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« 2011年夏のマリインスキー・バレエロンドン公演 Mariinsky Ballet at the ROH, Summer 2011 | トップページ | ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの追加情報 »

2010/12/06

12/5 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」New National Theatre Ballet "Ashton's Cinderella"

2010/2011 Season Ballet
Ashton’s Cinderella

http://www.atre.jp/10cinderella/

シンデレラ:長田佳世
王子   :福岡雄大
仙女   :湯川麻美子
義理の姉:マイレン・トレウバエフ
義理の妹:堀登
春の精:丸尾孝子
夏の精:本島美和
秋の精:米沢唯
冬の精:寺田亜沙子
道化:グリゴリー・バリノフ
父親:石井四郎
ダンス教師:吉本泰久
洋服屋  :厚木三杏/西川貴子
ナポレオン:八幡顕光/ウェリントン:小笠原一真
王子の友人:芳賀望/江本拓/菅野英男/輪島拓也

12月1日にも「シンデレラ」は観に行っているのだけど、先にこの日の感想を。

「シンフォニー・インC」で素晴らしい踊りを見せてくれた長田さん&福岡さんの主演ペア、さらにはマイレンの義理の姉を観たくてこの日のチケットを追加購入。日曜日昼間の公演だというのに団体がいくつも入っていたようで大変な盛況。サンタ衣装のスタッフが手品を披露していたり、ちびっ子向けのメイクコーナーがあったり、クリスマスツリーとシンデレラの衣装と記念撮影ができたり、華やかな雰囲気でホワイエは盛り上がっていた。

長田さんのシンデレラはおっとりとしていて心優しいのだけど、踊りは溌剌としていてとても正確で、実はシンデレラは芯が強いってところを感じさせてくれた。完璧なアンドゥオールとよく伸びた甲は美しく、見ていて気持ちよい。そして長田さんは音楽性が豊かでアシュトンの難しいパもきっちりとこなしていた。箒を持っての踊りもとてもスムーズだし、小道具の扱い方や手の表情も素敵だ。とにかく人柄の良さがにじみ出るようなシンデレラで、義理の姉たちに意地悪をされても全然へこたれなくて、笑顔で優しく接しているのが健気でいい。実は義理姉妹とシンデレラは仲が良いんじゃないかと思ってしまうほど。長田さんはとても笑顔が素敵なバレリーナで、変身した姿で舞踏会に来て一歩ずつポアントで階段を下りてくるシーンでも、本当にキラキラした笑顔が可愛らしかった。

福岡さんはすらりとして王子らしい容姿と気品の持ち主。跳躍は高くつま先もきれいで素敵だった。ちょっと残念だったのはサポートがぎこちないところがあり、長田さんのサポートつきピルエットで軸の修正ができていなかったりしたこと。これから主役を踊る機会は多いと思うので、きっと今後解決されていくことと期待する。ペアとして見た感じもとても良いし、二人ともしっかりとしたテクニックの持ち主なので、これからもこの二人の舞台が観たいって思った。

マイレンの義理の姉は面白くって目が離せなかった。演技の派手さは1日に同じ役を踊ったアクリさんのほうが大袈裟でコミカルだったけれども、一つ一つの動作や表情がとても細かいところまで考え抜かれていて、他の出演者へのリアクションもリアリティがあって笑えた。特に巨大扇子の中から顔を突き出したり、首の周りでネックレスをブルンブルン振り回すところは本当に可笑しくて声を出して笑ってしまった。メイクはちょっとエキセントリックではあるけど意外と美人で色っぽい。それからさすが王子も踊っている人だけあって、踊りがいちいちキレキレだし、指先の動きなどもものすごく綺麗。アシュトン版「シンデレラ」の義理の姉妹の演技は、自由自在に演じているように見えて、実は決まりごとがすごく多くて振付は不動にあるとのこと。(参考:他日に義理の妹を演じていた井口裕之さんのブログ)その枠内で、まるで台詞が聞こえてくるような、見応えのあるコメディ演技を見せてくれたマイレンはさすがだ。堀さん演じる義理の妹との息もよく合っていた。今後、マイレンがこのようなキャラクターロールを演じることが増えるのだろうか。芸達者な彼の演技は本当に楽しいのだけど、クラシックでは新国立最強である彼の主役もまだまだ観たい。

湯川さんの仙女は川村さんより強さがあるけれども、シンデレラを優しく見守る頼れるお姉さんという感じで好感度が高かった。四季の精は、秋の米沢さんがやっぱり飛びぬけてしっかりとしたテクニックを持っているって感じた。4人揃って踊るところがあるので、実力の差がよく分かってしまうのが残酷な役柄ではある。

道化は1日に続きバリノフくん。八幡さんのような軽やかさはないけれども、着地がとても柔らかくてゴムマリのように弾んでいたし、表情が豊かで道化の茶目っ気があるところがよく出ていた。テクニックのある八幡さんがこの日はナポレオン役なのは少々もったいなかったけど、ポーカーフェイスと見せかけてカツラをむしりとられた時のリアクションがすっごく可笑しいし、小柄な彼が義理の妹をリフトするところもすごいって思った。

王子の友人4人は実に豪華なメンバー。この日は元K-Balletの長田さんがタイトルロールで、友人4人のうち芳賀さんと輪島さんも元K-Balletという布陣。この4人の踊りを見るにつけ、新国立劇場の男性ダンサーも非常に充実してきたことだと感慨深い。

今日は少し高い位置から舞台を観ていたのだが、星の精たちの踊りもよく揃っていて星のきらめきをリズミカルに表現していたし、群舞の相変わらずのクオリティの高さを堪能した。また、この作品の光と影を巧みに用いた照明の美しさを実感し、照明が舞台芸術に果たす役割の大きさを感じた。ラストシーンの星降るしみじみとしたエンディングが素敵な余韻を残してくれて、ほんわかと幸せな気分にさせてくれる。(去年初演された牧版「くるみ割り人形」が最悪なのは、終わった後に幸せな気分にはなれないことである)
残念なのは、どうやらこのアシュトン版「シンデレラ」は今回で上演権が切れてしまうこと。せっかく新国立劇場のレパートリーとして定着し、観客にもダンサーにも愛されている作品だというのに。現在芸術監督を務めているデヴィッド・ビントレーの振付による新作の「シンデレラ」がバーミンガム・ロイヤル・バレエで上演されているので、もしかしたら2年後にはビントレー版の「シンデレラ」が新国立劇場でも上演されるのかもしれない。

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コメント

こんばんわ。私も最終日行きました。本当にすばらしい舞台でしたね。最後うるうるきました。
夜空に星きらめくハッピーエンド、音楽の最後の最後の余韻まで本当に感動でした。
そして長田さんのシンデレラ、ブラボーです。
この版最後なのですか。それは寂しいです。すごく素敵なのに。

naomiさん、こんばんは。
今回で最後なんですか?ショックですgawk
2年に一度、この版を見るのを楽しみにしていたのに・・・。
オーソドックスだけどゴージャスで、うっとりほんわかした気持ちにさせてくれるし、あの素敵な馬車をはじめとした舞台装置も新国の広い舞台でこそ輝くのに・・・。
ビントレー監督のも楽しみではあるけれど、また是非復活させて欲しい舞台です。

buminekoさん、こんばんは。

本当に最後はうるうるしてしまうような素敵な舞台でしたよね。ラストシーンが本当に美しい作品ですよね。そして長田さん、ブラボーでした!彼女の踊りは本当に誠実で素敵です。これからもっと観る機会があるといいな。「ラ・バヤデール」でガムザッティを一日踊られるので観たいんですが、残念ながらニキヤ役もソロル役もあまり得意なキャストじゃないですよね。(ザハロワ目当てに18日を取ってしまいましたけど、小林さんのニキヤはそれはそれで興味あり)

クロードさん、こんばんは。

私も2年に一回のクリスマスの時期の「シンデレラ」を楽しみにしていたので、今回で最後らしいというのは本当に残念です。11月28日に行われた終演後バックステージツアーの時に、このプロダクションの権利が今回で切れてしまうという話があったようです。あのキラキラした馬車や照明の美しさ、星の精たちの踊りなど好きなところがいっぱいある作品なんですけどね・・・。
ビントレー監督の新作もなかなかセットや衣装は素敵なようです。

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