8月 ディアナ・ヴィシニョーワ主演 東京バレエ団「ジゼル」Diana Vishneva Guests in Tokyo Ballet's "Giselle"
今日は新国立劇場で「ロメオとジュリエット」を観てきました。
プリンシパルに昇格したばかりの小野絢子さんのジュリエットが、今回初役とは思えないほどの恐るべき踊りと演技で鮮烈な印象を与えてくれました。まだ若い彼女が、マクミラン・ダンサーとして身体全体で歌うように音楽を表現し、表情ではなく身体で演技し、ほんの幼い愛らしい女の子が恋の歓びと悲しみを知って強くなり、大人へ、そして死へと駆け抜けていく姿に、思わずこちらの心も彼女に寄り添い、震えるほど心打たれました。流れるような滑らかな動き、一つ一つのポーズが完璧なまでに美しくコントロールが利いていていました。小野さんは小柄ながらバランスの取れた身体を楽器のように巧みに操って細やかな感情の揺らぎを浮き彫りにし、マクミラン特有のオフバランスの動きも浮遊感も、強靭でしなやかなラインであざやかに表現していました。彼女の表現力とテクニックなら、今すぐにでも、バーミンガム・ロイヤル・バレエでもロイヤル・バレエでもジュリエットを演じられることでしょう。久々に若いバレリーナの姿に感銘を受け、小野さんの舞台はこれからもできるだけ観ていこうと思ったのでした。(公演全体については、また日を改めて)
一つ注文をするとしたら、やはりパートナーは、マクミラン・ダンサーを起用してほしかったということです。マトヴィエンコは、なんというかロシアンなロミオでしたね。
さて、8月の、当初「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」が予定されていた時期に、同公演が延期になったことで空いたホールとスケジュール。そこへ、東京バレエ団がディアナ・ヴィシニョーワとモスクワ音楽劇場のセミョーン・チュージンをゲストに招いた「ジゼル」公演が、急遽決定したというお知らせがありました。
http://www.nbs.or.jp/stages/1108_giselle/index.html
震災後の不安定な状況にある日本に、急遽、大スターであるヴィシニョーワと、昨年のモスクワ音楽劇場の来日公演「エスメラルダ」で強い印象を残し最近はウィーン国立バレエのゲストプリンシパルになったり、マラーホフ主催の東日本震災チャリティガラに出演するなど国際的に活躍する若手チュージンが来日してくれることは、本当に嬉しいことです。しかも木村さんのヒラリオンが観られる!
東京バレエ団「ジゼル」
<日時>
8月17日 19:00開演
8月18日 19:00開演
<会場>
ゆうぽうとホール
<キャスト>
ジゼル:ディアナ・ヴィシニョーワ
アルブレヒト:セミューン・チュージン
ヒラリオン:木村和夫(17日)、後藤晴雄(18日)
バチルド姫:吉岡美佳
クールランド公爵:後藤晴雄(17日)、木村和夫(18日)
ペザントの踊りパ・ド・ユイット:
17日
高村順子ー宮本祐宜
乾友子-長瀬直義
佐伯知香ー松下裕次
吉川留衣ー小笠原亮
18日
村上美香ー松下裕次
岸本夏未ー井上良太
坂井麻美ー梅澤紘貴
河合眞里ー岡崎隼也
ミルタ:田中結子(17日)、高木綾(18日)
ドゥ・ウイリ:西村真由美、吉川留衣(17日)乾友子、奈良春夏(18日)
チケットは、7月16日(土)より一斉発売となりますが、明後日、7月1日(木)10時より、NBS WEBチケット先行抽選予約の受付を開始いたします(S,A券のみ)。
「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」の延期を受けて、確保しておいたホールとスケジュールがどうなるのかな、と思っていたらNBSと東京バレエ団が公演を開いてくれるということも、嬉しいことではありませんか。
« 新国立劇場バレエ団、5人がプリンシパル昇格 5 New Principals at New National Theatre Ballet | トップページ | Bunkamuraオーチャードホールの芸術監督に熊川哲也氏が就任 »
「バレエ(国内公演情報)」カテゴリの記事
« 新国立劇場バレエ団、5人がプリンシパル昇格 5 New Principals at New National Theatre Ballet | トップページ | Bunkamuraオーチャードホールの芸術監督に熊川哲也氏が就任 »
コメント