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2011年8月

2011/08/31

2012年1月東京バレエ団 「ニジンスキー・ガラ」と2月「アリーナ・コジョカルと仲間たち」公演 Tokyo Ballet Nijinsky Gala & Alina Cojocaru & Friends Gala

NBSのサイトにお知らせが載りました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/201212nbs2012.html


 2012年1月に東京バレエ団初演を予定していた、ジョン・ノイマイヤー振付「ロミオとジュリエット」は、福島第一原子力発電所の事故の影響により、当初予定していたリハーサル期間に、振付指導者が来日することができなくなったため、初演を2014年に延期することになったとのことです。

 「ロミオとジュリエット」の公演延期を受けて、東京バレエ団では2012年1月にベルリン国立バレエ団芸術監督でありプリンシパルのウラジーミル・マラーホフを迎え<ニジンスキー・ガラ>を上演すろことになったそうです。

 <ニジンスキー・ガラ>では、「ペトルーシュカ」のほか、同じくフォーキン振付のバレエ・リュスの名作「レ・シルフィード」と「薔薇の精」、そしてニジンスキー振付の「牧神の午後」を上演。本公演には、マラーホフのほかにもゲストダンサーの出演を予定。

 翌2月には、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのアリーナ・コジョカルの初めてのグループ公演、<アリーナ・コジョカルと仲間たち(仮題)>の開催が決定したとのことです。
 共演は、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、セルゲイ・ポルーニンという豪華な顔ぶれ。ほかにもコジョカルが信頼を寄せるダンサーたちの出演が予定。
 本公演のプログラムは、コボーが狂気のバレエ教師を、コジョカルが彼に殺害される少女を演じ、高い評判を呼んだ、フレミング・フリント振付「ザ・レッスン」、ハラルド・ランダー振付の「エチュード」などの上演が予定されているとのこと。

 いずれの公演も近日中に詳細を発表予定。

東京バレエ団<ニジンスキー・ガラ>

●公演日程
 2012年1月12 日(木) 7:00p.m.
 2012年1月13 日(金) 7:00p.m.
 2012年1月14 日(土) 3:00p.m.

●会場:東京文化会館

●上演作品
 「ペトルーシュカ」 主演:ウラジーミル・マラーホフ
  (振付:M.フォーキン、音楽:I.ストラヴィンスキー)
 「レ・シルフィード」
  (振付:M.フォーキン、音楽:F.ショパン) 
 「薔薇の精」
  (振付:M.フォーキン、音楽:C.v.ウェーバー)
 「牧神の午後」
  (振付:V.ニジンスキー、音楽:C.ドビュッシー) 


●出演
 ウラジーミル・マラーホフ(ベルリン国立バレエ団)
 東京バレエ団 ほかゲストを予定

●指揮:ワレリー・オブジャニコフ

●演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

※10月下旬、一斉前売り開始予定。公演の詳細、チケット料金等は追って発表いたします。

<アリーナ・コジョカルと仲間たち(仮題)>

●公演日時
 <Aプロ>
 2012年2月17日(金) 6:30p.m.
 2012年2月18日(土) 3:00p.m.
 2012年2月19日(日) 3:00p.m.
 <Bプロ>
 2012年2月21日(火) 6:30p.m.
 2012年2月22日(水) 6:30p.m.
 2012年2月23日(木) 6:30p.m.

●会場:ゆうぽうとホール

●上演作品
 「ザ・レッスン」(振付:F.フリント、音楽:G.ドルリュー)
 「エチュード」(振付:H.ランダー、音楽:C.チェルニー、K.リーサゲル)ほか


●出演
 アリーナ・コジョカル(英国ロイヤル・バレエ団)
 ヨハン・コボー(英国ロイヤル・バレエ団)
 スティーヴン・マックレー(英国ロイヤル・バレエ団)
 セルゲイ・ポルーニン(英国ロイヤル・バレエ団)
 ほかを予定

※11月初旬、一斉前売り開始予定。公演の詳細、チケット料金等は追って発表。


東京バレエ団の「ロミオとジュリエット」延期はとても残念ですが、この時期ハンブルグ・バレエは中国ツアー中で、ノイマイヤーも原発不安の日本よりも、観客マナーは最悪でもお金払いの良い中国を優先するのがカンパニー主としても当然の選択ですよね。一昨年もハンブルグ・バレエは北京公演をやっていますし。

それよりも、多忙なスケジュールの中を縫って、この状況下の日本に来て下さるウラジーミル・マラーホフやアリーナ・コジョカル、そしてコボーはじめロイヤル・バレエの皆さんには深く感謝をしたいですね。以前ディアギレフ・プロでペトルーシュカを踊ることを予定していながら怪我で降板してしまったマラーホフが、今回この役に挑んでくれることも嬉しいし、フレミング・フリント振付の怪作「ザ・レッスン」をコジョカルとコボーで観られそうなのも凄く嬉しいです。


8/28小林紀子バレエ・シアター「マノン」Noriko Kobayashi Ballet Theatre Kenneth MacMillan's "Manon"(まだこれから)

小林紀子バレエ・シアター第100回祝賀記念公演
 ケネス・マクミラン振付《マノン》

【振付】ケネス・マクミラン
【ステイジド・バイ】ジュリー・リンコン
【作曲】ジュール・マスネ
【編曲】マーティン・イエーツ(2010年)
【美術】ピーター・ファーマー
【衣装・装置提供】 オーストラリア・バレエ団

【芸術監督】小林紀子
【リハーサル・ディレクター】ジュリー・リンコン

【指揮】アラン・バーカー
【演奏】東京ニューフィルハーモニック管弦楽団

マノン   :島添亮子 Akiko Shimazoe
デ・グリュー:ロバート・テューズリー Robert Tewsley
レスコー  :奥村康祐 Kouske Okumura
ムッシュG.M.:後藤和雄 Kazuo Goto
レスコーの恋人:喜入依里
マダム    :大塚礼子
看守     :冨川祐樹
ベガーチーフ :恵谷彰

2003年に新国立劇場バレエ団で「マノン」が上演されたときには、アレッサンドラ・フェリ&ロバート・テューズリー、酒井はな&ドミニク・ウォルシュ(降板したローラン・イレールの代役)で観たのだが、それから久しく日本国内での「マノン」の上演が途絶えてしまい、マクミラン財団が日本人に「マノン」は無理だって言ったのかしらと国内バレエ団で観ることをあきらめていた。

ところが、「Invitation」「エリート・シンコペーションズ」「コンチェルト」など、マクミラン作品の上演に定評のある小林紀子バレエ・シアターが第100回祝賀記念講演として「マノン」を上演するとのことで、非常に嬉しいニュースだった。しかも、デ・グリュー役には、上記2003年の新国立劇場でのフェリとの共演に続き、2005年のロイヤル・バレエの来日公演でも降板したジョナサン・コープの代役としてタマラ・ロホの相手役を務め、情熱的なのに誠実なデ・グリューを熱演したロバート・テューズリーが出演してくれるという。島添亮子さんも、演技力にも優れたバレリーナということで楽しみにしていた。そうしたら、なんと新国立劇場が来シーズン、9年ぶりにやはり「マノン」を上演するというニュースも入ってきた。震災の影響でバレエ団の来日がなかなか期待できなくなってしまった昨今、心を明るくしてくれることだった。(「マノン」自体はダークな話だけど)

そして、その期待は裏切られないどころか、予想以上に素晴らしい上演で、日本のバレエ団でこんなにマクミランの世界を表現できるとは想像できなかったほどのレベルの舞台となっていた。来年6月に「マノン」を上演する新国立劇場は、国立のバレエ団としてこれ以上のレベルの上演を求められるだろうから、大きなプレッシャーだろう。

新国立劇場バレエ団が「マノン」の上演を成功させる秘策はひとつある。ゲストとして、ロバート・テューズリーと島添亮子さんを招くことだろう。以前は島添さんは新国立劇場バレエ団の登録ソリストだったことであるし。

******
マクミラン作品の上演は難しい。クラシック・バレエの規範を逸脱するような動きもあれば、美しいとはいえない動きを時には見せなければならない。一つ一つの動きに意味が込められており、顔の表情ではなく動きやポーズで語らなければならない。高度な技術は要求されているが、それは高度な技術を誇示しているように見えてはならない。

新国立劇場バレエ団は6月にマクミランの「ロミオとジュリエット」を上演したが、マクミラン作品を理解している優れたソリストが数人見受けられたものの、アンサンブルとしては、クラシック・バレエの約束事を守りすぎていて、ヴェローナの雑多な喧騒を伝えられていなかった。さらに、クラシックダンサーとしては最高の技術を持っているのに全然マクミランの踊りになっていないゲストダンサーの起用にも疑問符がついた。

今回の小林紀子バレエシアターの「マノン」は、この作品のカンパニー初演であるにもかかわらず、舞台に立っているダンサーがみな、「マノン」の世界観を伝える演技、踊りをしていたということに驚かされた。今までもマクミランの作品を上演してきたカンパニーだったとはいえ、初演で日本のカンパニーがここまでの舞台に仕上げてくるとは思わなかったのだ。アンサンブルがここまで見事なこの舞台は賞賛に値する。震災で4月の公演が中止となり、昨年末の「くるみ割り人形」以来の公演で100回記念公演ということもあり、入念な準備がされたのであろう。

「マノン」はデ・グリューの視点で描かれている作品ではあるが、タイトルロールのマノン役が一番の難関。マノンという人間は、一筋縄ではいかないキャラクターなのだ。デ・グリューとの恋に夢中になる一方で、お金やきれいなものも大好き、ちやほやされるのも大好き。純真さと淫蕩さを持ち合わせていなければならない。天使のように愛らしく悪魔のように男たちをひきつけてやまない。かつてインタビューで、タマラ・ロホはマノンのことを悪女ではなく、周りの男性たちの犠牲者であり憐れな存在であると語っていた。自分の欲望に忠実でしかも魅惑的なマノンは、その美しさが仇となり男たちに翻弄され破滅する。デ・グリューに愛されたことも、実は彼女の破滅を加速させるものでしかなかった。だが、すべての欲望を捨てぼろぼろの姿になった時に初めてマノンは愛だけに生きる女となり、愛する人の腕の中で息を引き取ることができたのである。こんな複雑な役を、本当に存在する人間のように真実味をもって演じることはごく少数であると思われるが、島添亮子さんは健闘していた。

修道院に送られるべく登場した少女マノンは、一見とても清らかであどけない少女。それなのに金持ちの老紳士に彼女を売り渡した兄レスコーが手にしたお金の入ったかばんをさりげなく抱えて隠すしぐさには、したたかさも見える。

(続く)

【第1幕(フランス)第1場:パリ近くの宿の中庭】
高級娼婦:高橋怜子/萱嶋みゆき
     松居聖子/荒木恵理(27日)/秦信世(28日)
女優  :倉持志保里/高橋由貴乃/岩田綾乃/平石沙織
紳士  :澤田展生/杜海/冨川直樹
クライアント :井口裕之/奥田慎也/佐藤禎徳
        中尾充宏/村山亮
ベガーボーイズ:荒井成也/小濱孝夫/佐々木淳史
        照沼大樹/土方一生/和田瞬
ベガーガールズ:菅原聆躱/武田麗香/田中恵梨
        引田愛美/深江彩織/松嶋香織
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理(28日)
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美/金子舞/松山美月/谷川千尋
老紳士    :田名部正治
イン・キーパー:岩瀬玲子
ラット・キャッチャー:保井賢
G.M.のフットマン  :安齋毅/望月一真
給仕   :玉村総一郎/肥後晴之/山崎健吾/下岡治行
旅行客  :藤下いづみ/笠原崇広/工藤彩奈
      藤田奏子/菅ひかり/情野詠太
衛兵   :鬼塚庸介/上林利彰/國井一男/野口洋祐
フットマン:奥山三代都/白岡優/古山豪人/吉川柳太
コーチマン:打田晃啓/武市真嘉

【第1幕第2場:パリのデ・グリューの借宿】
下女:岩瀬玲子/宮澤芽実
G.M.のフットマン:安齋毅/望月一真
G.M.のコーチマン:武市真嘉


【第2幕第1場:マダムの大邸宅でのパーティー】
高級娼婦:高橋怜子/萱嶋みゆき
     松居聖子/倉持志保里
     荒木恵理(27日)/秦信世(28日)
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理(28日)
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美(28日)/金子舞/松山美月(27日)
女優 :高橋由貴乃/岩田綾乃/平石沙織
紳士 :荒井成也/杜海/冨川直樹
クライアント:井口裕之/奥田慎也/佐藤禎徳
       澤田展生/中尾充宏/村山亮
G.M.のフットマン:安齋毅/望月一真
フットマン:奥山三代都/白岡優/古山豪人/吉川柳太

【第2幕第2場:デ・グリューの借宿】
衛兵   :小濱孝夫/玉村総一郎/肥後晴之
      鬼塚庸介/上林利彰/國井一男/野口洋祐


【第3幕(ニューオーリンズ)第1場:港】
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美/藤橋奏/松山美月/谷川千尋
街の人々:倉持志保里/工藤彩奈/藤田奏子/高橋由貴乃/平石沙織
     荒井成也/奥田慎也/澤田展生/中尾充宏
     杜海/冨川直樹/村山亮/望月一真
ベガーボーイズ:安齋毅/小濱孝夫/佐々木淳史
        照沼大樹/土方一生/和田瞬
ベガーガールズ:菅原聆躱/武田麗香/田中恵梨
        引田愛美/深江彩織/松嶋香織
街の紳士:山崎健吾/打田晃啓/下岡浩行/武市真嘉
街の婦人:藤下いづみ/岩田綾乃/金子舞/久芳聡子
港の少年:笠原崇広/玉村総一郎/肥後晴之

【第3幕第2場:看守室】
(マノン,看守,デ・グリュー)

【第3幕第3場:沼地】
(マノン,デ・グリューとその他の人々)

ちなみに、今回の装置と衣装はオーストラリア・バレエから借り受けたもの。オーストラリア・バレエの「マノン」のDVDも発売されており、これはこれでとても良い映像に仕上がっています。デ・グリュー役のスティーヴン・ヒースコートは最近惜しまれながら引退したそうです。

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ロイヤルのタナラ・ロホ、カルロス・アコスタ主演「マノン」はこちら

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新国立劇場バレエ団「パゴダの王子」の記者会見をUStreamで中継

新国立劇場が、デヴィッド・ビントレー振付の世界初演作品「パゴダの王子」製作発表をインターネット中継すると、メールマガジンでお知らせがありました。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001598.html


8月31日16時からUSTREAMにて配信!! 『パゴダの王子』制作発表記者会見

『パゴダの王子』制作発表をUSTREAMにて配信いたします。配信は8月31日の16時からスタート!!

世界的振付家であるデヴィッド・ビントレー芸術監督が自ら振付け、日英の協力のもとに新国立劇場バレエ団のために創る、大作バレエ『パゴダの王子』が10月30日に初日を迎えます。
デヴィッド・ビントレー芸術監督、今年トニー賞を受賞し今最も旬な舞台美術家レイ・スミス(美術)、沢田祐二(照明)、能楽師・津村禮次郎(特別出演〈皇帝役〉、そして新国立劇場バレエ団ダンサーと、日英の舞台芸術の才能が集結し、8月31日に制作発表記者会見を行います。
皆様、ぜひご覧ください!

■配信時間:2011.8.31(水) 16:00~(予定)

■配信チャンネルURL: http://www.ustream.tv/channel/pagodas

なお、デヴィッド・ビントレーが「パゴダの王子」について語っている動画が2本アップされています。
http://www.nntt.jac.go.jp/video/ballet.html

2本目の動画(5月26日アップのもの)では、振付の様子を追った映像もあり、津村禮次郎さんとマイレン・トレウバエフが取り組んでいる映像がとても興味深いです。

せっかくUSTREAMという新しいメディアを駆使してインターネット中継するなら、広報手段もオフィシャルサイトとメールマガジンだけでなく、Twitterやブログとか使ってほしいって思います。それから、16時という時間は勤め人だと見られないので、後日製作発表動画を公式サイトで見られるようにしてほしいですよね。

2011/08/30

オーストラリア・バレエの2012シーズン The Australian Ballet 2012 Season

カンパニー設立50周年を迎えたオーストラリア・バレエの2012シーズンが発表されました。

http://www.australianballet.com.au/news_and_reviews/news/The_Australian_Ballet_in_2012

The 50th anniversary 2012 season:

• Infinity (Graeme Murphy ,Stephen Page and Gideon Obarzanek) オーストラリア・ダンス界で活躍する3人の振付家によるコンテンポラリー新作のトリプル・ビル
• Onegin (John Cranko)
• Let’s Dance (Tim Harbour)元オーストラリア・バレエのソリストによる新作
• Icons (Robert Helpmann’s The Display, Glen Tetley’s Gemini and Graeme Murphy’s Beyond Twelve)
• Swan Lake (Stephen Bayne)新振付で古典的な「白鳥の湖」
• 50th Anniversary Gala 「エチュード」(ランダー振付)の上演を含む
• Romeo & Juliet  (Graeme Murphy)2011年:現シーズンにワールド・プレミアを迎えるグレアム・マーフィの新作、ブリスベン、アデレイド、パースでの公演
• New York international tour 2012年6月にニューヨークでのツアー公演を予定

いつも素敵な記事を掲載しているオーストラリア・バレエのブログでは、2012年シーズンのイメージフォトのフォトギャラリーが公開されています。

http://www.behindballet.com/2012-how-we-got-the-look/

また、バレエ団のYouTubeチャンネルには、シーズン紹介の映像もアップされています。

しかし「オネーギン」は来シーズンはABTでも久しぶりに上演されるということですし(ディアナ・ヴィシニョーワがロシアの新聞のインタビューでタチヤーナ役をABTで踊ると明言)、本当に世界中どこかで必ず上演されている作品になっていますね~。

2011/08/27

ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」ほかDVD発売情報

Opus Arteのメールマガジンでニューリリースの案内が来ており、ロイヤル・バレエの「不思議の国のアリス」(クリストファー・ウィールダン振付)」と、同じくロイヤル・バレエの「ピーターと狼」の発売日が決まったそうです。

マシュー・ハート振付、セルゲイ・ポルーニン主演の「ピーターと狼」は放送されたときに家のBlu-Ray機の故障で録画に失敗してしまったので、発売が嬉しいです。

ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」
Wheeldon: ALICE’S ADVENTURES IN WONDERLAND (Royal Opera House)
10月1日発売
http://www.opusarte.com/en/alices-adventures-in-wonderland-roh-blu-ray.html

Alice Lauren Cuthbertson
Jack/The Knave of Hearts Sergei Polunin
Lewis Carroll/The White Rabbit Edward Watson
Mother/The Queen of Hearts Zenaida Yanowsky
Mad Hatter Steven Macrae

Orchestra of The Royal Opera House

Music Joby Talbot
Choreography Christopher Wheeldon
Conductor Barry Wordsworth

Recorded live at the Royal Opera House, 9th March, 2011

Extra features:
Documentary about ‘Being Alice’


ロイヤル・オペラハウス「ピーターと狼」
9月1日発売
Prokofiev: Peter & the Wolf (ROH) (Blu-ray)
http://www.opusarte.com/en/peter-and-the-wolf-blu-ray.html

The Wolf Sergei Polunin
Grandfather Will Kemp
Peter Kilian Smith
Duck Charlotte Edmonds
Bird Laurine Muccioli
Cat Chisato Katsura

The Royal Ballet School
Royal Ballet Sinfonia

Choreography Matthew Hart
Music Sergei Prokofiev
Conductor Paul Murphy

Recorded live at the Royal Opera House, 16 & 18 December, 2010

Extra features:
Cast gallery
Documentary feature on rehearsing Peter and the Wolf

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同じOpus Arteからすでに発売されている、ウェイン・マクレガーの3作品をロイヤル・バレエが踊っているMcGregor: Three Ballets (Chroma/Infra/Limen)はすでに持っているのですが、時間がなくてまだ「Chroma」しか観ていません。でも、「Chroma」はめっちゃ面白いです。

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The Royal Ballet

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それから、すでにご存知の方も多いかと思いますが、デアゴスティーニから隔週刊でバレエDVDが発売されます。
隔週刊バレエDVDコレクション
http://deagostini.jp/bld/

9月13日創刊で、定価1990円。創刊号は特別価格990円で、パリ・オペラ座のヌレエフ版「白鳥の湖」(ルテステュ、マルティネス主演)です。以下、バーミンガム・ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」(吉田都主演)、パリ・オペラ座の「眠れる森の美女」(デュポン、ルグリ主演)、ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」(フェリ主演)と続きます。
On/OFFが切り替えできる解説字幕や豪華ブックレットもついているので、非常にお得だといえます。VHSでは発売されているもののDVDが出ていない作品なども含まれています。

現在発刊中のオペラDVDコレクションは、気になった作品は買っているのですが、低価格の割に画質もよいです。

2011/08/25

移籍&昇格情報いろいろ

現在欧米のカンパニーのほとんどがシーズンオフであり、移籍や昇格などが発表される時期でもあります。

まずは、カナダ・ナショナル・バレエのプリンシパル、ズデネク・コンヴァリーナとブリジット・ゼールのカップルが、イングリッシュ・ナショナル・バレエに移籍するとのことです。(引き続きカナダ・ナショナル・バレエではゲスト・プリンシパルとしての籍は残しています)

イングリッシュ・ナショナル・バレエのプレスリリースはこちら。
http://www.ballet.org.uk/news/latest-news.html

昇格情報も載っており、BBCのドキュメンタリー番組「Agony & Ecstasy, a Year at English National Ballet」などでイギリスでセンセーションを起こしたワディム・ムンタギロフが3シーズン目にしてプリンシパルに昇格しました。彼はロシア人ですがロイヤル・バレエ・スクール出身。ロイヤル・バレエ・スクールの優秀な卒業生は最近はロイヤル・バレエには入団しないようですね。

また、カルロス・アコスタの甥であるヨナ・アコスタがジュニア・ソリストに昇格。図らずも追悼公演になってしまった先日のローラン・プティ・プログラムで、彼は「若者と死」を踊っていますね。今年1月に入団したばかりです。それから、新入団としては、2010年にローザンヌ・コンクールのファイナりストとなった猿橋 賢さんの名前があります。

なお、同じくイングリッシュ・ナショナル・バレエのコール・ド、加瀬栞さんは、同バレエ団のEmerging Dancer Awardを受賞しており、今後の活躍が期待されます。
http://www.danceuk.org/news/article/shiori-kase-wins-english-national-ballet-emerging-dancer-award/


ロイヤル・バレエの人事についてはすでに多くの方がご存知かと思います。
http://www.balletassociation.co.uk/Pages/company.html#Changes11_12

バーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演でも大活躍したアレクサンダー・キャンベルがソリストとして入団しました。また、入団者の名前の中には、モスクワ国際コンクールで銀賞を受賞した金子扶生さん、ローザンヌ・コンクール研修生として、今年のローザンヌコンクールで受賞したパトリシア・ゾーも。昇格については、高田茜さんがソリストに昇格しています。

The Royal Ballet
Promotions:
to Soloist - Emma MaGuire, Akane Takada
to First Artist - Sabina Westcombe, James Hay, Dawid Trzensimeich, Valentino Zucchetti
Jonathan Howell is made Assistant Ballet Master

Joiners:
Alexander Campbell as Soloist (from BRB)
Claudia Dean, Francesca Hayward, Meagan Grace Hinkis (from ABT), Fumi Kaneko,
Tomas Mock as Artists
Sung-Woo Han and Patricia Zhou as Prix de Lausanne dancers


オランダ国立バレエは、オフィシャルYouTubeチャンネルで入団者の紹介をしています。この動画での紹介は面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g3N_n4zaw_s

シュツットガルト・バレエのソリストだったローラ・オマリーがオランダ国立バレエに移籍したのですね。また、シュツットガルト・バレエのオフィシャルカメラマンとしても活躍していたセバスチャン・ゴルティエもオランダ国立バレエに移籍しました。
セバスチャン・ゴルティエの美しい写真サイト
http://sebastiengaltier.tumblr.com/


シュツットガルト・バレエは公式サイトがまだ工事中なのですが、工事中のサイトをたどっていくと、ミリアム・サイモンがプリンシパルに昇格したことがわかります。
http://www.staatstheater-stuttgart.de/mitarbeiter/stuttgarter-ballett/

ミリアム・サイモンは先シーズンは「オネーギン」のタチヤーナ役、今シーズンは「椿姫」のマルグリット役を踊り、ドラマティックな役柄を得意としますがテクニックも強く美しいバレリーナです。

一方、先シーズンはシュツットガルト・バレエの準団員だったジュンタロー・コスト(パリ・オペラ座学校出身で同学校の来日公演で活躍)は、フィンランド国立バレエの準団員になっていました。

http://www.opera.fi/en/contact/personnel_search?page=5


バレエ雑誌Dance Magazineのサイトにも移籍情報がまとめて掲載されています。
http://dancemagazine.com/issues/January-2009/Comings--Goings

ドキュメンタリー映画「リオのリトル・ダンサー」(Only When I Dance)で、ローザンヌ・コンクールやYAGPに出場する様子が取り上げられていたイルラン・シルヴァ(ABTII所属)が、ボストン・バレエに正団員として加入しました。
なお、ABTIIはABTのオフィシャルサイトから消えています。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダでは、コール・ド所属だった江部直哉さんが、セカンド・ソリストに昇格しました。江部さんは今年のエリック・ブルーン・プライズに同じカンパニーの森志乃さんと出場しました。


先日のオールニッポンバレエガラにも出演した浅見紘子さんは、ドレスデン・バレエからキール劇場バレエに移籍しました。また、ドルトムント・バレエに所属していた中ノ目知章さん(2010年のローザンヌコンクールのビデオブログでフィーチャーされていました)も、同じくキールに移ったんですね。

ドレスデン劇場は日本語のオフィシャルサイトができています。
http://www.semperoper.de/jp/ballett/aktuell.html

ABT(アメリカン・バレエ・シアター)は、プリンシパルのミシェル・ワイルズとソリストのカルロス・ロペス、そして先日の日本公演にも参加してティボルト役やロレンツォ役などを演じたアイザック・スタッパスが退団しました。スタッパスはダンサーを引退して大学に行くとのことです。ミシェル・ワイルズの退団は、オフィシャルサイトにもアナウンスがなく、サイトからいつのまにか名前が消えているという、プリンシパルにしてはちょっと寂しいものでした。最後に彼女が出演した「白鳥の湖」の舞台で、ケヴィン・マッケンジーから花束が贈られ、それが退団するときの恒例行事だったとのことです。

2011/08/24

8/15 オールニッポンバレエガラコンサート 2011 All Nippon Ballet Gala Concert/追記あり

所属を超えた日本のダンサーたちが、東北地方を中心とした被災地域のバレエ界に直接役立つ寄付を目指して開催されたのがこのガラ公演。バレエダンサーで構成される実行委員が主催者となり、その他、出演ダンサーと事務局で構成されるダンサーが主役のボランティア団体で運営されたとのこと。

運営にプロフェッショナルがいないために、スムーズではないところもあったけれども、出演者、関係者の熱い想いが伝わってくる良い公演だった。休憩時間には、吉田都さんのほか、東京バレエ団の高岸直樹さんも募金箱を持って募金を呼びかけていた。また終演後には、衣装のままのダンサーたちも募金箱を持っていた。オフィシャルサイトに、集まった募金は479,768円だったとの報告があった。

http://nippon-balletgala.com/

1部
くるみ割り人形
音楽:チャイコフスキー 振付:石井清子
志賀育恵&春野雅彦(東京シティ・バレエ団)

開演時間が6時と早く、交通の便の悪いメルパルクが会場だったので残念ながら間に合わず・・・。開幕前には吉田都さんの挨拶もあったらしいのに見られなくて残念。お盆期間とはいえ、せめて6時半開演だったらなあ。

Spiel
音楽:frifot 振付:樋口晋策
白椛祐子&吉瀬智弘(スターダンサーズ・バレエ団)

明るい光の中で戯れるような、軽やかで可愛らしい小品。

ディアナとアクティオン
音楽:プーニ 振付:アグリッピナ・ワガノワ
河野舞衣(ミュンヘン・バレエ)&荒井英之

4月末にミュンヘン・バレエの「幻想 白鳥の湖のように」では4羽の白鳥の一人を踊っていた河野さん。アンドゥオールがきれいでしっかりとしたテクニックの持ち主。荒井さんは元K-Balletでアメリカン・エクスプレスのCMでおなじみ。すごい超絶技巧の持ち主ではないけれども、クラシックの技術がきれいでダイナミックな跳躍で場内を盛り上げていた。

Vertigo Maze
音楽:Johann Sebastian Bach 振付:Stijn Celis
浅見紘子(キール州立劇場)

長身の浅見さんは、キリアン作品を思わせるベージュ色のビスチェを着用していて、長い手脚を生かしてのびのびと、空間を切り裂くように力強くしなやかに踊っていた。

Little happiness
音楽:ドビュッシー 振付:キミホ・ハルバート
キミホ・ハルバート&上野天志

音楽は「牧神の午後への前奏曲」。この音楽でこんな振り付けを考えることができるんだ~と驚かされた。キミホさんの振付作品は今までもいくつか観てきたけれども、女性らしい優しく穏やかな感情が流れている。背面から跳んだキミホさんを上野さんが背後から受け止めてリフトするという難しいパートナーリングもなめらかだった。

Song of Innocence and of ExperienceよりO Solitude
音楽:ヘンリー・パーセル 振付:中村恩恵
大嶋正樹

中村恩恵さんが踊る予定の演目で、しかも2部に予定されていており、照明も暗かったので最初誰が踊っているのかわからなかった。踊り終えた後で、今の作品は中村さんに代わって大嶋さんが踊りました、とアナウンスがあったのだけど、アナウンスをするんだったら上演前に行ってほしかった・・。「Song of Innocence and of Experience」は、先月アーキタンツで行われたプレ・ビューイングを観ていて、このときも大嶋さんが参加していたのだ。大嶋さんのしなやかで力強い動きを、中村さんが踊っていたらまた違ったものになっていただろう。バーゼルの神秘的な音楽に乗せた美しい作品だったけれども、コンテンポラリー作品が連続しているところに敢えて(当初の順番と替えて)踊られてしまったのは残念。

Bitterroot
音楽:M.Feldman H.Gorecki 振付:松崎えり 増田真也
松崎えり&増田真也

というわけで、この作品もコンテンポラリー。もう少し上演順を考えたほうが良かったのではないか。松崎えりさんの作品もけっこう観る機会が多いのだけど、彼女はもっと良い作品を創ることができる人だと思う。この並び順では埋もれてしまって残念。

ジゼル
音楽:アドルフ・アダン 振付:谷桃子
永橋あゆみ&三木雄馬(谷桃子バレエ団)

というわけで、古典が入ると思わずほっとしてしまうのであった。永橋さんのジゼルは、人間の少女であった頃の温かみも残しながら、浮遊感があってとても軽やかできれいだった。三木雄馬さんは、3月に観た佐多達枝さん振付の「カルミナ・ブラーナ」でとてもよかったのだけど、このアルブレヒトは力が入りすぎで、ピルエットを回るときに無理やり回転数を増やそうとしていてちょっとあかんかった。

Lillyより抜粋
音楽:Pink Martini 振付:+81
青木尚哉&柳本雅寛

これは面白かった!こんな作品を観る機会は滅多にないのではないだろうか。スーツ姿の二人。一人がだらりと横たわり、もう一人がその彼の腕や脚を持ち上げると、死体のように落ちてそのときにボコって音がする。やがて二人とも立ち上がり、お互いのロンドゥジャンブの振りの真似をしあっては「ちっち、違う、こうやるの」って言ったり、片方が「熊川哲也~」「三木雄馬は2回!」と叫びながらバットゥリーを見せたり、バレエによるコントというか掛け合い漫才のようなものだった。会場でも盛大にうけていた。バレエの枠を破るような、こんな作品があってもいいと思う。(そして「Lillyより抜粋」ってことは、フル・ヴァージョンもあるのか?)

瀕死の白鳥
音楽:C.サン=サーンス 振付:フォーキン(改訂:畑佐俊明)
酒井はな(新国立劇場バレエ団)

先ほどのコントからいきなり「瀕死の白鳥」という展開が意外で面白かったのだけど、すぐに作品の世界に引き込まれた。酒井はなさんの腕の動きの滑らかでしなやかで美しいこと。表現は控えめだったけれども、これくらいの抑制の効いた動きのほうがこの作品にはふさわしい気がする。

2部
海賊
音楽:アダン 振付:プティパ
長田佳世&芳賀望&厚地康雄(新国立劇場バレエ団)

長田さんのメドーラはキラキラしていて、正確で美しく踊っていたのだけど、コーダのグランフェッテでダブルを入れたところちょっとくずれてポアントがついてしまった。でもそこからすぐに立て直して何事もなかったかのように踊ることができたのはさすが。芳賀さんのアリは踊りが雑。彼はもっと踊れる人だと思っていたのに。厚地さんは上背もあり堂々としたコンラッドで跳躍も高かった。

ブエノスアイレスの冬
音楽:アストル・ピアソラ 振付:日原永美子
伊藤範子&小林洋壱

ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」に合わせたタンゴで、踊りもバレエというよりは思いっきりタンゴ。でもこのペアはとても息が良く合っていたし、大人のセクシーな雰囲気を作り上げることができていて酔えた。

White Destiny
音楽:ジャコモ・プッチーニ
橘るみ

音楽はプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」。白い、チュチュを少しアレンジしたような可愛い衣装の橘さんが軽やかに音楽と戯れるように踊っていたと思ったら最後は倒れこんでいた。

エスメラルダ
音楽:プーニ 
田中ルリ

一緒に踊る予定だった岡田兼宣さんが怪我をしたために演目変更をしたというアナウンスあり。(当初の予定は「眠れる森の美女」)。おなじみのタンバリンを脚で叩くヴァリエーション。田中ルリさんは背中がやわらかくしっかりとしたテクニックで踊っていて、タンバリンを連続して脚で叩くのもきちんと音に合っていたけど、短くてちょっともったいない。

タマ
音楽:佐藤健作 振付:島地保武
酒井はな&小尻健太&東海林靖志&佐藤健作(和太鼓演奏)

サッカー、ワールドカップフランス大会の閉会式で和太鼓演奏をしたという佐藤健作さんの和太鼓が圧倒的な迫力でお腹に響く音。酒井はなさんの、さっき「瀕死の白鳥」を踊っていたとは思えないほどのちょっと素っ頓狂な衣装がポップで可愛い。小柄な東海林靖志さんと、大きな小尻さんの対比が面白くて、ダイナミックな作品。一度観ただけではなんとも表現しようがないのだけど、和太鼓の実演あってこその作品で、いい演奏で観られたのが良かった。

白の組曲
音楽:エドゥワール・ラロ 振付:リファール
藤井美帆

藤井さんはきっちりとした正統派でアカデミックなパリ・オペラ座の踊りで、白いチュチュも映え、実に目に爽やかで美しかった。オペラ座のバレリーナなら、カドリーユでもこれだけ魅せることができるのだということを実感。

Bolero
音楽:モーリス・ラヴェル 振付:西島千博
西島千博

ラヴェルの「ボレロ」に途中で「アヴェ・マリア」を重ねる暴挙に出ていて、しかもベジャールの作品のパクリっぽいところもあり、なんともトホホな作品。出口で募金箱を持っていた西島さんはかっこよかったんだけど・・・。

二羽の鳩
音楽:andre messager 振付:アシュトン
佐久間奈緒&厚地康雄

本日の白眉。佐久間さんはこの日の出演者の中でも別格の豊かな表現力とプリマオーラがあって、「二羽の鳩」の抜粋の短い踊りだったのに、まるで全編観てしまったかのように心に響くものがあった。長身で容姿に恵まれた厚地さんとのバランスも良かった。さすがに本物の鳩は登場しなかったけど。

Mayday, Mayday, Mayday, This is...
音楽:鼓童 振付:遠藤康行
平山素子&浅見紘子&加藤野乃花(マルセイユ・バレエ)&金田あゆ子
木下佳子&佐藤美紀&青木尚哉&大柴拓磨
大嶋正樹&柳本雅寛&八幡顕光(新国立劇場バレエ団)&遠藤康行(マルセイユ・バレエ)

震災チャリティガラコンサートのために振付けられ、マルセイユバレエ団のダンサーたちとともに遠藤さんが創った作品。フランス国立劇場でもすでに再演されているという。「Mayday」とはSOSのこと。舞台奥に一人佇んでいた平山素子さんが、「上を向いて歩こう」をアカペラで歌い始めると、カラフルな衣装に身を包んだダンサーたちが現れエネルギーを爆発させて乱舞する。小柄なのにものすごい跳躍力の八幡さん、しなやかな長身で空間を切り裂く浅見さん、そして何より存在感も強烈で踊りも強靭な平山さんが印象に残った。やがてダンサーたちは力尽きていくけれども、狂言回しの役を果たしている遠藤さんが、女神のような平山さんに導かれていく。立ち上がろうという力と祈りを感じる作品だった。

フィナーレでは、まずは佐藤健作さんの和太鼓のソロ。このソロがやはり素晴らしくて、会場に足を運んで良かったと思ったことのひとつ。そして出演者たちが自分の踊った作品の抜粋だったり、思い思いに踊りながら登場。とても暖かい雰囲気に包まれたガラ・コンサートで、日本でもこのようにカンパニーの枠を超えたガラがもっと行われればいいのに、って思った。舞台監督に森岡肇さん、照明に足立恒さん、音響に松山典弘さんと一流スタッフがボランティアで参加していて、舞台自体もとてもしっかりと作られていた。

トップバッターで残念ながら踊りは観られなかったけど、志賀育恵さんのブログにガラの舞台裏が紹介されている。志賀さんは5月にベルリンで行われたマラーホフ主催のチャリティコンサートにも出演していた。
http://www.ikue-garden.net/blog/2011/08/2011_1.html

三木雄馬さんのブログにも舞台裏の様子が。
http://ameblo.jp/yuma-miki/

また、公演はUStreamで生中継されており、会場に足を運べなかった人も舞台の様子を観ることができた。せっかくなら、アーカイヴ化して後日見られるようにして、協賛しているチャコットが採用しているJust Givingのチャリティに公式サイトからリンクを張って、映像を観た人も寄付できるようにすればもっと良かったのではないだろうか。特に今回、ここでしか観られないような作品も上演され、普段の活動拠点が海外のダンサーも多く踊ったことだし。

Dance Aid for Japan 東日本大震災被災地支援
http://justgiving.jp/c/5214

追記:オールニッポンバレエガラコンサートのオフィシャルYTチャンネルに、グランドフィナーレの動画がアップされていました。

2011/08/23

新国立劇場バレエ団「バレエ・オープニング・ガラ」の出演者決定

2011年10月1日(午後2:00開演)に開催される、新国立劇場バレエ団による『バレエ・オープニング・ガラ』公演の出演者が決定したとのことです。

http://www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20001592.html

=第1部=
『アラジン』から「序曲」「砂漠への旅」「財宝の洞窟」
 アラジン:八幡顕光    魔術師マグリブ人:マイレン・トレウバエフ
 サファイア:湯川麻美子 ダイヤモンド:川村真樹
 ルビー:長田佳世/厚地康雄

=第2部=
【バレエ パ・ド・ドゥ3選】 
『眠れる森の美女』   オーロラ姫:小野絢子   デジレ王子:福岡雄大

『ロメオとジュリエット』  ジュリエット:本島美和  ロメオ:山本隆之

『ドン・キホーテ』    キトリ:米沢 唯 バジル:菅野英男

『シンフォニー・イン・C』から最終楽章
プリンシパル: 丸尾孝子/古川和則  長田佳世/福岡雄大
川村真樹/貝川鐵夫   寺田亜沙子/輪島拓也


公演詳細はこちらです。

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/20000534_ballet.html

一般前売開始/9月4日(日)10:00~なのですが、会員優先発売の段階でかなり売れてしまっているようです。私は何とか会員向け前売りでチケットを確保しました。

料金
S席 5,000  A席 3,000 B席2,000とかなりお買い得な価格なので、これは必見ですね!

2011/08/21

マリインスキー・バレエ「ジュエルズ」DVD化 Mariinsky JEWELS being released on DVD

すでにご存知の方も多いかと思いますが、念のためお知らせしておきます。

2006年に収録がなされていながら、なかなか発売されなかったマリインスキー・バレエの「ジュエルズ」(バランシン振付)が、DVD/Blu-Ray化されることが決定し、Amazon.ukではすでに予約も開始されています。Amazon.ukでの発売予定は10月3日です。

マリインスキー劇場がマリインスキー・レーベルを立ち上げ、積極的にCDのリリースを行っていますが、そのバレエDVD第一弾ですね。今後バレエ映像の発売が続くことを期待したいです。

なお、DVDはPAL方式のリージョン2なので日本仕様のDVD再生機では観られませんが(PCでは可能)、Blu-Rayはリージョンフリーなので通常の再生機で観られるはずです。

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/B005HK8KZ0/

<キャスト>

Emeraldes
Zhanna Ayupova - Denis Firsov
Daria Sukhorukova - Dimitri Semionov
Pas de trois: Anton Korsakov - Xenia Ostreïkovskaïa - Yana Selina

Rubies
Irina Golub
Andrian Fadeev
Sofia Gumerova

Diamonds
Ulyana Lopatkina
Igor Zelensky

素晴らしく豪華なキャストといえます。「エメラルド」のジャンナ・アユポワは引退して現在はミハイロフスキー劇場のバレエ・ミストレス、ダリア・スホルコワはミュンヘン・バレエのプリンシパル、ドミトリー・セミオノフはベルリン国立バレエに移籍しています。


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2011/08/20

8/17 東京バレエ団「ジゼル」The Tokyo Ballet "Giselle"Vishneva & Chudin

東京バレエ団「ジゼル」 
http://www.nbs.or.jp/stages/1108_giselle/index.html

◆主な配役◆

ジゼル:ディアナ・ヴィシニョーワ Diana Vishneva
アルブレヒト:セミョーン・チュージン Semen Chudin
ヒラリオン:木村和夫 Kazuo Kimura


【第1幕】

バチルド姫:吉岡美佳
公爵:後藤晴雄
ウィルフリード:柄本弾
ジゼルの母:橘静子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
高村順子-梅澤紘貴、乾友子-長瀬直義
佐伯知香-松下裕次、吉川留衣-宮本祐宜

ジゼルの友人(パ・ド・シス):
西村真由美、高木綾、奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子


【第2幕】

ミルタ:田中結子
ドゥ・ウィリ:西村真由美、吉川留衣


指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ヴィシニョーワのジゼルは、2004年に東京バレエ団でマラーホフと踊ったのを観て、あまりに型破りで情熱的、生っぽいジゼルだったのに仰天してその時には受け入れられなかった。その後ABTでアンヘル・コレーラと踊ったのも観ているけど、その時も自分が持っているジゼル像とかけ離れていて好みではなかった。ところが、ここ数年、ヴィシニョーワというバレリーナの強い個性が面白く感じられるようになってきて、彼女のジゼルがどんな風に変化しているのか興味津々でこの舞台に臨んだ。しかも、「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」公演が延期(実質中止)になって急遽穴埋めに行われた公演に、ロンドン公演でニキヤ役を演じた直後に日本に飛んできてくれた彼女の心意気にも感じ入るところもあって。

マラーホフとのジゼルを見たときには、とても妖艶で生命力あふれている小悪魔ジゼルで、まるで吸精鬼のようにアルブレヒトの生気を吸い取ってしまうような存在だったけど、今回の彼女は違っていた。1幕では前回のようにピンクの衣装ではなくて白とブルーの清楚な衣装で、耳を黒髪で隠したシニヨンが大人っぽいけど、とっても可憐。踊るのが大好きな少女というのがよく出ていたけど、一方でやや病的で死の気配も濃厚かつ、狂気の片鱗を感じさせており生と死の対比がとても鮮やかだった。全身で恋をして情熱的に生きたが故に早くあちらの世界に呼ばれてしまったような。情熱は溢れているのに儚くて、早生してしまうという矛盾の中で生きているのだ。1幕のヴァリエーションではアルブレヒトに送る視線ははにかんでいて愛らしいのに、どこかバランスが崩れていて狂気を感じさせている。しっかりとしていて賢く分別がありそうなのに、頭のねじが何本か飛んでしまっている印象。早いうちからあちらの世界に呼ばれてしまっているのが感じられていた。

彼女の役作りは、映画「マルホランド・ドライブ」でナオミ・ワッツが演じたヒロインに通じるところがあって、あの映画のコピー「わたしのあたまはどうかしている」という言葉が思わず頭の中に浮かんできてしまったほど。まるでデヴィッド・リンチの映画の世界のような、迷宮の中に囚われてすこし世界がずれているかのようだ。(しかし、このジゼルは最初から少し狂ってしまっているようなのだけど、決して頭が弱いという感じではなく、むしろ聡明であるが故にちょっとおかしい、というキャラクターなのだと思う)

ヴィシニョーワの狂乱の場面は、もっと演技が大げさなのを予想していたら、意外にも静かだったけど、思わず見る側が吸い込まれるような静かだけど強い壊れ方をしていて、裏切りの衝撃のあまり何かがぷつんと切れてしまったかのよう。ウィリたちの世界と交信していてまるで壊れた人形のようになってしまって、本当にこの子おかしくなってしまったのねっていうのが伝わってきた。頭のねじが何本かはずれてしまって、誰も手を出すことができない別の世界へと旅立ってしまったかのような。

ヴィシニョーワのジゼルはやはり精霊になっても生を感じさせて強いんだけど、その突き抜けた個性が鮮烈でひとつの誰にも真似のできないような芸術に昇華されていた。精霊になってからのジゼルは、最初は完全に霊でミルタに操られるまま意志を持っていなくて空気のような目に見えない存在だったけど、少しずつ想いが強くなって、だんだん輪郭がくっきりしてきて生っぽくなっていき、最後には完全に人間の姿を取り戻していて艶やかさすら感じさせていた。半開きの口からは温かい吐息が漏れてきているかのようで。普通のジゼルは想いだけがかろうじて形をとどめていて、どこまでも透明で空気のような、魂だけどの存在になっているというのに、まったく逆の解釈でどんどん人間に近づいていくので、とても興味深いアプローチであった。拍手が鳴り止まずレヴェランスするときにも、彼女は完璧に役の中に入り込んでいて冷ややかな空気が伝わってくるかのようだったが、場面が進んでいくとともにレヴェランスの様子も変化していっているのが凄い。

ウィリ・デビューの時にはものすごい高速回転でミルタの完全な支配下にあるのに、ジゼルはアルブレヒトと一瞬触れ合うか合わないかという所から徐々に変化していき、しなやかで余白を残した大きな腕の動きと音に対してアクセントを入れることで余韻を残して人間らしさを表現。すこし開いた口元も妖艶でどんどん人間の女性へと戻っていく。ミルタにアルブレヒトを救うことを必死に懇願する姿がとてもけなげで、こんなにも彼を愛しぬこうとしているのだ、と心打たれた。生前は病弱で思うように踊れなかったジゼルが、肉体を失ったことでその束縛から抜け出し思いっきり踊れることの幸福すら感じているかのようだった。生きているときの感情を取り戻しながらも、それでもひんやりとした死も同居していて、ジゼルという物語は死と生の世界の境界線上にあることを改めて実感させられた。

印象的だったのが、夜明けの鐘が鳴ってアルブレヒトが助かったことがわかった後のヴィシニョーワの演技。ジゼルはアルブレヒトの腕にふわりと抱かれて、本当に幸せそうに、満足げに微笑を浮かべる。そしてそのまま彼のほうを向くことなく、霊となってパ・ド・ブレしながら静かにお墓の中に消えていった。

ヴィシニョーワは踊りの面では、1幕のヴァリエーションが軽やかで愛らしくて音楽性豊かで完璧だったのだけど、ロンドン公演&長旅の疲れもあったのか、2幕では少々ポワントの音が目立ったことだけが残念。DVD「ヴィシニョーワのヴァリエーションレッスン」でジゼルについて熱く語っていた彼女の言葉の中で印象的だったのが、ジゼルは2幕では精霊なので足音は絶対にさせてはいけない、ということだったから。しかしアルブレヒトにサポートされてふわりふわりとシソンヌするところは実に美しかったし、決して完璧な体型ではないのに手脚を目一杯つかって大きく長いラインを見せていたのはさすがだった。


一方、アルブレヒトを演じたチュージン。実はそんなに背は高くないほうだと思うけど、首が長くてバランスの取れた体型でラインも美しい。ふわふわの金髪で、遠目にはウヴァーロフとグダーノフを足して2で割った感じの容姿は、貴公子的だ。アラベスクやジュッテ・アントルラッセの時に後ろ脚がとても高く上がってきれいだったし、跳躍も高くてつま先までよく伸びてアカデミックな踊り。彼は背中が柔らかいのだと思う。アルブレヒトの2幕のヴァリエーションでは、せっかくの柔らかい背中を生かしてもっと背中を反らしてほしいなどと贅沢な注文をつけてみたりして。圧巻だったのがアントルシャ・シスで、腕を胸の前で交差させたまま、つまり腕の力をまったく使わないで24回跳び、足先もとても美しかった。本当に精魂尽き果てて倒れこんでしまったのも大いに納得。2幕でジゼルが現れて一瞬交差するときのリフトではタイミングを間違えたのかちょっと失敗していたけれども、上記のジゼルのシソンヌのサポートや、彼女をまるで空気のように、まったく体重を感じさせずにリフトしスムーズに下ろすところはばっちり。短いリハーサル期間でよくやっていたと思う。

チュージンはモスクワ音楽劇場の来日公演「エスメラルダ」での血も涙もない最低男ファビュスを冷徹に演じた姿が印象的だった。モスクワ音楽劇場はスタニフラフスキー・メソッド(メソッド演技)で有名なこともあり、彼はあくまでも自然な演技が優れていた。.1幕のアルブレヒト(ロイス)では、後先何も考えていないような、恋に夢中になっている軽いお坊ちゃん風で、そのくせヒラリオンが割って入ろうとするとお貴族様の半端ない高慢な威圧感を突然出していたりして、この人何者、と感じた。彼のアルブレヒトは、婚約者がいることも自覚していながらも、つい、可愛くてちょっとねじの切れているジゼルにも恋しちゃって、二股かけて何が悪いのと悪びれない風。ジゼルが彼の二股に気がついて狂乱してから初めてことの重大性に気がついて、本当に愛していたのは彼女のほうだと気がつく。ジゼルの死に際しての取り乱し方、そして嘆き方がすごく激しかったのには驚かされた。

百合の花束を抱えてマント姿と紫のタイツでしずしずとジゼルの墓のほうへと歩むアルブレヒトの姿はまさに貴公子。彼にはなかなかジゼルの姿が見えて来ないけど、気配だけは確かに感じていた。2幕では、圧倒的なヴィシニョーワの演技に押されていたところがあったけど、ジゼルの強い想いに応えようと懸命になっているのは伝わってきた。ラスト、ジゼルの愛によって救われた後、背中から彼女を持ち上げて優しくかき抱きいとおしむ様子は心を打った。でも彼女がお墓のほうへと消えていくときには、もう彼女とは二度と会えない運命であることを悟り見送るのみ。墓に捧げられた百合の中から一厘だけ、ジゼルの忘れ形見として手に取り、名残を惜しみながらも歩いていき前を見据えた姿からは、アルブレヒトは彼女の繋がりを感じながらもこれから先の人生を強く生きていくのだろうと感じさせるものがあった。

ただ、この二人の愛が本当に同じレベルで通い合ったのは、ラスト前の抱きかかえる瞬間だけだったんだろうな、と思うほどの温度差があったのは事実だ。ヴィシニョーワのあまりにも鮮烈で突き抜けたジゼルと同じレベルで演技できる人など、そうそういるはずもない。

「ジゼル」の物語はもちろんジゼルとアルブレヒトが中心ではあるけれども、ヒラリオンもとても重要な存在。重要無形文化財に指定してほしいほどの木村さんの至芸が見たくて、こちらの日程を選んだわけである。木村さんのヒラリオンは、アルブレヒトなんかよりずっと真剣に熱くジゼルを愛していて、アルブレヒトのお貴族様オーラに押されながらもめげずに割って入り、なんとかして二人を引き離そうと、万感の想いでほら貝を吹く。ジゼルが狂っていく時におろおろするばかりのアルブレヒトに対し、ヒラリオンはなんとかして彼女を正気に戻そうと必死になる。彼女の死に際して剣を抜いたアルブレヒトに、手を十字架のように広げて「いっそのこと自分も殺してくれ」と身を投げ出す。2幕の冒頭での打ちひしがれた様子には胸が痛み、ウィリの群れに踊り殺されるときの恐怖感と懇願するさまにも心乱される。木村さんのアルブレヒトも観たいのではあるが、彼を上回るヒラリオン役者はいないだろう。

田中さんのミルタは、威厳はあるものの踊りが重くて足音も大きく、今一歩であった。それに対して、西村さんと吉川さんのドゥ・ウィリは足音をまったくさせずに見事な踊り。中でもふわっとしていて本当に精霊のような柔らかい西村さんの踊りは素晴らしく、彼女の個性からいってミルタは踊らないだろうけれども、いつかジゼルを踊る姿を観たいものだとしみじみ思った。ウィりたちの群舞はよく揃っていて、揃っているゆえの恐ろしさは感じさせてくれたけど、アラベスクで交差するところはちょっと足音が大きかったように感じられた。しかし、東京バレエ団の「ジゼル」は上演回数を重ねていることもあるのだろうが、いつも安定したクオリティが保たれた公演である。

いずれにしてもヴィシニョーワの鮮烈な演技と、大いなる将来性を感じさせたチュージンを観ることができて、短い準備期間だっただろうに良い舞台を見せてもらったことに深く感謝したい。特に多忙なスケジュールの間を縫って、今の日本に駆けつけてくれて濃密で心のこもったパフォーマンスを見せてくれたヴィシニョーワは本当に素晴らしい芸術家であり、心から感謝を捧げたいと思う。良い公演だった。

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2011/08/14

7/23 ABT「ドン・キホーテ」 American Ballet Theatre "Don Quixote"

2011年7月23日(土) 1:00p.m~3:30p.m.
ドン・キホーテ
東京文化会館

原振付 : マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂 : ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽 : ルードヴィヒ・ミンクス
編曲 : ジャック・エヴァリー
原作 : ミゲル・デ・セルバンテス
セット・衣裳 : サント・ロクァスト
照明 : ナターシャ・カッツ
指揮 : デイヴィッド・ラマーシュ
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ドン・キホーテ : ヴィタリー・クラウチェンカ Vitali Krauchenka
サンチョ・パンサ〔ドン・キホーテの従者〕 : ジェフリー・ガラデイJeffrey Golladay
キトリ :ジリアン・マーフィー Gillian Murphy
バジル〔理髪師、キトリの恋人〕 : デイヴィッド・ホールバーグ David Hallberg
ガマーシュ〔裕福な貴族〕 : アレクサンドル・ハムーディ Alexandre Hammoudi
ロレンツォ〔キトリの父〕 : ロマン・ズービン Roman Zurbin
メルセデス〔踊り子〕 : ステラ・アブレラ Stella Abrera
エスパーダ〔闘牛士) : サッシャ・ラデツキー Sascha Radetsky
花売り娘 : メラニー・ハムリック、ヒー・セオ Melanie Hamrick, Hee Seo
ジプシーのカップル : ミスティ・コープランド、アロン・スコット Misty Copeland, Aaron Scott
森の精の女王 : ステラ・アブレラ Stella Abrera
キューピッド : ジェマ・ボンド Gemma Bond

闘牛士たち : アレクセイ・アグーディン、トビン・イーソン、トーマス・フォースター
ミハイル・イリイン、ジョゼフ・フィリップス、エリック・タム
闘牛士の女友達 : ブリタニー・デグロフト、エイプリル・ジャンジェルーソ、ローレン・ポスト、
       ケリー・ポッター、デヴォン・トイシャー、ジェニファー・ウェイレン
スペインの踊り : カロリーヌ・デュプロー、ジェイミー・コピット、イサドラ・ロヨラ、
エリーナ・ミエッティネン、カサンドラ・トレナリー、キャサリン・ウィリアムズ、
スターリング・バーカ、ロディー・ドーブル、ブレイン・ホーヴェン、
ルイス・リバゴルダ、アロン・スコット、ホセ・セバスティアン
ジプシーたち : フリオ・ブラガド=ヤング、グラント・デロング、ロディー・ドーブル、
ケネス・イースター、ジョセフ・ゴラック、アイザック・スタッパス

当初はイーサン・スティーフェルがバジル役にキャスティングされていて、ジリアンとの実生活カップルを楽しみにしていたのだけど、イーサンが出演しないことになって代役はデヴィッド・ホールバーグに。デヴィッドが「ドン・キホーテ」に出演しないのを残念に思っていたので(前々回のエスパーダが超かっこよくって)、彼が代役で良かったと思った(そして心置きなく、彼がオシポワと出演する「ロミオとジュリエット」のチケットは売りに出せることになったし!)。

キャラクター的にいえば、デヴィッドって決してバジル向きではない。金髪で長身、ラインの美しい彼は見るからに貴公子でクールそうだから、光り輝く闘牛士服のすかしたエスパーダの方が絶対に似合っている。でも、デヴィッドは彼なりのスタイリッシュでちょっと澄ました、チャラいバジル役になりきっていて、面白かった。彼はMETシーズン中に怪我をし、回復してから最初の全幕の舞台だったので少し心配だった。絶好調ではなかったようで、片手リフトは不安定だったし3幕のヴァリエーションでは疲れも見えたけれども、なんといっても彼の芸術品のような長く美しいカーヴを描いた脚、しなやかなラインは眼福であった。ジリアンとの呼吸も良く合っていたし、なんといっても美男美女で並んで絵になる。デヴィッドが初めて「ロミオとジュリエット」でロミオ役を踊ったのをMETで見ているのだけど、あの時のジュリエットはジリアンだったのだ。今回のジュリエットもジリアンだったら良かったのに。

ジリアンのキトリは6年前の来日公演でも観ている。回転女王の異名をとる彼女は、ちょっと気の強そうなところもキトリにぴったりなのだけど、6年間で人は変わるものだと思った。テクニックの強さは相変わらずで、3幕のグランフェッテでもトリプルを入れてきて余裕たっぷりだったのだが、すっかり女らしく成長していて気の強さも少し薄れ、町中の若者の憧れの美女キトリというイメージになっていた。1幕のちょっとオレンジピンクっぽい衣装も白い肌と赤い髪にすごく似合っていてジリアンって本当にきれいだな~としみじみ。ドルシネアでの姫オーラも圧倒的だったし、圧巻のグランフェッテは、前述のようにトリプルで始まってダブルを連続で入れていくだけでは足りず、頭上で扇を上下にひらひら開閉させながら優雅に回っているのだから凄い。3幕の衣装はバジルもキトリも白で、本当にこの二人が踊ると華やかでキラキラしていてまぶしいこと。こんなジリアンが大好きだから、もっと日本で観る機会があればいいのにって思う。

エスパーダはサシャ・ラデツキー。昨日のコリー・スターンズの方が長身の分見栄えがしたけど、踊りは全然サシャの方が上だった。マント捌きが鮮やかでステップも明快でカッコよかった。彼がもう少し背が高ければプリンシパルになれたのだろうけど・・・でもABTのソリスト陣で次にプリンシパルになるとしたら彼が一番ふさわしい気がする。メルセデスはサシャ夫人のステラ・アブレラで、派手さはないけれども細長いラインがきれい。前日のヴェロニカ・パールトより森の女王パートもしっかりと踊っていた。

キャスト表を見てびっくりしたのが、ガマーシュ役をアレクサンドル・ハムーディが演じていたこと。オープニングガラではくるみ割り人形の王子、「ロミオとジュリエット」ではパリス役を予定されている長身でハンサムな彼がガマーシュ役に入っていて一瞬目が点になった。前日のコミカルでキュートなクレイグ・サルステインのガマーシュも良かったけど、アレックス君のガマーシュは気取っていてとぼけていて、それはそれで可笑しかった。ロレンツォ役のロマン・ズービンといい凸凹コンビぶりだった。

闘牛士軍団もこの回は踊れる男子をそろえていて見ごたえがあったし、ジプシー・カップルのアーロン・スコットとミスティ・コープランドも文句なし。ミスティは前回の来日のときからずいぶんとほっそりとして美しくなっていたし、力強くセクシーな踊りで吸引力があった。プリンス(紫の貴公子)と舞台で共演して気に入られ、ABTに多額の寄付をもたらした彼女が、案外次のプリンシパル候補になるかもね、と思ったほど。

全体的に良くまとまったいい舞台で、夜の加治屋・シムキンの公演がテレビ放映される予定のためこのマチネの回からNHKのテレビカメラが入っていて収録もされていたようだったけど、せっかくならこっちの回も放映されればいいのに、って思った。ABTの「ドン・キホーテ」は楽しい!

2011/08/11

マリインスキー・バレエのロンドン公演「アンナ・カレーニナ」Anna Karenina, Mariinsky Ballet in London

現在、マリインスキー・バレエはロイヤル・オペラハウスでロンドン公演中です。フォーキンプロ、バランシン/ロビンス・プロ、「ドン・キホーテ」、「アンナ・カレーニナ」と上演され、今日からは「ラ・バヤデール」が上演される予定です。

ABTの来日公演のパンフレットに、マリインスキー・バレエは来年12月に来日予定と予告が載っており、演目は「白鳥の湖」「ラ・バヤデール」そして「アンナ・カレーニナ」が予定されているとのことです。

さて、この「アンナ・カレーニナ」は、アレクセイ・ラトマンスキーが振付けたものですが、彼がかつて観たマイヤ・プリセツカヤが自ら振付主演した同名作品(1968年)にインスピレーションを得たとのことで、ラトマンスキーの振付作品もプリセツカヤ版と同じシチェドリン(プリセツカヤの夫君)の音楽を使用したものだそうです。

ロンドン公演に先立ち、ニューヨークのマリインスキー・バレエの公演でも「アンナ・カレーニナ」は上演され、NYTimesの批評家アレイスター・マコーリー氏にぼろくそに貶されるなど、(ダンサーは素晴らしかったものの)作品そのものに対しては否定的な批評が目立っていました。

http://www.nytimes.com/2011/07/13/arts/dance/ratmanskys-anna-karenina-with-mariinsky-ballet-review.html

ところが、ロンドンでの評は賛否両論ではあるものの、概して好意的なものが目立っていたのが興味深いところです。主演したウリヤーナ・ロパートキナ、ディアナ・ヴィシニョーワとも絶賛を浴びています。

Telegraph (Sarah Crompton)
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/8692968/Anna-Karenina-by-the-Mariinsky-ballet-A-Russian-tragedy-to-rejoice-over.html

Guardian (Judith Mackrell)
http://www.guardian.co.uk/stage/2011/aug/10/mariinsky-ballet-anna-karenina-review

The Arts Desk (Judith Flanders)
http://www.theartsdesk.com/index.php?option=com_k2&view=item&id=4296:anna-karenina-mariinsky-ballet-royal-opera-house&Itemid=27

Financial Times (Clement Crisp)
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/3b1d2630-c347-11e0-9109-00144feabdc0.html

Evening Standard (Sarah Frater)
http://www.thisislondon.co.uk/theatre/review-23977015-anna-kareninamariinsky-ballet-covent-garden---review.do

フォトギャラリーがあるのでご紹介します。

Ballet.coのギャラリー(John Ross) (ヴィシニョーワ、スメカロフ、バイムラードフ)
http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_mariinsky_anna_karenina_roh_0811

Eliott Franks (ロパートキナ、スメカロフ、バイムラードフ)
http://elliottfranks.photoshelter.com/gallery/Anna-Karenina-gallery-2-9th-August-2011/G0000O4UZ8xjJIoU

また、マリインスキーのロンドン公演関連で、バランシン・ロビンスプロのゲネプロの様子が写真をたくさん使ってThe Ballet Bagに掲載されています。(コールプ、ソーモワ、ゲストのデヴィッド・ホールバーグほか)
http://www.theballetbag.com/2011/08/09/mariinsky-in-london-dress-rehearsal/

まだ1年以上先のことではありますが、マリインスキー・バレエの来日公演がとても楽しみです。


こちらはプリセツカヤ主演の「アンナ・カレーニナ」。共演はアレクサンドル・ゴドゥノフ

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2011/08/08

NHKハイビジョン特集でABT加治屋百合子さんの特集番組放映

いつもTV放映の情報をどこよりも早くお知らせしてくださる「ちょこっと劇場に行ってきます」のmiyaさんに教えていただきましたが、NHKハイビジョン特集でABTの加治屋百合子さんの特集番組「世界が“Yuriko”に恋をする~バレリーナ 加治屋百合子」が放映されるとのことです。

ハイビジョン特集
世界が“Yuriko”に恋をする
~バレリーナ 加治屋百合子

http://www.nhk.or.jp/bs/hvsp/

2011年9月3日(土)22:00~23:30 NHKBSプレミアム
2011年9月4日(日)16:30~18:00 NHKBSプレミアム(再)

先日BSプレミアムで放映された、加治屋さんとダニール・シムキンが主演した「ドン・キホーテ」の舞台裏を中心にした番組だと思われますが、1時間半もの放送枠があるので、どんな映像が出てくるのか、とても楽しみですね。ABTのほかのメンバーも出演するのかしら?

ハンブルク・バレエのアジア・ツアー2012年1~2月 Hamburg Ballet's Asian Tour 2012

ハンブルク・バレエの2012年に予定されているアジアツアーの詳細が、オフィシャルサイトに発表されていました。

http://www.hamburgballett.de/e/gastspiel.htm

Beijing 北京
CHNCPA, China National Center for Performing Arts
January 24 and 25, 2012 | Third Symphony of Gustav Mahler マーラー交響曲3番
January 27 and 28, 2012 | Nijinsky ニジンスキー

Hong Kong 香港
Hong Kong Arts Festival
January 31, 2012 | Third Symphony of Gustav Mahler マーラー交響曲3番
February 3, 4 and 5, 2012 | A Streetcar Named Desire 欲望という名の電車

Shanghai 上海
Shanghai Grand Theatre
February 10 and 11, 2012 | Nijinsky ニジンスキー

予想通りですが日本には来なくて中国が中心ということで、おそるべしチャイナマネーって感じなわけですが。1~2月のこの時期は日本でもボリショイ・バレエの来日公演があったり、「エトワール」公演があったりもします。が、上海の「ニジンスキー」などはちょうど空白の時期でしかも祝日と重なっていたりして、食指が動く方もけっこういるのではないでしょうか。

********

同じドイツのカンパニーですが、シュツットガルト・バレエの日本公演が2012年6月に予定されていると最新のダンスマガジンにも記述があります。手元にあるシュツットガルト州立劇場のシーズンブックにもその予定が書き込まれています。

シュツットガルト・バレエのオフィシャルサイトは現在リニューアル中ですが、正式リニューアル前の仮サイト2012年6月の予定を見てみると、日本公演が予定されている6月上旬に、本拠地での「じゃじゃ馬ならし」が予定されています。(来シーズンのガイドブックやスケジュール冊子には、その時期には本拠地での公演は予定されていませんでした)また、ツアーの予定は現在のところサイトには掲載されていません。

ちなみに、シーズンガイドブックによれば、シュツットガルト・バレエの日本公演は6月1日、2日が東京文化会館で「じゃじゃ馬ならし」、5,6,7日が同じく東京文化会館で「白鳥の湖」、9日が兵庫県立芸術文化センターで「じゃじゃ馬ならし」となっています。また、6月15,16,17日はソウルでの公演が予定されていると記述されています。

サイト担当者のミスの可能性も否定できませんが、来年6月に本当に日本公演が行われるのかはちょっと怪しい雲行きです。これが杞憂に過ぎなければ良いのですが。シュツットガルト・バレエのあるバーデン=ヴュッテンベルク州は、東日本大震災直後に行われた総選挙で緑の党が第一党に選ばれるなど、原発アレルギーの強い地域なのです。

2011/08/07

パロマ・ヘレーラ 今 ダンサーとして "Here & Now" Paloma Herrera

先日までのABT来日公演でも大活躍したパロマ・ヘレーラを追ったアルゼンチン制作の2008年のドキュメンタリーDVD。

http://columbia.jp/prod-info/COBO-6049/

■収録作品
リハーサル風景 rehearsal footage
「白鳥の湖」<第2幕グラン・アダージョ、第3幕黒鳥のパ・ド・ドゥ など>Swan Lake
 パロマ・ヘレーラ、ギョーム・コテ Paloma Herrera, Guillaume Cote
「ミュ-ズを導くアポロ」<テレプシコーラのヴァリエーション、パ・ド・ドゥ>Apollo
 パロマ・ヘレーラ、カルロス・アコスタ Paloma Herrera, Carlos Acosta
「海賊」<第2幕パ・ド・トロワ、寝室のパ・ド・ドゥ など> Le Coisaire
 パロマ・ヘレーラ、フリオ・ボッカ、アンヘル・コレーラ Paloma Herrera, Julio Bocca, Angel Correra

舞台収録映像
「ライモンダ」<ライモンダのヴァリエーション>Raymonda
 パロマ・ヘレーラ Paloma Herrera
「パキ-タ」<グラン・パより> Paquita Grand pas de deux
 パロマ・ヘレーラ、ギョーム・コテ Paloma Herrera, Guillaume Cote
「Las 8 Estaciones」<ブエノスアイレスの夏>
 パロマ・ヘレーラ、エルネスト・チャコン・オリベ Paloma Herrera, Ernst Chacon Oliver

2008年アルゼンチン作品 75分収録
片面1層,チャプター有,メニュー画面 日本語字幕
カラー/16:9
音声 ドルビーデジタル ステレオ

天才少女として14歳のときにセンセーションを起こして15歳でABTに入団し、19歳にしてプリンシパルへと上り詰めたパロマ。彼女は今年でABT在籍20周年を迎えた。彼女を指導した最初の教師であるオルガ・フェリ、現在彼女を指導している往年の名バレリーナ、イリーナ・コルパコワ、そしてABT芸術監督のケヴィン・マッケンジーと彼女自身のインタビューを挟みながら、ABTのプリンシパルとしての日常、豊富なリハーサルシーン、そして舞台映像で彼女の魅力をたどっていく。

印象的だったのはマッケンジーの言葉で、若くして天才としてもてはやされた人間の多くは、その名声の重みに押しつぶされてだめになってしまうことが多いけど、彼女はそれを乗り越えてより素晴らしいアーティストになったということ。パロマが重圧に打ち勝ち、アーティストとして成熟していくことができたのは、もちろんたゆまぬ努力もあったけれども、素晴らしい師匠たちとの出会い、ラテン・アメリカの女性としての明るさ、気取りのない地に足のついた性格もあったのだろうとこの映像では感じさせてくれる。また、ABTという国際色豊かなカンパニー、コスモポリタン的なニューヨークという都市に暮らしていることも幸いしたのではないかと。ヴァルナ・コンクールのときにオリガ・フェリが彼女のタイツを紅茶で染めてポワントと同じ色にしたということから、今もパロマは自分のタイツを一枚一枚同じように紅茶で染めているというエピソードも興味深い。ツアー用のスーツケースを開いて中身を見せてくれるところでは、日本公演用にもこんな感じできっちりと用意したんだろうな、と思い起こした。

リハーサルシーンでは、アコスタとの「アポロ」もさることながら、フリオ・ボッカとアンヘル・コレーラとの「海賊」のシーンが面白い。アンヘルの、まるでスタジオの床に穴でも開いてしまうのではないかという笑っちゃうような凄いピルエット!舞台映像では、最後にたっぷりと見せてくれるギョーム・コテとの「パキータ」も素敵だけど、アストル・ピアソラの「ブエノスアイレルの夏」に乗せて踊られるタンゴ風バレエに、彼女のアルゼンチンのルーツが感じられて、こういう映像が観られるのって貴重よね、と思ったのだった。

パロマ・ヘレーラは日本で踊る機会も多いのに、どうしてもキトリなどの明るくてテクニック優先のイメージが強いダンサーではある。だけど、彼女が演じる「ジゼル」や「ロミオとジュリエット」のジュリエットはとても情感豊かで胸に響き、中でもマルセロ・ゴメスと彼女が踊った「ロミオとジュリエット」は長いこと心に残る名演だった。今回の来日公演で彼女のジュリエットがなかったのが残念だったけど、キトリ以外の彼女も日本で観られるといいな、と改めて思ったのであった。


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2011/08/05

ボリショイ・バレエ 2012年1~2月来日公演 兵庫、浜松、愛知のキャスト/追記 びわ湖、三重のキャスト

なかなか兵庫でのホセ・カレーニョABTファイナルの感想まで追いつけないのですが、全団員が一団となって盛り立てて、素晴らしく感動的な公演になりました。「ドン・キホーテ」で泣かされるのは2回目でした。(一度目は、もちろん東京でのホセのファイナル)

さて、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールでのボリショイ・バレエのキャストの仮チラシが配られていました。

2012年2月11日(土)16:00開演「ライモンダ」
ライモンダ:マリーヤ・アラシュ
ジャン・ド・ブリエンヌ:アレクサンドル・ヴォルチコフ
アブレラフマン:イワン・ワシーリエフ

2012年2月12日(日)15:00開演「白鳥の湖」
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ルンキナ
ジークフリート王子:セミョーン・チュージン
ロットバルト:パヴェル・ドミトリチェンコ

お得な2演目セット券S席36000円、A席30000円もあります。

ついでに、浜松アクトシティでの「白鳥の湖」公演のキャストも出ています。
http://www.hcf.or.jp/information/2011/08/129.php

2012/1/29(日) 17:00~ アクトシティ浜松 大ホール
ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」(全幕)
オデット・オディール:スヴェトラーナ・ルンキナ
ジークフリート王子:セミョーン・チュージン
ロットバルト:ウラディスラフ・ラントラートフ

※上記の出演者は、2011年8月1日現在の予定です。
 病気、怪我、そのほかやむを得ない事情で変更になる場合がございます。
 最終的な出演者は当日発表になりますので、ご了承下さい。


愛知公演はだいぶ前にキャストが出ていましたが念のため
http://cte.jp/detail/12/120205/

2012(平成24)年2月5日(日) 開演/15:00 愛知県芸術劇場大ホール

[予定出演者]
スパルタクス:イワン・ワシーリエフ
フリギア:スヴェトラーナ・ルンキナ
クラッスス:アレクサンドル・ヴォルチコフ
エギナ:エカテリーナ・シプーリナ

お申込み・お問合せ
中京テレビ事業
052-957-3333
9:30~17:30
(土日祝日休業)

少しずつ東京公演のキャストと組み合わせが違っており、また週末公演なので、遠征を検討される方もいるのではないでしょうか。この時間帯だったら日帰りも可能かと思われます。


追記
びわ湖ホールでの公演もキャストが発表されていましたね。

http://www.biwako-hall.or.jp/event/detail.php?c=10200278

2012年01月28日(土) 開場:16:15 開演:17:00 大ホール

ボリショイ・バレエ 『ライモンダ』(全3幕)

演出・振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
改訂振付:ユーリー・グリゴローヴィチ(2003年版)
美術:シモン・ヴィルサラーゼ
管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団

《予定キャスト》
ライモンダ:マリーヤ・アレクサンドロワ 
ジャン・ド・ブリエンヌ:ルスラン・スクヴォルツォフ 
アブデラフマン:パヴェル・ドミトリチェンコ
*予定キャストは2011年7月22日現在の予定です。病気、怪我、そのほかやむを得ない事情で変更になる場合がございます。キャストの正式発表は公演当日となります。変更による払い戻しには応じかねますので、あらかじめご了承ください。


三重のキャストはいつ出ていたのかな~。

http://www3.center-mie.or.jp/center/bunka/event_c/2012/0127.html

2012年 1月27日(金曜日)
18時30分開演(予定)
「白鳥の湖」
会場 三重県文化会館 大ホール
オデット・オディール:アラシュ
ジークフリート:ヴォルチコフ
ロットバルト:ラントラートフ

2011/08/04

7/22 ABT 「スペシャル・ドン・キホーテ」ABT Special Don Quixote

2011年7月22日(金) 6:30p.m~9:00p.m.
スペシャル・ドン・キホーテ

原振付 : マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂 : ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽 : ルードヴィヒ・ミンクス
編曲 : ジャック・エヴァリー
原作 : ミゲル・デ・セルバンテス
セット・衣裳 : サント・ロクァスト
照明 : ナターシャ・カッツ
指揮 : チャールズ・バーカー
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ドン・キホーテ : ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ〔ドン・キホーテの従者〕 : アロン・スコット
キトリ : パロマ・ヘレーラ (第1幕) Paloma Herrera
      シオマラ・レイエス(第2幕) Xiomara Reyes
      加治屋 百合子  (第3幕) Yuriko Kajiya
バジル〔理髪師、キトリの恋人〕 : ホセ・マニュエル・カレーニョ(第1幕)Jose Manuel Carreno
アンヘル・コレーラ(第2幕) Angel Correra
ダニール・シムキン(第3幕) Daniil Simkin

ガマーシュ〔裕福な貴族〕 : クレイグ・サルステイン
ロレンツォ〔キトリの父〕 : アイザック・スタッパス
メルセデス〔踊り子〕 : ヴェロニカ・パールト
エスパーダ〔闘牛士) : コリー・スターンズ
花売り娘 : マリア・リチェット、ミスティ・コープランド
ジプシーのカップル : シモーン・メスマー、ジョセフ・フィリップス
森の精の女王 : ヴェロニカ・パールト
キューピッド : サラ・レイン
闘牛士たち : グラント・デロング、ケネス・イースター、アレクサンドル・ハムーディ、
 ブレイン・ホーヴェン、ルイス・リバゴルダ、エリック・タム
闘牛士の女友達 : ユン・ヨン・アン、ニコラ・カリー、エリザベス・マーツ、
 ジェシカ・サーンド、メリー・ミルズ・トーマス、キャサリン・ウィリアムズ
スペインの踊り : ニコール・グラニュロ、ミーガン・ヒンキス、イサドラ・ロヨラ、
 ルシアーナ・パリス、クリスティーン・シェフチェンコ、サラ・スミス、フリオ・ブラガド=ヤング、
 トビン・イーソン、グレイ・デイヴィス、トーマス・フォースター、
 ショーン・ステュワート、ロマン・ズービン
ジプシーたち : トビン・イーソン、ジェフリー・ガラデイ、アレクサンドル・ハムーディ、
ヴィターリー・クラウチェンカ、エリック・タム、ロマン・ズービン

1、2、3幕と主演ペアを代えてという趣向を凝らした「ドン・キホーテ」。ちょっとだけ残念と思ったのは、主演ペアがカーテンコールに出てくるのは自分たちの出てきた幕だけだったということ。せっかくなら、一番最後のカーテンコールにも1、2幕の主演ペアが出てきてくれたら良かったんだけど・・・。過密スケジュールだから主演陣には少しでも休息を、という配慮だったのかしら。きっとロシアあたりでこの企画をやったらなら、3幕のコーダではキトリとバジルが3組登場してそれぞれがぐるぐるフェッテを回ってしまうんだろうけど、そこまでのお遊びはなかった。

ABTの「ドン・キホーテ」を観るのは6年前の来日公演以来のことだっただろうか。改めて観てみると気がついたことは、音楽のオーケストレーションというかアレンジがなかなか大胆で、ミンクスの安っぽい音楽もなんとなく壮大なスペクタクルって感じになっているということが一つ。もう一つは、前々回の来日公演でも観ていたはずなんだけど、闘牛士たちの衣装の色が鮮やかなブルーで、まるでドラえもんのような色の上、プロポーションがとっても悪く見えちゃうデザイン。うむむむ・・・。この「ドン・キホーテ」の演出そのものは、プロローグや人形芝居などの説明的なシーンを省いてエンターテインメント性がたっぷりであり、楽しくて個人的には気に入っている。


1幕のホセ・カレーニョは、前日の「ディアナとアクティオン」に引き続き好調のようで、独特の軸がしっかりとしていてぴたっときれいに止まる美しいピルエットをたっぷりと見せてくれた。基本的に彼は動作も踊りもエレガントな人なんだけど、笑わせるツボはしっかり突いていて、ラテンなプレイボーイぶりで楽しませてくれる。跳躍力はちょっと落ちてしまったようで、跳ぶ代わりにピルエットで代用する、なんてところはあったものの、これでABTを引退するにはまだ早いと思わさせる充実振りだった。パロマ・ヘレーラは若干重いところは感じさせつつも、抜群の安定感でホセとの息もぴったり。やきもちを焼いてぷりぷり怒る様子も可愛らしい。彼女も今年でABT在籍20周年を迎えたということで大ベテランの部類に入るのだけど、向日葵のような明るさといい、明快なテクニックといい、まだまだ全盛期にあるといってもいいだろう。

2幕は、シオマラ・レイエスとアンヘル・コレーラ。アンヘルがこの後の全幕「ドン・キホーテ」を体調不良で降板してしまったため、貴重な機会であった。2幕のバジルは踊るシーンが他の幕と比較するとちょっと少な目ではあるけれども、その分、「いつもより多く回っています」って感じで、ピルエットを思いっきりたくさん回ってくれてサービス精神を発揮。特に酒場のシーンでキトリが飛び込む前のピルエットはさすがの回転数だった。狂言自殺のときのおさわり演技もちょっとエッチでユーモラスだったし、笑顔満開の彼のバジルが全幕で観られたらどんなに良かったことか。(もちろん、代役のマルセロのバジルも最高だったのだけど)

シオマラ・レイエスのキトリは、2幕だと見せ場はほとんどドルシネアとして踊る夢の場面が中心。森の女王が大柄美女のヴェロニカ・パールトなので、見た感じでは小柄な彼女は見劣りするのだけど、踊りの技術は断然シオマラの方が優れているのがよくわかる。特にピケターンの速くて正確なことといったら、素晴らしい。狂言自殺を図ったバジルの脇から、キトリが大きな剃刀の刃を引っこ抜くのに脚を前に大胆に踏み出して力を入れる演技には大いに笑わせてもらった。

3幕で急にキトリとバジルが若返ってしまうのが、スペシャル・ドン・キホーテらしいご愛嬌というべきか。ホセより20年ちかく若い上に小柄で童顔のダニール・シムキンがバジル、そして女らしい体型だったパロマとシオマラの後に、とても華奢な加治屋さん。加治屋さんはピルエットの軸がずれてしまうことがあり、加えてダニールがピルエットのサポートがあまり上手でなかったり、ちょっとハラハラした。アダージオのフィッシュダイブでバジルが両手を離せなかったし。でも初々しい二人ガ一生懸命に踊るのを観るのは気持ちよかった。ヴァリエーションになると急に二人とも生き生きしだすし。ダニールは高く美しい軌跡を描くクペ・ジュッテ・アン・トゥールナンでフィニッシュは鮮やかな540。ピルエットも惰性でいつまでもくるくるきれいに回っていて、彼のピルエットの美しさはホセ・カレーニョの伝統を受け継いでいるのかも、と少し胸が熱くなった。加治屋さんは、グランフェッテの前半は、ゆっくりとした回転で音に合わせ脚をきれいに90度まで上げてのフェッテ、後半は45度ずつスポッティングを変えて回るという高度なテクニックを見せてくれた。これから、この若い二人がどんどん主役を与えられてパートナーシップを強めていけるようになったらいいなと感じた。

エスパーダはコリー・スターンズ。長身でプロポーションの美しい彼は白い闘牛士の衣装がとてもよく似合って凛々しく美しいのだけど、マント捌きはもう少し頑張りましょう。今回、結局彼のエスパーダは3回観たのだけどやはり3回目が一番良かった。なんでもエスパーダは初役らしい。ボリショイなどでエスパーダが大きく背中を反らせたりするような振りがないのがちょっと不満。メルセデスと森の女王役にはヴェロニカ・パールト。大柄で、どことなくお顔がマリ=アニエス・ジロに似ているゴージャスで美しい彼女はメルセデス役では艶があって素敵だったのだけど、森の女王役ではイタリアン・フェッテがボロボロだった。途中でアティチュードも決まらなくてうむむむ・・・・。なお、兵庫での最終公演では、彼女はしっかりとこの場面は決めてきたことは付け加えておく。

ABTでは、若手ダンサーがキャラクターロールを演じることが多いのが楽しい。この日のガマーシュ役のクレイグ・サルステインはひょうきんで愛嬌のあるキャラクターで、すっごく可愛くてついつい彼に見入ってしまった。哀れなガマーシュは、キトリの父ロレンツォに大きな魚で殴られてしまうのだけど、ロレンツォ役にはアイザック・スタッパス。達者なキャラクターロールの演技だけでなくしっかりと踊れる彼が今シーズン限りでダンサーを引退してしまうのは非常にもったいないけど、ABTはなかなかコール・ドから上に上がれないカンパニーなのだ。

サラ・レイン(映画「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンの代役を務めた)は軽やかで愛らしくてキューピッドそのもののようだったし、ワイルドで切れ味あふれる踊りを見せてくれたリード・ジプシーのジョセフ・フィリップスとエキゾチックでパワフルな踊りのシモーン・メスマー、二人の花売り娘マリア・リチェットとミスティ・コープランドなど、脇役のキャストも大変魅力的で、確かにとても贅沢な一夜であった。(あ、夢のシーンに目を疑うような体型のバレリーナがいたことはここだけの話にしておこう!)

2011/08/03

ディアナ・ヴィシニョーワのソロ・プロジェクトにノイマイヤー新作 Diana Vishneva: Dialogues, World Premiere by Neumeier

ディアナ・ヴィシニョーワは、6月にもマリインスキー劇場でのガラ公演を成功させたばかりですが、新しいプロジェクトをスタートさせていています。10月22日にマリインスキー劇場で行われる公演「Dialogues」です。

Diana Vishneva: Dialogues
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/2011/10/22/1_1900/

6月のガラでロシア初演された、マーサ・グラハム振付のERRAND INTO THE MAZE(振付指導は、マーサ・グラハム・カンパニーの折原美樹さん)、ポール・ライトフット、ソル・レオン振付のSUBJECT TO CHANGE(音楽はシューベルトの「死と乙女」)。

そして注目は、ジョン・ノイマイヤーがヴィシニョーワのために新作「DIALOGUES」を振付けることです。この作品には、彼女のパートナーとして、ハンブルク・バレエのティアゴ・ボァディンも共演するとのこと。「SUBJECT TO CHANGE」には、ボリショイからアンドレイ・メルクリエフが出演します。

そして、この公演は、ニューヨークのシティ・センターでも、2012年3月16日~18日に行われる予定となっています。こちらもティアゴ・ボァディンが出演する予定です。

http://www.nycitycenter.org/tickets/productionNew.aspx?performanceNumber=6260

マーサ・グラハムの「ERRAND INTO THE MAZE」(「迷宮への使者」)は1947年の作品で、アリアドネとミノタウルス神話を題材とした作品だそうです。美術をイサム・ノグチが手がけているんですね。

ディアナ・ヴィシニョーワは、自身のプロデュース公演「Beauty in Motion」もニューヨーク、カリフォルニアで成功させていますが、このように現代ものの作品のみでお客さんを呼べるとは、彼女の持つスターパワーは凄いということを実感させてくれますね。そして、そんな多忙な彼女が、今月東京バレエ団の「ジゼル」に急遽出演してくれるのは、本当に嬉しいことです。

2011/08/01

偉大なバレエ教師ピョートル・ペストフ死去 Petr Pestov 1929 -2011

7月31日に、かねてから病気療養中だったバレエ教師、ピョートル・ペストフがシュツットガルトで亡くなりました。享年82歳。深くご冥福をお祈りいたします。

http://www.tanznetz.de/en/news.phtml?page=showthread&aid=197&tid=20867

1963年から96年まではボリショイ・アカデミーで教師を務め、その間に、アレクサンドル・ヴェトロフ、ニコライ・ツィスカリーゼ、アレクセイ・ファジェーチェフ、そしてウラジーミル・マラーホフ、アレクセイ・ラトマンスキー、ボリショイ前芸術監督のユーリ・ブルラーカ(この3人は同期生)、アレクサンドル・ザイツェフ、ゲンナディ・サヴェリエフ、ユーリ・ポソホフらを育て上げました。ボリショイ・バレエに在籍した彼の教え子は300人以上に上るとのことです。

96年にはシュツットガルトのジョン・クランコ・スクールに移り、ここでもサシャ・ラデツキー、ミハイル・カニスキン、エヴァン・マッキーらを育てました。シュツットガルト・バレエの男性ダンサーが、世界でも有数の高い水準にあるのは、ペストフ先生の功績といえることでしょう。

彼の教え子のリストはここにあります。
http://www.yagp.org/pestov_site/pestov_students_09.html

偉大なペストフ師を称えるためのガラ「Peter the Great」が2009年4月にニューヨークのシティ・センターで行われ、彼の教え子の多くも出演しました。
http://www.yagp.org/pestov_site/index.html

また、モスクワのダンチェンコ劇場でも、PESTOV GALAが2010年4月に行われました。
http://www.stanmus.com/event.html?did=1255

ペストフ先生の教え子たちの、生徒時代やダンサー時代の映像はこの動画にまとめられています。

アメリカのDance Magazineにシュツットガルト・バレエのエヴァン・マッキーがピョートル・ペストフにインタビューした記事が掲載されています。数多くの名ダンサーを育てた秘密がここに。

Teacher's Wisdom: Pyotr Pestov
http://dancemagazine.com/issues/October-2009/Teachers-Wisdom-Pyotr-Pestov

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