新国立劇場バレエ団「こうもり」のゲストにロバート・テューズリー、ENBのベゴーニャ・カオ/ギャリー・エイヴィス&フレンズ
新国立劇場の会報誌「ジ・アトレ」が送られて来て、公演情報のところに、ローラン・プティの「こうもり」(注意:「こうもり」はオペラとバレエと両方公演があります)のキャストが発表されていました。
出演者は、
ベラ
ベゴーニャ・カオ(イングリッシュ・ナショナル・バレエプリンシパル、2月4日、7日)
本島美和(5日)
湯川麻美子(11日)
小野絢子(12日)
ヨハン
ロバート・テューズリー(2月4日、7日)
福岡雄大(5日)
山本隆之(11日)
菅野英男(12日)
オフィシャルサイトにはまだ記述なしです。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/20000449_2_ballet.html#cast
しかしあまりにもひっそりと発表されているので、私も友達に教えてもらうまで気がつきませんでした。ジ・アトレは無駄に豪華で必要な情報が埋もれており、新国立劇場の予算を使いすぎているので、もっと公演内容の向上に予算を振り分けてほしいです。
ところで、ロバート・テューズリーは日本のバレエファンにはすっかりおなじみですし、前回の「こうもり」での好演も記憶にありますが、ベゴーニャ・カオは知っている人はほとんどいないと思います。
去年、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館でバレエ・リュス展を観に行ったとき、会場でフォーキン振付の「火の鳥」の映像が上映されており、それもバレリーナのシルエットだけで表現されていたのですが、その火の鳥を踊っていたのが彼女で、シルエットだけでこれだけの表現ができるんだと驚かされたものでした。
また、奇しくもローラン・プティの逝去直後に上演されたイングリッシュ・ナショナル・バレエのローラン・プティ・プロで、彼女は「カルメン」のタイトル・ロールを演じています。2010年にはブノワ賞にもノミネートされています。
そして9月11日に行われた、ロイヤル・バレエのギャリー・エイヴィスが主催したチャリティ・ガラGary Avis & Friendsに彼女は出演しています。そちらでのプロフィール記事
http://www.thehungerproject.co.uk/begonacao/
この「ギャリー・エイヴィス&フレンズ」は、国際的に有名な貧困撲滅支援NPO「ハンガー・プロジェクト」の一環として行われたものです。ギャリーが、飢餓のために一日2万もの人々が亡くなっているという事実に衝撃を受けて、この公演を企画したとのこと。ギャリーはハンガープロジェクトのパトロンも務めており、このプロジェクトについては並々ならぬ熱意を持っています。
http://www.thehungerproject.co.uk/blog/gala-preview-a-message-from-gary-avis/
出演者は豪華です。ギャリーを始め、スティーヴン・マックレー、ロベルタ・マルケス、ネーマイア・キッシュ、メリッサ・ハミルトン、チェ・ユフィ(崔由姫)、平野亮一、ベネット・ガートサイド、リアム・スカーレットなどロイヤル・バレエのダンサーたちと、ベゴーニャ・カオ、そして英国ではBBCで自らの番組を持っている人気ジャズシンガーのJumoké Fashola 。
こちらのBallet.coのギャラリーで、このチャリティ公演の写真を見ることができます。
ベゴーニャ・カオはギャリー・エイヴィスとクリストファー・ウィールダンの作品を踊り、また平野亮一さんと「マノン」の寝室のパ・ド・ドゥを踊っています。
http://www.ballet.co.uk/gallery/rb-royal-ballets-gary-avis-ipswich-0911
このギャラリーでは、ユフィさんがキッシュと黒鳥のパ・ド・ドゥと「シンデレラ」を踊っていたり、マックレーがまたタップを踊っていたり、ビントレーの「ペンギンカフェ」のカンガルーをリアム・スカーレットが踊っていたり、とても素敵な写真を見ることができます。
ちなみに、新国立劇場バレエ団の「こうもり」ですが、日程がボリショイ・バレエの来日公演とかぶっています。
ボリショイ・バレエ来日のオフィシャルサイト
http://www.japanarts.co.jp/html/2012/ballet/bolshoi/ticket.htm
2月4日が「白鳥の湖」、7日が「ライモンダ」と重なっています。「エトワールLove From Paris」とはぎりぎり重なっていませんでした。(日本公演じゃないですが、ハンブルク・バレエの香港公演「欲望という名の電車」が2月2,3,4日です)
また、ジ・アトレに同封されていた「こうもり」の会員先行申込書を見ると、2月4日はS席センターブロックは完売の様子です。
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コメント
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唐突で申し訳ありませんが、質問です。
「ジ・アトレは無駄に豪華で必要な情報が埋もれており、新国立劇場の予算を使いすぎている」と
おっしゃっていますが、ジ・アトレは会員の会費で運営しているのではないですか?
それとも、公演にあてるべき予算を会員向けのサービスにあてているのでしょうか。
会報誌の編集に課題はあると思いますが、予算の出所につきまして、はっきりとした
根拠がありましたらお示し頂けるとありがたいのですが。
投稿: まさし | 2011/09/22 19:18
まさしさん、こんにちは。
会報誌ジ・アトレはおそらく会員の会費で製作されていると思いますが、年会費を何年間も払っている会員の立場からしても、あんな豪華で、予算はたくさん使っていそうなのに上っ面の情報しか載っていない会報誌は不要です。新国立劇場のバレエのチケットは売れていませんが、(これは年次報告書を見れば明らかです)、これは固定ファンも新しいファンも取り込むことに失敗しているからです。せっかくクオリティの高い舞台を上演していても、その活動状況を伝えることに会報誌やホームページは失敗しています。会報誌やホームページを見ても、バレエ団の生の姿はちっとも伝わってきません。
民間のバレエ団である東京バレエ団はブログやTwitter、アッサンブレの会報でバレエ団に親しみを持つことができます。また、ファン対象にパーティを開いたりゲネプロ見学会を開いています。さらに、ダンサーを支援できるポワント基金も行っています。
ところが新国立劇場はお役所的なオフィシャルサイト、オペラ中心でバレエの
ことはほとんど載っていない会報誌、シーズンチケットを買っていないと参加できないパーティ、抽選に当たらないと参加できないイベントと的はずれなことばかりで、高い会費を払って得られるのはチケット先行発売だけ、それもキャストも出ないうちに発売では先行でも売れず直前でいいや、ってことになってしまってチケットが売れない悪循環に陥っています。ブログやTwitter などはお金を使わなくてもできる宣伝手段だし、
ダンサーの生の様子を伝えることで親しみを感じることができます。
新国立劇場バレエ団のファンとして、今の状況は非常に歯がゆいわけです。枝葉末節に噛み付く前に、現実を直視してよりチケットが売れる方法を考えてほしいと思います。会報誌はもっと紙質を落とし実質的なものにして、その分他の広報活動に振り分けてほしいです。
投稿: Naomi | 2011/09/22 21:27
こんにちわ。こうもりのキャストを見たのですが、このキャストなら今回は行かない可能性が高いです。
ボリショイで忙しい期間なので。ただ、湯川さんのベラって興味があるので山本さんが踊るのであればいくかも。
私はオペラファンでもあるのですが、今回はこうもりはオペラでと思っています。
そういえば、JAの夢倶楽部会員向けの招待券にボリショイの演目が入っていましたので、申し込みましたが、平日の公演だとザハロワくらいの人気がないと売れないのでしょうね。
招待席はよいとはいえない席ですが、それでもボリショイとこうもりを比べると迷わずボリショイにいってしまうと思います。
投稿: bumineko | 2011/09/23 08:50
Naomiさん、こんにちは。
確かに、ご指摘のとおり、新国はTwitterやブログ等でのネット広報活動を、もっと活発にやった方が良いですね。
ただ新国の会報誌「アトレ」は、オペラも、演劇も、バレエも、という統括広報誌なので、バレエに割かれる頁数があの程度のボリュームなのは、内容はともかく、まあ、そんなものかなあ、という気もします(公演数でみても、オペラが圧倒的に多いわけですし、オペラのファン層はバレエより大きいので)。
なお賛助会員対象に毎年10月にシーズン・オープニング・パーティというものがあり、これには、バレエ団の方が数名出席されるのが恒例です。
10万円を新国に寄付すると個人賛助会員になり、アトレ会費を払わなくとも(アトレのクレジットカードを持たなくとも)、アトレ会員と同様の優先予約サービス等が受けられ、年間公演(バレエならS席3枚選択orオペラなら同2枚選択)やGPの招待がある、という内容になっています。
新国事務局の意識として、ファンには、賛助会員になるか、シーズンチケットを買ってほしい、というところだろう、と推察します。
投稿: hachiroh | 2011/09/27 09:28
buminekoさん、こんばんは。
大変お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
「こうもり」のゲストにロバート・テューズリーが出る!って喜んだのもつかの間、私も見事にボリショイとかぶっていることに気がつきました。ボリショイは4日の「白鳥の湖」は取っていないのですが(「白鳥~」自体パスしているんですが、もしかしたら木曜日のマチネがキャストが一番魅力的なので観に行くかも)、7日の「ライモンダ」を取っているんですよね。湯川さんのベラも全幕では観ていないのでちょっと観てみたいかも(さらに、小野さんがイメージと全然違う役を演じるというのには興味があるんですが)
ボリショイは今回ほとんどが平日公演なので、まだまだ公演も先のことですしチケットの売れ行きは厳しいでしょうね。ちょっとジャパンアーツさんのことを心配してしまいます。私も、夢倶楽部会員の招待はボリショイを申し込みました。それも第一希望を、すでに一枚チケットを取っている「スパルタクス」の別キャストで。(うーん今のグリゴロ版白鳥私はあんまり・・・なので)
投稿: naomi | 2011/09/29 02:38
hachirohさん、こんばんは。
たしかに公演数などを見ても、今は新国立劇場はオペラ中心なのでしょうね。オペラのほうがチケット代も高いし、観客の動員率も高いのではと思われます。ただ会報誌はやっぱり贅沢すぎるのと、バレエについてほとんど触れていない号もあったりするので、バレエしか観ない私にとってはとても無駄な印象を受けてしまいます。
ちなみに、賛助会員対象のパーティは一度だけ参加したことがあったのですが、その年は(たまたまその年だけだったようなのですが)新国立劇場バレエ団の行事と重なってダンサーは一人も参加せず、知り合いも来ていなかったので早々に辞去してしまいました。シーズンチケット購入者向けのパーティは、昨年度より、バレエとオペラと分けて行うようになったようですね。(かつてシーズンチケットを買っていた頃には、そのパーティで発表されていたチケットの購入率はバレエもオペラも同じくらいだったようですが、その頃はまだザハロワなど豪華ゲストも出ていた時期で、最近になって急に動員率が落ちたようですね・・)
しかし賛助会員のようなお金持ちや、シーズンチケットを買う人より、もっとアトレ会員のような一般庶民に裾野を広げたほうがいいのではないかと私は思うのでした。
今年も「パゴダの王子」のリハーサル見学会の抽選に落ちてしまい、S席のチケットを2枚も買っているのにひどいわ!と怒っている私なのでした(しかも例によって落選者への連絡はなしというのは失礼だと思うのです・・)一度も新国立の抽選企画に当たったことがないのです、もう何年もアトレ会員を続けているのに。
投稿: naomi | 2011/09/29 02:51