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2011/08/11

マリインスキー・バレエのロンドン公演「アンナ・カレーニナ」Anna Karenina, Mariinsky Ballet in London

現在、マリインスキー・バレエはロイヤル・オペラハウスでロンドン公演中です。フォーキンプロ、バランシン/ロビンス・プロ、「ドン・キホーテ」、「アンナ・カレーニナ」と上演され、今日からは「ラ・バヤデール」が上演される予定です。

ABTの来日公演のパンフレットに、マリインスキー・バレエは来年12月に来日予定と予告が載っており、演目は「白鳥の湖」「ラ・バヤデール」そして「アンナ・カレーニナ」が予定されているとのことです。

さて、この「アンナ・カレーニナ」は、アレクセイ・ラトマンスキーが振付けたものですが、彼がかつて観たマイヤ・プリセツカヤが自ら振付主演した同名作品(1968年)にインスピレーションを得たとのことで、ラトマンスキーの振付作品もプリセツカヤ版と同じシチェドリン(プリセツカヤの夫君)の音楽を使用したものだそうです。

ロンドン公演に先立ち、ニューヨークのマリインスキー・バレエの公演でも「アンナ・カレーニナ」は上演され、NYTimesの批評家アレイスター・マコーリー氏にぼろくそに貶されるなど、(ダンサーは素晴らしかったものの)作品そのものに対しては否定的な批評が目立っていました。

http://www.nytimes.com/2011/07/13/arts/dance/ratmanskys-anna-karenina-with-mariinsky-ballet-review.html

ところが、ロンドンでの評は賛否両論ではあるものの、概して好意的なものが目立っていたのが興味深いところです。主演したウリヤーナ・ロパートキナ、ディアナ・ヴィシニョーワとも絶賛を浴びています。

Telegraph (Sarah Crompton)
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/8692968/Anna-Karenina-by-the-Mariinsky-ballet-A-Russian-tragedy-to-rejoice-over.html

Guardian (Judith Mackrell)
http://www.guardian.co.uk/stage/2011/aug/10/mariinsky-ballet-anna-karenina-review

The Arts Desk (Judith Flanders)
http://www.theartsdesk.com/index.php?option=com_k2&view=item&id=4296:anna-karenina-mariinsky-ballet-royal-opera-house&Itemid=27

Financial Times (Clement Crisp)
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/3b1d2630-c347-11e0-9109-00144feabdc0.html

Evening Standard (Sarah Frater)
http://www.thisislondon.co.uk/theatre/review-23977015-anna-kareninamariinsky-ballet-covent-garden---review.do

フォトギャラリーがあるのでご紹介します。

Ballet.coのギャラリー(John Ross) (ヴィシニョーワ、スメカロフ、バイムラードフ)
http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_mariinsky_anna_karenina_roh_0811

Eliott Franks (ロパートキナ、スメカロフ、バイムラードフ)
http://elliottfranks.photoshelter.com/gallery/Anna-Karenina-gallery-2-9th-August-2011/G0000O4UZ8xjJIoU

また、マリインスキーのロンドン公演関連で、バランシン・ロビンスプロのゲネプロの様子が写真をたくさん使ってThe Ballet Bagに掲載されています。(コールプ、ソーモワ、ゲストのデヴィッド・ホールバーグほか)
http://www.theballetbag.com/2011/08/09/mariinsky-in-london-dress-rehearsal/

まだ1年以上先のことではありますが、マリインスキー・バレエの来日公演がとても楽しみです。


こちらはプリセツカヤ主演の「アンナ・カレーニナ」。共演はアレクサンドル・ゴドゥノフ

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バレエ(情報)」カテゴリの記事

コメント

こんにちは

まさにロンドンの後、
今頃、日本に向かう準備の最中でしょうかねえ。
>ヴィシニョーワ

ハードなスケジュールですねえ。でもNBS、ロンドン公演に参加した人の中で
ヴィシニョーワなんですねえ。

なぜか、考えると興味あります。

こんにちは。
時間がかかりましたが、読ませていただきました。
NYの方の評は力いっぱい否定していますね。原作と比較して気に入らなかったのかしらという感じを受けました。それに「不貞」という言葉でがでてきたりして、この間の椿姫の場合といい、アメリカのバレエ評論家は案外とコンサバな感覚をお持ちなのかと思ってしまいました。たまたまでしょうか。

ロンドンの方は皆あっさりと称賛していますね。

ラトマンスキーの作品は、日本でも「明るい小川」と「イワンと仔馬」を
みることができていますが、ここで、シリアス物の「アンナ・カレーニナ」を是みてみたいです。

詰め込み平日日程ではなくて、お願いしたいですよね。

こんにちは。

「アンナ」はヴィシのみ、「バヤ」はヴィシとロパートキナの両方見てきました。
「アンナ」は、長大な小説を短いバレエにするのはもともと無理があるのかな、って
気がしました。物語のバレエ化って「アンナ」だけでないですし、「椿姫」や
「オネーギン」のように成功例もありますけど、どうも展開があわただしくて。
あまりバレエを見たことがない友人も「もう終わりなの?」と。
伝わってくるものが私には今一つでした。
無料で配布されていた夕刊にたまたまコメントが載っていて、☆三つでしたが、それはキャストの熱演のおかげって感じでしたね。ただ、セットはとても素敵でしたよ。

「バヤ」はどちらも大人気で、「アンナ」の時よりも断然反応も良かったですね。
チケットも絶好調だったみたいで、ROHの人も嬉しそうでした。

zuikouさん、こんばんは。

大変お返事が遅くなってしまってごめんなさい。夏ばてしていました。

というわけで、昨日ヴィシニョーワのジゼルを観て来ました。土曜日にニキヤを踊ってから日本に来たようなので、ロンドンで4公演もの出演をしてそのままこの暑い日本ですぐまたジゼルを2日連続なんて、彼女はすごい体力とプロ意識の持ち主ですよね。ヴィシニョーワのジゼルならなんでマラーホフじゃなかったんだろうってちょっと思いましたが彼のスケジュールが空いていなかったのかしら。マリインスキーの中でNBS公演に出ているのは彼女くらいってことかしら?確かに深読みしようと思えばできますね。

ショコラさん、こんばんは。

お返事が遅くなり申し訳ありません。

評を全部読まれたのですか!凄い!私は斜め読み程度です。NYTのマコーリー氏はかなり趣味趣向がはっきりしている方で、マクミランやノイマイヤーが大嫌いでアシュトンとバランシンが大好きというわかりやすい方で、「明るい小川」はほめていたんですけど、やっぱりかなりコンサバな人ではないかと思います。

しかしラトマンスキーの作品ってABTやNYCB、今度はパリ・オペラ座でも上演されるのに、ロイヤル・バレエではまだ上演されていないのが意外ですよね。

そしてマリインスキーの来日公演の日程、12月が予定されているということもあるし、少しでも余裕のある日程をジャパンアーツさまにはお願いしたいところです。

sandyさん、こんばんは。

ロンドンでマリインスキー公演をご覧になったのですね!出演陣も大変豪華なプログラムで、うらやましい限りです。(暴動には遭われませんでしたか?)

確かに、批評の中でも「アンナ・カレーニナ」の長い物語を短い上演時間で表現するのには無理があったというのは書いてありましたね。私は原作は未読なのでこれを機会に読もうかしらと思っているのですが。また、エイフマン版と両方見た人の話では、エイフマン版と比べて踊りの比重が少ないとも聞きました。
物語のバレエ化って、本当に難しいものだとは思います。

ロパートキナとヴィシニョーワの両方で「ラ・バヤデール」をごらんになれたのも、本当に贅沢で素晴らしいですね。日本でもこの二人のニキヤが観られればいいなって思います。私はロイヤルが採用しているマカロワ版より、ロシアで上演されている版のほうが踊りもいろいろあって好きなので、とても楽しみにしています。

naomi 様

ロンドンのマリンスキー公演情報を去年こちらのサイトで知って、キャストが出てから旅行の計画を立てたんですよ。バレエを観に海外に行ったのは初めてでしたが、まさかロンドンで暴動が起きるなんてびっくり。幸いロンドンの中心は平穏で、バレエもミュージカルも通常通りでした。街の中は警官の数が目立って増えましたが。

「アンナ」は原作ではアンナとヴロンスキーの話に、若いカップルキチイとリョービンの話が並行して対比されながら進みますが、バレエではそこのあたりがほぼカット、さらに時の流れと人間の心がわりとか、そういうところがいまひとつ。同じロシアものだからか、つい「オネーギン」を思い出してしまい…あちらはオルガとレンスキーの話もうまく使ってるし、時の残酷さや主人公たちの心理が本当に胸に迫ってくるほど感じられるのですが。

ロパートキナは神々しかったです。ヴィシニョーワはあの小さな体からどこからそんなエネルギーが?と思わずにはいられませんでした。まるで炎のよう。ちなみにガムザッティのコレゴワはやたらと可愛かったです。群舞も本当に素晴らしいし、また観たいですね。


sandyさん、こんにちは。

マリインスキーのロンドン公演、このブログでお知りになったのですか!お役に立ててよかったです。そして初めての海外バレエでしたか。ロイヤルオペラハウスも素敵なところですし、楽しまれたことと思います。そして暴動には遭遇されなくて良かった!

「アンナ・カレーニナ」ぜひとも原作を読まなければなりませんね。マリインスキーの来日公演までには。エイフマン版でもキティはほんのちいさな役でした。今日、久しぶりに「オネーギン」の映像を見ていて、確かにクランコのこのバレエ化は、レンスキー&オルガもグレーミンも上手に使っていましたよね。文芸作品のバレエ化って本当に難しいと思いますが、うまくいけばやっぱり感動も違いますよね。

ロパートキナにヴィシニョーワのニキヤ、さぞかし美しかったことと思います。コレゴワはレニングラード国立バレエにゲスト出演したのを見ましたが、確かにかわいらしいダンサーでしたね。来年の来日は誰が来てくれるのか、楽しみです。そしていつかはサンクトペテルブルグのマリインスキー劇場にも行ってみたいと思います。ロシアだけは未踏の地なのですよね。

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