オランダ政府の文化予算削減方針の続報の続報
先日お伝えしたオランダ政府の文化予算削減方針について、6月10日に文化大臣のZijlstra氏が声明を発表したとのことです。
詳細な結果についてはまだ調べがついていないのですが、オランダ国立バレエとNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)については、当初予定されていた大幅な予算削減から、5%に削減が緩和されたとのことです。
この件については、それぞれのカンパニーからプレスリリースが行われています。
オランダ国立バレエ (オランダ語)
http://www.het-ballet.nl/index.php?m=news&sm=&lang=nl&show_news=19380&year=
このリリースによれば、文化大臣はオランダ国立バレエの国際的なレベルを評価して、当初予定されていた26%から5%へと削減幅を減らしたとのことです。ただし、アムステルダム市からの補助金はカットされる予定であること、そして同バレエ団のオーケストラであるオランダ・シンフォニア管弦楽団の予算も大きく削られるとのことです。
NDT(ネザーランド・ダンス・シアター、オランダ語)
http://www.ndt.nl/press/show/103
こちらのリリースによれば、NDTは40~50%の予算を削減され、地域カンパニーへと格下げされる見通しだったところ、やはり5%に削減幅が減らされ、今までどおり国際的な活動を継続できることになったとのことです。オンライン署名には、1万人以上の署名が集まり、多くの著名人が支援を表明したそうです。
オランダ語ですが、けっこう詳しい記事
http://www.demorgen.be/dm/nl/2461/De-Gedachte/article/detail/1278123/2011/06/14/De-ontregeling-van-Nederland.dhtml
オランダでは代表的なカンパニーの一つであるスカピノ・バレエ・ロッテルダム(マルコ・ゲッケが常任振付家を勤めている)は、40%と大幅な削減が実行されようとしているカンパニーの一つです。
こちらもオンライン署名を受付中。
http://www.ipetitions.com/petition/steunscapino/
ところで、この文化予算の大幅な削減を政策として掲げているオランダの現政権は、昨年6月の選挙で極右政党PVVの大躍進を受けて誕生した右派政権です。このほかにも、ブルカ着用の禁止など反イスラム主義、移民対策、原子力発電の推進、定年の大幅な引き上げなどの極端な政策を掲げているとのことです。
参考
開放的な貿易立国だったオランダが直面する右傾化と排外主義という試練
http://news.livedoor.com/article/detail/5103909/
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