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2011/12/15

12/9 パリ・オペラ座バレエ「オネーギン」 Ballet de L'Opera "Oneguine"

18th Presentation

http://www.operadeparis.fr/en/Saison_2011_2012/Ballets/Oneguine/detail/

Piotr Ilyitch Tchaikovski Music
Kurt-Heinz Stolze Arrangements and orchestration
John Cranko Choreography and staging
Jürgen Rose Sets and costumes
Steen Bjarke Lighting

EUGENE ONEGUINE Evan McKie
LENSKI Josua Hoffalt
TATJANA Aurélie Dupont
OLGA Myriam Ould Braham
PRINCE GREMINE Karl Paquette

Etoiles, Premiers Danseurs and Corps de Ballet
Orchestre Colonne
James Tuggle Conductor

パリの観客がエヴァンに恋をした、そんな瞬間を目撃することができた。オーレリー・デュポンとエヴァン・マッキーは、パリ・オペラ座、ガルニエにて一大センセーションを起こしたのだ。歴史に一ページを刻むような、輝かしいエヴァンのパリ初登場となった。

Financial Timesのレビュー
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/eb6bff36-2574-11e1-9c76-00144feabdc0.html

12月1日の「サンドリヨン」(シンデレラ)の公演途中で怪我をしたニコラ・ル=リッシュが初日を含めて全日程を降板。翌日、シュツットガルト・バレエのエヴァン・マッキーが着の身着のままで、「オネーギン」の衣装が入ったスーツケースひとつだけを持った代役としてパリ入り。(このあたりのいきさつについては、シュツットガルト・バレエのオフィシャルサイトのE-mail aus Parisにて、エヴァン本人が説明)ゲスト・ダンサーが急遽初日のタイトルロールを踊るという、オペラ座では異例の事態となった。そして、わずか1週間後、「オネーギン」は初日を迎えた。偶然にも、この「オネーギン」の初日を観るつもりでチケットを取っていたので、ニコラのファンには申し訳ないのだけど、どきどきを抑えられないパリ入りとなった。

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都会から来た男オネーギンは、田舎町にやってきて周囲から浮いている存在であるというわけだが、オペラ座の中にあってストレンジャーであるエヴァンのオネーギンもまた、くっきりと浮かび上がる強烈な存在感を放っていた。スリムな190cmの長身を、同じユルゲン・ローゼデザインではあるがオペラ座の革製のとは違う黒い衣装に包み、エレガントなたたずまいの中にただならぬ威圧感で周囲を圧倒していた。レンスキー役がやはり長身のジョシュア・オファルトだったのだが、そのジョシュアよりも相当大きいのだ。オネーギン役って実はソロがほとんどなくて、1幕でタチヤーナに出会うところでソロがひとつあるだけなのだが、このソロでオネーギンの人となりが表現されている。美しく魅力的だが、自分自身にしか関心のない空虚な男。エヴァンがこのソロを踊るとそれはもう耽美的で、アラベスクの脚も完璧なアンドゥオールですごく高く上がるしつま先も美しいし、ゆっくりとしたピルエットも正確で、なによりやはりあの大きな手とポール・ド・ブラの美しさ、優美な上半身と長い脚。その身体が表現するナルシスティックさと都会の男の洗練されたダンディズムが、空想の中だけで生きてきた少女タチヤーナにはたまらなく魅力的に映ったのだろう。

タチヤーナ役のオーレリー・デュポンは、よく観るとやっぱり上半身がちょっとたくましいのだけど、地味に生きてきた少女の割にはものすごく美しい。とてもイノセントで初心で、自分の美しさにまだ気がついていない、開きかけの蕾のような女の子。原作ではタチヤーナは美女ではないって書いてあったと思うのだが、でもやはり3幕で見せる圧倒的な華の萌芽があったほうが説得力があるというものだ。そしてオーレリーは、なにより演技がうまい。容姿の面でも、演技の面でもこのふたりはとてもいい組み合わせになっており、そしてわずか1週間という短期間の間でコミュニケーションが行き届いていて、特に演劇性の面では息がぴったりだった。演技のテンションが近いというか、お互いの感情のリズムが合っていて、二人の気持ちのやり取りが手に取るように判る。幕の前で愛想よくスマートに人々と対応するオネーギンの眼にはタチヤーナなど眼中になく、一方タチヤーナは彼のそばから離れがたくパ・ド・ブレで彼の姿を追いながら名残惜しそうに下がっていく。

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寝室のパ・ド・ドゥでは、オネーギンのことで頭がいっぱいの少女タチヤーナを演じるオーレリーが愛らしい。ベッドの支柱にもたれかかる時の夢見るような瞳。乳母役がすごくコメディ演技が上手な人で、本当にタチヤーナが寝たかどうか大げさに振り返ってみると、あわてて寝たふりをするオーレリーも可愛くて。

鏡の中からオネーギンが登場。すらりとした長身が鏡に映ったタチヤーナの首筋にキスをするしぐさがセクシーだ。先ほどの傲慢で自己愛の強いオネーギンとは思えないほどの甘く優しく、でもどこか官能的なエヴァンのオネーギンは、タチヤーナに囁きかけるときの吐息も聞こえてきそうだ。それに反応するタチヤーナのオーレリーも、初めての恋に胸を高鳴らせる乙女そのものであり、きらきらと輝いていた。初日のこの日は、ガルニエの傾斜のある舞台にまだエヴァンが慣れていないのかなと思わせるところがなきにしもあらずで、タチヤーナを振り回すリフトでタチヤーナの空中回転をする角度がすごく高くて一瞬どきっとした。高々と彼女を持ち上げるところでは、リフトそのものはとてもスムーズで危なげないものの、顔の表情が少し真剣になっていると感じた。だけど、その点を除けばパートナーリングも見事なもので、タチヤーナを見つめたり、頬を寄せる表情の陶酔感にはクラクラしたし、次第に奔放さを増していくタチヤーナの動きは自然で、オーレリーの目線の使い方が絶妙で、本当に恋心が高まっていく様子が手に取るように伝わってきた。オーレリーはプロポーションやラインに特別恵まれたバレリーナではないけれども、確実なテクニックを持っているし、演技においてもこのパートナーシップによって開眼したのではないかと思えるほど。何か特別の化学反応がこのペアには働いているようだった。タチヤーナを残し、颯爽と去っていくオネーギン。しばらく床に横たわった後、手紙の続きをはやる気持ちで書きあげて、夢の余韻を全身で感じていたオーレリーのタチヤーナは、晴れがましく幸せそのものだった。こんなに幸せに満ちたタチヤーナの姿を観ることができるのはこの場面だけというのが、「オネーギン」という作品の切ないところである。

2幕のタチヤーナの名前の日の祝いの席に到着したオネーギンは、登場するところから退屈しきっていて、いきなり欠伸をする。老人と田舎者ばかりでフォークダンスなんか踊っているこんなパーティには洗練された都会人の自分は似つかわしくない、と型どおりにタチヤーナの相手をした後は上手のテーブルで一人トランプに興じる。私の手紙、読んでいただけたかしらとタチヤーナに聞かれると突き返し、泣かれてしまうとオネーギンの苛立ちが高まってしまいには彼女の手の上でびりびりに破いてしまう。それはオネーギンにとっては、残酷さというよりは、小さな女の子に、君みたいな娘がこんな男に惚れるものではないんだよ、と諭そうとしていたわけで、彼女を深く傷つける意図はなかったのだろう。だけど、あまりのことにそのまましばらく立ちすくみ、ひらひらと手紙の破片が滑り落ちるのを見つめてから立ち去るタチヤーナ。かすかな罪悪感を抱きながらもトランプのテーブルで再びオネーギンはトランプ遊びに興じる。この時の宴をよそにそっぽを向いてトランプ遊びをするオネーギンの姿がエレガントで頽廃的で、すべてに飽き飽きした男のどこか間違ってしまった、でも限りないロマンティシズムを感じさせてたまらない。

踊りに少し参加した後、再びトランプ遊びに戻ろうとして手袋をはめかけたオネーギンは、はしゃぐオルガとレンスキーの様子を見てある邪心が芽生える。手袋を脱ぎ、レンスキーと踊ろうとしたオルガの手を半ば強引にとってトランプ遊びに参加させるのだ。エヴァンの、このオルガの手の取り方がすごく誘惑的、魅力的で誰がこんな風に手を取られても抗えないと思うのだが、とりわけ、ミリアム・ウルド=ブラムの演じているオルガが、可愛くてとても尻軽な女の子として演じられていたものだから悲劇の幕が切って落とされてしまった。この強引にオルガの手を取るオネーギン、という図式が2回目も行われてしまい、さらに親しげに視線を交わしながら二人が楽しげに踊り、さらにはオルガの両頬にオネーギンの手が触れるなんてことがあってしまったものだから。しかもこの時のオネーギン=エヴァンの表情が誘惑者、美しい悪魔そのもので、心底ゲームを楽しんでしまっていたように見えたから、レンスキーとしてはたまらない。オルガにとっては、純粋だけど未熟なレンスキーよりも、スマートでどこか倦怠感を感じさせるオネーギンの方が一瞬魅力的に映ってしまったのは当然のことなのだが。怒りを爆発させたレンスキーはすかさず決闘をオネーギンに申し入れる。

死神のように幕の前に現れるオネーギンは、冷たい銃の感覚を手で確かめながら、今までの傲慢さを振り捨てたかのように歩み出る。どうしてこんなことになってしまったのか・・・。そしてレンスキーのソロ。1幕ではキレが良くて空中に浮かぶように軽やかな、恋人たちの囁きのような素晴らしいパ・ド・ドゥを踊っていたジョシュア・オファルト演じるレンスキーが、決闘を前にして自分の死すべき運命を嘆くような月光のソロだ。ジョシュアのアラベスクはのびやかで美しく、音楽によく寄り添い情感がこもっていて墜ちる前の星の煌きを思わせ胸を打った。4番ピルエットの着地がきれいに決まらなかったことだけが残念。親友同士であったオネーギンとレンスキーが向かい合い、こんなことはやめようと言うオネーギンに対して、彼の頬を再び張るレンスキー。レンスキーの態度に対し、猛スピードの3連続ピルエットで怒りを露わにするオネーギン。初日のこの日は、ピルエットの後で膝を叩く音はさせていなかった。決闘で崩れ落ちるレンスキー。嘆き悲しむタチヤーナとオルガの姉妹。沈痛な様子で彼女たちの前に歩み出たオネーギンへ、オーレリーのタチヤーナは強く厳しい視線を向ける。夢見る少女から、大人の女性へと悲しい成長を遂げた瞬間であった。自分の行ったことの罪深さに気が付いたオネーギンは、自分の手を、まるでレンスキーの血に塗れているかのように見つめ、そしてその手で顔を覆い身体を折り曲げて大きく嗚咽する・・・。エヴァンの大きくて美しい手には、本当にレンスキーの血がついているかのようで、このオネーギンの嘆きが彼女たちの慟哭よりも悲しく思えた。

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3幕の舞踏会。ここは「E.O」のロゴが刻印された紗幕の向こうで、整然と並んだ貴族たちの姿に思わずうっとりして、拍手が起きるところである。ところが、ほぼ同時にバスティーユで「サンドリヨン」を上演しているためか、群舞の容姿レベルが前回の「オネーギン」上演時より少し下がってしまった感がした。それでも、ユルゲン・ローゼによる豪華で気品のある衣装や舞台装置は華麗で惹きつけられる。2幕で登場した時にもとっても素敵だった、カール・パケット演じるグレーミンは、ここでは白髪交じりでとても穏やかで優しそう。そしてグレーミン公爵夫人となったオーレリーのタチヤーナは、眉とアイメイクをくっきりと描いて、まさに眩いばかりの華やかな、しかし落ち着いた美しさにあふれていた。一方、グレーミン公爵家に久しぶりに現れたオネーギンは、以前のような圧倒的な威圧感もなければナルシズムもない、しかしながら少しばかりうなだれたように椅子に腰かけた姿には、やつれた分かえってやさぐれた色気が漂っていた。貴婦人タチヤーナの美しい変貌ぶりに驚くオネーギン。幻影のシーンで一人、また一人と現れる女性たち。彼女たちを優雅に追いかけながらも、結局どの女性にも想いを寄せることなく、タチヤーナを忘れることができないオネーギン。グレーミンにタチヤーナを紹介され、去り際に彼女が見せた一瞥に心奪われ、狂気にも似た混乱状態に陥ったオネーギンは、舞踏会の喧騒の中に紛れながらも、思わず彼女の姿を追うのだった。

クライマックスの手紙のパ・ド・ドゥ。オネーギンからの手紙を手にしたタチヤーナは、激しく動揺して寝室を動き回る。グレーミンとおやすみ前の抱擁を交わしたのち、オネーギンが駆け込んでくる。ここから繰り広げられる激情と煩悶と苦悩のドラマの凄まじいことといったら。オーレリー・デュポンというバレリーナは、ゴージャスで美しいし正確なテクニックを持っているけれども、極めて理性的で頭で考えて演技をするという印象が強かった。ところが、彼女はこのパ・ド・ドゥで大きな変貌を遂げたのである。この人の求愛に応えてはいけないと理解しながらも、オネーギンの心から絞り出すような懇願に少しずつタチヤーナの心が揺れ動き、解けていき、苦悶しながらも彼の気持ちを受け入れ始め、ついには一瞬燃え上がった炎のように二人の心は一つになった。タチヤーナはまるでオネーギンの腕の中に飛び込んでいるかのように昂った熱情を見せた。こんなオーレリーの姿を、今までの彼女の演技から観られるとは思わなかった。このパ・ド・ドゥの間、オーレリーもエヴァンも自分たちの殻を破り捨て、オネーギンとタチヤーナという血の通った二人の人物そのものになりきって、自分自身を見失うほどの激しすぎる感情をぶつけ合って、同じ呼吸で生きて溶け合っていたのだ。わずかなリハーサル時間で生み出されたこれほどまでにのパートナーシップは、一つの奇跡と言ってもいい。「鏡のパ・ド・ドゥ」での奔放な少女としてのタチヤーナと同じ気持ち、だけど重ねた年月の経過とともに成熟した女性としての官能性と長年の秘めた想いも加わってオーレリーの中で炸裂し、エヴァンは人生最後の願いとして絶望的な愛をぶつけて、この二人のテンションは同じ温度まで上昇していた。しかしながら、あまりの気持ちの高まりで、自分自身が崩壊してしまうのではないかという思いがタチヤーナの脳裏をかすめ、オネーギンを激しく愛しながらも、迷いを振り捨てるように彼女は彼の手紙を破り捨て、永遠に立ち去るように命令する。タチヤーナのドレスにすがりつき、最後の願いを込めてドレスから手を放しがたくしていたオネーギンが走り去った後、タチヤーナはふらふらと彼を追いかける。果たしてこの結末が本当に良かったのか、彼を立ち去らせたことを一生後悔し続けて生きるのではないかと思わせるような、哀しく痛切な慟哭で涙を流し続けるオーレリーの姿で、幕。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

パリ・オペラ座バレエ」カテゴリの記事

コメント

バレエのオネーギンを見たことがないので、これまでのnaomiさんの鑑賞記で予習しておこうと思ったのですが、パリオペラ座公演もごらんになっていたんですね!
オランダでキエフ・バレエのカルメンTVとオランダ国立バレエのくるみ割り人形を見て、いまパリに向かっているところです。明日の晩のニコラが目当てだったのですが、怪我で降板していたのですね。当日に行ってから知るよりもショックが少なくて良かったかな。

24601さん、こんにちは。

このレスを読まれるころには、公演をご覧になった後でしょうか。ニコラ目当てで当日降板を知るとショックでしょうが、でもエヴァンのオネーギンには満足していただけたはずだと思います。いかがでしたか?私も19日の公演は観ることができなくて残念でしたが、本当に今回オーレリーとエヴァンのオネーギンを観ることができて良かったと思います。オランダ国立のくるみはいかがでしたか?

ちょうどこれから初オネーギンを見に行くところです!二度目はカール君で金曜日に。オランダ国立のくるみの話は後日に!

かぶりつきで堪能してきました!上演時間は短いけれど、かなり濃厚ですね。エヴァンは一人だけのゲスト出演ということで、役柄としてもルックス的にもかえってニコラより良かったと思っています。オネーギンだけが紗幕の前に姿を現すと言うこともあり、エヴァンの背の高さが際だちますね。一幕目はリフトも多くて、急な代役は大変だっただろうにと思いました。オルガとレンスキーに続き、タチヤーナとオネーギンが普通に二人で踊り出したときには一瞬、まさかと思いましたが、やはり自己中なソロに変わるんですね。人好きのするレンスキーと、他人を見下した感じのするオネーギンが姉妹に出会うという物語はまるで「高慢と偏見」のロシア悲劇版と改めて思いました。舞台の奥行きをたっぷりと使った振り付けも演劇的で面白かったです。
二幕目からグレーミン公爵が登場するとあとの驚きが減ってしまうと思いますが、原作ではどうだったでしょう。決闘の後の後悔する姿にはちょっと違和感を覚えました。そして三幕目の老け姿でタチヤーナを追いかける姿はあまりにも情けない!これが原作のように6年後とかの話であれば、まだわかるけれど。これは怠惰な暮らしが人一倍老けさせてしまったのだと思うことにします。個人的には初恋の人が老けた姿で今さら媚びへつらって来たところで、きっぱり断っておしまいだと思うのですが。昨晩見たモリエールの芝居には「男にとって人妻とはポタージュみたいなもので、どうしたって他人のスープに指をつっこみたくなる」という台詞がありましたけど。
幕が下りた後、カーテンの後ろからも無事に主演を終えた二人への拍手が聞こえてきました。ジョシュアとオーレリのサンドリヨンが楽しみです。ジョシュアはバランスがダメなんでしょうか。

実は今回チケットを取る際に、シュツットガルトのマラインの「白鳥の湖」と悩んだ末、電車1本でパリに出られるアムステルダムのオランダ国立バレエの「くるみ割り人形」を見ることにしたのでした。
オランダでは「くるみ割り人形」はあまりポピュラーではないそうです。そのためにクリスマスシーズンはくるみ割りという国が多いのだと宣伝し、オランダテイストでちょっと変わった作りでした。大雑把な感想としては、コンセプトは面白かったけれど振りがイマイチ。もう少しコールドには揃っていてもらいたいし、ソリストにはきっちりポーズを決めてしっかりアピールして欲しい!確か今月30日の公演が映画館で上映されることになっていると思います。もしかしたらそのまま映像化されるかも?
思いつくままに、どんな感じかというと、
・クララはアムステルダムに住んでいる設定で、運河でスケートする人々の情景がある
・クララ役は途中から大人のダンサーに入れ替わり、最後は少女に戻る
・ドッセルマイヤーは若い甥を連れてパーティーに参加し、彼は事あるごとにクララに尽くすナイトのような存在
・1幕でネズミたちは退治されず、負傷したくるみ割りは人形のベッドで王子(ドッセルマイヤーの甥)となる
・2幕でも王子はくるみ割りの姿に戻ることがある
・各国の踊りで、アラビアで捕虜になっている弟(ここでは大人のダンサー)やロシアも両親に出会う(ヌレエフ版みたいな感じ)
・最後にすべての子供たち全員が寝間着姿で夜の運河沿い出て、ドッセルマイヤーと甥の姿を見送る
まだまだ「くるみ割り人形」は様々な版を作れそうですね。カナダ国立バレエの「くるみ割り人形」も一度見てみたいのですが、なかなか機会が。

24601さん、こんにちは。

たくさん書き込んでいただいたのに、お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。初めてのオネーギン、堪能されたようで良かったです。しかも作品の本場シュツットガルト・バレエのダンサーでご覧になれてよかったのではと思います。「高慢と偏見」のロシア版という発想は私にはなかったのですが言い得て妙ですね。確かにオネーギン=ミスター・ダーシーと読み替えると面白いです。すらりと背が高く黒ずくめの姿で現れるエヴァンは、いかにもよそ者というか、別の世界の人間だというのが良く伝わってきますよね。

原作では、タチヤーナの名前の日にグレーミンが登場するということはなかったと思います。オネーギンに振られてからグレーミンと出会う設定だったはずで。そしてタチヤーナの手紙をオネーギンが破るということもなく、彼は彼女の手紙を取ってあったはずです。

オネーギンの3幕での年齢設定(原作では26歳)については以前エヴァンに聞いたのですが、クランコが白髪に髭で時間の経過を示すようにと指定しているそうです(でも、私が観たペッシュも、また前回のオペラ座でのモローも髭はつけていなかったと思います。シュツットガルトではつけることになっているとのことですが)。ただし、老け込んでいるということではなくまだ魅力の残っている男性として考えているそうです。オネーギン役のダンサーによっては、もはや老人のようにしか見えない人もいましたからね。(ヨハン・コボーなどはホント70代ですか?って感じでした)
おっしゃる通り、「オネーギン」というバレエの弱点として、結婚して幸せになったはずの女性が、実際の年齢より老け込んでしまった過去の人がすがりついてくる姿に心を揺らすかどうかということが、説得力が薄いということがあるですよね。原作だとはっきりと、タチヤーナの結婚生活は実はそれほど幸せなものでも夢見ていたものでもないというのが伝わってきて、だからこそ、とても切ない話になっているわけですが。

モリエールといえば、プティ・パレでのコメディ・フランセーズの展覧会はご覧になったでしょうか?なかなか面白かったですがフランス語が分からないので、フランス人の友達に解説をしてもらいながら観ました。そういうわけで、フランスでの演劇鑑賞は私には無理です(笑)

24601さん、こんにちは。

オランダ国立バレエのくるみ割り人形の解説もありがとうございます。これはウェイン・イーグリングの振付によるものなのですね。ちょっと変わった設定のくるみというのもたまには良さそうです。しかもオランダテイストが入っているというのは興味深いです。マラインも一日だけ踊りますしね。サイトを見てみたら、チケットはほとんど売り切れていますね。(去年のこの時期は「眠れる森の美女」を上演していましたがこちらも良く売れていました)
実はパリからシュツットガルトまでも、電車で一本で行けるんですよ。TGVで3時間半くらいなのでそんなに遠くないです。私はいつもエールフランスを利用しているのですが、AFのドゴールーシュツットガルト便も一日に何本も飛んでいますし。シュツットガルトはクリスマスマーケットを開催していましたし、南ドイツにしてはけっこう暖かかったので短い滞在でしたが楽しめました。

昨年のこの時期はお天気が悪かったせいかパリの街の中はそんなに混み合っていなかったと思うのですが、今年は人出の多さに圧倒されています。それなのにコンピエーニュ城とマルメゾンで連携して行っているナポレオン関連の企画展も、ヴァンセンヌ城にも、ほとんど人気がありませんでした。ちょっと遠出するだけで、まったく違うんですね。コメディ・フランセーズ展には今日行ってきました。劇場でいつも会えるモリエールの像もプティパレに来ていたんですね。
シュツットガルトにも電車一本で行けるのですね!最近はセキュリティーがとても面倒なので、EU圏内の電車の旅であれば是非とも次回はチャレンジしてみたいと思います。
オランダ国立バレエのくるみのチケットは11月のはじめに買ったのですが、劇場引き取りのはずがすぐに郵送してきました。初日の木曜日の他に週末にも見たかったのですが、年内のパリオペラ座のオペラ公演ががその土曜日までだったので諦めたのです。パリオペラ座がオペラの「チェネレントラ」とバレエの「サンドリヨン」というシンデレラ物を同時にやるのであれば、やはり両方とも見たいなあと思って。これから「サンドリヨン」を見に行ってきます。

オーレリーとジョシュアの「サンドリヨン」と思って見に行ったのですが、席についてキャストを見たらエミリー・コッゼットとカール・パケットでした。二人とも好きなダンサーなのですが、連日の主演だったっということですよね。明日の「オネーギン」はカールから変更があっても仕方がないなと思っています。19日と同じキャストってことはないんでしょうけど。
12月の下旬に入ってバレエ公演のみというハードなスケジュールなので、みなさん、かなり疲れがでてきているのではないでしょうか。降板した二人は26日の公演からは出るようなので怪我ではなく、「オネーギン」を終えてから3日間での切り替えは無理だったのかなあと憶測しています。

私のパリとドイツ行きも近づいて参りました。
オネーギンを28日と29日に観に行くのですが、ダンサーの皆さんが疲れてケガしないか、心配です。
パケットは重宝されてる分、特に。

24601さんへ
パリとシュツッツガルトは本当にTGVを使うと便利ですよ。私は今年のGWにシュツッツガルトからパリ、今回は逆方向に移動するためにTGVを使います。早割運賃を使うと2等の片道で39ユーロと安いですしね。それぞれの空港から街中までのアクセスやセキュリティチェックまで考えると、おすすめします。

24601さん、こんばんは。

私の友人でも今パリに行っている人がいるのですが、やはりものすごい人出のようです。私の時は天気が悪くてすごく寒かったこともあり、それほどでもなかった気がするのですが。(そもそもあまり観光もしなかったし)
私が今年のお正月にアムステルダムに行ったときにも郵送されてきた気がしますが、すでにうろ覚え状態です。くるみのチケットは完全に売り切れたようですね。
そして、私のパリ滞在最終日は「運命の力」の最終日でもあったのですが、ためしにバスティーユのボックスオフィスに行ったら、開演1時間前でも当日の戻り券待ちの列が凄かったです。私は基本的にはオペラにはあまり行かないので観るつもりはなく、本当はシャイヨ宮のフォーサイスカンパニーが観たかったのですがちょっと疲れてしまっていきませんでした。

そして「サンドリヨン」ですが、ジョシュアは26日の公演も降板するようなので(代役はマニュネ)、心配です。オネーギンで連日レンスキー役でこき使われてしまったのでしょうか。大晦日にはなんとかしてジョシュアに映画スター役を務めてもらってエトワール昇進を果たしてほしいものです。

さえさん、こんばんは。

そうなんです、例年この時期は連日2つの劇場でバレエ公演が行われており、カールはオネーギンとサンドリヨンで各2役ずつ演じているので、特に負担が大きいようですね。ジョシュアやマニュネも両演目に出演しているし。このままではダンサー生命を縮めることになりかねない、ととても心配になります。

ホテルのインターネットに滞在中の最初と最後が接続できなかったのですが、たまたま帰国日24日のマチネ公演の「オネーギン」のチケットが出ていたので二度目の公演を見る前に、追加購入してしまいました。
その二度目の公演の23日のオネーギンは21日、22日の「サンドリヨン」に続き、予定通りのカールの出演でした!ロイヤルバレエとかでは考えられない連続出演ですよね。日本人から見るとブロンドというだけでミステリアスな雰囲気があり、タチヤーナが惹かれるのもよくわかるし。バルコンの席だったので舞台全体が良く見渡せてよかったです。
24日のマチネのベンジャマンは古い無声映画を見ているような雰囲気で、ほとんど無表情なのだけれど怪奇映画と思ったら一部コメディーみたいにも見えてしまい、ちょっと役柄のイメージとは合いませんでした。
レンスキー役はオネーギンと対照的な配役で、三人ともとっても魅力的な好青年ぶり。そんな素敵な彼がいながら「ノン!ノン!ノン!」といってオネーギンと踊ってしまうオルガがすべて悪い!でも一幕でレンスキーにオルガを紹介されたとき、オネーギンは「なんて美しい人だ」と惹かれていたんですよね。
なんとジョシュアは19日まで「オネーギン」の全公演に出演していたんですね。19日の公演の片足でバランスを取ってポーズを決めるところがすべてぐらついていたので「あらら」と思ったのです。「サンドリヨン」の映画スターでエトワールに昇進できると良いですね。

24601さん、こんばんは。

無事帰国されたころでしょうか。カール・パケットのオネーギンについては周りでも観た人がいなくてダンソマニにも感想があまりアップされていないので、貴重なご感想をありがとうございます。まさかの3日連続出演、しかも違う演目ではと本当に彼はスーパーマンなんですね。なんとなくカールは人が好さそうなイメージがあるのでオネーギンはどうなんだろうと思っていたのですが、素敵だったんですね。バンジャマン・ペッシュのオネーギンは、私はその日オペラグラスを忘れてしまって細かく見ていなかったのです。が、彼なりに一生懸命この役に取り組んでいて、おフランスなダンディで熱いオネーギンだったと思いますが、いかんせん相手役のオスタが酷すぎてお話になりませんでした。

レンスキーについては、私も細かくキャスト変更を追っていないのですが、フロリアン・マニュネ、ファビアン・レヴィヨンといったあたりだったのでしょうか。冒頭オルガを紹介されたオネーギンが「美しい」とマイムをするところは、私自身は社交辞令かな、という印象があったのですが(たしか原作では、オネーギンはタチヤーナの方が好ましいという印象を受けたと書いてあったと思います)、とにかくオルガの尻軽さがこの悲劇を招いたのは間違いありませんね。

無事に帰国して、すっかり時差ぼけです。クリスマスイブの空港はお店が全部閉まっていて真っ暗と聞いていましたが、ごく一部のお店は閉まっていたもののそんなことはありませんでした。でも店員さんが少ないようで、話を聞いたところ、飲食店を含め、通常より早じまいだとのことでした。

結局3回見てしまった「オネーギン」の配役は次の通りです。
1回目:エヴァン・マッキー、ジョシュア・オファルト、オーレリー・デュポン
2回目:カール・パケット、オードリック・ベザール、ドロテ・ジルベール
3回目:ベンジャマン・ペッシュ、ファビアン・レヴィヨン、クレールマリ・オスタ
なにしろ初めて見る作品だったので、最初のキャストにすっかり刷り込みされてしまった感じです。そもそもはニコラとオーレリー目当てでしたが、エヴァンのオネーギンを見られて幸せでした。カールは本当に人の良いお兄ちゃんみたいな雰囲気がありますが「くるみ割り人形」のアラビアがとても魅力的だったこともあり、役柄には合うだろうなと思っていたのです。ミステリアスな雰囲気、冷酷さ、そしてちょっぴり宇宙人ぽいところもあって、とても良かったと思います。オードリックのレンスキーは黒髪の長身で、カールのオネーギンと対照的なところが配役の上手さですね。オネーギン役も合いそうなので、今後の成長を見守りたいなと。ファビアンのレンスキーは若さあふれる好青年ぶりと、オルガに振り回される困惑ぶりが可愛かったです。

今回、バレエ学校の低学年のクラスの発表も見ました。マイムや歌唱(フランス語の「ドレミの歌」や「枯葉」など)もあり、面白かったです。
ルーブル美術館までフェルメールの「レースメーカー」を見に行ったら、貸し出し中でがっかり。小さくて運搬しやすいのか、貸し出し中確率が高いような気がします。その辺りで模写をしている人が3人ほどいましたが、(噛みつかれることがあるので)近寄らない方が無難です。

24601さん、こんにちは。

効率よく3キャストをご覧になることができたのですね。しかもレンスキー役も毎回違っていたとはラッキーでしたね。(私の時は4回全部ジョシュア・オファルトで、彼はとても良いダンサーだし好きなのですが4回連続だとちょっと気の毒になってしまいました)。オドリック・ベザールは前回オペラ座で「オネーギン」を上演した時にもレンスキー役にキャストされていて、同時にレンスキー役だったフロリアン・マニュネよりずっと良かった記憶があります。確かに私もカールは「くるみ割り人形」のアラビア役でイザベル・シアラヴォラと踊っているのを観たことがあって、その時にはとても大人の雰囲気で素敵でした。彼のオネーギンも観てみたかったです。

バレエ学校の発表会はフランス人の友達も観に行くと言っていました。充実のパリ滞在でしたね。私は今回はルーブルに行く暇がなくて、オルセーでラファエル前派とオスカー・ワイルド、ポンピドー・センターでDanser sa Vieというモダンダンスの割と大規模な展覧会とムンク展、草間弥生展を観てきました。オルセーは改装工事も終わってとても観やすくなっていましたよ。

 はじめまして。年末に「サンドリヨン」「オネーギン」を観て、すっかりオペラ座バレエの虜になりました。初心者です…。こちらでいろいろと学ばせて頂いております。パリ在住とはいえ、主婦の身ですので限られた公演しか足を運べず、とはいうものの、出来るだけお気に入りのダンサーを観たいと思っています。基本的なことを知らずお恥ずかしいのですが、何点か教えてください。
・チケット販売開始時には配役は発表されていないのですよね。公演の少し前に発表されるのでしょうか・・・・。
・インターネットで完売だった公演のチケットが、直前にぱらぱらとインターネットで売られることはよくあることなのでしょうか。

ちなみに私はフロリアンマニュネのファンなのですが、オネーギンでは当日代役でがっかりし、
今回買った「バヤデール」も、3月24日、27日とも外してしまいました(涙)
「ROBBINS」にいたっては、そもそも彼は出ないことさえ知りませんでした。
今回は、いろいろなダンサーを観て楽しんで来るつもりですが・・(笑)
あまりにもレベルの低い質問で申し訳ございませんが、どうぞご教示いただきたく、よろしくおねがいいたします。

ladybugさん、こんばんは。そしてはじめまして。

パリ在住でいらっしゃるんですね!羨ましいです。

キャストの発表なのですが、チケットの発売前に発表されることはありませんね。本当に公演によるのですが、1ヶ月前の時もあれば1週間前だったりすることもあります。オフィシャルサイトより前にdansomanieというフランスのフォーラムでプレキャストが発表されるので、このフォーラムを毎日チェックされることをおすすめします。(しかし、キャスト発表を待っているとチケットが売り切れてしまうこともありますよね)
http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewforum.php?f=2

ただし、チケットですが、戻りチケットは必ずあります。こまめにウェブサイトをチェックしていると、戻っていることがありますし(私も、オネーギンに行った時に、行きたい日のチケットがどうしてもなかったのですが2日前に良い席の戻り券が出てきて見ることができました)
それから、当日券も必ず出ますので、どうしても見たいダンサーがいる場合には、当日券にチャレンジしてみるのも良いかと思います。(公演前の夕方にボックスオフィスに行ってみるといいと思います。45分前から当日券を売り出しますが、もう少し前に並んでおいたほうがいいかもしれません)

それから、公式サイトの他、FNACでもオペラ座のチケットは扱っています。FNACは店頭でも、Webでも買えます。ご参考は下のリンクを参照してくださいね。
http://france-tourisme.net/p-fnac/p-fnac1.htm

ご参考になったかはわかりませんが、バヤデールご覧になれるのは羨ましいです!楽しんでくださいね。

naomiさま

 こんなにたくさんの情報を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

バヤデール、楽しんで参りますね。何しろ初心者ですので、単純に感動することしか出来ないのがもったいないですが・・・(笑)

これからも、うっとりするようなステキなブログを楽しみにしております。私のバイブルです♪

ladybugさん、こんにちは。

早速初日にジョシュア・オファルトがエトワールにノミネされましたね>バヤデール

でも舞台って、単純に楽しんで感動するのが一番幸せです。そういう公演に出会いたいって思います。今後ともよろしくお願いいたします♪

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