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« ABTのコリー・スターンズがプリンシパルに昇進 CORY STEARNS PROMOTED TO PRINCIPAL DANCER WITH AMERICAN BALLET THEATRE | トップページ | 新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」のキャスト »

2011/01/07

1/1 オランダ国立バレエ「眠れる森の美女」Dutch National Ballet "Sleeping Beauty"

オランダ国立バレエの本拠地は、アムステルダムのミュージックシアターという、市庁舎に隣接した運河沿いの近代的なオペラハウスにある。開放感のあるホワイエはとても気持ちよい。

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元旦の昼の「眠れる森の美女」の上演ということで、客席にはお子様もとても多かった。場内には、3幕の宝石のパ・ド・カトルの衣装も飾ってあったりして。

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http://extra.het-ballet.nl/sleepingbeauty/

Choreography: Sir Peter Wright after Marius Petipa
muzikale begeleiding: Holland Symfonia
dirigent: Ermanno Florio
decor- en kostuumontwerp: Philip Prowse
première productie Sir Peter Wright bij Het Nationale Ballet: 2 juli 1981, Stadsschouwburg, Amsterdam

Princess Aurora : Maia Makhateli
Prince Florimund : Marijn Rademaker
Seringenfee : Natasja Lucassen
fee Carabosse : Rosi Soto
Pas de Quatre : Megan Zimny Gray, Maria Chugai, Jared Wright, James Stout
Princess Florine : Erica Horwood
Bluebird : Koen Havenith

ピーター・ライト版の「眠れる森の美女」はゴールドを基調にした華麗で豪華なプロダクション。プロローグの妖精たちの衣装の色、そして3幕のパ・ド・カトルの(通常宝石のヴァリエーションとなるところ)衣装も同じなので、見分けはつきにくいのだけど、新年の上演にふさわしいゴージャスさがある。特徴的なのは、リラの精がロングドレスで踊らない役であることで、白いロングドレスのリラと黒いロングドレスのカラボスはまさに「善」と「悪」で対を成している。

2幕では、王子が目覚めのキスをした後、あの究極に美しいヴァイオリンソロに合わせてオーロラと王子がロマンティックなパ・ド・ドゥを踊る。キスをされてすぐにオーロラが目覚めて一瞬で恋に落ちるのではなく、少しずつ時間をかけて心が通い合うような演出になっていて、とても心に残る場面だ。5月のバーミンガム・ロイヤル・バレエもピーター・ライト版なので、この素敵なパ・ド・ドゥがまた観られるのが楽しみ。

オーロラ役のマイヤ・マッカテリは2006年の世界バレエフェスティバルで兄デヴィッド・マッカテリと共演したのを観て以来(オランダ国立バレエの「ジゼル」DVDのドゥ・ウィリは観ているけど)。4年間の間にずいぶん成長したと嬉しい驚き。去年の10月にプリンシパルに昇進したばかりとのことだが、可憐さはそのままに、その地位にふさわしい貫禄と安定感を身に着けていた。

1幕の誕生日のシーンでは、オーロラは元気いっぱいに飛び出して、明るい中にも初々しさがあり、16歳の少女らしいフレッシュな薔薇のよう。ローズ・アダージオではあまり緊張感は感じさせず、4人目の王子のところでは余裕たっぷりに長いバランスを取っていた。オーロラは生き生きと好奇心にあふれていて、老女に変装したカラボスが差し出す糸つむぎに引き付けられて指を刺してしまう物語の流れにとても説得力があった。2幕の幻想の中のオーロラは一転してリリカルで儚さを感じさせ、マイヤ・マッカテリの多面的な魅力の一端をうかがわせた。そして3幕のグラン・パ・ド・ドゥではキラキラと華やかに輝いていた。大きな黒い瞳が魅力的なマイヤ・マッカテリは、同じグルジア出身のニーナ・アナニアシヴィリを思わせる面差しがあり、鷹揚さの中に明るくチャーミングな個性があるのも、ちょっとニーナに通じるものがある。

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(このポスターに写っているのは、ラリッサ・レジュニナ)

シュツットガルト・バレエから客演のマライン・ラドマーカーの王子は、2幕では軍服のような紺色の上着を着用。マイム一つとっても、とろけるようなポール・ド・ブラがとても優雅で王子らしく、台詞が聞こえてきそう。眠りの王子はそんなに踊るところは多くないのだけど、最初のソロでの深く柔らかいプリエのアッサンブレ、5番にきれいに収まってとても美しい。ふわっと浮かび上がるようなマネージュも、カブリオールの足先も端正だ。マラインというダンサーが面白いのは、エレガントな王子のたたずまいの中にも、ものすごい速さで舞台を駆け抜けるパッションが同居していること。この情熱が感じられるから、その場にいるだけで光を放っているような彼が、ますます際立ったきらめきを放つことができるんだろうなって思う。

マイヤとマラインは息もとてもよく合っていたし、3幕の3連続フィッシュダイブをはじめ、サポートもばっちり決まっていた。何より、2幕の目覚めのパ・ド・ドゥでの音楽に寄り添い香り立つような美しさには思わず心が震え、涙が出そうになってしまった。ともにビジュアル的に最高に美しいので、最後に舞台に舞い降りる金箔のキラキラがとても似合っていて、眩しいふたり。

オランダ国立バレエは、プロローグの妖精の踊りを見てカンパニーのレベルの高さを実感させられた。7人の妖精のうちの最後を踊ったバレリーナが素晴らしいと思って休憩時間にキャスト表を見たら、サーシャ・ムハメドフという名前。そう、あのイレク・ムハメドフの娘さんが、このカンパニーにコリフェとして所属しているのだ。2008年のYAGPのファイナリストでもあった彼女は将来が楽しみなダンサーである。

ライト版の「眠れる森の美女」は3幕の宝石の曲が男女2人ずつのパ・ド・カトルとして踊られるのだけど、ここで踊った2人の男性ダンサーのレベルもなかなか高かった。フロリナも良かったんだけど青い鳥はちょっと跳躍が低くて惜しい感じ。前日の公演のフロリナ役は去年入団したばかりの奥村彩さんが踊ったとのことで、観られなくて残念。この日は彼女は2幕の幻影のシーンでのニンフの一人を踊っていた。

そんなわけで、一年の始まりを飾るにふさわしい、ゴージャスで洗練された素敵な舞台だった。観客の反応もとても熱くて、1階席は総スタンディングオベーション、オーケストラも足を踏み鳴らしていた。(劇場付のオーケストラHolland Symphoniaによる演奏もとても素晴らしかった)オランダ出身のマラインが故国での主演デビューをこんなにも大きな成功で飾れたこともとても嬉しかった。

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

そうでしたか、素晴らしかったのですね!

マラインの完璧なプロポーションと音楽性溢れた踊りが目に浮かびました。プロダクションとしても充実していたようで何より。劇場はモダンな綺麗な劇場ですねぇ。

それにしてもゲスト王子が踊ったのは1回こっきり?日本みたいに全体の公演数が少ないのか(オランダっていうとコンテが得意そうですものネ)、それとも王子様の都合かしら???

新年から素晴らしい舞台に出会われ、幸せな時間を過ごされたのですね!良かったです。マラインの全速力で駆けるような情熱、ちょっとわかるような気がします。また彼の舞台を観たくなりました。

amicaさん、こんばんは。

マラインは音楽性も豊かで素敵でしたよ~キラキラの王子でした!このプロダクションにとてもよく合っていました。劇場もとてもいい雰囲気だし、周囲の環境もすごく素敵でまた来たいなって思いました。

今回、ゲスト王子が踊ったのはこの元旦、楽日のみだったみたいです。1回のみとはもったいなかったですよね。「眠り」自体は公演数はけっこう多かったみたいだし(劇場は例によってオペラと分け合っていますが)、多分王子の都合だと思います。バレエ団のサイトには主役キャストすら載っていないし。でも、このカンパニーには今後もゲスト出演するみたいなので、またアムスまで観に行くかも(笑)。

ほみさん、こんばんは。

はい、おかげさまで楽しいお正月を過ごすことができました!寒い国までついて来てくれた家人のおかげでもあります。マラインはテニスでオランダの強化選手だったこともあるそうで、運動神経がすごく良いから、疾走するスピードもすごく速いんですよね。日本で踊る予定はしばらくないようですが、また観たいですよね。

naomiさんあけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
ドイツやオランダのバレエ団の衣装って、とても素敵だと思います。色づかいやデザインがおしゃれでいいですよね。
もちろん踊りが一番大事だと思いますが、でもバレエって目で楽しむものですから、
美しい美術であればなお嬉しいというか。
ムハメドフの娘さん情報もありがとうございます。
入賞以来、ニュースを聞いていなかったので消息がわかって嬉しいです。がんばってほしいですね。

おロシア人さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします!
まだ感想を書けていませんが、マールイは28日に「ジゼル」、7日に「ドン・キホーテ」を観てとても楽しみました!

オランダ国立バレエの「眠り」、衣装が素敵でした~。本当に目で見て心地よいと言うか。バーミンガム・ロイヤルのチラシを見たら、同じライト版の眠りでも衣装はちょっと違うようです。(BRBはカツラとか使用しているようで)
ムハメドフの娘さん、とても踊りが大きくて素敵でした!彼女ならあっというまに昇進しそうです。

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