ダンスマガジン2010年7月号/映画「小さな村の小さなダンサー」今夏公開
しばらく更新をお休みしていて申し訳ありません。仕事で家を離れておりました。「マラーホフの贈り物」の感想すら書けていなくて・・・・。余裕ができた時に書こうと思います。しばらくの間にすっかりと浦島太郎になってしまっていましたので、新しい情報を提供できていなくて。
留守中にダンスマガジン最新号が届いていました。巻頭がサンクトペテルブルグのダンスガラ&コンクール「ダンスオープン」だったのが意外だったのですが、ダニール・シムキン、ウリヤーナ・ロパートキナなど今が旬の豪華なメンバーが出演していたこのフェスティバルについてのレポートを読むことができて良かったです。写真はFacebookなどで見ていたので興味があったのですよね。
http://www.danceopen.com/
このフェスティバルのYouTubeオフィシャルチャンネルは、錚々たる顔ぶれの動画がアップされていて必見です。
http://www.youtube.com/user/danceopenfestival
モスクワ音楽劇場バレエ来日公演の記事も充実していましたが、吉田都さんのコヴェント・ガーデンでの最後の舞台「シンデレラ」の詳細レポートがあったのが嬉しかったです。素敵な笑顔の都さんの写真。モニカ・メイソン芸術監督、ピーター・ライト、ジョナサン・コープ、スティーヴン・マックレーのコメント。連載「吉田都の東京ーロンドン日記」で、都さんが「ロイヤル・オペラハウスはつねに"戦いの場"でした」と語っていた言葉がとても重みがありました。
そしてヤンヤン・タンと三浦雅士氏との対談も読み応えがありました。ノイマイヤー振付の「人魚姫」について彼女が語っている言葉が興味深かったです。また、中国のバレエの現状についての話も、中国人でありながらサンフランシスコ・バレエで長く踊っている彼女ならではの見方があって面白かったです。
パリ・オペラ座学校公演や、YAGPのコンクール結果などの記事は、現地からの息吹が伝わってきて、若いダンサーたちが育っていくを知る上でも今後引き続き追ってほしい題材でした。
ニュースでは、このブログでも原作「毛沢東のバレエダンサー」などを紹介してきた映画「Mao's Last Dancer」が邦題「小さな村の小さなダンサー」として日本でも公開されるという嬉しい報せがありました。Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座にて今年の夏に公開されるそうです。
ちょっと検索してみたら、原作「毛沢東のバレエダンサー」は映画公開を機会に、映画の邦題「小さな村の小さなダンサー」と題を改めて、7月に文庫本化されるようです。
映画の監督は『ドライビング Miss デイジー』のブルース・ベレスフォード。主演(ヒューストン・バレエ、オーストラリア・バレエの元プリンシパル リー・ツンシン)は、バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルで2007年の来日公演でも主演したツァオ・チー、後に彼の妻となるエリザベス役には『センターステージ』のヒロインで元サンフランシスコ・バレエのアマンダ・シュル。ツンシンの亡命を助ける弁護士役を、『ツイン・ピークス』のカイル・マクラクランが演じています。
実はこの映画ですが、すでに製作国オーストラリアでDVD化されており、DVDを入手して観ました。感想はまた改めて書きますが、とてもよい映画でした。北京舞踊学校時代からヒューストン・バレエ時代までバレエシーンがふんだんに盛り込まれています。今年の秋に来日するオーストラリア・バレエと同じプロダクション、グレアム・マーフィ版「白鳥の湖」のシーンも象徴的に登場します。また、「ドン・キホーテ」のパ・ド・ドゥや、マーフィ振付「春の祭典」も印象的で、ツァオ・チーのダンサーとして、そして俳優としての実力も伝わってきました。実話を元に映画化することの難しさも少し感じられましたが、貧しい村からバレエダンサーとして成功し、亡命するというリー・ツンシンの実話は本当にドラマティックで映画向きの題材なのですよね。
追記:日本公開の「小さな村の小さなダンサー」オフィシャルサイトができていました。(今のところはトップページのみ)
http://www.chiisanadancer.com/
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