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2011年4月

2011/04/30

シュツットガルト・バレエ「ボレロ」メロディ役にジェイソン・レイリー、ほか

ゴールデンウィークの休暇を利用して、現在バレエ旅行中です。昨日の朝にミュンヘンに到着して、ミュンヘン・バレエで「幻想 白鳥の湖のように」を観て、今日はシュツットガルトに移動して「椿姫」を観て来ました。この後、ウィーンに移動してウィーン国立バレエの「ドン・キホーテ」を観て、またシュツットガルトに戻りシュツットガルト・バレエでクランコ、ファン・マーネン、ベジャールプロを観ます。短い日数で移動が多くてあわただしく、なかなかゆっくり感想を書く時間がないのですが、昨日の「幻想 白鳥の湖のように」(王役はマーロン・ディノ、ナタリア王女役にルシア・ラカッラ)
、今日の「椿姫」(マルグリット役はスージン・カン、アルマンはマライン・ラドマーカー、マノン役にアリシア・アマトリアン、デ・グリューにフィリップ・バランキエヴィッチ、ガストンにジェイソン・レイリー)とも素晴らしかったですが、特に「椿姫」は最高でした。家人と来ており、バレエ素人の彼には「幻想 白鳥の湖のように」はちょっと難解だったようなのですが、「椿姫」はとても気に入っていたようです。また時間があるときに感想は書きますね。


さて、5月4日のクランコ、ファン・マーネン、ベジャールのキャストを確認しようとシュツットガルト・バレエのオフィシャルサイトを見たら、5月19日の同公演のキャストも出ていました。ジェイソン・レイリーが「ボレロ」のメロディ役デビューをします。彼のメロディはきっととてもかっこよくて素敵だろうな・・・観たかった。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

19|MAI
CRANKO / VAN MANEN / BÉJART
Initialen R.B.M.E.
Besetzung:
I. Satz R.
Arman Zazyan *

II. Satz B.
Katja Wünsche

II. Satz M.
Alicia Amatriain

IV. Satz E.
William Moore

Frank Bridge Variations
Besetzung:
Laura O'Malley, Marijn Rademaker
Bridget Breiner, Evan McKie

Bolero
Besetzung:
Jason Reilly *

* Rollendebüt


先日、「ロミオとジュリエット」でアレクサンダー・ジョーンズとヒョ・ジュン・カンという二人の新プリンシパルが誕生しましたが、来る人がいれば行く人もあり。劇場で配布されているStaatstheater Stuttgart JOURNALで、現在プリンシパルであり、最近は振付家としての活動が中心になっていたブリジット・ブライナーとダグラス・リーが今シーズン末でダンサーを引退し、振付家に転向すると書いてありました。このJOURNALはドイツ語で、私はドイツ語がほとんどわからないので辞書を引きながらなんとか解読した内容ですが、7月3日の公演が彼らのフェアウェル公演となるようです。このことは、まだオフィシャルサイトには出ていません。

ダグラス・リーは長身でとてもハンサム、まだ30代前半と若いのですが、99年から振付家として活動しており、最近は振付家としての活躍が目覚しく、シュツットガルト・バレエのほか、NYCBをはじめ、ロイヤル・バレエ・オブ・フランダース、ノルウェイ国立バレエなどに振り付けを行っています。舞台では、私は去年「ロミオとジュリエット」のティボルト役で観ることができました。また、「椿姫」ではアルマンの父役で出演しています。

ブリジット・ブライナーは「椿姫」のマルグリットや「オネーギン」のタチヤーナをはじめ、ノイマイヤーの「欲望という名の電車」のブランチ・デュボワやビントレーの「エドワード2世」の女王役などドラマチック・バレエを得意としていましたが、最近はほとんど舞台には出演せず、ゲスト・コレオグラファーとして活動していました。

振付家としての転進は喜ばしいことですが、世代交代の波が来ているんだな、とちょっと寂しく思いました。彼らの今後の活躍を楽しみにしています。

2011/04/28

ABTオープニングガラとクロージングガラの演目

ジャパンアーツのブログに発表されました。


【オープニング・ガラ】 7月21日(木)18:30 東京文化会館
《アレグロ・ブリランテ》 <振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.チャイコフスキー>
パロマ・ヘレーラ & コリー・スターンズ

《トロイカ》 <振付:ベンジャミン・ミルピエ 音楽:J.S. バッハ>
サッシャ・ラデツキー、ダニール・シムキン & トーマス・フォスター

《「くるみ割り人形」のパ・ド・ドゥ》 <振付:ラトマンスキー 音楽:P.チャイコフスキー>
ヴェロニカ・パールト &アレクサンドル・ハムーディ

《ディアナとアクテオン》 <振付:アグリッピーナ・ワガーノワ 音楽:チェーザレ・プーニ>
シオマラ・レイエス & ホセ・カレーニョ

《グラン・パ・クラシック》 <振付:ヴィクトール・グゾフスキー 音楽:ダニエル・フランソワ・オーベール>
ミシェル・ワイルズ & コリー・スターンズ

《コート》 <振付:デイヴィッド・パーソンズ 音楽:ロバート・フリップ>
アンヘル・コレーラ

《「椿姫」第3幕(黒)のパ・ド・ドゥ》 <振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:F.ショパン>
ジュリー・ケント & マルセロ・ゴメス

ジリアン・マーフィー 、デイヴィッド・ホールバーグ他、ABT総出演による
《クリストファー・ウィールドンの新作》<振付:クリストファー・ウィールドン 音楽:ダニエル・シュナイダー >

【クロージング・ガラ】 7月29日(金)18:30 東京文化会館
《アレグロ・ブリランテ》 <振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.チャイコフスキー>
シオマラ・レイエス & ダニール・シムキン

《グラン・パ・クラシック》 <振付:ヴィクトール・グゾフスキー 音楽:ダニエル・フランソワ・オーベール>
ミシェル・エワイルズ & コリー・スターンズ

《チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ》 <振付:ジョージ・バランシン 音楽:P.チャイコフスキー>
パロマ・ヘレーラ & アンヘル・コレーラ

《「椿姫」 第2幕(白)のパ・ド・ドゥ》 <振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:F.ショパン>
ジュリー・ケント & マルセロ・ゴメス

《トロイカ》 <振付:ベンジャミン・ミルピエ 音楽:J.S. バッハ>
ブレイン・ホーヴェン、ジャレット・マシューズ & トーマス・フォスター

《「白鳥の湖」 第2幕のパ・ド・ドゥ》 <振付:K.マッケンジー 音楽:P.チャイコフスキー>
ヴェロニカ・パールト &アレクサンドル・ハムーディ

《コート》 <振付:デイヴィッド・パーソンズ 音楽:ロバート・フリップ>
エルマン・コルネホ

ABT総出演による
《Company B》 <振付:ポール・テイラー  歌:The Andrews Sisters >

2011/04/27

サンフランシスコ・バレエ「人魚姫」映像収録日のキャスト San Francisco Ballet Announces Casting for The Little Mermaid 2011

サンフランシスコ・バレエがジョン・ノイマイヤー振付の「人魚姫」をDVD/Blu-ray化するというニュースは既報の通りですが、30日に初日を迎える同作品、ようやくキャストが発表されました。

http://www.sfballet.org/performancestickets/casting.asp

映像が収録される5月3日、5日のキャストは以下の予定です。

Tuesday, May 3, 2011, 8pm & Thursday, May 5, 2011, 8pm (The Filming)

The Mermaid: Yuan Yuan Tan
Edvard/The Prince: Tiit Helimets
Henriette/The Princess: Sarah Van Patten
The Poet: Lloyd Riggins**
The Sea Witch: Davit Karapetyan

人魚姫役にヤンヤン・タン、詩人役にはハンブルク・バレエからゲスト出演のロイド・リギンスがキャスティングされていて、とても楽しみです。プリンセス役のサラ・ヴァン・パッテンはカンパニー初演の際には、プリンセスと人魚姫役の両方を演じているのですよね。

2011/04/26

続21・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

ついに第22弾となったこのシリーズですが、まだまだチャリティの動きはあります。

PLAY FOR JAPANサイトに掲載されていた情報ですが、スウェーデンのヨーテボリ・バレエ(The Gothenburg Ballet、以前金森穣さんが所属していました)のダンサー4人が中心となってスウェーデンにてチャリティー公演を企画・運営・開催することになりました。

http://www.playforjapan.com/2011/04/25/fran-goteborg-till-japan-play-for-japan-links-to-sweden/

4月27日(水)19:30〜 会場:ヨーテボリコンサートハウスーStenhammarsalen チケット:280SEK(25SEK チケットサービス料込)

*チケット販売*
ヨーテボリコンサートハウス内チケット窓口
電話:+46 (0)31 72 65 310
オンライン販売:www.gso.se

*参加アーティスト*
木田真理子(ヨーテボリバレエ)
児玉北斗(ヨーテボリバレエ)
松本響子(ヨーテボリバレエ)
高橋聡子(ヨーテボリバレエ)
松本壮一(Quadroptica/ビデオデザイナー・アーティスト)
森泰人(ジャズベーシスト)
Naoko Sakata Trioー坂田尚子(ピアニスト)
The Coloursー市尾優作(ギタリスト)
Sumie Nagano(ボーカル) with band
Little DragonーYukimi Nagano(ボーカル)
Magnus Rosén(ベースギターリスト)

劇場ロビーでは、野村員代(テキスタイルデザイナー)、長野裕介(グラフィックアーティスト)がアート作品の展示と日本への募金集めのためにいくつかの作品をスペシャル価格で販売する予定です。

今回集められる義援金は、「世界の医療団」によって岩手県大槌町の被害者への長期的医療支援に充てられるとのことです。

*********
シュツットガルト・バレエのサイトでは、同バレエ団所属のダンサーが出演するチャリティ公演のお知らせが載っていました。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/english/start.htm

4月27日には、シュツットガルト・バレエのコール・ド・バレエ所属のAmi Moritaさんが、Theaterhaus Stuttgartで開催されるチャリティ公演に出演されます。
Benefizgala zugunsten der in Japan unter der Jahrhunderkatastrophe leidenden Menschen
http://www.balldernationen-stuttgart.de/

ニュース記事
http://www.stuttgarter-wochenblatt.de/stw/page/detail.php/2874443

他の出演者がとても豪華です。アリーナ・コジョカル(ロイヤル・バレエ)、ティアゴ・ボァディン(ハンブルク・バレエ)、イリ・ブベニチェク(ドレスデン・バレエ)、オットー・ブベニチェク(ハンブルク・バレエ)、ケネス・グラーヴェ(フィンランド国立バレエ芸術監督)、バルボラ・コホトウコヴァ(元ハンブルク・バレエ、現チェコ国立バレエ)、大石麻衣子(ライプツィヒ・バレエ)、ゼブネム・ギュルゼッカー(ベルリン国立バレエ)、イブライム・ウェーナル(ベルリン国立バレエ)ほか、NDT,フィンランド国立バレエのダンサーたちも出演します。また、元シュツットガルト・バレエ、ライプツィヒ・バレエで今は東京で指導者として活躍する木村規予香さんも出演するそうです。


既報の5月8日のベルリン国立バレエでの大型チャリティ・ガラBallet Helps Japanには、ジョン・クランコ・スクールのコンスタンティン・アレンと Gustavo Echevarriaが出演します。
http://www.staatsballett-berlin.de/de_DE/calendar/detail/9173318
http://www.admiralspalast.de/event.aspx?eventId=1582

5月15日には、アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー、ブリジット・ブライナー、アレクサンドル・ザイツェフがドレスデン、Staatliche Kunstsammlungenでのチャリティ公演に出演します。
http://www.skd.museum/de/besucherservice/index.html


また、5月31日のパリ、パレ・デ・コングレでのチャリティ公演にフリーデマン・フォーゲルが出演することは既報の通りです。
追記;さらに、マライン・ラドマーカーも、マリア・コチェトコワと出演することになりました。
http://www.lesetoilespourlejapon.com/
http://www.sf88.com/japon/list/
*******
いよいよ3週間後に迫ったバーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演。チャリティ公演となる追加公演を「ラ・バヤデール」の公演会場で申し込んでおいたら、今日確認はがきが来ていました。

震災のときにちょうどプロモーションで来日中だった佐久間奈緒さんと、ツァオ・チーのメッセージがNBSのサイトに掲載されています。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-327.html

*******
明日から5月5日までGW休暇で不在となりますので、しばらく更新をお休みする可能性があります。余力があったら、更新もあるかもしれません。

2011/04/25

4/17東京バレエ団 「ラ・バヤデール」 The Tokyo Ballet"La Bayadere"

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」


振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):小出領子
ソロル(戦士):イーゴリ・ゼレンスキー
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 木村和夫
ラジャ(国王):柄本武尊
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):松下裕次
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:森川茉央
ブロンズ像:宮本祐宜


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):西村真由美、乾友子
パ・ダクシオン:
佐伯知香、森志織、村上美香、河合眞里
高木綾、吉川留衣、矢島まい、川島麻実子
長瀬直義、宮本祐宜


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):乾友子


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


発売当初買っていたのはこちらの公演。当初出演予定のサラファーノフが怪我で降板(しかし4月20日のミハイロフスキー劇場の「ドン・キホーテ」には出演しているのよね)、代役にイーゴリ・ゼレンスキーという大物が登場した。ロシアは日本への渡航自粛勧告を出しているというのに、彼は急遽来て下さって本当に有難かった。しかも、予想を上回る素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたのだ。

前日の公演も良かったのだが、主役二人の演技の呼吸の合い方、ドラマの歌い上げ方はこの日が素晴らしく、ソロルとニキヤの心の通じあうようすが手に取るように伝わってきたのだ。特に1幕最初の二人の逢瀬のシーンはドラマティックで、響きあう胸の高鳴りも聞こえてくるようだった。

ゼレンスキーのソロルは、戦士としての勇ましさと、大人の男性としての落ち着いた魅力もありつつ、しかしハートは静かに情熱で燃えているという人物像がくっきりと浮かび上がってきた。ニキヤに神聖な火の前で愛を誓った時には、よもや彼女を裏切ることになるとは思っていなかっただろう。ガムザッティを紹介されたときには、彼女の美しさにくらっと来たというよりは、彼女が象徴する富と権力に一瞬目が眩んでしまったように見受けられた。だから、もう婚約式の始まった時点で彼は浮かぬ顔をしており、ニキヤが舞を披露する時には罪悪感の塊となって、とても彼女の姿を正視できない。ソロル自身が針のむしろの上にいるような気持ちで、しかしガムザッティの正体はまだ見抜けていないものだから、なんとかその場を取り繕おうとしている。ガムザッティの顔も立てつつも、恋人の苦しみも受け止めて、苦悩を深めていくソロルの姿が、ニキヤの悲しみと同じくらい強く伝わってきた。

最終幕の結婚式で、ニキヤの霊に気づき、そしてガムザッティのたくらみに気がついたソロルは、一転して激しい憎悪をガムザッティに向ける。嫌だ、この人殺しの女とは結婚できない、と全身で彼女を拒む。その想いがニキヤに通じて、最終的にソロルの魂は救われたのだと納得できる演技を、ゼレンスキーは見せてくれた。

そしてゼレンスキーは踊りも素晴らしかった。なんといっても、跳躍が美しい。つま先が高くぴーんと伸びて、ふわっと浮かび上がるマネージュは、重力の存在を忘れさせてくれ、あれだけの長身なのに着地の音は静かだ。美しいロシアの踊りとはこういうものを言うのだと思った。数年前にマリインスキーの来日公演で踊ったときには、怪我から復帰して間もないこともあって絶好調ではなかったのだが、今回彼のコンディションはとても良かったのではないだろうか。あのときよりもずっと魅せる踊りだった。影の王国のコーダでは、高々として美しい軌跡を描く連続クペ・ジュッテを見せてくれて、健在ぶりを発揮した。ニキヤ役の小出さんが小柄で身長差が大きかったので、リフトの時には少々腰が辛そうではあったが、サポートも万全だった。


さて、今回初めてニキヤ役を踊った小出さんだが、好演していた。上野さんのような長くて美しいラインはないけれども、動きが滑らかで音楽性にあふれているので、見ていてとても気持ちよい。控えめな中に強い意思と情熱を秘めた神の舞姫らしさがあった。恋心を切々と歌い上げながらも、けっして感情過多になることはなくて自然に思いがあふれていて情感が豊かだ。ゼレンスキーとのコミュニケーションもよく取れており、ふたりの逢瀬はひそやかな中にも愛情があふれていて心を揺さぶられた。ガムザッティとの諍いの中でも、私はあなたと違って身分は低いけれども、本当にソロルが愛しているのは私なのよ、という揺るがない信念を貫き通す強さが感じられた。ガムザッティと同じ土俵に立とうなんて思っていない、その信念の強さにガムザッティはたじろぎ慄き、この女を消さなければならないと確信したのだった。婚約式で舞を捧げるニキヤは、身を引き裂かれるような悲痛な苦しみの中でも、まるで自分の死すべき運命を悟っているかのような殉教者のように見えた。花篭を渡されたときには、一瞬その哀しいさだめを忘れたかのように微笑むけれども、ソロルが立ち去った後には絶望のあまり、毒蛇に噛まれていなかったとしても絶命したのではないかと思われたほど。

影の王国での小出さんは、テクニックを誇示するようなところはなかったけれども、非常に安定していて、難しい転もスムーズにこなし、叙情性もあったけれども、少し生身の女性のぬくもりを残していた。踊りの中には、ソロルへの赦しの気持ちが現れていた。サポートつきのピルエットでは驚くばかりの回転を見せていて、ソロルへの強い思いがこもっていた。幻想の世界の中でもふたりの思いが高まり合うのが感じられ、それが結婚式でのソロルの行動へと結びついていき、最後に彼岸でふたりは結ばれるという結末に説得力がある、そんな「影の王国」だった。


「ラ・バヤデール」といえば、ソロルをめぐってニキヤとガムザッティという二人の女性が登場する物語ではあるのだけど、この日の公演では、ガムザッティの田中さんより、大僧正の木村さんの方がずっと強烈な存在感があって、ニキヤをめぐってソロルと大僧正が火花を散らすストーリーのように思えたのが興味深かった。木村さんが舞台に登場しているときには、主役よりも大僧正のほうに気をとられてしまうくらい。彼が演じたハイ・ブラーミンは、ニキヤに邪な感情を抱く破戒僧やエロ坊主ではない。高潔で非常に位が高く禁欲的な高僧が、ニキヤの美しさに魂を奪われ、純潔の誓いを破って禁断の愛に身を捧げてしまうという姿を木村さんは見せていて、悩ましかった。あなたのためならこの位も捨てよう、と被り物を脱いで差し出す姿には、狂おしいまでの想いがこめられていた。ニキヤへの一途な想いで頭はいっぱいで、ニキヤとソロルが逢瀬をするところを覗き見ては、叶わぬ思いに身を焦がしている様子が手に取るように伝わってきた。

ラジャに実はソロルはニキヤと関係していてと伝えたところ、ラジャがニキヤを亡き者にすると言ったものだから、大僧正は「しまった、こんなはずではなかった」と大いにうろたえ、ソロルへの憎しみを激しくたぎらせる。純情暴走系の大僧正なんて初めて観た。婚約式のシーンでニキヤが毒蛇に噛まれたときに解毒剤を差し出したとき、木村さんは「頼む、お願いだから私の愛を受け取ってくれ」とまっすぐな瞳で訴えかける。ガムザッティの手をとってソロルが去っていく姿に絶望してニキヤが解毒剤を落とし、絶命するときの嘆きようの激しさと言ったら!これはどう考えても、薄情で権力に目が眩んでガムザッティとの結婚を了承したソロルより、愛のために高い地位を捨てようとした大僧正の方がニキヤを愛していたとしか思えない。そう、「ジゼル」のヒラリオンのように、木村さんの大僧正はせつなく純粋な存在なのだ。演じる人によって、こうも物語の解釈が異なってくるというのがバレエの面白さである。その喜びを感じさせてくれた木村さんは、本当に凄い役者だ。彼の大僧正を、ニキヤを他のバレリーナが演じているときにもぜひ観てみたいものだと思った。


この日のジャンベの踊りは西村さんと乾さん。乾さんも良かったけれども、西村さんの柔らかくしなやかな踊りがとても美しかった。ブロンズ・アイドルの宮本さんは、緊張しているのが伝わってきてしまって、案の定着地で滑ってしまったのが残念。影の王国のコール・ドはとても揃っていて美しかったけれども、もう少し足音が静かだともっといいと思った。


まだ余震が続く中で、ゲストのキャンセルに見舞われながらも立派な上演にこぎつけてくれた東京バレエ団、NBSのみなさん、ゲストダンサーたちには大感謝。バレエを観られる幸せを噛み締めた二日間だった。マカロワ版「ラ・バヤデール」は東京バレエ団にとてもよく合っている演目だと思うし、またの再演も期待したい。

2011/04/23

イーサン・スティーフェル、ABT日本公演含む全公演を降板

ニューヨークタイムズの記事によると、ABTのイーサン・スティーフェルは、ABTのMETシーズンと日本公演を全公演降板するとのことです。

Ethan Stiefel to Withdraw From American Ballet Theater's Spring Season

現在主任講師を務めているノースカロライナ芸術大学の仕事に専念するのが理由とのことです。

イーサンは、来シーズンからは、ロイヤル・ニュージーランド・バレエの芸術監督に就任する予定で、今度の来日がもしかしてダンサーとしての彼を観る最後の機会になるかもしれないだけに、残念でなりません。

追記:ジャパンアーツのブログに、イーサン降板の件が載りました。7月23日13時のドンキホーテ、代役はデヴィッド・ホールバーグが務めるそうです。

http://ja-ballet.seesaa.net/article/197311921.html

さらに追記です。
イーサンが出演しないことによる、METシーズンのキャスト変更(イーサンの代役)をお知らせします。

May 21 - Don Quixote: Cory Stearns (with Gillian Murphy)
May 28 - Giselle: David Hallberg (with Alina Cojocaru)
June 11 and 20 - Coppelia: Daniil Simkin (with Natalia Osipova)
June 29 - Swan Lake: Marcelo Gomes (with Paloma Herrera)
July 9 - The Sleeping Beauty: Marcelo Gomes (with Gillian Murphy)

2011/04/22

続20・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き シルヴィ・ギエムのチャリティ公演

先日もパリのシャンゼリゼでのチャリティ公演に出演したシルヴィ・ギエムですが、今度はロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場で、7月7日に東日本大震災チャリティ公演を開催します。

Sylvie Guillem Evening— Hope for Japan
http://www.sadlerswells.com/show/Sylvie-Guillem-Hope-for-Japan

サドラーズ・ウェルズ劇場のアソシエイト・アーティストであるギエムは、7月5日から9日まで、同劇場で、ウィリアム・フォーサイスの新作を含む公演を行う予定なのですが、すでにそのチケットはソールドアウト。
Sylvie Guillem Evening
http://www.sadlerswells.com/show/Sylvie-Guillem

その追加公演が、チャリティ公演となりました。前述のフォーサイス振付による新作デュエットをニコラ・ル・リッシュと踊るほか、マッツ・エック振付による新作ソロ「Ajö」、そしてイリ・キリアン振付の 「27’52"」と、ギエムがキリアン作品を踊る映像作品が上演されます。キリアンの作品には、元NDTの小尻健太さんも出演します。(小尻さんは、Sylvie Guillem Evening本公演にも出演します)手数料なども含めた売り上げはすべて英国赤十字を通して義援金となります。

なお、この公演に足を運べない人のために、Just Giving の仕組みを使ってオンラインで寄付を行うこともできます。
http://www.justgiving.com/HopeforJapan
寄せられた寄付金は、英国の赤十字を通じて、日本の被災者への義援金となります。

シルヴィ・ギエムがこれだけ日本のためを思って公演を何回も行ってくださるとは、本当にありがたいことですね。

********
4月21日には、ヒューストン・バレエのソリスト、楠崎なおさんの呼びかけで、ヒューストン・バレエのダンサーたちとAd Deum Companyのダンサーたちにより、4月21日にヒューストンで東日本大震災チャリティガラが開催される予定です。
http://www.jashouston.org/currentevents.htm

公演のほかに、ヒューストン・バレエやスポンサーから提供されたアイテムのチャリティオークションも開催されます。収益は日本赤十字を通じて、日本の被災者への義援金となります。

このガラについては、ヒューストン・バレエのブログでも、楠崎なおさんによるエントリがあります。
http://houstonballet.wordpress.com/2011/04/19/support-japanese-tsunami-relief-at-dancing-for-hope/

********
5月2日には、バイエルン州立歌劇場で、ズービン・メータ指揮、Bavarian State Orchestra, the Munich Philharmonic and the Bavarian Radio Symphony Orchestraによるチャリティコンサートが開催されます。ベートーヴェンの第九が演奏されます。チケットはすでにソールドアウトになっています。収益は日本赤十字を通じて、日本の被災者への義援金となります。
http://www.bayerische.staatsoper.de/938-ZG9tPWRvbTMmaWQ9MjYyMSZsPWRlJnRlcm1pbj0xMDQ1Mw-~spielplan~konzert~veranstaltungen~vorstellung.html

なお、4月3日にも同劇場でケント・ナガノ指揮、ソプラノの中村恵理さんが出演した東日本震災チャリティコンサートが行われましたが、その時に寄せられた寄付金は5万ユーロにも上ったそうです。
http://www.bayerische.staatsoper.de/861-bXNnX2lkPTEzMjEy-~Staatsoper~bso_aktuell~aktuelles_detail.html

2011/04/21

シュツットガルト・バレエ、アレクサンダー・ジョーンズ、ヒョ・ジュン・カン プリンシパルに昇進

4月20日のシュツットガルト・バレエ「ロミオとジュリエット」に主演した、ソリストのアレクサンダー・ジョーンズヒョ・ジュン・カンが、公演終了後、観客の前でプリンシパル昇進を発表されたとのことです。

イギリス出身のアレクサンダー・ジョーンズは、長身で端正な顔立ち、美しいラインでこれからも主演が予定されていてプリンシパル最短距離にいた人なので昇進を予想していましたが、韓国出身のヒョ・ジュン・カンの同時昇進には驚きました。おめでとうございます。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/start.htm

二人とも、ロミオ役、ジュリエット役を演じるのはこの日が初めて。観客の前でプリンシパル昇進が告げられたのは、「椿姫」で飛び級プリンシパル昇進をしたマライン・ラドマーカー以来とのことです。

また、同日にベンヴォーリオ役を演じたコール・ドのダニエル・カマルゴが、ドゥミ・ソリストに昇進しました。ダニエル・カマルゴはエリック・ブルーン・プライズでも観客賞を受賞した期待の若手です。

公演の写真がこの記事に載っています。
http://www.tanznetz.de/kritiken.phtml?page=showthread&aid=196&tid=20053

ついでに、シュツットガルト・バレエの5月の「椿姫」のキャストが発表されていましたが、ジェイソン・レイリーがアルマン役デビューとなっていて驚きました。「椿姫」の初日ではガストン役の彼には、あまりアルマンのイメージがなかったのです。アルマンの父役を、プリンシパルのダグラス・リーが演じることになっているのにもちょっとびっくり。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

5/8
Die Kameliendame
Ballett in drei Akten von John Neumeier nach dem Roman von Alexandre Dumas d. J.

Marguerite Gautier Alicia Amatriain
Armand Duval Jason Reilly *
Manon Lescaut Katja Wünsche
Des Grieux Nikolay Godunov
Prudence Duvernoy Magdalena Dziegielewska
Gaston Rieux Alexander Zaitsev
Olympia Laura O'Malley
Monsieur Duval Douglas Lee


ちなみに、ヒョ・ジュン・カンが出場した2002年のローザンヌ国際コンクールの入賞者が大変豪華なのです。
1位及びコンテンポラリー賞 チェ・ユフィ 崔由姫(現ロイヤル・バレエ ファースト・ソリスト)
2位 マシュー・ゴールディング(現オランダ国立バレエ プリンシパル)
3位 マリア・コチェトコワ(現サンフランシスコ・バレエ プリンシパル)
4位 ディヌ・タマズラカル(現ベルリン国立バレエ ソリスト)
スカラシップ ヒョ・ジュン・カン(現シュツットガルト・バレエ 新プリンシパル)

なお、今年のローザンヌ国際コンクールの放送は、5月8日(日)15:00~教育テレビでの放送予定とのことです。

銀座テアトルシネマで5/1よりバレエ映画の特集上映

周防正行監督、草刈民代さん主演の映画「ダンシング・チャップリン」の公開にあわせ、同作品を上映している銀座テアトルシネマでバレエ映画の特集上映レイトショーがあります。

http://www.ttcg.jp/theatre_ginza/topics/detail/6630

中には、劇場用映画ではなくDVDとしてリリースされている作品もありますが、大きな画面で見るとまた格別でしょうね。

この特集上映の中でお勧めはなんと言っても「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」ですが、「ラ・ピエトラ 愛を踊る女」などは劇場で見逃してしまったので観てみたいな、って思います。


上映期間:5/1(日)~6/3(金)
  料金:1,000円均一(1作品)
上映時間:連日21:30より


上映作品一覧
5/1,3,5
A ベジャール、そしてバレエはつづく(2009)
 上映時間:80分(22:50終了予定)

5/2,4,6
B オーロラ(2006)
 上映時間:96分(23:06終了予定)

5/7,10,13
C エトワール(2001)
 上映時間:100分(22:50終了予定)

5/8,11
D バレエカンパニー(2003)
 上映時間:112分(23:22終了予定)

5/9,12
E ラ・ピエトラ 愛を踊る女(2003)
 上映時間:113分(23:23終了予定)

5/14,16,18,20
F ベジャール、バレエ、リュミエール(2002)
 上映時間:95分(23:05終了予定)

5/15,17,19
G バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び(2005)
 上映時間:118分(23:28終了予定)

5/21,24,27
H Ballerina マリインスキー・バレエのミューズたち(2006)*
 上映時間:77分(22:47終了予定)

5/22,25
I オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に(2010)*
 上映時間:58分(22:28終了予定)

5/23,26
J ベジャール・バレエ・ローザンヌ 80分間世界一周(2008)*
 上映時間:90分(23:00終了予定)

5/28,31,6/3
K モーリス・ベジャール・バレエ団 パリ・オペラ座へ(2010)*
 上映時間:62分(22:32終了予定)

5/29,6/1
L マチュー・ガニオ&カルフーニ2人のエトワール(2008)*
   上映時間:91分(23:01終了予定)

5/30,6/2
M アニエス・ルテステュ 美のエトワール(2005)*
 上映時間:53分(22:23終了予定)

*印はデジタル上映(DVD・DV-CAM)

2011/04/19

続19・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

引き続き、様々な支援の動きを追っていきます。とても網羅することは不可能なので、気がついたものだけピックアップしています。


バレエシャンブルウェストが行っている清里フィールドバレエが、震災避難所で出張公演を行うとのことです。

山梨・萌木の村、被災地で野外バレエ公演(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819490E3E7E2E08B8DE3E7E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E6

山梨県北杜市の清里で大型観光施設を運営する萌木の村(舩木上次社長)は5月から、東北各地の震災避難所などで「清里フィールドバレエ」の出張公演を行う。同バレエは清里の夏を彩る野外イベントとして全国的にも知られる。幻想的なクラシックバレエを披露し、被災者に心の安らぎを得てもらいたいとしている。

 同社は「清里フィールドバレエ 心の震災復興プロジェクト」と題して近く実行委員会を立ち上げる。山梨県の東京事務所を通じ岩手、宮城、福島の3県に趣旨を説明し、公演場所を詰める。

 ゴールデンウイーク後、20回程度の公演を計画。トラックに仮設舞台や自動演奏の大型オルゴール装置などを積み込み巡回する。「白鳥の湖」「ジゼル」などクラシックのほか「天上の詩」「オンザロード」といった創作バレエを上演する。

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先日もこのサイトで紹介していますが、加治屋百合子さんらNYの日本人ダンサーたちが行ったチャリティ公演「Dance For Japan」が、NHKの海外放送で紹介されていました。リンク先で動画を見ることができます。4月16日にブルックリンのMark Morris Dance Centerで行われ、20人ほどのダンサーが出演したとのこと。3万ドルもの寄付金を得ることができたとのことで、収益はジャパン・ソサエティーの東日本大震災被災者救援基金に寄付されるそうです。

Japanese dancers in NY give charity performance 
http://www3.nhk.or.jp/daily/english/18_h18.html

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また、ドイツのノルトハウゼン劇場所属の奥野史子さんが呼びかけた東日本大震災支援のチャリティーコンサートも行われたとのことです。

独で震災支援のバレエ公演 大田原にゆかりの奥沢さん(下野新聞)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20110417/498870

劇場の支配人に直談判したところ、劇場側も開催を快諾。100人以上のスタッフらが休日返上で協力し、歌やバレエなどを上演する公演が決定した。奥沢さんらは現地の市民らにチラシなどで呼び掛けた。

 「『日本を抱きしめたい』といった声が寄せられ、みな日本に思いを寄せていることが伝わってきた」と奥沢さんは振り返る。

 今月上旬の公演には約450人が詰め掛け、市長や州文化大臣も来場した。奥沢さんたちは約2時間半にわたり歌やバレエなどを上演。日本の歌も紹介された。チケット代などですでに義援金は1万ユーロ(約120万円)を突破、公演後も続々と義援金が寄せられているという。

 奥沢さんは「こんなにたくさんの支援が寄せられるとは思わなかった。遠く離れた小さな街の人たちの支援の思いをしっかりと日本の人たちや被災地に届けたい」と話した。

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ドイツといえば、シュツットガルト歌劇場。シュツットガルト歌劇場所属のソリストでソプラノ歌手の角田祐子さんらが中心となって、東日本震災向けのチャリティコンサートBENEFIZKONZERT FÜR JAPANを5月12日に行います。同劇場所属のソリストたちが出演します。出演者は、自分たちの国の歌を歌うそうです。入場料は無料で、入場料代わりに義援金をお願いしたいとのことです。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/oper/spielplan/

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シャルル・ジュドが率いるボルドー・バレエでは、6月28日の「ジゼル」のゲネプロをチャリティ公演として一般公開し、寄せられた寄付金を赤十字に寄付するとのことです。同劇場には数人の日本人アーティストがいますが、ドレスリハーサルでは、ソリストの相沢優美さんがジゼル役を演じる可能性もあるそうです。

« Giselle » pour le Japon
http://www.sudouest.fr/2011/04/19/giselle-pour-le-japon-375688-4718.php


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NBSのサイトには、ウラジーミル・マラーホフから日本の皆さんへのメッセージが掲載されています。マラーホフは、ベルリン国立バレエのブログやYouTubeでもメッセージを寄せていましたが、改めてメッセージを出してくださったんですね。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-324.html

大震災以来、私の想いと心からの気持ちは、勇気ある日本の人々と共にあります。

日本は、私の人生の大半において、私を温かく迎えてくださった国であり、多くの親しい友人や真のファンがいる国です。
そして、あなた方の美しい国にいる時はいつも、東京バレエ団とNBSが私にとって"我が家"なのです。

そして、この数週間で起こった恐ろしい出来事を思うたび、私は日本のために祈り、最も悪い時期はすでに終わったということを願っています。

私はまた、日本がこの痛ましい災害から、より強く、かつてよりもさらに美しい国として立ち上がるだろうということを確信しています。


ウラジーミル・マラーホフ

パリでの東日本震災チャリティ・ガラ"les Etoiles pour le Japon"

パリのパレ・デ・コングレにおいて、5月31日に"les Etoiles pour le Japon" という東日本大震災チャリティのためのガラが開催されます。大変豪華な顔ぶれですね。

http://www.lesetoilespourlejapon.com/

出演予定
http://www.sf88.com/japon/list/

Carlos Acosta (Soliste principal, Royal Ballet Londres)
Michael Banzhaf (premier danceur, StaatsOper Ballet de Berlin)
Ashley Bouder (Soliste principale, New York City Ballet)
Jiri Bubenicek (Soliste principal, Semperoper Ballet de Dresde)
Otto Bubenicek (Soliste principal, Ballet de Hamburg)
Elisa Carrillo Cabrera (premier danceur, StaatsOper Ballet de Berlin)
Isabelle Ciaravola (Etoile, Opéra National de Paris) **
Marlon Dino (Soliste principal, StaatsOper Ballet de Munich)
Olga Esina (Soliste principale, StaatsOper Ballet de Vienna)
Julien Favreau (Soliste principal, Bejart Ballet Lausanne)
Mathieu Ganio (Etoile, Opéra National de Paris) **
Dimitri Gruzdev (Soliste principal, English National Ballet)
Mikhail Kaninskin (Soliste principal, StaatsOper Ballet de Berlin)
Igor Kolb (Soliste principal, Ballet du Theatre de Mariinsky)
Elena Kuzmina (Soliste principale, Eifman Ballet de St.Petersburg)
Lucia Lacarra (Soliste principale, StaatsOper Ballet de Munich)
Roman Lazik (Soliste principal, StaatsOper Ballet de Vienna)
Roberta Marquez (Soliste principale, Royal Ballet Londres) *
Andrey Merkuriev (premier danceur, Ballet du Theatre Bolshoi)
Shoko Nakamura (Soliste principale, StaatsOper Ballet de Berlin)
Kateryna Shalkina (Soliste principale, Bejart Ballet Lausanne)
Naoki Takagishi (Soliste principal, Tokyo Ballet)
Mizuka Ueno (Soliste principale, Tokyo Ballet)
Friedemann Vogel (Soliste principal, Ballet du Stuttgart)

* soumis à l'autorisation de Royal Ballet Londres. (英国ロイヤル・バレエの承認を得ての参加)
** avec la collaboration et l'autorisation exceptionnelles de l'Opéra National de Paris (パリ・オペラ座の協力と特別承認を得ての参加)


このほか、パリ・オペラ座学校校長のエリザベット・プラテル、ロイヤル・バレエスクール校長のゲイリーン・ストック、元ABTプリンシパルのシンシア・ハーヴェイも特別出演するとのことです。

このガラ公演の売り上げは、全額を義援金として、人道支援を行っているフランス財団による組織 『Solidarité Japon 日本への連帯』 をとおして日本に贈られるそうです。

サンフランシスコ・バレエ 2012シーズン San Francisco ballet 2012 Season

サンフランシスコ・バレエの2012シーズンが発表されています。

(PDF形式のパンフレット)
http://media.tmsmail.us/pop_tms_sfballet/2012_Renewal_Brochure_online.pdf

PROGRAM 1
Onegin 「オネーギン」ジョン・クランコ振付 2012年1月27日~

PROGRAM 2
Chroma 「クローマ」ウェイン・マクレガー振付
Morris World Premiere マーク・モリスの世界初演
Number Nine クリストファー・ウィールダン振付

PROGRAM 3
Le Carnaval des Animaux 「動物の謝肉祭」アレクセイ・ラトマンスキー振付
Possokhov World Premiere ユーリ・ポソホフの世界初演
Trio ヘルギ・トマソン振付

PROGRAM 4
Romeo & Juliet 「ロミオとジュリエット」ヘルギ・トマソン振付

PROGRAM 5
The Fifth Season ヘルギ・トマソン振付
Liang World Premiere エドワード・リヤン振付の世界初演
Glass Pieces 「グラス・ピーセズ」ジェローム・ロビンス振付

PROGRAM 6
Raymonda—Act III 「ライモンダ」第三幕 ルドルフ・ヌレエフ振付
RAkU ユーリ・ポソホフ振付
Page World Premiere アシュレー・ペイジ振付の世界初演

PROGRAM 7 オールバランシンプログラム
Divertimento #15 「ディヴェルティメント第15番」 ジョージ・バランシン振付
Scotch Symphony 「スコッチ・シンフォニー」
The Four Temperaments 「四つの気質」

PROGRAM 8
Don Quixote 「ドン・キホーテ」ヘルギ・トマソン、ユーリ・ポソホフ振付

(他に、2011年12月に「くるみ割り人形」、7月にハンブルク公演が予定されています)

「オネーギン」はサンフランシスコ・バレエではカンパニー初演となります。舞台装置と衣装はナショナル・バレエ・オブ・カナダと同じものを使用するとのことです。

また、ユーリ・ポソホフ、エドワード・リヤン、マーク・モリス、アシュレー・ペイジの世界初演作品を上演するなど、サンフランシスコ・バレエは意欲的なプログラムに取り組んでいますね。


なお、以前もお知らせしたように、サンフランシスコ・バレエではジョン・ノイマイヤー振付の「人魚姫」の5月3日と5日の公演を収録し、アメリカ、フランス他で放映するほか、DVD・Blu-ray化する予定となっております。
http://www.sfballet.org/about/pressroom/pressreleases/view.asp?id=10193156

2011/04/17

4/16 東京バレエ団「ラ・バヤデール」 The Tokyo Ballet "La Bayadere"

震災後、3月末にO.F.C佐多達枝振付「カルミナ・ブラーナ」を観に行ったのですが(感想が書けていませんが、これも良い公演でした)、グランド・バレエを観るのは初めて。まだ余震が頻発する中、主演ゲスト二人の降板に見舞われながらも立派な代役を立てて、見事な公演を行ったNBSと東京バレエ団には拍手を送りたいです。そして、何よりも、レベル7の深刻な原子力発電所事故が起きている国での公演に急遽代役で舞台に立ってくれたイーゴリ・ゼレンスキーとマシュー・ゴールディングには深く感謝。日本のバレエファンは彼らの勇気を忘れないでしょう。

そして、公演そのものも非常に良い出来だったと思います。中でも、急遽代役で出演したマシュー・ゴールディングは逸材であり、若いにもかかわらず安定していて、確実なテクニックと端正さも持つ優れていて魅力的なダンサーであることが良くわかりました。

http://www.nbs.or.jp/stages/1104_labayadere/index.html

東京バレエ団 
「ラ・バヤデール」


振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント


◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):上野水香
ソロル(戦士):マシュー・ゴールディング
ガムザッティ(ラジャの娘): 田中結子
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:松下裕次


【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、岸本夏未、阪井麻美、大塚怜衣
西村真由美、乾友子、小川ふみ、二階堂由依
柄本弾、森川茉央


【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):岸本夏未
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾


指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


今朝も余震に見舞われた東京。開演時間を15分過ぎてもなかなか幕が開かず、幕の前にNBSの係の人が立ってアナウンスを始めた時には何事かと焦ったのだけど、なんと指揮者のワレリー・オブジャニコフが到着していないとのこと。協議の結果コンサートマスターが代わりに指揮をします、と説明があり、場内は苦笑、そして暗転。いよいよ始まるかな、と思ったら「今指揮者が到着しました」とアナウンスがあり、慌てている様子のオブジャニコフさんがピットへ登場。

ミラノ・スカラ座の舞台装置と衣装もゴージャスで、華やかな舞台となった。東京バレエ団を観るのは実は昨年のコジョカルとコボーが共演した「ジゼル」以来なのだが、「ラ・バヤデール」ではこのバレエ団の美質は生かされていると感じた。1幕のジャンベとパ・ダクシオン(マカロワ版って、通常1幕はニキヤとガムザッティの対決で終わるのに、そのまま続けて婚約式まで上演し、影の王国は2幕であることを、キャスト表を見るまで気がつかなかった。東京バレエ団での初演も観ているのに)、2幕の影の王国と女性コール・ドのレベルは以前よりも相当上がっている。特に影の王国は良く揃えており、ぐらつくダンサーもいなかった。ただ、影の王国のヴァリエーションのソリストは、皆そつなく踊っているものの、飛びぬけた才能が感じられなかったのが残念。コール・ド所属の岸本さんが一番良いように感じられてしまったくらい。

2月に新国立劇場バレエ団でも「ラ・バヤデール」の上演があったのでつい比べてしまうが、「影の王国」のシーンに関して言えばやはり新国立劇場の方が良かったと思う。群舞のレベルはそれほど差がないのだが、新国立ではスロープが2段になっていて難易度が高く、コール・ドが32人であること。また、照明の魔術師とも呼ばれる沢田祐二さんによる照明がドラマティックで陰影に富んでいて美しいことがプラスの要素となっている。今回の東京バレエ団の上演では、影の王国の照明が明るすぎて、このシーンに求められる、思わず息を呑んでしまうほどの幽玄さが感じられなかったのが惜しかった。

それからマカロワ版で不満なのは、ニキヤの花篭の踊りで、急にテンポが速くなって、踊りがクライマックスを迎えるかのように高揚するのではなく、違うメロディを使っていて盛り上げに欠けること。ランチベリーの編曲がそうなっているのだから仕方ないのかもしれないけれども、愛する人ソロルが別の女性と婚約する場面を見なければならないニキヤの絶望と情熱を感じさせるオリジナルの演出の方がずっといいと思う。

上野水香さんの古典を観るのは久しぶり。彼女の場合、持っている技術は高いのに音楽性に欠けていて、ひとつひとつの動きに滑らかさがないという欠点がある。「白鳥の湖」や「ジゼル」のような作品よりは、「ラ・バヤデール」のニキヤ役の方がその欠点が目立たなかった。動きそのものも雑さが取れてきて、以前より進化していることが感じ取れた。しかし彼女の踊りには情緒が薄いので、「影の王国」のように感情を余り出さない役は悪くないのだが、1幕での神に仕える舞姫としての内に秘めた静かな情熱というよりは、普通の女の子のように恋する感情が素直に出すぎていて、饒舌すぎたように見受けられた。水香さんはキャラクターが強いので、ガムザッティ役を演じさせたらぴったりなのではないかと感じられる。水香さんのニキヤはガムザッティとの対決でも終始押し気味で勝っているし、大僧正も彼女の強い拒絶にあってはたじたじという感じだった。彼女はガムザッティに相応しい華とテクニックも持っているわけだし。

水香さんは、技術的な見せ場は見事なもので、2幕(影の王国)での長いバランスも魅せたし、ヴェールを持った難しいヴァリエーションも楽々と余裕で決まっていた。手脚が長いので見栄えもするしグランジュッテも大きくてきれい。それだけに、あと少し滑らかさや音楽性、叙情性と演技力を獲得してくれれば、ものすごく良くなるのに、もったいないな~と思った。何しろ、登場シーンひとつとっても、友人いわく「自宅の階段を下りているみたい」という表現がぴったりで、神聖な寺院の階段をしずしずと下りてくる舞姫というイメージからは程遠いのだ。

フリーデマン・フォーゲルの代役として急遽出演することになったマシュー・ゴールディングは、長身で顔がとても小さく、脚が長くて理想的なプロポーションの持ち主。確かにブラッド・ピットに良く似ていて、髭があるのも戦士ソロルに相応しい精悍さを加えている。1985年生まれと若いし、演技には若々しさが出ていたけどテクニックは完成されていた。つま先がきれいだし、ピルエットも軸がまっすぐでぴたっと美しくフィニッシュする。グランジュッテも高いし、影の王国のコーダでのドゥーブル・アッサンブレ5連発も鋭く5番に突き刺さっていて,活きの良さを感じさせると共に、正確だった。その上、合わせる時間がほとんどなかっただろうにサポートも上手で、大柄な水香さんを軽々と持ち上げていたし、彼女の強いキャラクターに負けていなかった。

マシューのソロルは、勇ましい戦士であることは勢いのある踊りには出ているものの、ソロルの未熟さと軽薄さも表現されていてそれが面白かった。ニキヤといるときにはニキヤラブ~と熱いのに、ガムザッティが登場すれば藩主の娘でしかも美人なので簡単にそっちになびいてしまって楽しそうにチェスをしちゃったり。婚約式でも浮かれていてヴァリエーションでは思わず白い歯を見せて笑っちゃう。ニキヤが捧げる踊りを見て初めて、自分の軽薄さと罪に気がつき、やばいって思うも後の祭り。影の王国で悔い改め、結婚式ではガムザッティという女の腹黒さと恐ろしさを感じて、深い後悔とともに彼女を拒絶しようとするものの拒みきれない無念さをあふれさせる。思慮が足りなさそうなところも、ソロルにぴったり(褒めています)だし、ダメな男と思いつつも憎みきれない魅力がある。いずれにしても、彼は若々しく爽やかなところがあるのが持ち味で、水香さんのくどさをうまく毒消ししており、この二人の組み合わせは非常に上手く行ったと思う。今回、マシューは震災の影響がある中で急遽来日して、見事に代役を務めNBSに大いに貢献した。見た目のバランスも水香さんにぴったりであるし、今後彼をゲストやガラで観られる機会があることを期待したい。世界には知らないところで優れたダンサーがいるものだと改めて思った。

一方、奈良さんの怪我により4公演すべてでガムザッティ役を踊ることになったのが、田中さん。2009年のカンパニー初演で観た時も彼女のガムザッティだったのだが、あの時よりはずっと迫力が増していて良くなっていた。中でも、ニキヤとの対決の後、「この女は絶対に生かせてなるものか」という強い決意を込めて前を見据える姿には、恐ろしさも感じさせた。ラジャの娘としての誇り高さ、ニキヤには負けたくないという、時には必死になり、時には冷酷になる面を表現できていた。ただ、ガムザッティ役は主役を踊っている人が演じるメーンキャストであり、気位の高い美しいお姫様であることを体現していなくてはならない。エリザベット・プラテルやマリアネラ・ヌニェス、イリーナ・ドヴォロヴェンコなどが演じているくらいなのだ。田中さんにはさらなる存在感と華やかさを出してもらいたいと思う。ニキヤとガムザッティが対決する時、上野さんがニキヤなのに彼女の方が華があってキャラクターが強いので、ニキヤが全面的に勝利を収めてしまい、ガムザッティは屈辱のあまりニキヤを殺すことを決意したという解釈を取ってしまった。最終幕の結婚式のシーンでの、ソロルににじり寄る姿には鬼気迫る迫力があって、ガムザッティという女性の怖さと哀れさが伝わってきたのだが。

田中さんはテクニック的にはイタリアンフェッテもきっちりと決めていて、回転も正確で堅実なのだけど、婚約式で勝利の凱歌を歌い上げるガムザッティだったらさらなる輝きが必要なのではないだろうか。贅沢かもしれないけれども、ガムザッティってニキヤよりも強さや目をひきつける必要がある役なのだ。きっとこれから場数を踏むことで、その輝きは身につけられると思う。

マカロワ版では最終幕に登場するブロンズ・アイドルは松下さん。松下さんはここでは会心の踊りを見せることができたのではないか。クラシックバレエのキャラクターダンスとしては文句のつけようのない高い跳躍と正確なテクニック。マグダヴェーヤ(苦行僧)役の高橋竜太さんは持ち前の身体能力の高さを生かした、はじけた踊り。大僧正の後藤さんは、大僧正なのに煩悩たっぷりのエロ坊主で、しかもニキヤに拒絶されると「すみません・・・」とすごすごと引き下がったり、ニキヤとソロルの逢瀬を覗き見たりする小物っぷりが面白かった。

いろいろ書いたけれども、全体的な公演のレベルは高く、大変楽しめた舞台であった。やっぱり生で観るバレエは素晴らしい。今まで当たり前のように観ていた公演も、滞りなく無事に上演するには大変な努力が必要であることを実感し(指揮者は遅刻したけど)、余震が続く中でも上質な舞台を観ることのできる幸せをしみじみと噛み締めたのであった。

2011/04/16

第7回黄金のマスク賞/第11回マリインスキー国際フェスティバル National Theatre Award "Golden Mask"/XI International Ballet Festival MARIINSKY

ロシアでは権威のある演劇賞である第7回黄金のマスク賞の受賞者が4月15日に発表されました。

(ロシア語)
http://www.goldenmask.ru/news.php?nid=1452&year=

BALLET-MODERN DANCE / ACTRESS
Ekaterina Kondaurova エカテリーナ・コンダウローワ (マリインスキー劇場) Anna Karenina 「アンナ・カレーニナ」(ラトマンスキー振付)

BALLET-MODERN DANCE / ACTOR
Leonid Sarafanov レオニード・サラファーノフ  «Quatro», Theatrical Centre in Kolomna, St. Petersburg 「Quatro」はサラファーノフ、ノーヴィコワ、デニス&アナスタシア・マトヴィエンコの4人によるプロジェクトで、マリボール劇場のエドワード・クルーグ振付です。

BALLET / PLAY
SIX DANCE. LITTLE DEATH , Musical Theatre. KS Stanislavsky and Vl.I. Nemirovich-Danchenko Moscow
「6つのドイツ舞曲」「小さな死」(キリアン振付)、スタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコモスクワ音楽劇場

Special Jury Prize MUSICAL THEATRE 審査員特別賞
Natalya Ledovskaya ナタリヤ・レドフスカヤ  Esmeralda「エスメラルダ」 - Esmeralda, Musical Theatre. KS Stanislavsky and Vl.I. Nemirovich-Danchenko Moscow スタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコモスクワ音楽劇場

ちなみにノミネートについてはこの記事で書いています。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2010/11/post-9ff5.html

高く評価されていたコウンダウローワの「アンナ・カレーニナ」、そしてサラファーノフは順当なところですが、作品賞がモスクワ音楽劇場のキリアン作品というのが面白い結果だと思います。ロシアでも、徐々に現代作品が中心になってきているのだと感じられますね。コンダウローワもサラファーノフも現代作品を踊っての受賞ですし。

マリインスキー劇場のプレスリリースも掲載されています。(英語)
http://www.mariinsky.ru/en/news1/news1/16_228april/


もう一つ、ロシア・バレエが現代化していることの象徴としては、マリインスキー国際フェスティバルのオープニング作品がプレルジョカージュの「ル・パルク」だったことが挙げられます。マリインスキー劇場初演キャストは、ディアナ・ヴィシニョーワとコンスタンティン・ズヴェーレフ。この4月14日の公演の写真を見ることができます。

http://interpress.ru/index.php?page=group&group_id=27638

第11回マリインスキー国際フェスティバルのプログラムは以下の通り

http://www.mariinsky.ru/en/playbill/festivale/fest_2010_2011/ballet_fest_228/

4/14
Diana Vishneva and Konstantin Zverev in the ballet
Le Parc

4/15
Viktoria Tereshkina and Alexander Sergeyev in the ballet
Le Parc

4/16
Roberta Marquez and Vladimir Shklyarov in the ballet
La Bayadère

4/17
Yekaterina Kondaurova and David Hallberg in the ballet
Swan Lake

4/18
Ashley Bouder and Denis Matvienko in the ballet
Don Quixote

4/19
Featuring Ulyana Lopatkina
Chopiniana. In the Night. Without

4/20
Viktoria Tereshkina and Dmitry Gudanov in the ballet
The Sleeping Beauty

4/21
Olesya Novikova and Yevgeny Ivanchenko in the ballet
Romeo and Juliet

4/22
Yekaterina Kondaurova and Yuri Smekalov in the ballet
Le Parc

4/23
Alina Cojocaru and Johan Kobborg in the ballet
Giselle

4/24
Close of the XI International Ballet Festival MARIINSKY
International Stars Gala

4/30 BSプレミアムでギエム、アルゲリッチら出演のチャリティコンサート放映

4月30日(土)の BS プレミアムシアターで、パリ、シャンゼリゼ劇場でのチャリティコンサートが放映されます。

4月30日(土) 午後11時30分~午前3時30分 ※急遽放送内容を変更してお送りします。

◇ミュージック・フォー・ジャパン PLAY&PRAY
【内容】
3月11日の東日本大震災から1ヶ月、世界中から多くの支援が被災地に寄せられる中、世界の音楽界、アーティストたちも相次いで支援に乗り出した。世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は震災後まもない3月16日の定期演奏会の曲目を変更し、巨匠ベルナルト・ハイティンクの指揮でポーランドの作曲家ルトスワフスキの「弦楽のための哀悼音楽」を演奏し、芸術監督サイモン・ラトルのメッセージと共に収録された。パリでは4月6日に歴史と格式を誇るシャンゼリゼ劇場で、ヨーロッパで活躍する世界のトップ・アーティストが結集し、チャリティー・ガラ・コンサートが行われた。出演したのは、ピアニストのマルタ・アルゲリチ、児玉桃、バイオリンの庄司紗矢香、 ルノー・カプソン、オペラ歌手のナタリー・デセイ、ロランド・ヴィラゾン、大村博美、ダンサーのシルヴィー・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ、アクラム・カーンなど、錚々たる顔ぶれだ。番組では、上記のパリでのチャリティコンサートに文書でのメッセージを寄せたマエストロ小澤征爾がインタビュー出演し、自らの言葉で被災者へメッセージを伝える。

<出 演>
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルナルト・ハイティンク
サイモン・ラトル(指揮者)からのメッセージ

(ピアノ)マルタ・アルゲリッチ、児玉桃、イタマール・ゴラン、ネルソン・フレーレ、カティア・ブニアティシヴィリ
(バイオリン)庄司紗矢香、ルノー・カプソン
(チェロ)ゴーティエ・カプソン
(ソプラノ)ナタリー・デセイ、大村博美
(テノール)ロランド・ヴィラゾン
(ダンサー)シルヴィ・ギエム、ニコラ・ル・リッシュ、アクラム・カーン
 ほか

(チェロ)ヨーヨー・マ

インタビュー出演: 小澤征爾(指揮者)

収録:2011年3月16日 ベルリン・フィルハーモニーホール
    2011年4月6日  シャンゼリゼ劇場(パリ)
   

少しでも多くの被災地の方が、見られる環境になっていますように。

http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

続18・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

最近原子力発電所事故関係の報道が減っているような気がするのですが、特に事態が好転したというわけではなくて、まだまだ長期戦になりそうな感じです。

ただ、一時期ヒートアップした海外での報道は落ち着いているようで、米国政府による自国民への、福島第一原子力発電所80キロ圏外の渡航延期が解除されたというニュースが入ってきました。

また、在日フランス大使館は15日までに、在留フランス人に対し、東京に滞在しても「現時点で健康にリスクはない」とする見解を明らかにしたとのことです。

ということで、来日予定アーティストのキャンセルが止まるかと期待していたのですが、なかなかそう上手く事は運ばないようで。

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有馬龍子バレエ団の「コッペリア」にゲスト出演予定のパリ・オペラ座のクレールマリ・オスタとカール・パケットは来日が中止となってしまいました。コッペリウス役で出演のミカエル・ドナールは予定通り来日するとのことです。

http://www.kyoto-ballet-academy.com/news/detail.shtml?1302849860

有馬龍子バレエ団公演「コッペリア」にスワニルダ役で出演を予定しておりましたクレールマリ・オスタと、フランツ役で出演を予定しておりましたカール・パケットは、東日本大震災の影響によるフランス政府の渡航自粛勧告を憂慮した所属の国立パリ・オペラ座より許可が下りず、今回の来日を断念いたしました。

監修の薄井憲二、振付指導のミカエル・ドナールとともに調整を行い、トゥールーズ・キャピトル・バレエ団エトワールのマリア・グティエレス(スワニルダ役)とカズベク・アクメディアロフ(フランツ役)をゲストとして招聘することが決まりました。

ところで、この「コッペリア」の公演はびわ湖ホールで行われるので、東京ですらないんですよね・・。トゥールーズ・キャピトル・バレエ団もフランス国立のバレエ団で、カデル・ベラルビが今度芸術監督に就任するカンパニーです。


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2011は全公演払い戻しだそうで・・・。内容を変更しての実施だそうですが、東京国際フォーラムの電気系統の不具合と共に、アーティストの来日キャンセルも相次いだとのことです。
http://www.lfj.jp/lfj_2011/news/2011/04/post-12.html

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パリ・オペラ座の許可が下りなかったということになると、今後予定されている、「ニコラ・ル・リッシュとパリのエトワールたち」も予定通り公演できるのか、心配になってしまいます。また、井上バレエ団の7月公演「ラ・シルフィード」には、やはりオペラ座のエマニュエル・ティボーがゲスト出演の予定となっています。

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NBSのサイトには、マニュエル・ルグリから日本へのメッセージが掲載されていました。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-321.html

親愛なる友人、日本のみなさま

どんな言葉も、どんな行動も、このすさまじい悲劇で愛しい存在を失った人々を癒し、
支えるのに十分な力を持たないのです。
どんな人間も、これほどの自然の猛威に対する武装をしてはいないのです。
こんなに理不尽な出来事を経験したばかりの私たちは、どのように生きれば良いのでしょうか?
どうしたらこの状況を信じられるというのでしょうか?
かつてあなたがたが数々の試練を乗り越えたときと同様に、日本のみなさんの高潔さと冷静さは
今ふたたび人々の模範となっています。
あなたがたの周りにある力のすべてが、あなたがたへ私たちが送るありったけの愛が、
復興への勇気と希望をもたらすことを願っています。

心からあなたがたのことを想っています。

私の愛のすべてをこめて。私はあなたがたと一つです。

マニュエル・ルグリ

ルグリらしい、心を打つメッセージですね。無事「マニュエル・ルグリの新しき世界」も公演が予定通り行われますように。

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光藍社のサイトに、キエフ・バレエのエレーナ・フィリピエワからのメッセージが掲載されていると昨日お知らせしましたが、今日は、同じくキエフ・バレエのナタリヤ・マツァークとセルギイ・シフドルスキーのメッセージも追加されていました。

http://www.koransha.com/news_performance/news/110411message_fili.html

ご存知の方も多いかと思いますし、コメントの中でも触れられていますが、ナタリヤ・マツァークは現在、SMBC日興證券のCFに出演しています。本当に美しい方ですよね。

http://www.nikko.co.jp/rename/index.html

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そのキエフ・バレエですが、5月15日に本拠地ウクライナで、キエフ・バレエのソリストとして活躍する田北志のぶさんが主催しての東日本大震災チャリティガラが開催されるとのことです。マライン・ラドマーカーのオフィシャルサイトで、彼がそのガラでベルリン国立バレエのヤーナ・サレンコと共演すると書いてありました。

http://www.marijnrademaker.de/Marijn_Rademaker_-_Principal_Dancer_-_Stuttgart_Ballet/News_and_performance_dates.html

2011/04/15

ミラノ・スカラ座バレエ団2011/12シーズン Teatro Alla Scala 2011/12 Season

ミラノ・スカラ座の2011/12シーズンが発表されました。

http://www.teatroallascala.org/en/season/opera-ballet/2011-2012/opera-ballet.html

2012年1月20日~「エクセシオール

出演
Roberto Bolle 1月20, 22, 25

2012.2.18~「ジゼル

出演
ÉTOILES
Svetlana Zakharova 2月18, 22, 24
Roberto Bolle 2月18, 22, 24

GUEST ARTISTS
Olesia Novikova 3月9, 13
Leonid Sarafanov 3月9, 13

2012年3月31日~「L'altra metà del cielo(新作、Martha Clarke振付)

2012年5月3日~「マルグリットとアルマン」「コンチェルトDSCH」(「コンチェルトDSCH」はラトマンスキー振付)

MARGUERITE AND ARMAND
Svetlana Zakharova 5月3, 5, 8
Roberto Bolle 5月3, 5, 8
Massimo Murru 5月18, 20, 23

CONCERTO DSCH
Svetlana Zakharova 5月3, 5, 8

2012年9月7日~「オネーギン

出演
ÉTOILE
Roberto Bolle 9月7, 10, 12, 15
ARTISTA OSPITE
Maria Eichwald 9月7, 10, 12, 15

2012年10月3日~「ライモンダ

出演
ÉTOILE
Massimo Murru 10月3, 5s, 9, 11

GUEST ARTIST
Olesia Novikova 10月3, 5s, 9, 11


同時にオペラの方のシーズンも発表されています。


今シーズンは出演が少なかったロベルト・ボッレが、「エクセシオール」「ジゼル」「マルグリットとアルマン」「オネーギン」と目いっぱい出演し、またスヴェトラーナ・ザハロワも復帰。今シーズン抜擢されたマリインスキーのオレシア・ノーヴィコワも「ジゼル」「ライモンダ」にゲスト出演するのですね。

続17・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

大きい余震が続き、相変わらず不安な毎日を送っている私たちですが、日本を支援してくれる世界中の動きには本当に感謝の念でいっぱいです。


NBSのサイトには、バーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督のデヴィッド・ビントリーより、公演プログラム用のメッセージが届いたということで、紹介されていました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-319.html

 

3月11日午後、私は新国立劇場バレエ団のダンサーに、私自身の振付であり、次の土曜に初演を予定していたバレエ団の新作「テイク・ファイヴ」のリハーサルを行っていました。その日に起こったすさまじい地震と津波、そして日本人の置かれた痛ましいまでの惨状は、全世界にまたたく間に知れ渡りました。音楽、歌、そしてダンスは歓喜と幸福感を魂に呼び起こすものだけに、それは不適切に思われ、日本人が自分たちを襲った悲劇の大きさを把握しはじめるにつれ、新国立劇場そして東京のほとんどの劇場がその扉を閉ざしたのでした。

 その2ヶ月後、勇気と冷静さをもって未来に立ち向かい、世界の賞賛を集めた日本とともに、この偉大な国の文化的、精神的な癒しとして、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエを率いて日本公演を行うことができることを、私は誇りに思います。ピーター・ライトの古典作品である「眠れる森の美女」、フレデリック・アシュトンの温かみある傑作「真夏の夜の夢」と「ダフニスとクロエ」の公演が、日本の観客の皆さまに喜びと希望をもたらし、皆さまが現在直面される困難からの、ひとときの休息を与えてくれることを願って止みません。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ 芸術監督 
デヴィッド・ビントリー

バーミンガム・ロイヤル・バレエの日本公演については、プレスリリースも本国で発表されたようで、Ballet.coに掲載されていました。この情勢での日本で公演を行うという強い意思が感じられて嬉しい限りです。17日の追加公演がチャリティ公演であることも明記されています。

http://www.ballet.co.uk/dcforum/news/5024.html

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ベルリン国立バレエで5月8日に開催されるガラBallet Helps Japanには、東京シティバレエ団の志賀育恵さんと黄凱さんが出演しますが、黄凱さんのブログで、出演に当たっての心境が述べられていて、心を打ちました。

Ballet Helps Japan
http://huangkai.cocolog-nifty.com/official_blog/2011/04/ballet-helps-ja.html

ちなみに、このガラのサイトを見ますと、出演者の中に、前回お知らせした追加メンバー(イザベル・シアラヴォラ、イヴァン・ウルバン他)が加わっていると共に、東京バレエ団の上野水香さんの名前も追加されていました。残念ながら、ロベルト・ボッレとスヴェトラーナ・ザハロワの名前は消えています。

http://www.staatsballett-berlin.de/de_DE/calendar/detail/9173318

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被災した仙台市出身の熊谷和徳さんが、避難所でタップダンスを踊ったときのことをブログで書かれています。こちらでは、被災地の様子が胸に伝わってきて、思わず涙が出てきました。

故郷からの第一歩
http://tapperkaz.exblog.jp/13370588/

熊谷さんは、TAP THE FUTURE義援金PROJECT "HAND TO HAND FEET TO FEET" を主催しています。
http://www.kaz-tapstudio.com/cn12/hthftf.html

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青山のスパイラルガーデンで開催されている
アーティストからのメッセージ「アートのちから」ダンスパフォーマンスでは、多くのダンスパフォーマンスを無料で観ることができます。大変豪華なメンバーの出演となっています。

http://www.spiral.co.jp/e_schedule/2011/04/post-72.html

4月15日(金)は、笠井叡オイリュトミー作品「3月13日、15日新聞記事より」などがあり、16日(土)には、珍しいキノコ舞踊団や安藤洋子さんが出演し、17日(日)は、森山開次×ひびのこづえ×川瀬浩介「LIVE BONE」2011 春 in Spiral、さらにDance Sanga Session『The Well-Tempered』(振付:中村恩恵)他もあります。

予約は必要ございませんが、混雑することも予想されます。ご了承ください。
※終演後、観覧料としてお気持ちを義援金箱にお入れください。 とのことです。

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現在上演中の東京バレエ団「ラ・バヤデール」では、東京バレエ団のダンサーが公演前や休憩時間に募金箱を持って義援金を呼びかけています。14日の公演には、前日にソロル役を演じたマシュー・ゴールディングも一緒になって呼びかけていたとのことです。
http://twitpic.com/4kow9j

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NBAバレエ団では、残念ながら予定されていた「ゴールデン・バレエ・コースター」ガラが中止となってしまいましたが、いくつかの支援活動を行っています。

http://nbaballet.org/

・3月29日、NBAバレエ団は、日本赤十字社へ義援金100万円を寄付いたしました。
・4月10日に開催されます「スプリングバレエフェスティバル」ならびに、6月18日・19日に開催されます「第8回トゥールビヨン公演」の会場で募金箱の設置し、日本赤十字社へ寄付させていただきます。
・被災された地域のバレエダンサーの仲間達を支援すべく、NBAバレエ学校での無料レッスンを実施いたします。

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光藍社のサイトには、キエフ・バレエのエレーナ・フィリピエワから日本の皆さんへのメッセージが掲載されています。
http://www.koransha.com/news_performance/news/110411message_fili.html

ウクライナはチェルノブイリの原発事故を経験しているだけに、今回の震災はキエフ・バレエにとっても他人事ではないのではないかと思われます。

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NBSのサイトでも紹介されていましたが、当面の文化芸術活動について,文化庁長官からメッセージが発表されました。
http://www.bunka.go.jp/bunkazai/tohokujishin_kanren/chokan_message_2.html

(前略)文化芸術は本来,私たちの心に安らぎと力を与え,地域の絆を強め,明日への希望を与えてくれるものであり,その縮小は経済社会全体の活力にとって好ましいものではありません。全国各地の活発な文化芸術活動によって国民ひとりひとりが活力を取り戻すことが,日本全体の元気を復活させるために必要なことであり,被災された方々に対する一層の支援につながるものと考えます。こうした動きはまた,復興に向けた力強い日本の姿を国際的に印象づけることにもなりましょう。
(中略) 今後,被災された方々に心を寄せつつ,電力事情,安全性等を十分踏まえながら,それぞれのお立場で,文化を創造しあるいは親しむ活動を積極的に行うことにより,日本の力強い復興を支えてくださいますようお願い申し上げます。

 平成23年4月12日
 文化庁長官  近藤誠一

文化庁としてメッセージを発しなければならないほど、実際に公演の中止が相次いだということもありますが、国としてこのようなメッセージを訴えたことは高く評価したいと思います。

2011/04/14

東京バレエ団「ラ・バヤデール」開幕

東京バレエ団の「ラ・バヤデール」公演は、震災、そしてゲスト二人の降板があったものの、無事今日(13日)初日の公演が行われたようですね。

イーゴリ・ゼレンスキー、マシュー・ゴールディングの二人のゲストが来日してから、東京バレエ団のブログやTwitterで逐次情報を更新してくれているので、公演への期待が高まります。NBSや東京バレエ団はソーシャルメディアの使い方が抜群に上手で、リハーサルの楽しいエピソードも交えて速報をどんどんアップしてくれていて嬉しい限りです。

東京バレエ団のブログでは、稽古場だより、リハーサルやゲネプロレポートがアップされています。
http://thetokyoballet.com/blog/

中でも、金粉をまぶしたブロンズ・アイドルがふたりも並んだ姿はとても珍しく、ありがたくも面白い写真ですよね。
http://thetokyoballet.com/blog/index.php?id=397

初日の舞台も成功に終わったようで、観に行った友達の評判も上々でした。早速NBSのTwitterでは、ソロル役のマシュー・ゴールディングのコメントが掲載されていたので転載します。

日本での初舞台を終えたマシュー・ゴールディングのコメント(1)「日本で初めて踊ることは、楽しみな反面、不安でもあったのですが、短い期間でしたが東京バレエ団とよく合わせることができましたし、日本の皆さんがこうした状況にも関わらず公演に足を運んでくださって、本当に嬉しいかったです」

マシュー・ゴールディングのコメント(2)「日本の方たちは困難な状況だからこそ、互いに助け合っているように感じます。そんな今の日本で踊ることができて、僕自身とても楽しめましたし、とても興奮しています。ありがとうございました!」

きっと明日(14日)には、初日の舞台レポートも掲載されていることでしょう。NBSのみなさんは働き者です。


私も、当初はサラファーノフが出演予定だった日曜日のみ行く予定だったのですが、この困難な時期に日本に来てくれるゴールディング(とゼレンスキー)、そして代役を探してきてくれて公演を開催できるようにしてくれたNBSに敬意を表して土曜日のチケットも追加して買いました。久しぶりのグランド・バレエなのでとても楽しみです。

また、おりしもAmazon.ukより、マシュー・ゴールディング主演のオランダ国立バレエ「ドン・キホーテ」のBlu-rayも届いたので、予習もして行こうと思っています。

2011/04/13

ミラノ・スカラ座のエトワール・ガラにエルヴェ・モローが出演予定

ダンソマニでどうやら引退するらしい、ということになっていたパリ・オペラ座のエルヴェ・モロー。最近、その引退の意思を翻意し、来シーズンのオープニングとなるラトマンスキー振付の新作に出演するかもしれないという情報がやはりダンソマニに掲載されていました。

そして、バレエ一色のほみさんに教えていただいたのですが、4月27日、29日にミラノ・スカラ座で開催されるGala des Étoiles のサイトに、出演者として彼の名前が載っていました。

http://www.teatroallascala.org/it/stagione/opera-balletto/2010-2011/gala-des-etoiles.html

CAST
ÉTOILES
Roberto Bolle (Teatro alla Scala)
Hélène Bouchet (Hamburg Ballett)
Agnès Letestu (Ballet Théâtre National de l’Opéra, Parigi)
Hervé Moreau (Ballet Théâtre National de l’Opéra, Parigi)
Massimo Murru (Teatro alla Scala)
Olesia Novikova (Balletto del Teatro Mariinskij-Kirov, San Pietroburgo)
Leonid Sarafanov (Balletto del Teatro Mikhailovsky, San Pietroburgo)
Friedemann Vogel (Stuttgarter Ballet)

ARTISTI DEL CORPO DI BALLO DEL TEATRO ALLA SCALA

フロリアン・マニュネの名前が消えて、代わりにエルヴェ・モローの名前が入ってます。

プログラムを見ると、こうなっています。

Agnès Letestu - Hervé Moreau
Cenerentola 「シンデレラ」

Pas de deux - Atto II
Coreografia Rudolf Nureyev
Musica Sergej Prokof’ev

ということで、今度こそエルヴェが復活する可能性が高まったといえそうです。嬉しい知らせですね。

今度の東京バレエ団の「ラ・バヤデール」への出演をキャンセルしたレオニード・サラファーノフの名前はこちらには残っていますが、無事それまでには回復できると良いですよね。

2011/04/12

SWAN MAGAZINE Vol.23(2011春号)

SWAN MAGAZINE Vol.23(2011春号) が発売されました。

巻頭カラー 「エトワールに夢中」 はレティシア・プジョル。ちょうど今は、オペラ座の「ロミオとジュリエット」のジュリエット役でマチュー・ガニオと共演している頃です。(ゲネプロの写真はこちら) 昨年出産して年末の「白鳥の湖」で本格的に復帰した彼女、オデット/オディール役には35歳の初挑戦だったとのこと。若いエトワールという印象があったけど、スジェに昇格するのに6年かかったそうで。2日前にキトリ役を踊るようにといわれ、その舞台でエトワール昇進というのはドラマティックです。少女らしいかわいらしさとママの優しげなところを併せ持っているのが素敵ですね。

特集は「ラ・バヤデール」。今年1月の新国立劇場、2月の谷桃子バレエ団の公演レポート、そして今週に迫った東京バレエ団の公演のプレビューなのですが、残念ながら写真のフリーデマン・フォーゲルは幻となってしまいましたね。また、オリジナルのプティパ版、そこから発展していったヌレエフ版、マカロワ版の演出の違いなども解説。

「冬のロンドン・パリ紀行」では、ロイヤル・バレエの「シンデレラ」、パリ・オペラ座の「白鳥の湖」と「春の祭典」を中心に。「シンデレラ」はローレン・カスバートソンのおっとりとしたシンデレラがかわいいです。「春の祭典」は写真が凄い迫力。

ロイヤルの「シンデレラ」で主演した崔由姫(チェ・ユフィ)さんのインタビューも掲載されています。彼女はニキヤ役で主演デビューをしているので、ニキヤの写真もたくさん載っていますが、ジュリエットやジゼル役など、まだ実際には舞台では踊ったことのない役も踊れるよう、アンダースタディを務めているそうです。先日は韓国国立バレエのゲストで、オデット/オディール役も初めて踊って自信をつけたので、再びの「シンデレラ」も落ち着いて踊れたとのこと。昨年のロイヤル・バレエの来日公演では残念ながら彼女の出番はありませんでしたが、次回の来日公演ではおそらくプリンシパルに昇格しているであろう彼女の活躍、期待できそうですね。

また、SHOKO(中村祥子)さんの出産前後の手記が掲載されているので、これからママになる人にも、また彼女のファンにとっても興味深い読み物となっています。ジョン・クランコ・スクール時代の思い出もアルバムと共に語っています。

ABTの来日特別企画として、ディヴィッド・ホールバーグとシオラマ・レイエス インタビューも掲載。デヴィッドは、「ロミオとジュリエット」で共演するナタリア・オーシポワとのパートナーシップについて、シオマラはキトリとジュリエットの二つの役について語っています。無事にABTが来日してくれますよう、祈っています。


そして「SWANモスクワ編」では、「春の祭典」の乙女役で成功を収めた真澄。セルゲイエフ先生への想いを封じ込め、レオンとこれからどうなっていく?という彼女のうつろいゆく心理を細やかに描いています。リリアナの儚い美しさも印象的ですね。こちらの物語の展開も、次が待ちきれません。


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ハンブルク・バレエ2011/2012シーズン発表 Hamburg Ballet 2011/2012 Season

ハンブルク・バレエの2011/2012シーズンが発表されました。

http://www.hamburgballett.de/e/spielplan_11_12.htm

新作は2作品。1作品は、ノイマイヤーの新作「Liliom」で、Ferenc Molnárの戯曲に基づく作品。スコアはこの作品のためにミシェル・ルグランによって作曲されたもの。12月4日に初日を迎えるとのことです。初日の主演は、アリーナ・コジョカルがゲスト出演するとのことです。
http://www.hamburgballett.de/e/rep/liliom.htm

またもう1作品は、「Renku」という作品で、同バレエ団のソリストである大石裕香さんと、コール・ドのOrkan Dannによる、日本のいくつかの連句に振付けた作品となるとのことです。バレエ週間中の6月17日が初日。

http://www.hamburgballett.de/e/rep/renku.htm

また、リバイバル作品としては「マーラー交響曲3番」Third Symphony of Gustav Mahler と「人魚姫」The Little Mermaid があります。

他の上演作品は以下の通り

Lady of the Camellias 「椿姫」(ロベルト・ボッレ、アリーナ・コジョカルが客演) 10/1オープニング作品
Orpheus 「オルフェウス」(ロベルト・ボッレが客演)
Christmas Oratorio 「クリスマス・オラトリオ」
The Nutcracker 「くるみ割り人形」
A Midsummer Night's Dream 「真夏の夜の夢」
The Floating World – "Seven Haiku of the Moon" and "Seasons – The Colors of Time"「月に寄せる七つの歌」「時節の色」
Death in Venice 「ヴェニスに死す」
Chopin Dances – Choreography: Jerome Robbins ジェローム・ロビンス振付「コンサート」「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」
Saint Matthew Passion 「マタイ受難曲」
A Streetcar Named Desire 「欲望という名の電車」
Purgatorio (2011年6月26日初演作品)

また恒例のニジンスキー・ガラが7月1日に開催され、バレエ週間のゲストカンパニーはサンフランシスコ・バレエです。

それから、ツアーとして2011年10月にバーデン・バーデンで「月に寄せる七つの歌」「時節の色」および「オルフェウス」があり、「オルフェウス」にはやはりロベルト・ボッレが出演するとのこと。

http://www.hamburgballett.de/e/gastspiel.htm

もう一つツアーで気になるのは、2012年1~2月に詳細未定ながらアジアツアーが予定されていることです。2ヶ月にまたがっているということは、来日の可能性もあるのでは、と思うのですが、今の日本の不安定な情勢を考えると楽観視はできないかもしれません。

なお、ドイツの媒体ですが、大石裕香さんのインタビューが掲載されています。
http://www.gala.de/stars/interview/142521/Yuka-Oishi-Die-ersten-Monate-waren-hart.html

ハンブルク・バレエでは4月9日、10日に若手振付家のための夕べが開催され、彼女が振付けた作品も上演されるのですが、東日本大震災の被災者への祈りを込めた作品となるとのことです。来シーズンには大石さんの作品「Renku」が正式上演作品として上演されるとのことなので、振付家としても注目すべき存在となりつつあるのですね。

2011/04/11

続16・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

今日もまた大きな余震があり、原発の様子も予断を許さないという状況ですが、世界中で様々なチャリティイベントや支援の動きがあってありがたい限りです。

ダンソマニにこんなニュースが載っていました。ジョゼ・マルティネスが、各国のバレエ団からソリストたちが使ったサイン入りのポワントやバレエシューズを集め、日本の人々に義援金として提供できるように売り出すことを企画しているとのことです。提供できるバレエシューズを持っているダンサーは、8, rue Scribe, 75009 Parisのl'Opéra de Paris, José Martinez気付にて送ってくださいと書いてあります。また詳しいことがわかったらお知らせしますね。

José Martinez récupère des chaussons (pointes et demi-pointes) de solistes ou étoiles de grandes compagnies, usagés et surtout dédicacés. Une vente sera organisée au Japon afin de récolter des fonds.

Les chaussons sont à envoyer à l'Opéra de Paris, à l'attention de José Martinez (8, rue Scribe, 75009 Paris).

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ボリショイ・バレエの岩田守弘さんのブログでは、
http://ibashika.exblog.jp/16173663/

新しい芸術監督、セルゲイ・フィーリンと話をした時に
日本の震災に対して、ボリショイとして何かできる事が無いかと聞くと、
「大丈夫。その事ならもうやり始めているよ。」
という嬉しい返事。
ボリショイ劇場も震災をうけた皆様を応援しています。

ということで、こちらも続報を待ちましょう。

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4月10日には、ズービン・メータ指揮のNHK交響楽団「ベートーヴェン第九」のチャリティ公演があり、満席の大盛況だったようです。NHKのニュースで、リハーサル動画を見ることができます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110409/k10015195311000.html

この公演は、4月17日のNHK教育「N響アワー」にて第4楽章を中心にした抜粋、そして全編はBSプレミアムにて24日に放映されるとのことです。

*********

また、同じく4月10日にサントリーホールでリサイタルを開いたプラシド・ドミンゴは、被災地への思いを込めて、アンコールで日本の歌「ふるさと」を歌いました。

やはりNHKのニュース映像
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110411/k10015219601000.html

ドミンゴさん、被災者へ向け熱唱 日本語で「ふるさと」
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041001000569.html

ドミンゴ「日本に行くな」振り切り「故郷」
http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201104110026.html

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4月9日には、ニューヨークのジャパン・ソサエティ主催のチャリティ・イベント”Concert For Japan"が開催され、全12時間Ustreamされましたので、眠い目をこすってこの中継を見ていました。ルー・リード、ジョン・ゾーン、ローリー・アンダーソンという伝説のミュージシャンたちによるライヴは鳥肌が立つほど素晴らしかったです。
http://www.japansociety.org/event_detail?eid=10a81178

*********
ウィーンのフォルクスオパーでは、4月10日に「希望」Hoffnung Konzert für Japanと題した日本支援コンサートが行われました。スタッフに至るまで関係者は一切ギャラを受け取らずにすべて日本の赤十字に寄付したというものです。こちら「たまにはオーストリアちっく パート3」でレポートが掲載されています。
http://happawien.jugem.jp/?eid=901

*********
4月9日には、ヴェネチアのフェニーチェ歌劇場で東日本大震災の被災者に対する義援金集めのためのチャリティーコンサートが現地在住の日本人演奏家らが参加して開かれたそうです。

http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041001000014.html

当日のプログラム
http://bit.ly/eQgxRh
*********
スペインのバレンシア州立歌劇場で7日、被災者を支援しようと「頑張れ日本」コンサートが開かれました。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/04/09/kiji/K20110409000593070.html

スペインで本格的な支援コンサートが開かれるのは初めて。同州立管弦楽団所属の日本人コントラバス奏者、中田延亮さん(36)らが発案した。一律30ユーロ(約3600円)の入場料や募金で計約2万7000ユーロの義援金が集まり、日本に送られる。

 公演では、ソリストらがベルディ、プッチーニ、ロッシーニらのオペラ作品のアリアを次々と熱唱。岩手県出身の宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」が日本語とスペイン語で朗読された。

*********
チューリッヒ・オペラ劇場でも日本へのチャリティコンサートが4月12日に開催されます。
Konzert für Japan in der Tonhalle
http://www.opernhaus.ch/de/programm/detail.php?vorstellID=10339459

指揮はクリストフ・フォン・ドホナーニ、ユリア・フィッシャーをソリストに迎えてシベリウスのヴァイオリン・・コンチェルトとベートーヴェンの5番が演奏されます。

*********
最後にはやはり日本からのニュースを。

被災の仙台フィル、励まされ 励ます
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY201104110266.html

このブログでも何回かご紹介してきた仙台フィルの活動。その復興活動を支援する輪が各地で広がり始めたとの記事です。

 オーケストラ・アンサンブル金沢は18日午後7時、本拠地の石川県立音楽堂に仙台フィルの楽員約60人を招き「大震災からの復興支援コンサート」を開く。仙台フィルが正指揮者の山下一史とシベリウス「フィンランディア」などを演奏。後半はアンサンブル金沢のメンバーと合同で、井上道義の指揮でドボルザークの「新世界」を奏でる。入場料は5千円。収益は経費を除き、復興支援活動の資金として仙台フィルに渡される。

(中略)

指揮の山下は、仙台フィルの練習直前に地震に遭った。「このような状況下で一体音楽に何ができるのか、楽員たちと一緒に自問している。被災した方々と痛みを分かち合い、模索しながら真摯(しんし)に歩んでいくほかないのだと思う」

(中略)

仙台フィルは今や、被災地に行きたくともかなわない、すべての日本の楽団の代表だ。全国からの支援を励みに復興の響きの象徴となり、胸を張って新たな一歩を歩み出してほしい。(吉田純子)

********
日本フィルのメンバーは4月6日、福島県浪江町の町民の方々約1,500人が避難されている福島県二本松町東和地区を訪問し、演奏を行いました。
彼らの活動は、英国日本大使館、英国ジャパンソサエティによって支援されているPLAY FOR JAPANサイトに報告されています。
http://t.co/9FapnCS

日本人、非日本人にかかわらず、若者達が集まり、ソーシャルネットワークサービスと音楽、スポーツ、アートの融合を通して自ら支援コミュニティーを築き、ユニークな義援金調達の取り組みを行う、その運動を支援するポータル サイト、それがPlay for Japanです

Play for JapanはYouTubeにチャンネルを持っており、日本フィルのほか、吉田都さんや葉加瀬太郎さんの動画がアップされています。
http://www.youtube.com/user/PlayforJapan

2011/04/10

ロイヤル・バレエのアップル・ストアでのダンスイベント "The Royal Ballet Creates"

ロイヤル・バレエが今日4月9日(ちょうど今ですが)、コヴェント・ガーデンのアップルストアで、The Royal Ballet Createsというイベントを開催しています。

http://blog.roh.org.uk/?p=2478

ロイヤル・バレエのソリストで、振付家でもあるクリスティン・マクナリーが、バレリーナの群舞を登場させたカニエ・ウェストの「Runaway」のプロモーション・ビデオを見て、この映像でのバレリーナの使われ方が類型的過ぎると感じたことから始まったプロジェクトです。カニエ・ウェストのファンでもある彼女は、バレエのテクニックを使ってこんな作品も作れるのよ、と彼に提案。My Beautiful Dark Twisted Fantasyという彼の曲に合わせて作品を作っていく過程を、観客とインタラクティブにやり取りしていきながら見せるというイベントが実現しました。30分のセッションが3回開催されることになっています。

その経緯と、リハーサルの様子はThe Ballet Bagのエントリで見ることができます。
http://www.theballetbag.com/2011/04/07/kristen-mcnally-creates-kanye-west-apple-store-covent-garden/

クリスティンのほか、トーマス・ホワイトヘッド、ジョナサン・ワトキンス、ヤスミン・ナガディとジャクリーン・クラークの5人のダンサーが参加。誰でも自由に観覧できるイベントのようです。

そしてこのイベントの様子は、やはりロイヤル・バレエのファーストソリストであるベネット・ガートサイドが写真に収め、リアルタイムでFlikrにアップし、自身のTwitterでもレポートしています。写真を見ると、前記のダンサーのほか、平野亮一さんも参加していますね。
http://www.flickr.com/photos/roheducation/

ロイヤル・オペラハウスのTwitterでもライブツイートが上がってきていて、臨場感たっぷり。なんとも羨ましい気分になります。#kanyeballet
http://twitter.com/RoyalOperaHouse

先日ご紹介したシュツットガルト・バレエといい、従来のイメージを覆して、このように多くの人たちにバレエってこんな可能性があるんだって見せるイベントは、どんどん行ってほしいものですよね。

追記:このイベントの映像がYTにアップされていましたのでご紹介します。

2011/04/09

シュツットガルト・バレエ「椿姫」キャストほかいろいろ

なかなか発表されないなと思っていた、4月29日初日のシュツットガルト・バレエの「椿姫」ですが、ようやくキャストが出ました。びっくりするくらい豪華です。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

APR 29
Die Kameliendame
Ballett in drei Akten von John Neumeier nach dem Roman von Alexandre Dumas d.J.

Marguerite Gautier Sue Jin Kang
Armand Duval Marijn Rademaker
Manon Lescaut Alicia Amatriain
Des Grieux Filip Barankiewicz
Prudence Duvernoy Katja Wünsche
Gaston Rieux Jason Reilly
Olympia Anna Osadcenko
Monsieur Duval Rolando D'Alesio

スージン・カンのマルグリット、マライン・ラドマーカーのアルマンは予想通りでしたが、主役以外のキャストには驚かされました。マノン役にアリシア・アマトリアン、デ・グリュー役にフィリップ・バランキエヴィッチ、プリューデンスにカーチャ・ヴュンシュ、ガストンにジェイソン・レイリー、オランピアにアンナ・オサチェンコと7人もプリンシパルが出演しています。(でも、若手をもうちょっと観たかった気も・・・)

スージン・カンのマルグリットなどの写真はこちらのスライドショーで見ることができます。
http://content.stuttgarter-nachrichten.de/stn/page/1450788_0_9223_-sue-jin-kang-ein-bilderreigen-fuegt-sich-zum-buch.html?skip=1

シュツットガルト・バレエはその前に、明日4月9日には「ロミオとジュリエット」があり、そちらではエヴァン・マッキーのロミオ・デビュー、アンナ・オサチェンコのジュリエット・デビューがあります。さらに4月20日にはアレクサンダー・ジョーンズのロミオ・デビュー、ヒョ・ジュン・カンのジュリエット・デビューも。また4月12日の、マウロ・ビゴンゼッティ振付「I Fratelli(兄弟ー若者のすべて)」では、フィリップ・バランキエヴィッチがロッコ役でデビューします。

*******
先日もご紹介した、4月2日にデパートのファッションショーをダンス仕立てにしてシュツットガルト・バレエのダンサーが踊るというショーの様子が、YouTubeにアップされていました。振付はマルコ・ゲッケと、コール・ド所属のダンサーでもあるデミス・ヴォルピ。ダンサーとして参加しているのは、プリンシパルのウィリアム・ムーアとアンナ・オサチェンコ、ソリストのミリアム・サイモンとダミアーノ・ペテネッラ、コール・ドのダニエル・カマルゴほか。

さらにこのショーの様子は、スライドショーでも見ることができます。実際にデパートのショーウィンドーの中でダンサーが踊るという面白い趣向。こういう風にバレエを身近なものにしていく試みは、日本でも行われるといいですよね。

http://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.breuninger-stuttgarter-ballett-im-schaufenster.1a306331-76ce-407d-ac8e-d1834c7d4de1.html

2011/04/07

続15・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

何回か情報をお届けしてきた、パリ・シャンゼリゼ劇場での "Hope, Japan" チャリティガラが昨日(4月6日)開催されました。早速ニュースが掲載されています。

NHKのサイトでは、公演の模様を少し映像で見ることができます。シルヴィ・ギエムとニコラ・ル・リッシュの「アパルトマン」、ナタリー・デセイとローランド・ヴィリャソンのデュエットなど。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110407/k10015149171000.html

読売新聞 ケンゾー、アルゲリッチ…パリで日本支援公演
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110407-OYT1T00299.htm

共同通信 世界的芸術家が震災支援パリ公演 ピアニストらが集結
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040701000268.html

写真家で、ニコラ・ル・リッシュの写真集も出版しているAnne Deniauさんのブログに、この公演の様子がレポートされています。最後のニコラの笑顔がとても素敵。
http://annedeniau-atoutesprofondeurs.over-blog.com/article-r-like-remember-once-in-a-lifetime-the-meaning-of-humanity-71174138.html

追記:こちらのブログにも公演のレポートと写真が載っています。
http://www.dansesaveclaplume.com/post/2011/Hope-Japan-au-Th%C3%A9%C3%A2tre-des-Champs-Elys%C3%A9es

ダンソマニのフォーラムによれば、シルヴィ・ギエムは「アパルトマン」のほか、「Two」を踊り、ニコラ・ル・リッシュは「カリギュラ」の馬のソロを踊ったとのこと。またフォーサイス・カンパニーの島地保武さんが"I do not believe in Outer Space"というフォーサイスの作品を踊ったそうです。デセイとヴィリャソンは「ホフマン物語」からの曲を歌ったようですね。

また、この日の公演は、France2で4月11日か10日の深夜のいずれかで放映されるとのことです。
http://www.cinetelerevue.be/fr/japon-seisme-france2-soiree-tv.html?cmp_id=7&news_id=9724&vID=3

********
オランダ、アムステルダムでは、4月13日にNederland Helpt Japanというイベントがあります。
http://www.nederlandhelptjapan.nl/

サッカー、オランダリーグのAjax(アヤックス)と日本のJリーグ、清水エスパルスのチャリティマッチが行われます。試合だけでなく、歌のパフォーマンス、そしてオランダ国立バレエによるダンスパフォーマンスも行われる予定です。

この試合はスカパーで無料放送として生中継されるんですね。また、Ustreamでも生中継されるとのことです。
http://soccer.skyperfectv.co.jp/information/2011/04/sptv-07192948.html

■ 大会名: “HOLLAND HELPS JAPAN” AFC AJAX vs SHIMIZU S-PULSE
■ 対戦カード: 「アヤックス vs 清水エスパルス」 
■ 放送日: 2011年4月13日(水)(日本時間)深3:20~(予定)
■ 放送チャンネル: Ch.193(スカパー!HD)/Ch.183(スカパー!)/Ch.803(スカパー!e2)

********
なお、一つ明るいニュースとして、英国が渡航自粛先から日本を除外したとの情報が入ってきました。
英国、渡航自粛先から東京を除外 原発の危険性低下
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110407/erp11040712490004-n1.htm

これで、来月予定されているバーミンガム・ロイヤル・バレエの来日公演は無事行われる可能性が高まったと言えます。

そのバーミンガム・ロイヤル・バレエのツァオ・チーのインタビューがeplusのサイトに掲載されています。ちょうどこのインタビューを受けている3月11日、インタビューの最中に大地震が起きたとのことです。
http://classical.eplus2.jp/article/194719265.html

現在発売中のAERAにも、ツァオ・チーと佐久間奈緒さんのインタビューが掲載されていました。

2011/04/06

続14・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き

福島第一原子力発電所の状況はなかなか落ち着かず、さらには放射能に汚染された廃棄物を海洋投棄する事態にまでなってしまって、日本が世界に大迷惑をかけてしまって申し訳も立たないこの頃です。そんな中でも、日本の人々を気遣った応援やチャリティが世界中で行われていることは、ありがたい限りです。


NBSのサイトには、ジル・ロマンとシルヴィ・ギエムからお見舞いと応援のコメントが掲載されていました。

Gil Roman
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/renew/post-311.html

Sylvie Guillem
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-312.html

シルヴィ・ギエムのコメントでも紹介されていますが、4月6日、パリのシャンゼリゼ劇場で開催される東日本大震災チャリティ公演"Soirée pour le Japon"のポスターは、高田賢三さんによるもの。シルヴィ・ギエムのオフィシャルサイトのトップを飾っています。
http://www.sylvieguillem.com/

********

また、チャコットのダンスキュープには、先日のパリ・オペラ座のダンサーたちによるメッセージの第2弾が掲載されています。写真と直筆コメント入り。

http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/post-67.html

ジョジュア・オファルト、サブリナ・マレム、フローリアン・マニュネ、シリル・ミティリアン、ブリューノ・ブーシェ、ミュリエル・ジュルペルギー、バンジャマン・ペッシュ、マチュー・ガニオから。

さらに、バーミンガム・ロイヤル・バレエのイアン・マッケイ、佐久間奈緒さん、元ロイヤル・バレエのイヴァン・プトロフからも。

http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/post-66.html

*********
先日ご紹介した、ベルリン国立バレエにおけるBallet Helps Japanガラ(5月8日開催予定)は、出演者が追加されたようです。まだオフィシャルにはアップされていませんが、先日のメンバーに加え、
Victoria Tereshkina, Mariinsky Theatre ヴィクトリア・テリョーシキナ
Semen Chudin, Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Music Theatre セミョーン・チュージン
Isabelle Ciaravola, Paris Opera Ballet イザベル・シアラヴォラ
Anna Polikarpova, Hamburg Ballet アンナ・ポリカルポヴァ
Ivan Urban, Hamburg Ballet イヴァン・ウルヴァン
という5人のスターが追加されました。素晴らしいですね。ドイツ連邦のクリスチャン・ウルフ大統領からのメッセージも寄せられる予定とのことです。
http://www.staatsballett-berlin.de/de_DE/calendar/detail/9173318

また、3月22日にベルリン国立バレエの新装された練習場のお披露目式の際に行われた募金活動について、東京新聞に記事が掲載されています。

ベルリン バレエも支援の輪舞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/worldtown/CK2011040602000198.html

市長らのあいさつの後、バレエ団の芸術監督で、世界最高峰のダンサーでもあるウラジミール・マラーホフさんが壇上に立った。  「私の大好きな日本が今、悲劇に見舞われています。少しでも支援となるように協力をお願いします」  祝宴のテープカット前、出席者にわざわざ語りかけたのは、東日本大震災前の今年一月、公演で訪れた日本で温かく迎えられたことが心から離れなかったから。式典前に「日本へメッセージを」と聞くと、何十回も訪れた日本と、原発の惨事を経験した自分の出身国ウクライナへの思いを重ねたのか、胸を詰まらせ、口から言葉は出てこなかった。

*********
バイエルン国立歌劇場では、Konzert für Japanというコンサートが4月3日に行われました。ケント・ナガノの指揮によるブラームスのドイツ・レクイエムが演奏され、ロイヤル・オペラなどでも活躍する中村恵理さんが日本の唱歌を2曲歌いました。

http://www.bayerische.staatsoper.de/861-bXNnX2lkPTEzMDQ3-~Staatsoper~bso_aktuell~aktuelles_detail.html

*********

今日(4月6日)、ジェーン・バーキンが急遽来日し、渋谷クラブクアトロで緊急チャリティ無料コンサート「Together for Japan」を行いましたね。その様子はUStreamで生中継されましたが、素晴らしいコンサートでしたね。しかも自腹でこのコンサートのために日本に飛んでくれたというのだから凄いです。会場で受け付けた義援金は、Medecins du Monde (世界の医療団) を通じ、被災地の復興のために使われるとのことです。

http://www.cinematoday.jp/page/N0031448
http://www.ustream.tv/channel/jane-birkin

この復興支援イベントの趣旨に賛同した日本のアーティストたちが音楽、朗読、ダンスパフォーマンスなどで参加しましたが、その中で原田郁子さん(クラムボン)の歌に合わせて黒田育世さんもダンスを披露していました。

**********
東京・春・音楽祭にて4月10日(日)に東京文化会館大ホールにて開催される「~東北関東大震災 被災者支援チャリティー・コンサート~ズービン・メータ指揮/NHK交響楽団 特別演奏会」のベートーヴェン「第九」ですが、4月17日(日)21:00~21:57 NHK教育の「N響アワー」で放映されるとのことです。

ソリストも豪華です。

ソプラノ 並河寿美
メゾ・ソプラノ 藤村美穂子
テノール 福井 敬
バリトン アッティラ・ユン
ちょこっと劇場に行ってきますのmiyaさん、ありがとうございます)

***********
また、プラシド・ドミンゴは予定通り、4月10日、13日の「プラシド・ドミンゴ・イン・ジャパン2011」リサイタルに出演するとのことですが、公演サイトにて日本の人々へのメッセージを贈っています。
http://domingo2011.jp/

さらに、4月10日(日)のNHKホール公演の最後には、ドミンゴは日本への祈りをこめた1曲を演奏してくれるそうです。その模様はUSTREAMにて17時30分頃からインターネットライブ配信の予定だそうです。
http://www.ustream.tv/channel/placido-domingo-concert-in-japan-2011
にて。(こちらも、miyaさんからの情報です。ありがとうございます)

ノイマイヤーの「人魚姫」、サンフランシスコ・バレエでDVD化

サンフランシスコ・バレエのサイトにリリースが掲載されていましたが、ジョン・ノイマイヤー振付の「人魚姫」が、今年五月の同バレエ団公演の際に収録されます。収録された映像はアメリカのPBS、フランス、ドイツのarteなどで放映されるとともに、DVDそしてブルーレイ化されるとのこと。

http://www.sfballet.org/about/pressroom/pressreleases/view.asp?id=10193156

初演したハンブルグ・バレエのシルヴィア・アッツオーニの主演でないのは残念ですが、サンフランシスコ・バレエでのヤンヤン・タンの人魚姫も大変な評判を呼び翌シーズンでの再演も決まったとのことで、映像で観られることは楽しみです。

2011/04/05

東京バレエ団「ラ・バヤデール」ソロル役変更、フォーゲル&サラファーノフ降板

4月13日からの東京バレエ団「ラ・バヤデール」公演のソロル役で出演を予定していた、フリーデマン・フォーゲル(シュツットガルト・バレエ団)とレオニード・サラファーノフ(ミハイロフスキー・バレエ)が、来日することができなくなりました。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-310.html

フリーデマン・フォーゲルは、東日本大震災の影響によるドイツ政府の渡航自粛勧告を憂慮したシュツットガルト・バレエ団より許可が下りず、今回の来日を断念いたしました(フリーデマン・フォーゲルからのメッセージを下記に掲載いたします)。また、レオニード・サラファーノフは、リハーサル中に負った膝の怪我のため、3月末に予定されていたウィーン国立歌劇場での「ドン・キホーテ」に続き、今回の「ラ・バヤデール」も降板を余儀なくされました。

4月13日(水)と16日(土)には、オランダ国立バレエ団プリンシパルのマシュー・ゴールディング、4月14日(木)と17日(日)には、ノヴォシビルスク・バレエ芸術監督のイーゴリ・ゼレンスキーが出演することになりました。

サラファーノフがウィーン国立バレエの「ドン・キホーテ」を降板していたので、キャンセルはありそうだなって思っていたし、ドイツが日本への渡航自粛勧告を出していたので、フォーゲルもキャンセルになることは予想していたのですが、ゲストで来日してくれる人を見つけてきてくれるとは、NBSも頑張ったんですね。しかも、ゼレンスキーが来てくれるとは。ノヴォシビルスク・バレエの芸術監督でありますが、マリインスキーにもまだプリンシパルとしての籍は残っています。

また、フォーゲルの代役のマシュー・ゴールディングは、発売されたばかりのオランダ国立バレエの「ドン・キホーテ」(ラトマンスキー振付)のDVDに主演しており、最近プリンシパルに昇格したばかりの新鋭。ローザンヌ国際コンクールのスカラシップ、YAGPのグランプリと経歴も華やかでテクニックには定評があります。

原発の状態が不安定という本当に難しい状況の下、日本に来てくださるダンサーがいること、そして彼らを見つけてきてくれたNBSには深く感謝したいと思います。


オランダ国立バレエでの「ラ・バヤデール」のマシュー・ゴールディングの映像

なかなかかっこいいです~。観にいくことにしました。


こちらは今度発売になった、マシュー・ゴールディング、アンナ・ツィガンコワ主演の「ドン・キホーテ」です。ドリアードの女王役を踊るのがサーシャ・ムハメドフって、あのイレク・ムハメドフの娘さんです。キューピッドはマイア・マッカテリ、キトリの友達の一人がMaiko Tsutsumi さんです。

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ついでにで恐縮なのですが、17日(日)のキャストはソロル役以外も変更となっており、

http://www.thetokyoballet.com/news/?id=305

●4月17日(日)3:00p.m.

ブロンズ像:宮本佑宜
ラジャ:柄本武尊
大僧正:木村和夫

木村さんの大僧正が登場します!これは楽しみ!(もっと良い席を取ればよかったとちょっと後悔)

デンマーク・ロイヤル・バレエの2011/2012シーズン

この時期は、各劇場の来シーズンのラインアップ発表が集中する時期のようです。デンマーク・ロイヤル・バレエの2011/2012シーズンが発表されていたのでお知らせします。

(デンマーク語)
http://kglteater.dk/Forestillinger/Ballet.aspx

The Lesson/La Sylphide 17 September
「ザ・レッスン」(フリント)/「ラ・シルフィード」(ブルノンヴィル)2011 9/17~

Bournonville Fantasi/Donizetti Variations/Etudes 30 September 
「ブルノンヴィル・ヴァリエーション」「ドニセッティ・ヴァリエーション」(ブルノンヴィル)「エチュード」(ランダー)2011 9/30~

The Concert/The Cage/Other Dances/West Side Story Suite 29 October
「コンサート」「ザ・ケージ」「アザーダンス」「ウェスト・サイド物語組曲」(ロビンス) 2011 10/29~

Nutcracker (Balanchine) 3 December
「くるみ割り人形」(バランシン) 2011 12/3~

A Folk Tale 19 January
「A Folk Tale」(ブルノンヴィル) 2012 1/19~

The Lesson/The Concert 29 February
「ザ・レッスン」「ザ・コンサート」 2012 2/29~

The Lady of the Camellias (Neumeier) 30 March
「椿姫」(ノイマイヤー) 2012 3/30~

Apollo/Agon/Symphony in Three Movements 27 April
「アポロ」「アゴン」「シンフォニー・イン・フリー・ムーヴメント」(バランシン) 2012/4/27~

Monolith
「モノリス」(ティム・ラシュトン) 2012/5/10~12


ノイマイヤーの「椿姫」はデンマーク・ロイヤル・バレエでの初演となるとのことです。
http://kglteater.dk/Alle_forestillinger/11_12/Ballet/Kameliadamen.aspx

ゲスト・カンパニーとしては、2011年10月にバレエ・プレルジョカージュが「千年の平穏が続く」(ボリショイ・バレエとの共同制作作品)を持って来るとのこと。

また、残念なことに、プリンシパルのクリストファー・サクライとヤオ・ウェイが退団し、二人ともダンサーを引退するとのことです。

2011/04/04

ベルリン国立バレエの 2011-2012シーズン

ちょっと報告が遅くなってしまいましたが、ベルリン国立バレエの 2011-2012シーズンプログラムが発表されていました。

シーズン・パンフレットがPDFでダウンロードできますが、かなりファイルサイズが大きいです。表紙はかなりドッキリなマラーホフの美しいお姿です。
http://www.staatsballett-berlin.de/en_EN/service/publication


2011年9月28日 於) Deutsche Oper
シーズン・オープニング・ガラ

2011年10月2、7、13、16、21、25日 於) Deutsche Oper
『La Esmeralda エスメラルダ』 (振付: ユーリ・ブルラーカ、原振付: マリウス・プティパ、アグリッピーナ・ワガノワ)

2011年10月5日、12日、11月7日、13日(昼夜公演)、12月15日、2012年1月6日、11日、3月1日、5日、20日  於) Komische Oper
『Oz - The Wonderful Wizard オズの魔法使い』 (振付: ジョルジオ・マギナ)

2011年10月15日、20日、22日、23日、2012年3月23日、4月12日 於) Schiller Theater
『Caravaggio カラヴァッジョ』 (振付: マウロ・ビゴンゼッティ)

2011年11月5日、10日、12日、12月1日、8日、20日、27日、30日 於) Deutsche Oper
『La Péri  ラ・ペリ』 (振付: ウラジーミル・マラーホフ)

2011年11月18日、20日、25日、28日、29日、 於) Deutsche Oper
『Peer Gynt ペール・ギュント』 (振付: ハインツ・シュペルリ)

2011年12月6日、9日、16日、25日(昼夜公演)、28日、2012年1月1日、2日、8日、12日、20日、25日 於) Deutsche Oper
『SCHWANENSEE 白鳥の湖』 (振付: パトリス・バール、原振付: マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ)

2012年1月30日、31日、2月5日、14日、16日、24日、25日、28日、3月4日 於) Schiller Theater
『Symphony of Sorrowful Songs 悲歌のシンフォニー』 (振付: ロナルド・ザコヴィッチ)

2012年2月9日、12日、17日、3月2日、4月6日、9日、5月8日、18日、6月15日、17日 於) Deutsche Oper
『ROMEO UND JULIA ロミオとジュリエット』 (振付: ジョン・クランコ)

2012年3月6日、9日、21日、29日、4月11日 於) Deutsche Oper
『SCHNEEWITTCHEN 白雪姫』 (振付: アンジェラン・プレルジョカージュ)

2012年4月27日、29日、5月1日、4日、5日、17日、19日、6月2日 於) Schiller Theater
「DUATO | FORSYTHE | GOECKE ドゥアト/フォーサイス/ゲッケ」
「ARCANGELO アルカンジェロ」/「HERMAN SCHMERMAN ヘルマン・シュメルマン」/マルコ・ゲッケによる新作

2012年5月9日、11日、12日、24日、27日 於) Schiller Theater
『ONEGIN オネーギン』 (振付: ジョン・クランコ)

2012年6月1日、3日(昼夜公演)、14日、22日、25日 於) Komische Oper
『Familiar Stranger』 (振付: イツィク・ガリリ) *新作


全幕の新作はイツィク・ガリリ(イスラエルの振付家で、「モノ・リサ」をシュツットガルト・バレエに振付けている)の作品。短編の新作としては、やはりシュツットガルト・バレエの常任振付家であるマルコ・ゲッケの新作。カンパニー新制作としては、チューリッヒ・バレエで初演されてDVD化もされているハインツ・シュペルリの「ペール・ギュント」と、クランコ振付の「ロミオとジュリエット」。また、現シーズンの新作である「オズの魔法使い」「悲歌のシンフォニー」の再演もあります。全体的にとても魅力的なラインアップだといえます。

また、ゲストカンパニーとしては、2012年4月にエイフマン・バレエが「オネーギン」と「アンナ・カレーニナ」を上演するとのことです。

2011/04/02

ベルリン国立バレエで東日本大震災チャリティガラ開催 Ballet Helps Japan Internationale Charity-Gala

ベルリン国立バレエで、5月8日に東日本大震災チャリティガラが開催されることになりました。ウラジーミル・マラーホフが集めた出演者が大変豪華です。

http://www.staatsballett-berlin.de/de_DE/calendar/detail/9173318

Ballet Helps Japan Internationale Charity-Gala

Vladimir Malakhov, Staatsballett Berlin
Beatrice Knop, Staatsballett Berlin
Dmitry Semionov, Staatballett Berlin
Nadja Saidakova, Staatballett Berlin
Elisa Carillo Cabrera, Staatsballett Berlin
Mikhail Kaniskin, Staatsballett Berlin
Svetlana Zakharova, Bolshoi Theatre Moscow
Dmitry Gudanov, Bolshoi Theatre Moscow
Svetlana Lunkina, Bolshoi Theatre Moscow
Ikue Shiga, Tokyo City Ballet
Huang Kai, Tokyo City Ballet
Constantine Allen, Stuttgart Ballet, John Cranko School
Gustavo Echevarria, Stuttgart Ballet, John Cranko School
Roberto Bolle, Balletto di Scala di Milano
Lucia Lacarra, Bayerisches Staatsballett München
Marlon Dino, Bayerisches Staatsballett München
Alexander Stoianov, National State Opera of Ukraine, Kiev
Anna Dorosh, National State Opera of Ukraine, Kiev
Ludmila Konovalova, Ballett der Wiener Staatsoper

このほかにも、ABT、NYCB、パリ・オペラ座のダンサーが出演するとのこと。

一番びっくりしたのが、スヴェトラーナ・ザハロワの名前があることで、え、もう産休から復帰なのかしら、と驚きました。日本からは東京シティバレエの志賀育恵さんと黄凱さんが出演するんですね。そのほかにも、ロベルト・ボッレ、スヴェトラーナ・ルンキナ、ドミトリー・グダーノフ、ルシア・ラカッラが出演ということで、マラーホフの人脈の豊富さに驚かされた次第です。アーティストはノーギャラでの出演だそうです。

ジョン・クランコ・スクールのコンスタンティン・アレンは今年のベルリンのコンクールで優勝した、前途有望な生徒ですね。YAGPでも受賞歴があります。

追記:4月30日現在の出演者


Carlos Acosta (Royal Ballet London, Principal)
Michael Banzhaf (Berlin State Ballet, First Solist)
Ashley Bouder (New York City Ballet, Principal)
Jiri Bubenicek (Semperoper Ballet Dresden, Principal)
Otto Bubenicek (Hamburg Ballet, Principal)
Elisa Carrillo Cabrera (Berlin State Ballet, First Solist)
Isabelle Ciaravola. (Opera National de Paris, Etoile) **
Marlon Dino (Munich State Ballet, Principal)
Olga Esina (Vienna State Opera Ballet ,Principal)
Julien Favreau (Bejart Ballet Lausanne, Principal)
Mathieu Ganio (Opera National de Paris, Etoile) **
Dimitri Gruzdev (English National Ballet, Principal)
Mikhail Kaninskin (Berlin State Ballet, Principal)
Maria Kochetkova (San Francisco Ballet, Principal)
Igor Kolb (Mariinsky Theatre, Principal)
Elena Kuzmina (Eifman Ballet of St.Petersburg, Principal)
Lucia Lacarra (Munich State Ballet, Principal)
Roman Lazik (Vienna State Opera Ballet, Principal)
Andrey Merkuriev (Bolshoi Theatre, Leading Soloist)
Shoko Nakamura (Berlin State Ballet, Principal)
Femanda Oliveira (English National Ballet, Principal)
Sergei Polunin (Royal Ballet London, Principal)
Marijn Rademaker (Stuttgart Ballet, Principal)
Kateryna Shalkina (Bejart Ballet Lausanne, Principal)
Friedemann Vogel (Stuttgart Ballet, Principal)
Igor Zelensky (Mariinsky Theatre, Principal)

続13・震災とパフォーミングアーツ界関連の動き/仙台フィル/森山開次ほか

正式に「東日本大震災」という名称に決まった今回の震災。被災されたみなさんをサポートするための動きを引き続きレポートしていきます。

その中でも、バレエではないのですが、実際に被災した側が被災者をサポートしているということで見逃せないのが仙台フィルの動き。

http://www.sendaiphil.jp/news/index.html

「仙台フィルによる復興コンサート『鎮魂、そして希望』第2弾」として仙台で4月5日から連続37日間「マラソンコンサート」公演活動を続ける一方、4月20日にはサントリーホールで「東北応援チャリティ・コンサート ~仙台フィルとともに~」を開催します。

このチャリティコンサートは、日本を代表する演奏家が全員、無償で出演し、公演開催に関する経費を差し引いた入場料収入はすべて寄付されます。その半分を仙台フィル自らが被災地をめぐって音楽を届ける「復興コンサート」の活動資金に充て、残り半分は日本赤十字社を通じて被災地に寄付されるとのことです。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110401/ent11040114540013-n1.htm

東北応援チャリティ・コンサート ~仙台フィルとともに~

http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/perform/list1104.html#P21M3

・曲目
モーツァルト: フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299から第1楽章
マスネ: タイスの瞑想曲
J.S.バッハ: 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043から第1楽章
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64から第1楽章
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18から第2・第3楽章
ブラームス: ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 op.102から第1楽章
ベートーヴェン: 交響曲第7番(全曲)

・指揮
広上淳一、山下一史

・出演
小山実稚恵(Pf)、漆原朝子、加藤知子、高嶋ちさ子、徳永二男、三浦文彰(Vn)、堤 剛(Vc)、高木綾子(Fl)、吉野直子(Hrp)、山口綾規(Org)

・演奏:仙台フィルハーモニー管弦楽団、在京音楽家有志による合同オーケストラ

・開演 18:30
・料金 指定5,000 (4月5日一般発売)
・問合せ AMATI 03-3560-3010
・チケット 電話申込:サントリーホールチケットサービス
WEB:チケットぴあ:

仙台フィル コンサートマスター 神谷未穂さんインタビュー
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110330/ent11033016090016-n1.htm


一方、クラシック音楽会のみならず全音楽ジャンルを巻き込んだ、こんなチャリティコンサートもあります。

「全音楽界による音楽会」東北関東大震災チャリティコンサート
http://t.pia.jp/feature/classic/charity/charity.html

・曲目
・三枝成彰:震災のためのレクイエム
・グノー:アヴェ・マリア(ソロ:池田理代子)
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番より 第2楽章(ピアノ:小林研一郎)
・シベリウス:交響詩「フィンランディア」 op.26
・アイルランド民謡:ダニーボーイ
・チャイコフスキー:序曲「1812年」変ホ長調 op.49他

・出演
小林研一郎、大友直人(指揮)
小川里美(S)、奥村愛(Vn)、小原孝、神谷郁代(Pf)、川井郁子(Vn)、熊本マリ(Pf)、小林沙羅、佐藤しのぶ、佐藤美枝子(S)、佐野成宏(T)、塩田美奈子(S)、清水和音(Pf)、千住明(Com)、千住真理子(Vn)、堤剛(Vc)、仲道郁代(Pf)、中丸三千繪(S)、ジョン・健・ヌッツォ(T)、長谷川陽子(Vc)、林美智子(M-s)、福島明也(Br)、外囿祥一郎(ユーフォニウム)、松本蘭(Vn)、三浦友理枝(Pf)、村治佳織(Guit)、石井竜也、ル・ヴェルヴェッツ、大貫妙子、クミコ、coba、小林幸子、姿月あさと、平原綾香、森山良子
三枝成彰、林真理子、茂木健一郎、山田邦子、湯川れい子(トーク)
・合唱
神楽坂女声合唱団と仲間たち、スター混声合唱団、湯川れい子・亀渕友香・池未信とその仲間クワイヤー、六本木男声合唱団倶楽部
・演奏
コバケンとその仲間たちオーケストラ、東北関東大震災チャリティコンサート有志オーケストラ

・開演 17:30
・料金 全席指定無料 (4月5日受付開始、1申込み4枚まで) 入場時にお一人10,000円以上の義援金を申し受けます。※サントリーホールチケットセンターでの取り扱いはありません。
・問合せ
【チケット発売】 4月5日(火)10:00より受付開始
チケットぴあ WEB受付サイト 電話受付 0570-02-9565(音声自動応答)
チケットぴあ 問合せ 0570-02-9111

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森山開次さんのメールマガジンから。

地震直後から日々連絡をとりあい、ともにできることを模索していたコスチュームアーティストのひびのこづえさん、
音楽家の川瀬浩介さんとともに、
まずは今、ここ東京でできることから。
昨年12月の「LIVE BONE」をバージョンアップ、
永遠に紡がれていく命、再生への希望をこめたパフォーマンスを行います。

スパイラル「アートのちから」内ダンスパフォーマンス
森山開次(ダンス)×ひびのこづえ(衣裳)×川瀬浩介(音楽) 
2011年4月17日(日)14:00開演予定
会場:スパイラルガーデン(表参道スパイラルビル1F)
http://www.spiral.co.jp/

※開演時間が変わることがあります。
正式な詳細は近日中にスパイラル公式サイト、当メルマガおよび森山開次ホームページにて発表しますので、
再度ご確認の上ご来場ください。

※会場に義援金募金箱が設置される予定です。集まった義援金は日本赤十字社を通じ被災地の皆さまへ送付されます。

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海外での動きは、なかなか全部は追い切れませんが、いくつかご紹介します。

ニューヨークでは、現地で活躍する日本人ダンサーを中心にしたプロジェクト「Dance Project New York (DPNY) 」が“DANCE for JAPAN”,という公演を4月16日に開催します。場所はブルックリンのマーク・モリス・ダンスセンター。
http://www.dpny-us.org/#!__dance-for-japan
日本語サイトはこちら http://www.bway.name/dpny/menu.htm

出演はABTの加治屋百合子さんをはじめ、瀬河寛司さん、Limon Dance Company、Mark Morris Dance Group, Cedar Lake Contemporary Balletの日本人ダンサーほか、またアメリカン・バレエ・シアター付属ジャクリン・ケネディ・オナシス・スクールの生徒たちなどが出演するとのことです。入場料は無料ですが35ドル以上の寄付をお願いしたいとのこと。寄付金は100%、ジャパン・ソサエティが設立した東日本大震災基金に寄せられるとのことです。

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鑑賞生活日記のエントリで教えていただきましたが、3月27日にサンクトペテルブルグ州立大学において、東日本大震災の犠牲者を支援するチャリティーコンサートが行われたとのことです。

こちらの記事(ロシア語)に内容が載っています。
http://www.iskusstvo-tv.ru/News/2011/03/27/v-sankt-peterburge-proshel-blagotvoritelnyi-vecher-v-podderzhku-postradavshix-v-yaponskoi-tragedii

それによると、バレエ界からはディアナ・ヴィシニョーワとイーゴリ・コールプが「白鳥の湖」からアダージオを踊ったとのこと。当初ヴィシニョーワは挨拶を言うだけの予定だったのが、急遽踊りも見せてくれることになったとか。映画監督アレクサンドル・ソクーロフが日本を撮影した映画「オリエンタル・エレジー」も上映されたそうです。

ヴィシニョーワは震災以来、日本の被災者を支援するための機会がないか探していたとのことで、当初義援金を集めるためのガラを企画したいと考えていたそうです。スケジュールがタイトでなかなか実現するのが難しそうだったときに、ちょうどこの機会に招待されたとのことで、踊りを見せることになったそうです。「日本の人々のためにできることとしては本当に小さなこと、やりたいことのほんの一部だけど、真心を込めて行います」と彼女は語ったとのこと。

そのときの写真なども。
http://interpress.ru/index.php?page=group&group_id=27326

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ジャパンアーツでは、オフィシャルのFacebookサイトで、所属アーティストのチャリティ活動やメッセージを数多く伝えています。ピアニストの小川典子さんが3月30日ロンドン・キングスプレイスにて、東北関東大震災被災地への義援金支援を呼びかけるコンサートを行ったことなど。

http://www.facebook.com/japanarts

その中で、4月1日の新聞に掲載された広告が紹介されています。「私たちは日本を応援しています」と、ワレリー・ゲルギエフ、ニーナ・アナニアシヴィリ、プラシド・ドミンゴをはじめとする錚々たるアーティストたちからのメッセージが掲載されています。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 追加公演/レニングラード国立バレエからのメッセージ

5月に来日予定の英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ですが、「真夏の夜の夢」&「ダフニスとクロエ」の追加公演が決定したとのことです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-308.html

 この公演は東北関東大震災 被災地復興支援のチャリティー公演として実施し、収益の一部を今回の震災への義援金として、日本赤十字社を通じて被災地にお届けします。また、公演会場には、募金箱を設置させていただきます。


英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 ~チャリティー公演~
「真夏の夜の夢」&「ダフニスとクロエ」


■公演日程:5月17日(火)6:30p.m.
■会場:ゆうぽうとホール
■入場料(税込)
S=¥18,000 A=¥16,000 B=¥14,000 
C=¥10,000 D=¥8,000
※未就学児童のご入場はお断りします。

■出演者
「真夏の夜の夢」 
タイターニア:吉田都、オベロン:セザール・モラレス
「ダフニスとクロエ」 
クロエ:ナターシャ・オートレッド、ダフニス:ジェイミー・ボンド
■指揮:ポール・マーフォ/フィリップ・エリス
■演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
■前売開始日:4月23日(土) 10:00a.m.より

■前売券(下記発売所で限定発売)
❑NBS WEBチケットサービス  
※先行抽選予約(S~D券) 受付期間:4月14日(木)10:00~4月19日(火)18:00
❑e+(イープラス)   
http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
※プレオーダー :4月14日(木)~4月19日(火)
❑電子チケットぴあ 
0570-02-9999/http://pia.jp/t/ (PC&携帯) [Pコード:411-900]
※プレリザーブ:14月14日(木)~4月19日(火)

*4月30日(土)以降、残席が出た場合にはNBSチケットセンター(TEL03-3791-8888)でもお取り扱いいたします。


震災&原発事故の影響で来日公演のキャンセルが続いているこのごろですが、この時期に追加公演をしてくださるという決断は嬉しい限りです。
震災が起きたとき、ちょうどデヴィッド・ビントレー芸術監督が新国立劇場バレエ団のリハーサルのために来日しており、また佐久間奈緒さん、ツァオ・チーも公演のプロモーションのために来日していて、震災が他人事ではないと感じてくださったのかもしれません。


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光藍社さんのサイトには、ファルフ・ルジマトフとレニングラード国立バレエ(ミハイロフスキー劇場)のスタッフとダンサーたちから日本へ向けてのメッセージも掲載されていました。

ファルフ・ルジマトフ
http://www.koransha.com/news_performance/news/110401message_ruzi.html

レニングラード国立バレエのメッセージ
ウラジーミル・ケーフマン(劇場総裁)/アンドレイ・クリギン(バレエ・ディレクター)
イリーナ・ペレン&マラト・シェミウノフ
ミハイル・シヴァコフ
タチアナ・ミリツェワ
アントン・プローム&ダリア・エリマコワ

http://www.koransha.com/news_performance/news/110401message_ledballet.html

毎年日本にツアーに来てくださって、被災した仙台などでも公演を行っている彼らにとって、やはり今回の震災は心を痛めることだったようです。心のこもったメッセージが掲載されています。

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