11/2 新国立劇場バレエ団「パゴダの王子」National Ballet of Japan "The Prince of the Pagodas"
ちょっと時間がなくて感想は明日にでも書きます(って、明日も観に行くんですけど!)
面白かったです。特にトニー賞を受賞したばかりのレイ・スミスの創意工夫に富み、切り紙やシルエットの使用など美的センスにも優れた舞台美術が素晴らしかったです。2幕の華麗なコール・ドの踊りや歌川国義にインスパイアされたブキミで可愛らしい妖怪たちやタツノオトシゴたち、悪女エピーヌの七変化などエンターテインメント性もたっぷり。また主演の二人、米沢唯さん、菅野英男さんの踊りもとてもよかったです。開演前5分くらい前に、道化役の吉本さん(まるでオバQのようなメイク)が幕の前に座って観客とコミュニケーションをしたりさまざまな芸を見せてくれるのが楽しかったので、これから観に行く方は少し早めに席に着くことをお勧めします。
あと、これだけは言いたかったんですが、サラマンダーの姿かたちが「ウルトラマン」のダダ星人にそっくりです。友達に指摘されたんですが、本当に笑っちゃうくらい似ています。
個人的にブリテンの音楽も気に入りましたし、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏も良かったです。兄と妹の兄弟愛、王と子供たちの愛による王国の再興という、今の日本人を激励するような終わり方には元気を与えられました。和のテイストの入れ方には好き嫌いは現れると思いますし、日本というより中国じゃない?って思えるような衣装もありましたが、まあその辺は温かい目で見たいと思います。1幕は本格的な和装で、4人の王子たち以外は平安時代の貴族のような姿をしていて足袋着用でした。エピーヌの最初の髪型はおすべらかし。東の王子の衣装はほとんど全裸!背景に使われている富士山は美しかったです。震災の時に日本にビントレーがいたからこそ出来上がった作品として、貴重なレパートリーとして新国立劇場は大事にしてほしい良い作品だと思いました。
かなりツッコミどころは多いですけど、楽しい作品ですしこれだけのワクワクできて美術にも凝り、目に快い作品を作ったビントレーは天晴れなので、迷っている方は是非ご覧になることをお勧めします。
(ということで、また感想は後程!)
さしあたって、新国立劇場バレエ団ブログから「パゴダへの旅」をご紹介します。
http://www.nntt.jac.go.jp/nbj/blog/2011/11/02/%E3%83%91%E3%82%B4%E3%83%80%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%97%85-%E3%80%90photo-%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%80%91/
《パゴダの王子》 The Prince of the Pagodas
振付:デヴィッド・ビントレー
音楽:ベンジャミン・ブリテン
美術:レイ・スミス
照明:沢田祐二
指揮:ポール・マーフィー
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
[キャスト]
◆2011年11月2日(水)14時開演
さくら姫 :米沢唯
王子 :菅野英男
皇后エピーヌ:本島美和
皇帝 :堀登
北の王:江本拓
東の王:輪島拓也
西の王:福岡雄大
南の王:貝川鐵夫
道化:吉本泰久
宮廷官吏:厚地康雄
雲:西川貴子/北原亜希/千歳美香子/今村美由起/川口藍/成田遥
古川和則/輪島拓也/アンダーシュ・ハンマル/小柴富久修
田中俊太朗/原健太/宝満直也/宇賀大将 (交替出演)
星:大和雅美/石山沙央理/奥田花純
五月女遥/盆子原美奈/益田裕子
泡:さいとう美帆/高橋有里/寺島まゆみ/寺田亜沙子/堀口純
丸尾孝子/井倉真未/加藤朋子/柴田知世/細田千晶
タツノオトシゴ:八幡顕光/江本拓/奥村康祐/福田圭吾
小口邦明/清水裕三郎/林田翔平 (交替出演)
深海:厚地康雄
深海:芳賀望
炎:大和雅美/奥田花純/盆子原美奈/益田裕子
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こんにちは
良かったとのこと。
ビントレージャパン、正式な船出成功みたいですね。
私はこの演目観に行くことができなくて(内田光子さんの方です)
なんとなく心に残っているのですが、
仕方なし。
今年以降は
ほとんど公演も観に行かないと、思っているところです。
しかし、顧客の動員はともあれ、
日本人が踊るバレエ団が新国立バレエ団であってほしいと思います。
と言いながら私も、
ゲストの日にしか行かないですがねえ。笑い
マチネ中心はぜひ、やめてもらいたいです。チャンスは一日でした。今回、それを行けなかったので、あきらめました。休んでいくほどの魅力は感じなかったです。ぜひ
平日の夜、それも19時開演、お願いしたいところですねえ。
投稿: zuikou | 2011/11/05 11:36
zuikouさん、こんばんは。
なかなか感想が追い付かないのですが、結局3キャスト観に行きました。「パゴダの王子」個人的にもとても楽しい演目だったし、動員も日を追ってよくなり大好評だったようで、すごく良かったと思います。オール日本人キャストでしたが、特にさくら姫役の3人のバレリーナはそれぞれ大変素晴らしい踊りを見せてくれて、日本のバレエ界も頑張っていることを見せてくれました。
家人がクラシック音楽好きではあるのですが、チケット代x2は拠出できないので、私自身はクラシックの演奏会って年に1,2回くらいしか行かないんですよね。
「パゴダ」は楽しい演目で可愛い妖怪やタツノオトシゴなども出てきて子供たちにもウケていたし、エンターテインメントとしてすそ野を広げられる作品だと思うので、こういう路線は正しいんだろうなって思います。
確かにおっしゃる通り、マチネとソワレ公演のバランスをとることは必要だと思うんですけどね。(新国立は平日夜公演は動員に相当苦労しているようであり、それは不況でかえって残業が増えている現状を反映していると思います)平日マチネは、中高生の鑑賞教室を実施したためのようでした(お客さんの半分くらいが中高生)。ただ夜しか観に行けない人もいるのは事実ですし、平日夜公演を7時開演にすることによって勤め人が行きやすい時間設定にしていることは評価できる部分だとも思います。
(オペラなどになると、上演時間が長いため、平日5時開演などという、勤め人には厳しい時間帯の上演もありますよね・・・)
投稿: naomi | 2011/11/07 02:53