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2011/08/04

7/22 ABT 「スペシャル・ドン・キホーテ」ABT Special Don Quixote

2011年7月22日(金) 6:30p.m~9:00p.m.
スペシャル・ドン・キホーテ

原振付 : マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴールスキー
振付改訂 : ケヴィン・マッケンジー、スーザン・ジョーンズ
音楽 : ルードヴィヒ・ミンクス
編曲 : ジャック・エヴァリー
原作 : ミゲル・デ・セルバンテス
セット・衣裳 : サント・ロクァスト
照明 : ナターシャ・カッツ
指揮 : チャールズ・バーカー
管弦楽 : 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

ドン・キホーテ : ヴィクター・バービー
サンチョ・パンサ〔ドン・キホーテの従者〕 : アロン・スコット
キトリ : パロマ・ヘレーラ (第1幕) Paloma Herrera
      シオマラ・レイエス(第2幕) Xiomara Reyes
      加治屋 百合子  (第3幕) Yuriko Kajiya
バジル〔理髪師、キトリの恋人〕 : ホセ・マニュエル・カレーニョ(第1幕)Jose Manuel Carreno
アンヘル・コレーラ(第2幕) Angel Correra
ダニール・シムキン(第3幕) Daniil Simkin

ガマーシュ〔裕福な貴族〕 : クレイグ・サルステイン
ロレンツォ〔キトリの父〕 : アイザック・スタッパス
メルセデス〔踊り子〕 : ヴェロニカ・パールト
エスパーダ〔闘牛士) : コリー・スターンズ
花売り娘 : マリア・リチェット、ミスティ・コープランド
ジプシーのカップル : シモーン・メスマー、ジョセフ・フィリップス
森の精の女王 : ヴェロニカ・パールト
キューピッド : サラ・レイン
闘牛士たち : グラント・デロング、ケネス・イースター、アレクサンドル・ハムーディ、
 ブレイン・ホーヴェン、ルイス・リバゴルダ、エリック・タム
闘牛士の女友達 : ユン・ヨン・アン、ニコラ・カリー、エリザベス・マーツ、
 ジェシカ・サーンド、メリー・ミルズ・トーマス、キャサリン・ウィリアムズ
スペインの踊り : ニコール・グラニュロ、ミーガン・ヒンキス、イサドラ・ロヨラ、
 ルシアーナ・パリス、クリスティーン・シェフチェンコ、サラ・スミス、フリオ・ブラガド=ヤング、
 トビン・イーソン、グレイ・デイヴィス、トーマス・フォースター、
 ショーン・ステュワート、ロマン・ズービン
ジプシーたち : トビン・イーソン、ジェフリー・ガラデイ、アレクサンドル・ハムーディ、
ヴィターリー・クラウチェンカ、エリック・タム、ロマン・ズービン

1、2、3幕と主演ペアを代えてという趣向を凝らした「ドン・キホーテ」。ちょっとだけ残念と思ったのは、主演ペアがカーテンコールに出てくるのは自分たちの出てきた幕だけだったということ。せっかくなら、一番最後のカーテンコールにも1、2幕の主演ペアが出てきてくれたら良かったんだけど・・・。過密スケジュールだから主演陣には少しでも休息を、という配慮だったのかしら。きっとロシアあたりでこの企画をやったらなら、3幕のコーダではキトリとバジルが3組登場してそれぞれがぐるぐるフェッテを回ってしまうんだろうけど、そこまでのお遊びはなかった。

ABTの「ドン・キホーテ」を観るのは6年前の来日公演以来のことだっただろうか。改めて観てみると気がついたことは、音楽のオーケストレーションというかアレンジがなかなか大胆で、ミンクスの安っぽい音楽もなんとなく壮大なスペクタクルって感じになっているということが一つ。もう一つは、前々回の来日公演でも観ていたはずなんだけど、闘牛士たちの衣装の色が鮮やかなブルーで、まるでドラえもんのような色の上、プロポーションがとっても悪く見えちゃうデザイン。うむむむ・・・。この「ドン・キホーテ」の演出そのものは、プロローグや人形芝居などの説明的なシーンを省いてエンターテインメント性がたっぷりであり、楽しくて個人的には気に入っている。


1幕のホセ・カレーニョは、前日の「ディアナとアクティオン」に引き続き好調のようで、独特の軸がしっかりとしていてぴたっときれいに止まる美しいピルエットをたっぷりと見せてくれた。基本的に彼は動作も踊りもエレガントな人なんだけど、笑わせるツボはしっかり突いていて、ラテンなプレイボーイぶりで楽しませてくれる。跳躍力はちょっと落ちてしまったようで、跳ぶ代わりにピルエットで代用する、なんてところはあったものの、これでABTを引退するにはまだ早いと思わさせる充実振りだった。パロマ・ヘレーラは若干重いところは感じさせつつも、抜群の安定感でホセとの息もぴったり。やきもちを焼いてぷりぷり怒る様子も可愛らしい。彼女も今年でABT在籍20周年を迎えたということで大ベテランの部類に入るのだけど、向日葵のような明るさといい、明快なテクニックといい、まだまだ全盛期にあるといってもいいだろう。

2幕は、シオマラ・レイエスとアンヘル・コレーラ。アンヘルがこの後の全幕「ドン・キホーテ」を体調不良で降板してしまったため、貴重な機会であった。2幕のバジルは踊るシーンが他の幕と比較するとちょっと少な目ではあるけれども、その分、「いつもより多く回っています」って感じで、ピルエットを思いっきりたくさん回ってくれてサービス精神を発揮。特に酒場のシーンでキトリが飛び込む前のピルエットはさすがの回転数だった。狂言自殺のときのおさわり演技もちょっとエッチでユーモラスだったし、笑顔満開の彼のバジルが全幕で観られたらどんなに良かったことか。(もちろん、代役のマルセロのバジルも最高だったのだけど)

シオマラ・レイエスのキトリは、2幕だと見せ場はほとんどドルシネアとして踊る夢の場面が中心。森の女王が大柄美女のヴェロニカ・パールトなので、見た感じでは小柄な彼女は見劣りするのだけど、踊りの技術は断然シオマラの方が優れているのがよくわかる。特にピケターンの速くて正確なことといったら、素晴らしい。狂言自殺を図ったバジルの脇から、キトリが大きな剃刀の刃を引っこ抜くのに脚を前に大胆に踏み出して力を入れる演技には大いに笑わせてもらった。

3幕で急にキトリとバジルが若返ってしまうのが、スペシャル・ドン・キホーテらしいご愛嬌というべきか。ホセより20年ちかく若い上に小柄で童顔のダニール・シムキンがバジル、そして女らしい体型だったパロマとシオマラの後に、とても華奢な加治屋さん。加治屋さんはピルエットの軸がずれてしまうことがあり、加えてダニールがピルエットのサポートがあまり上手でなかったり、ちょっとハラハラした。アダージオのフィッシュダイブでバジルが両手を離せなかったし。でも初々しい二人ガ一生懸命に踊るのを観るのは気持ちよかった。ヴァリエーションになると急に二人とも生き生きしだすし。ダニールは高く美しい軌跡を描くクペ・ジュッテ・アン・トゥールナンでフィニッシュは鮮やかな540。ピルエットも惰性でいつまでもくるくるきれいに回っていて、彼のピルエットの美しさはホセ・カレーニョの伝統を受け継いでいるのかも、と少し胸が熱くなった。加治屋さんは、グランフェッテの前半は、ゆっくりとした回転で音に合わせ脚をきれいに90度まで上げてのフェッテ、後半は45度ずつスポッティングを変えて回るという高度なテクニックを見せてくれた。これから、この若い二人がどんどん主役を与えられてパートナーシップを強めていけるようになったらいいなと感じた。

エスパーダはコリー・スターンズ。長身でプロポーションの美しい彼は白い闘牛士の衣装がとてもよく似合って凛々しく美しいのだけど、マント捌きはもう少し頑張りましょう。今回、結局彼のエスパーダは3回観たのだけどやはり3回目が一番良かった。なんでもエスパーダは初役らしい。ボリショイなどでエスパーダが大きく背中を反らせたりするような振りがないのがちょっと不満。メルセデスと森の女王役にはヴェロニカ・パールト。大柄で、どことなくお顔がマリ=アニエス・ジロに似ているゴージャスで美しい彼女はメルセデス役では艶があって素敵だったのだけど、森の女王役ではイタリアン・フェッテがボロボロだった。途中でアティチュードも決まらなくてうむむむ・・・・。なお、兵庫での最終公演では、彼女はしっかりとこの場面は決めてきたことは付け加えておく。

ABTでは、若手ダンサーがキャラクターロールを演じることが多いのが楽しい。この日のガマーシュ役のクレイグ・サルステインはひょうきんで愛嬌のあるキャラクターで、すっごく可愛くてついつい彼に見入ってしまった。哀れなガマーシュは、キトリの父ロレンツォに大きな魚で殴られてしまうのだけど、ロレンツォ役にはアイザック・スタッパス。達者なキャラクターロールの演技だけでなくしっかりと踊れる彼が今シーズン限りでダンサーを引退してしまうのは非常にもったいないけど、ABTはなかなかコール・ドから上に上がれないカンパニーなのだ。

サラ・レイン(映画「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンの代役を務めた)は軽やかで愛らしくてキューピッドそのもののようだったし、ワイルドで切れ味あふれる踊りを見せてくれたリード・ジプシーのジョセフ・フィリップスとエキゾチックでパワフルな踊りのシモーン・メスマー、二人の花売り娘マリア・リチェットとミスティ・コープランドなど、脇役のキャストも大変魅力的で、確かにとても贅沢な一夜であった。(あ、夢のシーンに目を疑うような体型のバレリーナがいたことはここだけの話にしておこう!)

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コメント

naomiさん
いつもブログ拝見させていただいています。スペシャルドンキ楽しかったですね。私はどちらかというとテクニック系のダンサーよりも椿姫やマノン、オネーギンが似合うダンサーが好きなのですが、シムキン君が一生懸命踊る姿を見てすっかりファンになってしまいました。もちろんホセやアンヘルも素敵でした。シムキン君については賛否両論あると思いますが踊りはきれいでやはりあのかわいい童顔で超絶技巧をアピールされるとついつい応援したくなってしまいます。今後はどんな演目を踊るのか楽しみです。naomiさん、専門家から見て、彼はどのような役柄が似合うと思いますか?ぜひ意見をお聞きしたいです!

こんにちは、パンプキン夫人と申します。
いつもブログ読ませて頂いております。久しぶりにコメントさせて頂きます。

私は、7/23のジリアン・マーフィーの回に行きました。初めて「ドンキホーテ」を生で見られてとても楽しかったです。

衣装のことについて書かれておりましたが、私も同感でした。ちょっと色合いがきつくて、
安っぽく見えてしまったのが残念。

私も加治屋さん見たかったです!

micoccoさん、こんにちは。スペシャル・ドンキホーテ楽しかったですね。1幕、2幕がベテランで最後の3幕でいきなり若手ペアになって大変だったかと思いますが、二人とも頑張っていましたよね。ダニールはまだ主役を踊る機会がそれほどないので、サポートなどに課題はあると思いますが、本当に踊りはきれいだしテクニックはあるから、その長所を生かしていければいいですよね。

私は単なる素人で全然専門家ではありませんが、サポートを頑張っていつかはロミオを踊ってほしいと思います。その前にマキューシオかな?ABTではコッペリアのフランツも踊ったみたいなので、それもきっと似合っていたことでしょう。小柄なダンサーの超絶技巧というと、やはりミーシャの「テーマとヴァリエーション」が凄かったので、彼にも踊る機会があるといいですよね。童顔なので役を選んでしまいそうではあるけど、どんなふうに大人になっていくのか見守る楽しみがあるというものです。

パンプキン夫人さん、こんばんは。

私もジリアンとデヴィッドの「ドン・キホーテ」を観ました。そのうち感想も書ければいいなって思います。ジリアンのキトリが素晴らしかったですね。彼女は以前はテクニックの強さばかりが強調されていましたが、女らしくとても美しく踊るようになったって思います。

多分この「ドン・キホーテ」はDVDになっている、ミハイル・バリシニコフ版のと同じ衣装かと思います。以前、ABTが「ドン・キホーテ」の衣装をリニューアルするための寄付を募集していて、その中で、アンヘル・コレーラは未だにミーシャのお下がりの衣装を着ているって書いてありました。一新するだけの予算がないんでしょうね。

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