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2011年5月

2011/05/31

オール二ッポンバレエガラコンサート 8/15開催

このたびの震災に際し、「バレエダンサーとして何か出来ないか」。震災直後からダンサー達による想いが結集し、日本で初めての試みとなる、所属を超えた日本人バレエダンサーが世界中から集まる震災復興支援チャリティーのバレエガラコンサートが開催されることになりました。

http://nippon-balletgala.com/

オールニッポンバレエガラコンサート2011
日時:2011年8月15日(月)18:00開演(予定)
会場:東京・メルパルクホール
公演内容:日本と海外から集結した日本人バレエダンサーによるクラシックバレエとモダン、コンテンポラリーガラコンサート
放映予定等:未定(TV放映未定・インターネット中継予定)
主催:オールニッポンバレエガラコンサート2011実行委員会

実行委員(順不同)
遠藤康行(Yasuyuki Endo)、西島千博(Kazuhiro Nishijima)、酒井はな(Hana Sakai)、島地保武(Yasutake Shimaji)、山本隆之(Ryuji Yamamoto)、森田健太郎(Kentaro Morita)、伊藤範子(Noriko Ito)、志賀育恵(Ikue Shiga)、中村恩恵(Megumi Nakamura)

森下洋子さんからの賛同のメッセージも寄せられています。

出演者
http://nippon-balletgala.com/dancers.html
青木尚哉
浅見紘子(ドレスデン・バレエ)
厚地康雄(新国立劇場)
荒井英之
安藤洋子(フォーサイス・カンパニー)
伊藤範子(谷桃子バレエ団)
遠藤康行(マルセイユ・バレエ)
上野天志
大嶋正樹
大柴拓磨
加藤野乃花(マルセイユ・バレエ)
金田あゆ子
吉瀬智弘(スターダンサーズ・バレエ団)
木下佳子(マルセイユ・バレエ)
河野舞衣(ミュンヘン・バレエ)
小尻健太
小林洋壱(東京シティ・バレエ)
アマシオ・ゴンザレス(フォーサイス・カンパニー)
酒井はな(新国立劇場)
佐久間奈緒(バーミンガム・ロイヤル・バレエ)
佐藤健作
佐藤美紀
志賀育恵(東京シティ・バレエ)
島地保武(フォーサイス・カンパニー)
東海林靖志
白椛祐子(スターダンサーズ・バレエ団)
橘るみ(東京シティ・バレエ)
田中ルリ
中村恩恵
長田佳世(新国立劇場)
永橋あゆみ(谷桃子バレエ団)
西島千博
芳賀望(新国立劇場)
春野雅彦(東京シティ・バレエ)
キミホ・ハルバート
平山素子
藤井美帆(パリ・オペラ座バレエ)
松崎えり
増田真也
三木雄馬(谷桃子バレエ団)
柳本雅弘
八幡顕光(新国立劇場バレエ団)

(コピペできなかったので、ここまで書いて疲れました・・・)内外で活躍するダンサーが出演し、コンテンポラリーからバレエまで、とても豪華な顔ぶれですね。

チャリティで得られた、入場料、物販収入、協賛金など、運営費を除いたすべての収益金は公演終了後に実行委員で組織する収益分配委員会で寄付する先を決定。出来る限り被災地域のバレエ界に直接役立つような寄付にしたいと考えているとのことです。ダンサーは一切の出演料を受けとらないことになっているそうです。

チケット発売等、また詳細がわかり次第、お知らせしますね。

5/21夜 英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「眠れる森の美女」Birmingham Royal Ballet "SLEEPING BEAUTY"

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演
 
「眠れる森の美女」 プロローグ付全3幕


音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
衣裳・装置:フィリップ・プラウズ
照明:マーク・ジョナサン


国王フロレスタン二十四世:ドミニク・アントヌッチ
王妃:アンドレア・トレディニック
オーロラ姫:佐久間奈緒
フロリムンド王子:ツァオ・チー
カタラビュット(式典長):マイケル・オヘア
カラボス:サマラ・ダウンズ マリオン・テイト
リラの精:ジャオ・レイ

-- プロローグ --
美しさの精:ヴィクトリア・マール
お付きの騎士:ロバート・グラヴノー
誇らしさの精:アンブラ・ヴァッロ
お付きの騎士:マティアス・ディングマン
謙虚さの精:レティシア・ロ・サルド
お付きの騎士:ジェームズ・バートン
歌の精:ローラ・パーキス
お付きの騎士:ベンジャミン・ソレル
激しさの精:キャロル=アン・ミラー
お付きの騎士:オリヴァー・ティル
喜びの精:セリーヌ・ギッテンス
お付きの騎士:トム・ロジャース


-- 第1幕 --
4人の王子:マシュー・ローレンス、ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ、ジョナサン・ペイン、トム・ロジャース

-- 第2幕 --
伯爵夫人: カリー・ロバーツ
王子の側近:ジェームズ・バートン

-- 第3幕 --
パ・ド・カトル:レティシア・ロ・サルド、ローラ・パーキス、ファーガス・キャンベル、オリヴァー・ティル
長靴をはいた猫と白い猫:ジョナサン・カグイオア、イヴェット・ナイト
青い鳥とフロリナ王女:マティアス・ディングマン、アンブラ・ヴァッロ
赤ずきんと狼:アランチャ・バゼルガ、トム・ロジャース
グラン・パ・ド・ドゥ:佐久間奈緒、ツァオ・チー

指揮:フィリップ・エリス
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ団

http://www.nbs.or.jp/stages/1105_birmingham/nemuri.html

大所帯の引越し公演で、全幕のバレエを観る幸せをしみじみ実感させてくれたのが、この日の公演。華麗な舞台装置と衣装、芸達者で演技力に優れたカンパニーと魅力的な主演ダンサー。何よりも、全体を覆う暖かい雰囲気。この大変な時期にフル・カンパニーで公演を行ってくれたことにももちろん大感謝。しかしそういう贔屓目は抜きにしても、おとぎ話の世界へと誘ってくれ、ひと時の楽しい非日常に浸ることのできた素敵な一夜だった。

バーミンガム・ロイヤル・バレエが持ってきてくれた「眠れる森の美女」はピーター・ライト版。お正月にオランダ国立バレエで観たものと同じ版である。若干舞台装置などに違いはあるものの、基本的にデザインは同じ。ゴールドを基本にしながらも落ち着いた茶系の色合いでまとめてあって、豪華でありながらシックで上品だ。まるで古くから伝わる絵本を見ているかのよう。演出も、編み物をしている女性たちが処罰されそうになっていたりといった脇筋を省いてストーリーをすっきりとさせてわかりやすく親しみやすいものになっている。オーソドックスな演出の中で異色なのが、王子が目覚めのキスをしたあとにオーロラと踊る目覚めのパ・ド・ドゥが挿入されていること。間奏曲を使ってのパ・ド・ドゥは非常に美しいのだけど、派手さはないのでダンサーの実力とパートナーシップが問われる場面だ。

それから、リラの精がカラボスと色違いの同じデザインの長いドレスを着たマイムだけの役であることも特徴的。同じドレスで色を変えていることで、リラの精とカラボスが「善」と「悪」の対をなしていることを象徴させている。踊らない役ではあるが、この作品の世界観を作り上げている重要な部分なので、演じるダンサーは高い演劇性を持っていることが求められる。

今回のバーミンガム・ロイヤル・バレエの「眠れる森の美女」の上演でもっとも印象的だったのは、まさにその演劇性の部分だ。カラボス役を演じたマリオン・テイトは、元プリマ(チャリティオークション用に提供され、会場で展示されていた「真夏の夜の夢」のタイターニアの衣装は彼女が着用したものだとのこと)で現バレエ・ミストレス。名キャラクテールとして知られる彼女の演技が圧巻だった。視線と腕の動きでドラマを物語る、その一挙一動に目が吸い寄せられた。このカラボスはオーロラ誕生のお祝いに招待されなかったことを恨んでいるなんてせこい存在ではなくて、もっとスケールの大きい悪の象徴なのだ。(その割に2幕ではあっさりリラと王子に裏をかかれて負けちゃうんだけど)もう~かっこいいことよ!

対するリラの精は、翌日の公演では妖精たちの一人を踊っていたジャオ・レイが演じた。重厚な演技のマリオン・テイトに対抗するに相応しい、エレガントな気品の中に包み込むような優しさとたおやかさを表現していて、とても美しかった。

オーロラ役の佐久間奈緒さんは、1幕の登場のところから音楽性が豊かで、音楽への乗り方がとても気持ちよく軽やかに闊達に踊る。ローズアダージオでは、少し緊張した面持ちの中、16歳の誕生日を迎える少女の恥らう姿が初々しく、どこか東洋的な繊細さと奥ゆかしさを感じさせていたけど、ランベルセはほんとうに柔らかく優雅で美しかった。バランスもきれいに決まった。そして素晴らしかったのがこの後のヴァリエーションで、音楽に寄り添うように滑らかに、上半身を大きく使ってゆったりと動く姿が優美でアラベスクも美しかった。唯一ちょっとだけ残念だと思ったのが、眉毛がまるで困っているかのように下がり気味に描かれていることで、実際以上に緊張しているかのように見えてしまったこと。

佐久間さんは叙情性が持ち味のバレリーナだと感じたけれども、テクニックもとってもしっかりとしているし踊りにまったく力みがないのが良い。そして後半になっていくに連れて調子を上げていって、3幕のパ・ド・ドゥではキラキラ輝いていた。その輝きをますます光り輝くものにさせていたのが、ツォア・チーとのパートナーシップの見事さであった。

ツァオ・チーの王子は、プロポーションは決して恵まれている方ではないし、ハンサムなのだけど髪型がぴっちりとなでつけていてまるでサラリーマンのように見えてしまった。けれども、踊りの方は非常に端正だ。柔らかく深いプリエ、きれいなつま先と正確に5番に入るトゥールザンレール、ふわっとした跳躍を持っていていい踊り手だ。踊りはエレガントなのに、演技はとても情熱的なのがいい。オーロラの幻影をリラの精に見せられて、「なんて美しいんだ」とマイムをするところには愛が芽生えた瞬間が見えた。さすが「小さな村の小さなダンサー」に主演しただけのことはある。「眠れる森の美女」は男性の見せ場がないと思われがちだけども、彼の演技はこの役にちゃんと意味が与えられていて、試練を乗り越え知恵を働かせてオーロラの愛を手に入れる過程がきちんと描かれていた。

何よりも素晴らしいのが二人の呼吸の合い方で、10年以上パートナーとして踊っているだけのことはある。きっと目をつぶっていてもなんの問題もなく一緒に踊れてしまうんだろうなって思うほどぴったりで、安心して観ていられた。ツァオ・チーはサポートがとても上手で、3幕のグラン・パ・ド・ドゥの3連続フィッシュダイブもすごくスムーズに決まって難しいことなど何一つしていないかのように見えた。コーダでは、オーロラはがちょこっと上半身を横に倒さないパターンで踊っていてその分二人の顔の位置が近くてより親密さを感じさせてくれた。東洋的なこまやかさがありながらも、この二人の揺るぎないパートナーシップには華麗さがあり、「全幕バレエを観た!」という満足感をたっぷり与えてもらった気がして、とても幸せな気持ちになった。

3幕のディヴェルティスマンは、パ・ド・カトルのうちの男性二人がなかなか良いと思った以外にはこれという際立った踊り手は見つけられなかったけれども、長靴をはいた猫と白い猫のユーモラスなやり取りや、狼の演技はとても面白くて演劇を見ているようでとても楽しかった。

なんといっても今回主役以外で踊りが素晴らしかったのは、プロローグで喜びの精を踊ったセリーヌ・ギッテンスである。トリニダード出身でアフリカ系の彼女は、プロポーションがきれいだし、アラベスクの形ものびやかで美しく、柔らかくしなやかで小気味良い踊りに思わずうっとりと見入ってしまった。6人の精たちのうちでもずば抜けて魅力的だった。2006年ローザンヌコンクールのファイナリストというから、まだ若いダンサー。これからの彼女の成長がとても楽しみだ。今はファースト・アーティストだけど、今度バーミンガム・ロイヤル・バレエが来日するときにはプリンシパルになっているかもしれない、と思うほどの大器。彼女を発見できたこともこの日の収穫だった。

バーミンガム・ロイヤル・バレエは大カンパニーほど全体のレベルがすごく高いわけではない。けれども、独特の温かみのある雰囲気と演劇性の高さ、そして主役二人の魅力もあり、またライト版のプロダクションの良さもあり、とても楽しめた舞台であった。震災で傷ついた私たちの心を癒してくれる力がバレエにはあると感じさせてくれた良い公演だった。

でもやっぱりピーター・ライト版の眠りの王子はこれが決定版だわ(笑)

2011/05/28

ABT「ジゼル」にヨハン・コボーがゲスト出演/ABTの話題いろいろ

ABTのMETシーズンで、5月28日のマチネに上演される「ジゼル」アルブレヒト役を、マキシム・ベロツェルコフスキーが怪我で降板し、急遽ヨハン・コボーが代役として踊ることになったと発表されました。

http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=354

この公演でジゼル役を踊るのはイリーナ・ドヴォロヴェンコ。なお、同じ日の夜公演「ジゼル」のジゼル役はアリーナ・コジョカルです(アルブレヒト役はデヴィッド・ホールバーグ)。コボーがABTに出演するのは初めてのことですが、アリーナ相手ではないことからも、急に演じることになったことが伺えます。パートナーであるアリーナの舞台を観に来ていたコボーが、急遽アルブレヒト役をオファーされたようです。

ところで、つい先日、やはり怪我をしているエルマン・コルネホの代役としてイワン・ワシーリエフが「明るい小川」と「コッペリア」にゲスト出演することが発表されたことは皆さんの記憶に新しいことかと思います。

それ以外でも、「ドン・キホーテ」でやはりコルネホの代役としてローランド・サラビアがゲスト出演しました。また、コジョカル、ポリーナ・セミオノワ、ナタリア・オシポワ、そしてゲスト・プリンシパルとしてカンパニー団員一覧にも載っているディアナ・ヴィシニョーワ、ロベルト・ボッレと、今シーズンのABTはゲストダンサーの起用が目立ちます。

アメリカのバレエ・フォーラムBallet Alertで指摘されていたことですが、ABTの特に男性ダンサーは急速に世代交代の波を迎えているようです。イーサン・スティーフェルはMETシーズン不参加で来シーズンからロイヤル・ニュージーランド・バレエの芸術監督に就任します。アンヘル・コレーラは母国スペインでコレーラ・バレエを率いており、今シーズンの出演は「ジゼル」と「コッペリア」のみ。エルマン・コルネホもABTとコレーラ・バレエを掛け持ち。ホセ・カレーニョは今シーズンでABTを引退。マキシム・ベロツェルコフスキーは近年出番が減っており、引退する日も遠くないと囁かれています。そうすると、今のABTの男性プリンシパルで活躍を期待できるのが、マルセロ・ゴメス、デヴィッド・ホールバーグ、そしてコリー・スターンズの3人しかいません。

かつては世界最強の男性ダンサー集団と言われたABTなのに、明らかに世代交代がうまくいっていません。その結果、多くのゲストに頼ることになってしまっています。急な代役のチャンスがソリストに与えられることはまずありません。

ソリスト以下では、ダニール・シムキンをはじめ才能豊かな男性ダンサーが多数いますが、コリー・スターンズが昨年プリンシパルに昇格したくらいで、男性ダンサーの昇進は最近ほとんど見られません。もちろん、シムキンは遅かれ早かれプリンシパルにはなると思いますが。そしてABTでなかなか昇進できないために、移籍するダンサーも多いようです。

先日東京バレエ団の「ラ・バヤデール」のソロル役でゲスト出演したマシュー・ゴールディングのインタビューが、最新の「ダンスマガジン」に載っていました。それによると、ローザンヌのスカラシップ、ロイヤル・バレエスクールを卒業後YAGPグランプリという輝かしい実績からABTに入団したものの、早く主役を踊りたいと思ってコレーラ・バレエに移籍し、そしてオランダ国立バレエへ移籍してプリンシパルになったとのことです。彼のようにプロポーション、容姿、テクニックに恵まれたダンサーでも見切りをつけられてしまって移籍されてしまうABTって、と思ってしまいました。

女性ダンサーに目を移しても、今一番踊り盛りのジリアン・マーフィがイーサン・スティーフェルとともに(ABTに籍は残すものの)ニュージーランドへと移ってしまうこともあり、自前バレリーナの主演のチャンスもことごとくゲストダンサーに取られてしまっています。

ABTは確かにスターを揃えていることを売り物にしたバレエ団ではあるんですが、以前はもっと自前のスターが多かったように思います。ゲストと言えども、団員リストに載ってシーズン中はNYに滞在し、秋のシーズンにもチャンtの出演する人たちばかりだったはずです。


ところで、ABTのオープニング・ガラでジリアン・マーフィがデヴィッド・ホールバーグと「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」を踊ったあとのカーテンコールで、イーサン・スティーフェルが彼女にプロポーズをしたとのことです。10年もの交際を経ての舞台上でのプロポーズ、素敵ですね。おめでとうございます!

Congrats to Ethan and Gillian!
http://www.pointemagazine.com/blogs/abt/congrats-ethan-and-gillian

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703509104576329541088925916.html


ABT入団20周年を今年迎えたパロマ・ヘレーラのDVDが発売されます。私も好きなダンサーなので嬉しいです。7月20日発売予定とのことなので、ちょうどABT来日にあわせたものですね。

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また、一時期廃盤になっていたABTの「真夏の夜の夢」(バーミンガム・ロイヤル・バレエと同じアシュトン版、アレッサンドラ・フェリ、イーサン・スティーフェル、エルマン・コルネホ主演)も再発売されます。これはとっても楽しい一枚。

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2011/05/26

「バレエの神髄」公演一部中止と出演者追加

7月9、10、12日に東京公演を予定していた「バレエの神髄」公演のうち、9、10日の公演会場として予定していた新宿文化センターが、東日本大震災による会館補修工事を7月25日まで行うことになり、会場を使用することができなくなったそうです。これに伴って、残念ながら7月9日と10日の公演が中止となってしまいました。(代替会場を探していたとのことですが、見つからなかったということですね)

http://www.koransha.com/news_performance/news/110526shinzui_cancel.html

3回予定されていた東京公演が、文京シビックホールでの1回のみとなってしまい、中止分のチケットを持っていた人には払い戻しとなるそうです。(大阪、名古屋公演は予定通りの開催)

公演のサイトを見ると、出演者と予定プログラムが追加で発表されていました。

ルジマトフ、コールプ、岩田さん、キエフ・バレエのダンサーたちに加え、ボリショイのアントーニチェワ、ヴォルチコフ、そして、なんとHアール・カオスの白河直子さんが出演するとのこと。コールプも日本初演の新作を踊るとあっては観に行きたくなりました。土日の公演が中止となってしまったのは本当に残念です。

http://www.koransha.com/ballet/shinzui2011/index.html

2011年7月12日(火) 18:30 文京シビックホール

出演予定

ファルフ・ルジマトフ
エレーナ・フィリピエワ(キエフ・バレエ)
イーゴリ・コルプ(マリインスキー・バレエ)
アンナ・アントーニチェワ(ボリショイ・バレエ)
アレクサンドル・ヴォルチコフ(ボリショイ・バレエ)
岩田守弘(ボリショイ・バレエ)
白河直子(H・アール・カオス)
ナタリヤ・マツァーク(キエフ・バレエ)
カテリーナ・ハニュコワ(キエフ・バレエ)
セルギイ・シドルスキー(キエフ・バレエ)
キエフ・バレエ

予定プログラム

「マルキタンカ」 音楽:C.プーニ 振付:A.サン=レオン
フィリピエワ、シドルスキー、キエフ・バレエ

「扉」<新作日本初演>
音楽:O.アルナルズ 振付:V.アルブーゾワ
コルプ

「ライモンダ」より アダージョ 
音楽:A.グラズノフ 振付:Y.グリゴローヴィチ
アントーニチェワ、ヴォルチコフ

「バヤデルカ」第2幕より パ・ダクシオン 
音楽:L.ミンクス 振付:M.プティパ
マツァーク、シドルスキー、キエフ・バレエ

「瀕死の白鳥」 音楽:C.サン=サーンス 振付:大島早紀子
白河直子

「ラ・シルフィード」より パ・ド・ドゥ 
音楽:H.レーヴェンショルド 振付:A.ブルノンヴィル
ハニュコワ、岩田守弘

「シャコンヌ」 音楽:J.S.バッハ 振付:J.リモン
ルジマトフ  ヴァイオリン演奏:マリア・ラザレワ

「白鳥の湖」より 黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:P.チャイコフスキー 振付:M.プティパ
アントーニチェワ、ヴォルチコフ

「カルメン組曲」
音楽:G.ビゼー/R.シチェドリン
原振付:A.アロンソ 改訂演出:A&Aプリセツキー
ルジマトフ、フィリピエワ、コルプ、キエフ・バレエ


また、出演者からのお見舞いメッセージも掲載されていました。左記に掲載されていたルジマトフ、フィリピエワ、シドルスキー、マツァークに加えて、イーゴリ・コールプ、白河直子さん、岩田守弘さん、カテリーナ・ハニュコワのメッセージも。
http://www.koransha.com/news_performance/news/110526message_shinzui.html

シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011 概要発表 Sylvie Guillem Japan Tour 2011

昨日、愛知県芸術劇場でのシルヴィ・ギエム公演についてお知らせしましたが、東京公演がNBSで発表されていました。共演はマッシモ・ムッル。

そして、Bプロではフォーサイスの新作、エック作品なども踊ってくれるという素敵な趣向、さらに別途チャリティー公演も予定されているとなっていて嬉しい限りです。シルヴィは本当の日本の友人なんだなってしみじみ思います。

以下、NBSサイトよりまるっとコピペです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-339.html

待望の今秋開催される「シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011」の概要が決定いたしました。

Aプロでは、ギエムが演技者として名声を獲得した2つの愛の名作、アシュトン振付の珠玉の一幕バレエ「田園の出来事」と「マノン」(パ・ド・ドゥ)を上演。
Bプロでは、2人の巨匠振付家との話題の最新作、マッツ・エック振付のソロ「アジュー」と7月にロンドンで初演されるウィリアム・フォーサイス振付の新作パ・ド・ドゥを披露します。
シルヴィ・ギエムの過去、現在、未来をご覧いただける魅力のプログラムです。

そして、今回の「シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011」は、東日本大震災の悲報に接したシルヴィ・ギエムの強い意向のもと、全国各地の主催者の理解を得て、「HOPE JAPAN TOUR」と銘打ち、オリジナル・チャリティ・グッズの販売等を通した義援金の募金活動を行うことが決定いたしました。
東京ではツアーに先駆け、別途チャリティ・ガラを開催する予定です。ガラ公演では、ギエム自身の出演料を含め、収益の多くを義援金として被災地に届けます。現在参加アーティスト・演目の調整を行っており、詳細は追って発表いたします。

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HOPE JAPAN、それは私自身の意思なのです

3月11日以降の日本の状況を考えて、この東京と全国での公演では何か通常のシルヴィ・ギエムツアー以上のことが何かできるのではないかと思いました。
日本は大変困難な時に直面しています。私はあなた方の国を何度も訪れ、本当にたくさんの場所で踊りました。そして日本の人々とNBSに、こんなに長い間私が与えられてきたものの、一部をお返ししたいのです。私は日本と、日本の人々を本当に長い間愛してきましたし、今や私自身を少し日本人の一員のように感じており、この恐ろしい出来事に大変心を痛め、悲しんでいます。人間としてしなくてはいけない、という義務感を超えて、これは私の個人的な意思なのです。

シルヴィ・ギエム

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バレエ界の女王ギエムがいま、日本を愛と感動で満たす!
Aプロ〈愛の物語〉
─ Sylvie Guillem On Stage A < HISTOIRES D'AMOURS >

【公演日程】
10月22日(土) 3:00p.m.
10月23日(日) 3:00p.m. 
10月25日(火) 6:30p.m. 
10月26日(水) 6:30p.m. 

【プログラム&出演者】
フレデリック・アシュトン振付
「田園の出来事」
音楽:フレデリック・ショパン

出演:
ナターリヤ:シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ:マッシモ・ムッル
ラキティン:後藤晴雄
ヴェラ:小出領子
コーリャ:松下裕次
カーチャ:奈良春夏
マトヴェイ:永田雄大


ケネス・マクミラン振付
「マノン」よりパ・ド・ドゥ
音楽:ジュール・マスネ

出演:シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル


セルジュ・リファール振付
「白の組曲」
音楽:エドゥアール・ラロ

出演:
テーム・ヴァリエ:奈良春夏/田中裕子、木村和夫、後藤晴雄/柄本弾
セレナード/フルート:小出領子/西村真由美
プレスト:佐伯知香/岸本夏未
シガレット:吉岡美佳/田中結子
マズルカ:木村和夫/後藤晴雄
アダージュ:上野水香、柄本弾

他、1演目を予定

【指揮】ベンジャミン・ポープ 

【演奏】東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


バレエ界の女王ギエムがいま、希望を掲げて日本で舞う!
Bプロ 〈エック/フォーサイス/キリアン〉
─ Sylvie Guillem On Stage B 〈Ek/Forsythe/Klián〉

【公演日程】
10月29日(土) 3:00p.m.
10月30日(日) 3:00p.m. 

【プログラム&出演】
マッツ・エック振付
「アジュー」★
音楽:ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第32番作品111アリエッタ

出演:シルヴィ・ギエム


ウィリアム・フォーサイス新作パ・ド・ドゥ★

出演:シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル


モーリス・ベジャール振付
「春の祭典」
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

出演:東京バレエ団(配役未定) 


イリ・キリアン振付
「パーフェクト・コンセプション」
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ、ジョン・ケージ、レスリー・スタック

出演:
井脇幸江/田中結子、吉岡美佳/川島麻実子
高橋竜太/松下裕次、長瀬直義/宮本祐宜

※演奏はすべて特別録音によるテープを使用します。

【会場】東京文化会館

【入場料(税込)】
S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 C=¥10,000 D=¥8,000 E=¥6,000
※未就学児童のご入場はお断りします。

【前売開始日:】7月2日(土)10:00a.m.より

【NBS WEBチケット先行抽選予約】6/14(火)10:00~6/24(金)18:00

【全国公演】
11/3(木・祝)愛知県芸術劇場 TEL:052-241-8118
11/5(土)兵庫県立芸術文化センター TEL:0798-68-0255
11/9(水)倉敷市民会館 TEL:086-225-7300
11/11(金)広島市文化交流会館 TEL:082-253-1010
11/13(日)福岡サンパレス TEL:092-852-6606

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※デザイナー髙田賢三氏によるHOPE JAPANのイメージロゴ及びイメージヴィジュアルは、ご本人の許可のもと、本ツアーの告知に使用させていただいております。


★ works from "6000 miles away," a Sadler's Wells / Sylvie Guillem Produciton

続27 震災とパフォーミング・アーツ界の動き ギエム・オン・ステージなど

ミハイロフスキー・バレエ(レニングラード国立バレエ)がオフィシャルサイトで以下のアナウンスをしています。

Giselle to help the victims of natural disasters in Japan
http://www.mikhailovsky.ru/en/events/giselle-to-help-the-victims-of-natural-disasters-in-japan

30年間もの間日本で公演を行い密接な関係を結んできたミハイロフスキー劇場は、日本が悲劇的な震災と津波の被害を受けたことを受けて、すぐにお見舞いの言葉を日本の友人たちへと送りました。

被災者の皆さんへの実際の支援を行おうと、「ジゼル」の著作権を持っているミハイロフスキー劇場は、同作品の収録された映像から得られる版権料を寄付することにしました。ニキータ・ドルグーシンの振付とヴャチェスラフ・オクーネフの美術によるこの作品の収録映像の版権料と配給権料は、震災と津波の被災者への義援金に当てられます。

とのことです。さて、この「ジゼル」の映像は、DVDとして新たに発売されるということなのでしょうか?もしかしてWOWOWで放映された、草刈民代さんが主演した「ジゼル」のことを指すのでしょうか?そのうち詳細が発表されることと思いますので、続報を待ちましょう。

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ハンブルク・バレエが6月6日に日本の被災者の方々のための特別公演「月に寄せる七つの俳句」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」を行うことは既報の通りです。この公演について、ハンブルク・バレエに所属する3人の日本人ダンサー(大石裕香さん、有井舞耀さん、石崎双葉さん)にインタビューを行った記事が掲載されていました。(ドイツ語)
http://www.welt.de/print/wams/vermischtes/article13386743/Auch-das-Hamburger-Ballett-will-helfen.html

有井舞耀さんは広島に生まれ育って原爆について学校で学んできたため、福島での原発事故や震災の被害について大きな衝撃を受けたとのことです。17歳の石崎さんは、東京出身であるため、両親は停電や電車の運行停止に巻き込まれたそうです。

そして、震災が起きた3月11日は、大石裕香さんが自らの振付作品"Breathing"(4月8日に初演)のリハーサルを行っていたときでした。彼女は日本の人々のためにこの作品を作り、そしてダンサーたちも日本への祈りを込めてこの作品を踊ることにしたとのこと。震災と津波のニュースを見たことで、大石さんは振付にインスピレーションを得て、作品の中に精神性を反映させることができたそうです。震災によって壊れてしまった世界のなかで、残された人々の絆が深まっていく様子が描かれました。作品の終わりでは、舞台は暗闇に包まれ、その中で灯に照らされた二人の天使と死が現れていたそうです。振付の才能にも恵まれている大石さんの新作は、ハンブルク・バレエの来シーズンでは本公演として上演される予定となっています。

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舞舞堂 ~maimai-do~さんからの情報ですが、

11/3(木・祝) 開演13:30、愛知県芸術劇場大ホールにおいて「シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2011」が開催されるとのことです。

予定演目
「ボレロ」「Two」他 共演東京バレエ団

お問合せ CBC事業部 052-241-8118

バーミンガム・ロイヤル・バレエの愛知公演でこの公演のチラシが配布されていたとのことですが、そのチラシにHope Japanの文字が入っており、ギエムからの震災に寄せるメッセージも掲載されていたとのことです。震災後に急遽ギエム本人が決めた公演のようです。

シルヴィ・ギエムの公演は、2011年10-11月「さようならトウ・シューズ」(「田園の風景」「マルグリットとアルマン」他)が予定されているのですが、東京でもこの「ボレロ」「Two」を上演するのかどうか気になるところです。

NBSから届いた「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」 の延期お知らせのハガキに、まもなくシルヴィ・ギエムの公演についてのお知らせを発送しますとありましたので、詳細は近日中に出るのではないかと思います。

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NBS関連ではもう一つ、お知らせがありました。

バイエルン国立歌劇場 音楽総監督 ケント・ナガノ急遽来日!
「ケント・ナガノ、青学オケを振る」
東日本大震災復興支援チャリティ・コンサート
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-338.html

今秋開催されるバイエルン国立歌劇場日本公演の記者会見に出席するため、ケント・ナガノ音楽総監督が来日します。日系三世であるケント・ナガノ氏は、何か日本のためにしたいと強く希望し、急遽、このチャリティ・コンサートの開催が決定しました。収益金は全額、被災地の子供たちのための楽器購入費に役立てていただく予定です。

指揮:ケント・ナガノ(バイエルン国立歌劇場音楽総監督)

管弦楽:青山学院管弦楽団

ソプラノ:中村恵理(特別出演)

【公演日時】2011年 6月5日(日) 午後3時開演(午後2時開場)

【会場】青山学院講堂(渋谷)
    JR山手線、東急線、京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面の出口より徒歩約20分
    地下鉄「表参道駅」B1出口より徒歩約10分

【プログラム】
 バッハ:フーガの技法(野平一郎編曲)
 ベンテュス編曲:5つの日本歌曲(ソプラノ:中村恵理)
 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

【入場料(税込)】¥1,500(全席自由席) *未就学児童の入場はお断りいたします。

【前売開始日】2011年5月26日(木)10:00a.m.〜

【前売所】
 ●NBSチケットセンター 03-3791-8888
 ●NBS WEBチケットサービス  
 ●e+(イープラス) http://eplus.jp/ (PC&携帯) 
 ●チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード141-234) http://pia.jp/t/ (PC&携帯)

【お問い合わせ】NBSチケットセンター 03-3791-8888 

2011/05/25

「吉田 都 一瞬の永遠 英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのすべて」

バーミンガム・ロイヤル・バレエのチャリティ公演で販売されているのは見たけど、人がたくさんいたのでその時はよく見ることもしなかったこの本。書店でどんな本なのか見てみようと思って手にとってみたら、掲載されている吉田都さんの写真があまりにも素敵だったので思わず買ってしまった。

篠山紀信さんの撮影した都さんの姿は、今まで自分が知っていたはずの都さんとはまったく違っていて、少女の面影を残しながらも大人っぽくて、ほのかな色香を漂わせていた。巻頭には、白いレオタードにチュチュボンを身につけていたり、ジュリエットの衣装を着た都さん。特にジュリエットに扮した都さんは、とても魅惑的で儚げで、肉体をもちながらもするりとすり抜けていきそうな透明感の両方を併せ持っていて思わずひきつけられてしまう。

「オンディーヌ」のリハーサルと舞台の写真。スタジオでのリハーサルの段階から、すっかり都さんは水の精オンディーヌになりきっていて、作品の世界に入り込んでいるのがわかる。美しい舞台美術の切り取り方は、バレエ写真家の見方とは全然違っていて、陰影がはっきりしていてドラマティックだ。

そして私も観たロイヤル・バレエ団での最後の舞台「ロミオとジュリエット」。あの時観たパフォーマンスの心の動きを再び思い起こさせる写真もあれば、こんな風に篠山さんは見ていたんだ、と新鮮な視点で見られるカットも。都さんのジュリエットからは言葉にならない思いがあふれて、代わりに台詞を物語っているかのようだ。あの時感じられたのと同じくらいに、都さんのジュリエットを捉えた写真からは強い情熱、叫び、そして決意が伝わってくる。「一瞬の永遠」というタイトルが物語っているように、ほんの一瞬のきらめきを永遠のものへと封じ込めることができているのは、都さんの演技力もさることながら、写真家の力量もあるのだと実感した。

巻末には、都さん自身の言葉によるエッセイが掲載されている。バレエにあこがれて踊り始めた少女時代の時から、バレエ学校へ入り、プロのバレリーナになり、そしてプリンシパルへ。とても読みやすくて素直な語り口からは、都さんの謙虚で飾らない、だけどとても真摯な姿勢が伝わってくる。特にプロになってからはじめての怪我を乗り越えるまでのエピソード、そしてロイヤル引退の「ロミオとジュリエット」の舞台を迎えるまでの心情を語る言葉には、なぜ彼女が頂点へと上り詰めることができたのか、その秘密の一端がみえたように思えた。都さんには野心があったわけではなく、無欲に、ただやりたいことの実現に向けて、こつこつと地道にやるべきことをきちんと行った結果もたらされた成功だったのだ。一見簡単そうなそれが、どんなに血の滲むようなことなのかはバレエを少しでも習ったことがある人ならわかると思う。

アレッサンドラ・フェリ、ゲルシー・カークランドという対照的な二人のバレリーナのジュリエット像にどのように影響を受けたかという話も興味深い。

「何かを信じている自分」がいたから今までダンサーを続けることができた、それは、好きなことを続けること。どんなことがあっても長い時間をかけて体得したものから生まれる「自分を信じる力」なのだという都さんの言葉には、思わず自分も励まされる思いがした。

吉田 都 一瞬の永遠 英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのすべて吉田 都 一瞬の永遠 英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのすべて
吉田都 篠山紀信

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イワン・ワシーリエフがABT「明るい小川」「コッペリア」にゲスト出演

ボリショイ・バレエのイワン・ワシーリエフが、ABTのメトロポリタン・オペラでのシーズン、6月11日と14日の「明るい小川」、6月16日の「コッペリア」にゲスト出演すると発表されました。

ABTのリリース
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=352

エルマン・コルネホが怪我をしてしまったために、ワシーリエフがゲスト出演することになったものです。なお、コルネホは先日の「ドン・キホーテ」も降板しており、ゲストのローランド・サラビアが彼の代役を務めました。

ABTは今シーズン、ゲストダンサーが大変多いですね。ロベルト・ボッレ、ナタリア・オシポワに加え、アリーナ・コジョカル、そしてポリーナ・セミオノワもゲスト出演しています。

(コジョカルとセミオノワが出演した「ドン・キホーテ」のレビューもさっそく掲載されています)

そして気になるのは、エルマン・コルネホが来日公演に無事出演してくれるかどうかです。彼のロミオは観たことがないので、観たいしチケットも買っているのですが。


追記:コジョカル&セミオノワのレビューはNYTimesとFinancial Timesにも掲載されていました。

http://www.ft.com/intl/cms/s/2/8b83133a-861d-11e0-9e2c-00144feabdc0.html#axzz1NLKviYZZ

Ballet’s Home Away From Home for International Stars in New York
http://www.nytimes.com/2011/05/25/arts/dance/american-ballet-theater-hosts-alina-cojocaru-review.html?_r=2&ref=dance

2011/05/24

シュツットガルト・バレエ「椿姫」「ボレロ」キャストなど

シュツットガルト・バレエのサイトを見たら、役デビューがいくつか発表されていました。

「椿姫」は、5月22日に、それまで病気のために休業していたマリア・アイシュヴァルトが舞台復帰を果たしシュツットガルト・バレエでのマルグリット役デビューしました。今回は、昨年プリンシパルに昇格したウィリアム・ムーアがアルマン役、ソリストのミリアム・サイモンがマルグリット役デビューです。巻き毛の可愛いウィリアム、すでに「オネーギン」のタチヤーナ役を演じている大人っぽい美女のミリアムはこの役にぴったりですね。

Mai 29
Die Kameliendame
Ballett in drei Akten von John Neumeier nach dem Roman von Alexandre Dumas d. J.

Marguerite Gautier Myriam Simon*
Armand Duval William Moore*
Manon Lescaut Hyo-Jung Kang*
Des Grieux Brent Parolin*
Prudence Duvernoy Rachele Buriassi*
Gaston Rieux Alexander Jones
Olympia Miriam Kacerova*
Monsieur Duval Damiano Pettenella*

* Rollendebüt

また、6月12日にはアンナ・オサチェンコが、6月24日にはマライン・ラドマーカーが「ボレロ」のメロディ役デビューを果たします。

なお、シュツットガルト・バレエのコール・ド所属のダンサー、セバスティアン・ゴルティエは写真家としても才能を発揮しており、カンパニーのオフィシャルの写真も撮影しています。彼のサイトにはたくさんの素敵なダンサーたちの写真が掲載されています。

http://sebastiengaltier.tumblr.com/


また、シュツットガルト・バレエの来シーズンのラインアップについては、6月7日に発表されるそうです。
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/start.htm

2011/05/23

ガリーナ・ウラノワ・メモリアル・ガラの映像など

5月16日に、ロンドンのコロシアム劇場で、偉大なバレリーナ、ガリーナ・ウラノワのメモリアル・ガラが開催されました。ウラノワが初めてプロのバレリーナとして舞台を踏んだ1928年5月16日から実に83年後の開催です。主宰したのは、ガリーナ・ウラノワ財団の理事長であるウラジーミル・ワシーリエフ。

出演者は大変豪華で、ウリヤーナ・ロパートキナ&マラト・シェミウノフ、ウラジーミル・マラーホフ&ナディア・サイダコワ、産休から復帰したスヴェトラーナ・ザハロワとアンドレイ・ウヴァーロフ、ドロテ・ジルベール&ティアゴ・ソアレス、エフゲーニャ・オブラスツォ-ワ&デヴィッド・マッカテリ、ベルニス・コピエテルス&アレクシス・オリヴェイラ、イーゴリ・ゼレンスキー、ダリア・クリメントヴァ&ヴァディム・ムンタギロフ、スヴェトラーナ・ルンキナ&ドミトリー・グダーノフ、ヴラディスラフ・ラントラーロフ&エカテリーナ・クリサノワなど、ロシアバレエ界を中心にスターが揃いました。

Ballet.coに、ケネス・マクミランの伝記の著者であるジャン・パリーによるレビューが掲載されています。
http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_11/jun11/jp_rev_russian_ballet_icons_ulanova_gala_0511.htm

また、フォト・ギャラリーも。
http://www.ballet.co.uk/gallery/dm-russian-ballet-icons-ulanova-gala-coliseum-0511

ロシアのテレビ局が放映したニュース映像では、ロパートキナ&シェミウノフの「ショピニアーナ」、ドロテ・ジルベール&ソアレスの「ディアナとアクティオン」、ゼレンスキーの「シナトラ組曲」、サイダコワ&マラーホフの「ル・パルク」、そしてザハロワの「瀕死の白鳥」を観ることができます。ザハロワのインタビューも。

また、このガラの立役者の一人でもある、デヴィッド・マッカテリが撮影した、リハーサルの模様の動画も見られます。マラーホフがとてもお茶目です。

バーミンガム・ロイヤル・バレエ関連いろいろ Birmingham Royal Ballet in Japan

5月17日のチャリティ公演アシュトン・プロに続き、21日の夜と22日の「眠れる森の美女」とバーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演を満喫しています。どれも本当に素敵なパフォーマンスで、バレエを観られる幸せを実感しています。あとは最終日のアシュトン・プロを観るだけの予定ですが、あと1回なのは寂しいので、もう一回観ようかなってちょっと思っているくらいです。

バーミンガム・ロイヤル・バレエは演劇性に優れたバレエ団で、物語がするっと伝わってくるので観ていて本当に楽しめますね!もうすっかり感想を溜め込んでしまってなかなか追いつけないのですが、とにかく多くの公演がキャンセルする中で、心を込めて私たちに素敵な時間を贈ってくれたカンパニーや関係者に深く感謝したいと思います。その一瞬しかない生の舞台のきらめきのかけがえのないことといったら。

「眠れる森の美女」は主演陣が素晴らしかったのはいうまでもないことですが、カラボスを演じたマリオン・テイトの演技が実に迫力満点でカリスマ性にあふれており、一挙一動から目が離せませんでした。彼女を観ることができただけでもものすごい収穫でした。現在チャリティオークションにかかっている「真夏の夜の夢」のタイターニアの衣装は、彼女が着用したものとのことですね。

それから喜びの精を踊った(他にも2幕、ガーランドダンスや3幕にも出演)セリーヌ・ギッテンスの美しいアラベスク、柔軟でのびのびとした肢体、飛びぬけた身体能力には目を惹きつけられました。まだファースト・アーティストですが、将来がとても楽しみです。2006年のローザンヌ・コンクールのファイナリストです。

さて、今回のバーミンガム・ロイヤル・バレエのツアーについては、NBSのTwitterでも随時写真レポートが上がっていますが、本国のツアーブログもこまめに更新されていて、早速昨日の公演の様子などもアップされています。チャリティ公演で千羽鶴を贈ってくれたエルムハーストバレエ学校の生徒たちの目を通した東京の様子も興味深いものですし、本国の方たちにも今の日本の様子を伝えてくれていますね。また、マリオン・テイトのサービス精神も素晴らしい!
http://brbontour.wordpress.com/

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そして、The Ballet Bagでは、Japan Timesにもバーミンガム・ロイヤル・バレエの記事を書いているKris Kosakaさんによるレポートがアップされています。吉田都さんとオベロン役セザール・モラレス、ボトム役ロバート・パーカーとのリハーサルの模様、吉田都さんのインタビュー、そしてチャリティ公演の様子が写真入で掲載されています。
http://www.theballetbag.com/2011/05/20/birmingham-royal-ballet-miyako-yoshida-in-japan/

このインタビューの中で、都さんは、今年日本で「コッペリア」を踊る予定があると語っています。東京文化会館の50周年記念ガラのほかにも、出演予定があるのですね!

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バーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演については、バーミンガムの地元紙でも東京発の記事となっています。
Birmingham Royal Ballet keeps its promise to Japan
http://www.birminghampost.net/life-leisure-birmingham-guide/birmingham-culture/theatre-in-birmingham/2011/05/20/birmingham-royal-ballet-s-eastern-promise-65233-28716467/

この中で、デヴィッド・ビントレー芸術監督のインタビューが掲載されていますが、彼はこのように語っています。

「震災と福島の状況を巡って、来日公演をどうするのかと多方面から聞かれましたが、最初から私たちは、安全性が確保されればツアーを行うことを決意していました。多くのカンパニーが来日公演をキャンセルしており、そのことにより日本人は傷ついていました。

すぐに、チェルノブイリのような状況下ではないこと、東京から避難するような状況ではないことがはっきりしました。私たちは注意深く状況を観察しており、この国が元の姿を取り戻していることにすぐに気がつきました。

震災後一日目から、日本の人々がストレスに晒されており、私たちのようなカンパニーが訪れることを求めていることを感じました。日本にとって、私たちが彼らを応援することは大事なことなのです。

そしてバーミンガム・ロイヤル・バレエはそれを確かに行っています。もともとの過密なスケジュールに加えて、アシュトンの「真夏の夜の夢」と「ダフニスとクロエ」の2演目の追加ガラ公演をチャリティ目的で行うことにして、すべての収益を震災と津波被害の義援金として寄付することにしました。

このガラ公演は、単にBRBが日本で3週間のツアーを行うことよりも大きな意味があります。私たちは日本を信じており、彼らがこの悲劇から立ち直る力を持っていることも信じています。これは単なる定期的なツアーではなく、友情についての公演なのです」

日本にとって、デヴィッド・ビントレーというかけがえのない友人を得ることができたのは本当に幸いなことだったと思います。

2011/05/21

「世界のエトワール マニュエル・ルグリと中国中央バレエ団のスターたち」

ダンソマニなどでも紹介されていますが、メールで、マニュエル・ルグリが北京で踊った公演についての情報を教えていただきましたので、ご紹介します。(なお、コメントをたくさん頂いているのですが、なかなかウィーン国立バレエ「ドン・キホーテ」の感想に手をつけられなくてごめんなさい。週末に時間を見つけて書ければと思っています)

「世界のエトワール マニュエル・ルグリと中国中央バレエ団のスターたち」
http://blog.sina.com.cn/s/blog_473f97a001016wnn.html

5月20日、21日(両日とも19時開演)
北京大学百周年記念講堂ホール

チケット、100RMB、120RMB、150RMB
学生券、20RMB、40RMB、60RMB、80RMB

中国国立中央バレエ団(中央芭蕾舞團)
出演・マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ    
中国国立中央バレエ団団員

オーケストラ、中国国立中央バレエ団専属オーケストラ

演目
前半
1、Sacrificiumパ・ド・ドゥ(バナ振付)
2、The picture of… (ルグリによるソロ)
3、マルキタンカLa Vivandièreのパ・ド・シス(サン=レオン原典、ラコット振付、ルグリ指導)
4、Silent cry(バナによるソロ)
5、大地の歌 Song of the Earth(世界初演)(バナ振付、音楽、叶小鋼)
後半

クランコ版オネーギン第三幕
オネーギン ルグリ
タチヤーナ 張剣(ジャン・チエン)
グレーミン 崔凱(ツイ・カイ)

中国国立バレエ(中国中央バレエ団)のブログには、ルグリがリハーサルをする様子の写真が紹介されています。
「オネーギン」
http://blog.sina.com.cn/s/blog_473f97a001017o7f.html
ルグリ、バナによるリハーサル
http://blog.sina.com.cn/s/blog_473f97a001017ywj.html

ルグリのインタビュー記事(フランス語、写真入)もあります。
http://french.china.org.cn/culture/txt/2011-05/19/content_22599339.htm

ダンソマニ本家の方に、少しオフステージでのルグリとバナの写真も掲載されていますね。
http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=3357&start=210

2011/05/20

続26 震災とパフォーミング・アーツ界の動き

ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち公演が延期となってしまって、ちょっとくじけてしまった私ですが、バレエ界から手を差し伸べてくれる動きはいろいろとあります。

ジャパンアーツのブログでお知らせがありましたが、ニーナ・アナニアシヴィリが芸術監督を務めるグルジア国立バレエで5月26日に日本のためのチャリティ公演を行うとのことです。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/202036282.html

アレクセイ・ラトマンスキーが振付した“夢の中の日本”が踊られる他、オペラの「蝶々夫人」の抜粋も上演されるとのことです。
http://www.opera.ge/eng/news.php?id=1041&menu=news&eventdate=2011-05-26

フレンズ・サイトにいち早く日本へのメッセージを掲載してくれたニーナの心遣いが嬉しいですね。

**********
NBSのブログによれば、ベジャール・バレエ・ローザンヌが、東日本大震災チャリティー・ガラ公演 "GALA DE SOUTIEN EN FAVEUR DU JAPON"を、バレエ団の本拠地であるスイス、ローザンヌのボーリュー劇場で開催するとのことです。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/-gala-de-soutien-en-faveur-du-japon.html

"GALA DE SOUTIEN EN FAVEUR DU JAPON"
・公演日程:6月15日(水) 20:00開演
・会場:ボーリュー劇場(ローザンヌ)
・上演作品:「ボレロ」「アダージェット」「チェロのための5つのプレリュード」ほか。

東京バレエ団からも、吉岡美佳さんと高橋竜太さんが出演して「チェロのための5つのプレリュード」を踊るとのことです。

*********
5/15、キエフのウクライナ国立劇場で、キエフ・バレエのソリスト、田北志のぶさんの日本支援ガラ公演 "Cinobu Takita and the ballet stars" が行われましたが、その写真がアップされています。「瀕死の白鳥」などを踊った田北さんをはじめ、東京バレエ団の斎藤友佳理さん(「カルメン」)、ベルリン国立バレエのヤーナ・サレンコとシュツットガルト・バレエのマライン・ラドマーカー(「海賊」)などの写真を見ることができます。

http://www.kyivpost.ua/gallery/zvezdnaya-opera.html

デンマーク・ロイヤル・バレエのiPhoneアプリ

最近はバレエ団でiPhoneアプリを製作することがちょっと流行しているようで、主なところでもパリ・オペラ座、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、ローザンヌ・コンクール、そして日本ではABT来日公演のアプリがあります。

そしてデンマーク・ロイヤル・バレエのアプリも今日公開されました。5月24日から始まる同バレエ団の全米ツアーのプロモーションを兼ねているようです。したがってコンテンツはすべて英語です。もちろん無料でAppストアからダウンロードできます。

http://kglteater.dk/Service/balletapp.aspx?sc_lang=da

早速ダウンロードしてみましたが、このアプリの優れた点は、コール・ドに至るまでバレエ団全員の写真入りプロフィールを見ることができることです。こういうのは、ぜひ他のカンパニーも作ってほしいなって思います。

デンマーク・ロイヤル・バレエの団員にはユニークな方も多くて、コール・ドのCarling Talcottのブログ
http://rhymeswithdarling.blogspot.com
や、同じくコール・ドのShelby Elsbreeのブログ
http://tutusandtea.wordpress.com/
からは、バレリーナの生活の一端が伺えてなかなか楽しく、読み応えもあります。

デンマーク・ロイヤル・バレエの全米ツアーについてはこちら。カリフォルニア州オレンジカウンティを皮切りに、バークレー、ワシントンDC、そしてニューヨークで公演を行います。
http://kglteater.dk/Alle_forestillinger/Turne_10_11/Ballet_Turne_US/RDBallet_US_Turne.aspx?sc_lang=en

ツアーブログもあります。
http://rdballet.blogspot.com/

2011/05/19

「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」公演 延期

ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたちの公演が延期となったと、NBSオフィシャルよりお知らせがありました。

8月13日より、ゆうぽうとホールで公演を予定しておりました<ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち>は、東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故の影響を危惧した、ニコラ・ル・リッシュの判断により、8月の来日を中止し、公演を延期することとなりました。よって、5月28日(土)からの一斉発売は中止させていただきます。公演の実施につきましては、調整がついた段階で改めてお知らせいたします。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-335.html

リンク先にはニコラ・ル・リッシュからのメッセージも掲載されています。


今の状況の日本に行きたくないというアーティストの気持ちも理解できます。小さな子供のいるバレリーナも参加予定メンバーにはいますし、延期は仕方のないことなのでしょう。

しかしながら、一方ではジャスティン・ビーバーのように来日してコンサートを開いてくれる人もいれば、バーミンガム・ロイヤル・バレエのようにフルカンパニーで来日してチャリティー公演まで開くバレエ団もいます。

また、レディー・ガガが国際的な無料紙「メトロ」の旅行ページの中で日本の事にも言及し「日本国内から離れてしまう事で私達は日本をより傷つけてしまう。日本はとても安全でとても綺麗な所です。是非訪れて下さい」と語ってくれています。
http://www.metro.us/newyork/life/article/862257--japan-is-open-for-business?rand=967

日本に来てくれるアーティストを応援して公演に足を運ぶのはファンの務めだと思いました。

2011/05/18

バーミンガム・ロイヤル・バレエのチャリティ公演と Les étoiles pour le Japon のプログラム

今日はバーミンガム・ロイヤル・バレエのチャリティ公演(「ダフニスとクロエ」、「真夏の夜の夢」に行ってきました。デヴィッド・ビントレー芸術監督の心温まるメッセージに始まり(最初の挨拶は達者な日本語によるものでした)、素晴らしいパフォーマンスを堪能しました。休憩時間にツァオ・チー、佐久間奈緒、イアン・マッケイによる募金活動があり、また終演後には衣装のままのダンサーたちが募金箱を持って寄付を呼びかけていました。(些少ながら漱石さんを何枚か寄付)。さらに、カンパニー系列のエルムハースト・バレエ・スクールの生徒たち3人が、生徒たちが折った千羽鶴を持ってきて終演後に舞台上でNBSへと贈りました。千羽鶴は公演中は会場に飾られ、その後は被災地のバレエ関係の所へと贈られるそうです。

会場では、カンパニーブックとサイン入り写真が販売されていましたが、開演ぎりぎりの到着になってしまって1回目の休憩ではもうカンパニーブックは売り切れてしまい、写真もソールドアウトになっていました。

とても楽しめたこの公演の感想は後日書きます。吉田都さんの軽やかで正確な踊り、芸達者なバーミンガム・ロイヤル・バレエのダンサーたちのパフォーマンスはとっても楽しかったです。この時期の日本にカンパニーが揃って来日してくれたことに心から感謝したいと思います。週末の「眠れる森の美女」も楽しみ!

NBSのTwitterでは引き続き写真によるレポートが満載です。

*********

5月31日にパリのパレ・デ・コングレで開催される東日本大震災のチャリティ・ガラ「Les étoiles pour le Japon」のプログラムが発表されていました。取り急ぎ。非常に魅力的なガラですね。

http://www.lesetoilespourlejapon.com/programme/

Carlos Accosta (Royal Ballet)
Two de Russell Maliphant, musique d'Andy Cowton.「Two」

Ashley Bouder (New York City Ballet) et Jason Reilly (Ballet de Stuttgart)
Pas de deux du Corsaire de Marius Petipa, musique Adolphe Adam.「海賊」

Jiri Bubenicek (Ballet de Dresden) et Otto Bubenicek (Ballet de Hambourg)
Les Indomptés de Claude Brumachon, musique de Wim Mentens.

Mikhail Kaninskin et Elisa Carrillo Cabrera (Ballet de l'Opéra de Berlin)
Grand Pas de Deux de Christian Spuck, musique de Gioachino Rossini.「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」

Lucia Lacarra et Marlon Dino (Ballet de l'Opéra de Munich)
Thais de Roland Petit, musique de Jules Massenet.「タイス」

Olga Esina et Roman Lazik (Ballet de l'Opéra de Vienne)
L'adagio de La Chauve-souris de Roland Petit, musique de Johan Strauss Fils.「こうもり」

Julien Favreau et Katya Shalkina (Béjart Ballet Lausanne)
Light de Maurice Béjart, musique de Johan Strauss Fils.「Light」

Dimitri Gruzdev et Fernanda Oliveira (English National Ballet)
Pas de deux du Cygne Noir du Lac des Cygnes de Marius Petipa, musique de Tchaïkovski「黒鳥のパ・ド・ドゥ」.

Igor Kolb (Mariinsky) et Elena Kuzmina (Eifman Ballet)
Le Spectre de la Rose de Fokine, musique de Weber.「薔薇の精」

Shoko Nakamura et Michael Banzhaf (Berlin)
Caravaggio de Mauro Bigonzetti, musique de Moretti.「カラヴァッジオ」

Maria Kochetkova (San Francisco Ballet) et Sergei Polunin (Royal Ballet)
Pas de deux de l'acte III de La Belle au Bois Dormant de Marius Petipa, musique de Tchaïkovski.「眠れる森の美女」

Friedemann Vogel (Ballet de Stuttgart)
Mopey, de Marco Goecke, musique de Bach「モペイ」.

Isabelle Ciaravola et Mathieu Ganio (Ballet de l'Opéra de Paris)
Pas de deux du dernier acte des Enfants du Paradis.

Andrey Merukriev (Bolchoï)
Introduction, d'Alla Sigalova, musique de Glazunov.

Igor Zelensky (Mariinsky) et Tatyana Gorokhovaz (Ballet de Novossibirsk)
Cinq extraits de Sinatra suite de Twyla Tharp, musique de Franck Sinatra.「シナトラ組曲」

Evgenia Obraztsova (Mariinsky) et Andrey Merukriev (Bolchoï)
Pas de deux de Don Quichotte de Marius Petipa, musique de Minkus.「ドン・キホーテ」

Marijn Rademaker et Suejin Kang (Ballet de Stuttgart)
Pas de deux de La Dame aux Camélias de John Neumeier, musique de Chopin.「椿姫」

Ecole de danse de l'Opéra de Paris パリ・オペラ座学校によるパフォーマンス
Programme encore inconnu (mais ça ne saurait tarder).

2011/05/16

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 チャリティー公演

今週火曜日(17日)に開催される英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のチャリティー公演についての詳細が、NBSのサイトに載っていました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-333.html

この公演は東日本大震災 復興支援チャリティー公演として実施し、収益の一部を震災の義援金として、日本赤十字社を通じて被災地に届けられるとのことですが、その他にも、バーミンガム・ロイヤル・バレエの協力により、以下のチャリティ企画が行われるとのことです。

●サイン入り舞台写真の販売(収益は寄付)
●サイン入りカンパニー・ブックの販売(収益は寄付)
●BRBのダンサーたちが募金活動に協力(開演前、休憩中、終演後には、BRBのダンサー(佐久間奈緒、エリシャ・ウィリス、ツァオ・チー、イアン・マッケイを予定)たちが、ロビーでの募金活動に参加)
●「真夏の夜の夢」タイターニアの衣裳のチャリティ・オークション

日本に来ていただけるだけでも大感謝なのに、これだけのことをしていただけるとは、本当にありがたい限りです。私もこの日の公演を観に行く予定です。まだチケットは残っているようなので、まだの方もぜひ!

イープラス<被災地復興支援チャリティ公演>「真夏の夜の夢」「ダフニスとクロエ」【プログラム付】当日引換受付 当日引換のプログラムのうち、50冊は吉田都さん直筆のサイン付きだそうです。
http://eplus.jp/sys/T1U14P002020068P0030009P006001P0010175

バーミンガム・ロイヤル・バレエの本国サイトでは、ツアーブログがあって、早速14日に行われた鎌倉公演の報告も載っています。
http://brbontour.wordpress.com/

鎌倉芸術館のブログにも、この公演について載っています。
http://kamakura-arts.jp/blog/

チャリティ公演で販売される写真にダンサーたちがサインをする様子などは、NBSのTwitterで随時配信されています。タマラ・ロホも無事来日したとのことです。火曜日からの東京公演に向けて、盛り上がってきました。

2011/05/14

エルヴェ・モロー、パリ・オペラ座の来シーズン「Psyche」(ラトマンスキー新作)で復帰

ミラノ・スカラ座のエトワール・ガラで無事に「シンデレラ」2幕のパ・ド・ドゥを踊ったエルヴェ・モローですが、パリ・オペラ座の舞台にも来シーズン復帰する予定のようです。

ダンソマニで、来シーズンの頭を飾る「Psyche」(アレクセイ・ラトマンスキー振付の新作、2011年9月21日初日)のプレキャストが発表され、エルヴェ・モローの名前もあります。

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=5226

一時期は引退説も浮上していたエルヴェが、無事戻ってくることを楽しみにしたいですね。

続25 震災とパフォーミング・アーツ界の動き

朝にニューヨークタイムズで、メトロポリタン・オペラ来日公演「ドン・カルロ」に出演予定だったヨナス・カウフマンとオルガ・ボロディナが降板するということを知り、チケットは(降板の可能性もあるかなと思って)買っていなかったのですが、やはり原発問題は深刻なんだと改めて思った次第です。

原発がメルトダウンしてしまった国には行きたくないと思う気持ちもわかるわけで、そんな中でも、日本に来てくださるアーティストには最大限の感謝の気持ちを送りたいと思います。

ジャパン・アーツのサイトでの出演者交代のお知らせ
http://ja-opera.seesaa.net/article/200840446.html

特にドイツでは原発問題において反応が大きいという印象を持ってしまいますが、ドイツのバレエ界ではチャリティの動きは活発なようで。

5月8日にベルリンで開催されたガラ「Ballet Helps Japan」に出演した、東京シティ・バレエの志賀育恵さんと黄凱さんが、それぞれのブログで報告をしてくれています。このふたりの「くるみ割り人形」がトリを飾ったようですね。

志賀育恵さんのブログ(続報がこれから載りそうです)
http://www.ikue-garden.net/blog/

黄凱さんのブログ(ウラジーミル・マラーホフとの写真も掲載されています)
http://huangkai.cocolog-nifty.com/official_blog/2011/05/post-a04a.html

Dance Cubeの針山愛美さんの「バレリーナのベルリン日記」では、ガラの報告と上演演目の紹介があります。
http://www.chacott-jp.com/magazine/d_diary/fromberlin/

追記:ベルリンのコンクールTANZOLYMP(このコンクールの優勝者2人がこのガラに出演)のYouTubeチャンネルでこのガラのプロモーション映像がアップされていたのに気がつきました。ちょっとだけですがマラーホフの「瀕死の白鳥」を観ることができます。

**********
ハンブルク・バレエでは、6月6日に東日本大震災チャリティ公演を行うとのことです。
http://www.hamburgballett.de/e/index.htm

ハンブルク・バレエからのメールマガジンに詳細が掲載されていましたが、「月に寄せる七つの俳句」(ジョエル・ブーローニュ、アレクサンドル・リアブコ、ティアゴ・ボァディン出演)、「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」(エレーヌ・ブシェー、ティアゴ・ボァディン出演)が上演されるとのことです。収益は日本赤十字に寄付され、またハンブルク州立歌劇場でのケータリングの収益も寄付されるそうです。

なお、このメールマガジンで気がついたのですが、ハンブルク・バレエには、ソリストの大石裕香さん、コール・ドの有井舞耀さんのほか、2009年にローザンヌ・コンクールのファイナリストだった池田武志さんと石崎双葉さんが準団員として今年入団することになっているのですね。
http://www.hamburgballett.de/e/ensemble.htm

**********
以前に、清里フィールドバレエが被災地でのバレエ公演を計画しているというニュースをお知らせしましたが、実際に岩手県山田町の避難所の特設ステージでバレリーナが踊りを見せたとのことです。このバレエは岩手、宮城、福島の3県で6月3日まで公演があるとのことです。

岩手の避難所で野外バレエ公演 住民や高校生らが喝采(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011051301000704.html

毎日新聞のサイトには、もう少し写真が掲載された記事が載っていました。
東日本大震災:避難所でバレエ公演 岩手出身のバレリーナ
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/05/14/20110514k0000e040028000c.html

**********
一方、5月14日にびわ湖ホールで行われる有馬龍子バレエ団の公演「コッペリア」に出演する京都バレエ専門学校の生徒の中には、家族を亡くされた方もいるとのことです。当初、パリ・オペラ座のクレールマリ・オスタとカール・パケットが出演する予定だったものの、キャンセルとなり、トゥールーズ・キャピトル・バレエ団エトワールのマリア・グティエレス(スワニルダ役)とカズベク・アクメディアロフ(フランツ役)が代わりに出演することになった公演ですね。

天国へ贈る誓いのバレエ 14日大津で公演(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110512000067

2011/05/12

NDTとオランダ国立バレエの大幅な予算削減と署名運動 Drastic Budget cuts in Holland and Petitions to Save NDT/Dutch National Ballet

ちょうどヨーロッパに滞在中に、オランダ政府の文化審議会が文化担当大臣に、ネーデルランド・ダンス・シアター (NDT) への助成金を40~50%削減し、さらにデン・ハーグ地域における "地域的団体(regional company)" のカテゴリーに格下げするという案を提出しているというニュースがダンス界を揺るがしていました。

すっかりご紹介が遅れてしまいましたが、オンラインで、オランダ文化担当大臣宛にこの案に反対しNDTを支持するという署名ができますので、ご紹介します。名前とメールアドレスを入力するだけの簡単なものです。

Keep Nederlands Dans Theater alive!
http://www.ipetitions.com/petition/keepndtalive/

この件に関するNDTのプレスリリースはこちら。
04-05-2011
Nederlands Dans Theater baffled by Council for Culture recommendation
http://www.ndt.nl/press/show/93

かつては彩の国さいたま芸術劇場とのコラボレーションで知られ、来日公演も多く行い、年間150公演を行うなど国際的に活動していた名門カンパニーNDT。イリ・キリアンをはじめ、ナチョ・ドゥアト、ハンス・ファン・マーネンなど名だたる振付家を生み出しています。そんなカンパニーが、海外公演を行うことができなくなってしまうばかりでなく、活動自体が危機に追いやられてしまうというのはダンス界にとって大きな損失ですよね。

現在オランダ国内でツアー中のNDTが上演中の 'Mémoires d'Oubliettes'(イリ・キリアン振付)


一方で、もう一つのオランダを代表するバレエ・カンパニーのオランダ国立バレエ。こちらも、26%の予算削減を同様に迫られています。

プレスリリース
The Dutch National Ballet shocked at Council for Culture’s recommendation
http://www.het-nationale-ballet.nl/index.php?m=news&sm=&lang=uk&show_news=19332&year=

現在80名のダンサーを擁するオランダ国立バレエは、現代作品のほか、数々の古典作品も上演していますが、26%の予算削減により、上演の品質を維持することもできず、ダンサーの給料も払えなくなり、「眠れる森の美女」「ジゼル」「白鳥の湖」などの古典全幕が上演できなくなる危機に瀕することになるとのことです。

オランダ国立バレエも、オンラインで予算削減反対の署名を募集しています。こちらも本当に署名は簡単にできます。
http://www.het-ballet.nl/steunverklaring/

4羽の白鳥が一羽減らされてしまった画像は、なかなか洒落が効いています。この予算削減により、20名もダンサーを減らさなければならなくなるかもしれないとのこと。

お正月にオランダ国立バレエの「眠れる森の美女」をアムステルダムで観たのですが、ピーター・ライトによるゴージャスなプロダクションで、ダンサーのレベルもとても高かったです。また、最近では、東京バレエ団の「ラ・バヤデール」にゲスト出演したマシュー・ゴールディングが強い印象を残しましたよね。

さらに、現在、オランダ国立バレエはロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でファン・マーネン作品の公演を行っており、こちらは大変チケットの売れ行きも良く好評とのことです。
http://www.sadlerswells.com/show/Dutch-National-Ballet-Hans-van-Manen

サドラーズ・ウェルズでのオランダ国立バレエのファン・マーネンプログラムのスライドショーがとても素敵です。マシュー・ゴールディングも写っていますね。
http://londonnewspictures.visualsociety.com/2011/05/13/hans-van-manen-master-of-dance/

オランダ国立バレエのオフィシャルYouTubeチャンネルはとっても充実していて、カンパニーがプロモーション活動にとても積極的な姿勢がうかがえるものです。
http://www.youtube.com/user/HetNationaleBallet

NDTやオランダ国立バレエが従来通り積極的に活動できるよう、応援できればと思います。

オランダ国立バレエ所属の奥村彩さんのブログでも、この署名運動が紹介されています。
http://ameblo.jp/ayatje/entry-10889080897.html

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5月11日のGoogleのロゴはマーサ・グラハム

今日(5月11日)のGoogleのロゴ(Doodle)は、モダン・ダンスの開拓者であったマーサ・グラハム(グレアム)のアニメーションだったのが大きな話題でしたね。2011年5月11日は、彼女の117歳の誕生日だったとのことです(1894年5月11日)。

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Googleロゴの動画はこちらで見ることができます。
Google - Martha Graham
by Ryan J Woodward
http://vimeo.com/23562061

このロゴのアニメーションを作ったRyan Woodwardのアニメーション作品で、やはりダンスの動きを取り入れた「Thought of You」が、とにかく素晴らしくて、何回も何回も見返してしまいました。音楽もとっても素敵です。

GIGAZINEの記事に詳しいまとめが書いてありますので、こちらもぜひ。
http://gigazine.net/news/20110511_martha_graham/

Guardian紙にも、このDoodleを機にマーサ・グラハムのことを取り上げた記事が載っています。
http://www.guardian.co.uk/technology/2011/may/11/martha-graham-google-doodle

私自身は、マーサ・グラハムの作品はABTが2003年の秋に上演した「Diversion of Angels(天使の戯れ)」の舞台を観たことがあるきりです。

マーサ・グラハム・ダンス・カンパニーのプリンシパル・ダンサー、折原美樹さんのブログはとても読み応えがあるので私も愛読しています。
Nptes From New York
http://lotuslotus.exblog.jp/

その折原さんが表紙を飾っているマーサ・グラハム・ダンス・カンパニーの書籍も発売されています。
Acts of Light: Martha Graham in the Twenty-first Century

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2011/05/11

5/1 ウィーン国立バレエ「ドン・キホーテ」Wiener Staatsballett "Don Quixote"(まだこれから)

Don Quixote
Ballett in einem Prolog und drei Akten nach Marius Petipa
振付 Rudolf Nurejew
リハーサル Manuel Legris
音楽 Ludwig Minkus, arrangiert von John Lanchbery
舞台・衣装 Nicholas Georgiadis
照明 Marc Anrochte
指揮 Ermanno Florio

http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/suche/suche_detailansicht.de.php?eventid=1208494&month=06&year=2012&mode=current

ドン・キホーテ Thomas Mayerhofer
サンチョ・パンサ Christoph Wenzel
ロレンツォ Franz Peter Karolyi
キトリ Qimin Wang
バジル Denys Cherevychko
ガマーシュ Gabor Oberregger
キトリの友人 Natalie Kusch, Franziska Wallner-Hollinek
街の踊り子 Nina Poláková
エスパーダ Andrey Teterin
年老いたジプシー男 Igor Milos
年老いたジプシー女 Gerit Schwenk
ジプシー Davide Dato
2人のジプシー女 Erika Kováková, Dagmar Kronberger
ドリアードの女王 Liudmila Konovalova
アモール Anna Shepelyeva
第一ヴァリエーション Kiyoka Hashimoto

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(感想は後ほど。とても楽しい公演でした)

2011/05/10

ジョゼ・マルティネスのパリ・オペラ座アデュー公演は7月15日

数日前に、ジョゼ・マルティネスのオフィシャルサイトにアップされていたのですが、公式発表がありました。

ジョゼ・マルティネスのオフィシャルサイト

http://www.josecarlosmartinez.com/actualites/nomination/

ジョゼ・マルティネスのパリ・オペラ座エトワールとしてのアデュー公演は、7月15日の「天井桟敷の人々」(ジョゼ・マルティネス振付)で、ジョゼはこの公演で初めてバティスト役を踊るとのことです。7月15日は「天井桟敷の人々」の千秋楽にあたります。

この公演がジョゼにとってのオペラ座最後の舞台となるわけではなく、来シーズンもオペラ座で2作品に出演するとのことです。

ダンソマニ日本版によれば、「シンデレラ」の継母役を踊ることはすでに決まっているとのことです。まだまだ踊れるジョゼですから、きっとオペラ座以外でもあの美しい踊りを見せてくれることでしょう。
http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?t=5198&sid=e861f0a54772440c57e10537d29e76b8

なお、既報の通り、ジョゼ・マルティネスは2011年9月よりスペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督に就任します。

2011/05/09

シュツットガルト・バレエいろいろ

金曜日に帰ってきて、時差ぼけが治らず、また写真の整理とか洗濯とかに忙殺されながらも新国立の「アラジン」を観に行ったり、中目黒でモツなべ食べたりしていたわけで、観てきた舞台の感想がなかなか書けずに申し訳ありません。

シュツットガルトのファッション・デパートBreuningerでは、シュツットガルト・バレエのダンサーをモデルにした看板とウィンドーディスプレーを展開していました。

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5月4日には、クランコ「Initialen R.B.M.E」.、ファンマーネン「Frank Bridge Variations」、ベジャール「Bolero」プロを観て来ました。2階センターボックス席1列目という特等席でじっくり観られて堪能しました~。ミックスプロといえども、大変な人気を呼んでいるこのプログラムは早々にチケットがソールドアウトで、6月1日の公演まですべて売り切れているというから凄いですが、実際本当に充実していて楽しかったです。

今後の予定(6月1日のミックスプロまでキャストが出ています)。
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

そのクランコ「Initialen R.B.M.E.」、ファンマーネン「Frank Bridge Variations」に出演したエヴァン・マッキーの踊りが目を瞠るばかりに美しく、この日のミックスプロでも一番印象的なダンサーだったと言えます。シュツットガルト・バレエ50周年記念ガラに来ていたマニュエル・ルグリにも彼の踊りは絶賛されたそうです。その50周年記念ガラで彼がアンナ・オサチェンコと踊った「ファンファーレLX」(今シーズン限りでダンサーを引退するダグラス・リーの振付作品)をモスクワ音楽劇場のガラで踊った時の動画を、エヴァンが自分のYouTubeチャンネルにアップしているので、ぜひご覧ください。かっこいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=s6fb4gVGLeE

5/12追記
なお、エヴァン・マッキーとアンナ・オサチェンコは、5月11日にドイツのテレビ番組Kaffee oder Tee?に出演。テレビ局のサイトで、二人のプロフィールと素敵な舞台写真を見ることができます。後日この番組は番組サイトにアップされる予定。

http://www.swr.de/kaffee-oder-tee/besserleben/-/id=2244156/nid=2244156/did=7855990/19p6x3e/index.html

ということで、番組動画もアップされています。「ロミオとジュリエット」の舞台映像も少し。
http://www.swr.de/kaffee-oder-tee/-/id=2728760/did=8028940/pv=video/nid=2728760/hmnci8/index.html

2011/05/08

続24 震災とパフォーミング・アーツ界の動き“Dance for the Land of the Rising Sun”

以前にも少しお知らせをしましたが、5月15日にドレスデンのStaatliche Kunstsammlungen(ドレスデン美術館)で開催される東日本大震災チャリティ・ガラの詳細がイリ・ブベニチェクのFacebookからの案内で来ました。

“Dance for the Land of the Rising Sun”

http://www.jiribubenicek.com/www.jiribubenicek.com/Dancing_for_the_Land_of_Rising_Sun.html

このイメージ画像のモデルは、ドレスデン・バレエの浅見紘子さんですね。

http://www.skd.museum/de/ueber-uns/presse/mitteilung/article//dance-for-the-land-of-the-rising-sun-internationale-ba/index.html

詳細はこちらのプレスリリースで(PDF)
http://www.skd.museum/fileadmin/SKD/Bilder/Pressemitteilungen/2011/Ballett-Benefizabend/Programm_Ballett-Benefizabend..pdf

Semperoper Ballett
Erste Solisten:
Yumiko Takeshima
Jiří Bubeníček
Raphaël Coumes-Marquet
Solistin:
Elena Vostrotina
Halbsolist:
Jón Vallejo
Coryphées:
Hiroko Asami
István Simon
Corps de Ballet:
Boris Richir
Chris Hoyte a.G.

Hamburg Ballett –John Neumeier
Erster Solist:
Alexandre Riabko

Leipziger Ballett Mario Schröder
Solisten:
Shota Inoue
Kiyonobu Negishi

Staatsballett Berlin
Erste Solisten:
Beatrice Knop
Dmitry Semionov

Stuttgarter Ballett
Erste Solisten:
Alicia Amatriain
Jason Reilly
Bridget Breiner
Alexander Zaitsev

Zürcher Ballett
Erste Solisten:
Arman Grigoryan
Vahe Martirosyan
Viktorina Kapitonava

Ungarisches Staatsballett
Demi-Solistin:
Lili Felméry

Sowie
Freischaffende Erste Solisten:
Katherina Markowskaja
Noah Gelber
Moderation
Stefan Ulrich

これによれば、出演は、イリ・ブベニチェクのほか、同じくドレスデン・バレエの竹島由美子さん、浅見紘子さん(浅見さんは自らの振付作品で出演)、エレナ・ヴォストロティナほかドレスデン・バレエから多くの出演者、シュツットガルト・バレエのブリジット・ブライナーとアレクサンドル・ザイツェフ、アリシア・アマトリアンとジェイソン・レイリー、ベルリン国立バレエのベアトリス・クノップとドミトリー・セミオノフ、ハンブルク・バレエのアレクサンドル・リアブコ、ライプツィヒ・バレエのShota Inoueさんと Kiyonobu Negishiさんほか、とても豪華な出演者となっています。中でも、トリを飾る作品としてイリ・ブベニチェク、アレクサンドル・リアブコとドレスデン・バレエのヨン・ヴァイェホが踊る「カノン」は素敵でしょうね。この美しい作品の初演は、実は2007年3月に札幌で行われたとあります。

*********
チャコットのDance Cubeには、ボリショイ・バレエのニコライ・ツィスカリーゼと、マリインスキー・バレエのイリヤ・クズネツォフから日本の人々へのメッセージがアップされていました。

http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/messages-bolshoi-maryinsky.html

2011/05/07

続23 震災とパフォーミング・アーツ界の動き

今朝無事にヨーロッパバレエの旅から帰ってきました。素晴らしいパフォーマンスの数々を堪能し、また天候にも恵まれて楽しい旅行でした。帰国早々、新国立劇場バレエ団の「アラジン」も観てきて、こちらも、少々ハプニングはあったもののとっても楽しい舞台鑑賞となりました。このような楽しい舞台こそ、今の世の中には必要なものなのではないかと改めて思った次第です。

さて、まだ帰国したばかりでキャッチアップできていないところもあるのですが、チャリティの動きはまだ続きますのでわかったものからお知らせしていきます。

以前お知らせした、5月15日にキエフ国立歌劇場にて開催される、キエフ国立バレエ団のソリスト、田北志のぶさん主宰により開催される、東日本大震災チャリティ公演“Cinobu Takita and the ballet stars”ですが、出演者が判明しました。こちらのサイトに掲載されていました。(ロシア語、スバルのウクライナ支社のブログ?)

http://blog.subaru.ua/2011/05/blog-post.html

これによると出演者は以下のようです。

Invited dancers:ゲストダンサー

Yukari Saito (Yukari Saito), prima ballerina of Ballet Tokyo, Japan 斎藤友佳理(東京バレエ団)
Marianne Ryzhkina, prima ballerina of the Bolshoi Theatre, Moscow, Russia マリアンナ・リジュキナ(ボリショイ・バレエ)
Dmitriĭ Belogolovtsev, Bolshoi theaters, Moscow, Russia ドミトリー・ベロゴロツェフ(ボリショイ・バレエ)
Maria Allash, prima ballerina of the Bolshoi Theatre, Moscow, Russia マリア・アラーシュ(ボリショイ・バレエ) 
Elena Evseev, the leading soloist of the Mariinsky Theater, St. Petersburg, Russia エレーナ・エフセーエワ(マリインスキー・バレエ)
Anton Korsakov, veduschiĭ soloist with the Mariinsky Theater, St. Peterburog, Russia アントン・コルサコフ(マリインスキー・バレエ)
Iana Salenko-Walter, a leading soloist Berlinskoĭ Opera, Germany ヤーナ・サレンコ(ベルリン国立バレエ)
Maridzhin Rademaker (Marijn Rademaker), premiere in Stuttgart, Germany マライン・ラドマーカー(シュツットガルト・バレエ)
Georgi Smilevski, Premier Musical Theatre Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Moscow ゲオルギー・スミレフスキ(モスクワ音楽劇場バレエ)
Maria Semenyachenko, the leading soloist of the Musical Theatre Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Moscow マリーヤ・セメニャチェンコ(モスクワ音楽劇場バレエ)
Ilgiz Galimullin, Premier Theatre of Classical Ballet Kasatkinoĭ and Vassileva, Moscow, Russia イルギス・ガリムーリン

Artists Natsionalnoĭ Opera of Ukraine:ウクライナ国立キエフ・バレエ

Shinobu Takita, a leading soloist 田北志のぶ
Sergeĭ Sidorskiĭ, premiere セルギイ・シドルスキー
Maxim Chepik, premiere マキシム・チェピク
Jan Vanya (Yan Vanya), soloist ヤン・ワーニャ

斎藤友佳理さんは、東京バレエ団のブログによれば、イルギス・ガリムーリンとアロンソ版「カルメン」を踊るとのことです。
http://thetokyoballet.com/news/index.php

また、4月29日に斎藤さんが参加した、モスクワ国立映画俳優劇場でのチャリティコンサートについては、msn産経ニュースに記事が掲載されています。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110430/erp11043009090003-n1.htm

********
パリのパレ・デ・コングレで5月31日に開催されるガラは、またちょっと出演者が変更となっています。
http://www.lesetoilespourlejapon.com/list/

前回加わったイーゴリ・ゼレンスキー、マリア・コチェトコワ、マライン・ラドマーカーに加え、ジェイソン・レイリーとエフゲーニャ・オブラスツォーワの名前も追加されています。

フランスのartemediaのニュースサイトには、出演者からのメッセージのフランス語版が掲載されています。
http://www.artemedia-agence-presse.com/2011/05/04/un-ballet-caritatif-exceptionnel-pour-aider-le-japon/

********
NBSのtwitterによれば、本日、バーミンガム・ロイヤル・バレエ来日公演の第一陣として、「真夏の夜の夢」で吉田都さんと共演するセザール・モラレスが無事来日したとのことです。

そのバーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督であるデヴィッド・ビントレーは、同じく芸術監督を務めている新国立劇場の「アラジン」の上演に立ち会うために来日中です。そのビントレー氏が、日本からの手紙と題して、バーミンガム・ロイヤル・バレエのツアーブログに文章を寄せています。

David’s letter from Japan
http://brbontour.wordpress.com/2011/05/05/davids-letter-from-japan/

それによれば、到着以来、小さな余震が3つあったものの、3月11日の悪夢を思い起こさせるような経験はなく、東京での日常生活はほぼ正常に戻ったことをビントレー氏は報告しています。品不足もなければ停電もなく、飲食店も繁盛しているし、野菜は普通に市場で売られており、何よりも人々の心が変化してきて今までの生活を取り戻しつつあると。唯一の日常生活への変化は節電への意識だけだったと語っています。

しかしながら、最大の変化は、東京行きの飛行機がいつもよりも小さな機材であり、満席ではなかったこと。震災が実際よりもひどいものであったと外国の方が受け止めていることの証となっており、だからこそ、われわれは日本経済を支えなければならないというメッセージで締めくくられています。

ビントレーというイギリス人が、日本の現状を自分の国に向けて発信して、日本経済を支えなければならないと表明してくださっているのは、本当にありがたいことです。

********
NBSのサイトには、バイエルン国立劇場オペラの来日公演で来日予定の、エディタ・グルヴェローヴァからのメッセージも掲載されています。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-330.html

2011/05/04

4/29 シュツットガルト・バレエ「椿姫」Lady of the Camelias/Die Kameliendame 

DIE KAMELIENDAME
Ballett in drei Akten von John Neumeier nach dem Roman von Alexandre Dumas d. J.

Choreographie John Neumeier
Musik Frédéric Chopin
Bühnenbild und Kostüme Jürgen Rose
Uraufführung 04. November 1978, Stuttgarter Ballett

Marguerite Gautier Sue Jin Kang
Armand Duval Marijn Rademaker
Manon Lescaut Alicia Amatriain
Des Grieux Filip Barankiewicz
Prudence Duvernoy Katja Wünsche
Gaston Rieux Jason Reilly
Olympia Anna Osadcenko
Monsieur Duval Rolando D'Alesio

YouTubeでスージン・カンとマライン・ラドマーカーが踊る「椿姫」の黒のパ・ド・ドゥの動画を観て以来、この二人の「椿姫」の全幕を観るのが夢だった。去年の4月には韓国でのスージン・カンのガラでこのペアによる黒のパ・ド・ドゥを観ることができたけれども、ますます「全幕を観たい」という飢餓感が募ることになったのだ。

ようやく念願かなって、ノイマイヤー振り付けのバレエ「椿姫」が生まれたシュツットガルト州立劇場で「椿姫」を観ることができた。そして、その感動は予想を超えたものであった。

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主役二人だけではない。劇中劇のマノン役にアリシア・アマトリアン、デ・グリュー役にはフィリップ・バランキエヴィッチ。ガストンにジェイソン・レイリー、プリューデンスにカーチャ・ヴュンシュ、オランピアにアンナ・オサチェンコと主要な役にはすべてプリンシパルを投入。さらに、マノンの信奉者の一人と2幕の群舞として新プリンシパルのアレクサンダー・ジョーンズ、舞踏会のコール・ドにもう一人の新プリンシパルであるヒョ・ジュン・カンも出演していて、舞台上には総勢9人のプリンシパルが出演しているというから凄い。こんな豪華なキャストは二度とないのではないかと思うほど。バレエ団がこの「椿姫」の再演にかける並々ならぬ意気込みが感じられた。


スージン・カンは、裏社交界の花形に相応しい、咲き誇る薔薇のような華やかさと強さ、凛とした気品を漂わせている。その一方で華奢な肉体と繊細で柳のようにしなやかな動きで、病でやがて斃れようとしているマルグリットの寄る辺ないか弱さも体現していた。こんなに初々しくイノセントな男の子が、私のことなんか愛していいの?って戸惑いながらも恋にからめとられていく意外な純情さ。愛に生きる女としての矜持と誇り高さ。マノンの幻影に惑わされ、高級娼婦といえども金で愛を買われるわが身を憐れむ哀しい様子。マルグリットという女性の心の襞、揺らぎを、体の隅々まで使って肌理細やかに、鮮やかに表現したスージンの儚くも輝ける美しさは、たとえようがないほど。

そんな輝くばかりの大輪の花を咲かせていた彼女も、アルマンに深く傷つけられ病み衰え、ついには一人寂しく死んでいく。やつれた姿を濃い化粧で飾り立て、よろよろと最後の「マノン」の舞台観劇へと出かけていく姿の悲しさ、そしてそこでアルマンによく似た金髪の青年の姿を見つけて思わず駆け寄ってしまうさまのやるせなさ。マノンとデ・グリューの恋物語の終わりに自らを重ね合わせようとするも、重ねた手を振り解かれ、一人置き去りにされたマルグリットには、もはや昔日の華やかな姿の面影もなく、誰にも看取られることなく、あまりにも寂しい最期を迎えようとしていた。でも、アルマンが彼女の書き残した日記を閉じるとタイミングを同じくするように、まるで椿の花が落ちるときのように、ドラマティックに命を閉じたマルグリット。その死に様は、彼女は鮮やかに人生をまっとうしたのだと感じさせていた。スージンの凄まじいまでの演技力、それも顔の表情ではなく手や脚、首の角度の微妙な動きで心情を綴ることのできる類まれなる能力が、マルグリットの人生を物語の登場人物としてではなく実際に呼吸して愛して傷ついて血を流す一人の女性として描ききることをなし得たのだと思う。

そのスージンが育て上げ磨き上げた芸術品が、マライン・ラドマーカーが演じるアルマンである。痛々しいまでの若さ。初心で、まっすぐで、融通が利かなくて、おこりんぼで。輝く金髪い眩しい美しい青年。向こう見ずで、未熟で、ひとつのことに夢中になると周りが見えなくなってしまうアルマンに、マラインは外見もキャラクター造形も、これ以上似合う人はいないのではないかと思うほど。1幕の青のパ・ド・ドゥでは、アルマンは一目惚れしたマルグリットへの熱い熱い気持ちを臆面もなくぶつける。ふたりのやりとりはまるで言葉を交わしているかのようで、気持ちが高まりあっていく様子が手に取るように見えてくる。恋というものを、もう一度してみてもいいかもしれないわ、って大人の余裕でかわそうとしていたマルグリットが、徐々に本気になり始めている心の移り変わりもつぶさに感じ取れる。2幕の白のパ・ド・ドゥ、高くスムーズなリフトの連続の中で、穏やかな美しさに秘められた情熱と昂揚感を感じていると、このまま時がずっと止まっていればいいのに、と涙が出てくるほどの幸福感に包まれてしまった。

何より、マラインの踊りの技術の向上の目覚ましいことには目を瞠った。ここ3年ほど彼の踊りを観続けていて、彼が確実に進化しており、クラシックバレエにおいても磨きぬかれたテクニックの持ち主となっていることは確信していた。にもかかわらず、改めてアルマンという難役において彼が完璧な踊りを見せていたことに驚かされたのである。ノイマイヤーの振付は、パ・ド・ドゥではリフトを多用している一方で、ソロの部分では時にはクラシックバレエの範囲を逸脱するような、バランスを崩したりアクセントをつけることによってあふれ出るような強烈な感情を表現しているが、マラインのパフォーマンスはノイマイヤー振付のその部分をまさに体現していた。オランダ国立バレエの「眠れる森の美女」では滑らかで柔らかく優雅だったマラインが、アルマン役ではくっきりとした輪郭、切れ味のシャープな踊り、アルマンのひたむきで、時には過剰なまでの熱情を体現するかのように猛スピードの疾走感で舞台の中を駆け抜けていった。数年前に彼がスージンと「椿姫」を踊ったときの映像がYouTubeにアップされているが、その時とは同じ人とは思えないくらいに技術は磨かれ、そして挟み込まれる超絶技巧がアルマンの激情、抑え切れない気持ちを臆面もなく剛速球で伝えてくる。特に2幕最後に、マルグリットからの別れの手紙を読んだ後のソロは凄まじく、アルマンの慟哭と怒りが、鋭い軌跡を描く跳躍や回転、そして疾走で胸に痛く伝わってきた

進化するふたりの姿は、3幕の黒のパ・ド・ドゥで結実していた。数年前の映像と違って、マラインはサポートもずっとスムーズになり、表現は陰影を増していた。その前のシーンで、オランピアを抱くときの彼は今まで観たすべてのアルマン役の中でもっとも激しくて暴力的なほどの荒々しさだった。それだけに、オランピアが去った後の彼は、激しい自己嫌悪感に苛まれて苦しんでいるのが伝わってきた。

傷ついた心と怒りををぐっと抑えるように顔をうつむき気味に沈んで舞台の上手に佇んでいるアルマンの元を訪ねる黒衣のマルグリット。すでに衰弱していて立っているのがやっとの彼女が、もうこれ以上私のことを苦しめないでと訴えに来る。スージンはか細い肢体で、わずかに残った力を振り絞るかのように訴えかけるとそのまま後ろへと倒れそうになる。そこへ、マラインが彼特有の猛ダッシュで彼女を掬い上げるようにサポートし、そして二人はシンクロするように踊り身体を激しくぶつけ合い最後の情熱を燃やし尽くす。怒りと悲しみ、苦悩と愛、さまざまな感情が抑えられない熱情に押し切られていまひとたびの閃光を放っているが、その光は暗闇の中の一瞬の光芒である。死の香りを放ちつつアルマンへの想いを抑えられないマルグリットと、若さがと生命感がみなぎりほの暗い甘さを漂わせながらも力強いアルマンがぶつかり合って生み出される翳りの濃さが、このパ・ド・ドゥの真髄だろう。息遣いが聞こえる。黒のパ・ド・ドゥの終わりの方で、生命の灯の最後の焔を燃やすように、残像を残しながら腕をゆらめく儚い炎のように大きくはためかせるスージン。もう傷つけないよと手を差し出すアルマンの手を取って頬をそっと寄せると、最後の熱い抱擁へと倒れこむ。ふたりの想いは、最後のこの一瞬だけ交錯し、そしてすれ違っていき、最後にマルグリットの日記をアルマンが閉じたときに今一度ひとつになる。だけど、そのときには、もうマルグリットはこの世にはいない。二人の想いがひとつになった瞬間の光芒の陰影を帯びた眩しさをこの上なく美しく輝かせることができたスージンとマラインのパートナーシップには、本物の芸術だけが持つかけがえのなさ、胸を締め付け息をするのも忘れてしまうほどのこの上ない儚い美しさがあった。

あんなに激しく愛し合い、つかの間心が一つになった二人は、その余韻も冷めぬうちに別の道へとわかれてしまうことになり、死ぬまでめぐり合うことはなかった。ぐでんぐでんに酔ってマルグリットに今までの代償だとばかりに札束の入った封筒を押し付けるアルマンの目は虚ろで、自分の感情を押し殺しながら封筒を取れ、と彼女に強く迫っていた。そして自分の愚かな行為を悔やみながら、素早く走り去る。このシーンについては、ハンブルク・バレエの来日公演で観たアレクサンドル・リアブコの、自己憐憫をこめながらヒステリックな笑みを浮かべ去っていく姿があまりにも強烈だったのだが、そこまでの細かい表現はしなくてストレートにすごい速さで去っていくマラインはまったく違う、彼らしい若くて未熟なアルマンなのだと改めて思ったのだった。

だがやはり、「椿姫」はアルマンの物語ではなく、マルグリットの物語である。彼女が斃れた時とシンクロするように彼女の遺した日記をアルマンが閉じたときに幕が下りる。アルマンは物語の語り手であるに過ぎず、アルマンの目を通したマルグリットの人生こそがこの作品の主題であったのだと改めて感じた。スージンはそれほどまでに鮮やかにマルグリットを生き切ったのだ。


主役ふたりのことで、こんなにも延々と語ってしまったが、最初に書いた通り、この日のキャストはプリンシパルが9人も出演したという豪華なもの。他の日にはマルグリット役を踊っているアリシア・アマトリアンが劇中劇そしてマルグリットを惑わす存在であるマノン役を演じた。
(つづく)

2011/05/03

続・22 震災とパフォーミング・アーツ界の動き

現在ウィーンにいます。明日シュツットガルトに戻る予定です。海外にいるので情報をなかなか収集できないため、キャッチアップできていないのですが、判った情報から。

以前にもお知らせした、パリのパレ・デ・コングレで5月31日に開催される東日本大震災チャリティガラ"Les Etoiles pour le Japon"ですが、出演メンバーが変更されています。最新の出演者は以下のとおりです。

http://www.lesetoilespourlejapon.com/list/

Carlos Acosta (principal, Royal Ballet Londres)
Michael Banzhaf (Primier danceur, StaatsOper Ballet de Berlin)
Ashley Bouder (principale, New York City Ballet)
Jiri Bubenicek (principal, Semperoper Ballet de Dresden)
Otto Bubenicek (principal, Ballet de Hamburg)
Elisa Carrillo Cabrera (premier danceur, StaatsOper Ballet de Berlin)
Isabelle Ciaravola. (Etoile, Opéra National de Paris) **
Marlon Dino. (principal, StaatsOper Ballet de Munich)
Olga Esina (principale, StaatsOper Ballet de Vienna)
Julien Favreau. (principal, Bejart Ballet Lausanne)
Mathieu Ganio. (Etoile, Opéra National de Paris) **
Dimitri Gruzdev. (principal, English National Ballet)
Mikhail Kaninskin (principal, StaatsOper Ballet de Berlin)
Igor Kolb (principal, Ballet du Theatre de Mariinsky)
Maria Kochetkova (principale, San Francisco Ballet)
Elena Kuzmina (principale, Eifman Ballet de St.Petersburg)
Lucia Lacarra. (principale, StaatsOper Ballet de Munich)
Roman Lazik (principal, StaatsOper Ballet de Vienna)
Andrey Merkuriev ( premier danceur, Ballet du Theatre Bolshoi)
Shoko Nakamura. (principal, StaatsOper Ballet de Berlin)
Fernanda Oliveira (principal, English National Ballet)
Sergei Polunin (principal, Royal Ballet Londres)
Marijn Rademaker (Principal, Ballet du Stuttgart)
Kateryna Shalkina. (principal, Bejart Ballet Lausanne)
Friedemann Vogel (principal, Ballet du Stuttgart)
Igor Zelensky (Principal, Ballet du Theatre de Mariinsky)

そして、出演者のうちの数人(ミハエル・バンツァフ、シンシア・ハーヴェイ、フリーデマン・フォーゲル、ディミトリー・グルーゼフ、イーゴリ・コールプ、イリ・ブベニチェク、カテリーナ・シャルキナ&ジュリアン・ファヴロー、ルシア・ラカッラ、マライン・ラドマーカー、オットー・ブベニチェク、中村祥子)から、日本の皆さんへのメッセージがアップされています。

http://www.lesetoilespourlejapon.com/message/

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asahi.comに、熊川哲也さんと新国立劇場バレエ団芸術監督のデヴィッド・ビントレーのインタビュー記事が掲載されていました。

バレエの魔法で心解かす 熊川哲也「人々結ぶ古典の力を」
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201105020254.html

特に熊川さんのコメントには、思わず頷く部分がたくさんありました。

震災後、劇場が互いの顔色を見合うように公演の中止を決めていたことに、違和感を感じていたという。

 「自粛って言うけど、結局、バッシングに遭いたくないだけなのでは。今、自分に何ができるのか、本当にみんな誠実に考えているのか」

 自分にも迷いがあった。「今の僕には祈ることしかできない。踊るのはまだ早いのでは」。しかし「傷ついた人々にほんの数時間でも魔法をかけてあげたい」と上演を決めた。


なお、現在上演中の新国立劇場バレエ団の「アラジン」ですが、このたびDVD化が決定したと、大和雅美さんを応援しよう!masamiFCブログで教えていただきました。これは嬉しいですね!今回の公演を収録し、世界文化社から出ている『バレエ名作物語 新国立劇場バレエ団オフィシャルDVD BOOKS』の第5弾として、2011年10月下旬に発売予定とのことです。

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ダンスマガジンの最新号にも、ダンサーたちから日本の人々への多くのメッセージが特集として掲載されています。それぞれのメッセージには心がこもっており、とても素敵なのですが、日本にいる私たちとしては、ぜひ日本に来て舞台を見せてくれることでみんなの心を癒していただければ嬉しいって思います。

2011/05/01

4/28 ミュンヘン・バレエ「幻想 白鳥の湖のように」 Bayerisches Staatsballett Munich "Illusions Like Swan Lake"

Illusionnen -wie Schwanesee
Musik Peter I. Tschaikowsky
Choreographie und Inszenierung : John Neumeier
Bühne und Kostüme : Jürgen Rose
Musikalische Leitung : Michael Schmidtsdorff

http://www.bayerische.staatsoper.de/922-ZG9tPWRvbTImaWQ9MjI1NSZsPWRlJnRlcm1pbj05MDUx-~spielplan~ballett~veranstaltungen~vorstellung.html

Der König Marlon Dino
Der Mann im Schatten/Rotbart Oliview Vercoutere
Natalia Prinzessin Lucia Lacarra
Prinz Léopold/Siegfried Cyril Pierre
Graf Alexander Lukáš Šlavický
Claire Prinzessin Ilana Werner
Die Königinmutter Séverine Ferrolier
Odette Daria Sukhorukova

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NHKでの放映から気になって仕方なく、DVDを買って何回も観てすっかり魅せられていた「幻想 白鳥の湖のように」(ジョン・ノイマイヤー振付)。本家ハンブルク・バレエでの上演ではないのは惜しいけど、ちょうどいいタイミングでミュンヘン・バレエが上演するというので観に行くことにした。当日昼にレジデンスというバイエルン王家の居城を観光しており、バイエルン王ルートヴィヒ2世の物語を元にした作品を、バイエルン州立歌劇場で観るというのも特別の感慨があった。この作品が、ミュンヘン・バレエのレパートリー入りしたのが今シーズンで、4月21日が初演だったとのこと。

(初演のレビューがダンソマニに掲載されている。フランス語だが、ゲネプロの写真も掲載されているので参考になるかと思う。
http://www.forum-dansomanie.net/pagesdanso/critiques/cr0155_illusionen_schwanensee_muenchen_21_04_2011.html

キャストが当日まで発表されていなかったのだが、当日来て見ると、ナタリア王女役はルシア・ラカッラ。ラカッラと昨年結婚したマーロン・ディノが王役。マーロン・ディノはこの日が初役だったとのことである。ジークフリート/レオポルド王子にシリル・ピエール、オデットにダリア・スホルコワとミュンヘン・バレエのトップをそろえたキャスティングであった。

ノイマイヤーの魔法のような演出が冴え渡るこの作品。王が幽閉されている城の一室から、城の建設現場への場面転換の妙、ロットバルトや仮面の道化師が「影の男」の正体を現すときの、場面が凍りつくような衝撃。何よりも、早変わりでナタリア王女が黒鳥に変身して登場するときのドラマティックなインパクト。3幕を仮面舞踏会に置き換えるという解釈の妙。35年前の若きノイマイヤーの才気がほとばしっている様は、今なおも新鮮であるし、映像でなく実際にこの目で観ることができたことに興奮した。まずは、ノイシュヴァンシュタインの装飾からインスパイアされた青に白鳥のモチーフがちりばめられた緞帳を観るだけでも、もうテンションがあがりっぱなし。

ノイマイヤーの演出は、改めて舞台で観ると、オリジナルのプティパ/イワーノフ版をリスペクトしつつも大胆に曲順を変更しているところもあり、長所も短所もあることは感じられた。アレクサンダーとクレア王女のパ・ド・ドゥにチャイコフスキー・パ・ド・ドゥの曲を丸ごと使っているのは、二人の理想化されたカップルぶりを強調するのには良いのだけど、通常パ・ド・トロワで使われている曲もそのまま使用しているので1幕が必要以上に冗長に感じられる部分があった。反面、3幕のディベルティスマンでは、ルースカヤをやはりアレクサンダーとクレアに踊らせたり、チャルダッシュを女王とレオポルド王子の意味深な踊りにしたりと工夫を凝らしているので、長さを感じさせないし、仮面舞踏会の妖しさも加わってスリリングに仕上がっている。

狂王ルートヴィヒ2世をモデルにした王役を演じるのは、マーロン・ディノ。長身で顔が小さく脚が長くてハンサム。プロポーション、容姿には実に恵まれている。この役を演じるのは初めてということだが、屈折した心の持ち主で婚約者ナタリア王女に愛情を持てず、自身が生み出した幻影である影の男に操られ、正気を失っていく様子を、決して大げさにはならず説得力を持って演じていたように感じられた。友人アレクサンダーに抱くひそかな愛と、彼の妻クレア姫への嫉妬も、あからさまではなく深層心理の中に存在しているかのように示唆しているところがうまい。現実の女性には興味を持てない王が、城の模型へ示す偏愛ぶりも遺憾なく表現していて、美しい王の姿の中に隠された狂気を漂わせる様子は陰影に富んでいた。

(余談だが、行きの飛行機の中で映画「ブラック・スワン」を観たのだけど、「ブラック・スワン」のヒロイン、ニーナとライバルであるリリーの関係は王と影の男との関係にそっくりである。「ブラック・スワン」自体は、バレエファンから見ればあまりにも現実のバレエ界とずれているステロタイプと男性視線による偏見に満ち満ちていて、頭を抱えそうになった酷い映画だった。某国内バレエ団が宣伝に協力しているようだが、映画の中身を観て協力することに決めたのかと問い詰めたい)

ただし、マーロン・ディノはその素晴らしい容姿にもかかわらず、クラシック・バレエのテクニックは甚だ心許ない。ピルエットの軸がずれる、着地が不安定、長い手足を十分コントロールしきれていないようだった。この作品はテクニックよりも演技力が重視される作品だから、それでいいとは思うのだが、今後の精進を期待したいところである。

一方、ナタリア王女役のルシア・ラカッラは、踊り、演技とも圧倒的であった。登場したときのナタリア姫はイノセントで愛らしい姫君で、まるで「オネーギン」のタチヤーナのように、美しい王に憧れの気持ちを持つ少女のようである。しかしながら、彼の心が自分に向いていないことを感じた彼女は、王が自分ひとりのために「白鳥の湖」を上演し、王子役に成り代わって舞台の中に入り込んでオデットに愛を誓う、その姿を覗き見てしまう。ナタリア王女は、3幕の仮面舞踏会では仮装のドレスを脱ぎ捨てて黒鳥の扮装に変身し、王を誘惑するのだが、単に妖艶なオディールであるだけでなく、オデットにうりふたつであるところ、そしてなんとかして王の愛を得たいための切ない憐れさをも感じさせていて、その様子に思わず涙がこぼれてしまうほど。白鳥のラインの出した方が彼女は本当に美しくて、あの長く惚れ惚れするようなラインからは白鳥の翼が見えてくるのだ。王がオディールの正体に気づき彼女を突き飛ばして拒絶した後、廃位されて彼は城に幽閉される。幽閉された彼の元を訪ねるナタリア姫、その演技も哀しくて、彼女をここまで変え、追い詰めた王の罪深さを改めて感じ入ったのであった。ルシア・ラカッラは、超絶的に美しいラインの持ち主であるだけでなく、女優バレリーナとしても素晴らしい演技者であることを思い知らされた。

影の男を演じたのは、ドゥミ・ソリストのOliview Vercoutereは、マーロン・ディノとつりあうほどの長身とプロポーションの持ち主だが、この役にはもう少し悪魔的な要素と存在感が強くあってほしいと思ったのであった。王の親友アレクサンダー王子役のルカス・スラヴィツキーは、去年の「ローザンヌ・ガラ」の時にはムチムチのアリを踊っていたのだが、この役では踊りのテクニックも冴え渡っており、王があこがれながらも決して手に入れられない幸福の象徴として印象的であった。そしてアレクサンダーの妻クレア姫役の Ilana Wernerは愛らしく、軽やかで魅力的な姫だった。

オデット役のダリア・スホルコワは甲がよく出た美しい脚の持ち主だが、マリインスキー出身にしては腕の動きが少々硬いのが気になった。この作品での劇中劇の「白鳥の湖」は、かなりカリカチュアしている部分があるので、あれでいいのだろうか。腕以外のテクニックについては問題なく美しかったのだが・・・。ジークフリート王子、そして王に取って代わって王位を継いだレオポルド王子のシリル・ピエールはさすがの安定感。女王への色目の使い方なども怪しく、大きくない役なのに手を抜かずにきっちりと演技しているのがわかった。

白鳥のコール・ドは、ぴったりと揃っているわけではないが、まずまずの美しさをキープしていて、王の心の中に潜む狂気の象徴ともいえる禍々しさがあった。ユルゲン・ローゼのデザインによるデコラティブな白鳥の衣装には、やはりカリカチュアライズの要素があるのだと思うけれども、暗闇に浮かぶ白鳥の純白の洪水がもたらす不吉さも感じさせていて、衣装というものの持つ力を感じさせたのであった。4羽の小さな白鳥の中には、河野舞衣さんもいて、4羽の中では一番きっちりと踊っていて甲も綺麗に出ていて良かったと思う。

ノイマイヤーの「幻想 白鳥の湖のように」の演出と転換の面白さ、ユルゲン・ローゼの美しい舞台装置と衣装、そして何よりもルシア・ラカッラの素晴らしい演技と踊りを堪能して、わくわくできる上演だった。ただ、願うことならやはりハンブルク・バレエで、アレクサンドル・リアブコが王を演じる舞台で再見することができればと思ったのである。

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