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« SWAN MAGAZINE 24号 2011夏号 | トップページ | 7/21 アメリカン・バレエ・シアター(ABT) オープニング・ガラ »

2011/07/22

7/19 シュツットガルト・バレエ「椿姫」 Stuttgart Ballet Die Kameliendame

Armand Duval Jason Reilly
Monsieur Duval  Douglas Lee
Prudence Duvernoy  Katja Wunsche
Olympia  Myriam Simon
Graf N  Arman Zazyan
Marguerite Gautier  Alicia Amatriain
Manon Lescaut  Anna Osadcenko
Des Grieux  Evan McKie
Verehrer Manons  Matteo Crockard-Villa
  Alexander Jones
  David Moore

この日のマルグリットとアルマンは、おとといはマノン役だったアリシア・アマトリアンと、やはりおとといはガストン役だったジェイソン・レイリー。アリシアはだいぶ前からマルグリット役を演じているけど、ジェイソンは今シーズンが役デビューで、ワイルドでエキゾチックな彼が美青年のイメージが強いアルマンというのはどういうものだろうって思いつつ観た。

やっぱりジェイソンはジェイソンでした。彼は踊りはもちろんのこと、演技もとてもうまい人なので、それなりにイノセントでロマンティックなアルマンにはなっていたと思う。パ・ド・ドゥのリフトとかもとてもうまくてスムーズだし、クラシックバレエの美しさもある。でも、やっぱりジェイソンなんだよな~というか、ちょっとワイルド系でセクシーなアルマンなので、私の中のアルマン像とは違うのでした。というか、マラインのアルマンばっかり観ていて、彼のアルマンがすっかり頭に刷り込まれてしまっているし、マラインってアルマンそのもの。ジェイソンはロマンティックなシーンはちゃんと甘さを出していて素敵なんだけど、肝心なところで演技の詰めが甘いのがわかってしまう。アルマンの未熟さ、怒り、悲しみが伝わってこなかった。多分アルマン役はまだ3回目くらいのはずだから、これからその辺は深めていくのではないかと思う。

アリシアのマルグリットは若い。金髪に実年齢以上に幼く見える顔立ち。マルグリットのモデルとなった女性も実は若かったらしいので、間違ってはいないけど、イメージとしては椿姫のマルグリットって成熟した女性というのがある。ただアリシア自身は演技はとても上手で、アルマンをからかって見せるところのいたずらっぽい愛嬌とか、徐々に彼に心が傾いていく様子、それから病に倒れて衰えていくところまでリアリティを持って演じられていた。問題は踊りのほうで、彼女は凄く体が柔らかくて脚が高く上がる反面、キープ力が弱いのでリフトされているところのポーズがスージンほどきれいに決まらないのだ。スカートのすそがアルマンの顔にかからないように気を使っていたり配慮は良くわかるんだけど。アリシアはマノン役は悪魔的で退廃的で最高に素敵だと思うんだけど、マルグリットはちょっとミスキャストではないかと思う。

本当はマライン&スージンを2回観るだけにしようと思っていたところを、航空会社に変更料金まで払って2日滞在を伸ばしてこの日の公演を観たのは、エヴァンのデ・グリューを観たかったから。彼は次にはアルマンを踊ることが決まっているので、もうデ・グリュー役では観られないかも知れないと思ったけど、YouTubeにある彼のデ・グリューがとにかく美しくて、観ないと絶対後悔すると思ったのだ。2日前の公演はデ・グリューを踊ったのはフリップ・バランキエヴィッチ。バランキエヴィッチはもちろん上手いダンサーなのだけど、この役に必要な妖しさに欠けていて、あまり印象に残らなかったし、一方でアリシアのマノンはとても強いインパクトがあるので彼はすっかり彼女の陰に隠れてしまっていた。

いやはや、演じる人によってこうも違いますか、というかエヴァンの怖いくらい美しいデ・グリューには吸い込まれそうだった。彼の踊りの美しさは常軌を逸しているといってもいいほど。しなやかで背中も関節も柔らかくてつま先がきれいに伸びて脚が高く上がって、デ・グリューという存在が人でないものであり、アルマンに影響を及ぼしているのがすごくわかる。加えて白塗りの似合う顔に、長くて美しい脚のライン。妖しすぎ。マノンのアンナ・オサチェンコは、アリシアほどの強烈さはないけれど、彼女も脚はすごくきれいで身体能力があり、エヴァンとの息はぴったり。エヴァンのお気に入りのパートナーなんだけど、彼女は口元がちょっと残念な人なのよね。。あんなに脚が綺麗で甲も出ているのに。

そしてこの日の公演のもうひとつの目玉は、アルマンの父を演じたダグラス・リー。プリンシパルである彼は、ここ数年はほとんど踊らず(長身ゆえ、重い女性ダンサーを持ち上げすぎて腰を痛めたらしい。ティボルトなどは演じていたけど)振り付け活動中心で、ついには振付家に専念するためにこの日の公演を最後に引退するのだ。長身の美男子でまだ30代前半と若いので本当にもったいないことなのだけど。アルマンよりも美男子で長身の父(しかもジェイソンと同年代)ってどうよとも思ったのだけど、白髪にして老けた感じをだしていた。彼はさすがプリンシパルに上り詰めただけあって一つ一つの動きは美しかった。若いころ彼が演じたアルマンは、それはそれは美しかったらしい。カーテンコールでは芸術監督のリード・アンダーソンから大きな花束を贈られ、観客からも盛大な拍手を浴びていた。 あとは、したたかなやり手婆ぶりがはまっていたカーチャ・ヴュンシュ。ジュリエット役は全然似合っていなかったけど、大人の女性を演じさせるとぴったりだった。

脇役まで充実したキャストで固めたシュツットガルト・バレエの「椿姫」、今度観られるのはいつのことになるのだろうか。

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