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2010/11/08

ロイヤル・バレエ・オブ・フランダースの芸術監督辞任問題 Save Royal Ballet of Flanders

ロイヤル・バレエ・オブ・フランダースはアントワープ市にあり、ベルギー唯一のクラシック・バレエカンパニーとして高い評価を得ているバレエ団です。現在の芸術監督であるキャスリン・ベネッツは、2005年に芸術監督に就任する前にはフランクフルト・バレエでバレエ・ミストレスを15年間務めており、そのためロイヤル・バレエ・オブ・フランダースはウィリアム・フォーサイス振付「インプレッシング・ザ・ツァー」(「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」の全幕版)の上演権を唯一持つなど、フォーサイス作品で知られています。プリンシパルには、斉藤亜紀さんがいます。

カンパニーのオフィシャルサイト
http://www.koninklijkballetvanvlaanderen.be/Site/rbf.htm

フォーサイス作品の他にも古典全幕作品の上演を行っているロイヤル・バレエ・オブ・フランダースは、ベネッツの芸術監督としての手腕が発揮され、世界有数のカンパニーとして評価されています。ところが、フランダースの文化長官は、2013年よりロイヤル・バレエ・オブ・フランダースとフランダース・オペラを同じ組織とし、それぞれの芸術監督が、予算と上演作品の編成の権限を持つ管理者の下に置くことにするとの計画を発表しました。実質的に二つの団体を合併する案です。この計画はバレエ団の独立性を損なうとして、ベネッツ芸術監督は契約が切れる2年後に辞任すると表明しました。

ベルギーの放送局で行われたインタビューの中で、涙ながらにベネッツ芸術監督が訴える様子はYouTubeやFacebookを通じて広がり、ダンス界に大きな反響を引き起こしました。

このインタビューで、ベネッツは、文化長官の決定を「傲慢で無知である」と非難し、自身は辞任するというより実質的に解任されたと語っています。
バレエ団には50名のダンサーが所属しており、ヨーロッパのみならず米国やアジアへのツアーも行っているけれども、予算不足によりダンサーへの待遇はヨーロッパのカンパニーの中でも非常に悪い中やってきた。現在バレエ団の予算は560万ユーロであるが、200万ユーロの増額を希望しているものの、現在の予算ですら減らされようとしている。同じ規模の平均的なヨーロッパのバレエ団は2000万ユーロの予算を確保されているのに、それではやっていけないとも訴えています。ルーベンスを生んだフランダース市であるのに、自分たちの活動を全く評価していないと。

世界中のメディアがこの問題を取り上げています。
New York Times
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/10/28/ballet-leader-to-leave-over-flemish-officials-plan/

オーストラリアの新聞記事(かなり詳しく書いてあります)
http://www.theaustralian.com.au/news/arts/aussie-trouper-engages-in-battle-over-flanders/story-e6frg8n6-1225949076118
(キャスリン・ベネッツはオーストラリア出身でオーストラリア・バレエ学校出身、オーストラリア・バレエの前芸術監督が交代するときには、次期芸術監督の有力候補者でもありました)

そしてFacebookにSave Royal Ballet Of Flandersというグループができ、現在5000人以上のメンバーが参加しています。
http://www.facebook.com/pages/Save-Royal-Ballet-Of-Flanders/106874442712339

Twitterでは、Ballet is no jokeという、この問題を扱う専用のアカウントができました
http://twitter.com/balletisnojoke

フレミッシュ・オペラと合併する案へ反対し、バレエ団の独立性を維持して予算の維持を要請する請願への署名サイト
http://www.royalballetofflanderssupportgroup.net/

ロイヤル・バレエ・オブ・フランダースのオフィシャルサイトには、彼らの活動への支援を表明した世界中のバレエ・カンパニーやダンサーなどのアーティストの名前が記載されており、また、ベネッツ芸術監督への支持を表明したウィリアム・フォーサイスの公開書簡(PDF)もアップされています。
http://www.koninklijkballetvanvlaanderen.be/Site/news.htm#4

*****

事業仕分けで文化関係の予算が大幅に削減され、新国立劇場への予算も減額された日本においても、同じような状況が起きる可能性は高いものと考えられます。したがって、フランダースで起きていることは決して他人事ではありません。不況にあって、人々の心を支えるものが芸術であるということを理解している政治家は少ないようです。

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