1/29 ベルリン国立バレエ「チャイコフスキー」@兵庫県立芸術文化センター
マラーホフが踊る「チャイコフスキー」がもう一度観たくて、結局日帰りで兵庫まで遠征してしまいました。国内遠征は久しぶり。往復の交通費が2万5千円かかってしまったけど、それをかけても観に行く価値はありました。兵庫県立芸術文化センターは杮落としの2005年「春の祭典」公演以来。今回の舞台は1階席後方で観たのですが、非常に観やすくて良かったです。また、大阪センチュリー交響楽団の演奏も素晴らしかったです。指揮者ヴェロ・ペーンの緩急自在のバトンの功績も大だと思われます。
東京では、ゲネプロ、本番ともファーストキャストでしか観なかったので、セカンドキャストで観られたのも良かった。ただ王子は当初のマリアン・ヴァルターではなくディヌ・タマズラカルでした。
マラーホフの引き裂かれた自我の痛ましさ、そんなチャイコフスキーの生み出した音楽の美しさの中にはかくも深い苦悶と内なる戦いがあったのかと慄然とさせられる舞台であると改めて実感しました。とともに、妻アントニーナ・ミュリコワをあのような怪物としか見ることができなかった彼の人間としての欠陥、妻のあまりの不幸にも思いを馳せずにはいられませんでした。
難しいテクニックやパートナーリングが必要な「チャイコフスキー」のタイトルロールをいつまでマラーホフが踊ることができるのかはわかりません。が、今現在の彼が、表現者だけでなく踊り手としても未だ高い地点にいるということを認識させられました。踊れる限りは、この役を踊り続けてほしい、このような役に出会うことができたマラーホフ、そして私たち観客は幸福だったと言えましょう。
また、ぜひともエイフマン・バレエの来日公演も実現させてほしいものです。
<キャスト>
チャイコフスキー:ウラジーミル・マラーホフ
分身/ドロッセルマイヤー:イブラヒム・ウェーナル
フォン・メック夫人:エリサ・カリッロ・カブレラ
チャイコフスキーの妻:ナディア・サイダコワ
王子(若者/ジョーカー):ディヌ・タマズラカル
少女:セブネム・ギュルゼッカー
指揮 ヴェロ・ペーン
演奏 大阪センチュリー交響楽団
1/23の東京公演の感想もまだ完結していないので、続きをがんばって書きます!
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コメント
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naomiさん、
ウラジーミルのチャイコフスキーは本当に素晴らしかったですね。踊り手としても未だ高い地点にいる!
全く同感です。正直、「彼はもうだめかも・・・」と涙する事の方が多かったこの2年ほど。。。
でも「チャイコフスキー」が、私たちはまだまだマラーホフを失うことはない!と思わせてくれました。
ここにきての彼のために用意されていたような役だ。。。と思いました。
セカンドキャストで残念だったのは、メック夫人でしたね。ファーストキャストのベアトリス・クノップの
希有な力を改めて実感しました。私、キャストチェックもせずに4階席で見てたのですが、メック夫人の
最初の一歩で、違う!夫人じゃない!!クノップじゃない!と思いましたもの。
エイフマンバレエの来日、私も切に希望します。興味深いレパートリー、そして何と言っても
男の子達に驚くほど美形が多いらしいので(笑)
投稿: ゆいーちか | 2011/01/30 23:53
ゆいーちかさん、こんばんは。
ゆいーちかさんに以前お勧めいただいたとおり、本当にマラーホフのチャイコフスキーは凄かった!ぞくぞくするような経験を久々に味わいました。そうなんです、もちろん彼は今でも素晴らしいダンサーではあるとはいえ、全盛期を過ぎてしまったのかと少し寂しく思っていたのですが、今回を見てその認識を改めました!彼はまだまだこれから、素晴らしい舞台をたくさん見せてくれるに違いないし、この役を通して、こんなにもすごい表現者であると言うことを見せてくれた幸せをかみ締めたいです。
そうそう、エリッサは相当物足りないというか、ベアトリス・クノップは凄い迫力で彼女の二面性を感じさせてくれて、彼女も凄い演技者で表現者だと思います。
エイフマン・バレエ、長身でプロポーションの素晴らしいダンサーをそろえているということで、さらに美形男子も多いと言うことなら、ますます観てみたい!!
投稿: naomi | 2011/01/31 01:59
naomiさん
神戸までいらしたんですね。
今でも、マラーホフの表現力が素晴らしかったのを思い出されます。
ところで、ボリス・エイフマンのチャイコフスキーをネットで調べたら
10年以上前にNHK教育テレビで放送された記事をみつけました。
NHKに問い合わせたわけではありませんが、もう一度放送してもらいたいです。
投稿: キララ | 2011/01/31 06:45
関西遠征されたのですね。雪で交通乱れはなかったのでしょうか。
東京でセカンドキャストで見ましたが、やはり感動しました。
でもクノップをみれなかったのは心残りで、残念です。
オケも大阪センチュリー交響楽団のほうがよかったのでは?
東京公演、かなり平板なスカスカな演奏でしたからねえ。
とはいえ東京文化会館の3階席1列目で全体が見える場所だったため、見やすくて満足しています。
こういう演目って近い席と全体が見える席とどっちがいいんだろうなんて思いました。
通常の古典演目ではつい舞台に近い場所で見てしまうのですが、チケット代金節約のため、後ろの席でもみてみようかなあと思うこのごろ。
イワンと仔馬を東京文化会館でみたとき、JA夢倶楽部会員へのご招待チケットだっため、1階の後ろだったのですが、意外と見やすくて楽しかったんです。後ろって案外いいかも?
チケット代金節約のため、3階席1列目あたりでもS席よりはずいぶん安いので、今年は節約しようかなと思うこのごろです。
投稿: bumineko | 2011/01/31 10:43
naomiさん、兵庫公演まで行ってくださるほど感激してくださったとは嬉しいです。
私もみました。兵庫でも出し切って踊っていましたよね。
ところで、私の周りにも、ミリャーコワの不幸に一番心を打たれたという感想を持っている
人が2名ほどいました。そしてサイダコワのダンスと演技に感動したと言っていました。やはり、そう感じられる方が多いのですね。
どちらにしても、素晴らしい公演でした。
投稿: ショコラ | 2011/01/31 17:12
神戸までいらしてたんですね。
私も同じ会場にいました。マラーホフ、本当にすばらしかったです。
私は、翌日のびわ湖ホールの「シンデレラ」も観たのですが、
マラーホフの「甘い物好きのバレリーナ」よかったですよ。
眼が釘付けになりました。(笑)
この時も、シンデレラはヤーナ・サレンコでしたが、
小柄な彼女の最後のレベランスは、胸にぐっとくるものがありました。
それにしても、芸術監督とダンサーの両立だけでも大変なのに
団員のだれよりも踊っているなんて、大変な体力だと
あらためて感じました。
一日も長く、彼のダンスが観れますように。
投稿: ショコラ・ショー | 2011/01/31 22:25
キララさん、こんばんは。
そうなんです、「チャイコフスキー」、1994年のレニングラード・バレエ・シアター(現エイフマン・バレエ)の来日公演がNHKの「芸術劇場」で放映されているんですよね。いろいろ権利の問題もあるんだと思いますが、こういうものこそまた放送してほしいって思います!
投稿: naomi | 2011/02/01 00:04
buminekoさん、こんばんは。
雪による遅延もあるかな、と思って少し早めに出たんですが、幸い影響はありませんでした。京都以外の関西に来るのが久しぶりで、土地勘がなかったので若干焦りましたけど。
大阪センチュリーの演奏、東京よりずっと良かったです!ホールの音響もとてもよくて、正面の席だったからか、よく聞こえました。
「チャイコフスキー」って演技の要素も強い作品だから、前の方で見たほうがいいのかな、と思いがちで東京では5列目で観たんですけど、今回24列目で観て、意外とこの場所でも(オペラグラスがあったほうがいいですけど)全体が分かっていいものだと思いました。
新国立劇場では、私は大体3階センターあたりを狙うことが多いです。群舞の美しさが味わえるし、オペラグラスを使えば表情も追えるし。友達でも、祭典のB会員(B会員席は大体3階正面1列目が来ます)の人が多いです。
たくさん観ようと思うとやっぱり席のグレードを落とさないといけないし、いろいろと悩ましいところですよね!
投稿: naomi | 2011/02/01 00:17
ショコラさん、こんばんは。
ショコラさんも(当然?)兵庫にいらしていたのですね。チャイコフスキー役という大変な役を4回踊りきったマラーホフは一回一回、心血を注いで演じられたんでしょうね。
そしてサイダコワというバレリーナのすごい才能も感じた公演でした。彼女以外の人があの役を演じたらどんな感じになったんでしょうかね。彼女は華奢で小柄だから、ますますよるべなく感じられ、思わず感情移入してしまうのかもしれません。
投稿: naomi | 2011/02/01 00:24
ショコラ・ショーさん、こんばんは。
ショコラ・ショーさんもいらしていたんですね~。私は今回、残念なことにマラーホフの甘いもの好きのバレリーナ役を見逃してしまってちょっと後悔しています。特に関西では、チャイコフスキーを演じた翌日にこの焼くとはすごいギャップですよね~!ヤーナ・サレンコは私も東京で観ましたが、彼女も本当に小柄で可愛らしくイノセントな感じなので、あのラストシーンははまりましたね。
「チャイコフスキー」はゲネプロを観たのですが、チャイコフスキー役を演じながらも同時に芸術監督として他のダンサーや指揮者などに指示をしているマラーホフを見て、ダンサーと芸術監督との兼任って想像以上に大変なんだなって思いました。その上これだけハードな役を連日踊って、本当に彼は凄い人ですよね。その素晴らしい才能をできるだけ長く私たちに見せ続けてほしいと願いました。
投稿: naomi | 2011/02/01 00:29
naomiさん、神戸まで遠征なさったのですね! 羨ましいです~
私も事情が許せば追っかけたかったのですが、残念ながら断念しました。。。
naomiさんの日記で神戸の公演の様子が伝わってきて嬉しいです!
そして、naomiさんがこの作品と タイトルロールを踊るマラーホフの事を熱く書いてくださるのが、我が事のように嬉しい! (ファン馬鹿です^^;)
94年にエイフマンのバレエ団の来日公演を観て、強い衝撃を受けました。
当時はまだ チャイコフスキーの“真実”が公に明かされて間もなかったと思うので、日本国内でも この作品が話題になり、マスコミでも取り上げられていたように記憶しています。
メジャーなダンサーはいませんでしたが、それまでの創作バレエのスケールをはるかに超えた骨太の構成や、斬新で見応えのある振り付け、それになんと言ってもチャイコフスキーの美しくも哀しい音楽にぐいぐいと惹き込まれてしまいました。
(ただ、無音の時にスピーカーからシーシー聞こえるようなテープ演奏だったのが何とも残念でしたが・・・)
その時のNHKの放送を見直してみたのですが、チャイコフスキー役のダンサーは大柄のがっちりしたダンサー、分身は華奢で中性的な雰囲気のダンサーが踊っていて、今回のキャスティングとはかなり趣が違って見えました。
その頃 私は、その公演のイメージで分身にマラーホフの姿を重ねて観ていましたが、長年の年月を経て、彼がチャイコフスキー本人を“はまり役”で踊り、演じるようになったとは・・・
感慨深いです。。。
~長々と失礼しました~
投稿: ルル | 2011/02/01 23:38
ルルさん、こんばんは。
ルルさんは、94年のレニングラード・バレエ・シアターの「チャイコフスキー」をご覧になっていたのですね!その時の貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございます。マラーホフがこの役を演じたのもなにかの縁だったのですね。マラーホフのチャイコフスキー像はとても強烈なものだったのですが、他のダンサーが踊るとどんなイメージなのか、観てみたいとも思います。
投稿: naomi | 2011/02/02 00:32
naomiさん、こんばんは。
やっと書き上げました。ぜーぜー・・・。
関西でのバレエ公演では関西フィルがピットに入ることが多く、
センチュリーと発表された時は驚いたんです。
年末の第九ではあまり出来がよくありませんでしたし。
ですが、おっしゃる通り、ペーンさんの指揮が素晴らしかったことも
あるのでしょう。関西でのバレエ公演の音楽の中では
素晴らしい出来の演奏だったと思います。
そして、何よりマラーホフ!演技者として、踊り手として、
まだまだやれると思いました。今回は第一キャストのデュデクを
観られませんでしたし、これを観にベルリンに行きたいです!
投稿: Odette | 2011/02/05 21:49
Odetteさん、こんばんは。
この作品はとても重い内容なので、ホント、感想を書くのもぜーぜーですよね!さっそく面白く読ませていただきました!
多分私はセンチュリーを聴くのは初めてだったと思いますが、東京公演のシティフィルより良かったと思います。シティフィルも健闘していましたが。兵庫の音響のよさもあるのかしら?
そしてマラーホフ、凄かったですね!!!もちろんマラーホフは好きですが、まさか兵庫まで見に行ってしまうとは思いませんでした。彼がここまで踊れることを認識できたのはうれしいし、ファーストキャストでもう一度みたいな、って思います!やっぱりキャストはファーストの方が良かったと思うし。
投稿: naomi | 2011/02/06 02:44
はじめまして。兵庫県立芸術文化センターの情報を探していてこちらにたどりつきました。
バレエのことがびっしり書かれていて、感激です!!
これからちょこちょこのぞかせていただきたいです。よろしくお願いいたします。
おたずねなのですが、
兵庫県立芸術文化センター大ホールでなら、
1階中央より後方の席と4階右よりの最前列でしたらどちらがよいお席でしょうか・・・
最前列も捨てがたいのですが遠い気もしてとても悩んでいます。
もし、これまでにみてこられた感想がお聞かせいただけるなら、大変ありがたいです!
ちなみに、チャイコフスキー、見逃してしまいました。
残念無念です。
もう一度きてほしいです・・・
投稿: みっつ | 2011/09/23 00:48
みっつさん、こんばんは。
お返事がとても遅れてしまってごめんなさい。
兵庫県立芸術文化センターなのですが、私は今まで3回しか来た事がなくて、3階1列目、1階後方、1階前方でした。1階後方か4階1列かは好みの違いやどちらがお得かということもあって一概には言えませんが、4階だとそれなりに遠い感じはしましたし、1階後方は思ったより近い感じで観やすかったという印象を受けたので、値段の差を無視してしまえば1階でしょうか。ただ、4階でも1列目なら決して悪くないと思います!
投稿: naomi | 2011/09/29 02:25
naomiさま、ぶしつけなお願いに快く応じていただきまして・・・本当にありがたいです!!
お値段の違いも3000円でしたので、1階にすることにしました。
本当にありがとうございました。
これから、少しずつバレエ鑑賞をしていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: みっつ | 2011/09/29 10:53
みっつさん、こんばんは。
ぶしつけなんてとんでもないです。初めての会場だとわからないことも多いですよね。兵庫芸術文化センターはとてもよい劇場だと思うので、楽しまれてくださいね。3000円の違いだったら私も1階席にすると思います!
投稿: naomi | 2011/10/01 01:31