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2011/08/31

8/28小林紀子バレエ・シアター「マノン」Noriko Kobayashi Ballet Theatre Kenneth MacMillan's "Manon"(まだこれから)

小林紀子バレエ・シアター第100回祝賀記念公演
 ケネス・マクミラン振付《マノン》

【振付】ケネス・マクミラン
【ステイジド・バイ】ジュリー・リンコン
【作曲】ジュール・マスネ
【編曲】マーティン・イエーツ(2010年)
【美術】ピーター・ファーマー
【衣装・装置提供】 オーストラリア・バレエ団

【芸術監督】小林紀子
【リハーサル・ディレクター】ジュリー・リンコン

【指揮】アラン・バーカー
【演奏】東京ニューフィルハーモニック管弦楽団

マノン   :島添亮子 Akiko Shimazoe
デ・グリュー:ロバート・テューズリー Robert Tewsley
レスコー  :奥村康祐 Kouske Okumura
ムッシュG.M.:後藤和雄 Kazuo Goto
レスコーの恋人:喜入依里
マダム    :大塚礼子
看守     :冨川祐樹
ベガーチーフ :恵谷彰

2003年に新国立劇場バレエ団で「マノン」が上演されたときには、アレッサンドラ・フェリ&ロバート・テューズリー、酒井はな&ドミニク・ウォルシュ(降板したローラン・イレールの代役)で観たのだが、それから久しく日本国内での「マノン」の上演が途絶えてしまい、マクミラン財団が日本人に「マノン」は無理だって言ったのかしらと国内バレエ団で観ることをあきらめていた。

ところが、「Invitation」「エリート・シンコペーションズ」「コンチェルト」など、マクミラン作品の上演に定評のある小林紀子バレエ・シアターが第100回祝賀記念講演として「マノン」を上演するとのことで、非常に嬉しいニュースだった。しかも、デ・グリュー役には、上記2003年の新国立劇場でのフェリとの共演に続き、2005年のロイヤル・バレエの来日公演でも降板したジョナサン・コープの代役としてタマラ・ロホの相手役を務め、情熱的なのに誠実なデ・グリューを熱演したロバート・テューズリーが出演してくれるという。島添亮子さんも、演技力にも優れたバレリーナということで楽しみにしていた。そうしたら、なんと新国立劇場が来シーズン、9年ぶりにやはり「マノン」を上演するというニュースも入ってきた。震災の影響でバレエ団の来日がなかなか期待できなくなってしまった昨今、心を明るくしてくれることだった。(「マノン」自体はダークな話だけど)

そして、その期待は裏切られないどころか、予想以上に素晴らしい上演で、日本のバレエ団でこんなにマクミランの世界を表現できるとは想像できなかったほどのレベルの舞台となっていた。来年6月に「マノン」を上演する新国立劇場は、国立のバレエ団としてこれ以上のレベルの上演を求められるだろうから、大きなプレッシャーだろう。

新国立劇場バレエ団が「マノン」の上演を成功させる秘策はひとつある。ゲストとして、ロバート・テューズリーと島添亮子さんを招くことだろう。以前は島添さんは新国立劇場バレエ団の登録ソリストだったことであるし。

******
マクミラン作品の上演は難しい。クラシック・バレエの規範を逸脱するような動きもあれば、美しいとはいえない動きを時には見せなければならない。一つ一つの動きに意味が込められており、顔の表情ではなく動きやポーズで語らなければならない。高度な技術は要求されているが、それは高度な技術を誇示しているように見えてはならない。

新国立劇場バレエ団は6月にマクミランの「ロミオとジュリエット」を上演したが、マクミラン作品を理解している優れたソリストが数人見受けられたものの、アンサンブルとしては、クラシック・バレエの約束事を守りすぎていて、ヴェローナの雑多な喧騒を伝えられていなかった。さらに、クラシックダンサーとしては最高の技術を持っているのに全然マクミランの踊りになっていないゲストダンサーの起用にも疑問符がついた。

今回の小林紀子バレエシアターの「マノン」は、この作品のカンパニー初演であるにもかかわらず、舞台に立っているダンサーがみな、「マノン」の世界観を伝える演技、踊りをしていたということに驚かされた。今までもマクミランの作品を上演してきたカンパニーだったとはいえ、初演で日本のカンパニーがここまでの舞台に仕上げてくるとは思わなかったのだ。アンサンブルがここまで見事なこの舞台は賞賛に値する。震災で4月の公演が中止となり、昨年末の「くるみ割り人形」以来の公演で100回記念公演ということもあり、入念な準備がされたのであろう。

「マノン」はデ・グリューの視点で描かれている作品ではあるが、タイトルロールのマノン役が一番の難関。マノンという人間は、一筋縄ではいかないキャラクターなのだ。デ・グリューとの恋に夢中になる一方で、お金やきれいなものも大好き、ちやほやされるのも大好き。純真さと淫蕩さを持ち合わせていなければならない。天使のように愛らしく悪魔のように男たちをひきつけてやまない。かつてインタビューで、タマラ・ロホはマノンのことを悪女ではなく、周りの男性たちの犠牲者であり憐れな存在であると語っていた。自分の欲望に忠実でしかも魅惑的なマノンは、その美しさが仇となり男たちに翻弄され破滅する。デ・グリューに愛されたことも、実は彼女の破滅を加速させるものでしかなかった。だが、すべての欲望を捨てぼろぼろの姿になった時に初めてマノンは愛だけに生きる女となり、愛する人の腕の中で息を引き取ることができたのである。こんな複雑な役を、本当に存在する人間のように真実味をもって演じることはごく少数であると思われるが、島添亮子さんは健闘していた。

修道院に送られるべく登場した少女マノンは、一見とても清らかであどけない少女。それなのに金持ちの老紳士に彼女を売り渡した兄レスコーが手にしたお金の入ったかばんをさりげなく抱えて隠すしぐさには、したたかさも見える。

(続く)

【第1幕(フランス)第1場:パリ近くの宿の中庭】
高級娼婦:高橋怜子/萱嶋みゆき
     松居聖子/荒木恵理(27日)/秦信世(28日)
女優  :倉持志保里/高橋由貴乃/岩田綾乃/平石沙織
紳士  :澤田展生/杜海/冨川直樹
クライアント :井口裕之/奥田慎也/佐藤禎徳
        中尾充宏/村山亮
ベガーボーイズ:荒井成也/小濱孝夫/佐々木淳史
        照沼大樹/土方一生/和田瞬
ベガーガールズ:菅原聆躱/武田麗香/田中恵梨
        引田愛美/深江彩織/松嶋香織
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理(28日)
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美/金子舞/松山美月/谷川千尋
老紳士    :田名部正治
イン・キーパー:岩瀬玲子
ラット・キャッチャー:保井賢
G.M.のフットマン  :安齋毅/望月一真
給仕   :玉村総一郎/肥後晴之/山崎健吾/下岡治行
旅行客  :藤下いづみ/笠原崇広/工藤彩奈
      藤田奏子/菅ひかり/情野詠太
衛兵   :鬼塚庸介/上林利彰/國井一男/野口洋祐
フットマン:奥山三代都/白岡優/古山豪人/吉川柳太
コーチマン:打田晃啓/武市真嘉

【第1幕第2場:パリのデ・グリューの借宿】
下女:岩瀬玲子/宮澤芽実
G.M.のフットマン:安齋毅/望月一真
G.M.のコーチマン:武市真嘉


【第2幕第1場:マダムの大邸宅でのパーティー】
高級娼婦:高橋怜子/萱嶋みゆき
     松居聖子/倉持志保里
     荒木恵理(27日)/秦信世(28日)
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理(28日)
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美(28日)/金子舞/松山美月(27日)
女優 :高橋由貴乃/岩田綾乃/平石沙織
紳士 :荒井成也/杜海/冨川直樹
クライアント:井口裕之/奥田慎也/佐藤禎徳
       澤田展生/中尾充宏/村山亮
G.M.のフットマン:安齋毅/望月一真
フットマン:奥山三代都/白岡優/古山豪人/吉川柳太

【第2幕第2場:デ・グリューの借宿】
衛兵   :小濱孝夫/玉村総一郎/肥後晴之
      鬼塚庸介/上林利彰/國井一男/野口洋祐


【第3幕(ニューオーリンズ)第1場:港】
売春婦:真野琴絵/宮澤芽実/志村美江子/荒木恵理
    秦信世(27日)/宮崎由衣子/廣田有紀/瀬戸桃子
    西玉絵里奈/大門彩美/藤橋奏/松山美月/谷川千尋
街の人々:倉持志保里/工藤彩奈/藤田奏子/高橋由貴乃/平石沙織
     荒井成也/奥田慎也/澤田展生/中尾充宏
     杜海/冨川直樹/村山亮/望月一真
ベガーボーイズ:安齋毅/小濱孝夫/佐々木淳史
        照沼大樹/土方一生/和田瞬
ベガーガールズ:菅原聆躱/武田麗香/田中恵梨
        引田愛美/深江彩織/松嶋香織
街の紳士:山崎健吾/打田晃啓/下岡浩行/武市真嘉
街の婦人:藤下いづみ/岩田綾乃/金子舞/久芳聡子
港の少年:笠原崇広/玉村総一郎/肥後晴之

【第3幕第2場:看守室】
(マノン,看守,デ・グリュー)

【第3幕第3場:沼地】
(マノン,デ・グリューとその他の人々)

ちなみに、今回の装置と衣装はオーストラリア・バレエから借り受けたもの。オーストラリア・バレエの「マノン」のDVDも発売されており、これはこれでとても良い映像に仕上がっています。デ・グリュー役のスティーヴン・ヒースコートは最近惜しまれながら引退したそうです。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

土曜日の公演を観てきました。全体的に丁寧に作り上げられているので、上演を重ねればコミカルな場面もより面白くなるのだろうと思います。オーストラリア・バレエのセットもなかなか豪華でした。

来年の新国立バレエ団公演に島添さんとロバートをゲストって、すばらしいアイデアだと思います! 国立のバレエ団として近年に国内バレエ団で踊っている二人を招くのは自然なことだし、それにより両バレエ団がよい影響を受けて国内バレエの発展に繋がるのではないでしょうか。その際は、ロバートにはレスコー役もお願いしたいなあ。

24601さん、こんばんは。

土曜日のほうの公演をご覧になったのですね。可能でしたら2公演とも観れば良かったって思いました。今回は芸達者な大和雅美さんが出ていなかったのが残念だったのですが、若い二人(レスコーとレスコーの愛人)も回数を重ねればもっと雰囲気が出たかもしれませんね。でも、新国立劇場で見たときよりずっと良かったと思いましたよ。

ロバート・テューズリーを新国立のマノンのゲストに、と多くの方が願っていると思いますが、島添さんもゲストでというのはちょっといい考えでしょう?この二人は小林でよく踊っているので、パートナーシップについてほかのダンサーが学ぶところも多いと思います。ロバートのレスコーも観たいですね!(前回はイレールの降板に伴い、代役として、当初レスコー役だけ出演を予定していたドミニク・ウォルシュがデ・グリューも踊って、両方の役で見られたので良かったです)

こんにちは。
以前florinaというペンネームで投稿したものです。
私も28日にマノンを観に行ってとても気に入り、今はマノンのことばかり考えています(*^.^*)
オネーギンがきっかけでシュツットガルトバレエが好きなのですが、シュツットガルトのレパートリーにマノンは入っているのでしょうか?

tatianaさん、こんばんは。

マノン、素晴らしかったですよね~早く感想の続きを書かなくては!

残念ながら「マノン」はシュツットガルト・バレエのレパートリーには入っていません。シュツットガルト・バレエのレパートリーにあるマクミラン作品は「大地の歌」と「レクイエム」「ラス・ヘルマナス」くらいですね。
フリーデマン・フォーゲルはフィンランド国立バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエの「マノン」にゲスト出演してデ・グリュー役を演じていますけどね。

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