シュツットガルト・バレエのチケット購入方法他Tips
最近、シュツットガルト・バレエを観にいきたいのだけどチケットはどうやって買うことができますか?という質問をメールで受けることが多いので、ご参考までにいくつかのコツをお知らせします。
シュツットガルト・バレエのオフィシャルサイト
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/start.htm
英語版もあります(ただしドイツ語版のほうが情報がアップデートが早いです)。
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/english/start.htm
スケジュール(トップページから、Spielplanをクリックします)
http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/
このスケジュールに掲載されている演目が、現在チケットが発売中の演目です。
各演目の下に「Online kaufen」と書いてあれば、オンラインで座席を選んでチケットを購入することができます。座席をネットで選んで買えるようになるのは、公演の一ヶ月前です。
「ausverkauft – Eventuell Restkarten an der Abendkasse」と書いてある場合には、ネット上では売り切れなので、ボックスオフィスに直接問い合わせてください、という意味です。
公演1ヶ月前になって、「Online kaufen」が出ていたら、この「Online kaufen」の文字をクリックすると、チケット購入ページになります。(それからはドイツ語との格闘となるので、自動翻訳等を使ってがんばってください)
一応劇場のサイトに、英語でのチケット購入についての説明のページはあります。(電話、FAXでの購入も可能とのこと)
http://www.staatstheater.stuttgart.de/allgemein/english/karten/
ただし、実際にはチケットの発売は2ヶ月前です。2ヶ月前の時点では、席は自分では選べません。きっかり2ヶ月というわけではなく、上記Spielplanのページに演目が載った時点で発売開始です。演目の下に「Karten bestellen」と出ていたら、この「Karten bestellen」をクリックして、購入ページに飛びます。すると、該当演目の題名、公演日などは自動的に出てきますので、一番下のWEITERというボタンをクリックして次のページに行きます。
2ヶ月前の時点では席は選べませんが、一番上から、枚数、それから入手可能な中でベストのカテゴリの席を選ぶかどうか、もしくは希望のカテゴリを選びます。その次の設問は、複数枚買う場合に隣同士の席でなくてもいいかどうか、ということを聞いています。最後に、舞台の一部が見えない席しか残っていない場合、その席でも買うかどうかという設問で Ja(はい)もしくはNein(いいえ)を選びます。一番下のWEITERというボタンをクリックして次のページに行きます。
このページには、個人情報を入力します。以前は日本までチケットを送ってくれたのですが、今は当日にボックスオフィスでメールのプリントアウトを見せて引き取ることしかできなくなりました。
ZAHLUNGSWEISE というのが支払方法で、日本からだと通常はクレジットカードですよね。ということでBezahlen per Kreditkarte und Karten zusendenを選び、クレジットカードの番号、有効期限、名義等を入力します。一番下のWEITERというボタンをクリックして購入が完了します。ただし、席が取れたかどうか、そして席がどこが割り当てられたかは、公演の一ヶ月前にメールで連絡が来ますので、それまではわかりません。(1ヶ月前になって、席を用意することができませんでしたというメールが来ることがあります!)
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シュツットガルト州立劇場はそれほど大きな劇場ではなく、観客は固定客が多いです。したがって、人気のある演目の場合、1ヶ月以上前に購入手続きをしても売切れてしまっていることがあります。やはりクランコの作品(特に「ロミオとジュリエット」「オネーギン」「じゃじゃ馬ならし」)と、古典は売れ行きが早いので要注意です。今シーズンは、クランコ、ファン・マーネン、ベジャールのミックスプロも早々に売り切れました。売り切れの場合でも、戻り券が出ることは往々にしてありますので、あきらめずにサイトをチェックしてみてくださいね。
また、キャストについてですが、キャストが発表されるのが非常に遅く、最悪の場合、数日前にキャストがサイトで発表されるなんてこともありますので、キャスト発表を待っているとチケットがなくなってしまうという事態になったりします。なので、かなり不都合な感じではあります。好きなキャストでなくても、公演を楽しむくらいの心がけで出かけられることをお勧めします。運がよければ1ヶ月前くらいに発表されることもあります。ダンサー本人にしても、自分がいつ出るのかなかなかわからないそうですから。
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劇場の構造についてお話します。座席数は1.404席で、さほど大きな劇場ではありません。4階席までありますが、正面の席である限り、4階の最後列でもそれほどの距離を感じずに観ることができます(経験あり)。ただ、ヨーロッパのオペラハウスではありがちなことですが、サイドのバルコニー席の中では、まったく舞台が見えない席もありますので、気をつけてください。平土間も列の数が少ないので、後ろの方でもよく見えますが、例によって段差が少ないので、どこの席でも前の人の頭が気になってしまうことでしょう。特にドイツ人は大柄な人が多いですから。最前列は、しっかりポアントの先まで見えます。
4階最後列端っこからの舞台の眺めはこんな感じ。ちなみに8ユーロという激安価格です。(その割には良く見えた)
なお、コンテンポラリーの新作の場合、Schauspielhausという、オペラ劇場の並びにある中劇場で上演されることが多かったのですが、現在Schauspielhausは改装工事のため、今年の秋までクローズしており、代わりに、演劇で使われているKammertheaterという200席の小劇場で行われることがあります。(Kammertheaterは、劇場の裏にある州立美術館の敷地内にあります)
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この劇場の特色のひとつとして、幕間にダンサーによるサイン会が行われることが挙げられます。2階のホワイエの下手寄り、物販コーナーで衣装のままのダンサーがサインをしてくれます。「オネーギン」の場合は2回目の休憩でレンスキーとオリガ、「ロミオとジュリエット」ではマキューシオやティボルト、パリス役のダンサーがサインをしたりしますから、プリンシパルのサインをもらえるという幸運に預かれるかもしれません。たいていの場合、パンフレット、もしくはキャスト表(今シーズンからキャスト表は有料になってしまいました。クロークで買うことができます)にサインをもらうことになりますが、物販コーナーで売っているパンフレットにもサインしてくれます。言えば写真も撮らせてくれます。日本のように行儀よく並んで、という感じではなく、かなりカオスな状況になっていますが、係員の人が慣れていてうまく捌いてくれます。
その日サイン会をするダンサーの写真がこんな感じで張り出されます。
クロークは座席により決まっており、奇数席は下手、偶数席は上手のクロークを利用し、クロークは階ごとにあります。クロークでパンフレットやキャスト表も売っています。(プログラムは5ユーロ、キャスト表は2ユーロ。ただしパンフレットを買えばその日のキャスト表はついてきます)客席への入り口も、席番号ごとに決まっており、開演前10分くらいにようやく係員が鍵を開けて席に案内してくれます(チップは不要)
これまたヨーロッパの劇場では良くあることですが、お手洗いの数が極端に少ないです。1階の場合、女性用のお手洗いは上手側は2つ、下手側は3つしかありません。でも、外国人の方は日本人と体の構造が違うのか、日本の劇場のようにものすごい人数が並ぶということにはなりません。
ホワイエやボックスオフィスの近くに、State Theatre Journalという無料の冊子や、公演宣伝用のポストカードが置いてありますので、お土産として持って帰るのも良いでしょう。物販は、パンフレットのほか、イヤーブック、ポストカード、Tシャツ、エコバッグ、カレンダーなどがあります。
客層は年配の方が多く、ドレスアップしている人は少ないですがきちんとした小奇麗な服装の方が多いです。もちろん、マチネ公演や「眠れる森の美女」のような演目では子供の姿も目に付きますが。シュツットガルトはベンツ、ポルシェ、ボッシュの本社があり潤っている自治体であるため、裕福そうな感じの方が多いです。
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コメント
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naomiさん、詳しく教えて下さってありがとうございます。私も次のシーズンはシュツットガルトやハンブルクに行ってみようと思っていますので、大変参考になりました。それにしても、チケット買いにくそうですね・・・。ドイツ語が出てきた瞬間にああああ・・・とあきらめてしまいそうでしたが、教えていただいたものを胸に頑張ってみます。それにしても大学時代ドイツ語選択だったのですが全部忘れてしまいました。ミラノスカラ座とかの方が英語バージョンがしっかりしていて、キャスト発表も早いし買いやすい感じですよね。シュツットガルトは「外国からの観客」をそんなに想定していないんでしょうね。
バレエ観賞を古典物からスタートしましたが椿姫でノイマイヤーが好きになり、もっと物語バレエを観たくなりました。次はオネーギンやマノンに行きたいと思っていますが、パリオペラ座で来シーズンに予定されているようなので楽しみにしています。またnaomiさんお勧めの演目など色々教えて下さいね!
投稿: ぶうた | 2011/03/08 11:14
ぶうたさん、こんばんは。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
そうなんです、チケットがとても買いにくいのが難点です。私はシュツットガルトは今まで7回行っているので、ようやくコツがつかめてきたのですが、それでもキャスティングの法則だけは如何ともしがたく、オフィシャルサイトをこまめにチェックするしかないって感じです。
私も大学時代、第二外国語でドイツ語を勉強しましたが、きれいさっぱり忘れてしまいました。ドイツ自体はどこでも英語が通じるし、シュツットガルト・バレエにはドイツ人の団員が4人しかいなくて(うち二人がプリンシパル)公用語も英語のようなので、ドイツ語はいまだ挨拶程度しか話せません。
そして、シュツットガルト・バレエは観客動員率が年間を通して80%以上で(コンテンポラリーの新作も多い中でこの数字は凄いと思います)ほとんどが地元の観客なので、海外からの観客はあまり想定してないようですね。リッチな地元民に支えられているバレエ団なので。ハンブルク・バレエのほうがサイト等もう少し英語の情報が多いですが、やはり同じくチケット購入ページはドイツ語のみだったと記憶しています。スカラ座やオペラ座は観光客も多いですからね。
確かに来シーズンのパリ・オペラ座の演目はかなり魅力的ですよね。シーズン自体、物語バレエがテーマとなっているとのことですし。シュツットガルト・バレエは新作でも全幕で物語バレエを上演したりしており、あたりはずれが少ないので全体的になんでもお勧めできると思います。
投稿: naomi | 2011/03/10 01:27
数ヶ月前、「このGWはヨーロッパでバレエを見ようと計画中」と書いた私です。
4月29日の椿姫のチケットをWebから予約して、返事を待ってるところです。
1ヶ月前にならないと結果がわからないなんて、もどかしいです。
チケットはやっぱり送ってくれないんですね。残念。
去年のバイエルン歌劇場バレエは送ってくれたんですが・・・
30日にはパリに移動して、ヌレエフのロメオとジュリエット、5月3日には
ロンドンでシンデレラを見るチケットは早々に確保してあります。
投稿: さえ | 2011/03/11 23:30
さえさん、こんばんは。
私も4月29日の椿姫のチケットを予約しています。今からの予約だったら、取れていると思いますけどね。以前は日本まで郵送してくれていたのですが、してくれなくなりました。
私の予定は、28日にバイエルンで「幻想 白鳥の湖のように」(これも現地ピックアップ)、5月1日にウィーンで「ドン・キホーテ」、4日に再びシュツットガルトでクランコ、ファンマーネン、ベジャールプロです。オペラ座はソールドアウトなのであきらめました。
投稿: naomi | 2011/03/12 22:55
naomiさん、そうですか、遭遇するかもしれませんね!
今回4/29から5/5の5泊7日で5つのプログラムを
こなす予定です。
5月1日にベルリンフィルのヨーロッパコンサートを
聴くのもメインプログラムのひとつです。
5泊でドイツ→フランス→スペイン→イギリスと
疾走します。
投稿: さえ | 2011/03/14 00:49
さえさん、こんばんは。
29日の椿姫は日本から観にいく人も多そうですね。お会いできるかもしれないですね!
4カ国の旅は凄いですね。ベルリンフィルを聴き、英仏海峡まで渡ってしまうとは・・・私はまだ飛行機とバレエのチケットしか手配していなくて、ヨーロッパ内移動はどうしようって感じです。ウィーンは子供のときに行って以来だし。
投稿: naomi | 2011/03/14 01:19
naomiさん、こんばんは。
昨日メールが来まして、チケットが取れました。
シュツットガルトは初めてなので、楽しみです。
naomiさんは、5月1日にウイーンでドンキホーテなのですね。
実は私も最初はシュツッガルト→ウイーン→ブダペストの予定で
ドンキホーテも見る予定だったのですが、ベルリンフィルの
マドリードでのコンサートチケットが取れたことで
今回の旅のスケジュールにスイッチした次第です。
ロンドン、パリも数回行ったことがありますが、劇場は
初めてなので、楽しみです。
投稿: さえ | 2011/03/31 00:01
さえさん、こんにちは。
私も無事に椿姫のチケットが取れました。シュツットガルトはこじんまりとした小さな町ですが、劇場の裏の州立美術館など見所もありますので楽しまれてくださいね。
ベルリンフィルをマドリードでご覧になられるのは素敵ですね。日本公演のチケットは恐ろしく高いですものね。マドリードも数年前に行きましたが夏だったので40度くらい気温がありました。プラド美術館はさすがに見ごたえがありましたね。
ガルニエもロイヤルオペラハウスもそれぞれとても素敵な劇場ですが、シュツットガルト州立劇場も華やかさでは全然及びませんが、ヨーロッパのオペラハウスらしい雰囲気があっていいですよ。楽しまれてくださいね。
投稿: naomi | 2011/04/01 01:20