遽クリメントヴァが「白鳥の湖」の代役を務めたところから、このパートナーシップが生まれたとのこと)ロイヤル・バレエスクールを卒業後あえてロイヤルに入団しなかったことが彼の現在の成功に結びついているようで、先月にはABTの「ラ・バヤデール」にゲスト出演し、METシーズンでも出演予定、芸術監督のケヴィン・マッケンジーが引き抜きを狙っているという噂もある。

一方ローレンも前回のロイヤル・バレエの来日公演では病み上がりで学校貸切公演の「ロミオとジュリエット」に出演しただけなので、日本で観るのは久しぶり。1年半もの休養を要した原因不明の病気から見事に復活を遂げて「不思議の国のアリス」に主演。そんなフレッシュな二人の異例の組み合わせには注目していた。

ムンタギロフは長身でラインも美しいけど比較的しっかりとした身体をしていて、踊りはというとアカデミック。アントルシャ・シスのつま先も綺麗だし、ブリゼ・ボレもしっかりと踊っておりトゥール・ザンレールもきっちりと5番に降りられる。これからの成長ぶりが楽しみな正統派のダンサー。普段のパートナーではないのでサポートは万全ではなかったけど、背の高いローレンと体格は合っており、18日より19日の方が明らかにパートナーシップは良くなっていた。顔立ちは清楚でおとなしげなローレンの踊りは、ふんわりとした柔らかさがありつつも長身を生かした大胆さがあってスピード感もあった。高速でのシェネやターンが音楽にぴったりと合っているところは素晴らしいと思った。この二人を観る機会がこれからももっと増えますように。


「レ・リュタン」"Les Lutins"
振付:ヨハン・コボー 音楽:ヘンリク・ヴィェニャフスキー、アントニオ・バッジーニ
Chor. Johan Kobborg

  アリーナ・コジョカル、スティーヴン・マックレー、セルゲイ・ポルーニン
  チャーリー・シエム(ヴァイオリン)、髙橋望(ピアノ)

  Alina Cojocaru, Steven McRae, Sergei Polunin
  Charlie Siem (Violin)

これがこの日の白眉、ヴァイオリニストとダンサー3人の超絶技巧の掛け合いが相乗効果となり、エンターテイニングで洒落ていてキュートな逸品として、振付のヨハン・コボーの才人ぶりを認識。なんて小粋で楽しい作品なんだろう!

ピアニストとヴァイオリニストが入ってきて、ヴァイオリニストのチャーリー・シエムが「コンニチワ~」と挨拶。二枚目のシエムが、超絶技巧を曲を演奏し始めたと思ったら、黒いパンツに白いシャツ、サスペンダーのスティーヴン・マックレーが飛び込んできて、驚いたことにこの超絶技巧曲に合わせて信じられないようなステップを華麗に繰り出す。超高速回転、得意のタップダンス的な動き、跳躍は音楽にピッタリと寄り添っていて観客を興奮の坩堝へと巻き込んでいった。そして一旦演奏が終わるとシエムが「ステーヴン、スバラシカッタネ」と一言。「次はバッジーニ」と演奏が始まるとセルゲイ・ポルーニンがやってきて、同じように超絶技巧を披露し、二人で競い合うようにテクニック合戦。ポルーニンは弾むような3連続トゥールザンレールや手を床につかない側転、風を切るような踊り。スティーヴは軽やかな空中180度開脚ジャンプ。二人ともテクニシャンだけど、スティーヴンが音符そのものになって軽やかで細かいステップを得意としている一方、セルゲイはダイナミックでやや重いけど大技が見栄えする。「君も頑張っているね」ってスティーヴンは手を指す出すけどセルゲイは「フン!」って感じで、ついでにスティーヴンの背中に蹴りを入れてみたりして、とっても可笑しい。次の曲が始まると、同じような服装のコジョカルが入って来て、男性2人に混じるとすごく華奢で小さくて可愛いのだけど、その小さな体からやはり同じように難しいテクニックを軽々と見せてくれた。体操選手のような回転技まで。2人の男性はそれぞれ彼女の気を引こうとして、また難しい跳躍を見せたりするんだけど、どうも彼女はヴァイオリニストのことが気になっている様子。ヴァイオリニストにところへと歩いて行っては照れてみせたり。最後、2人の男性ダンサーは彼女にプロポーズするけど、コジョカルはごめんなさい、って断ってヴァイオリニストのシエムに向けてなんともキュートでラブラブな笑顔を向けてくれた。

男性二人もヴァイオリニストのシエムも凄かったけど、コジョカルの可愛さにこちらもメロメロに。シエムはハンサムだけど、ルックスがいいだけでなく演奏も素晴らしい。美形のヴァイオリニストを起用していることにはちゃんと意味があったのね。


「エチュード」"Etudes"
振付:ハラルド・ランダー 音楽:カール・チェルニー、クヌドーゲ・リーサゲル
Chor. Harald Lander

  エトワール:アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、セルゲイ・ポルーニン
  白の舞踊手(ソリスト):高村順子、佐伯知香
  東京バレエ団

  Alina Cojocaru, Johan Kobborg, Steven McRae, Sergei Polunin
  TheTokyo Ballet

ちょっとだけ残念なのは、第二部がこの「エチュード」だけということで、「エチュード」には出演していないマルケス、カスバートソン、ムンタギロフが最後のカーテンコールに出てこなかったこと。せっかくのガラなのだから、エンディングには出演者みんなの顔を見たいものだ。プログラム構成に難があったのでは?

もちろん初演はデンマークロイヤルバレエの「エチュード」だが、東京バレエ団ではおなじみの作品。それだけに、最初の舞台を暗くしての東京バレエ団のバレリーナたちによるバーレッスンのシーンなどは非常によく整えられていて綺麗だ。群舞も全体的に良く揃っていてクオリティは非常に高いのだが、2階席から見ると、ディアゴナルにグランジュッテしながら交差していくシーンは、うまく等間隔にならなかったり、対向線を気にしたり、ジュッテの高さがどんどん低くなってしまっているのがわかってしまうのが惜しい。(1階席から見るとそのへんはあまり気にならない)マックレーを囲んで女性ダンサーたちが一斉にグランフェッテするところなどは、よくこれだけのテクニックを持っているバレリーナを揃えたものだと感心するくらい素晴らしかったのだが。
あとは、一斉にポール・ド・ブラを動かすところの腕の運び方が皆機械人形のように揃いすぎていて柔らかさに欠けていたのは残念だった。男性も特にセンターの3人、松下さん、小笠原さん、あと一人は氷室さんかな?はすごくよかったと思う。東京バレエ団の男性陣は身長が低い人が多くて、ビジュアル的にこのような白いバレエだとちょっと厳しいところがあるのだが、せめて髪型はもう少しこざっぱりさせようよと思ってしまう。

さて、「エチュード」といえば男性エトワール2人のテクニック披露大会。今回はエトワールにコボーも入る変則バージョンだったとのことだったが、実際にはコボーがシルフィードのパートで、コジョカルのパートナーを務めただけだった。が、このシルフィード・パートでの二人のパ・ド・ドゥとコジョカルのソロが美しくて美しくて、思わず涙がこぼれそうになったほど。空気の精そのままのコジョカルの純粋で透明感ある美しさと、愛に溢れたサポートをするコボー。とにかく今回のガラは、コジョカルに向けるコボーの愛の深さを感じさせられたのであった。

ということで、この作品でも、メーンはコーダでのマックレー対ポルーニンのテクニック対決。前回の東京バレエ団での「エチュード」に出演したサラファーノフがあまりに凄かったので、ここまで何演目も踊ってきてややお疲れ気味だった二人だった。しかしながら、それでもやっぱり二人とも凄かった。指パッチン担当はマックレーで、もう少し押し出しが強くてもいいのではと思ったものの、そのへんのエレガントさが彼らしいというか。突き刺さるようなソテ、いつまでもつま先が高くピンとしているグランフェッテ、音に合わせて自由自在に動ける音楽性。一方、ダイナミックさが持ち味のポルーニンは、ここでも連続トゥールザンレールを決め、高い跳躍を何回も見せて、楽しそうに生き生きと踊っていた。少し踊りが荒いけど、大胆さといい、やんちゃさが踊りに出ているところといい、彼はヌレエフタイプのダンサーなのではないかと思う。(ヌレエフ財団の奨学金でロイヤル・バレエスクールを出ただけのことはある)それだけに、彼にはバレエを辞めないで欲しいと思った。これだけの才能に恵まれているのだから。

そしてコジョカル!シルフィードの叙情的なパ・ド・ドゥと打って変わって、チュチュに着替えてからのものすごい高さのグランジュッテでのマネージュ、超高速シェネ、そしてコーダでの男性エトワール顔負けの跳躍と、出ずっぱりだったにもかかわらずものすごい体力と身体能力の持ち主であることを改めて実感した。座長ならではのど根性を発揮したというべきか。お客さんを徹頭徹尾楽しませてあげようという心意気が、このガラ全体には漂っていて、心を打った。素晴らしい企画をありがとう。

Aプロが終わったばかりだけど、尻尾までアンコの詰まった鯛焼きのような充実ぶりが素晴らしいガラだった。願わくば、恒例企画として2,3年に1回は開催してもらえると嬉しい。日本では知られていない若いアーティストなども紹介していく場になればいいと思う。

Dance Open Festivalでの「レ・リュタン」(ヴァイオリニストのチャーリー・シエムをはじめ、この日と同じキャスト)

2012/02/17

クリストファー・ウィールダンがサンフランシスコ・バレエとオランダ国立バレエに新作「シンデレラ」を振付 Christopher Wheeldon will create new Cinderella

ロイヤル・バレエに振付けた「不思議の国のアリス」(ナショナル・バレエ・オブ・カナダとの共同制作のため、同じシーズンにカナダでも上演)が大好評で、引き続き両バレエ団で再演も決まっているクリストファー・ウィールダン。彼の次の全幕の新作は、「シンデレラ」で、サンフランシスコ・バレエオランダ国立バレエで上演されることが決定しました。

サンフランシスコ・バレエでのリリースは、サンフランシスコ・バレエのサイトに掲載されています。
http://www.sfballet.org/about/media_center/press_releases/Wheeldon_Cinderella

それによれば、世界初演はオランダ国立バレエで12月13日に行われるほか、サンフランシスコ・バレエでは、2013年のシーズンにおいて初演するとのことです。

この「シンデレラ」はプロコフィエフの音楽を使用し、グリム兄弟の原作に基づいています。シンデレラは母親のお墓にヘイゼルの枝を植えて、それが巨大な魔法の木に育つという設定で、4人の精とともにシンデレラの願いを叶えるとのことです。そしてウィールダンは、シンデレラは単に可哀想な女の子ではないように描くことで物語のキャラクターに深みを与え、また王子はほかのプロダクションよりも大きな役割を果たすそうです。

セットと衣装は英国のデザイナージュリアン・クローチによるものです。クローチはメトロポリタン・オペラで上演されたフィリップ・グラスのオペラ「サティヤグラハ」や、ブロードウェイ・ミュージカル「アダムス・ファミリー」のデザインを手がけており、バレエ作品の美術を手がけるの初めてとのことです。

なお、オランダ国立バレエの2012/13シーズンは3月3日に発表されるとのことで、オランダ国立からのリリースはその時に行われるそうです。


「シンデレラ」は、デヴィッド・ビントレーによる映像化もされた作品(傑作!)や、熊川哲也の新作など、最近新振付が多くなされている作品ですね。「不思議の国のアリス」の成功などもあり、おとぎ話的なバレエ作品というのは最近の潮流なのかもしれません。(作品としては新しくはありませんが、3月に来日するモンテカルロ・バレエの「シンデレラ」(ジャン=クリストフ・マイヨー振付)もとても素敵な作品で大好きです)

また、大型の新作の場合、2つの劇場の共同制作で制作するというのも最近の流れのようで、新国立劇場での「パゴダの王子」も、バーミンガム・ロイヤル・バレエとの共同制作でしたね。


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2012/02/15

デヴィッド・ホールバーグのRTでのインタビュー映像 Interview Footage of David Hallberg on RT

Twitterで教えていただいた、デヴィッド・ホールバーグにロシアのメディアがインタビューしている映像(30分弱)を見ました。かなり突っ込んだ質問もあり、非常に興味深かったです。デヴィッドもインタビューアーも非常にわかりやすい英語で話してくれているので、聞き取りやすいインタビューでした。

ボリショイ・バレエに初めてプリンシパルとして入団した外国人として、ボリショイに入ったことをどう考えているのか、なぜ入団するに至ったのかということをじっくりと話してくれています。デヴィッドは、ボリショイに移籍しても、ほかのロシア人ダンサーたちのコピーではありたくない、アメリカとフランス(パリ・オペラ座学校)で学んだ自分のバックグラウンドを大事にしたいと語っています。そして、ボリショイのダンサーからは多くを学ぶけど、願わくば自分からもボリショイのダンサーに教えられることがあればと考えているとのことです。

彼が初めてボリショイの全幕の舞台に接したのは、イワン・ワシーリエフとナタリア・オシポワの主演した「パリの炎」だったそうですが、非常にエキサイティングで、60年代、70年代にボリショイが持っていた熱気をそのまま持ち続けていることに感動したそうです。また、ボリショイのダンサーたちが素晴らしいことは言うまでもないけれども、ロシアの観客がバレエダンサーに対して大きな敬意を払っていること、非常に教育の行き届いた、バレエをよく知っている良い観客であることにも感心したそうです。

まだロシア語は話せないけれども、ロシアで生活する以上は不可欠のため一生懸命勉強するよとも語っています。やはり一番難しかったことは、ロシアに移るという決心をしたことで、ロシア語もわからず唯一のアメリカ人団員であるということは大きな勇気がいったことではあるけれども、このチャンスを逃したことを後悔したくないと決意のほどを明らかにしています。

このように面白いインタビューは、日本の媒体ではなかなか望めないのが残念なことです。ボリショイ・バレエが60年代、70年代の熱気をそのまま持ち続けていてエキサイティングであるということは、先日の来日公演を観てもそうだと感じました。もちろん、私は60年代、70年代のボリショイを直接知っているわけではありませんが、その時代の映像を通して感じたものがそのまま舞台に再現されていたように思います。

http://rt.com/programs/spotlight/american-bolshoi-theater-ballet/

デヴィッド・ホールバーグとスヴェトラーナ・ザハロワが共演したボリショイ・バレエの「眠れる森の美女」は今週末のNHKプレミアムシアターで放映されます。また、このインタビューでも言及があるワシリエフ&オシポワ主演の「パリの炎」も同時放映されます。
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

◇ボリショイ劇場 リニューアル記念公演 バレエ「眠りの森の美女」 全2幕 
2月19日(日)【18日(土)深夜】午前0時30分~午前4時45分
前半 0:30:00~1:37:30
後半 1:39:30~2:53:30

<曲目>
バレエ 「眠りの森の美女」全2幕
音楽:チャイコフスキー

<出 演>
(オーロラ姫)スヴェトラーナ・ザハロワ
(デジレ王子)デーヴィッド・ホールバーグ
(リラの精)マリア・アラシュ
(悪の精カラボス)アレクセイ・ロパレーヴィチ
(国王)アンドレイ・シートニコフ
(王妃)クリスティーナ・カラショーワ
(カタラビュート)ヴィターリ・ビクティミロフ
(花婿候補)カリム・アブドゥーリン
        パヴェル・ドミトリチェンコ
        ウラディスラフ・ラントラートフ
        ユーリ・バラーノフ
(白いねこ)ユリア・ルンキナ
(長ぐつをはいたねこ)イーゴリ・ツヴィルコ
(フロリナ王女)ニーナ・カプツォーワ
(青い鳥)アルテム・オフチャレンコ
(赤ずきん)アナスタシア・スターシケヴィチ
(おおかみ)アレクセイ・コリャーギン
(シンデレラ)ダリーヤ・コフロワ
(フォーチュン王子)カリム・アブドゥーリン

ボリショイ・バレエ団

<管弦楽>ボリショイ劇場管弦楽団
<指揮>ワシーリ・シナイスキー
<原振付>マリウス・プティパ
<改定振付>ユーリ・グリゴローヴィチ
<美術>エツィオ・フリジェリオ
<衣装>フランカ・スクァルチャピーノ
<照明>ヴィニチオ・シェリ

収 録:2011年11月16、20日
ボリショイ劇場(モスクワ)


◇ボリショイ・バレエ団公演 「パリの炎」
2:56:00~4:44:30
<曲目>
「パリの炎」全2幕
<出演>
ボリショイ・バレエ団

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2012/02/14

ユニバーサル・バレエ来日公演『This is Modern』キャスト

2月28日、29日に『This is Modern』の3演目で来日公演を行うユニバーサル・バレエの来日公演キャストが発表されています。

http://ameblo.jp/universalballetjapan/entry-11164547747.html

<キャスティング>
■PETITE MORT 「小さな死」(イリ・キリアン振付)
David:Hongil Min(ミン・ホンイル)
Jorma:Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)
Stefan:Heonjae Jin(チン・ホンジェ)
Johann:Konstantin Novoselov(コンスタンチン・ノボセロフ)
Martino:Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)
Paul:Dongtak Lee(イ・ドンタック)
Sol:Naeun Kim(キム・ナウン)
Nancy:Chaelee Kim(キム・チェリ)
Lorraine:Misun Kang(カン・ミソン)
Elke:Jieun Ahn(アン・ジウン)
Cora:Sungah Lee(イ・ソンア)
Jennifer:Yongjung Rhee(イ・ヨンジュン)

■SECHS TANZE 「ゼックス・タンツェ」(イリ・キリアン振付)
Karine:Jiyun Kim(キム・ジウン)
Paul:Jiyan Dai(ダイ・ジエン)
Marley:Seohye Han(ハン・ソへ)
Johann:Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)
Simone:Heaji Wang(ワン・ヘジ)
Glen:Taikyung Kwak(カク・テギョン)
Bibi:Aynsley Taylor Inglis(エインズレー・テイラー・イングリス)
Martin:Minwoo Kang(カン・ミヌ)

■In the middle, somewhat elevated 「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」(ウィリアム・フォーサイス振付)
Sylvie:Youhee Son(ソン・ユヒ)
Agnes:Jiwon Choi(チェ・ジウォン)
Vero:Jieun Ahn(アン・ジウン)
Myra:Hyemin Hwang(ファン・ヘミン)
Reggie:Yousun Kim(キム・ユソン)
Irene:Hoeun Kwon(クォン・ホウン)
Marc:Hyonjun Rhee(イ・ヒョンジュン)
Anders:Konstantin Novoselov(コンスタンチン・ノボセロフ)
Alan:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)

■Minus 7 「マイナス7」(オハッド・ナハリン振付)
Solo:Youngdo Lee(イ・ヨンド) / Minwoo Kang(カン・ミヌ)
Pas de deux:Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Naeun Kim(キム・ナウン)
Corps:Youhee Son(ソン・ユヒ)、Misun Kang(カン・ミソン)、
     Naeun Kim(キム・ナウン)、Mengying Fang(パン・メンイン)、
     Jiyun Kim(キム・ジウン)、Yousun Kim(キム・ユソン)、
     Hoeun Kwon(クォン・ホウン)、Hyojung Choi(チェ・ヒョジョン)、
     Heaji Wang(ワン・ヘジ)、Sungmin Kim(キム・ソンミン)、
     Jimi Shin(シン・ジミ)、Dajung Lee(イ・タジョン)
     Jaeyong Ohm(オム・ジェヨン)、Hongil Min(ミン・ホンイル)、
     Heonjae Jin(チン・ホンジェ)、Seunghyun Lee(イ・スンヒョン)、
     Yevgeniy Khissamutdinov(エフゲニー・ヒスムタジノフ)、
     Jiyan Dai(ダイ・ジエン)、Minwoo Kang(カン・ミヌ)、
     Taikyung Kwak(カク・テギョン)、Shih-Huai Liang(リアン・シウアィ)、
     Youngdo Lee(イ・ヨンド)、 Mengfan Xu(ス・モンパン)、
     Shuang Lu(ウィ・シュアン)

今回の上演演目4作品について、ダンサーたちが紹介している動画がありますのでご紹介します。リハーサルの模様や、「小さな死」のスカートの仕組みなどもわかって興味深いです。

なお、ユニバーサル・バレエではこんなキャンペーンを実施しています。

■あなたも韓流イケメンバレエダンサー カン・ミヌ、イ・スンヒョンに会えるかも!? 『ユニバーサル・バレエ』舞台裏訪問が当たる!! つぶやきor書き込み キャンペーン

<キャンペーン内容>
◇キャンペーン名:あなたも韓流イケメンバレエダンサー カン・ミヌ、イ・スンヒョンに会えるかも!? つぶやきor書き込み キャンペーン

◇実施期間:2012年2月19日(日)まで
◇当選商品:日本公演の舞台裏訪問 2名様
◇応募方法:
(1)ブログ・Twitterいづれかに「ユニバーサルバレエ」と記入して書き込みください。
(2)記入したページのURLをinfo@universalballet.jpまでメールにてご連絡ください。
以上で応募終了です。
やり方は簡単!書き込む文章はオリジナルでもOKです!

※ツイッターの場合は、ハッシュタグ #ubcjapan を明記ください。


さて、先日、イ・スンヒョン、カン・ミヌを招いてのファンイベントが開催されたので、参加してきました。場内は大盛況で、トークショーとQ&Aタイムあり、バレエマイム講座ありでとても楽しい催しでした。バレエダンサーが一日をどのように過ごしているのかということもよくわかりました。2011年の韓国国際バレエコンクールで、イ・スンヒョンは銀賞、カン・ミヌは銅賞を受賞しているので、彼らは実力派なのですね。カン・ミヌくんはお弁当を先輩に食べられてしまって困っているという笑えるエピソードも披露されました。(しかし、新大久保に行くのって久しぶりだったのですが、いつの間にかすごいところになっていたんですね。びっくりしました)撮影タイムもあったので、あまり良く撮れていませんが写真も載せちゃいます。

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カン・ミヌ

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イ・スンヒョン

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『This is Modern』
Petite Mort/SECHS TANZE
In the Middle,Somewhat Elevated
MINUS7

2/28(Tue),29(Wed) @パルテノン多摩
⇒・ぴあ 0570-02-9999
 【東京公演】  (Pコード:417-732)

お問い合わせ:
047-329-6120 / info@universalballet.jp

新国立劇場バレエ団「アンナ・カレーニナ」「DANCE to the Future2012」出演者変更

新国立劇場のサイトにお知らせが載っていました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001865.html

福岡雄大は、怪我のため「アンナ・カレーニナ」および「DANCE to the Future2012」公演を降板することとなりました。

2012年3月17日に予定されていた「アンナ・カレーニナ」の「カレーニン」役は、マイレン・トレウバエフが、また「DANCE to the Future2012」上演作品「Butterfly」の4月21日公演は、奥村康祐が踊ります

福岡さんは「こうもり」では好調のようだったと聞いていますが、怪我をされてしまったのですね。この次には「白鳥の湖」が控えていますので、早い回復をお祈りします。残念ですが、「アンナ・カレーニナ」のカレーニン役は主役ではないもので、白鳥の王子に集中して欲しいですね。

代わりにマイレンさんがカレーニン役を演じられるということなので、こちらは楽しみです。また、「DANCE to the Future2012」の「Butterfly」には、注目の奥村康祐さんが出演されるということなので、こちらも必見ですね!
(しかし私の買っているチケットは22日なのですが―中劇場で人気の平山素子さん振付作品なので、チケットの売れ行きがものすごくいいようです)

シュツットガルト・バレエの新作「Das Fräulein von S」の映像

今シーズンでシュツットガルト・バレエの常任振付家を辞しチューリッヒ・バレエの芸術監督に就任するクリスチャン・シュプック(「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」の振付家としてよく知られていますよね)の新作(「オルフェオとエウリディーチェ、、「レオンスとレーナ」に続く3作目)「Das Fräulein von S」。

http://www.stuttgart-ballet.com/schedule/2012-02-16/das-fraeulein-von-s/

E.T.A.ホフマンの「スキュデリー嬢」を原作としたこの作品はフランスのルイ14世時代を舞台にした犯罪ロマンともいうべきものですが、マリシア・ハイデがタイトルロールのスキュデリ嬢役で出演する他(その分身Sは、小人の舞台女優であるMireille Mosséが客演してセリフを言う)、シュプックと共にチューリッヒ・バレエに移籍するカーチャ・ヴュンシュとウィリアム・ムーアが主役ともいうべき若い恋人たちを演じるなど、主要プリンシパルが総出演という豪華な作品です。音楽は、この作品のために委嘱されたHans Werner Henzeによるものですが、シューマンの弦楽四重奏やフィリップ・グラスなどの曲をコラージュしています。

また、スワロフスキーが華麗な衣装づくりに参加。スワロフスキーのサイトで、デザインや舞台の写真を見ることができます。
http://www.brand.swarovski.com/Content.Node/ourinitiatives/stagescreen/stage/stuttgart_ballet/gallery/image003.ja.html#/ja/ourinitiatives/stagescreen/stage/stuttgart_ballet


初演キャスト

LOUIS XIV, KING OF FRANCE|Arman Zazyan
MARQUISE DE MAINTENON, KING'S MISTRESS|Oihane Herrero
MADELEINE DE SCUDERI, POETESS|Marcia Haydée
S.|Mireille Mossé (a.G.)
RENÉ CARDILLAC, GOLDSMITH|Marijn Rademaker
MADELON, CARDILLAC'S DAUGHTER|Katja Wünsche
OLIVIER BRUSSON, CARDILLAC'S ASSISTENT AND MADELON'S BELOVED|William Moore
ARGENSON, MINISTER OF POLICE|Damiano Pettenella
LA REGNIE, PRESIDENT OF THE CHAMBRE ARDENTE|Jason Reilly
DEGRAIS, POLICE OFFICER AND DETECTIVE|Matteo Crockard-Villa
PIERRE ARNAUD D'ANDILLY, ADVOCATE|Alexander Zaitsev
GRAF MIOSSENS, COLONEL IN THE KING'S GUARD|Roman Novitzky
A DIAMOND|Alicia Amatriain
A RUBY|Anna Osadcenko
A SAPPHIRE|Myriam Simon
AN EMERALD|Angelina Zuccarini

この作品の舞台映像少々とリハーサルの模様、さらに今までのシュプックの主要作品の映像も観られるニュースサイトです。
http://www.swr.de/nachtkultur/angesagt/christian-spuck-ballett/-/id=3096806/nid=3096806/did=9079644/1bei4gd/index.html

初日の評(ドイツ語)、写真も何枚か。
http://www.tanznetz.de/koegler.phtml?page=showthread&aid=69&tid=22247

同じ記事の英語版です。
http://www.danceviewtimes.com/2012/02/christian-spucks-das-fräulein-von-s-offers-another-gem-to-the-ballets-inspired-by-eta-hoffmann.html

こちらの記事(ドイツ語)には作品のスライドショーが。衣装がとても素敵ですね。
http://www.stuttgarter-zeitung.de/inhalt.das-fraeulein-von-s-im-stuttgarter-ballett-im-bann-der-raetselhaften-schmuckstuecke.c691c7f4-23e8-4a60-89d9-cfdfd1023b19.html

マリシア・ハイデは2月28日よりシュツットガルト・バレエで上演される「ラ・シルフィード」にもマッジ役で出演します。

2012/02/13

新国立劇場バレエ団、寺島まゆみさん、芳賀望さん退団、「マノン」のレスコー役キャスト変更

新国立劇場バレエ団のサイトにお知らせが載っていました。

「『マノン』出演者変更のお知らせ」
http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001862.html

新国立劇場バレエ団ファーストソリスト芳賀 望とソリストの寺島まゆみは、本人の事情により、「こうもり」公演を最後に新国立劇場バレエ団を退団することになりました。

2012年6月24日、26日に予定されていた「マノン」の「レスコー」役は、古川和則が踊ります。

「マノン」出演者変更のお知らせ、という題名ですが、実際には、寺島まゆみさんと芳賀望さんが退団するというお知らせが中心でした。長年新国立劇場バレエ団で活躍し、主役も「くるみ割り人形」「シンデレラ」で踊った寺島まゆみさんの退団ですが、こんなにあっさりとした発表なのが残念です。芳賀さんも在籍期間は短かったのですが、最近までかなり主役を踊ってきたので、なんとも唐突な感じです。

いずれにしても、今後の寺島まゆみさん、芳賀さんのご活躍、ご多幸をお祈りいたします。

一方、その芳賀さんが踊る予定だった「マノン」の「レスコー」役は、古川和則さんが踊ることになったとのことで、古川さんのレスコーはなかなか合っているのではないかという気がします。ティボルト役に続き古川さんにとっての大きな役ですね。

そして、今シーズンは西山裕子さん、北原亜希さん、そして寺島まゆみさんと長年新国立劇場バレエ団を支えてきたベテランが退団したということで、寂しいというかちょっと心配になるこのごろです。


ついでなので、3月上演の「アンナ・カレーニナ」のダイジェスト映像約10分間がエイフマン・バレエのオフィシャルYouTubeチャンネルにアップされていたのでご紹介します。この難しい作品を踊りこなすことができる新国立劇場バレエ団って本当にすごい実力があるんだと思います。予習用にどうぞ。

1/31 ボリショイ・バレエ「スパルタクス」 Bolshoi Ballet "Spartacus"(まだ途中)

ボリショイ・バレエ「スパルタクス」Bolshoi Ballet "Spartacus"
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/bolshoi/spartacus.htm

全 3 幕 12場、9つのモノローグ
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
(ラファエロ・ジョヴァニョーリの小説と古代史に基づく。ニコライ・ヴォルコフのシナリオを使用。)
音楽: アラム・ハチャトゥリアン
振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
美術: シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作: ゲンナージー・ロジェストヴェンスキー
指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団

スパルタクス(剣奴、反乱の指導者) : イワン・ワシーリエフ(ミハイロフスキー劇場プリンシパル・ダンサー)
クラッスス (ローマ軍の司令官) : アレクサンドル・ヴォルチコフ
フリーギア(スパルタクスの妻) : スヴェトラーナ・ルンキナ
エギナ(娼婦、クラッススの愛人) : エカテリーナ・シプーリナ
剣奴: アントン・サーヴィチェフ

2002年のボリショイ・バレエの来日公演を残念ながら見逃してしまった私にとって、念願の「スパルタクス」の生の舞台に接する貴重な機会だった。スパルタクス役をイレク・ムハメドフ、クラッスス役をアレクサンドル・ヴェトロフ、フリーギア役をリュドミラ・セメニャカが踊った1990年の映像が大好きで、もう何回観たことか。ムハメドフが素晴らしいのは言うまでもないけれども、ヴェトロフのクラッススは鮮烈で、彼が登場するオープニングシーンを観るだけでも大興奮なのであった。

今回は夢倶楽部会員招待でゲネプロを見せて頂いてからの鑑賞。ゲネプロは1幕はワシーリエフ&ヴォルチコフ&ルンキナ&シプーリナのファーストキャスト(衣装付き)、2,3幕は稽古着姿のドミトリチェンコ&バラーノフ&ニクーリナ&アレクサンドロワ。特に普段着姿で通し稽古をしているのが非常に興味深かった。

ボリショイの「スパルタクス」、とにかく凄いとしか言いようがない。タイトルロールのイワン・ワシーリエフは言うまでもなく、主要キャストから群舞、そしてボリショイ劇場管弦楽団の演奏まで驚きのクオリティとぐいぐい惹きつけられる圧倒的なパワー、ドラマ性、美しいパ・ド・ドゥ、華麗な超絶技巧まで満載で、うちのめされるほどの凄さだった。

ワシーリエフがミハイロフスキーへ移籍してしまったこと、スパルタクスを代表的な役としているけれどもボリショイの中では彼はやや小柄であること、そして彼がテクニックに関しては凄いんだろうけど演技力は果たしてどうなのかということなど、不安要素はないわけではなかった。しかしながら、これらはすべて杞憂に終わった。

まずは冒頭の強烈なシンバル一発から始まる勇壮なメーンテーマでアドレナリンがぐっと上がり、スポットライトに照らされるクラッスス=ヴォルチコフのヒール役としての鮮烈な登場シーン。彼を担ぐローマ軍の行進、それに続くクラッスス役ヴォルチコフが見せる重厚さと軽やかさが共存するCの字連続ジャンプ、こんなにもしびれるオープニングのバレエ作品は他にはないだろう。このテーマ音楽を奏でるボリショイ管弦楽団の爆音がまた素晴らしい。

ワシーリエフは上記のとおり決して大柄ではないが、太ももの発達したマッチョな肉体から繰り出されるゴムマリのような跳躍は度肝を抜くものであり、全編通して踊りっぱなしであるにも関わらず最後までその勢いは衰えず、足先と頭がくっついてしまいそうなほど大きく反りながらのディアゴナルの連続グランジュッテ、空中に止まっているかのような跳躍、10回転ものピルエット、540(ファイブフォーティ)や斜めにきりもみ状態で回転するトゥールザンレールなどを鮮やかに見せてくれた。一つ一つの動きに英雄らしいカリスマ性がみなぎっており、クラッスス側の反攻に遭って力尽き磔のように串刺しにされるところまで、後世まで語り継がれるヒーロー、スパルタクスそのものとして舞台の上に存在していた。

奴隷として囚われ自由を奪われた怒りと哀しみ、愛する妻を侮辱された屈辱、知らずに剣闘士として友人を殺してしまった悲しみと苦悩、その苦悶を昇華させて一転リーダーとして戦う姿勢から殉教者としての死を迎えるまで、単なる英雄ではなく、自らの度量の大きさとは表裏一体の人間としての弱さ、自信のなさも垣間見せたワシーリエフは、心を打つドラマティックで時には繊細な演技も見せていた。中でも、終盤のクライマックスである妻フリーギアとのパ・ド・ドゥは心を打った。妻に対するとめどない包み込むような愛情の中に見せる、やがて来るだろう永遠の別れへの予感には胸が掻きむしられた。見せ場の片手リフトでは、フリーギア役のルンキナを高々とリフトしながらワシーリエフはルルヴェでつま先立ちし、さらにアラベスクまで見せるという超絶技巧を披露したのには驚かされた。

そのヒーロー、スパルタクスに対する強烈なアンチヒーローがクラッススである。パリ・オペラ座「ライモンダ」にアレクサンドル・ヴォルチコフが客演したした時には、あまり踊りが冴えていなくて残念だったのだが、今回の来日公演で、彼は大きな進化をしていることを見せてくれた。まずはローマ人の扮装が実によく似合う、彫りが深く華のある容姿を持っていること。クラッススが「スパルタクス」という作品の幕開けを飾るキャラクターであるから、これは重要な要素である。体をCの字に曲げての連続跳躍も軽々と披露して着地もきれい、難しいことを涼しい顔でこなしてしまう、これでこそ憎々しいクラッススだ。そしてどうだ!という勢いで登場するのに、スパルタクスとの一騎打ちではあっさりと負けて屈辱にまみれて敗走する、そのヘタレぶりがまたヒール役らしい。惨めな負けっぷりにもんもんとする中で、愛人である猛女エギナに「こんなのではダメじゃないの!リベンジしてらっしゃい!」ってハッパをかけられて、ようやく逆襲にとりかかる情けなさ。クラッススのそういった弱い部分をきっちりと演じられてこそ、スパルタクスのヒーローぶりが際立つわけなのであって、立派で堂々とした容姿の持ち主でありながら、人間の負の側面をきっちりと演じられたヴォルチコフの演技力は大したものだ。

クラッススの愛人、悪女エギナもまた強烈なキャラクターだ。エギナが必死に心の折れかけたクラッススにハッパをかけ、その謀略と暗躍によって、一度は敗走したローマ軍が反撃し、ついにはスパルタクスを死へと追いやるのだ。昨年12月にプリンシパルに昇格したばかりのシプリーナは、柔らかい肢体と確実なテクニックに加え、高慢ちきな女王ぶりや、クラッススを尻に敷いてしまうほどの猛女ぶりも見せつけ、一方で一人の娼婦に過ぎない自分自身が生き残るために奸計を働く必死さも演じることで、この時代の女性が持つ寄る辺ない憐れな生き方と、その運命に抗う強さを表現していた。3幕で羊飼いたちを誘惑して骨抜きにするシーンのエロティックさは相当なもので、エロスの女王ヴェヌス降臨といった風情で強烈な印象を残した。勝ち誇った姿でローマ軍に担がれ退場していく姿は堂々たるもので、この役にぴったりであった。

(続く)

(以下主要キャスト)
道化役者たち: :チナーラ・アリザーデ、アンナ・オークネワ、
マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、
ヤニーナ・パリエンコ、アンナ・レベツカヤ、
バティール・アナドゥルディーエフ、アレクセイ・マトラホフ
エゴール・シャルコフ、アレクサンドル・プシェニツィ
3人の羊飼いたち:
ディミトリ・ザグレービン、デニス・メドヴェージェフ、アレクサンドル・スモリャニノフ
4人の羊飼いたち:
アレクサンドル・ヴォドペトフ、エフゲニー・ゴロヴィン、
ウラディスラフ・ラントラートフ、デニス・ロヂキン
羊飼いの女性たち:
スヴェトラーナ・パヴロワ、ダリーヤ・コフロワ、
ジュ・ユン・ベ、クセーニャ・プチョルキナ、ユリア・ルンキナ
娼婦たち:
アンナ・レベツカヤ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ、
マリーヤ・ジャルコワ、アンナ・オークネワ、
ユリア・グレベンシコーワ、クリスティーナ・カラショーワ、ヤニーナ・パリエンコ

The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Orchestra
初演:1968年4月9日


これが超・おすすめの映像(ムハメドフ主演の映像は二つあるのでご注意を!)

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こちらは最新映像。ただしスパルタクス役はゲストのカルロス・アコスタで、ガルニエでの公演のため、ボリショイ管弦楽団による演奏ではないのが残念。

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2012/02/10

ミハイロフスキー劇場バレエのNY公演がキャンセルに American Ballet Theater Thwarts Mikhailovsky’s Summer Plans

ボリショイ・バレエの東京での公演が終わりました。あとは土日に兵庫で「ライモンダ」と「白鳥の湖」を上演してツアーは完了ですが、さすがにそこまで行く経済力も体力もないし、チケットも白鳥は完売、ライモンダも残り僅少だそうで。東京は平日の多い日程で連日見に行くのは本当に厳しかったですが、その分内容はものすごく充実しており、ボリショイ・バレエというカンパニーの底力を感じました。

実は前回の来日公演で、グリゴローヴィチ版「白鳥の湖」を観てがっかりして、もうこの「白鳥の湖」は観なくていいやと思って今回も白鳥に関してはチケットを買うのを躊躇していたほどなのですが、今回は非常に楽しむことができました。違いは何か、というと今回はボリショイ劇場管弦楽団が同行していて(訂正:前回もボリショイ管弦楽団は動向していました。間違っていて申し訳ありません。オーケストラがこなかったのは前々回でした)音楽に魂がこもっていて素晴らしかったのと、主演陣も、前回はセルゲイ・フィーリンが引退してしまったことで代わりに出演していたダンサーがあまりにも酷かったのに対して、今回は主演ダンサー(ルンキナ、チュージン、ラントラートフ)の他、中堅~若手のダンサーたちが育ってきており、外部からの新しい血がカンパニーに刺激を与えたことがあるのですはないかともいました。グリゴローヴィチ版「白鳥の湖」はバッドエンドで唐突に終わってしまって、その辺の好みは分かれると思いますが、それまでの踊りまくりで十分楽しませてもらって満足できました。今のところ、フィーリンによる変革も成功しているのではないでしょうか。

とにかく、ボリショイ劇場の皆さま、ジャパンアーツの皆様には感謝でいっぱいです。次回の来日公演は2014年12月となるとのことですが、待ちきれませんね。

なお、本日になってしまいましたが、本日(10日)16:53から始まる「Nスタ」(TBS)内で、今回のボリショイ・バレエ日本公演のミニ特集が放映されるとのとこです。 今シーズンでボリショイ・バレエを退団する岩田守弘さんの話題、現地取材など盛りだくさんの内容になるそうです。(ジャパンアーツのTwitterより

********

さて、そのボリショイを出てミハイロフスキー劇場バレエ(日本ではレニングラード国立バレエの名前でおなじみ)に移籍したナタリア・オシポワとイワン・ワシーリエフ。彼らを看板に、ミハイロフスキー劇場バレエはNY公演を今年の夏(6月19日~7月1日)、リンカーンセンターのDavid H.Koch Theater(旧ニューヨークステートシアター)にて予定していました。上演される予定の作品は、「ジゼル」と、ナチョ・ドゥアト新振付の「眠れる森の美女」。ところが、突然、この公演がキャンセルとなったと告知が出ていたのです。このサイトでは、キャンセルの理由の告知はなし。

http://davidhkochtheater.com/moreinfoMB.html

New York Timesにそのあたりのことが書かれています。
American Ballet Theater Thwarts Mikhailovsky’s Summer Plans
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2012/02/09/american-ballet-theater-thwarts-mikhailovskys-summer-plans/

ミハイロフスキー劇場およびオシポワとワシーリエフのエージェントを務めるArdaniのコメントによると、オシポワとワシーリエフがABTのMETシーズンにゲストをする関係で、その時期は競合するカンパニーに出演できないという同意を結んでおり、ミハイロフスキーのNY公演に出演できなくなったため、公演が成り立たなくなってしまったとのことです。この件について、ABTはまだコメントを表明していません。また、ミハイロフスキーのニューヨーク公演は、オシポワとワシリエフの移籍の前に決定していたことなのですが、彼らがおそらく移籍してくるだろうという見通しのもとで興行の計画が立っていたそうです。

ABTにゲスト出演するために自分のカンパニーには出演できなくなるとは、Ardaniもオシポワとワシーリエフも考えていなかったのだと思いますが、ABTが、オシポワとワシリエフが出演しないと自分たちのチケットの売上に影響が出ると考えてしまったのでしょう。正直、今のABTは自前のダンサーを育てることをしないで、手っ取り早くスターを引っ張ってきてくればいいと安易に考えすぎていたので、今回のトラブルが発生したものと思われます。ABTのゲスト依存路線はあまりにも先のことを考えなさすぎですし、現在の所属ダンサーのモチベーションにも影響しているようです。

特に急速に景気が悪化している今、チケットの競合を避けたいとABTが考えた結果、このようなことになってしまったのでしょう。とにかく、ミハイロフスキー劇場のNY公演が中止となってしまったのは、本当に残念なことです。

ミハイロフスキー劇場バレエにはオシポワ、ワシーリエフ以外にも、ペレンやサラファーノフ、(産休中ですが)シェスタコワ、ボルチェンコなど魅力的なダンサーがたくさんいることは日本にいる私たちはよく知っています。それなのに、オシポワ、ワシーリエフなしでは興行は成り立たないとArdaniが考えてしまったことも非常に残念に思います。


なお、ロイヤルを電撃退団したセルゲイ・ポルーニンの代役として、急遽「真夏の夜の夢」の2月9日の公演に、ABTのスター、マルセロ・ゴメスがゲスト出演してアリーナ・コジョカルと踊り大好評だった模様です。一方、ソリストのステラ・アブレラはイーサン・スティーフェルが芸術監督に就任したロイヤル・ニュージーランド・バレエの「眠れる森の美女」にオーロラ役でかなりの回数出演して絶賛を浴びました。今度は、「ブラック・スワン」騒動で一躍有名になった同じくソリストのサラ・レーンがコレーラ・バレエ改め「バレエ・バルセロナ」のリセウ大劇場での公演(2月9日~12日)にゲスト出演し、「白鳥の湖」全幕のオデット/オディール役デビューをします。このように、ABTには優秀なソリストがいるのにも関わらず、昇進はおろか、これらの役をカンパニー内で踊る機会すらないことは、非常に残念なことです。

サラ・レーンのコレーラ・バレエ(バレエ・バルセロナ)への出演の記事はこちら(スペイン語)
http://ccaa.elpais.com/ccaa/2012/02/02/catalunya/1328183779_462719.html

2012/02/09

セルゲイ・ポルーニンは無事来日する模様 Sergei Polunin performs in Alina Cojocaru Dream Project as expected

すみません、ボリショイ祭り感想が全く追いついていません。今日の「ライモンダ」も行きたかったのですが、やはり家庭の事情で無理でした。東京最終日、明日の「白鳥の湖」を楽しんできます。日程がキツキツで土曜日の公演が東京では1日しかなく、なかなか思うとおりに足を運べなかった方も多いかと思いますが、ボリショイ・バレエの素晴らしさを堪能できた素晴らしい来日公演だったと思います。近いうちの再来日を期待したいです。今度は東京でも週末公演を実現させてくださいね。そして「スパルタクス」「ライモンダ」はまた観たいです!

さて、セルゲイ・ポルーニンの突然のロイヤル・バレエ退団により、彼の「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」への出演が危ぶまれていました。しかしNBSのTwitterによると、ポルーニンは2月11日には来日して公演に出演することが決定したとのことです。彼の出演を楽しみにしていたので、ホッとしました。

https://twitter.com/#!/NBS_japan/status/167184165610065920

<アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト>の開幕まで10日。1月末に所属していた英国ロイヤル・バレエ団を退団したことから、本公演への出演について沢山のお問い合わせをいただいていたセルゲイ・ポルーニンも、コジョカルや他のメンバーとともに2/11に来日することが決定しました! 

ロイヤル退団に伴い、ポルーニンはイギリスでの労働許可が取り消されてしまったという報道があり、来日したはいいものの、今度は無事英国に入国できるのか心配になってしまいますが、ENBが「良かったら引き受けます」と表明しているとのことです.

Sergei Polunin loses right to work in UK (Telegraph紙)
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/9053429/Sergei-Polunin-loses-right-to-work-in-UK.html

ポルーニンはバレエを踊ることへの意志をも失ったという報道もありましたが、サドラーズ・ウェルズ劇場での「Men In Motion」の出演、今回の「アリーナ・コジョカル・ドリーム・プロジェクト」での来日と、ロイヤル以外で引き受けた仕事に関してはこなしているようなので、どうか気を取り直してバレエ界への本格復帰を期待したいところです。

2012/02/08

クラシカ・ジャパン5月特集は「新生ボリショイ劇場」

ボリショイ・バレエの「ライモンダ」で配布されていたチラシによると、クラシカ・ジャパン5月は「新生ボリショイ劇場」特集だそうです。

2011年10月26日に華々しく幕を開けた新生ボリショイ劇場のガラ公演が、放映されるとの予定です。
ネットで中継されたのでご覧になった方も多いかと思いますが、「シンデレラ」「スパルタクス」「パリの炎」「黄金時代」「ドン・キホーテ」ほかが上演されました。

このガラのスパルタクスは、イワン・ワシーリエフがタイトルロールですし、引退したアンドレイ・ウヴァーロフの最後の舞台でもあります。

これは楽しみですね~。クラシカ、契約しているのですが最近はバレエは観たことがある映像ばかりでもっぱらクラシックばっかり見ていました。

また、ドキュメンタリー「ボリショイ劇場再建まで」「ボリショイ・ルネサンス」も放映される予定です。劇場の歴史から改修の理由、6年員も及んだ大工事の過程をCGとインタビューで大解剖するとのこと。

これもとても面白そうです。5月なのでまだ先ですが楽しみです!(クラシカ・ジャパンのハイビジョン化は10月を予定)


ところで、クラシカ・ジャパンは解散・清算へ、クラシック音楽chは東北新社が引き継ぐそうです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120127/379551/

東北新社は2012年1月27日、同日開催の取締役会において、連結子会社のクラシカ・ジャパンを解散および清算することを決議したと発表した。クラシカ・ジャパンは2012年5月に取締役会および臨時株主総会での解散決議を予定する。

 クラシカ・ジャパンはクラシック音楽専門チャンネルを運営しているが、加入世帯数の減少傾向が続き業績が低迷している。このため東北新社が事業を譲り受け、経営の効率化を図り、事業の立て直しを進めることにした。2012年10月ごろに開始するとしているハイビジョン放送は、予定通り行う。編成とプロモーションの強化を図り、チャンネル価値の向上に努める計画という。

ローザンヌ国際バレエコンクールの結果 Results of Prix de Lausanne

ボリショイ祭り満喫中でコメントへのお返事も追いつかず公演の感想も書ききれずに申し訳ありません。

今日のボリショイの「ライモンダ」も素晴らしかったです。ライモンダ役のマリーヤ・アレクサンドロワの圧倒的な華と貫禄は言うまでもなく、ジャン・ド・ブリエンヌ役のルスラン・スクヴォツォフはサポートに難はあったもののヴァリエーションは素晴らしかったし白マントもよく似合い、また怪我明け初めての舞台で、この1公演の舞台のためだけに来日してくれたというミハイル・ロブーヒンも濃い演技の中にも気品があってブラボーでした。そして、ボリショイ・バレエ全体の容姿、プロポーションの美しさといったら、もう。特にクレマンスとアンリエット役にエカテリーナ・シプリナとアンナ・ニクーリナと主演級を投入、ベルナールとべランジェにはウラディスラフ・ラントラートフとデニス・ロヂキンという超美形&テクニックも素晴らしい二人がいて、眼福そのもの。マズルカのソリストには「スパルタクス」で剣奴役のサーヴィチェフが出演していて、なんとも嬉しくなりました。あ~ゆっくり感想が書きたい!って感じですし、明日も東京文化会館でまた「ライモンダ」観たい!のですが、家族の手術の立会いがあったりして難しそうなので本当に残念です。この無念は?木曜マチネの「白鳥の湖」で晴らさせていただきたいと思います。急遽マチネ公演にも岩田守弘さんが出演することになってラッキー、です。

*****

さて、このブログに「ローザンヌ国際コンクール」の検索で来られる方が大変多く、ファイナリストだけ書いて結果を書かないのも中途半端なので一応ご紹介します。とはいっても、昨日から新聞の一面を飾るなどの大報道で、ほとんどの皆様が、菅井円加さんが1位に輝いたことをご存知かと思いますので、軽く触れるに留めておきます。ファイナルはネット生中継で観ただけですし、私は素人なので、審査員が判断されたことが正しいのでしょう。コンテンポラリー重視のコンクールになったんだな、と改めて感じた次第です。日本人は今までクラシックはレベルが高いけどコンテンポラリーが弱いとされてきましたが、コンテンポラリーを高く評価されての1位は素晴らしいことだと思います。

バレエの話題がこれだけ新聞やテレビで大々的に報道されることは喜ばしいことですし、これをきっかけにバレエをはじめる少年少女が増えたらいいことだと思いますが、バレエをよく知らない記者やコメンテーターによる間違った報道も散見されるところはあります。有名な国際コンクールで日本人が1位は本当に素晴らしいことですが、ローザンヌだけが有名なコンクールではないこと、スカラシップ受賞者の賞金は原則として同一であること(ただし、菅井さんはコンテンポラリー賞も受賞しているので、その分の上乗せはあります)そしてコンクールはプロのダンサーに向けての出発点であり、これから先どのように育っていくことかということが大事だということを報道関係者には理解して頂ければと思います。騒がれすぎて、せっかくの菅井さんの才能にプレッシャーをかけすぎることがありませんように。

日本でこれだけコンクールの結果が騒がれるということの背景には、日本には国立のバレエ学校がなく、海外のバレエ学校で学ばなければプロとなるには難しいこと。そして海外で学ぶためには、コンクールで賞を受賞することがほとんど唯一の道であること。日本のトップクラスのバレエ団に入団できたとしても、バレエの舞台だけでは生活するのは経済的に難しく、また女性の場合には結婚・出産などでキャリアを中断する憂き目に遭うことがほとんど、といった厳しい実態があります。つまり、バレエで生きていくためには、海外のバレエ団に入るしかない、そのために、バレエを学ぶ生徒たちはみんなコンクールに取り組んでいるわけですし、コンクール偏重型のバレエ教育になってしまうのです。

これだけバレエが盛んで、バレエを学ぶ少年少女も多ければ観客も多い日本で、バレエダンサーが置かれている過酷な状況を理解しているマスコミ関係者がどれだけいることでしょうか。

「ダンスの海へ」の高橋森彦さんが、今回のコンクールについてうまくまとめられていますので、こちらをご一読していだければと思います。
http://d.hatena.ne.jp/dance300/20120207/p1


ローザンヌ国際コンクールのオフィシャルの結果はこちら。
http://www.prixdelausanne.org/Prize_winners_2012.pdf

Lauréat - Prizewinner スカラシップ受賞者
(306) Ms Sugai Madoka, Japon
Sasaki Ballet Academy, Yamato

(108) Ms Bettes Hannah, USA
Next Generation Ballet Patel Conservatory, Tampa

(406) Mr Barbosa Edson, Brésil
Grupo Cultural de Dança-Ilha, Rio de Janeiro

(422) Mr Tudorin Nikolaus, Australie
Tanz Akademie Zürich

(424) Mr Grünecker Michael, Allemagne
Tanz Akademie Zürich

(120) Ms Vinograd Sonia, Espagne
Institut del Teatre de Barcelona, Conservatori
Professional de Dansa

(407) Mr Wang Le, Chine
Beijing Dance Academy

(401) Mr Wang Mingxuan, Chine
Shanghai Dance School

"PRIX D'INTERPRETATION CONTEMPORAINE"コンテンポラリー賞
"CONTEMPORARY DANCE PRIZE"

Lauréat - Prizewinner Prix
(306) Ms Sugai Madoka, Japon
Sasaki Ballet Academy, Yamato

"PRIX DU MEILLEUR SUISSE" - "PRIZE FOR THE BEST SWISS CANDIDATE"ベスト・スイス賞
Lauréat - Prizewinner
(424) Mr Grünecker Michael, Allemagne
Tanz Akademie Zürich

"PRIX DU PUBLIC" - "THE AUDIENCE FAVORITE"観客賞
Lauréat - Prizewinner
(108) Ms Bettes Hannah, USA
Next Generation Ballet Patel Conservatory, Tampa

決勝の動画はオフィシャル動画で見ることができます。

菅井さんはバーミンガム・ロイヤル・バレエでの研修を希望されているとのことですが、昨日(6日)のNHKのニュース9でバーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督かつ新国立劇場バレエ団の芸術監督であるデヴィッド・ビントレーも日本人ダンサーについてコメントをしていました(だったらもっと新国立劇場バレエ団の待遇改善もしようよとちょっと思いましたけど)。BRBを希望されるとは興味深い選択だと思います。スカラシップ先で順調に伸びやかに菅井さんが育つことを期待したいです。

(これは去年のローザンヌ国際コンクールの映像)

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2012/02/07

ナショナル・バレエ・オブ・カナダ 2012/13シーズン National Ballet of Canada announces 2012/13 Season

ナショナル・バレエ・オブ・カナダが2012/13シーズンを発表しました。

オフィシャルサイトにも、各演目が載っていますが、Ballet Newsにプレスリリースがそのまま掲載されていますので、そちらを紹介します。

何よりも注目なのは、なんとノイマイヤー振付の「ニジンスキー」を上演することです。「ニジンスキー」がハンブルク・バレエ以外で上演されることは初めてなのではないでしょうか?
http://national.ballet.ca/performances/season1213/Nijinsky/

やはり大成功を収めた、クリストファー・ウィールダン振付の「不思議の国のアリス」がシーズンのオープニングを飾ります。

また、今シーズン初演され、大好評だったラトマンスキー振付の「ロミオとジュリエット」を引っさげて、ロンドン、サドラーズ・ウェルズ劇場での公演が予定されているとのことです。日本にもいつか来てくれないかしら。

カンパニー初演としては、もう一つ、今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートで注目をされたダヴィッド・ボンバナ新振付による「カルメン」も上演されます。全体的にとても魅力的なレパートリーです。


The National Ballet of Canada’s 2012/13 Season

Four Seasons Centre for the Performing Arts, Toronto

Fall Season
Alice’s Adventures in Wonderland
November 10 – 25, 2012

The Tenth International Competition for The Erik Bruhn Prize
November 28, 2012
エリック・ブルーン賞コンクール

Giselle
December 5 – 9, 2012

Holiday Season
The Nutcracker
December 19, 2012 – January 5, 2013

Winter Season
Nijinsky*
March 1 – 7, 2013

Romeo and Juliet
March 12 – 17, 2013

The Four Seasons & Emergence
March 20 – 24, 2013

Summer Season
Carmen*
June 5 – 16, 2013

Pur ti Miro & No. 24 & The Man in Black & Theme and Variations
June 19 – 23, 2013
(Pur ti Miroはヨルマ・エロ振付、No. 24は同バレエ団のギョーム・コテ振付、The Man in Blackはジェームズ・クデルカ振付、Theme and Variationsはもちろんバランシン振付)

Touring
Romeo and Juliet
January 31 – February 2, 2013, National Arts Centre, Ottawa
April 17 – 21, 2013, Sadler’s Wells, London, England


ところで、ナショナル・バレエ・オブ・カナダを代表するスターであるギョーム・コテは、自ら振付にも取り組んでおり、彼の作品「No. 24」は来シーズン上演されます。そのギョーム・コテが振りつけたLost In Motionという作品の動画が、大変な評判を呼んでいます。特殊効果も使っていますが、彼がいかに美しいダンサーであるかということがよく伝わってきます。

同じ動画なのですが、こちらのリンクはすでに35万回ものビュー回数があります。
http://youtu.be/4OR-n3Rg6E8


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1/28(ソワレ)Love from Paris エトワール ~フランス・バレエのエレガンス~ Aプロ

http://www.fujitv.co.jp/events/etoiles/index.html
昭和女子大学 人見記念講堂

パリ・オペラ座
ETOILES エトワール
イザベル・シアラヴォラ、ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ
バンジャマン・ペッシュ
PREMIERS DANSEURS プルミエ・ダンスール
ミリアム・ウルド=ブラーム、ジョシュア・オファルト、フロリアン・マニュネ
SUJETS スジェ
マチルド・フルステ、シャルリーヌ・ギゼンダナー、ヤニック・ビトンクール

実は人見記念講堂でバレエを観るのは初めて。横幅の広めな劇場で、前方がフラット。優先発売で買ったにもかかわらずちょっと後ろのほうの席だったのだけど、これくらい離れていた方が見やすかったと思う。クロークなし、カフェなしなのはちょっと寂しい。

ソナチネ “Sonatine” Balanchine
振付:バランシン 音楽:ラヴェル ピアノ:榎本真弓
ドロテ・ジルベール/フロリアン・マニュネ Gilbert / Magnenet

下手にピアノが置いてあり、ピアニストによる生演奏での上演。この榎本真弓さんはコレペティということなのだが、非常に良い演奏だった。実はバランシンの「ソナチネ」を観るのは初めて。ドロテ・ジルベールは音楽性豊かで、伸びやかでアブストラクト・バレエの中に込められた物語性を見せてくれるような素敵な踊りで成長ぶりを堪能した。一方フロリアン・マニュネはエレガントな雰囲気で健闘しているものの、細かいところの詰めが少々甘くて雑なところが感じられた。


ロミオとジュリエット(マドリガル)“Roméo et Juliette (Madrigal)” Noureev
振付:ヌレエフ 音楽:プロコフィエフ
シャルリーヌ・ギゼンダナー/ジョシュア・オファルト Giezendanner/ Hoffalt

「エトワール・ガラ」ではシャルリーヌ・ジザンダネと表記されていたと思うのだが、正しい発音はどちらなのだろうか。この「マドリガル」のシーンは、その「エトワール・ガラ」でもメラニー・ユレル&マチュー・ガニオで上演されていた。シャルリーヌは前髪を下ろしていて初々しく可愛らしいジュリエット。パ・ド・ブレするときのコツコツというポワント音が少々響いていたが、ヌレエフ版の難しい振り付けを易易とこなしていた。そしてパリ・オペラ座の若手では個人的に一番期待しているジョシュア・オファルトは、ここで輝かしいテクニックを披露。高く跳躍するマネージュのスピード感、よく伸びたきれいなつま先、足さばきの美しさ。やはり彼は逸材であり次のエトワール候補の筆頭だと確信。


狼 “Le Loup” Petit
振付:プティ 音楽:デュティユー
ミリアム・ウルド=ブラーム/バンジャマン・ペッシュ Ould-Braham / Pech

パリ・オペラ座本拠地で上演された時より、ペッシュの狼メイクが控えめだった。席が少々離れていたので、オペラグラスで確認しないとわからないくらい。今回は、昨年逝去したローラン・プティへのオマージュということでプティ作品が2作品上演されたのだが、さすがプティを尊敬してやまないペッシュの演技力は素晴らしく、狼である自分を憐れむ様子やそれでも抑えられない愛、苦悩を表現するのが巧みだ。狼を象徴させるように頭のところに手を置いて耳を表現する仕草はちょっと可愛い。一方、ミリアムは愛らしいし、踊り自体はクラシック的で美しいのだけど、ちょっとお人形さんっぽくてプティらしいエスプリを表現できていなかったのが惜しい。彼女に向いた演目で観たかった。


チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ “Tchaikovsky pas de deux” Balanchine
振付:バランシン 音楽:チャイコフスキー
マチルド・フルステ/ヤニック・ビトンクール Froustey / Bittencourt

マチルド・フルステって自己主張がすごく強くて、この「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」を観ていても、バランスをすごく長く取ってみせたり、ピルエットで5回転してみたり、テクニックがすごく強いのはわかったからもう少し元の振付を大事にしようよ、と言いたくなった。ただ、ここまで見せつけられると逆に面白いというか、笑えるというか、サービス精神が豊富なのかもしれない。一方ヤニックは、サポートに不安があって、特にコーダで女性が飛び込んでくるところをうまく受け止められていないというか、女性側が勢いを加減しなくてはならないように見受けられてしまった。でもソロではとても生き生きとしており、アントルシャ・シスの足先も美しいし、何よりエレガントで美しい容姿、長い脚は貴公子にふさわしいもの。いずれにしても、今後のパリ・オペラ座を背負っていく若手としてこの二人には期待したい。


オネーギン より第3幕手紙のパ・ド・ドゥ“Onéguine” Cranko
振付:クランコ 音楽:チャイコフスキー 
イザベル・シアラヴォラ/マチュー・ガニオ Ciaravlola/ Ganio

現在発売されている「ダンスマガジン」最新号がほとんどマチューのオネーギン特集みたいになっていて、ジェラール・マノニ氏が彼を絶賛しているのだが、このガラで観た結果は非常に残念なものだった。YTにこのパ・ド・ドゥの動画がアップされていて、それを観る限りでは健闘していたようだったのに。オネーギンの手紙のパ・ド・ドゥはガラで上演されることが多いのだが、ガラで上演すると全幕の時の感情を表現するのが難しく、マニュエル・ルグリくらいの役者でないと、感動的なパフォーマンスにはならないということを実感した。セットが非常に簡素で音源も録音であることも災いした。

マチューのオネーギンは若くて、一生懸命にタチヤーナに対する未練と絶望的な愛をぶつけようとしているのだが、その感情が非常に表面的でとってつけたように見えた。イザベル・シアラヴォアラは、パリ・オペラ座で「オネーギン」が初演された時にタチヤーナ役を演じたのを観ており、この役でエトワールに昇進したのも納得できる、揺れ動く感情を繊細に演じて最後には激しく嗚咽する様子が心を揺さぶった。だが、今回でも観られた彼女の熱演をもってしても、マチューの演技が今ひとつだったために、感動するには至らず。マチューについては、サポートの安定感も不十分であったために演技に集中できないということもあったし、見た感じのバランスも、イザベルよりずっと若く見えるために良くなかった。彼のオネーギンについては、あと5年後くらいの上演に期待するべきだろう。


ジゼル 第2幕より ”Giselle”
振付:プティパ/コラーリ/ペロー 音楽:アダン
ミリアム・ウルド=ブラーム/ジョシュア・オファルト Ould-Braham/Hoffalt

当初予定は「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥだったが、「ジゼル」に変更。ジョシュア・オファルトは本来だったらこのガラの直前に開催されたシンガポール公演でアルブレヒト役デビューをする予定だった薄さは仕方なかっただろう。サポートは慎重になっていたけど、ヴァリエーションは跳躍が大きくて上体の反らし方も美しく、つま先も鮮やかで端正だった。ミリアムはピュアな雰囲気がジゼルにぴったりで、定評のある美しいアラベスクは健在。まだ波のぬくもりを残した、情感あふれるジゼルだった。ただ、彼女はアダージオでデヴェロっぺするときに少しぐらついたのが残念。ミリアムとジョシュアは、オペラ座のプルミエの中でもトップでエトワール候補筆頭だと思われるので、この二人で組んで「ジゼル」の全幕が観られたらいいだろうな、と感じた。


ドリーブ組曲 “Delibes Suite” Martinez
振付:マルティネス 音楽:ドリーブ
マチルド・フルステ/フロリアン・マニュネ Froustey /Magnenet

この作品を一番最初に観たのは世界バレエフェスティバルで、この作品を振りつけたジョゼ・マルティネスがルテステュと踊った。そしてその次には、ルグリのガラでマチアス・エイマンがミリアム・ウルド=ブラムやエレオノラ・アッバニャートと踊ったのを観ているのだけど、どうしてもこのジョゼやマチアスの幻影が脳裏に焼きついているのがいけない。特に、マチアスのキレキレのテクニックと活きの良さは鮮烈な印象があり、それと比較してしまうとフロリアンの踊りは技術的に弱いだろうというのは観る前から予測がついていた。特にコーダの逆回転マネージュの高さが全然なくて、難しい振り付けだろうとは思うのだが、拍子抜けしてしまった。マチルドは、彼女の持つ勝気さがいい意味で出ていて、途中で軸足を替えながらのフェッテもスムーズだったが、ペアとしてのバランスが悪いように見受けられた。マチアスが怪我の治療のためにこのガラに出演できなかったことが改めて惜しまれる。マチアスとマチルドだったら、お互い認めるベストパートナーだし、きっと似合っていたことだろう。


ドガの小さな踊り子 “La Petite Danseuse de Degas” Bart 【日本初演】
振付:バール 音楽:ルヴァイヤン
シャルリーヌ・ギゼンダナー/ヤニック・ビトンクール Giezendanner / Bittencourt

こちらでも、シャルリーヌは前髪を下ろしていて可愛らしく、ドガが造形した小さな踊り子がそのまま絵画か彫刻から出てきたかのような立ち姿で登場する。貧しい家の出である踊り子が、幼いながらも定期会員(アボネ)である裕福な男性を誘惑して、パトロンになってもらおうとする場面を描いている(私は全幕は観ていない)。シャルリーヌは、不器用ながら一生懸命媚態を見せているところがなんとも切なさを感じさせて良い。ヤニックはその若い年齢(23歳)に似合わない裕福なパトロンの姿をしていて、燕尾服がこれ以上似合う人はいないんじゃないかと思うくらいにセクシーでスタイリッシュ。彼の役は、長くまっすぐで美しい脚でグランバットマンを見せるくらいで踊りの見せ場はあまりないのだが、こういうフランスのエスプリを感じさせる作品が、今回のガラに入っているのはアクセントとして良いのではないだろうか。


ランデブー ”Le Rendez-vous"
振付:プティ 音楽:コスマ
イザベル・シアラヴォラ/バンジャマン・ペッシュ Ciaravola / Pech

Aプロは当初「アルルの女」の予定だったはずが、Bプロで上演される予定の「ランデブー」に変更。この作品は、NHKで放映された、イザベルとニコラ・ル=リッシュが踊った全編と、あるガラでやはりイザベルとヤン・サイズが踊っているのを見ている。背景には、夜のパリを写し取ったブラッサイによるモノクロの写真が配置され退廃的な雰囲気を作り上げている。イザベル演じる”世界一の美女”のデカダントで美しいこと。ポワントではなく黒いストッキングにハイヒールを穿いているのだが、それだけで物語を語る脚線美と、40年代のパリのモードらしいショートボブの髪型が良く似合っていて、死すべき運命を告げられた青年の死神たるファム・ファタルそのもの。青年の胸ポケットに入れてあったナイフを取り出して彼の喉を切り裂くときの勝ち誇った強烈な視線はくらくらするほど魅惑的だ。ペッシュはこの作品の青年役としては少々草臥れた感じがするものの、プティ作品を得意とする彼ならではの情熱的でドラマティックな表現は心を打つものだった。特に美女に喉を切り裂かれてから死に至るまでの、エクスタシーを感じながらも、もがき苦しみ死んでいく姿には、彼らしい死への欲望とパッションが込められていた。この日のガラの白眉であったことは間違いないし、彼ら二人は本当にエトワールの称号にふさわしい特別な存在であることを実感。
(だから、Bプロで、ペッシュが腰を痛めたことによりペッシュだけでなくイザベルが出演できなくなったのは、本当に残念だった)


マノンより寝室のパ・ド・ドゥ “L’Histoire de Manon (scene de La Chambre)” MacMillan
振付:マクミラン 音楽:マスネ
ドロテ・ジルベール/マチュー・ガニオ Gilbert / Ganio

「マノン」は今年の5月にオペラ座で久しぶりに再演されることになっており、ドロテもマチューもこの役は初めてのもの。二人とも容姿的には「マノン」という作品にぴったりだろうと期待していたが、上手のテーブルで手紙を書いているマチューの姿が麗しく、このパ・ド・ドゥを観ている時のもっとも幸福な時間であったというのはいささか問題があるのではないだろうか。ドロテは、マノンの魔性の美少女的な、蠱惑的な雰囲気がたっぷりでとても魅力的だったと思うし、この二人を包む甘い空気感は素敵なのだけど、いかんせんマチューのサポートが頼りなくて作品の中に集中できなかった。双方とも、一つ一つのパはきちんと正確に踊っているのに、なぜかちぐはぐで、特にこのパ・ド・ドゥの終わりの方でデ・グリューがマノンをリフトし、マノンの脚がまるでハサミのように上下するところがサポートの失敗でうまくいかなった。本公演で踊る前にパ・ド・ドゥをガラで披露することの難しさを改めて感じた。このペアの持つ甘美さは余人には代えがたいものがあるので、オペラ座での本番までには、スムーズなパ・ド・ドゥを見せて、踊りで物語を語れるようになって欲しいと生意気ながらも思ってしまったのだった。

(話はずれるが、新国立劇場バレエ団で今年予定されている「マノン」も、ファーストキャストの小野さん、福岡さんはそれぞれ素晴らしいダンサーだと思うし「マノン」は雰囲気的にも似合っているだろうと思うけど、福岡さんが決してサポートの達人ではないため、今回のドロテ&マチューを見ていささか不安を感じてしまった)


以上、全体的にかなり辛口なことを書いてしまったが、今回はパリ・オペラ座のダンサーの中でも若手を中心に構成されており、これからのダンサーを見せてくれるということに主眼が置かれていたため、今後に期待できる逸材がたくさんいることはよく見て取れた。そして、イザベル、バンジャマン、ドロテというエトワールは、エトワールならではの突出した芸術性を持っているものだと実感した。ただ、もう一人のエトワールであるマチューが、素晴らしいテクニックと甘く美しい容姿を持っているにもかかわらず、致命的にサポートやパートナーリングが下手なため、踊りで物語を語ることができていないことを非常に残念に思った。

若手については、圧倒的に素晴らしいのがジョシュア・オファルトで、彼は近いうちに必ずやエトワールに昇進するであろうことを確信した。ミリアムも良いのだけど、あともう少しでエトワールの座が届きそうで届かない理由が見えた気がした。最年少のヤニック・ビトンクールはとにかくエレガンスとプロポーションと美貌(少しフレディ・マーキュリーに似ているんだけど!)に恵まれている上、素質も感じられるので今後すごく期待できそう。シャルリーヌはきちんとオペラ座のエレガンスを身につけているので、大化けする可能性も感じられる。フロリアンは若く見えるけどもう30歳なので、伸びしろがなさそうなところが気になる。マチルドは、テクニックはあるのだから、強烈な自己主張をもう少し抑えましょう。その気の強さは彼女の魅力ではあるのだけど、なんとももったいない感じがする。

なんだかんだ言って、やっぱりほぼ同じスクールできっちりと育てられた若いダンサーたちの踊りを観るのは楽しいものであった。この時期に沈みがちな日本を勇気づけてくれようとするペッシュ他オペラ座のダンサーたちの心意気には感じ入るものがあったし、美しいものを見て心が癒されるというのはこういうことだというのも実感した。あとは、せめてボリショイなどほかの公演と重なっていない時期に観たかった!

2012/02/05

新国立劇場バレエ団6月公演「マノン」のキャスト National Ballet of Japan "Manon" casting

バタバタしていてボリショイも「Love From Paris」の感想も全然書けなくて申し訳ありません。

今日は新国立劇場で「こうもり」を楽しみました。ゲストのロバート・テューズリー、ベゴーニャ・カオ、そしてウルリックの吉本さん、ギャルソン&チャルダッシュのマイレン・トレウバエフの踊りはとっても楽しめました。テューズリーは相変わらずスマートで色気あってサポートの素晴らしいヨハン、ベゴーニャ・カオはちょっとアレッサンドラ・フェリに似ている大きな瞳のゴージャスな美女で、均整のとれた女らしいプロポーション、確実なテクニックと絶妙な演技力、プティ作品に必要なニュアンスの付け方も良くてとてもいいバレリーナだと思いました。ボリショイの「スパルタクス」の重厚で男臭い世界とは対極の、軽い作品なので気分転換にはとてもよかったですし、スタイリッシュで洗練されたルイザ・スピナッテリの衣装や美術も素敵でしたが、明日は名古屋まで「スパルタクス」を再び観に行きます(笑)


その新国立劇場バレエ団6月公演「マノン」(ケネス・マクミラン振付)のキャスト速報チラシが配布されており、また新国立劇場のサイトにも掲載されていました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001845.html

6/23(土)4:00 、7/1(日)2:00
マノン:小野絢子
デ・グリュー:福岡雄大
レスコー:菅野英男

6/24(日)2:00 、6/26(火)7:00
マノン:サラ・ウェッブ(ヒューストン・バレエ)
デ・グリュー:コナー・ウォルシュ(ヒューストン・バレエ)
レスコー:芳賀 望

6/30(土)2:00
マノン:本島美和
デ・グリュー:山本隆之
レスコー:福田圭吾

当初決まっていたキャストは小野さん、福岡さん、菅野さんの出演日だけだったのですが、ゲストはヒューストン・バレエから。ヒューストン・バレエはマクミランの「マノン」をレパートリーにしています。ビントレー振付の「アラジン」がヒューストン・バレエで今度上演されるという縁もあってのゲストということだそうです。でも、やはりマクミランを得意としている英国のカンパニーからのゲストが良かったです。どんなダンサーなのか知らないうちにどうこう言うのは良くないと思ってはいるのですが。(YTの映像を見る限りでは、良さそうです)男性ダンサーが逼迫しているロイヤルからは、ゲストは望めないとは思っていましたが、BRBもENBも厳しいんですね。

ヒューストン・バレエのオフィシャルYTチャネルから、コナー・ウォルシュのデ・グリュー(「マノン」)

しかし、小林紀子バレエアカデミーが昨年の「マノン」の上演でロバート・テューズリーをゲストに呼んでいたことを考えるとちょっと弱い印象を受けています。その時にレスコー役を好演した奥村康祐さんがレスコー役にキャスティングされていないのも残念ですし、オープニング・ガラでの「ロミオとジュリエット」を観る限りでは、本島・山本ペアではマクミラン作品は技術的に無理だと思われます。特に山本さんはそろそろ後進に道を譲るべきではないでしょうか。ちゃんとビントレーはダンサーをきちんと評価した上でキャスティングを決めているのでしょうか?本島さんも実力以上に主役にキャストされることが多く、残念です。長田さんか米沢さんで観たかったですね。

レスコー役も芳賀さん、福田さんよりふさわしいダンサーがいると思います。私はファーストキャストの小野さん・福岡さんは外せないとして、余裕があればゲストペアも見るという感じにしようかと考えています。(なお、「白鳥の湖」に関しては全スルーの予定)

すみません、新国立劇場に関しては期待しているだけに、キャスティングに関してはちょっと辛口になってしまいますが、私個人の見解ということで、ご容赦ください。最近、このバレエ団を支えてきたベテランダンサーが退団することが増えており、ファンとして、このカンパニーの将来について、そして日本のバレエ界について、とても不安を感じています。

2012/02/04

第40回ローザンヌ国際コンクールのファイナリスト決定 Finalists of 40th Prix de Lausanne

第40回ローザンヌ国際コンクールの決勝進出者が日本時間の早朝に発表されました。

http://www.prixdelausanne.org/Prix_de_Lausanne_2012_Finalists.pdf

以下が決勝進出者です。日本からは5人が進出しました。

Katherine Higgins, USA Royal Ballet School of Antwerp; Greenwich Ballet Academy, USA
Hannah Bettes, USA Next Generation Ballet Patel Conservatory, Tampa
Alaia Rogers-Maman, USA The Art of Classical Ballet, Pompano Beach, Florida; SLK Ballet, New York;Ellison Ballet, New York
Amari Saotome(早乙女愛毬), Japon  Reiko Yamamoto Ballet School, Ota
Kosue Tashiro(田代梢), Japon  Chikako Tanaka Ballet, Fukuoka
Brooke Ray, Nouvelle Zélande Mt Eden Ballet Academy, Auckland
Thamires Chuvas, Brésil Escola Estadual de Dança Maria Olenewa, Rio de Janeiro
Sonia Vinograd, Espagne Institut del Teatre de Barcelona, Conservatori Professional de Dansa
Daniel Silva, Brésil Vortice Escola de Danças, Uberlandia
Gaspard Caballero Junior, Paraguay nstituto Superior de Bellas Artes, Asuncion
Madoka Sugai(菅井 円加), Japon Sasaki Ballet Academy, Yamato
Ayaka Fujii(藤井彩嘉), Japon Kirov Academy of Ballet, Washington D.C
Mingxuan Wang, Chine Shanghai Dance School
Edson Barbosa, Brésil Grupo Cultural de Dança-Ilha, Rio de Janeiro
Le Wang, Chine Beijing Dance Academy
Calvin Richardson, Australie Victorian College of the Arts Secondary School, Southbank
Eneko Saragosa, Espagne English National Ballet School, London
Ryo Kato(加藤凌), Japon Escola de Dança do Conservatório Nacional, Lisboa
Max Maslen, Grande-Bretagne(英国) Central School of Ballet, London
Nikolaus Tudorin Australie Tanz Akademie Zürich 
Michael Gruenecker Allemagne(ドイツ) Tanz Akademie Zürich

日本人が5人進出して健闘している他、ブラジルと米国から3人というのが目立ったところでしょうか。

今晩行われる決勝の結果はいかに。

Alaia Rogers-Mamanさん出演のビデオブログ

Edson Ferreira Barbosaさん出演のビデオブログ

ボリショイ・バレエ来日記者会見速報その3 Bolshoi Ballet Japan Tour Press Conference

マリーヤ・アラーシュ>(写真右)
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また日本に来ることができたことを嬉しく思っていますし、本当に私は幸せだと思います。日本の観客のみなさんの温かい気持ち、心をいつも感じています。そして同じように私たちも心を込めて私たちのできることでみなさんにお返ししたいと思います。本当に今回の来日は楽しみにしていました。


質疑応答(最初なかなか質問が出なくて、アレクサンドロワが「私にも質問して!」と記者陣に呼びかけていました)

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(マイクを岩田さんから奪うスクヴォルツォフ)

Q.次の世代のグリゴローヴィチと言える振付家はいるのか?

A.フィーリン:2人目、3人目のグリゴローヴィチは生まれないが、次の世代の新しい振付家を私たちは育てようとしています。これは大きな課題であり、世界中のバレエ団の課題でもあります。私たちは、近い将来、若手の演出家による新しい作品を紹介したいと思っています。

Q.グリゴローヴィチに新しい作品を創ってもらいたいと思っていますが、それはあるのでしょうか?それから、アレクサンドロワさんは今度牧阿佐美バレエ団で「ノートルダム・ド・パリ」のエスメラルダ役を踊りますが、プティの作品なども演じていくのでしょうか?

A.アレクサンドロワ:ボリショイはラントマンスキー(元芸術監督)作品のような現代ものと古典とを上演していきます。グリゴローヴィッチは最後のモヒカン族のようなもので、細かいところまで作り上げる人だけど、穴が開きやすい作品でもあるので、ディテールまで丁寧に仕事をすることによって、彼の作品はさらに素晴らしいものになっています。

私はプティの「スペードの女王」を踊る幸運に恵まれ、老婆の役を演じることができて本当によかったと思っています。日本のみなさんの前でも、新作も踊りたいと思っています。

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フィーリン:現代ものの振り付けと古典の振り付けについてお話したいと思います。ご存知のように、サンクトペテルブルクのミハイロフスキー劇場では、ナチョ・ドゥアトが芸術監督として働いています。最近、彼の新作として「眠れる森の美女」が上演されました。彼にとって、全幕のグランド・バレエを振りつけるのは初めてのことでした。ドゥアトはプレミアの後、モスクワの私のところへやってきて、「グリゴローヴィッチへの尊敬の念を今までの100倍持つようになりました」と語っていました。そして、彼のような現代振付家がそのようなことを言っていることで、私のグリゴローヴィチへの尊敬の気持ちも深まりました。

ボリショイの課題としては、これまで披露されてこなかった彼の作品を、新装になった大劇場へと移し替えるということがあります。次のシーズンは「イワン雷帝」が次の大きな目玉となっています。また、今シーズンは「眠れる森の美女」を始め、「くるみ割り人形」を新しいステージへと移し替えました。今後は「白鳥の湖」「ジゼル」も移し替え、「ロミオとジュリエット」も移し替える予定となっています。グリゴローヴィチは今でも朝9時には劇場へとやってきてみんなの手本となっています。彼の責任感の強さを、私たちは見習わなければなりません。

Q.ニクーリナさん、ドミトリチェンコさんにお伺いします。新しい大劇場で踊られた感想を教えてください。

A.ニクーリナ:新しい大劇場は居心地が良いというか踊りやすく、余計な緊張感を感じなくて済みます。私は、改装される前の大劇場でも踊っているのですが、修復される前の居心地の良さが残されていると思います。

ドミトリチェンコ:ピンときた段階でみなさんに報告したいと思います。(一同爆笑)

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(左端:パーヴェル・ドミトリチェンコ。この後の「スパルタクス」タイトルロールの素晴らしい熱演が想像できない、とぼけたいい味を出していました)

Q.岩田さんにとって今シーズンがボリショイで踊る最後のシーズンとなりますが、ボリショイに対する想いを聞かせてください。

A 岩田守弘:ボリショイ劇場は何にも代えられない劇場で、心から大好きです。私にとってバレエ=ボリショイ劇場です。私たちのバレエは決して形式的なものではなく精神的なものです。私以外の団員の体型は美しく、体型を見ているだけでも、思わず見とれてしまうほどです。見た目も美しいけれども、内面的なもの、精神的なものを表現できるのがボリショイの伝統です。本当にここで踊ってきたことを私は誇りに思います。みんなのことをも誇りに思っています。ボリショイは永遠です。

岩田さんからマイクを奪ったスクヴォルツォフ:40年前にフィーリンがボリショイに行った時もモリク(岩田さんの愛称)はここで踊っていました(笑)。僕がボリショイのバレエ学校に入った時から、彼はボリショイで踊っていたんですよ(笑)

フィーリン:本当に岩田さんの幾つかの役は非常に輝かしいものでした。彼は振付家としての新しい道を歩き始めましたが、できるだけ彼を支援していきたいと思います。近い将来岩田さんの作品を日本で紹介したいと思います。


Q.岩田さんへ、日本のファンへのメッセージをお願いします。

岩田守弘:今回は期待して来てください。経験してきたこと、心に溜めていたことをすべて出して、みなさんに観ていただきたいです。何も考えずに心から楽しんでください。

フィーリン:今回、素晴らしいアーティストが揃いました。美しいだけでなく、技術的に素晴らしいのがボリショイ・バレエです。絶対にがっかりさせません!

(完)

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会見はとても和やかな雰囲気で、ボリショイのみなさんの日本に対する愛と芸術に対する真摯な姿勢には心を打たれたました。が、質疑応答の様子を見ていて、日本のジャーナリストがもっと積極的に質問し、鋭い(答えにくいような)質問をしてくれればいいのにって、一ブロガーの分際で生意気ながら思いました。

例えばワシーリエフとオシポワの移籍騒動について、バレエとお金の関係やグローバリズムについて。この直後入団したオブラスツォーワについて。そして、ボリショイの海外ツアーに初めて参加した、アメリカ人初のプリンシパル、デヴィッド・ホールバーグにABTとの違いを誰か聞いて欲しかったです。

この記事で、ホールバーグのインタビューを読むことができます。
First American on the Bolshoi stage (Russia Beyond the Headlines)
http://rbth.ru/articles/2012/02/01/first_american_on_the_bolshoi_stage_14286.html

この中で彼は、ルンキナとも踊りたいと語っています。また、ABTとの違いについて、ABTでは一日6時間ものリハーサルを行なっていて非常に疲れるけれども自分のエネルギーと時間の使い方の管理について学ぶことができたと。ボリショイでは非常に集中した2時間でリハーサルを行うので、それはそれで一日の残りを休息にあてなければならないほど疲れるとのことです。

2012/02/02

ボリショイ・バレエ来日記者会見速報その2 Bolshoi Ballet Japan Tour Press Conference

ボリショイ・バレエ来日記者会見の続きです。

ダンサーからの一言コメント

<ルスラン・スクヴォルツォフ>

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マーシャ(アレクサンドロワ)が言っていたように、私は日本の悲劇はいつも気にかけており、公演が実現できるのか、みんな心配していました。今回は特別の心の準備をしてまいりました。ロシアのテレビの報道を通じて日本の様子を知ることができていたので、昨年6月に岩田さんと公演のために来日して、直接日本の様子を知ることができました。大きな震災に見舞われながらも前向きで目をキラキラさせていた日本の人々に、逆に勇気をもらいました。

<エカテリーナ・シプーリナ>

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日本に来ることは、まるで家に帰ってくるような、ホームタウンに帰ってくるような気持ちになります。スケジュールが忙しい中でも、とても居心地のよい国です。心を込めて踊りたいと思います。

<アレクサンドル・ヴォルチコフ>

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日本人のバレエ芸術に対する愛情には心打たれます。また、日本のみなさんの心の強さにも心を打たれます。日本人の持つ真の愛、心の文化は素晴らしいと思います。大震災は世界中に大きな衝撃を与えたけど、世界のみんなが日本のみなさんに学ぶことは大きいでしょう。私たちは、日本のみなさんと心をひとつにしています。この公演を、世界中のみなさんと日本のみなさんの心がひとつであることを知らせる機会にしたいと思います。

<岩田守弘>

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今回、日本の大震災があって、その後にボリショイがやってくるということには大きな意味があります。ロシアでは、日本人が思っている以上に放射能のことは怖がられています。しかし、日本が大好きで、日本で踊りたいというダンサーたちがこうして来日しました。ボリショイで踊ることは大変名誉なことだと思っています。このメンバーの中で一番私が年上ですが、後輩たちがボリショイの伝統を心から尊敬して、本物のロシアのクラシックバレエを身につけて、誇りに思って来日しました。日本のみなさんの前で精一杯のものを見せて、最高のクラシックバレエを見せたいと思います。

<アンナ・ニクーリナ>

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今回私は3回目の来日となります。日本では人々の温かい気持ちに心打たれています。今回は主役を踊らせてもらえるので、大きな責任感を感じています。(ニクーリナは1月20日にリーディングソリストに昇格)

<セルゲイ・フィーリン、グリゴローヴィチを語る>

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グリゴローヴィチはボリショイバレエそのもの、歴史そのものです。普段は柔らかいけど仕事においては厳しい人です。彼の仕事を通して多くのスターが生まれ、そしてその歴史は繋がっており、どんどん新しいスターが出てきています。大きな道をバレエ芸術に作ってくれる人だと思います。彼は85歳ですが元気でいて、毎日のように劇場に足を運ばれ、指導をしており、今も大切なリーダーの一人です。

残念ながらグリゴローヴィチは風邪をひいたため来日はできませんでしたが。今回出演するソリストやスターたちは、グリゴローヴィチに対する温かい言葉をいつも述べています。それは、踊り手に対するあったかい気持ちが反映されているものです。彼は明るく面白い人で、稀有な存在としてオーガナイザーとして手腕を振るっており、私たちはできるだけ彼に長く活躍して欲しいと思っています。彼に学ぶことはまだまだ多いのです。

今回上演される3作品はまさに彼の傑作の真髄です。これからもたくさん仕事をしていただけるように、力を注いでいきたいと思います。

(質疑応答に続く)

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エフゲーニャ・オブラスツォーワがボリショイ・バレエにプリンシパルとして入団 Evgenia Obraztsova Joins Bolshoi Ballet

ただいまボリショイ・バレエの来日公演真っ最中で、私も「スパルタクス」の初日と二日目を観てまいりました。本当に両日とも素晴らしい公演で、ボリショイがいかにものすごいカンパニーなのかを思い知らされました。ボリショイ管弦楽団の演奏もロシア魂発揮で凄い!「スパルタクス」あと1日ありますが、まだの方、迷ってる方は是非明日は上野へ!絶対に後悔しないはずです。

記者会見の続きと公演の感想を書かなくてはならないのですが、その前に速報が飛び込んできました。マリインスキー・バレエの団員一覧から名前が消えたエフゲーニャ・オブラスツォーワのボリショイ・バレエへの移籍です。

(ちなみに、キエフ・バレエの芸術監督に就任したデニス・マトヴィエンコの名前も消えています)、

エフゲーニャ・オブラスツォーワのNBAバレエ団の「アレキナーダ」のゲスト出演も、「他バレエ団移籍のため」キャンセルとなっていたため、どこへ移籍するのかが話題となっていました。中でも、ゲストプリンシパルとして登録されているボリショイが有力だったのですが、実際にボリショイに入団したようです。

ボリショイ・バレエオフィシャルサイト
http://www.bolshoi.ru/en/persons/ballet/


このプリンシパル一覧のところに、Evgenia Obraztsovaと名前があります。マリインスキーではファーストソリストだったのに、いきなりプリンシパルなんですね。

ロシア語版にはプロフィールも掲載
http://www.bolshoi.ru/persons/ballet/899/

ロシア語によるプレスリリース
http://www.bolshoi.ru/about/press/articles/2012/2095/


2月8日には、エフゲーニャ・オブラスツォーワはボリショイで「ラ・シルフィード」のタイトルロールを踊る予定となっています。


ちなみに、来日記者会見では明らかにされていましたが、1月20日付で、今回の来日公演、「スパルタクス」ほかで大活躍のパーヴェル・ドミトリチェンコ(彼のスパルタクス、すごくよかったです!)がソリストからファーストソリスト、アンナ・ニクーリナがファースト・ソリストからリーディング・ソリストへ、そしてドミトリー・ザグレービンがアーティストからソリストへ昇進しています。

http://www.bolshoi.ru/en/

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