移籍&昇格情報いろいろ
現在欧米のカンパニーのほとんどがシーズンオフであり、移籍や昇格などが発表される時期でもあります。
まずは、カナダ・ナショナル・バレエのプリンシパル、ズデネク・コンヴァリーナとブリジット・ゼールのカップルが、イングリッシュ・ナショナル・バレエに移籍するとのことです。(引き続きカナダ・ナショナル・バレエではゲスト・プリンシパルとしての籍は残しています)
イングリッシュ・ナショナル・バレエのプレスリリースはこちら。
http://www.ballet.org.uk/news/latest-news.html
昇格情報も載っており、BBCのドキュメンタリー番組「Agony & Ecstasy, a Year at English National Ballet」などでイギリスでセンセーションを起こしたワディム・ムンタギロフが3シーズン目にしてプリンシパルに昇格しました。彼はロシア人ですがロイヤル・バレエ・スクール出身。ロイヤル・バレエ・スクールの優秀な卒業生は最近はロイヤル・バレエには入団しないようですね。
また、カルロス・アコスタの甥であるヨナ・アコスタがジュニア・ソリストに昇格。図らずも追悼公演になってしまった先日のローラン・プティ・プログラムで、彼は「若者と死」を踊っていますね。今年1月に入団したばかりです。それから、新入団としては、2010年にローザンヌ・コンクールのファイナりストとなった猿橋 賢さんの名前があります。
なお、同じくイングリッシュ・ナショナル・バレエのコール・ド、加瀬栞さんは、同バレエ団のEmerging Dancer Awardを受賞しており、今後の活躍が期待されます。
http://www.danceuk.org/news/article/shiori-kase-wins-english-national-ballet-emerging-dancer-award/
ロイヤル・バレエの人事についてはすでに多くの方がご存知かと思います。
http://www.balletassociation.co.uk/Pages/company.html#Changes11_12
バーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演でも大活躍したアレクサンダー・キャンベルがソリストとして入団しました。また、入団者の名前の中には、モスクワ国際コンクールで銀賞を受賞した金子扶生さん、ローザンヌ・コンクール研修生として、今年のローザンヌコンクールで受賞したパトリシア・ゾーも。昇格については、高田茜さんがソリストに昇格しています。
The Royal Ballet
Promotions:
to Soloist - Emma MaGuire, Akane Takada
to First Artist - Sabina Westcombe, James Hay, Dawid Trzensimeich, Valentino Zucchetti
Jonathan Howell is made Assistant Ballet Master
Joiners:
Alexander Campbell as Soloist (from BRB)
Claudia Dean, Francesca Hayward, Meagan Grace Hinkis (from ABT), Fumi Kaneko,
Tomas Mock as Artists
Sung-Woo Han and Patricia Zhou as Prix de Lausanne dancers
オランダ国立バレエは、オフィシャルYouTubeチャンネルで入団者の紹介をしています。この動画での紹介は面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g3N_n4zaw_s
シュツットガルト・バレエのソリストだったローラ・オマリーがオランダ国立バレエに移籍したのですね。また、シュツットガルト・バレエのオフィシャルカメラマンとしても活躍していたセバスチャン・ゴルティエもオランダ国立バレエに移籍しました。
セバスチャン・ゴルティエの美しい写真サイト
http://sebastiengaltier.tumblr.com/
シュツットガルト・バレエは公式サイトがまだ工事中なのですが、工事中のサイトをたどっていくと、ミリアム・サイモンがプリンシパルに昇格したことがわかります。
http://www.staatstheater-stuttgart.de/mitarbeiter/stuttgarter-ballett/
ミリアム・サイモンは先シーズンは「オネーギン」のタチヤーナ役、今シーズンは「椿姫」のマルグリット役を踊り、ドラマティックな役柄を得意としますがテクニックも強く美しいバレリーナです。
一方、先シーズンはシュツットガルト・バレエの準団員だったジュンタロー・コスト(パリ・オペラ座学校出身で同学校の来日公演で活躍)は、フィンランド国立バレエの準団員になっていました。
http://www.opera.fi/en/contact/personnel_search?page=5
バレエ雑誌Dance Magazineのサイトにも移籍情報がまとめて掲載されています。
http://dancemagazine.com/issues/January-2009/Comings--Goings
ドキュメンタリー映画「リオのリトル・ダンサー」(Only When I Dance)で、ローザンヌ・コンクールやYAGPに出場する様子が取り上げられていたイルラン・シルヴァ(ABTII所属)が、ボストン・バレエに正団員として加入しました。
なお、ABTIIはABTのオフィシャルサイトから消えています。
ナショナル・バレエ・オブ・カナダでは、コール・ド所属だった江部直哉さんが、セカンド・ソリストに昇格しました。江部さんは今年のエリック・ブルーン・プライズに同じカンパニーの森志乃さんと出場しました。
先日のオールニッポンバレエガラにも出演した浅見紘子さんは、ドレスデン・バレエからキール劇場バレエに移籍しました。また、ドルトムント・バレエに所属していた中ノ目知章さん(2010年のローザンヌコンクールのビデオブログでフィーチャーされていました)も、同じくキールに移ったんですね。
ドレスデン劇場は日本語のオフィシャルサイトができています。
http://www.semperoper.de/jp/ballett/aktuell.html
ABT(アメリカン・バレエ・シアター)は、プリンシパルのミシェル・ワイルズとソリストのカルロス・ロペス、そして先日の日本公演にも参加してティボルト役やロレンツォ役などを演じたアイザック・スタッパスが退団しました。スタッパスはダンサーを引退して大学に行くとのことです。ミシェル・ワイルズの退団は、オフィシャルサイトにもアナウンスがなく、サイトからいつのまにか名前が消えているという、プリンシパルにしてはちょっと寂しいものでした。最後に彼女が出演した「白鳥の湖」の舞台で、ケヴィン・マッケンジーから花束が贈られ、それが退団するときの恒例行事だったとのことです。
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