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2011/08/07

パロマ・ヘレーラ 今 ダンサーとして "Here & Now" Paloma Herrera

先日までのABT来日公演でも大活躍したパロマ・ヘレーラを追ったアルゼンチン制作の2008年のドキュメンタリーDVD。

http://columbia.jp/prod-info/COBO-6049/

■収録作品
リハーサル風景 rehearsal footage
「白鳥の湖」<第2幕グラン・アダージョ、第3幕黒鳥のパ・ド・ドゥ など>Swan Lake
 パロマ・ヘレーラ、ギョーム・コテ Paloma Herrera, Guillaume Cote
「ミュ-ズを導くアポロ」<テレプシコーラのヴァリエーション、パ・ド・ドゥ>Apollo
 パロマ・ヘレーラ、カルロス・アコスタ Paloma Herrera, Carlos Acosta
「海賊」<第2幕パ・ド・トロワ、寝室のパ・ド・ドゥ など> Le Coisaire
 パロマ・ヘレーラ、フリオ・ボッカ、アンヘル・コレーラ Paloma Herrera, Julio Bocca, Angel Correra

舞台収録映像
「ライモンダ」<ライモンダのヴァリエーション>Raymonda
 パロマ・ヘレーラ Paloma Herrera
「パキ-タ」<グラン・パより> Paquita Grand pas de deux
 パロマ・ヘレーラ、ギョーム・コテ Paloma Herrera, Guillaume Cote
「Las 8 Estaciones」<ブエノスアイレスの夏>
 パロマ・ヘレーラ、エルネスト・チャコン・オリベ Paloma Herrera, Ernst Chacon Oliver

2008年アルゼンチン作品 75分収録
片面1層,チャプター有,メニュー画面 日本語字幕
カラー/16:9
音声 ドルビーデジタル ステレオ

天才少女として14歳のときにセンセーションを起こして15歳でABTに入団し、19歳にしてプリンシパルへと上り詰めたパロマ。彼女は今年でABT在籍20周年を迎えた。彼女を指導した最初の教師であるオルガ・フェリ、現在彼女を指導している往年の名バレリーナ、イリーナ・コルパコワ、そしてABT芸術監督のケヴィン・マッケンジーと彼女自身のインタビューを挟みながら、ABTのプリンシパルとしての日常、豊富なリハーサルシーン、そして舞台映像で彼女の魅力をたどっていく。

印象的だったのはマッケンジーの言葉で、若くして天才としてもてはやされた人間の多くは、その名声の重みに押しつぶされてだめになってしまうことが多いけど、彼女はそれを乗り越えてより素晴らしいアーティストになったということ。パロマが重圧に打ち勝ち、アーティストとして成熟していくことができたのは、もちろんたゆまぬ努力もあったけれども、素晴らしい師匠たちとの出会い、ラテン・アメリカの女性としての明るさ、気取りのない地に足のついた性格もあったのだろうとこの映像では感じさせてくれる。また、ABTという国際色豊かなカンパニー、コスモポリタン的なニューヨークという都市に暮らしていることも幸いしたのではないかと。ヴァルナ・コンクールのときにオリガ・フェリが彼女のタイツを紅茶で染めてポワントと同じ色にしたということから、今もパロマは自分のタイツを一枚一枚同じように紅茶で染めているというエピソードも興味深い。ツアー用のスーツケースを開いて中身を見せてくれるところでは、日本公演用にもこんな感じできっちりと用意したんだろうな、と思い起こした。

リハーサルシーンでは、アコスタとの「アポロ」もさることながら、フリオ・ボッカとアンヘル・コレーラとの「海賊」のシーンが面白い。アンヘルの、まるでスタジオの床に穴でも開いてしまうのではないかという笑っちゃうような凄いピルエット!舞台映像では、最後にたっぷりと見せてくれるギョーム・コテとの「パキータ」も素敵だけど、アストル・ピアソラの「ブエノスアイレルの夏」に乗せて踊られるタンゴ風バレエに、彼女のアルゼンチンのルーツが感じられて、こういう映像が観られるのって貴重よね、と思ったのだった。

パロマ・ヘレーラは日本で踊る機会も多いのに、どうしてもキトリなどの明るくてテクニック優先のイメージが強いダンサーではある。だけど、彼女が演じる「ジゼル」や「ロミオとジュリエット」のジュリエットはとても情感豊かで胸に響き、中でもマルセロ・ゴメスと彼女が踊った「ロミオとジュリエット」は長いこと心に残る名演だった。今回の来日公演で彼女のジュリエットがなかったのが残念だったけど、キトリ以外の彼女も日本で観られるといいな、と改めて思ったのであった。


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コメント

こんにちわ。このDVD私も買いました。彼女の魅力がよくわかる一枚でしたね。
ボッカ、コレーラとの海賊映像も魅力。
そしてジュリエットすばらしかったと以前うかがったので、今回の来日公演で見たかったのですが、キャストされなくて残念でした。
でも、彼女の一途で健気な印象は、カレーニョとの最後のドンキでも気の使い方などを見ていてよくわかったので、性格もよい人なんだろうなあと思いました。
タイツを紅茶で染めていてという話はDVDで知りましたが、たしかに彼女に似合っている色ですよね。

buminekoさん、こんにちは。

buminekoさんも買われたのですね。ホント、このDVDでのパロマはとても魅力的に撮られているし、その魅力の秘密が伝わってきましたね。
そして、仰るとおり、ホセ・カレーニョとのドン・キホーテのときに彼を送るために心を込めてパフォーマンスを行い、カーテンコールでも彼を立てる心遣いが感じられてとても好感が持てました。人柄の良さも伝わってきましたよね。

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