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2011年2月

2011/02/27

シュツットガルト・バレエ2012年カレンダー Stuttgarter Ballett Calendar

毎年、このサイト経由で購入してくださる方も多いシュツットガルト・バレエのカレンダー。2012年のカレンダーが早くもAmazon.co.jpで予約を開始していました。5月発売だそうですが。

このカレンダーですが、先日シュツットガルトに行って来た際に2種類購入してきました。公演会場で買うと、その公演に出演していたダンサーのサイン入りで売ってくれるのです。ただ、大きい方のカレンダーはスーツケースに収まらず、手荷物で持って帰る羽目になった上、袋もくれなかったので、持って帰る途中でちょっと傷んでしまいました。現地での価格は35ユーロだったので、Amazon.co.jpでのお値段は手間を考えればとてもお得だと思います。例年、Amazonでの在庫は年末には払底してしまうので、お早目の注文が吉かと思います。

ドイツのサイト
http://www.buecher.de/shop/stuttgart/stuttgarter-ballett-55-x-46-cm-2012/kalender/products_products/detail/prod_id/33093916/
で、例年カレンダーの画像を見ることができるのですが、今年のは予約はできますが画像はまだアップされていないようなので、どんなダンサー、作品が取り上げられているかを先にご紹介しておきます。

Stuttgarter Ballett 2012 Bernd Weissbrod (55 x 46 cm)

表紙 スージン・カンとアンサンブル「レクイエム」(マクミラン)
1月 マリア・アイシュヴァルトとダミアーノ・ペテネッラ「オネーギン」3幕
2月 スージン・カン、ジェイソン・レイリー、アレクサンダー・ジョーンズ、ウィリアム・ムーア「レクイエム」
3月 ミリアム・サイモン、エヴァン・マッキー「オネーギン」1幕
4月 マライン・ラドマーカー「精密の不安定なスリル」(フォーサイス)
5月 スージン・カン、アリシア・アマトリアン「レクイエム」
6月 アンナ・オサチェンコ「精密の不安定なスリル」
7月カーチャ・ヴュンシュ、フリーデマン・フォーゲル「オルランド」(ゲッケ)
8月 ヒョ・ジュン・カン、ウィリアム・ムーア「オネーギン」1幕
9月 エリザベス・メイソン、マライン・ラドマーカー「VERGESSENES LAND」(キリアン)
10月 フリーデマン・フォーゲル「オルランド」
11月 アレクサンドル・ザイツェフ、マライン・ラドマーカー「Yantra」(マクレガー)
12月 アリシア・アマトリアン、フィリップ・バランキエヴィッチ「Red in 3」(ヨルマ・エロ)

とにかくエヴァン・マッキーの「オネーギン」の写真が素敵だったので、ちょっとご紹介(光ってしまって見づらいですが実物はもっと素敵です)。

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スタジオの様子をカレンダーにしたもの
Stuttgarter Ballett. Ballettstudio 2012 Gundel Kilian

表紙 スージン・カン、マライン・ラドマーカー「ロミオとジュリエット」
1月 アリシア・アマトリアン、アレクサンダー・ジョーンズ「ロミオとジュリエット」
2月 マリア・アイシュヴァルトとフリーデマン・フォーゲル(エヴァン・マッキーと書いてありますが間違い)「ジゼル」
3月 アンサンブル 「ロミオとジュリエット」
4月 フリーデマン・フォーゲル、カーチャ・ヴュンシュ「オルランド」
5月 スージン・カン、ジェイソン・レイリー「レジェンド」
6月 スージン・カン、ジェイソン・レイリー、フリーデマン・フォーゲル、マライン・ラドマーカー、フィリップ・バランキエヴィッチ「Fratres」(ノイマイヤー)
7月 ミリアム・サイモン、エヴァン・マッキー「Red in 3」
8月 スージン・カン、マライン・ラドマーカー「ロミオとジュリエット」(表紙と同じ)
9月 アンナ・オサチェンコ、デヴィッド・ムーア「Red in 3」
10月 アンナ・オサチェンコ、ニコライ・ゴドノフ、エリザベス・メイソン「Mobile」
11月 エリザベス・メイソン、マライン・ラドマーカー「じゃじゃ馬馴らし」
12月 リンダ・ワッスドロップ、エヴァン・マッキー「白鳥の湖」

Stuttgarter Ballett 2012Stuttgarter Ballett 2012
Bernd Weissbrod

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Stuttgarter Ballett. Ballettstudio 2012Stuttgarter Ballett. Ballettstudio 2012
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2011/02/26

パリ・オペラ座2011/12シーズン発表La saison de ballet 2011-2012 à l'Opéra de Paris

パリ・オペラ座2011/12シーズンが発表されました。
http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/pratique/abonnements/abo_individuduels/Quel_abo_choisir/champ_libre.php?&lang=fr

(追記:フライング発表だったみたいで、上記サイトはいったん取り下げられているようです)

PHÈDRE / PSYCHÉ (LIFAR / RATMANSKY) 「パイドラ/プシュケ」(リファール/ラトマンスキー)
AVEC DÉFILÉ (22⁄09⁄11) 9月22日公演はデフィレつき

LA SOURCE (BART) 「泉」(バール)


CENDRILLON (NOUREEV) 「シンデレラ」(ヌレエフ)avec soirée du 31 décembre 

ONÉGUINE (CRANKO) 「オネーギン」(クランコ)avec soirée du 31 décembre

BALLET ROYAL DU DANEMARK - NAPOLI ⁄ COMPAGNIE INVITÉE 招待カンパニー デンマークロイヤルバレエ「ナポリ」

ORPHÉE ET EURYDICE (PINA BAUSCH) 「オルフェとエウリディーチェ」(バウシュ)

LA BAYADÈRE (NOUREEV) 「ラ・バヤデール」(ヌレエフ)

●SPECTACLE DE L'ECOLE DE DANSE オペラ座学校公演

DANCES AT A GATHERING ⁄ APPARTEMENT (ROBBINS ⁄ MATS EK) 「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」「アパルトマン」(ロビンス/エック)

L'HISTOIRE DE MANON (MACMILLAN) 「マノン」(マクミラン)

ROMÉO ET JULIETTE (SASHA WALTZ) 「ロミオとジュリエット」(サシャ・ヴァルツ)

TOKYO BALLET - KABUKI ⁄ BÉJART ⁄ COMPAGNIE INVITÉE 招待カンパニー 東京バレエ団「ザ・カブキ」

LA FILLE MAL GARDÉE (ASHTON) 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」(アシュトン)


☆は古典およびネオクラシック、★はゲストカンパニーです。
新作はラトマンスキーの「「パイドラ/プシュケ」、バールの「泉」です。バールの作品は古典をベースにした作品のようです。

「マノン」の上演も久しぶりのこと。こうやってみると、近年になく、古典・ネオクラシックの比率が高いプログラムとなっており、日本からパリへと駆けつけるファンも多そうな魅力的なラインアップです。逆に言えば、チケット争奪戦もそれだけ大変そうなわけですが。

「オネーギン」と「シンデレラ」は大晦日公演があるのか!これは魅力的ですね。


気になるのが「オネーギン」のキャスト。前回オネーギン役を演じたダンサーのうち、マニュエル・ルグリが引退、ジョゼ・マルティネスもスペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督に就任(ゲスト出演の可能性はあり)ということで、実質二人抜けているわけです。評判の高かったエルヴェ・モロー、そしてニコラ・ル=リッシュはキャスティングされるとして、今のオペラ座のダンサーでオネーギン役が似合いそうな人は誰か、と考えるとなかなか難しそうです。ステファン?シュツットガルト・バレエからゲストを呼ぶ可能性もあるのではないか、と考えてしまいます。

ミラノ・スカラ座のエトワール・ガラ/シュツットガルト・バレエのマカオ公演

4月27日、29日の2日間、ミラノ・スカラ座ではGala des Étoilesと称したガラ公演が行われます。そのキャストが発表されました。

http://www.teatroallascala.org/it/stagione/opera-balletto/2010-2011/gala-des-etoiles.html

ÉTOILES
Roberto Bolle
Massimo Murru

ÉTOILES INTERNAZIONALI
Sylvie Guillem
Friedemann Vogel
Olesia Novikova
Leonid Sarafanov

SOLISTI E PRIMI BALLERINI DEL TEATRO ALLA SCALA

ミラノ・スカラ座を代表する2大エトワールのロベルト・ボッレとマッシモ・ムッル、そして今月のスカラ座での「マノン」で、ボッレ、ムッルと共演してのゲスト出演が大評判を呼んだシルヴィ・ギエムとオレシア・ノーヴィコワ。さらにノーヴィコワの夫君であるレオニード・サラファーノフ、加えてフリーデマン・フォーゲルが出演する豪華な公演となっています。

追記:スカラ座のエトワール・ガラの出演者名から、シルヴィ・ギエムの名前が消えてしまいました。理由は不明です。代わりに追加の出演者の予定はあると思いますが・・・。


*******
一方、シュツットガルト・バレエのマカオ公演「じゃじゃ馬ならし」のキャストも発表されていました。1ヶ月前にキャストが出るなんて、さすがツアーはキャストが出るのが早い、です。

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/spielplan/

Macao Cultural Centre: Grand Auditorium
http://www.ccm.gov.mo/old/en/page/page_programs/programs_details.asp?event_id=1600

DER WIDERSPENSTIGEN ZÄHMUNG-Gastspiel in Macao

3/17
Katharina Sue Jin Kang
Petrucchio Filip Barankiewicz
Bianca Laura O'Malley
Gremio Tomas Danhel
Lucentio Marijn Rademaker
Hortensio Damiano Pettenella

3/18
Katharina Myriam Simon *
Petrucchio Alexander Jones *
Bianca Hyo-Jung Kang
Gremio Brent Parolin *
Lucentio William Moore
Hortensio Roland Havlica

* Rollendebüt

3/19
Katharina Alicia Amatriain
Petrucchio Jason Reilly
Bianca Anna Osadcenko
Gremio Arman Zazyan
Lucentio Evan McKie
Hortensio Damiano Pettenella

3月18日のキャストが、アレクサンダー・ジョーンズのペトルーチオ、ミリアム・サイモンのキャタリーナ役デビューに注目です。アレクサンダー・ジョーンズは長身で貴公子然とした美しいダンサーなので、ペトルーチオ役が全然想像できないのですが・・・・。
マカオ公演は、私はさすがに観に行けないと思います。(もうお休みがありません!)でも、キャストはとても魅力的ですよね。

2011/02/25

バーミンガム・ロイヤル・バレエの佐久間奈緒&ツァオ・チーがチャコット渋谷本店でサイン会開催

5月に3年ぶりの来日を果たす、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパルの佐久間奈緒とツァオ・チーが、日本公演プロモーションのため、3月9日に来日することが決定したとのことです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-306.html

バレエ団を代表するプリンシパルである二人。特にツァオ・チーは「小さな村の小さなダンサー」の主演も記憶に新しいところですね。その二人が、プロモーションの合間に、チャコット本店でサイン会を開いてくれるとのことです。

佐久間奈緒&ツァオ・チー トークイベント&サイン会

□開催日時:2011年3月12日(土) 14:00~15:00
□会 場:チャコット渋谷本店 4F フロア
※当日、12:00より4Fフロアにてサイン会の整理券を先着50名様に配布いたします。 それ以前の順番待ちは受付いたしませんので予めご了承くださいませ。

□お問合せ:チャコット渋谷本店 TEL03-3476-1311 

NBSサイトの最新情報でも来日中の二人の様子をご報告するほか、Twitter(@NBS_japan)でもタイムリーにつぶやいて下さるようなので、こちらの方も楽しみですね。

シュツットガルト・バレエ50周年記念ガラ(その3)Stuttgart Ballet 50th Anniversary Gala Part3

長々と続いたガラ、第3部の開始時間が夜の11時という長丁場だったけど、相対的に見れば一番充実していたパートであった。

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DEAR JOHN
Ch: Eric Gauthier
Muzik: Francis Rainey
Klavier:Francis Rainey
Eric Gauthier (Gauthier Dance, Theaterhaus Stuttgart), Egon Madsen

「オネーギン」のレンスキー役、「椿姫」のアルマン役などの初演者である名ダンサー、エゴン・マドセンと、元シュツットガルト・バレエのソリスト(2005年の来日公演ではマキューシオ役などを踊っていた)で現在は自らのカンパニーを率いて振付家として活躍するエリック・ゴーティエが共演した心温まる小品。エリック・ゴーティエの振付作品としては、ジェイソン・レイリーが踊る一発ギャグのような怪作「101」が知られているけど、それとはまた全然違っていた。タイトルのジョンとは、もちろんジョン・クランコのことである。舞台上に置かれたピアノの生演奏に合わせ、老人と若者、師匠と弟子のやり取りがちょっとユーモアを交えて描かれている。そうじゃないよ、こう踊るんだよって踊ってみせるエゴン・マドセン、70歳近いというのにステップは鮮やかだった。ピアノが横移動して、ピアニストの前をピアノが通り過ぎてしまってもピアノの音がしていたり、くすりと笑える場面をはさみつつも、異なる世代にダンスが受け継がれていく様子がしみじみと伝わっていて、このガラのようなお祭りに相応しい作品となっていた。


URLICHT
Ch: William Forsythe
Muzik Gustav Mahler"Resurrection"
Gesang: Christiane Iven
Laura O'Malley, Filip Barankiewicz

シュツットガルト・バレエが生み出した3大振付家の一人、ウィリアム・フォーサイスの作品はこのガラでは取り上げないわけにはいかないだろう。ということで、このUrlichtは、フォーサイスの初振付、1976年初演の作品で、この作品でフォーサイスは評価されて振付家として名を上げたとのこと。ところが、やはり私にとってフォーサイスと言えば「インザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」や「ヘルメン・シュメルマン」「精密の不安定なスリル」といったエッジの立った作品の印象が強いので、この作品のように美しいコンテンポラリーというのは、やや拍子抜け。この作品が、1976年には斬新なものと思われていたのね、ふーんという感じである。マーラーの交響曲2番「復活」の第4楽章「原光」が、アルトの独唱で歌われ、音楽的には非常に美しいのだけど、フィリップ・バランキエヴィッチの個性には似合っているとは言いがたい作品だった。(この作品を同じローラ・オマリーとジェイソン・レイリーが踊った動画がYTにあるけど、こちらの二人の方がエモーショナルに踊っていて素敵)バランキエヴィッチだったら、「じゃじゃ馬ならし」などを踊ってくれた方が観客としては嬉しかったけど、50周年ガラということで、いろいろとお約束があったということなのだろう。


TWO PIECES FOR HET 「HETのための2つの小品」
(Stuttgarter Erstaufführung) シュツットガルト・バレエ初演
Ch: Hans van Manen
Muzik: Errki-Sven Tuur"Illusion", Arvo Part "Psalom"
Alicia Amatriain, Marijn Rademaker

97年にオランダ国立バレエで初演された、ハンス・ファン=マーネン振付の作品。ガラで踊る演目が何であるのかは伏せられていたわけだけど、マライン・ラドマーカーが踊る作品がカンパニー初演作品で、衣装が凄いらしい、というのは聞いていた。そして実際、彼の衣装は官能的で鮮烈だった。黒のシースルーのユニタードに黒のTバック。アリシア・アマトリアンの衣装は、黒の透ける素材にグリーンを重ねたふわりとしたワンピース。マラインの踊りは力強く、すばやく正確で音楽に寄り添うような回転が繰り広げられ、彼の着実な進化が感じられた。対してアリシアは強靭さの中にもしなやかさ、ふわりとした柔らかさを感じさせて、二人は見事なコントラストをなしていた。(ところで、この作品と、11日のクランコ、ファン=マーネン、ベジャールプロで上演された「Frank Bridge Variations」は、オランダ国立バレエが踊っている映像がDVD化されている)


Pas de deux MÈDITATION aus THAIS 「タイスの瞑想曲」
Ch: Sir Frederick Ashton
Muzik: Jules Massenet "Meditation aus der Oper Thais"
Sarah Lamb, Federico Bonelli
(The Royal Ballet, London)

今回のガラのゲストダンサーで、唯一そのカンパニーらしい作品選択と感動的なパフォーマンスを見せてくれたペア。アシュトンの振付作品でシュツットガルト・バレエのレパートリー入りをしているのって「ラ・フィユ・マル・ガルデ」くらいしか思い浮かばないのだが、ロイヤル・バレエならアシュトン、という作品選びは大正解だった。「タイスの瞑想曲」のヴァイオリンソロも天上の響きを聴かせてくれたし、何よりサラ・ラムとボネッリは踊りの中に感情をこめて観客を作品の世界の中に引きずり込む力を持っている。ボネッリの絹のようにスムーズなサポートは実に見事なものだったし、サラ・ラムは儚げで神秘的で夢のように美しい。彼らの実力を思い知った一品。


Pas de deux aus CARMEN 「カルメン」
Ch: Márcia Haydée
Muzik: Georges Bizet "Sinfonie in C-Dur"
Natalia Berrios, Luis Ortgoza
(Ballet de Santiago de Chile)

マリシア・ハイデが芸術監督を務めるチリのサンチアゴ・バレエのペアは、彼女が振付けた「カルメン」を踊った。曲はビゼーでもオペラの「カルメン」ではなく、「シンフォニー・インC」から取ったもの。ホセ役のルイス・オルトゴ-サはテクニックもあるし、必死に何かを訴えようとする熱情は伝わってくるのだけど、カルメン役のバレリーナが老けて見えたのがマイナス。作品としての出来は良いとは言い難く、やたら長くて早く終わらないかしら、と思ってしまったし、終わり方はローラン・プティの「カルメン」のパクリのようでなんとも。


DER STERBENDE SCHWAN 「瀕死の白鳥」
Ch: Mauro de Candia
Muzik:Camille Saint-Saens, "Der Schwan aus Karneval der Tiere"
Vladimir Malakhov
(Staatsballett Berlin)

マウロ・デ・キャンディア振付の「瀕死の白鳥」は、昨年の「マラーホフの贈り物」でもマラーホフが踊った作品。その時は、うーんマラーホフならいっそのことフォーキンの「瀕死の白鳥」を踊った方が美しいだろうし、手で白鳥の頭を作るポーズが少々コミカルな感じで、ちぐはぐな印象を受けた。ところで、このガラのパンフレットでは、初演が2010年9月28日、ベルリン国立バレエと書いてあって、これは間違いだと思うのだけど(「マラーホフの贈り物」が初演のはず)、あれから作品に手を入れたのかもしれないと感じた。確かに、手で白鳥の頭を作るポーズにはまだなじめないけれども、時折はっとするほどの、まるで天国と交信しているかのような、夢のような瞬間が訪れるのだ。マラーホフというダンサーの比類なき芸術性、歳月を経てもなお白く輝く美しい柔軟な肉体と、そして彼の精神性の高さが伝わってきて、言葉を失うほど目が吸い寄せられ惹きつけられた。今までこのガラで踊っていたダンサーとは明らかに格が違う。バレエの神様に愛された、本物のスターとは彼のことを言うのだと思った。


Pas de deux aus ONEGIN 「オネーギン」
Ch: John Cranko
Muzik: Peter I. Tschaikowsky, eingerichtet und instrumentiert von Kurt-Heinz Stolze
Sue Jin Kang, Jason Reilly

シュツットガルト・バレエの50周年を締めくくる作品は、この「オネーギン」以外には考えられない。クランコの作品がこれしか上演されないというプログラム構成に少々疑問は感じてしまったが、やはりクランコでこの1作、といえばこれしかないだろう。タチヤーナを演じるのは、カンパニー最高のバレリーナであるスージン・カン。最後のクライマックス、手紙のパ・ド・ドゥ。ユルゲン・ローゼの美しく繊細な舞台装置は全幕さながら。

オネーギンの書いた手紙を手に、心乱れるタチヤーナ。そこへ流離の年月のうちにすっかり老いてしまったオネーギンが駆け込んでくる。ジェイソン・レイリーの演じるオネーギンは、私の好みからすると少々老け込み過ぎではある。だが、タチヤーナを狂おしいまでに思う真摯な気持ちと悔恨、人生最後の恋と確信し、すべてのプライドを捨て切って身を投げ出したオネーギンの寄る辺ない姿は、観る者すべての心を揺さぶったに違いない。彼の一途な想いに心乱され、揺らぎ、苦悶しながらも、タチヤーナは彼を決して愛してはいけない、グレーミンの妻としての貞節を守らなければならない、と一線を越えないように必死にこらえ耐え抜く。耐えに耐え抜いた末に感情の奔流にとうとう押し流されそうになったその時、タチヤーナはオネーギンに背中を向け、手紙を手にとってびりびりに破く。足元にまとわりつくオネーギンに対し、涙を流しながら永遠に自分の前から立ち去ることを命じる。走り去るオネーギンの姿をふらふらと目で追ったタチヤーナは、きりっと正面を見据え、少女時代からの人生でたった一つの恋を葬り去った苦しみに、ついに堰を切ったように嗚咽する。ひとつのパ・ド・ドゥを切り取ってガラの中で上演したというのに、まるで全幕で「オネーギン」を観たときのような、心の奥底から大きくひっくり返されたような、強く心を貫くような万感の思いがこみ上げてきて、じわ~っと涙があふれてきた。オネーギンとタチヤーナの人生の旅を、私たちも一緒に体験してきたかのように感じられた。ジェイソンももちろん素晴らしいのだが、スージンの、貴婦人然とした中にも東洋の女性らしい奥ゆかしく、凛としながらも繊細な感情を秘めた表現は、究極のタチヤーナの姿としてこれからもずっと記憶に刻まれるだろう。その前に、彼女がまたタチヤーナを演じるときには、万難を超えて、海を越えて駆けつけなければならないと確信した。


スージンとジェイソンのカーテンコールが終わり、幕が再び開くと、舞台上には出演者全員が集結した。さらに、マリシア・ハイデ、リチャード・クラガン、ビルギット・カイルなどの過去の名ダンサーが舞台に上がり、続いてノイマイヤー、キリアン、ファン=マーネン、ビゴンゼッティらが舞台に。さらに、1日目は、過去にシュツットガルト・バレエで踊ったことがある元ダンサーたちも舞台に呼ばれ、一大同窓会が舞台上で繰り広げられたのであった。1日目は、舞台が降りたときにはもう12時半だったが、いつまでも祝宴は続くかのようであった。このような歴史的なガラを目撃することができたのは、なんという幸せだろう。

演目については言いたいことは山ほどあるし、シュツットガルト・バレエのダンサーを目立たせるために、ゲストカンパニーにあえてつまらない作品を踊らせたのではないかと思ってしまったのも事実だ。が、敢えて古典のパ・ド・ドゥをひとつも入れず、さらに観客ウケの良いであろうクランコの他の代表作(「じゃじゃ馬ならし」「ロミオとジュリエット」など)も上演しないで、シュツットガルト・バレエで生まれたもう一つの名作である「椿姫」も外して、そうまででしてバレエ団ゆかりの振付家による作品を中心に上演したというコンセプトはしっかりしたガラであったと思う。シュツットガルト・バレエの50年間の歴史を、私たちは5時間半で体験したのだと思うと、その刻み込まれた歴史の深さに慄き思わず背筋を伸ばしたくなる。

2011/02/24

ポール・マッカートニーがNYCBとコラボレーション、バレエ曲を作曲 Paul McCartney Collaborates With City Ballet

New York Timesに載っていたビッグニュースです。

Paul McCartney Collaborates With City Ballet
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2011/02/23/paul-mccartney-collaborates-with-city-ballet/

ポール・マッカートニーがニューヨークシティバレエ(NYCB)のために、 “Ocean’s Kingdom” というラブストーリーをベースにしたバレエ曲を作曲するとのこと。そして、その音楽を使ってピーター・マーティンスが振付を行う作品が、9月22日のNYCBのガラで初演され、以降も上演される予定とのことです。

現在のところ、このバレエ作品は45分~50分程度の長さで、4部構成、40~45人程度の出演者がいて4人もしくは5人の主要な役があると予定されているそうです。

インタビューの中でマッカートニーは、この作品はロマンティックな物語で、海の王国と地上の王国の二つの世界を舞台としており、海の王の娘が地上の王の兄と恋に落ちるというストーリーになると語っていました。

マッカートニーは長いこと、クラシック音楽の世界に進出したいと願っており、バレエ音楽を手がけることは、彼の新しい世界への活動の広がりの一環と言えます。彼は詩集や児童文学の本を出版しており、また自らの絵画展も開いたりと活動の幅を広げています。

今回、マッカートニーはフルのオーケストラと仕事ができることを楽しんでいるそうです。また、積極的にダンスについて学び、バレエ公演に足を運んでいるそうです。「僕にとって一番の驚きは、ダンサーの純粋な身体能力だった。オリンピックの競技と芸術が出会っているかのようで、それはとても魅惑的であると同時に、僕が何をできるかということについてチャレンジングなことでもあるよ」

ロベルト・ボッレの「白鳥の湖」2004年の映像 Roberto Bolle in Tokyo Ballet's Swan Lake 2004

2011年6月の東京バレエ団「白鳥の湖」にゲスト出演するロベルト・ボッレ。彼が前回東京バレエ団の「白鳥の湖」に出演したとき、2004年の映像が、NBSのYouTubeチャンネルにアップされていました。

さすがに7年前の映像なので、ロベルトも若いですね!私もこの公演は見に行きましたが、もうあれから7年もたっているとは、月日が流れるのも早いものです。

東京バレエ団「白鳥の湖」のオフィシャルサイトは以下のとおりです。チケットは今週末、2月26日(土)より一般発売されます。
http://www.nbs.or.jp/stages/1106_swanlake/index.html

2011/02/22

シュツットガルト・バレエ50周年記念ガラ(その2)Stuttgart Ballet 50th Anniversary Gala Part2

ドイツ語の記事ですが、ガラの素敵な写真が載っているのでご紹介。
http://www.tanznetz.de/en/kritiken.phtml?page=showthread&aid=196&tid=19495

フォトギャラリーはこの記事にも。
http://www.stuttgarter-nachrichten.de/inhalt.50-jahre-ballett-das-grosse-ganze-im-liebesrausch.f3cb61b0-6ca7-4bee-b9ae-d041ba2f693a.html

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FANFARE LX 「ファンファーレ LX」
Ch: Douglas Lee
Muzik: Michael Nyman 「The Queen of the Night」
Anna Osadcenko, Evan McKie

シュツットガルト・バレエの現役プリンシパルであるダグラス・リーの振付作品で、2009年のリード・アンダーソン60歳誕生日ガラで初演された。日本でも、去年の「マラーホフの贈り物」でエリッサ・カリッロ・カブレラとミハイル・カニスキンが踊っている。音楽はマイケル・ナイマン作曲、ピーター・グリーナウェイの映画「英国式庭園殺人事件」のオープニングテーマで、印象的なモチーフのフレーズが繰り返し使用されている。真っ赤なレオタードのアンナ・オサチェンコとエヴァン・マッキーは二人ともとっても長くしなる美しい脚を持っており、絡みつきそうなほどのねっとりと挑発的でアクセントの効いたスタイリッシュな踊りを見せた。特にアンナ・オサチェンコの良く出た足の甲、きれいに開いた股関節はすごい。「マラーホフの贈り物」で観た作品とはまるで別物で、ぞくぞくするほどスリリングでカッコいい。ここの後半の映像がこの作品の一部だ。


AWAKING FROM THE DREAM遊園驚夢牡丹亭」
(Pas de deux aus PEONY PAVILLION)
Wang Qimin, Li Jun
(Chinesisches Nationalballett)

中国国立バレエの二人が踊ったのは、2008年に初演された作品。「遊園驚夢牡丹亭」という16世紀の中国の有名なオペラ昆劇をモチーフにしている。ワダエミのデザインした白いたっぷりした衣装に身を包んだ二人は、ガラにエキゾチックな風を運んできたけれども、それ以上の作品ではなかったような。ワン・チーミンとリー・チュンは、草刈民代の「エスプリ」公演などで日本でも知られており、ローラン・プティのガラにもよく出演しているのだけど、いっそのことプティでも踊ってくれた方が良かったと思ったりして。


AU'LEEN
Gesang: Philip Ens
Bridget Breiner

シュツットガルト・バレエのプリンシパルで、最近はどちからといえば振付活動が中心となっているブリジット・ブライナーの自作自演作品。前半はラジオから流れてくる演説のようなものに合わせてのソロ、後半はピアノと歌に合わせての踊り。グリーンのホルターネックのドレスに身を包んだ彼女は美しいし、振付にはオリジナリティを感じるけど、うまく表現する言葉が見つからない。


IN PERIL(世界初演作品)
(Uraufführung)
Ch: Sabrina Matthews
Muzik: Kevin Volans,「White Man Sleeps V」 eingspielt von Kronos Quartet und Aphex Twin
Heather Ogden, Guillaume Côté
(The National Ballet of Canada)

ナショナル・バレエ・オブ・カナダのギョーム・コテとヘザー・オグデンという美男美女のカップルが踊ったのは、カナダの新進女性振付家サブリナ・マシューズの世界初演作品。シュツットガルト・バレエにも作品を振付けている人だとのことだけど、今回の作品はあまり独自性を感じさせず、よくあるネオクラシック・コンテというパターンに陥っていた。ヘザー・オグデンが6回転ピルエットを見せるなど、このペアの実力の片鱗は見えてくるだけに、もったいなかったというのが正直なところ。


Pas de deux aus KAZIMIR'S COLOURS「カジミールの色」
Ch: Mauro Bigonzetti
Muzik: Dmitri Schostakowitsch
Katja Wünsche, Alexander Zaitsev

やっと知っている演目になって、ホッとしたところ。ショスタコーヴィッチのピアノコンチェルトが生演奏なのがとても嬉しい。ビゴンゼッティ振付によるこの作品は、過去にいろいろなダンサーで観たことがあるのだけど、踊る人によって全然違うのが面白い。いつもは明るくキュートな印象のサーシャことアレクサンドル・ザイツェフが、音楽的な中に大人の官能的な表現を見せていたのがとても新鮮だった。カーチャもしなやかで強靭。ミステリアスでひそやかな音の響きの間を縫って、男女のささやきが交わされ、変幻自在に力関係が変わっていく。ビゴンゼッティの振付には、情感とぬくもりがあるのが好ましく、凡百の若手振付家たちとは実力が全然違うのがよくわかった。今まで観た「カジミールの色」の中でも、このペアが一番気に入った。


FANCY GOODS
Ch: Marco Goecke
Muzik: Sarah Voughan, Hi-fly und Wave
Friedemann Vogel
David Moore, Brent Parolin, Özkan Ayik, Matteo Crockard-Villa, Demis Volpi

これも2009年のリード・アンダーソン60歳記念ガラで初演された作品。マルコ・ゲッケの作品は、フォーゲルが「ルグリの新しき世界」で去年踊った「モペイ」、マライン・ラドマーカーが踊った「エッフィー(Affi)」などを観ているけど、今回の作品も同じようなパターン。上半身裸で黒いパンツに身を包んだフォーゲルが、背中を客席に見せたり、痙攣するような動きを見せたり、なんだか飽きたって感じ。途中、黒子のダンサーたちがピンクのカーニバルのような羽飾りを派手にはためかせて、フォーゲルもその中に入っていったりするのが華やかで、お祭り向きの演目ではある。サラ・ヴォーンのジャズ・ヴォーカルを使っていて、音楽の使い方は洒落ていたけど、だからどうってことのない作品。


Pas de Deux aus OTHELLO「オテロ」
Ch: John Neumeier
Muzik: Arvo Part, Mirror in a mirror
Elizabeth Mason, Jason Reilly

主賓の一人であるノイマイヤーの作品もなくっちゃね、と思っていたらこの作品が来た。前回の世界バレエフェスティバルでもハンブルク・バレエのダンサーによって上演された「オテロ」。褐色の肌のジェイソン・レイリー、ふわふわの金髪が美しいエリザベス・メイソンがオテロとデスデモーナ役にぴったり。アルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」に合わせてのゆっくりとして情感のこもった動き。エリザベスの繊細なポール・ド・ブラ。イノセントな空気。ジェイソンのストイックで聖性を感じさせる存在感。初めて、このガラで時が止まったような錯覚にとらわれた。ハンブルク・バレエのエレーヌ・ブシェとティアゴ・ボァディンが踊ったときとはまた全然違った感情に襲われた。


Pas de deux aus MAYERLING「マイヤリング(うたかたの恋)」
Ch: Sir Kenneth MacMillan
Muzik: Franz Liszt, arrangiert und orchestriert von John Lanchberry
Irina Tsymbal (Wiener Staatsballett), Robert Tewsley

マクミランも、シュツットガルト・バレエとは縁の深い振付家であり、クランコと親しかっただけでなく、ロイヤル・バレエで振付けることを却下されてしまった「大地の歌」や「レクイエム」をシュツットガルト・バレエのために振付けている。
「マイヤリング」の中の2幕終わりのパ・ド・ドゥで、マリー・ヴェッツェラがルドルフ皇太子の部屋にやってきてコートの下は下着一枚で挑発するシーン。そんなに派手な見せ場ではないのだが、一番ドラマティックなラストシーンは心中でお祝いの場には相応しくないという配慮が働いたものと思われる。ウィーン国立バレエのイリーナ・ツィンバルはとても顔が小さい小柄なバレリーナで、魔性の少女マリーの役によく合っていた。ロバート・テューズリーのルドルフは、この間観たロイヤルのエドワード・ワトソンのような神経質そうで腺病質の男ではなく、皇太子に相応しい風格、堂々とした姿の中にふと狂気や熱情が横切るという風情。少女の大胆な挑発に惑わされるとともに、彼女が放つ銃弾、死の香りにも惹きつけられているのが伝わってくる。珍しくセットがきちんと置いてあったということもあるが、一瞬のうちに「マイヤリング」の世界へと引きずりこまれた。テューズリーはやはり役者だということを実感させられた。マクミランの作品でも、たとえば「マノン」の沼地のパ・ド・ドゥなどを踊った方が、観客ウケも良いだろうに、あえて「マイヤリング」の地味だけど演技力を試されるシーンを選んだとことが渋い。テューズリーがルドルフ皇太子を踊る「マイヤリング」の全幕を観る機会があれば良かったのに、としみじみと思った。


第二部の終わりまで観て、やはり、ノイマイヤー、マクミランのドラマティックなバレエには力があることよ、と感じた。とともに、若手の振付家ではやはりビゴンゼッティが優れていること、キリアンには他の振付家が束になってもかなわないことをしみじみ実感。また、以前ベルリンのダンサーで観たダグラス・リーの作品も、魅力的なダンサーが踊ればしびれるほどのかっこよさがあることを発見した。

一方、ゲストダンサーの踊る作品は今まではことごとく外している(テューズリーは元シュツットガルト・バレエというOB枠なので別格)っていうのが残念だった。大体、シュツットガルト・バレエのガラだというのに、クランコの作品が今までひとつもないことに対しては、疑問を抱かざるを得なかった。

ABT兵庫公演「ドン・キホーテ」のキャストはカレーニョとヘレーラ

兵庫県立芸術文化センターのサイトに、ABT兵庫公演「ドン・キホーテ」のキャストが発表されていました。


アメリカン・バレエ・シアター「ドン・キホーテ」(プロローグ、3幕とエピローグ)

3/19(土)10:00AMよりネット先行予約も開始!
日 時 2011年7月30日(土)
開 演 17:30  (開 場 16:45)
会 場 芸術文化センター KOBELCO 大ホール
料 金 S \18,500/A \15,500/B \12,500
C \9,500/D \6,500/E \4,500
発売日 先行 2011年3月19日(土)
一般 2011年3月20日(日)


■出演者
バジル : ホセ・カレーニョ
キトリ : パロマ・ヘレーラ
メルセデス : ヴェロニカ・パールト
エスパーダ : コリー・スターンズ 他(予定)
※ 最終的な出演者は、当日発表とさせていただきます。
管弦楽 ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団

http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/asp/01_calendar.aspx

東京公演が、ホセ・カレーニョのフェアウェルかと思っていたのですが、彼のABT団員としての最後の舞台は兵庫になったのですね。これは東京からも駆けつける人もいるかも!

マライン・ラドマーカーのオランダ国立バレエでの「眠れる森の美女」Marijn Rademaker in Dutch National Ballet's Sleeping Beauty

シュツットガルト・バレエのマライン・ラドマーカーが今年の1月1日にオランダ国立バレエの「眠れる森の美女」にゲスト出演したときのダイジェスト映像が、彼のYouTubeチャンネルにアップされています。共演はマイヤ・マッカテリ。

私もこの公演を観に行ったのですが、本当に光り輝く美しい王子様でした。日本でも近いうちに観られますように!

2/12、13 シュツットガルト・バレエ50周年記念ガラ(その1)Stuttgart Ballet 50th Anniversary Gala Part1

夜の7時に始まって、カーテンコールが終わったのが深夜0時半という大変な長丁場。一度に感想を書くのは無理なので、少しずつ分けてご紹介します。

Resize0634

初日の12日の方は、かつてシュツットガルト・バレエに在籍したことがあるOB/OGも招待されており、その数は300人もいたとか。カテゴリ1という一番良い席は全部それらの招待客で埋め尽くされていた。その他にも、他バレエ団の芸術監督としてマニュエル・ルグリ(ウィーン国立バレエ)、モニカ・メイソン(ロイヤル・バレエ)、デヴィッド・マッカリスター(オーストラリア・バレエ)が招待されており、OB/OGの代表として貴賓席にいたのは、マリシア・ハイデ、ビルギット・カイル、リチャード・クラガン、ジョン・ノイマイヤー、イリ・キリアン。さらに、マウロ・ビゴンゼッティやハンス・ファン=マーネンなどの振付家、バーミンガム・ロイヤル・バレエのイアン・マッケイ、ベルリン国立バレエのミカエル・カニスキン、エリサ・カブレラ・カリッリョ、ヴィスラウ・デュデクらを見かけた。OB/OGの中には年を召されて車椅子姿の人もいたけど、さすがみなさん元ダンサーだけあって、年をとっても美男美女が多くて華やかな雰囲気だった。1回目の休憩では、シャンパンが振舞われ、ホワイエでは一大同窓会が繰り広げられていた。


JUBILÄUMSGALA
Mit internationalen Gästen, Solisten des Stuttgarter Balletts und der John Cranko Schule

Opernhaus
Termine 12.02.2011 | 13.02.


Programm:

THIS IS THE MOMENT
Sänger Randy Diamond

ランディ・ダイヤモンドは元シュツットガルト・バレエのプリンシパルで、その後ミュージカルに転向し、現在はミュージカル界のスターとのこと。歌ったのは「ジキルとハイド」のテーマ曲らしい。(ミュージカルには疎いもので)なかなかの歌声を披露してくれた。

その後、バーデン・ヴュルテンベルク州の州知事らしき人のとっても長い挨拶。ドイツ語のみなので、何を言っているのかはよくわからなかった。その次に、芸術監督リード・アンダーソンのスピーチ。こちらはドイツ語と英語を交えて、今日はOB/OBが300人来ていて、その他に8列目に他のバレエ団の芸術監督が座っていて、貴賓席にはハイデ、ノイマイヤー、キリアンなどなどがいて、という紹介をしたり謝辞を述べていた。比較的手短なスピーチ。


ETÜDEN 「エチュード」
Ch: Pädagogen der John Cranko Schule
Schülerinnen und Schüler der John Cranko Schule ジョン・クランコ・スクールの生徒たち

練習着の上にジャージなどの上着を羽織ったジョン・クランコ・スクールの子供たちが舞台の上にたくさん登場して、それから一番ちっちゃな子が何かを言ったら、みんないっせいにジャージを脱ぎ捨てて真ん中の箱にしまい、レオタードや練習着姿に。音楽はチェルニーの「エチュード」だけど、振付はハラルド・ランダーではない。小さな子達はストレッチのような動きを見せて発表会みたいな感じなのだけど、少しずつ大きな子達の踊りになっていって、男女別の踊りに。女の子はミニスカートのついた黒いレオタード、男の子は白いシャツに黒いタイツ。女の子たちはジュッテをしながら舞台を斜めに横切り、年長の男の子たちは、一人ずつジュッテアントルラッセなどの大技も見せてくれて、将来有望そうな子供たちであった。


DEFILEE 「デフィレ」
Ch: Tamas Detrich
Muzik:Peter. I. Tschaikowskay, Polonaise aus der oper Eugen Onegin
Solisten und Corps de ballet des Stuttgarter Balletts 

オペラ「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズの曲に乗って、コール・ド・バレエからの序列に並んで、ダンサーたちが登場する。女性は白いチュチュ、男性は白いシャツに白タイツ。そう、このガラでチュチュが着用されたのはこのシーンだけなのであった。Elevenというジュニアカンパニーに所属しているジュンタロー・コスト(パリ・オペラ座学校の来日公演に出ていた子)の姿も。なんという華麗なデフィレ。こうやってみると、このバレエ団の容姿のレベルは大変高いものであることがよくわかる。特に男性はみな長身で容姿端麗、白シャツと白タイツがよく似合う。単に行進するだけでなく、女性はパドブレして見せたりちょっとした踊りもある。そしてソリスト、プリンシパルと登場。プリンシパルだけは、男性は白シャツではなくて王子様のようなキラキラのついた白い衣装。残念ながらマリア・アイシュヴァルトとウィリアム・ムーアが体調不良で欠場。プリンシパルは、一組目がエヴァン・マッキー、エリザベス・メイソン、アレクサンドル・ザイツェフ、アンナ・オサチェンコ、ダグラス・リー、ブリジット・ブライナー。2組目が、フィリップ・バランキエヴィッチ、アリシア・アマトリアン、ジェイソン・レイリー、スージン・カン、マライン・ラドマーカー、カーチャ・ヴュンシュ、フリーデマン・フォーゲル。多分、カンパニー内の序列がこんな感じになっているんだと思う。長身美形のダグラス・リーなどは最近は振付家業中心で、こんな白タイツ姿を見る機会なんてまずないので貴重だ。どこを見ていいのかわからないくらい、舞台の上は美しいダンサーたちで埋め尽くされていた。


JEUNEHOMME 「ジュノム」
Ch: Uwe Scholz
Muzik: W.A Mozart, Konzert fur Klavier und Orchester Nr.9 KV 271
Blythe Newmann, Admill Kuyler
(Badisches Staatstheater Karlsruhe) 

トップバッターは、バーデン州立劇場カールスルーエ・バレエのペアで、故ウヴェ・ショルツの振付作品。音楽は、モーツァルトの ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 KV 271「ジュノム」。音楽は美しいし、ネオクラシック系の踊りの中に込められた男女の感情はとても情感豊かなのだけど、この手のコンテンポラリー・バレエは一言で言えば「ありがち」であり、また華やかなガラの最初の作品にするにしては、振付もダンサーもあまりにも地味。


MY WAY 「マイ・ウェイ」
Ch: Stephan Thoss
Muzik: eingesungen von Frank Sinatra
Marijn Rademaker, Alexander Jones

DVD「プラハ・ガラ」に収められている、ダニール・シムキンが父ドミトリー・シムキンと踊ったパフォーマンスでおなじみの作品。2日目のキャスト表では、マライン・ラドマーカーではなくウィリアム・ムーアの名前があったので、当初はウィリアムとアレクサンダーが踊る予定だったのだろうか。インフルエンザで出演できなくなったウィリアムは、2日目には復帰できるかもしれなかったようだけど、結局は出演せず。
しっかりとした体つきで踊りも安定しているマラインに対して、長身だけど華奢なアレクサンダーが初々しく、爽やかながらも、しっとりとした余韻を残す佳品に仕上がっていた。まだ若いマラインから、さらにもっと若いアレクサンダーへと、バトンが引き渡されていくような感覚を感じた。


Pas de deux aus MOLTO VIVACE 「モルト・ヴィヴァーチェ」
Ch: Stephen Baynes
Muzik:Georg Friedrich Handel, Largo aus Oper Xerxes
Amber Scott, Adam Bull
(The Australian Ballet)

せっかくオーストラリア・バレエからの注目の美男美女の二人を呼んだのに、作品自体があまり面白くなくて残念。2003年にオーストラリア・バレエで初演された作品だそうで、振付家スティーヴン・ベインスはシュツットガルト・バレエに以前所属していたらしい。リフトを多用したコンテンポラリー寄りの作風。今回、ゲストダンサーがみんなこの手のネオクラシック系のパ・ド・ドゥを持ってきて、どれもこれも平凡な作品だった。


Pas de trois aus RÜCKKEHR INS FREMDE LAND 「RETURN TO THE STRANGE LAND」
Ch: Jiří Kylián
Muzik: Leos Janácek (Sonata 1st October 1905, Overgrown Path, In the Mist)
Alicia Amatriain, Nikolay Godunov, Evan McKie

1974年にシュツットガルト・バレエで初演されたキリアン初期の作品。ジョン・クランコの1973年の急死を受けて、キリアンが彼の思い出に捧げる作品として振付けたとのことである。死と再生、輪廻転生をテーマとしており、男女3人のパ・ド・トロワという構成。ニコライ・ゴドノフとエヴァン・マッキーという長身の男性二人に自在にリフトされるのは、アリシア・アマトリアン。生と死を行き来する魂を象徴するかのように、3人の肉体が複雑に絡み合うが、彼らの流れるように滑らかな動きと構築美に目を吸い寄せられる。イリ・キリアンという振付家の才能が傑出しているものであるということが良くわかる。アマトリアンのしなやかさと強靭さ、エヴァンのふわっとした跳躍。今までのパフォーマンスの中でも、これは別格と言えるだろう。ヤナーチェクのピアノソナタが美しく、心を打つ。


STÄNDCHEN
Ch: Christian Spuck
Roland Havlica, Damiano Pettenella, Alexander Zaitsev

とっても可笑しくて可愛い、コミカルな小品。初演は2009年4月1日、リード・アンダーソンの60歳祝いのガラにクリスチャン・シュプックが振付けたもの。小さな三角帽子をかぶり、AC/DCのアンガス・ヤングのような、スクールボーイのような半ズボンのスーツを着たアレクサンドル・ザイツェフ。彼がマイクスタンドを手に、スローモーションで一歩ずつ踏み出しては舞台を上手から下手へと横切る。と思ったら、今度は下手から上手へと同じようにゆっくりと歩いていき、すでにこの時点で客席からはくすくす笑い。一往復した後、再びサーシャが舞台を横切ろうとすると、次のダンサー、ダミアーノ・ペテネッラが同じ服装でマイクスタンドを持ち、同じようにゆっくりと彼の後をついていく。そして3人目も加わって今度は3人でゆっくりと横切る。3人が揃い、マイクスタンドを立てて歌いだそうとするけれども、げっぷをする人もいれば、咳き込む人もいたりして、なかなか歌が始まらない。そしてようやくダンスのシーンになるのだけど、さすがはサーシャ、切れ味鋭いステップをすばやく繰り出して目を楽しませてくれた。最後には、花吹雪をポケットから出して、3人で「ハッピー・バースデー、シュツットガルト・バレエ!」って叫ぶ。こういうお祝い事のガラならではの愛すべき作品だ。

2011/02/21

バレエ音楽を集めたコンピレーションCD『EMIバレエ・エディション』

シュツットガルト・バレエ クランコ、ファン・マーネン、ベジャールプロの感想を遅ればせながらアップしていますので、よろしかったらこちらへどうぞ。

美しいバレエ音楽を集めたCDシリーズ『EMIバレエ・エディション』が発売となったとのことです。EMIが誇る世界一流の指揮者とオーケストラが奏でる美しいバレエ音楽を集めたシリーズだそうです。3種類発売されて、それぞれ2枚組で2000円と値段も手ごろ。中身もとても魅力的です。

エッセンシャル・バレエ』
TOCE-56379 CD2枚組2,000円
ベスト・オブ・バレエ決定盤。チャイコフスキーの3大バレエといわれる「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」、プロコフィエフの「ドン・キホーテ」「シンデレラ」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」から舞台の上で、ダンサーが動物のかぶりものをつけて踊る「ピーター・ラビットと仲間たち」など人気のバレエ作品からの有名曲のハイライトを紹介したコンピレーション。バレエ音楽初心者の方にもお薦めのタイトル。 http://www.emimusic.jp/artist/emi/?id=56502

『愛のパ・ド・ドゥ』
TOCE-56381 CD2枚組2,000円
「2人のステップ」という意味の、バレエ最高の見せ場である美しいパ・ド・ドゥの音楽をCD2枚に収録。ドリゴの「海賊」、ミンクスの「ドン・キホーテ」「ラ・バヤデール」、アダンの「ジゼル」からチャイコフスキーの「白鳥の湖」や「眠りの森の美女」などのバレエからのパ・ド・ドゥ・シーンの音楽を収録。
http://www.emimusic.jp/artist/st/?id=56503

『バレエの宝石〜バランシンの世界』
TOCE-56383 CD2枚組2,000円
20世紀最高の振付家、ジョージ・バランシンの世界を音で辿る。「ジュエルズ」から「シンフォニー・イン・C」「セレナーデ」など、ディアギレフに見出された天才振付家の華麗なる世界。
https://shop.emimusic.jp/detail/TOCE-56383.html

EMI Ballet Editionオフィシャルサイト
http://www.emimusic.jp/classic/ballet/

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2011/02/20

レディオヘッドの新曲「Lotus Flower」PVの振付をウェイン・マクレガーが担当

レディオヘッドの新アルバム「The King of Limbs」収録のPV「Lotus Flower」。なんとこのPVで、トム・ヨークのダンスを振付けているのが、英国ロイヤル・バレエの振付家ウェイン・マクレガーなんですね。

特に最初の40秒くらいまで腕の動きが独特で、マクレガー節ともいえるかっこよさです。

http://radiohead.com/deadairspace/

ちょうど、金曜日の夜に、レディオヘッドのTwitter公式アカウントが「渋谷 ハチ公広場 金曜日18時59分」とつぶやいたことで、渋谷は大騒ぎとなり数千人が集結、イベントが予定されていたようですが急遽中止となったとのことです。その予定されていたイベントの際に、このPVがモニターで流される予定だったようです。

ウェイン・マクレガーもすっかりメジャーな存在となりましたね。

そのマクレガーが英国ロイヤル・バレエに振付けた3作品(Chroma/ Infra/ Limen)がDVD/Blu-ray化され、2月28日にAmazon.co.ukから発売になるようです。

McGregor: Triple Bill (Chroma/ Infra/ Limen) [Blu-ray] [2011]McGregor: Triple Bill (Chroma/ Infra/ Limen) [Blu-ray] [2011]
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2011/02/19

ロイヤル・バレエ「ロメオとジュリエット」(吉田都主演)2/19より順次劇場公開/チェ・ユフィさんの「バレリーナの1日」

ソニーが提供する、世界の一流のオペラやバレエを劇場で公開する「ワールドクラシック@シネマ2011」。

その上映作品のうち、ロイヤルバレエの「ロメオとジュリエット」(吉田都、スティーヴン・マックレー主演)は、明日、2月19日より順次全国公開されます。

明日から公開される劇場は、新宿バルト9(午前11:20~)、109シネマズ川﨑(11:00~)、横浜ブルク13(12:20~)の3館。2月25日までの公開となります。1日1回上映、上映時間は変更になる可能性がありますので、事前に映画館サイトでご確認ください。

その後の全国公開スケジュールは以下のサイトに掲載されています。
http://www.livespire.jp/schedule/world-classics_2011.html

なお、この「ロメオとジュリエット」の公開に併せ、ぴあ映画生活では、ワールドクラシック@シネマ2011の特集サイト 
http://pia-eigaseikatsu.jp/piasp/wcc2011/index.html#/content2/
にて、紹介をしています。

その中で、ロイヤルのファースト・ソリストのチェ・ユフィ(崔由姫)さんが、バレリーナの一日を紹介してくれる映像、「A day in the life of a Ballerina」が(日本語字幕付きでアップされています。
以前、ロイヤル・オペラハウスのサイトにアップされていたものですが、日本語の字幕がついているところが嬉しいところですね。本当に多忙な一日を送っていて、バレリーナはタフでないと務まらないというのが良くわかります。

http://pia-eigaseikatsu.jp/news/155851/42072/

それから、今年はクラシック専用インターネットラジオ「OTTAVA」でも特集をしており、各作品ごとにミニ番組の放送を予定しているとのことでご案内をいただきました。放映後もサイトにアーカイブされますのでいつでも聞いていただくことができるようになっているそうです。

「ロミオとジュリエット」については、昨日放送があり、既に以下サイトからアーカイブとしてお聞きいただけるようになっています。
http://www.livespire.jp/special/ottava/

ロイヤル・バレエの「ロメオとジュリエット」は昨年6月の来日公演で、NHKでも放映されたものですが、映画館の大画面で、ハイビジョンの美しい映像と音響で観ることができるのは幸福な体験といえますね。私も劇場に行ってみようと思います。

2011/02/14

2/11 シュツットガルト・バレエ クランコ、ファン・マーネン、ベジャールプロ Stuttgart Ballet CRANKO / VAN MANEN / BÉJART

無事4日間のシュツットガルト滞在が終わろうとしています。終わってみれば最高に幸せな4日間でした。


なお、先日掲載した50周年ガラのプログラムですが、公式サイトの記載漏れで、フィリップ・バランキエヴィッチは無事出演して、ローラ・オマリーと、ウィリアム・フォーサイス振り付けの「Ulricht」という作品を踊っていました。
のちほどガラのキャスト表を訂正します。

CRANKO / VAN MANEN / BÉJART Freitag, 11.Februar 2011

Initialen R.B.M.E.

Choreography John Cranko
Music Johannes Brahms
Stage and Costumes Jürgen Rose
World Premiere January 19, 1972, Stuttgart Ballet

I. Satz
Filip Barankiewicz
Rachele Buriassi, Ami Morita

II. Satz
Alicia Amatriain
Anna Osadcenko, Alessandra Tognoloni
Evan McKie, Nikolay Godunov, David Moore

III. Satz
Sue Jin Kang, Jason Reilly

IV. Satz
Alexander Zaitsev
Laura O'Malley

1972年に初演されたこの作品は、ジョン・クランコが当時の4人のプリンシパル、リチャード・クラガン(R)、ビルギット・カイル(B)、マリシア・ハイデ(M)、エゴン・マドセン(E)に捧げて創ったシンフォニック・バレエ。衣装はユルゲン・ローゼによる淡い色使いのユニタードだが、30人以上の出演者がいるという華やかなもの。今回はRはフィリップ・バランキエヴィッチ、Bはアリシア・アマトリアン、Mはスージン・カン、そしてEはアレクサンドル・ザイツェフが受け持っている。4部構成となっているけど、R,B,M,Eの出演者は他の楽章にも出演しており、4人一緒にポーズをとるシーンも印象的である。音楽はブラームスのピアノコンチェルト2番。

Initialen2

ひとつ特筆すべきなのは、第一ヴァリエーションのソリストに、今シーズン入団したばかりのAmi Moritaさんが抜擢されたこと。コール・ド所属の彼女だけど、プロポーションにも恵まれており、堂々とした踊りだった。第一楽章のR役のフィリップ・バランキエヴィッチは回転や跳躍をきびきびと入れながら、颯爽とスピーディに舞台を駆け抜けていった。この人の最近の課題はスタミナ不足で、後半になるにつれてちょっと疲れが見えてしまって脚の上がりが悪くなってしまうのが惜しいところ。第二ヴァリエーションは、アリシア・アマトリアンを中心に、ソリストとしてアンナ・オサチェンコとエヴァン・マッキーがパ・ド・トロワのように踊る。アリシアはとっても現代的なバレリーナなので、きっとビルギット・カイルとは全然違っているんだろう。エヴァンのソロはちょっとしかないのだけど、アントルシャ・シスの足先がとっても美しい。女性ダンサーを男性たちが投げたりする複雑なリフトもたくさんあって、見せ場の多い華麗な第二ヴァリエーション。そして第3ヴァリエーションでは、スージン・カンが比類なき美しさを見せてくれた。なんというしなやかで叙情的な動き。スージンはジェイソンとの息もぴったりで、まるで音楽を奏でているようであり、またそこだけ時間が止まっているかのような至福感も与えてくれた。第4ヴァリエーションのアレクサンドル・ザイツェフは彼らしい軽やかで闊達、生き生きとして楽しい踊り。特に筋書きはないのだけど、情感あふれる美しさの一方で大技も盛り込んであったりして、シュツットガルト・バレエの多彩な魅力に触れることができる逸品となっていた。

Frank Bridge Variations

Choreography Hans van Manen
Music Benjamin Britten
Stage and Costumes Keso Dekker
Lighting Bert Dalhuysen
World Premiere March 18, 2005, Het Nationale Ballet, Amsterdam
Premiere at the Stuttgart Ballet January 14, 2011

Hyo-Jung Kang, Marijn Rademaker
Katja Wünsche, Jason Reilly
Rachele Buriassi, Miriam Kacerova, Alessandra Tognoloni
Roland Havlica, David Moore, Daniel Camargo

キャスト表には、スージン・カンとなっていたけれども、実際にはHyo-Jung Kangが踊った。ハンス・ファン=マーネン振付、ベンジャミン・ブリテンの「Variations on a theme of Frank Bridge(フランク・ブリッジの主題による変奏曲)」を使用。シュツットガルトでは今年の1月に初演されたばかりである。男性がモスグリーン、女性はバーガンディ色のユニタードを着用していて、柄入りと無地の2パターンになっている。マライン・ラドマーカーがノースリーブのこの衣装を着ているのを見ると、ずいぶんと腕が逞しくなった。マラインの体からは驚くほど速いシェネが繰り広げられる。彼が舞台袖にはける時の間の絶妙のはずし方が時にユーモラスだけど、作品そのものは切れ味が鋭くスタイリッシュ。最近ありがちのネオクラシカル要素の強いコンテンポラリーとは一線を画した面白さがあるのだけど、それはブリテンの起伏に富んで生き生きとした、現代的な音楽の力強さに支えられたものだと感じた。陰影のはっきりとした照明の中で一条の光のようにきらめくマラインのシャープな美しさと音楽性の豊かさ、スケールが大きく力強い踊りのジェイソン、二人の男性プリンシパルの魅力がしっかりと味わえる作品だ。それに比べると女性陣がちょっと弱くて、キャスト表にあったとおりスージンが踊っていたら、さらにはファーストキャストのマリア・アイシュヴァルトが踊っていたらどうなっていたのか、それを見たかった気がする。


Bolero

Choreography Maurice Béjart
Music Maurice Ravel
Lighting John van der Heyden
World Premiere January 10, 1961, Théâtre de la Monnaie, Brussels
Premiere at the Stuttgart Ballet July 21, 1984

Friedemann Vogel
Brent Parolin, Alexander Jones
Damiano Pettenella, Nikolay Godunov

初演の日時を見ればわかるとおり、今年は「ボレロ」が初演されて50周年という記念の年である。84年にシュツットガルト・バレエで上演されたときには、マリシア・ハイデ、リチャード・クラガンらがメロディ役を踊った。約20年ぶりに「ボレロ」がシュツットガルト・バレエに帰ってきたことになる。

私はベジャール作品については、あまり好みではないということもあって、何も立派なことは語れない。だけど、「ボレロ」を観た回数はけっこう多い方ではないかと思う。生の舞台で観たのは、いずれも東京バレエ団の「ボレロ」であるが、メロディ役としては、シルヴィ・ギエム、首藤康之、ニコラ・ル=リッシュが印象的であった。東京バレエ団のほかのダンサーがメロディを踊るのも観ている。映像では、初演のデュスカ・シフニオスを始め、ジョルジュ・ドン、リチャード・クラガンなどでも観ている。そして思ったのは、メロディ役には圧倒的なカリスマ性が必要であるし、ひとつの思想、考えを持って踊ってほしいということである。

フリーデマン・フォーゲルは言うまでもなく、身体能力も優れているし、長身で肉体美も誇っている。ところが、シュツットガルト・バレエの長身リズムを従えて踊ると、これが見事なまでにリズムの中に埋没してしまうようなメロディであった。彼の踊りは美しい。とてもしなやかで柔らかく、脚は高く美しく上がるしつま先もきれいだ。しかし何の考えもなく、若くきれいな青年が淡々とメロディの振りを美しく踊っているように見えてしまうのだ。楽器の数が増えて、踊りが最高潮を迎え、汗が吹き出て踊りも熱を帯びてきても、フリーデマンは精神性や思想を何も持たないで、観客ともリズムとも対話をしていないようだった。極端な話、リズムのうちの誰かを円卓の上に乗せて踊らせてメロディを踊らせても同じ結果になるのではないかと想像してしまった。メロディを踊るからには、抜きん出た何か特別なモノを持っていてほしいと、ベジャール作品をあまりわかっていない私は思う。

カーテンコールで円卓を降りて、リズムのダンサーたちと並んでも、背の高いはずのフリーデマンが突出することはなかった。群舞もみな彼のように長身で容姿端麗なのがシュツットガルト・バレエなのだ。ニコラ・ル=リッシュが華奢な東京バレエ団のリズムを従えて踊るのとはわけが違っていて、そういう意味ではフリーデマンは不利だったのかもしれない。だけど、それだけの問題ではないようだった。このメロディ役に同じくキャスティングされている、アリシア・アマトリアンやマライン・ラドマーカーはどうやってこの役を踊るのだろうか、興味深いところだ。観客は本当に熱狂していて、あまりスタンディングオベーションを送ることのない客席が総立ち状態となっていたことは付け加えておく。


ドイツ語での評はこちら
http://www.tanznetz.de/kritiken.phtml?page=showthread&aid=196&tid=19253

2011/02/12

シュツットガルト・バレエ50周年記念ガラのプログラム

取り急ぎ、当日まで伏せられていたプログラムが発表となっていましたのでご報告を。

今日観たクランコ、ファン=マーネン、ベジャールプログラムの感想はまた後ほど!

ガラには、ゲストとして、ウラジーミル・マラーホフ、ロバート・テューズリー、ロイヤル・バレエのフェデリコ・ボネッリとサラ・ラム、オーストラリア・バレエのアンバー・スコットとアダム・ブル、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのヘザー・オグデンとギョーム・コテ、中国国立バレエのワン・チーミンらがゲストとして出演します。

追記:このプログラムから、おそらくはオフィシャルサイトの記載漏れで、フィリップ・バランキエビッチとローラ・オマリーが踊ったフォーサイス振り付けの「Ulricht」が抜けていました。実際にはこの二人はガラで踊っていますので、ファンの方、ご心配なく!

7時開演で終了が午前12時半という5時間半にわたったバレエマラソンでした。客席にはマニュエル・ルグリやノイマイヤー、ハイデ、キリアン、クラガン、モニカ・メイソン、それからほかにも他バレエ団の有名ダンサーが多数という目もくらむばかりの豪華さでした。

JUBILÄUMSGALA
Mit internationalen Gästen, Solisten des Stuttgarter Balletts und der John Cranko Schule

Opernhaus
Termine 12.02.2011 | 13.02.


Programm:

THIS IS THE MOMENT
Sänger Randy Diamond

ETÜDEN
Ch: Pädagogen der John Cranko Schule
Schülerinnen und Schüler der John Cranko Schule

DEFILEE
Ch: Tamas Detrich
Schülerinnen und Schüler der John Cranko Schule

JEUNEHOMME
Ch: Uwe Scholz
Blythe Newmann, Admill Kuyler
(Badisches Staatstheater Karlsruhe)

MY WAY
Ch: Stephan Thoss
Marijn Rademaker, Alexander Jones

Pas de deux aus MOLTO VIVACE
Ch: Stephen Baynes
Amber Scott, Adam Bull
(The Australian Ballet)

Pas de trois aus RÜCKKEHR INS FREMDE LAND
Ch: Jiří Kylián
Alicia Amatriain, Nikolay Godunov, Evan McKie

STÄNDCHEN
Ch: Christian Spuck
Roland Havlica, Damiano Pettenella, Alexander Zaitsev

FANFARE LX
Ch: Douglas Lee
Anna Osadcenko, Evan McKie

AWAKING FROM THE DREAM
(Pas de deux aus PEONY PAVILLION)
Wang Qimin, Li Jun
(Chinesisches Nationalballett)

AU'LEEN
Gesang: Philip Ens
Bridget Breiner

IN PERIL
(Uraufführung)
Ch: Sabrina Matthews
Heather Ogden, Guillaume Côté
(The National Ballet of Canada)

Pas de deux aus KAZIMIR'S COLOURS
Ch: Mauro Bigonzetti
Katja Wünsche, Alexander Zaitsev

FANCY GOODS
Ch: Ch: Marco Goecke
Friedemann Vogel
David Moore, Brent Parolin, Özkan Ayik, Matteo Crockard-Villa, Demis Volpi

Pas de deux aus MAYERLING
Ch: Sir Kenneth MacMillan
Irina Tsymbal (Wiener Staatsballett), Robert Tewsley

TWO PIECES FOR HET
(Stuttgarter Erstaufführung)
Ch: Hans van Manen
Alicia Amatriain, Marijn Rademaker

Pas de deux MÈDITATION aus THAIS
Ch: Sir Frederick Ashton
Sarah Lamb, Federico Bonelli
(The Royal Ballet, London)

Pas de deux aus CARMEN
Ch: Márcia Haydée
Natalia Berrios, Luis Ortgoza
(Ballet de Santiago de Chile)

DER STERBENDE SCHWAN
Ch: Mauro de Candia
Vladimir Malakhov
(Staatsballett Berlin)

Pas de deux aus ONEGIN
Ch: John Cranko
Sue Jin Kang, Jason Reilly

Änderungen vorbehalten

2011/02/11

2/10 シュツットガルト・バレエ「I fratelli - Die Brüder(兄弟/若者のすべて)

I fratelli - Die Brüder
Ballett in zwei Akten von Mauro Bigonzetti

Besetzung:
Rosaria Marcia Haydée (a.G.)
Rocco Marijn Rademaker
Simone Jason Reilly
Vincenzo Evan McKie
Ciro Arman Zazyan
Nadia Katja Wünsche
Ginetta Rachele Buriassi

シュツットガルトに来ています。詳しい感想はまたのちほど!

シュツットガルト・バレエの「兄弟(若者のすべて)」は素晴らしい作品だった。もう丸一日くらい寝ていないのに眠くなる余裕はなくてヴィスコンティの映画の世界がそのままバレエに。正直、ビゴンゼッティが物語バレエなんか作れるの?と思っていたけど良い意味で裏切られた。パーカッションを多用したオリジナルのスコア、逆光気味の照明、シンプルながら効果的なセットと場面転換の妙、時代を忠実に再現した衣装と映画の世界観をうまくバレエの舞台に置き換えていて、1950年代のイタリアを舞台の上に見事に再現していた。

偉大なマリシア・ハイデが5人兄弟の母親役で出演。踊りまで見せるシーンがあった上、休憩時間にはサイン会まで!強い母を通しての兄弟の絆とその崩壊を、その強烈な存在感で体現していた。マライン・ラドマーカーのロッコ、ジェイソン・レイリーのシモーヌ、二人ともはまり役で踊りを通しての感情表現がすごい。ロッコの暗闇の中で光り輝く真っ白な美しさ。純粋すぎるあまりの悲しみ、やるせなさ。彼とは対照的なシモーヌのどうしようもなさとやり場のないどん詰まり感、激しい感情、やっぱりこの二人は踊りの中にエモーションをこめるのがうまい。7月の「ロミオとジュリエット」のジュリエット役ではもぎたての大根のようだったカーチャ・ヴュンシュも、娼婦ナディア役はよく似合っていて、とてもエロス、淫蕩さを感じさせながらもくらくらするほど魅力的だった。彼女に思いを募らせるあまり、最後にはシモーヌが彼女を殺してしまうほど愛憎を募らせる対象だったということに説得力があった。映画の中でも登場した十字架のモチーフを巧みに使った殺しのシーンには、心を切り刻まれる様な痛みがあった。ジェイソンもマラインもパートナーリングがうまいってこともあるけど、カーチャは身体能力がすごくて、この体勢からこんなところまで体を持ち上げられるんだ、と驚かされた。性愛の身体表現手法、パ・ド・ドゥへの移し変え方がビゴンゼッティはとても独創的だと思った。

エヴァン・マッキーが演じた長男ヴィンチェンゾの結婚式のシーンはとてもイタリア的で活気があって、靴が飛び交ったりするのが面白かった。末っ子ルーカ役を演じた子役がとっても可愛かった!

カーテンコールには、ビゴンゼッティ本人も登場。 素晴らしい作品をありがとう!

追記
ドイツのテレビ局で放送されたニュース映像を観ることができます。舞台の様子も少し。
http://swrmediathek.de/player.htm?show=dda94590-3842-11e0-841e-0026b975f2e6

2011/02/09

ナショナル・バレエ・オブ・カナダの2011/12シーズン National Ballet of Canada’s 2011-12 season

ナショナル・バレエ・オブ・カナダが、カンパニー設立60周年を記念した2011/12シーズンのラインアップを発表しました。

ソーシャルメディアに力を入れているナショナル・バレエ・オブ・カナダは、この発表をUstreamで生中継していたので、がんばってリアルタイムで見ました。

プレスリリースはこちらです。
http://national.ballet.ca/pdf/pressreleases/2011-12_Season.pdf

2011年11月16日から始まるシーズンのオープニングを飾るのは、なんとアレクセイ・ラトマンスキー振り付けの新作「ロミオとジュリエット」のワールド・プレミアです。今までナショナル・バレエ・オブ・カナダはジョン・クランコ版の「ロミオとジュリエット」を上演していたのですが、同じプロコフィエフの音楽を使用しているものの、まったく違ったプロダクションになりそうです。衣装デザインは、昨年末に初演されたラトマンスキー版「くるみ割り人形」(ABT)と同じ Richard Hudson(ブロードウェイ・ミュージカル「ライオン・キング」のデザインで有名な人だそうです)。

また、2012年6月には、シュツットガルト・バレエに振付けられたケヴィン・オデイ振付の「ハムレット」が新たにレパートリー入りし、北米での初演が行われます。他にこのシーズンに上演を予定されているのは、アシュトン振付の「ラ・フィユ・マル・ガルデ」、ノイマイヤー振付の「かもめ」、ヌレエフ振付の「眠れる森の美女」、ジェームズ・クデルカの「くるみ割り人形」、そしてウェイン・マクレガー振付の「クローマ」・モーリス・ベジャール振付の「さすらう若者の歌」・マクミラン振付の「エリート・シンコペーションズ」のトリプルビルです。他にバンクーバー、カルガリー、エドモントン、オタワでのツアーも予定されています。

このバレエ団のレパートリー、とっても魅力的ですね。ABTの常任振付家を務めながらも世界中で引っ張りだこのラトマンスキーの新作の世界初演というのは、本当に凄いことです。

この新聞記事にも詳細が語られています。
http://www.theglobeandmail.com/news/arts/theatre/national-ballets-60th-season-is-full-of-surprises/article1897691/


2011/02/07

ローザンヌ国際コンクール2011の受賞者/追記(映像など)

取り急ぎ速報です。
2011年、第39回ローザンヌ国際コンクールの受賞者

http://www.prixdelausanne.org/Prix_de_Lausanne_2011_Prizewinners.pdf

(120) MS Mayara Magri, Brésil
Petite Danse School of Ballet, Rio de Janeiro
(観客賞も受賞)

(415) Mr Sung Woo Han, Corée
Korea National University of Arts, Seoul

(408) Mr Zhang Zhiyao, Chine
Beijing Dance Academy

(305) MS Patricia Zhou, Canada
Kirov Academy of Ballet, Washington D.C.

(204) Mr Shizuru Kato, Japon 加藤静流
AcriHorimoto Ballet Academy, Saitama

(426) Mr Derrin Watters, USA
Houston Ballet's Ben Stevenson Academy

(112) MS Yuko Horisawa, Japon 堀沢悠子
Reiko Yamamoto Ballet School, Ota

ET JUCHUM"PRIX D'INTERPRETATION CONTEMPORAINE"コンテンポラリー賞
"CONTEMPORARY DANCE PRIZE"
(426) Mr Derrin Watters, USA
Houston Ballet's Ben Stevenson Academy

"PRIX DU MEILLEUR SUISSE" - "PRIZE FOR THE BEST SWISS CANDIDATE ベスト・スイス出場者賞
(407) Mr Benoît Favre, Suisse
Tanz Akademie Zurich

"PRIX DU PUBLIC" - "THE AUDIENCE FAVORITE"観客賞
(120) MS Mayara Magri, Brésil
Petite Danse School of Ballet, Rio de Janeiro

みなさん、おめでとうございます。

昨夜は結局授賞式まで観てしまったのですが、ガラでのスティーヴン・マックレーのタップダンスのあまりの素晴らしさに思わず声をあげてしまいました。彼は実際にローザンヌコンクールに出場した時もタップダンスを踊ったんですよね。またこの踊りを観る機会があればいいな。

追記:早速、1位のマヤラ・マグリさん(ブラジル)のオフィシャル動画(「コッペリア」)がアップされていました。歌っているようなとても素敵な踊りですね。

時事通信の写真特集
http://www.jiji.com/jc/d2?p=ddd00101&d=005news&rel=j&g=phl

Swissinfoの詳細記事
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29429818

2011/02/06

ナショナル・バレエ・オブ・カナダのiPhoneアプリとエリック・ブルーン・プライズ

現在開催中のローザンヌ国際コンクールが、iPhone用のアプリを公開し、現在進行中のコンクールの最新情報や写真、ビデオ、過去の歴代受賞者の情報まで配信していることは皆様ご存知かと思います。

バレエ関係のアプリでは、パリ・オペラ座バレエのiPhone/iPod Touch用のアプリもあり、こちらも動画やスケジュール、劇場案内そしてチケットの購入まで行うことができます。(safariを起動してサイトに接続しての購入)

そして、ナショナル・バレエ・オブ・カナダも最近、iPhone用のアプリを公開しました。こちらも、スケジュール、最新情報、割引情報、劇場案内、そして動画を配信しています(動画は、YouTube上の動画へとリンク)。またアプリ内でのチケットを購入することもできます。1月31日のAppleが選ぶ「今週のアプリ」にも選ばれたほどのできばえです。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダのYouTubeチャンネルは大変充実しており、イリ・イェリネクが踊る「オネーギン」の動画も最近アップされていました。(レンスキーはギョーム・コテ、オルガがヘザー・オグデンという豪華版です。タチヤーナ役はいまひとつですが)ほかにも、来月新国立劇場でも上演される「イン・ジ・アッパー・ルーム」、ウェイン・マクレガー振付の「クローマ」、「テーマとヴァリエーション」など舞台映像もたくさんアップされています。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダでは、3月5日に、第9回エリック・ブルーン・プライズというコンクールが開催されます。偉大なスターでありかつて芸術監督を務めていたエリック・ブルーンを偲んだもので、第一回のコンクールはDVD化されています。エリック・ブルーンとゆかりのあったバレエ団の若手のダンサーが参加するもので、過去の受賞者には、オーゼ・ガッドゥ、ヨハン・コボー、ジュリー・ケント、フリーデマン・フォーゲル、コリー・スターンズなどがいます。

今年の出場者は以下の通り
http://www.national.ballet.ca/pdf/pressreleases/shino_mori_and_naoya_ebe_compete_in_the_ninth_international_competiton_for_the_erik_bruhn_prize.pdf

Shino Mori and Naoya Ebe (ナショナル・バレエ・オブ・カナダ)
Christine Shevchenko and Joseph Gorak (ABT)
Maria Baranova and Alexandr Trusch (ハンブルク・バレエ)
Shelby Elsbree and Jón Axel Fransson (デンマーク・ロイヤル・バレエ)
Elisa Badenes and Daniel Camargo (シュツットガルト・バレエ)

注目は、2006年にローザンヌコンクールでスカラシップを受賞した森志乃さんと、2007年に入団した江部直哉さんが出演することですね。また、ハンブルク・バレエのアレクサンドル・トラッシュは、すでに「放蕩息子」や「ヨゼフの伝説」のタイトル・ロールを踊っていて次のスターと目されている一人です。

審査員として、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのカレン・ケイン、ハンブルク・バレエのジョン・ノイマイヤー、シュツットガルト・バレエのリード・アンダーソンが参加するという、このコンクールの結果発表が待ち遠しいところです。

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ローザンヌ国際コンクール 決勝進出者

第39回ローザンヌ国際バレエコンクールの5日目の選抜で、20人の決勝進出者が選ばれました。

http://www.prixdelausanne.org/Prix_de_Lausanne_2011_Finalists.pdf

日本からは、堀沢悠子 さん ( 16歳 ) 、小嶺沙耶 さん (15歳) 、加藤静流さん ( 16歳 ) の3名が決勝に進出しました。ビデオブログでフィーチャーされ"日本のイワン・ワシーリエフ"と注目を集めていた、ボリショイ・バレエ学校に留学中の大川航矢さんは残念ながら決勝には進むことができませんでした。日本からの3人のほかの出場者の内訳は、中国3人、アメリカ3人、韓国2人、ブラジル2人と、スペイン、フランス、ノルウェー、オランダ、カナダ、オーストラリア、スイスから各1人です。

3人の日本人出場者の詳しいことについては、Swiss Infoでインタビューが載っています。
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29428864

また、現地でコンクールの様子を観て報告してくださっているブログがあって、とても興味深い内容です。
http://blog.goo.ne.jp/dancetoursinternational/

決勝ではこの中から7人が最終的に入賞できるとのことです。決勝の模様は、オフィシャルサイトで生中継で見ることができます。決勝は日本時間の今夜11時からです。(現地時間は午後3時)
http://lausanne.streamakaci.com/

以下が、決勝進出者の名前です。

402 Tu Hanbin, 17/0, Chine
Ecoles: Shanghai Dance School

107 Storm-Jensen Gina, 15/3, Norvège
Ecoles: The Norwegian National Ballet School, Oslo

204 Kato Shizuru, 16/2, Japon (加藤静流)
Ecoles: AcriHorimoto Ballet Academy, Saitama

108 Oh Handeul, 15/4, Corée
Ecoles: Yewon School, Seoul

407 Favre Benoît, 17/6, Suisse
Ecoles: Tanz Akademie Zurich

408 Zhiyao Zhang, 17/8, Chine
Ecoles: Beijing Dance Academy

111 Komine Saya, 15/11, Japon (小峯沙耶)
Ecoles: AcriHorimoto Ballet Academy, Saitama

410 Sjouke Sem, 17/10, Hollande
Ecoles: Royal Conservatoire, The Hague

112 Horisawa Yuko, 16/0, Japon(堀沢悠子)
Ecoles: Reiko Yamamoto Ballet School, Ota

206 Alonso Almagro Rubén, 16/7, Espagne
Ecoles: Conservatorio Prof.de Danza Murcia, José Antonio Robles

415 Han Sung Woo, 18/2, Corée
Ecoles: Korea National University of Arts, Seoul

120 Magri Mayara, 16/9, Brésil
Ecoles: Petite Danse School of Ballet, Rio de Janeiro

420 Bertinshaw Jack, 18/6, Australie
Ecoles: Tanz Akademie Zurich

309 Sun Yimeng, 17/6, Chine
Ecoles: Beijing Dance Academy

417 Dos Santos Pablo Octavio, 18/3, Brésil
Ecoles: Akademie des Tanzes, Mannheim

426 Watters Derrin, 19/0, USA
Ecoles: Houston Ballet's Ben Stevenson Academy

123 Carpio Liana, 16/10, USA
Ecoles: Houston Ballet's Ben Stevenson Academy

418 Sidford Henry, 18/4, USA
Ecoles: San Francisco Ballet School

305 Zhou Patricia, 17/3, Canada
Ecoles: Kirov Academy of Ballet, Washington D.C.

425 Poeung Kevin, 19/0, France
Ecoles: English National Ballet School, London

今年も、ビデオブログでコンクールの日々の様子が伝わってきて、時代は進んだものだと実感します。
http://www.prixdelausanne.org/v4/index.php/Videoblogs-2011/

加藤静流さんは、2年前の井上バレエ団の「くるみ割り人形」でフリッツを踊るのを観ているのですが、とても前途有望な感じがしました。ぜひ決勝でもがんばってほしいですね!

2011/02/05

シュツットガルト・バレエ50周年関連記事いろいろ The Stuttgart Ballet is celebrating its 50th anniversary

今月はシュツットガルト・バレエ50周年を記念して、ガラ公演はじめいろいろなイベントが予定されています。シュツットガルト・バレエの公演のほかにも、NDTII、ハンブルク・バレエ(「ニジンスキー」)、ロイヤル・バレエ・オブ・フランダース(「Impressing the Tzar」)がシュツットガルト州立劇場に招かれて公演を行います。

シュツットガルト・バレエ50周年を特集した記事もいろいろ掲載されているのですが、中でも素晴らしいのはこれ、ドイツのラジオ局のサイト
http://www.swr.de/kultur/veranstaltungen/-/id=3230/cat=1/pic=1/nid=3230/did=7545986/pv=gallery/1lhc9fb/index.html
過去から現在に至るまでの、シュツットガルト・バレエの貴重な写真をたくさん見ることができます。

上記からリンクが張ってあるこちらにも、もっと写真があります。
http://www.swr.de/swr4/bw/regional/stuttgart/programm/-/id=259138/nid=259138/did=7574674/pv=gallery/1xr9um7/index.html

こちらの記事(ドイツ語)では、シュツットガルト・バレエの50年間の歴史についての記事が載っています。
http://www.tanznetz.de/kritiken.phtml?page=showthread&aid=35&tid=19397

現在の地に1600年からバレエ団が存在していたものの、当時はオペラの中にあるバレエシーンを踊る役割のみを担っていました。今回の50周年とは、1961年1月16日に当時33歳だったジョン・クランコがバレエ団を引き継いでからちょうど50周年にあたるということです。同性愛スキャンダルが原因でロイヤル・バレエを去ったジョン・クランコがシュツットガルトに来る前の当時のスタッフで今も残るのは、現バレエ・ミストレスのジョルジェット・ツィングリーデス(82歳)一人だけです。クランコによって見出されたマリシア・ハイデをはじめ、ビルギット・カイル、リチャード・クラガン、エゴン・マドセン、ハインツ・クラウス、レイ・バラ、スザンヌ・ハンケなどのスターが育ち、"シュツットガルトの奇跡”と呼ばれる躍進がありました。「オネーギン」「ロミオとジュリエット」そして「じゃじゃ馬ならし」などの傑作が生まれました。1971年には、彼の死後に"ジョン・クランコ・スクール”と名づけられることになるバレエ学校が設立されました。

また、クランコが芸術監督を務めていた間、シュツットガルト・バレエには、イリ・キリアン、そしてジョン・ノイマイヤーが在籍し、やがて振付家として巣立っていきました。クランコが芸術監督に就任してすぐに、盟友ケネス・マクミランの「大地の歌」がシュツットガルトで初演されました。ピーラー・ライト、ジョージ・バランシンらの作品もレパートリーとなりました。1973年にクランコは太平洋上の飛行機の中で心臓発作を起こし、45歳の若さで亡くなりました。

クランコの後を継いだグレン・テトリーは追悼の意味を込めて「ヴォランタリーズ」を振り付け、芸術監督に就任しましたが、観客は彼のモダンな作風よりもクランコの物語バレエを好み、1976年にテトリーは去り、後を継いだのはクランコのミューズであったマリシア・ハイデでした。クランコ亡き後も、バレエ団の主要なスターたちは移籍せずに残り、伝統を引き継ぎました。ハイデは20年間バレエ団を率いて、カンパニーのレパートリーにクランコの作品群を据えました。それに加え、「ジゼル」「白鳥の湖」「ラ・シルフィード」などのクラシック・ロマンティック・バレエ作品も定期的に上演されるようになりました。ハイデ時代にキリアン、ウィリアム・フォーサイスらがここで新作を振り付け、1978年にはここでノイマイヤーの「椿姫」が初演されました。また、ウヴェ・ショルツ、レナート・ツァネラなどの振付家が育って自らのカンパニーを見つけては去っていきました。1987年にはハイデは「眠れる森の美女」を振り付け、43歳になっていたリチャード・クラガンのためにカラボス役を創造しました。

クランコの作品の権利を引き継いだディーター・グラフとパートナーのリード・アンダーソンはカナダへと移り、アンダーソンはナショナル・バレエ・オブ・カナダの芸術監督に就任していましたが、90年代にシュツットガルトに戻り、ハイデの後を継いで96年に芸術監督となりました。新しいシュツットガルト・バレエを創造しようとしたアンダーソンは、ウラジーミル・マラーホフ、ロバート・テューズリーらのスターをもたらしただけでなく、マウロ・ビゴンゼッティ、ウェイン・マクレガーイツァーク・ガリリら若い振付家を招聘し、またクリスチャン・シュピックやマルコ・ゲッケらを育てました。さらに、現在プリンシパル・ダンサーでもあるダグラス・リーやブリジット・ブライナーも振付家としての名声を確立しつつあります。

ハイデの時代にシュツットガルト・バレエはオペラから完全な独立を勝ち取りました。今でも、クランコ的なダンサー~テクニックに優れているだけでなく、演技力と強い個性を併せ持ったダンサーたちを擁しています。

「シュツットガルト・バレエにはレパートリーはなく、アイデンティティがある。この劇場で初演された多くの偉大な作品、そしてクラシック・バレエの世界的な遺産がここの空気として存在している、それはクランコが作り上げたもの」とジョルジェット・ツィングリーデスは語っています。知的で好奇心にあふれオープンな観客に恵まれ、継続的に新しい空気も導入しているシュットガルト・バレエの観客動員力は非常に高いのですが、同時に、ヨーロッパで最もチケット代が高いバレエ団でもあるそうです。しかし、それは観客がバレエ団を愛している証拠のひとつでもあります。

2011/02/04

ノイマイヤーの「人魚姫」がモスクワ音楽劇場バレエで上演 Die kleine Meerjungfrau at the Danchenko Theatre

ジョン・ノイマイヤーがハンブルク・バレエに振付けた傑作「人魚姫」が、サンフランシスコ・バレエに続き、モスクワ音楽劇場バレエ(ダンチェンコ劇場)でも上演されることになり、明日(2月4日)に初演されるとのことです。

http://www.stanmus.com/performance.html?id=72

キャストは以下で見るこちができます。
http://www.stanmus.com/performance.html?id=72&did=-1#people

人魚姫役のバレリーナは私は知らない方ばかりなのですが、王子役は、去年の来日公演でも活躍したセミョーン・チュージン、ゲオルギー・スミレフスキー、王女はマリア・セメニャチェンコ、ナタリア・ソーモワが演じることになっており、観てみたい!と思いました。


サンフランシスコ・バレエで上演された際にも、この作品は絶賛を浴び、早速今シーズンにおいても再演が決定したとのことです。
http://www.sfballet.org/performancestickets/2011season/program8.asp

上記サンフランシスコ・バレエのサイトでは、ヤンヤン・タンが人魚姫を演じた映像を観ることができて、この作品をまた観る機会があればいいな、って思いました。

追記:ロシアのテレビ局、テレカナル・クラトゥーラで、ノイマイヤーが指導する様子、実際の舞台など、ニュース映像を見ることができます。(とても重いですが)
http://www.tvkultura.ru/video.html?id=225950&doc_type=rnews&doc_id=581248

2011/02/02

ディアギレフ時代のバレエ・リュスの映像が実存した!Found: Footage of the Original Ballets Russes

少し前から話題になっていて、ちょっと取り上げるのが遅くなってしまいましたが、驚くべき発見がありました。

以前このブログでも展覧会の様子をご紹介した、ヴィクトリア&アルバート・ミュージアムでの「Diaghilev and the Golden Age of Ballets Russes」展は先月終了しましたが、その展覧会のブログで発表されたことです。

http://www.vam.ac.uk/things-to-do/blogs/diaghilev-and-ballets-russes/i-eat-my-words

セルゲイ・ディアギレフは映像を舞台芸術の敵だとみなし、彼が率いていた時代のバレエ・リュスの舞台映像やリハーサル等は一切存在しないと信じられてきました。

ところが、この展覧会のキュレーターであるJane Pritchardが、バレエ・リュスの映像は実在したと1月31日に発表しました。映像製作会社Pathéのアーカイヴの中に、1928年にスイスのモントルーで開催されたFêtes des Narcissesという芸術祭で、セルジュ・リファールが踊る「レ・シルフィード」の映像が存在していたのです。Susan Eastwoodという人が、Pathéのカタログに掲載されていた舞台写真を手がかりに、これがバレエ・リュスのものであることを探り当てたとのことです。

そして、なんとこの映像はインターネットで観ることができるのです。すごい時代になったものです。(下の画像をクリックすると、再生されます)
http://www.britishpathe.com/record.php?id=79902

FESTIVAL OF NARCISSUS

バレエ・リュスの映像は実在しないと考えられていたので、これは歴史的な大発見と言えます。

New York Timesでも、早速このことが報道されています。
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2011/01/31/found-footage-of-the-original-ballets-russes/

2011/02/01

NHKプレミアムシアター、3月にロイヤル・バレエ「ラ・バヤデール」「ピーターと狼」「スケートをする人々」放映

いつも大変お世話になっているちょこっと劇場へ行ってきますのmiyaさんに教えていただきました。

NHKBShi およびBS2の「プレミアム・シアター」では、3月に英国ロイヤル・バレエの映像が放送されます。

3月19日(土)23:00~27:00 NHKBShi
3月27日(日)24:40~28:40 NHKBS2 
 英国ロイヤル・バレエ公演 
    バレエ「バヤデール」
 英国ロイヤル・バレエ公演 
    バレエ「オンディーヌ」

英国ロイヤル・バレエ公演 バレエ「バヤデール」
【出 演】 英国ロイヤル・バレエ団
    ニキヤ:タマラ・ロホ
    ソロル:カルロス・アコスタ
    ガムザッティ:マリアネラ・ヌニェスほか
【作 曲】ミンクス
【管弦楽】コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
【指 揮】ワレリー・オブシャニコフ
【振 付】マリウス・プティパ
【演 出】ナタリア・マカロワ

収録:2009年
コヴェントガーデン王立歌劇場

英国ロイヤル・バレエ公演 バレエ「オンディーヌ」(全2幕)
【出 演】 英国ロイヤル・バレエ団
   オンディーヌ/水の精:吉田 都
   パレモン:エドワード・ワトソン
   ペルタ:ジェネシア・ロサート
   ティレニオ:リッカルド・ケルヴェラ
   隠者:ゲーリー・エイビスほか
【管弦楽】コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
【指 揮】バリー・ワーズワース
【音 楽】ハンス・ウェルナー・ヘンツェ
【舞 台】リラ・デ・ノビリ
【照 明】ジョン・B・リード
【振 付】フレデリック・アシュトン
収録:2009年6月3日(水)、6日(土)
コヴェントガーデン王立歌劇場


3月26日(土)23:00~27:00 NHKBShi
 英国ロイヤル・バレエ公演 
    バレエ「スケートをする人々」
      & 「ピーターと狼」
 英国ロイヤル・バレエ日本公演 
    バレエ「ロメオとジュリエット」

バレエ「スケートをする人々」
【出 演】 英国ロイヤル・バレエ団
   スティーヴン・マックレー
   ラウラ・モレーラほか
【音 楽】ジャコモ・マイヤベーア
【振 付】フレデリック・アシュトン

バレエ「ピーターと狼」
【出 演】ロイヤル・バレエ学校
【ナレーター】ウィル・ケンプ
【音 楽】プロコフィエフ
【振 付】マシュー・ハート

収録:2010年12月16-23日
コヴェントガーデン王立歌劇場

バレエ「ロメオとジュリエット」 (全3幕)
【出 演】 英国ロイヤル・バレエ団
    ジュリエット:吉田 都
    ロメオ:スティーブン・マックレー
    ティボルト:トーマス・ホワイトヘッド
    ベンヴォーリオ:セルゲイ・ポルーニン
    パリス:ヨハネス・ステパネクほか
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【指 揮】ボリス・グルージン
【音 楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【振 付】ケネス・マクミラン

収録:2010年6月29日(火)
東京文化会館

「ラ・バヤデール」は以前シアターテレビジョンで放映され、今度DVD化される映像ですが(マリアネラ・ヌニェスのガムザッティとギャリー・エイヴィスの大僧正が超素敵です)、去年12月に上演されたばかりの「スケートをする人々」(Les Patineurs)と「ピーターと狼」が放映されるのは嬉しいです。吉田都さん主演の「ロメオとジュリエット」の再放送も。

さて、この一つ前の記事で紹介した朝日新聞の記事によると、BS2の「プレミアムシアター」はBSプレミアムに残るとのこと。今後もバレエはこの番組で放映してほしいですね。

「芸術劇場」が終了するとしたら何がショックかと言うと、「芸術劇場」はNHKのスタッフが制作した質の高い撮影による舞台を放映してくれていたことです。それも、国内の公演中心で。「プレミアムシアター」は「芸術劇場」の再放送、もしくは海外でDVD用に撮影された映像などが中心で、NHK制作のものは少なかったかと思います。独自制作の番組を作る予算が削減されたということなのでしょうか。

大体、記事の見出しが「上質の教養・娯楽に重点」とありますが、国内の演劇は上質の教養・娯楽ではないと言っているようなもので、演劇関係者にとってはずいぶん失礼な話です。

みなさんの声は、ぜひこちらへ!
http://www.nhk.or.jp/css/?from=tp_af91


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NHK 教育テレビ 芸術劇場が三月で終了/追記あり

今朝2月1日付の朝日新聞27面に載っていた記事です。

NHKBSのチャンネル数が4月に3から2へと減るのに伴い、各チャンネルのコンセプトも見直されました。

BS1、BS2、BSハイビジョンが統合再編されて、4月からはBS1とBSプレミアムの2チャンネル体制になります。BS1は従来通り国際情報とスポーツ番組が中心。BSプレミアムは、本物志向の教養・娯楽チャンネルを謳うそうです。

一方で姿を消す番組もある。金曜夜の教育テレビ「芸術劇場」とBS2「ミッドナイトステージ館」は終了、BS2「プレミアムシアター」はBSプレミアムに残るものの日本で上演される演劇は基本的に扱わないとのこと。演劇を扱う番組はなくなると書いてあります。

数々のバレエ・ダンスや伝統芸能、演劇や音楽を放映してきた芸術劇場かなくなってしまうのは衝撃です。この番組をきっかけにバレエを知った方も多いかと思います。テレビでバレエを観る機会が激減してしまうことは間違いありません。もう決まったことでどうしようもないのかもしれませんが、NHKに要望を出してみたいと思います。

追記:asahi.comに記事がアップされていました。

上質の教養・娯楽に重点 NHKBS、2チャンネルに統合・再編
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201102010105_01.html

追記:NHKへのご要望はこちらのNHKのサイトにあるフォームからお送りくださいとのことです。
みなさまの声にお応えします‎
http://www.nhk.or.jp/css/?from=tp_af91

NHKの広報Twitterによると、
「皆さんにもご案内しておりますが、まだ最終的に決まったわけではないようですので、ぜひ、ご意見をこちらまでお寄せください」とのことです。

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