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2010年3月

2010/03/31

3/28新国立劇場バレエ団 ボリス・エイフマンの《アンナ・カレーニナ》 Boris Eifman's Annna Karenina New National Theatre

新国立劇場バレエ団 ボリス・エイフマンの《アンナ・カレーニナ》

振付・台本:ボリス・エイフマン
音楽:ピョートル・チャイコフスキー他
   (交響曲第6番《悲愴》,弦楽セレナード 他)
装置:マルティニシュ・ヴィルカルシス
衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
照明:グレブ・フィリシチンスキー
    ボリス・エイフマン

アンナ:ニーナ・ズミエヴェッツ (ボリス・エイフマン・バレエ劇場)
カレーニン:セルゲイ・ヴォロブーエフ(ボリス・エイフマン・バレエ劇場)
ヴロンスキー:オレグ・ガブィシェフ  (ボリス・エイフマン・バレエ劇場)
キティ:堀口純
新国立劇場バレエ団

休憩を別にすると1時間半ほどと全幕作品にしては短く、怒涛のように展開していく舞台だった。中劇場での上演ということもあり、物語バレエだから演劇的かと思いきや、演劇的な部分とそうではないところがあって、そのちょっと居心地の悪い不協和音的なところが逆に快感となるような、不思議な作品だった。長大な原作「アンナ・カレーニナ」(私は読んでいない)から細部をそぎ落とし、エッセンスを抽出し、シンプルな構成へと作り変えたことによって、ややもするとダイジェスト版的に単純化されたきらいもある。だけど、エイフマンの抽出の手法はユニークで、舞踊という形式をとることによって、物語を巧みに抽象化しているように感じられた。

抽象化の手法として、主人公3人(キティはわりとどうでもいい存在)と、それ以外の世界=群舞をうまく分離し、不倫を公然と行ったことで世間から指弾されるアンナの孤立感を際立たせている。群舞は、宴の参加者などを表しているのだが、それが時にはアンナたちを排除する社交界となったり、アンナを忘れるためにヴロンスキーが出征した中隊となり、アンナの幻想を彩る性的なメタファーとなり、旅先のエキゾチックだけどよそよそしい熱狂となり、そして最後にアンナが身を投げる鉄道の車輪と変幻自在に姿を変えていく。次々と衣装を替え、怒涛のように繰り広げられるこの群舞には圧倒的な迫力があり、凄まじい情報量で一度では追いきれないほど。このノンストップともいえるようなめくるめく群舞を踊りきった新国立劇場バレエ団には、大きな拍手を送りたい。そして、1回しかこの作品を見られなかったことが悔やまれる。

一方、主役3人の踊りは、この群舞とは異なったというか、切り離されたかのような世界観と舞踊言語を使っているかのようだった。(主役に、新国立劇場バレエ団の装飾系ダンサーとは異なった、エイフマン・バレエの長身肉食系ダンサーたちを起用したことも、大きな意味があるように思われた)ソリストと群舞がポリフォニックに影響しあって、独特なアクセントのある作品世界を作り上げていっている。そしてその中でも、アンナについては、一人の上流社会の気品あふれる妻であり愛情あふれる母であった女性が、ヴロンスキーとの愛(というか情欲)に溺れていくあまり夫も息子も捨て、自分を見失い、混乱し、そして破滅していく様子を、ダンスを通じて克明にそして鮮烈に描いていた。

後半では文字通りアンナは肌色のレオタード一枚の裸になって眩暈がするような性的な妄想に耽溺しながらも、やがて小さく身をかがめて檻のような枠に自分を押し込めてしまう。衣装を剥ぎ取られたその姿のなんと痛ましいことか。アンナが混乱しもがき苦しんでていく様子を、驚くべき身体能力(セパレーションの物凄さ!)と柔軟性による想像を絶する動き、凄惨なまでの踊り=演技で見せたニーナ・ズミエヴェッツは、ただただ凄まじかった。エイフマンは、パンフレットの中でアンナの情念=情欲を描きたかったと語っているが、その点においては大いに成功しているといえる。

このアンナのどうにもならない、全てを焼けつくすような情念=情欲を中心に据えたということで、必然的にアンナとヴロンスキーの関係というのは欲望の一点に絞られてしまって、ヴロンスキーが何を考えていたのかということもわからないし、深みというものには欠けていると感じられたところがあった。役柄としては、アンナの夫カレーニンの妻を思う気持ちの方がずっと共感できるようになっていたと思うし、演技者としての力量も、セルゲイ・ヴォロブーエフが優れていたように感じられた。

アンナとヴロンスキーのパ・ド・ドゥはそれぞれ超高度な振付だ。フィギュアスケートのペア競技を思わせるものから、アクロバティックなリフト、それらはクラシック・バレエのテクニックと舞踊言語を使いながらもオフバランスや不自然な方向へと身体を屈曲させるものも取り入れられており、相当な力量のある踊り手でないと踊ることは難しいと感じさせた。ヴロンスキー役のオレグ・ガブィシェフ、そしてカレーニン役のセルゲイ・ヴォロブーエフとも、長身で上半身ががっしりしており、サポートが非常に上手い。

その中で最も美しい瞬間は、1幕で惹かれあうアンナとヴロンスキーがカーテン一枚を隔てたところにおり、「悲愴」の第一楽章が流れる中同じ動きをしてやがてはカーテンを超えてひとつになっていくというもの。このシーンは本当に胸をざわつかせるような官能美に満ちていて、エイフマンの演出力の真骨頂となっているのではないかと思った。基本的にこの作品でのエイフマンのパ・ド・ドゥの振付の語彙はさほど多くないため、一つ一つのパ・ド・ドゥはそれぞれ素晴らしい振付ではあったものの、このラブシーンのシーンの陶酔感を超えるようなものがなかったので、若干単調に思われてしまったところもあった。

だが、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」から始まり、「悲愴」や「ロミオとジュリエット」などチャイコフスキーの曲を中心に、アクセントとして現代的な音楽を使ったエイフマンの選曲センスが優れていることもあり、群舞での音楽パートの振り分け方も巧みであったため、全体としては非常に見ごたえのある作品となった。グラマラスで時にはゴージャスな衣装の数々、駅舎を思わせるアール・デコ的なアーチを多用したセットデザインも非常にセンスが良く美しい。最初のシーンから、アンナの死を暗示する鉄道のモチーフが使われているとは!

ぜひこの作品は新国立劇場のレパートリーとして大事にして、キャストを変えながら再演を重ねて行ってほしいと思った。新国立劇場の優れた群舞の力が存分に発揮された作品となっており、この作品をレポートリーとして持っていることは世界に誇れることだと思う。

2010/03/28

3/21 パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」Paris Opera Ballet Giselle 

公演から一週間が経ってしまって、だいぶ細部を忘れてきてしまっているけれども、念のため。まだ終わってから一週間しか経っていないんだ、という気持ちもする。


ニコラ・ル=リッシュのアルブレヒトは、1幕からもういきなり「いいところのお坊ちゃま」という雰囲気があって、明らかに周囲の村人とは異質な感じ。村人たちといっても、オペラ座の誇る若手スタイル良しハンサムな皆様なのだが、その中にいても、貴族性というか、支配者階級特有の立ち居振る舞い、育ちのよさが目立つというのはさすがだ。ジゼルをだまそうとか傷つけようという意図も罪悪感もまるでなく、綺麗な女の子がいたから付き合ってみました、みたいなノリである。パンフレットの解説に、フランスでは女性には敬愛の情を強く示すのが騎士としての嗜みとされていたと書いてあるが、ニコラはそれを体現しているなと思った。

そういう姿勢を示していたアルブレヒトだからこそ、ジゼルは恋に落ちたのだとも解説には書いてあったが、オーレリーの演技にもそのへんは感じられていた。オーレリーのジゼルは、ただの村娘にしては高貴すぎる美しさがあって、クールランド大公の落胤という説が納得できるほど。バチルドのドレスにそっと頬擦りする様子にすら、気品が漂うオーレリー。だがその美しさはあまりにも繊細で壊れやすく、まるで陶器のようである。そんな彼女だから、アルブレヒトの正体が明かされた時に、心が一瞬のうちに脆くも砕け散ってしまった様子が本当によく判った。オーレリーの狂乱の演技は美しく静かだけに、なおのこと痛ましさがひりひりと伝わってくるようだった。バチルドに贈られたネックレスを引きちぎって落とす音がすごく大きかったのも印象的。

そんなジゼルの姿を見ていても、ニコラのアルブレヒトは、いったい何が起きているのかすら理解できない様子だった。心が壊れていくジゼルを見てもおろおろするばかりで、彼女が死んだときにようやく自分の罪の重さに気がついたよう。2幕でアルブレヒトが百合を持って登場するところでは、彼はそれだけに深く反省して神妙な面持ちでジゼルの墓へと歩んでいく。

ウィリとなったオーレリーのジゼル。オーレリーは体型的にはいわゆるジゼル体型ではなく重みを感じさせるが、透明度は高いのにもかかわらず、アルブレヒトへと向ける深遠な情を感じさせてくれた。本当にジゼルは心から彼を愛していたのだということを感じさせてくれる踊りであり、演技なのだ。印象的だったのが、ジゼルの気配に気づき始めたアルブレヒトへ、彼女が百合の花を落とすところ。他のジゼル役のバレリーナははらはらと花々をアルブレヒトの手元に落としていくのだが、オーレリーは一つ一つの花を手渡していく。少しでもアルブレヒトに触れたいという彼女の気持ちの現われなのだろうかと思った。

「シッダールタ」のパリでの初日を終えて前日に日本にやってきた二人だけれども、踊りには長旅の疲れは見えなかった。ミルタに踊らされるニコラのダイナミックな跳躍は見ごたえ十分だったが、その後に倒れこむ様子は苦しげで、ミルタの強大な力を感じさせた。ソ・ド・バスクの繰り返しの後のアントルシャ・シスの数は少なかったが、全身全霊で踊っているのが伝わってくる。ようやく朝がやってきて、アルブレヒトが救われることが判って、ジゼルは去っていくが、その去り際の名残惜しげにアルブレヒトに視線を向け、腕を伸ばした様子に思わず涙。

ジゼルが消えた後、ジゼルの墓にかかっていたマントに気づいたアルブレヒトが、そのマントを拾い、ずるずると引きずっていきながらとぼとぼと歩いていく姿が心に残った。アルブレヒトは新しい明日を生きていくのではなく、ジゼルのことをずっと忘れないで、彼女の思い出とともに生きていくんだろうな。


この日は日本公演最終日だったため、カーテンコールには、1幕のみ出演のダンサーたちも登場。また、この公演を最後に引退するジャン・クリストフ・ゲリ(ウィルフリード役)が中央に出て温かい拍手を浴びるという場面も。降って来たトリコロールの紙テープがとても素敵だった。

パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「ジゼル」(全2幕)

◆主な配役◆

ジゼル:オレリー・デュポン Aurelie Dupont
アルブレヒト:ニコラ・ル・リッシュNicolas Le Riche
ヒラリオン:ジョシュア・オファルト Joshua Hoffalt

ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ Jean-Christophe Guerri
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール Viviane Descoutures
クールランド大公:ヤン・サイズ Yann Saiz
バチルド姫:ベアトリス・マルテル Béatrice Martel

ペザント・パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、エマニュエル・ティボー Melanie Hurel, Emmanuel Thibault

ミルタ:マリ=アニエス・ジロー Marie-Agnès Gillot
ドゥ・ウィリ:マリ=ソレーヌ・ブレ、サラ=コーラ・ダヤノヴァ Marie-Solène Boulet Sarah Kora Dayanova

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル

山岸凉子「アラベスク 完全版 第1部」

実は大変お恥ずかしいことに、山岸凉子先生の名作バレエ漫画「アラベスク」を今まで読んでいなかったのです。山岸凉子先生の「テレプシコーラ」や「牧神の午後」「ヴィリ」は読んでいるし、「日出処の天子」などもその昔読んでいたのですが・・・(有吉京子先生の「SWAN」も読んだのが4年位前だし) もちろん、コミックは昔からいろいろ読んでいたのですが、10代のころはどちらかというと少年コミックの方が好きだったし、10代のときはバレエから関心が離れていたということもあって、バレエ漫画を読んでいなかったのです。

その「アラベスク」の完全版が発売になるというので、良い機会だと思って今回発売になった第一部の1巻,2巻を買って読みました。連載当時のカラー原稿と2色原稿をすべて完全復刻したとのことで、すごく美しいです。過去、単行本に収録されなかったカラー原稿も使われているそうで。絵柄は、何しろ1970年代初頭の作品なのでちょっと古い感じはしますが、バレエを自らも習っていて良く知っている山岸先生の描くバレエダンサーのラインはとても正確で指先まで行き届いており、非常にきれいです。何よりも、作品の中に込められた魂が伝わってくるところが素敵です。

読み始めたら、あまりにも面白いので2冊一気に読んでしまいました。ヒロインのノンナ・ペトロワはバレリーナとしては長身過ぎることや、優等生の姉にコンプレックスを抱いている女の子。今ではロシアでは168センチは大きすぎるというよりは、ほぼ理想的な身長だと思いますが。ウクライナのバレエ学校に通うノンナが、突然スター・ダンサーのユーリ・ミロノフに抜擢され、レニングラードバレエ学校(今のワガノワ)に編入し、新作「アラベスク」のヒロイン候補となる・・・。さまざまなライバルたちが登場し、心温まる友情あり、鬼コーチへの恋心ありと、少女漫画の王道的なストーリーではあるけど、当時のバレエ界のことを熟知してしっかりと描かれているので、面白く読めてしまいます。ノンナがさまざまなチャンスをモノにしていっても、まだ自信がないところが、読者の共感を呼ぶのかもしれません。実在の大スター、イリーナ・コルパコワの名前が出てくるところに、ちょっとにやりとしてしまいました。

第2部1巻、2巻が発売されるのは5月22日だそうですが、待ち遠しいです。

アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)アラベスク 完全版 第1部1 (MFコミックス)

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エイフマンのアンナ・カレーニナ/オーストラリア・バレエの来日公演日程/ボリショイ・マリインスキー公演発売日程/DANZA/ダンスマガジン

今日は新国立劇場でボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニナ」を観て来ました。休憩込みでも2時間ちょっとの作品ですが、全編踊りの洪水で、強烈な作品で圧倒されました。

3人の主演ダンサーが凄い。アンナ役のニーナ・ズミエヴェッツのものすごい身体能力とコントロール力、胸を締め付けるような演技力に驚愕。あんなふうに人間の股関節は動くんだと驚くとともに、身体で演技するということを身をもって見せてくれました。ヴロンスキーのオレグ・ガブィシェフ、カレーニンのセルゲイ・ヴォロブーエフとも背が高く、時にはフィギュアスケートを思わせるような複雑なリフトなどのテクニックも演技も素晴らしかったです。「弦楽セレナーデ」「悲愴」「ロミオとジュリエット」などチャイコフスキーの音楽の使い方もとても素敵だったのですが、音楽が録音だったのがちょっと惜しい感じ。シンプルで無駄をそぎ落とした構成、心理描写に群舞を使う手法も面白かったですし、装置や衣装もとてもスタイリッシュでした。特にイタリア(ヴェネチア)の仮面舞踏会の衣装が華やかで妖しく美しかったです。衣装替えが多く、全力疾走するようなハードな振付をこなした新国立劇場のダンサーたちにも拍手!
日程が合わなくて1回しか行けなかったのが残念ですが(新国立劇場の主演二人はどうしても見る気になれなくて)、もう一度観たい!って思いました。余裕があれば感想を改めて書きます。

****

まだ雑誌の方は入手していないのですが、DANZAの最新刊のWebマガジンに、今年10月のオーストラリア・バレエの来日公演の日程が広告として掲載されていました。

DANZA
http://www.mde.co.jp/danza/

オーストラリア・バレエ来日公演
10月9日(土)、10日(日)、11日(祝)15時 マーフィ版「白鳥の湖」
10月15日(金)18時半、16日(土)、17日(日)15時 マーフィ版「くるみ割り人形」
東京文化会館
(ルシンダ・ダン、ロバート・カラン、レイチェル・ローリンズなど主演キャストも掲載されています)

一般発売は5月22日より

DANZAの表紙とインタビューはマリアネラ・ヌニェス、ほかにサラ・ラムとフェデリコ・ボネッリのインタビューが載っていて、ロイヤル・バレエの来日特集といった趣。3人ともとても写真が素敵です。ボネッリは怪我で来日公演に参加できないのが残念ですよね。

新国立劇場「カルミナ・ブラーナ」に出演する3人の男性ダンサーのインタビューが載っていたり、デヴィッド・ビントレー時期芸術監督のインタビューもあったり、よくばり映像ガイドにも「カルミナ・ブラーナ」が取り上げられています。

それから海外情報が充実していて、勅使川原三郎さんがフェニーチェ劇場のオペラ「ディドとエアネス」に演出、そしてだんさーとして出演した様子が伝えられたり、服部有吉さんがバンクーバーオリンピックの開会式に出演したときの日記が寄せられていたりと読み応えがあります。また、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」の主演キャスト、リチャード・ウィンザー、ジョナサン・オリヴィエ、サム・アーチャー、ドミニク・ノースのコメントも。

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上記DANZAでも公演情報ナビゲートで紹介されていますが、エトワール・ガラ2010の詳細ページができています。相変わらずとてもスタイリッシュな写真で構成されていて、期待が高まりますね。
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/10_etoiles/index.html

また、コメントで教えていただきましたが、ボリショイ&マリインスキー合同ガラの発売が6月6日に延期になったとのことです。今丁度ロイヤルやマラーホフの贈り物、エトワール・ガラとチケットの発売が続いてお金がなくて大変なので、遅れるのは助かりますが・・・。

******
ダンスマガジンの表紙もとても爽やかなマリアネラ・ヌニェス。彼女はこの雑誌の表紙を飾ることが夢だったそうです。記事では、アリーナ・コジョカルが案内する英国名作バレエと題して、今回の来日公演の「うたかたの恋」「リーズの結婚」「ロミオとジュリエット」について、いろいろと彼女が語ってくれています。プロモーション来日していたサラ・ラムとエドワード・ワトソンのインタビューも。

それからたっぷりと載っているのは、「マニュエル・ルグリの新しき世界」のレポート。デヴィッド・ホールバーグとギョーム・コテの「プルースト」の写真がとても素敵ですが、コテのパートナーのヘザー・オグデンがぜんぜん載っていないのがちょっと気の毒です。

東京バレエ団の「シルヴィア」は、ポリーナ・セミオノワとマルセロ・ゴメスの対談が嬉しいです。

モスクワ音楽劇場の小特集では、今回来日するメンバーでまだ日本になじみの薄いセミョーン・チュージンの写真が2点使われていて、金髪で素敵なダンサーのようですね。ちょっと楽しみになってきました。赤尾雄人さんによるブルメイステル版「エスメラルダ」の解説もあります。

三浦雅士氏の対談は、今回は深川秀夫さんと行ったものが掲載されていますが、非常に面白いです。東ドイツのベルリン・コーミッシュ・オーパー、シュツットガルト・バレエ、ミュンヘン・バレエでプリンシパルとして活躍したという経歴もすごいですが、その中身も、ウラノワ、マリシア・ハイデ、レスリー・コリアなど素晴らしい著名ダンサーや指導者(ジョン・クランコの運転手までつとめたそうで)との出会いがあったりして。男性ダンサーで海外でここまで活躍した人は、そうたくさんいないはずです。

というわけで、「ダンスマガジン」も充実の号ではないかといえます。

DANCE MAGAZINE ( ダンスマガジン ) 2010年 05月号 [雑誌]DANCE MAGAZINE ( ダンスマガジン ) 2010年 05月号 [雑誌]

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2010/03/25

NBAバレエ団「ジゼル」のゲストにパリ・オペラ座のデルフィーヌ・ムッサンが客演

今朝の毎日新聞を読んでいたら、今年6月のNBAバレエ団の「ジゼル」の広告が載っていたのですが、パリ・オペラ座のエトワール、デルフィーヌ・ムッサンが6月20日の公演に出演するとのこと。

NBAバレエ団「ジゼル」
6月19日(土)18:30 開演 ジゼル:原島里会
6月20日(日)15:00 開演 ジゼル:デルフィーヌ・ムッサン
メルパルクホール
S席 6000円、A席 5000円 学生席 3000円

NBAバレエ団のオフィシャルサイトには、この公演のことは載っていません。(→追記:載りました!)
http://www.nbaballet.org/

先日のパリ・オペラ座の来日公演「ジゼル」でのデルフィーヌ・ムッサンは素晴らしい演技と踊りを見せてくれましたので、また観られるのは嬉しいことですね。(感想を書いていますが、本当にオペラ座のジゼルそのものでした!)

気になるのは、アルブレヒト役が誰なのかということなのですが、広告にもぜんぜん載っていないので、未定なんでしょうか。NBAバレエ団はパリ・オペラ座からゲストを呼ぶことが多いので、昨年同バレエ団のゴールデン・バレエ・コースターに出演したカール・パケット、ジョシュア・オファルトを期待している人も多いのではないかと思います。チケット代がお手ごろなので、国内のダンサーなのでしょうか。(NBAバレエ団の秋元康臣さんはすごくいいダンサーだけど、身長が合うかな?)

と思ったら、本当にアルブレヒト役は秋元康臣さんでした。
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002039343P0050001P006001P0030001

お問い合わせ・電話予約は、NBAバレエ団 04-2924-7000までとのことだそうです。

****
そのデルフィーヌ・ムッサンがプレルジョカージュ振付「メディアの夢」の中で二人の子供たちを殺すという凄惨な演技を見せる場面を収めた映画「パリ・オペラ座のすべて」。このドキュメンタリー映画のDVDが、アマゾンで予約ができるようになりました。
5月28日発売予定で、予約すれば20%引きで買えるようです。(会場で定価で買っちゃいました・・)

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3/26ニューヨークで開催のYAGP2010ガラとワシリエフ・ガラ

毎年恒例のYAGPコンクールの受賞者発表後のYAGPガラが、3月26日にニューヨークのシティセンターで行われます。

http://yagp.org/gala/yagp_gala_2010_index.html

非常に出演者が豪華です。ABTのマルセロ・ゴメス、ミシェル・ワイルス、ベルリン国立バレエのポリーナ・セミオノワ、マリインスキーのエフゲーニャ・オブラスツォーワとユーリ・スメカロフ、NYCBのホアキン・デ・ルース、パリ・オペラ座のマチアス・エイマンとマチルド・フルステー、ロイヤル・バレエのサラ・ラムとセルゲイ・ポルーニンほかです。

ちなみに、出演者のうち、マチアス・エイマンとセルゲイ・ポルーニン、ABTのイザベル・ボイルストンはYAGPの過去の受賞者でもあります。

そして、日本公演からおそらく直接NYに向かったであろうマチアスとマチルドが踊るのは、「ジゼル」2幕のパ・ド・ドゥと、マニュエル・ルグリ振付の「ドニセッティ・パ・ド・ドゥ」。「ドニセッティ・パ・ド・ドゥ」をマチアスがどんな風に踊るのか、非常に興味深いですよね。

なお、3月27日には、ウラジーミル・ワシリエフに捧げられたガラが行われます。司会はなんとカルラ・フラッチだそうです。

http://www.yagp.org/vladimir_vasiliev_site/index.html

こちらには、ワシリエフ自身をはじめ、デヴィッド・ホールバーグ、サラ・レーン、ヴェロニカ・パルト、ダニール・シムキン(以上ABT)、ジュゼッペ・ピコーネ(ローマ国立劇場)、ポリーナ・セミオノワ、アシュレー・ボーダー(NYCB)、エマニュエル・ティボー(パリ・オペラ座)、エフゲーニャ・オブラスツォーワ、サラ・ラムとセルゲイ・ポルーニンらが出演。

YAGPガラがNY初お目見えとなるエフゲーニャ・オブラスツォーワは、こちらではエマニュエル・ティボーと組んで「ラ・シルフィード」を踊る予定です。これもすごく観てみたいですよね。

2010/03/24

3/20 ソワレ パリ・オペラ座バレエ団 「ジゼル」 Paris Opera Ballet Giselle

2010年3月20日 18:30
パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「ジゼル」(全3幕)

この回の「ジゼル」も素晴らしかった。もともとはイザベル・シアラヴォラがジゼル役の予定だったのが怪我で降板、代役はデルフィーヌ・ムッサンが踊ることになった。でも、去年9月のガルニエでの「ジゼル」でもデルフィーヌとバンジャマン・ペッシュは共演しているとのこと。非常にパリ・オペラ座らしい正統派「ジゼル」を見せてくれたと思うし、主演の二人が役をよく練り上げ完成させているのが伝わってきた。何よりも、デルフィーヌ・ムッサンのジゼルが心に残る感動的な演技を見せてくれた。


バンジャマン・ペッシュのアルブレヒトは、これぞオペラ座のアルブレヒト像というか、出てきたとたん超プレイボーイなお貴族様であるのがよーく伝わってくる。アムールの国フランスの人だな、と思える、熱烈な愛情表現をしてくれちゃって、チョイ悪男っぽいのが素敵。私は実はペッシュがかなり好きなので、彼のそんなところが観られてすごく嬉しかった。一番面白かったのが、ジゼルが1幕でのヴァリエーションを踊るときのこと。アルブレヒト役のダンサーは上手にあるベンチに腰掛けて、踊るジゼルを見つめている。ジゼルは大好きな彼の前で踊れるのが嬉しくて仕方なくて、踊りながらも時々アルブレヒトに視線を送って微笑む。マチアスのアルブレヒトも、ジゼルに投げキッスを送っていたけど、ベンチから立ち上がってジゼルに近づいてまでしてキスを送ったのはバンジャマンだけだった(と思う)。純真なジゼルは、こういうラテン系恋愛猛者にかかったらイチコロだろうなって思ってしまった。しかし、彼は単なるいい加減なプレイボーイではなかった。ジゼルが狂乱の末に彼の腕の中で息を引き取ったときの取り乱しようといったら、今回の4人のアルブレヒトの中でも一番だった。うわーなんてことをしてしまったんだと激しく後悔し、ヒラリオンに掴みかかろうとするような勢いで襲い掛かり、斃れているジゼルにしがみつき、ウィルフリードが引き離そうとしてもなかなか離れられない。こんな熱いアルブレヒトは観たことがない。

デルフィーヌのジゼルはというと、派手さはまったくないけれども、とても40歳とは思えない少女の可憐さ、華奢な身体から漂ってくる儚さがあった。病弱なのは伝わってくるけれども、アニエスのジゼルほどの腺病質ではなくて、健気で純朴な印象。都会的な色男のアルブレヒトにコロッと参ってしまうような。それにしても、先日のニーナ・アナニアシヴィリ(46歳)といい、今回のデルフィーヌといい、ジゼルという役は年を重ねたバレリーナでも演技力如何によってはすごく若く可愛くなるし、年齢と経験を重ねることで、演技に説得力を出すことができるのだと実感。(年をとっているからいいというものではないのは言うまでもないが!)若さで突っ走っていたドロテ・ジルベールも初々しくて良かったけど、デルフィーヌの繊細な演技にはとても惹きつけられた。

そして圧巻だったのが狂乱のシーン。デルフィーヌの壊れていく様子は、繊細なガラス細工のような少女が突然自分の生きる支えだった愛を失い、茫然自失となって自分を見失い、壊れたぜんまい仕掛けの人形のようになって最後には命が消えてしまう、そんな様子を彼女は体当たりで表現していた。狂乱のシーンといっても大騒ぎすることはなく、最初は穏やかに微笑んで花占いをはじめる。その哀しい微笑が静かに少しずつ、だけど完璧なまでに壊れていく様子が痛ましくて・・・。アルブレヒトのあまりにも激しい慟哭のスイッチを入れるには十分なものだった。このシーンでの、二人の演技が見事に化学反応を起こしているのが見えたのもすごかった。
今回4人のジゼル役を観て、この狂乱のシーンでもそれぞれ素晴らしい演技を見せてくれたと思うのだけど、個人的にはこのデルフィーヌの演技が一番痛切に胸に響いた。

ヒラリオン役はニコラ・ポール。長身でほっそりとしているダンサー。ジョシュア・オファルトが演じたヒラリオンほどの粗野さはなく、純情で真面目そう。ジゼルを想うがゆえにアルブレヒトの正体を暴いたということがよくわかる演技だ。1幕の最後、ジゼルの死に怒りを炸裂されたアルブレヒトに対して「いっそ殺してくれ」と両腕を広げ身を投げ出していた。

この日のペザント・パ・ド・ドゥはアレッシオ・カルボネと新プルミエのリュドミラ・パリエロ。アレッシオは前日出演のときに前半ちょっと乱れ気味で少し不調かと思ったのだけど、この日は復活。後半の細かいパを音にピッタリあわせて巧みだった。そしてリュドミラも、柔らかめで美しい動き、とてもきれいにまとめていたと思う。

(2幕)
デルフィーヌのウィリとなった姿の美しさに息を呑む。「シンデレラ」も観ていたので、彼女がプロポーションに恵まれているのは判っていたけれども、華奢な身体、長い手脚、首から背中、そして指先までのなだらかなラインは理想的なジゼル体型だった。体重がまったくないようなふわふわとした浮遊感で踊る彼女は、完全に精霊だった。アニエスのジゼルも霊的な存在だったけれども、デルフィーヌはアニエスよりは体温を感じさせていた。ひんやりとしているのではなく、包み込むようなぬくもりがほんの少しあった。彼女の顔に表情というものは殆どないけれど、アルブレヒトへの死を超えた想いだけが彼女にウィリの姿をとらせて、舞台の上に存在していたかのように見えた。ジゼルの魂が舞台の上に降臨したかのような、崇高で儚く美しいものを体験した。コントロールが指先やつま先まで行き届いていて、向こう側が透けて見えるかのような透明感があった。

バンジャマンの2幕のアルブレヒトは、自己憐憫とナルシズム全開で、彼のアルブレヒトならこう来なくっちゃね!とちょっと膝を叩きたくなった。遊び人が深く反省したらこんなふうだ、って感じ。そして2幕でも、ジゼルに対する愛情だだ漏れで、熱いこと。こんな情熱的なアルブレヒトはそうそういないんじゃないかな。「シンデレラ」で膝を痛めたらしく、踊りは若干安全運転だけどきっちりしていて美しい。ミルタに踊らされるところは、アントルシャ・シスはなくて、ソ・ド・バスクの繰り返しの後はジュッテ・アントルラッセだった。 (以前、彼が新国立劇場の「ジゼル」に客演したときには素晴らしいアントルシャ・シスを見せてくれたものだった・・・新国立が「ジゼル」を最後に上演してから何年たつんだろう。というか、自慢のコール・ドを生かせる演目なのに、そしてザハロワ様が踊りたいと言っているのに、なんで新国立では「ジゼル」をやらないのか、とーっても疑問。話がずれてしまった)
アントルシャじゃなかったのはちょっとだけ残念だったけど、それでも踊らされるバンジャマンはもう息も絶え絶えで、このままでは本当に死んでしまう、という必死さがものすごく伝わってきた。ここでも本当に熱い男だわ。
サポートも好調で、ジゼルをまるで体重がないようにふっと持ち上げたところはきれいに決まっていた。

アルブレヒトが救われたことに少しだけ安堵の表情を見せたジゼルが後ろ向きにパ・ド・ブレして、墓の向こうへと消えていく。ジゼルのお墓に捧げた百合の花を拾って舞台中央へと歩いていったアルブレヒトは正面を見据え、ジゼルを想って茫然とし、その花一輪を落として立ち尽くしてしまう、その姿もドラマティックだった。(R列だったので、本当の最後の最後は見えなかった・・・)大人のダンサー二人が見せてくれた、素晴らしいパートナーシップに大満足。

ドゥ・ウィリはシャルリーヌ・ジザンダネとマチルド・フルステー。シャルリーヌは着地がすごくきれいで音のとり方もばっちり。彼女はすごく前途有望だと思う。マチルドは柔らかくてアラベスクが美しい。もうひとつのキャストのダヤノヴァとブレも良いし、今回、ドゥ・ウィリはみんなすごく良かった。

ミルタのエミリー・コゼットは、前日より踊りが好調のようだった。彼女もパ・ド・ブレがきれいだし、ですごく怖いミルタで威厳があって女王らしい。同じ大柄ダンサーでも、マリ=アニエスとはだいぶ違った雰囲気なのだ。踊りも硬質なので、ますます怖い感じが良く出ていた。

考えてみれば、「ジゼル」を初めて上演したのがパリ・オペラ座なのである。その正統派「ジゼル」を見せてくれた一晩の、夢のような舞台であった。


◆主な配役◆

ジゼル:デルフィーヌ・ムッサン Delphine Moussin
アルブレヒト:バンジャマン・ペッシュ Benjamin Pech
ヒラリオン:ニコラ・ポール Nicolas Paul

ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ Jean-Christophe Guerri
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール Viviane Descoutures
クールランド大公:ヤン・サイズ Yann Saiz
バチルド姫:ベアトリス・マルテル Béatrice Martel

ペザント・パ・ド・ドゥ:リュドミラ・パリエロ、アレッシオ・カルボネ Ludmila Pagliero Alessio Carbone,

ミルタ:エミリー・コゼット Emilie Cozette
ドゥ・ウィリ:マチルド・フルステー、シャリーヌ・ジザンダネ Mathilde Froustey Charline Giezendanner

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル

2010/03/22

3/20 マチネ パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」 Paris Opera Ballet Giselle

2010年3月20日 10:00
パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「ジゼル」(全3幕)

感想が滞っていて申し訳ありません。まだマチュー&デルフィーヌ・ムッサンのシンデレラの感想も書いていなかったですね。なんとかオペラ座「ジゼル」最終公演を見終わった後は熱を出して死んでいました。今もまだ風邪っぽくて喉が痛いし。今日が休日で本当に良かったです。

*****
ゲネプロでも観たアニエスとジョゼの組み合わせ。この日は3階センターで通常なら大変見やすい席だったのだけど、1幕はともかく、この版での2幕の照明が非常に暗いため、目を凝らさないとよく見えなかった。オペラグラスを使うと、舞台を追いきれなくなるからあまり使いたくないのだけど、使わないと特に2幕前半は何が行われているかわからないほどで。数千円節約するんだったら1階で見なさいという教訓だった。

アニエスのジゼルは、いつものクールビューティのアニエスからは想像できないほど、意外なまでに可愛らしく純朴そうな村娘。そこに、華奢なアニエス独特の幸薄そうな雰囲気が加わって、もともと長生きできない娘なんだろうなと思わせる。長年のパートナーシップを組むジョゼとの息はぴったり。ジョゼはひと目でこの人は貴族以外の何者でもないんだろうなとわかるすらりと美しい容姿に、この上ない気品が漂う。身体の弱いジゼルを気遣う優しさを持っているけど、いざバチルドに問い詰められると、上手くごまかして言い逃れようとする。今までの誠実さは何だったの!とジゼルがその実像とのギャップに衝撃を受けて正気を失うのもよく分かる。

アニエスが演じたジゼル狂乱のシーンは、ジゼルの腺病質なところと繊細すぎるところがよく現れていた。アニエスはきっとすごく考えて役作りをしていったのだと思う。大きく乱れることはないのだけど、あまりにも一気に悲しみがやってきて、その激しい痛みに苦悶しているような、心の中で苦しさと戦っているかのような表情。アニエスのジゼルは、「ハムレット」でオフィーリアが発狂して死んだときにはこんな感じだったのではないかと思わせた。ゲネプロのときよりも表現を抑えていて、本当に人が大きな悲しみを受けると、思考回路が止まってしまうってことを表現しているようだった。すごく演劇的なアプローチだったと思うし、大袈裟さは微塵もないのに正視しがたいほどの痛みが伝わってきた。

それなのに、あんなに優しかったジョゼのアルブレヒトだったのに、彼は思わずジゼルから顔を背けてしまって自分が置かれている現実から目をそらそうとしていた。その一瞬の不誠実さがアルブレヒトたる所以なのではないかと感じた。ジゼルの苦しみがいよいよ頂点に達して、死ぬ前に彼に抱きついたときに、ようやく彼は自分の罪深さを知ったのではないだろうか。

ヒラリオンのジョシュア・オファルトは、オペラ座の公演でこの役を踊るのは初めてだったはず。演技はまだ薄い感じで、もう少し情熱がほしいところ。背がすらりと高く脚が美しいけど、貴公子の役ではないので重心を低くしていた。ややしつこくジゼルに迫り、アルブレヒトにはすぐナイフを向けるなど粗野な感じはよく出ていた。ジゼルが死んだ後、アルブレヒトが彼に刀を向けるところは、もっと「斬るなら斬ってみろ」と手を広げるなどの工夫があっても良いのでは。(もう一人のヒラリオン役、ニコラ・ポールの方がこの点は上手だったと思うけど、それは経験の差で仕方ない)

クーランド大公がヤン・サイズ。若くてハンサムな、王子様のような大公。確かバール版はジゼルは大公がベルタに産ませた落胤という設定だと思ったけど、ヤンが演じるとその設定には違和感がある。クーランド大公が家の中に入る前にジゼルの顔を手にとってじーっと見つめるシーンがあるが、「この子も大きくなったな」と考えているのか、それとも「この村には似つかわしくない美しい娘だ」と思ったのか、どっちなのだろうか。

バチルドは、この手のキャラクターロールには欠かせないベアトリス・マルテルで、ちょっととうは立っているものの美人。ジゼルの狂乱のシーンでアルブレヒトを厳しく問い詰めるところがかなり怖い。マルテルは2幕ではウィリの一人としても踊っているというのがすごい。

ペザント・パ・ド・ドゥはユレルとティボーで、ユレルはゲネプロでは相当ダメ出しを食らっていたけど今回は上手くまとめていて良かったと思う。ティボーは羽が生えたように軽やかで素晴らしい踊りを見せてくれるのだけど、同時に、いつまでたってもこのポジションから脱却できないことが気の毒に思えてしまった。

2幕は3階席だと暗くて見えづらかったけど、正面だったので真っ暗闇の中にぼーっとウィリたちの白い姿が浮かび上がる美しさとフォーメーションは堪能した。それにしても、群舞が揃っていないし足音は大きい。そもそも、揃えようとしていないのではないか、と考えることもできる。不揃いさや足音よりも、アラベスクで交差するところで、後ろ脚が下がっている人たちがたくさんいたのがちょっとまずかったことだと思う。一人一人のウィリがそれぞれの意思を持っていることは感じられたし、メソッドは統一されているし体型もみなこのスタイルが似合っているが。暗い照明の効果もあったと思うけど、ここのウィリたちは怖い!何重にも巻かれたシフォンの衣装が空気をはらみ残像を残していく様子も美しい。

ミルタのマリ=アニエス・ジロはDVDでのパフォーマンスよりずっと良かった。彼女のパ・ド・ブレはまさに芸術品で、滑らかに滑るようで、あまりにも小刻みなためにポアントの足先がステップを刻んでいることすら忘れてしまいそうになるほど。背が高いだけでなく、体つきがしっかりしていることもあるけど、女王の威厳でこの人の右に出る人はいないだろう。だけど、マリ=アニエスのミルタはあまり怖くなく、冷たくもない。まだ体温を残しているかのようで、女王としての務めだから男たちに死をもたらしているということが伝わってきた。命乞いをするアルブレヒトから顔をそむけるようにしていのも、彼の顔を見ていると同情してしまって殺せないから。かつて人を愛したことのある自分を必死に思い出さないようにしている風に見えて、そんなミルタが哀しい存在に思えてくる。

ドゥ・ウィリの二人は、この距離と暗さで顔の区別がつかず、カーテンコールでやっと、舞台に向かって右側がサラ・コーラ・ダヤノヴァなのを確認。「シンデレラ」の冬でも活躍していた彼女は素晴らしかった。もう一人のマリ=ソレーヌ・ブレもアラベスクがやわらかく美しい。


さて、ジョゼ・マルティネスの2幕のアルブレヒトなのだけど、もう~めちゃめちゃノーブルで貴公子オーラ出しまくり。マントを片側をうまく腕に巻きつけて裏地を見せ、長い脚を覗かせる姿が美しい。ジゼルの墓に花を捧げて地面に横たわる姿も絵になる。深く後悔しているのがすごくよく伝わってきた。

ミルタに命令されてアルブレヒトが踊らされるシーンは、3階ほどソ・ド・バスクをしてミルタに跪き命乞い。それからアントルシャ・シスを18回くらい。ジョゼのアントルシャ・シスは高さもあって足先はもちろん美しく伸びており、これが40歳のダンサーとは到底思えない。ジゼルが墓へと消えて行ったあと、正面を見据える姿も絵になっていた。

アニエスのウィリ姿はというと、去年の世界バレエフェスティバルでのひんやりとして、死霊そのものというジゼルよりは少し体温を上げていた。でも、目は光を失っていたかのようで、どこも見ていなかった。アルブレヒトにジゼルの姿が見えていないのと同様、ジゼルにもアルブレヒトが見えていないんじゃないかと思うほど。完全に精霊となっていて、会場を冷たい空気で満たしていた。彼女の長くしなやかなラインが非常に美しい。アニエスって前に「白鳥の湖」でオデットを踊っているのを見たときには、踊りが非常に硬質だと思ったのだけど、今回その印象はすっかり払拭された。

この二人のパートナーシップは素晴らしく、お互いの姿が見えていなくても心が寄り添ってひとつになっていく様子を見ることができた。完成度が高い舞台だったけど、もうこの二人の「ジゼル」を観る機会はないのかもと思うと寂しい。体調が万全だったらさらに楽しめたかも、と思うとますます残念。


◆主な配役◆

ジゼル:アニエス・ルテステュ Agnès Letestu
アルブレヒト:ジョゼ・マルティネス José Martinez
ヒラリオン:ジョシュア・オファルト Joshua Hoffalt

ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ Jean-Christophe Guerri
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール Viviane Descoutures
クールランド大公:ヤン・サイズ Yann Saïz
バチルド姫:ベアトリス・マルテル Béatrice Martel

ペザント・パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、エマニュエル・ティボー Mélanie Hurel ,Emmanuel Thibault

ミルタ:マリ=アニエス・ジロー Marie-Agnès Gillot
ドゥ・ウィリ:マリ=ソレーヌ・ブレ、サラ=コーラ・ダヤノヴァ Marie-Solène Boulet Sarah Kora Dayanova

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル

2010/03/20

「 オペラ座は生きている〜バレエの聖地 パリ・オペラ座の”伝説”的劇場の秘密〜」放映

今日はパリ・オペラ座の「ジゼル」マチネとソワレに行ったのですが、昨日の夜からの連続鑑賞ですっかり疲労困憊してしまったので、これはまた後ほど。デルフィーヌ・ムッサンのジゼル、素晴らしかったです・・・。本当に演じる人によってぜんぜん違う物語になるのが面白いですよね、ジゼルって。バンジャマン・ペッシュのアルブレヒトも情熱的で、すごく感動的な舞台になりました。エトワール・ガラが楽しみです。

しかし最近すっかり体力も衰えてしまったので、もう少し取捨選択してペース配分しなくちゃと思う今回のオペラ座公演でした。観ればどれも素晴らしいのですが・・。

いつもDVD発売情報などでお世話になっているSide B-allet様からのテレビ放映情報でです。本当にいつもありがとうございます>ゆう様


BSジャパン開局10周年記念番組 オペラ座は生きている〜バレエの聖地 パリ・オペラ座の”伝説”的劇場の秘密〜(仮)

4月24日(土)夜8時~9時55分放送

パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座・・・歴史的建造物でありながら今もバレエが日常的に上演されているヨーロッパの歌劇場に、多方面から光を当てバレエの世界へと誘います。ナビゲーターにはクラシックバレエ経験者でバレエをこよなく愛する牧瀬里穂さんを迎え、パリ・オペラ座の魅力を紹介します。

とびきりの「薫り立つ番組」をお送りします!

http://www.bs-j.co.jp/10th.html

3/19 パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」 Paris Opera Ballet Giselle(まだこれから)

明日も「ジゼル」のマチソワなので、まずは本当に一言だけ。

マチアスが凄かった~ドロテも大熱演!とてもドラマティックで素晴らしい公演でした。

マチアス・エイマンは若いダンサーだし、貴公子というよりはどちらかといえばテクニック優先の役にキャスティングされがちなキャラクターだと思う。ところが、出だしからマチアスはノーブルだった!特にウィルフリードと二人で出ているときには、はっきりと主従関係がわかって、やや傲慢なくらいの若殿様。そしてアルブレヒト像は、パリ・オペラ座伝統のプレイボーイパターン。若く情熱的な恋人で、マチアスの持ち味である愛嬌もあるけれども、ジゼルのことは遊びなのだというのがはっきりとわかる。

ところがジゼルの狂乱のところでは、彼女からはもう目が離せなくなっていて、自分の行ったことの愚かさに気がつき本当に彼女を愛していたことに気がついてしまう・・・そこからは純愛一直線。

それにしても、マチアスの踊りは本当に凄い!跳躍はびっくりするほど高いし、なんといっても2幕のミルタに踊らされているときのアントルシャ・シス!よくつま先が伸びていてきれいな上に、ものすごい高さがあって、多分28回くらいは続けたのではないだろうか。まさにミルタの強力な魔力に操られている様子が実感を伴って伝わってくる。それだけ全力で踊ったものだから、倒れこむところは本当に精根尽き果てて苦しそうだった。マチアスの素晴らしいところは、テクニックはピカピカなのに、踊りには気品があること。そして演技と華麗な技術がシームレスになっていて非常に自然であること。この若さでそれができるのは、見事なものだとしか言いようがない。

ドロテのジゼルは、1幕では踊りが大好きでたまらない明るく活発な女の子。だけど、時折苦しそうに胸を押さえたり、早いところですでにウィリたちに呼ばれているように虚空を見つめるところがあったり。圧巻だったのが狂乱の場面で、最初は穏やかな微笑を浮かべて、幸せだったときのことを思い浮かべている。その微笑が愛らしく幸せそうなだけに、痛ましい。そして、少しずつ、静かにジゼルは狂って行くのだ。もう何も彼女には見えていない。ウィリたちの呼ぶ姿だけ。微笑みの中に少しずつ狂気が顔をのぞかせて、やがてその笑いはヒステリックなものになっていく。完全に憑依したようなドロテの演技には、観る者の心をわしづかみにするような強力な磁場があった。

2幕の、ジゼルがウィリたちの仲間に迎え入れられるところ。ここでのジゼルは完全にミルタの繰り人形として生気を消して、足音も完璧に消えていて。あまりの繰り人形ぶりに周りを震撼させ、冷たい空気で場内を満たしたかのようだった。でも、アルブレヒトの存在に気がついてからのジゼルは、幽玄とか霊的というよりは、アルブレヒトに対する純粋な愛が満ち溢れているかのよう。冷たい身体になっても、生きているときと心だけは変わらない、死を経てアルブレヒトへの想いと彼を守ろうとする意志は純化され、強くなっている様子が伺えた。ドロテの腕の使い方が私はあまり好きじゃないというか、純クラシックでなければ全然気にならないんだけど、白いバレエだとあまり柔らかさがない。だけど、そこを補ってあまりある素晴らしい演技、体重を感じさせない凛とした踊りを彼女は見せてくれた。アルブレヒトの想い、ジゼルの想い、それが同じ方角を向いていて、若い二人による美しい純愛の物語として見事に成立していたと思う。

やはり2幕の照明はほの暗く、今日は近い席だったから良かったのだけど、席が遠いと見えづらいかもしれないと思った。暗い暗い森の底冷えする感じ、本当に幽霊が出てきそうな恐ろしさ、そして闇にぼんやりと浮かび上がるウィリたちの白いシルエットが幻想的で美しかったけど。正直、2幕のウィリたちはアラベスクで交差する場面も揃っていなかったし、足音もかなり大きかったのだが、それなのにウィリたちは非常に美しくも恐ろしかった。ウィリたちが乙女たちの死霊であるということが実感を伴っていたのだ。ミルタのエミリー・コゼットは、たまに踊りであれ?っと思ってしまうところもあったけど長身で威厳があり、怖かった。ゲネプロで見たマリ=アニエス・ジロもそうだったけど、舞台を滑るようなパドブレが美しい。でも主役の二人が素晴らしすぎて、あまりミルタには目が行かなかった。一瞬でも彼らから目を離すのが惜しかったのだ。

(続く)


パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「ジゼル」(全3幕)
テオフィル・ゴーティエ、ジュル=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュの台本による

1998年製作

音楽:アドルフ・アダン
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー(1841)
改訂振付:マリウス・プティパ(1887)
パトリス・バール、ユージン・ポリャコフ(1991)
装置:アレクサンドル・ブノワ
装置製作:シルヴァノ・マッティ
衣裳:アレクサンドル・ブノワ
衣裳製作:クローディ・ガスティーヌ

◆主な配役◆

ジゼル:ドロテ・ジルベール Dorothée Gilbert
アルブレヒト:マチアス・エイマン Mathias Heymann
ヒラリオン:ニコラ・ポール Nicolas Paul

ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ Jean-Christophe Guerri,
ベルタ、ジゼルの母:カリーヌ・ヴィラグラッサ
クールランド大公:ヤン・サイズ Yann Saiz
バチルド姫:ベアトリス・マルテル Béatrice Martel

ペザント・パ・ド・ドゥ:リュドミラ・パリエロ、アレッシオ・カルボネ Ludmila Pagliero Alessio Carbone,

ミルタ:エミリー・コゼット Emilie Cozette
ドゥ・ウィリ:マチルド・フルステー、シャリーヌ・ジザンダネ Mathilde Froustey Charline Giezendanner


演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル

2010/03/18

サンフランシスコ・バレエの「人魚姫」San Francisco Ballet John Neumeier's Little Mermaid

3月20日土曜日に、サンフランシスコ・バレエでジョン・ノイマイヤー振付の「人魚姫」の初日の幕が開きます。

サンフランシスコ・バレエのオフィシャルにキャストが載りましたが、初日のタイトル・ロールはヤンヤン・タン。そして詩人役で、ハンブルク・バレエからロイド・リギンスがゲスト出演するんですね。

http://www.sfballet.org/performancestickets/casting.asp

去年の来日公演は、ちょうどロイドの奥さんのニウレカ・モレドに赤ちゃんが生まれたということがあり、ロイドは不参加だったんですよね。

サンフランシスコ・バレエのオフィシャルには、ヤンヤン・タンが人魚姫に扮した写真が載っていますが、東洋的な衣装やメイクだけあって、良く似合っていますね。
http://www.sfballet.org/performancestickets/2010season/program5.asp

サンフランシスコ・バレエはネットにとても力を入れているので、リハーサル映像などもふんだんにアップされています。

3/17 パリ・オペラ座「ジゼル」ゲネプロ メモ

NBSのバレエの祭典会員対象の「ジゼル」のゲネプロ見学へ。NBS様、素晴らしいものを見せていただいて大感謝!

ゲネプロだし、明日の初日のキャストとほぼ同じと思われるので、本当に一言二言くらい。

キャスト(おそらく1日目と同じ)
ジゼル:アニエス・ルテステュ
アルブレヒト:ジョゼ・マルティネス
ヒラリオン:ジョシュア・オファルト
ペザント・パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、エマニュエル・ティボー
ミルタ:マリ=アニエス・ジロー
クールランド大公:ヤン・サイズ
バチルド:ベアトリス・マルテル
ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ

ドゥ・ウィリは発表されていなかった上、3階のサイド席から見ていたのですが照明が暗くてよくわからなかったのだけど、リュドミラ・パリエロが入っていたと思います。もう一人は誰かしら?

2幕の最初の方の照明が本当にものすごく暗かったのですが、ゲネプロ仕様なのか、本番と同じなのかは分かりません。衣装やヘアメイクは本番と同様になっていた感じできちんとしていました。見学者は2階~4階を使って見せてもらったのですが、最初から最後までほぼ通していて、時々パトリス・バールらから指示が飛んでいて、ペザントのところと1幕のジゼルのヴァリエーションのところでダンサーとやり取りがあった他は、特にダメ出しもなく、普通の舞台のように進んでいました。1幕ジゼルのヴァリエーションだけはもう一度やっていましたが。もっと流して踊るのかと思ったら、終盤まではほぼきっちりと省略なしで踊られていて。さすがに最後の方のジゼルとアルブレヒトのヴァリエーションは流していましたが、ジョゼ・マルティネスはアントルシャ・シスも美しく全力で跳んでいました。

それにしても、ジョゼの端正な貴公子ぶりは素晴らしかったです。ジュッテの軌跡やラインの美しさも完璧で、まだまだ踊り盛りだから、引退しないでほしいな~。アニエスのジゼルは1幕は思ったより可愛らしい役作りで、村娘らしからぬプロポーションのよさも気にならなかったです。このペアで、土曜日のマチネの公演を観る予定ですが、オペラ座を代表するにふさわしい、素晴らしい「ジゼル」主役ペアですね。

ちょっと面白かったのが、一通り終わってカーテンコールの段取りまで終了した後のこと。ミルタ役のマリ=アニエス・ジロやウィリ役のダンサーたちが、ウィリの衣装のまま黒いバッグを肩から提げて舞台をスタスタ歩いていたことでしょうか。アニエスらのリハーサルの詰めが行われるところで、見学者は退場となりましたが、面白かったです。こういう機会、今後もあるといいな。

ジゼルは各キャスト1度ずつ観る予定です。

2010/03/17

ボリショイ・バレエ「パリの炎」、NHKハイビジョン&BS2で放映

miyaさんの「ちょこっと劇場に行ってきます」のエントリで教えていただきました。(いつもありがとうございます!)

2010年3月24日,29日,31日にボリショイ劇場で収録される「パリの炎」を、NHKハイビジョンの「プレミアムシアター」枠で早速放映してくれるとのことです。ばんざーい!まだこれから先に収録される映像の放映が決まっているって、すごいことですよね。

同時に、先日「芸術劇場」で放映されたパリ・オペラ座のバレエ・リュス・プログラムも放映されます。

http://www.nhk.or.jp/bsclassic/premium/premium_201004.html

「プレミアムシアター」
2010年 4月 17日 (土) BShi 22:45 ~ 翌02:45
2010年 4月 26日 (月) BS2 00:40 ~ 04:40
ボリショイ・バレエ団公演 バレエ「パリの炎」
パリ・オペラ座バレエ公演 「バレエ・リュス・プログラム」

ボリショイ・バレエ団公演「パリの炎」
ジャンヌ : ナターリャ・オシポワ
フィリップ : イワン・ワシリエフ
ほか ボリショイ・バレエ団
振 付 : アレクセイ・ラトマンスキー
音楽監督 : パーヴェル・ソローキン
音楽 : ボリス・アサフィエフ
[ 収録: 2010年3月24日,29日,31日 ボリショイ劇場 (モスクワ)
国際共同制作 Bel Air Media NHK

パリ・オペラ座バレエ公演 「バレエ・リュス・プログラム」

バレエ「三角帽子」   [ 1919年初演 ]
振付 : レオニード・マシーン
音楽 : マヌエル・デ・ファリャ
美術 : パブロ・ピカソ
主演 : ジョゼ・マルチネス
〃 : マリ・アニエス・ジロ
バレエ「バラの精」   [ 1911年初演 ]
振付 : ミハイル・フォーキン
音楽 : マリア・フォン・ウェーバー
美術 : レオン・バクスト
主演 : マチアス・エイマン
〃 : イザベル・シアラヴォラ
バレエ「ペトルーシュカ」   [ 1911年初演 ]
振付 : ミハイル・フォーキン
音楽 : イーゴリ・ストラヴィンスキー
美術 : アレクサンドル・ブノワ
主演 : ニコラ・ル・リッシュ
〃 : クレールマリ・オスタ
〃 : ヤン・ブリダール
〃 : バンジャマン・ペッシュ
バレエ「牧神の午後」   [ 1912年初演 ]
振付 : ワツラフ・ニジンスキー
音楽 : クロード・ドビュッシー
美術 : レオン・バクスト
主演 : ニコラ・ル・リッシュ
〃 : エミリー・コゼット
[ 収録: 2009年12月, パリ・オペラ座ガルニエ宮 ]
- 制作: フランソワ・ルシヨン・アソシエーツ -


なお、この「パリの炎」公演は、2010年3月31日20時~、フランス国内の50の映画館で上映されるとの情報がダンソマニに掲載されており、DVD化されるかなとは思っていたのですが、こんなにも早くNHKで取り上げてくれるのは本当にありがたい限りです。

3/13 マチネ パリ・オペラ座バレエ団「シンデレラ」 Paris Opera Ballet Cendrillon (Cinderella)

パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「シンデレラ」(全3幕)
2010年3月13日(土) 1:30 p.m. 東京文化会館
94回目の上演

前日の公演で演技が細かく、怪しくかつ優雅なダンス教師役を演じたバンジャマン・ペッシュが膝の痛みのため降板というアナウンスで、代役はマチアス・エイマン。

マリ=アニエス・ジロのシンデレラは、最初から彫像のように美しくて体格は逞しい。髪は下ろしていて可愛らしい雰囲気があるのだけど、何しろ長身の上すごくゴージャスな美人なので登場からとても華やか。生まれは高貴な女の子が何らかの事情があってこのような姿に身をやつしているような感じ。踊りはというと、最初のソロからしてマリ=アニエスの持ち味であるメリハリの利いたダイナミックで大きな動きが現代的で美しい。同じ振付でも、踊る人によってこうも違うのか、と驚かされたけど、自身の持つコンテンポラリーな個性を生かしていて素敵だな~って思った。その女王のような気品にもかかわらず、彼女自身はその美しさに気がついていなくて、逆に大柄であることにすらコンプレックスを持っていて「私なんか・・・」という控えめさが伝わってくるところがなんともいじらしい。プロデューサーの魔法により変身すると、彼女はもうまばゆいばかりの輝きというか、全身が光で包まれているかのように非現実的なほどキラキラしたオーラをまとう。

変身した後のマリ=アニエスがあまりにもダイヤモンドのような眩しさなので、やはり長身で金髪碧眼美形のカール・パケットでさえも、分が悪いというか地味に見えてしまったのが致し方ないところ。マリ=アニエスは決して押し出しが強いわけではないのに、生まれつき備わっているかのような絶対的な壮麗さがあるものだから、それに勝てる人はそうそういないように思われてしまった。また、カールが貪欲な感じがしないものだから、育ちのよい王子様には見えても、映画スターというには控えめで謙虚そうなのだ。ジョゼ・マルティネスの映画スターは、優しいもののやはり映画スターならではの傲慢さも少しはあって、シンデレラの義理の姉たちがこれでもかとアピールして近寄ってくると、「あっち行け」とやや露骨に嫌がっていたりした。カールの映画スターは、「申し訳ないけど、向こうに行ってくれる?」って言ってそうなイメージ。

でも、カールが体現する人柄の良さ、温かさには抗えない魅力があるのは確かだ。そして、その素直な温かさは、愛情あふれるたしかなサポートによってさらに好印象を与えることに成功している。シンデレラを見つめる映画スターのまなざしの甘く優しいことと言ったら!こんな目で見つめられるシンデレラは羨ましいな~と思ってしまう。

義理の母は、前日映画スターを演じたジョゼ・マルティネス。彼の女装姿は想像以上に美しかった。とても上品で優雅で、スノッブな感じでまさしくおフランスのマダーム(舞台はハリウッドだけど!)。ステファン・ファヴォランの義理の母が、非常に細かい演技でツボにハマる笑いを絶えず提供し続けていたのに対し、ジョゼのはとても鷹揚でデーンと構えているというか、エレガントで、だけど笑いの急所は決してはずさない感じ。定評のあるポアントワークはもちろんお見事なものだし、ピルエットやアティチュードターンもコントロールが効いていて素晴らしい。やや演技が抑え目だったとは思うけど、3幕最後のガラスの靴を試着するシーンでのものすごい表情が最高に笑えた。ステファンはポアントを脱いだ後タイツまでめくり上げていたのに対し、ジョゼはタイツのままで美しくつま先を伸ばして映画スターの膝の上に置いちゃう。当然ものすごく大きな足なんだけど、よーく伸びた甲が実にきれいだった。

義理の姉たちは、メラニー・ユレルと、DVDにも同じ役で出演していたステファニー・ロンベール。背の高いロンベールのほうが、前日のドロテと同じ青い衣装だった。二人ともすごく達者なんだけど、前日のリミッターが振り切れたようなドロテ&エミリーを見ているとちょっと抑え目。チャイナを踊ったユレルのおかっぱは、ドロテと違って後ろにお下げがついていたけど、あのボブヘアって魔法があるのか、すごく妖艶に見えてユレルじゃないみたい。

そしてペッシュの代役でダンス教師役を踊ったマチアス。大きな口ひげをつけていて濃い目の顔立ちの彼は、フレディ・マーキュリーを華奢にした感じ?ペッシュほどの怪しくクネクネした感じはなく、演技もそこまで細かくないんだけど、踊りがもーすんばらしい!羽が生えたかのように高く高く舞い上がり、鮮やかなバットゥリー。映画スターと一緒にい踊るところでは、重たく見えてしまったカールが気の毒になってしまうほどだったけど、それはカールが悪いんじゃなくって、マチアスが凄すぎるってこと。

マリ=アニエスの話に戻ると、3幕の終盤、姉たちや義理の母!のガラスの靴試着が終わった後のこと。シンデレラは、もう片方の靴を持って映画スターのところへと行く。そしてそこで靴を履いて見せようとするのだけど、映画スターはもう彼女こそがあの時のシンデレラだと判って、履かなくていいよ、と彼女の手をとる。その時のマリ=アニエスの幸せそうな表情を見ると、観客としても「本当に良かったね」と感情移入して嬉しくなってしまった。自分から映画スターのところへ行って、証拠の靴を見せるというのは一種の自己アピールなのに、そうやって幸せをつかみに行ったシンデレラがなぜだか健気に見えてしまって。さらに、映画スターの胸に小さく震えながら顔を埋め、大きな身体を小さく丸めるようにひしっと彼に抱きつくシンデレラの様子がまた可愛らしいというか、思わずもらい泣きしそうになってしまった。マリ=アニエスが大柄でゴージャスな美女なのに、その彼女が寄る辺ない小さな女の子のように見えたのだ。観客を味方につけるのが上手い素敵なバレリーナだ、彼女は。

ラストシーン、魔法使いのプロデューサーによってスターに変身したシンデレラは、契約書を渡されても「私なんか・・」と謙虚。でも映画スターに促されてサインをする。大きな音を立てる送風機から送り出される風で飛んできたシフォンのヴェールをキャッチしたまばゆいばかりのマリ=アニエスは、高々とカールにリフトされる。ヴェールが風にたなびくラストシーンはいつまでも残像が脳裏に残るほど美しく幸せな余韻を漂わせて、幕。


音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
装置:ペトリカ・イオネスコ
衣裳:森英恵
照明:グイード・レヴィ

1986年 パリ・オペラ座初演


◆主な配役◆

シンデレラ:マリ=アニエス・ジロー
映画スター:カール・パケット

二人の義姉:メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール
継母:ジョゼ・マルティネス

ダンス教師:マチアス・エイマン
プロデューサー:ヴァンサン・シャイエ
父:エリック・モナン


春:マチルド・フルステー
エロイーズ・ブルドン、フロリモン・ロリウー、
オバーヌ・フィルベール、フロリアン・マニュネ

夏:エヴ・グリンツテイン
サブリナ・マレム、ジョシュア・オファルト
ヴァネッサ・レガシー、ヤン・サイズ

秋:シャリーヌ・ジザンダネ
ヴァランティヌ・コラサント、ニコラ・ポール
カロリン・ロベール、ファビアン・レヴィヨン

冬:サラ・コーラ・ダヤノヴァ
エレオノール・ゲリノー、アクセル・イボ
ルシー・クレマン、シモン・ヴァラストロ

映画監督:アレクシス・ルノー
アシスタント:シモン・ヴァラストロ
囚人:アレクサンドル・ガス

演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセル

http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/pdf/Cendrillon13matinee.pdf

2010/03/16

ジョゼ・マルティネス、パリ・オペラ座で現役を続行(?)

土曜日のマチネのシンデレラの感想を書いていたら、教えていただきました。

NBSのパリ・オペラ座来日公演ブログのエントリによると、ジョゼ・マルティネスはオペラ座の2011/12シーズンも出演予定があり、現役を続行するとのことです。

http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/2010/03/201011.html

そして最後に、今後の活動についての質問があったのですが、ジョゼからは嬉しい言葉が聞かれました。 来シーズンはもちろん、その次のシーズン(2011-2012)までオペラ座での予定が決まっているとのこと!!

2011-12ってその次のシーズンじゃなくて来シーズンのことだと思うのですが、まずはオペラ座で踊り続けるとのことで一安心ってことですよね。(でも、フィガロ紙の記事だと、2011/12のシーズン末に引退とあったのですよね。あれ??来シーズンの次のシーズンって2012-13ですが、そのシーズンも踊るのでしょうか?)

3/12 パリ・オペラ座バレエ団「シンデレラ」 Paris Opera Ballet Cendrillon (Cinderella)

オペラ座祭りの第一弾は「シンデレラ」の初日。シンデレラと映画スター、継母はDVDと同じキャスト。B席で19000円(S席は25000円)って考えてみたらとってもお高いけど、セットの豪華さと出演者の多さを考えれば、確かにお金はすごくかかっている舞台なんだと実感。

DVDは観ていたし、昔のシルヴィ・ギエムが主演していたビデオも観ていたので、一応分かっているつもりではあったけど、実際に舞台を観てみると、映像とは別物なのがよくわかる。イオネスコデザインによるゴージャスな舞台美術、エトワールを5人も投入したキャスト、加えて大量の群舞とソリストたち・・・。本当に贅沢な舞台だ。

実のところ、この初回はあまりの情報量の多さにお腹がいっぱいになってしまい、金曜日の夜だったということもあって非常に疲れた。同時進行でいろいろな演技や踊りが進んでいくので、どこを見ていいのか迷うほど。3階席でちょっと距離があったから、オペラグラスを使っていたのも疲れた要因だ。その代わり、翌日観た時には見るべきポイントや全体の流れがよく分かったので、結果的には最初にこの全体が見える席位置で見たのは正解だった。

アニエス・ルテステュはほっそりとした長身と美貌で、灰かぶり姫のときでも華があるし現代的で知的な雰囲気をまとっている。でも、映像よりも少しだけ老けており、それが薄幸感というか苦労している感じに結びついている。不幸にめげず健気でしっかりしている女の子が、映画への夢を持ち続けて強く生きた結果、幸せをつかむというコンセプトをよく体現していた。スタイル抜群の美女であるアニエスなのだけど、チャップリンの扮装をしてタップダンスを踊るところはとても芸達者で、すごくユーモラスで可愛らしい。夢を持ち続けているから、そして映画の魅力に魅せられているから、苦労をしていても明るく生きられているというメッセージが伝わってきて素敵なシーン。コート掛けをくるくる回したり、かなり難しいと思われることも難なくこなしていた。

アニエスがシンデレラに変身すると、ファッションモデルのようなスタイルの良さと、彼女の持ち味であるシックでクラッシィな雰囲気がハリウッドのスターとして違和感がない感じになる。そしてアニエスの輪郭がくっきりした、正確だけど少しだけ硬質な踊りがヌレエフの複雑な振付にとてもマッチしている。

映画スターのジョゼは、登場シーンでスターらしさを発揮。長身と美しいライン、冴えた踊り。プロポーションが抜群でハンサムそろいの若い男性群舞の中にあっても、ひときわ際立っているのはさすが。長い手足でふわっと浮かび上がるように軽やかに跳躍し、パ・ド・ドゥでは包容力があって温かい。心優しくエレガントな王子。シンデレラの映画スター役は、特に中身というか演技力は問われない役というわけで、存在感と純粋な踊りの上手さが非常に大事。だからこそ、安定していて美しいジョゼはこの役においては完璧だったといえる。このペアはファーストキャストを飾るにふさわしい風格があったので、平日公演で客席がかなり空いていたのはもったいなかった。

義理の母役のステファン・ファヴォランは、ポアントでの踊りがとても上手で、アティチュードにしたピルエットも軽々とこなすテクニックの持ち主。しかしそれよりも、はじけまくった演技がもう~最高!やはり長身で顔が小さく首の長い美しい体型の彼は、女装姿がすごくよく似合う。帽子に毛皮のショールを巻いた姿はマダムそのものなんだけど、笑いをかますタイミングが絶妙で。娘たちを立てているかと思いきや、彼女たちが映画スターのおめがねに適わないと知るや自分が取って代わろうとする図々しさ!それがなんとも可愛くて。ガラスの靴を履こうと足をどかっと投げ出すしぐさなんかも、超笑える~。

笑えるといえばもちろん忘れてはならないのが義理の姉たち。ドロテ・ジルベールも、エミリーコゼットも大熱演。ドロテはまるで顔全体がゴムでできているかのように表情豊かで、目を剥いたり唇を突き出したり歪めたり、大口開けたりと、美女が台無し!大きく広げたガニマタで闊歩したり、本当に楽しそうに演じてくれた。わざとヘンに踊るのはきっと難しいだろうし、特に3幕の終わりにガラスの靴の試し履きで片方ポアントの片方裸足で踊ったりするのはちょっとひやひやするところなんだけど、なんてことのないように踊っていたのがすごい。割とクールな印象の強かったエミリー・コゼットも大熱演で、壁に激突したり、ダイナミックに弾けていた。各国めぐりのシーンで、怪しげな阿片窟にてチャイナドレスをまとって踊っていたドロテはすごく色っぽくて、彼女は本当に引き出しの多い魅力的なダンサーになったなと感心した。

ダンス教師役は、バンジャマン・ペッシュ。この公演の後、膝の痛みにより次の公演をキャンセルしてしまったのが残念だったけど、この公演ではすごく面白かったし良かった。小指を立てて、オネエキャラ全開の怪しいダンス教師で、姉たちを指導するところなんか、くすくす笑ってしまった。踊りの方も、ダンス教師にふさわしい鮮やかさがあって冴えていたし。あとは映画監督のアシスタントのシモン・ヴァラストロの軽妙な踊りと可愛い演技が良かった。彼は四季の踊りの冬にも出演していたけど、音感が良くていいダンサー!映画プロデューサー役は、新プルミエのヴァンサン・シャイエ。まだ若くて若干貫禄は不足していたけど、映画会社のお坊ちゃま社長という感じの傲慢さが出ていて健闘していたと思う。長身でなかなかの二枚目。

四季の踊りにはプルミエとスジェが多数投入されていて、見ごたえがあった。新プルミエのリュドミラ・パリエロが特に良かったと思う。男性では、やはり新プルミエのジョシュア・オファルト、それから前述のヴァラストロとヤン・サイズ。なんて贅沢なキャスティングだろう。

天へと飛び立つ巨大キングコングや、かぼちゃからスポーツカーへの変身といったギミック、映画「メトロポリス」を思わせるようなレトロモダンの舞台美術。美女を取り囲むパパラッチたち。シンデレラの夢前案内人となるのは仙女ではなく、映画プロデューサー。一見薄っぺらいようではあるけれど、映画という夢がシンデレラの心に明かりを灯すところがポイント。単なるシンデレラストーリーではなく"夢"の持つ力を見せてくれるこの「シンデレラ」は、やっぱり力のある作品だと思った。シンデレラは映画スターと結ばれてめでたしめでたしではなく、スターへの切符という夢への一歩も手に入れたのだから!


パリ・オペラ座バレエ団 日本公演
「シンデレラ」(全3幕)
http://www.nbs.or.jp/stages/1003_parisopera/index.html

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
装置:ペトリカ・イオネスコ
衣裳:森英恵
照明:グイード・レヴィ
1986年 パリ・オペラ座初演
◆主な配役◆

シンデレラ:アニエス・ルテステュ
映画スター:ジョゼ・マルティネス

二人の義姉:エミリー・コゼット、ドロテ・ジルベール
継母:ステファン・ファヴォラン
ダンス教師:バンジャマン・ペッシュ
プロデューサー:ヴァンサン・シャイエ
父:ジャン=クリストフ・ゲリ

春:リュドミラ・パリエロ
アマンディヌ・アルビソン、フロリモン・ロリウー
サブリナ・マレム、フロリアン・マニュネ

夏:エヴ・グリンツテイン
マリ=ソレーヌ・ブレ、ジョシュア・オファルト
サラ・コーラ・ダヤノヴァ、ヤン・サイズ

秋:メラニー・ユレル
シャリーヌ・ジザンダネ、ニコラ・ポール
ロレーヌ・レヴィ、ファビアン・レヴィヨン

冬:ステファニー・ロンベール
マチルド・フルステー、アドリアン・ボデ
ミリアム・カミオンカ、シモン・ヴァラストロ

映画監督:アレクシス・ルノー
アシスタント:シモン・ヴァラストロ
囚人:アレクサンドル・ガス

詳細なキャスト表
http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/2010/03/post-34.html

演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセル

2010/03/15

ニーナ・アナニアシヴィリ&グルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」最終日

今日はグルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」最終日に行ってきました。ゆうぽうとは2階席の後ろの方でも舞台に近くて観やすくていいですよね。しかも今日は、先日のひどい演奏が嘘だと思うほど、オーケストラも良くなっていて、公演をとても楽しむことができました。

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3月5日の公演ももちろん素晴らしかったのですが、今日は本当に途中から泣けてきて仕方ありませんでした。ニーナの踊りを通してのジュリエットの心象風景がものすごくよく伝わってきて、胸に痛かったです。ウヴァーロフとの信頼関係、心が通じ合っている様子が化学作用を起こして、他のダンサーたちにもそのパッションが伝播しているのがわかりました。心の奥底から深く感動できる舞台になっていました。

特に印象的だったのは結婚式のシーン。5日の舞台と衣装が変わっていて、純白にパールを散らしたまさに花嫁衣裳といった感じの清楚なものでした。ニーナがアラベスクで長いバランスをしてぴたりと静止すると、本当に時間が止まったかのようでした。ゆっくりと二人で歩いていくラヴロフスキー版の結婚式の演出は厳かなもので、とても美しいですね。その前にロミオが髑髏と白い花を交互に手に取るシーンも、二人の運命を暗示しているかのようでした。

カーテンコールでは、ニーナの愛娘のエレーナちゃんも登場し、ニーナとウヴァーロフに小さな花束をプレゼントしていました。エレーナちゃんは、右足を後ろに下げてレベランスまでしてくれて。紙テープが大きな音を立てて発射され、その紙テープで埋まった床で回転しようとしたウヴァーロフがうまく動けなかったりしていました。終わりの方ではニーナが誇らしげにグルジアの国旗をはためかせていました。カーテンの前で、ニーナとウヴァーロフがバルコニーシーンのアラベスクポーズを取るサービスも。本当にこの二人はファン想いで感謝の気持ちを表してくれて、素敵です。

ジャパンアーツのアンケートに、「ニーナに踊ってほしい作品は何ですか?」という質問項目があったので、きっとまたニーナは日本で踊ってくれるもののと確信します。ウヴァーロフとのパートナーシップが二人の強い絆を感じさせるものだったので、この二人で来てくれるといいな。

舞台の感想はできればまた後日書きたいのですが、先に、3月5日の方の感想をやっと最後まで書いたので、よろしければそちらを読んでくださいね。

http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2010/03/35-3-9a14.html

2010/03/14

パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」3回/映画「パリ・オペラ座のすべて」のDVD La danse - Le ballet de l'Opéra de Paris

金曜日(ルテステュ、マルティネス)と土曜日のマチネ(ジロ、パケット)、ソワレ(ムッサン、ガニオ)、パリ・オペラ座の「シンデレラ」を観て来ました。

さすがに2日間で3回見ると感想を書くのが追いつかないです。しかも「シンデレラ」は登場人物がすごく多くて(NBSのブログによると延べ150人以上!)、エトワールも1公演につき4人か5人出演しているし、一体どこを見ていいのかわからないほど、同時に演技が行われているもので。金曜日はとにかく疲れました。3階席でオペラグラスを使いながら観たのでますます疲れたのですが、1回目で全体を把握できたのは良かったです。

追々感想は書いておきましたが、3回観て一番多幸感を感じたのは3回目のムッサン/ガニオ組でした。それぞれのペアのよさがあるんですが、古き良きクラシックなハリウッドらしさを感じさせたのはこのペアでしたね。デルフィーヌ・ムッサンは灰かぶりのシンデレラのときは地味で、派手な義理の姉たちの陰にすっかり隠れていましたが、変身した後はとても美しく気品があって華もあり、素敵でした。彼女の踊り自体、とてもたおやかで正統派でラインも美しく、素敵なんですよね。ショートボブのウィッグがとてもよく似合っていました。マチューはお髭を蓄えていて(ケイリー・グラントを意識したものだとのこと)、昔の映画スターっぽい感じが出ていました。踊りのほうもしっかりしていて、昨年の怪我に由来した不調から復活したようで、鮮やかな跳躍が美しかったです。何より、彼はスターオーラがあってキラキラしていましたね。ラストシーンは、風が上手く送れなくてヴェールがうまくたなびかなかったのが残念でしたが、この二人の作り上げる雰囲気が華麗でありながらとても心温まるもので、思わずうるっと来ました。

アニエスのシンデレラは、すらりとしているのがどこか幸薄い感じに結びついて、シンデレラ役に意外とマッチしていました。芯は強いけど真面目で控えめで心優しい女の子がその生き方を貫いた結果幸せになれて本当に良かったね~と思わせてくれました。マリ=アニエス・ジロはアニエスと比べるとどうしても体格がたくましいのですが、役作りとしてはとても女の子らしく健気でいじらしく、映画スターに最後見初められることになったときの幸せそうな感じに思わずジーンとしました。ジョゼの映画スターは、踊りが素晴らしくて、これがもう来シーズン末にエトワール引退なのが信じられないというか、とにかく軽やかで伸びやかで踊りが美しかったです。包容力があって優しそうな映画スターでした。カール・パケットは踊りが重くて伸びが足りず不調そうでしたが、サポートは上手。それに彼は性格のよさが踊りにとても出ているんですよね。それに彼はやっぱりハンサム。ただ金髪ブルーアイの美形で長身のわりに、押し出しが弱くて地味なのが惜しいです。

義理の母のステファン・ファヴォランとジョゼ・マルティネスは二人ともポアント使いが上手で芸達者でした。ジョゼの女装姿はとても美人で優雅なマダムのようで、でも3幕でシンデレラの靴を無理やり履こうとするときの大仰な演技が面白かったです。彼のタイツはしっかり土踏まずのところに穴が開いているタイプでした。ステファンは演技がとても細かくてユーモラスであだっぽく、笑いを取るタイミングが絶妙で、とっても笑わせてくれました。彼は長身、顔が小さく首が長いので、ロシアの民族衣装を着て踊ってるときには一瞬女性に見えてしまうほど綺麗なのです。(でもひげの剃り跡が青いから男だとわかる)
二人とも足が大きいから、シンデレラの靴のためし履きの時にどかっと王子のひざに足を置くとすごいインパクト。ジョゼは足の甲を綺麗に伸ばしていて一瞬見とれてしまいました。フレックスにするとやっぱり「足、でかっ」ですが。

そして義理の姉たち!ドロテ・ジルベールはあんなに美人なのに、まるで顔がゴムでできているかのようにゆがめてみたり、目を剥いたり変な表情をいろいろ見えて凄かったです。彼女の相棒?のエミリー・コゼットも弾けていて、3幕では壁にぶつかって見せたりしていました。ステファニー・ロンベールはDVDでも踊っているように、この役には手馴れた感じの安定感で面白かったし、そう考えるとメラニー・ユレルはちょっと地味だったかしら。この役は、わざと変な踊りをしてみたりしながらも、何気に超絶技巧は盛り込むし、片足ポアントで片足裸足で踊ったり、相当ちゃんとしたテクニックがないと難しそうです。でも、今回この役に配役された4人はそのへんはしっかりしていました。降板したイザベル・シアラヴォラはどんな風に演じたのか、観てみたかったです。

ダンス教師はバンジャマン・ペッシュとマチアス・エイマン。バンジャマンはクネクネしていて妖しくて演技も面白かったし、踊りも冴えていたのに土曜日マチネはひざの痛みで降板だったのが残念。「ジゼル」で観る予定なので、こちらは出てくれますよう。マチアスはとにかくテクニックが素晴らしい。高い高い跳躍、音感の良さ、カール・パケットの映画スターと出るとマチアスのほうがずっと上手いのがわかっちゃって。マチアスは顔が濃いので、口ひげがすごく良く似合っていました。

四季の踊り、映画スターの友人たち、時の踊り、スペイン・中国・ロシアの踊りとダンスがふんだんに盛り込まれている上、さすがにオペラ座は層がとても厚く全体的な粒が揃っていて見ごたえがありました。映画スターの友人たちには若手の素敵な男性ダンサーがたくさん出ていて踊りまくり、とっても目の保養になるし。全体的に踊りがこれでもかと詰め込まれているので、おなかいっぱいにはなりますが、満足度は高いです。かぼちゃからスーパーカーへの変形、巨大キングコングなど舞台装置のギミックも面白いし、まだ明日1回舞台があるので、まだの方も観ておいて損はないと思います!

ほかにもいろいろと書きたいことはあるのですが、明日はニーナのロミオとジュリエットなので、この辺にしておきます。(この時点でかなり長いですね)

パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」(全3幕) [DVD]パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」(全3幕) [DVD]

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会場で、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー映画「パリ・オペラ座のすべて」のDVDが先行発売されていました。実際の発売は5月だそうです。(というわけで、買ってしまいました)お値段は7140円。B5変形版という大き目のブック型ボックスの中に、11枚の大判フォトカード(けっこう分厚い)、そしてブックレット(内容は劇場用パンフレットと殆ど同じ)が封入されていました。映像特典はフランス版と日本版の予告編、データベース(出演者と監督の情報)で5分、本編が160分です。

La danse - Le ballet de l'Opéra de Paris

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右上がボックスです。

会場購入特典として、エコバッグがついていました。支払いは現金のみで、後日自宅への配送の申し込みも受け付けていたようです。開演前や休憩時間に飛ぶように売れていたようで、ソワレの途中の休憩では一旦在庫切れを起こしていたようですが、多分明日にはまた補充されていることでしょう。

3/24追記:アマゾンで予約ができるようになりました。5月28日発売予定で、予約すれば20%引きで買えるようです。

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2010/03/11

ABTとシュツットガルト・バレエ、ハンブルク・バレエの中国公演のスライドショー

中国のBalletMagazine中国芭蕾杂志に、昨年10月~今年2月の間に中国で公演を行ったABTと、シュツットガルト・バレエ、ハンブルク・バレエなどの舞台裏と舞台を捉えたスライドショーがアップされています。

ABT ガラ リハーサルとバックステージ (ジリアン・マーフィ、コリー・スターンズ)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/12/

ABT 「ドン・キホーテ」(デヴィッド・ホールバーグ、ジリアン・マーフィ)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/9/

ABT「ドン・キホーテ」 リハーサル (デヴィッド・ホールバーグ、ジリアン・マーフィ、加治屋百合子、ダニール・シムキン)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/8/

シュツットガルト・バレエ リハーサルとバックステージ (アリシア・アマトリアン、マライン・ラデマーカー、ウィリアム・ムーア、ローラ・オマりー)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/13/

ハンブルク・バレエ「椿姫」(ジョエル・ブーローニュ、アレクサンドル・リアブコ、エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/10/

中国国立バレエ 50周年記念ガラ (イリ・イェリネク、フリーデマン・フォーゲル)
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/6/

中国国立バレエ「オネーギン」
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/photo/2/

特にリハーサル写真はとても雰囲気があってダンサーたちの息遣いが感じられて素敵です。「オネーギン」はちょっと微妙な感じですが・・。

この感じだと、今後北京で行われる公演の写真はこのサイトに期待できそうですね。

アルバムのトップはこちらです。
http://www.boyotimes.com.cn/mcn/list.asp?id=6#googtrans/auto/ja

次は、今年の5月のボリショイ・バレエの公演「ファラオの娘」「ドン・キホーテ」かしら。
国家大劇院
『ファラオの娘』 4月30日~5月2日
http://www.chncpa.org/n457779/n457834/n516566/3596762.html
『ドン・キホーテ』 5月3日~5日
http://www.chncpa.org/n457779/n457834/n516566/3649071.html

3/10 ニーナ・アナニアシヴィリのジゼル(まだこれから)

遅くなってしまったので、一言だけ。

ニーナのジゼルのひたむきさと純粋さ、「ジゼル」を観ていてこんな気持ちになったのは初めてです。ウィリとなってもなおイノセントな少女のままアルブレヒトを愛しぬき、体温を保ったまま情感豊かに演じられたジゼルを観て思わず涙がこぼれました。1幕では、生き生きとしていてまるでジゼルという女の子が本当に存在しているかのような演技は素晴らしかったです。狂乱のシーンでのニーナの、あまりにも純粋すぎたゆえの狂気を感じさせた壊れ方には胸を締め付けられました。でも、一幕ではヴァリエーションでジャンプ系をほとんど省略していて、ニーナも踊れなくなったのかと切なくなりました。とは言ってもひとつひとつのラインは美しく、回転も正確でミスらしいミスも見当たらないところがすごいのですが。


しかし、2幕では多少振付は変えていたものの、アダージオではきちんとスーブルソーもアントルシャもきれいに跳んでいて、たおやかで美しかったです。ニーナのしなやかな腕の表現力の雄弁さには目を瞠った。アルブレヒトを強く愛するがゆえに、ウィリの姿としてこの世にとどまり、かれを守り抜く、ジゼルの強いひたむきな意思は、少女独特の強さのように見えましたが、ニ幕の間,ミルタとの葛藤の中でどんどん大人になって行くのが見えました。なのに、ようやくアルブレヒトが救われた時に見せた表情、それはやはり愛する人との別れに悲しむ一人の少女のもので、なんと胸を締め付ける哀しくも美しい表現だったことか!

ウヴァーロフの誠実な(アルブレヒトに誠実って言葉を使うのはとっても変ですが)パートナーぶりと、愛が全開の2幕の踊りにも心打たれました。ニーナもウヴァーロフも、持てるものをすべて出し切って、最高の舞台にしようという心意気が伝わってきました。その心意気が、テクニックとかそんなものをはるかに超越して、バレエの神様が降臨したような奇跡を呼んだといえます。
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このような心に残る舞台を見せられると、なかなか寝付けそうにないです。とりあえず日曜日のロミオとジュリエットの安い席を押さえたので、楽しみにしているような、せつないような。


音楽 : アドルフ・アダン
台本 : テオフィル・ゴーチエ,
     ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ
振付 : ジャン・コラーリ,ジュール・ペロー,
    マリウス・プティパ
振付改訂 : アレクセイ・ファジェーチェフ
改訂振付補佐 : タチヤーナ・ラストルグーエワ
装置・衣裳 : ヴャチェスラフ・オークネフ
照明 : パウル・ヴィダル・サーヴァラング
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

<出 演>
ジゼル : ニーナ・アナニアシヴィリ
アルブレヒト : アンドレイ・ウヴァーロフ
ベルタ(ジゼルの母) : ニーノ・オチアウーリ
アルブレヒトの友人 : ユーリー・ソローキン
公爵(バチルドの父) : パータ・チヒクヴィシヴィリ
バチルド(アルブレヒトの婚約者) : マイア・アルパイーゼ
ハンス(森番) : イラクリ・バフターゼ
ジゼルの友人 : アンナ・ムラデーリ,ニーノ・ゴグア
          テア・コパレイシヴィリ,エカテリーナ・スルマーワ
          ニーノ・アルブタシヴィリ,エカテリーナ・シャヴリアシヴィリ
パ・ド・シス : テオーナ・アホバーゼ,ニーノ・マハシヴィリ
        ラーナ・ムゲブリシヴィリ,ニーノ・マティアシヴィリ
        ワシル・アフメテリ,オタール・ヘラシヴィリ
         メルガリエフ・ヤッサウイ
パ・ド・シスでのソロ:ヤサウイ・メルガリーエフ
ミルタ(ウィリの女王) : ラリ・カンデラキ
ウィリたち : エカテリーナ・スルマーワ,アンナ・ムラデーリ

ロイヤル・バレエ2010-2011シーズン Royal Ballet 2010/2011 Season Announced

英国ロイヤル・バレエ2010-2011シーズンが発表されました。(まだロイヤル・オペラハウスのサイトには載っていません。載ったらリンクを張ります)

→オフィシャルにも載りました
http://www.roh.org.uk/season/ballet.aspx


日付などのソースはこちらも参考に
http://elise-wwwwords.blogspot.com/2010/03/royal-ballet-20102011-season-announced.html

新作 World Premiere

クリストファー・ウィールダン振付の新作「不思議の国のアリス」(ナショナル・バレエ・オブ・カナダとの共同制作)2011年2月

Christopher Wheeldon Alice's Adventures in Wonderland, co-production with The National Ballet of Canada premiere in February 2011.

ウェイン・マクレガー振付新作(トリプル・ビルのうちの1本) 2011年3月13日初演
Wayne McGregor new ballet on May 13th 2011part of a triple bill

キム・ブランズトラップ振付新作 2010年10月シーズンオープニング、トリプル・ビルのうちの1本
Kim Brandstrup, a new ballet as part of a triple bill opening the new season, in October.

Aletta Collins振付の新作「Duet for One」(リンバリー・スタジオ上演作品) 「La Voix humaine」と同時上演  2011年6月, new work in Linbury Studio Theatre in June


全幕作品 Full length works 

Onegin (30 September) 「オネーギン」
Sylvia (3 November) 「シルヴィア」
Cinderella (20 November and 4 April) 「シンデレラ」
Giselle (11 January 2011) 「ジゼル」
Swan Lake (22 January 2011) 「白鳥の湖」
Manon (21 April 2011) 「マノン」


ミックス・ビル Mixed programmes

LaValse/New Brandstrup/Winter Dreams/Theme and Variations (15 October) 
「ラ・ヴァルス」「ブランズトラップの新作」「三人姉妹」「テーマとヴァリエーション」

Peter and the Wolf/Les Patineurs/Tales of Beatrix Potter (December 2010)
「ピーターと狼」「レ・パルティヌール(スケートをする人々)」「ベアトリス・ポッター物語(ピーター・ラビットと仲間たち)」

Faeries (festive season)リンドバリー・スタジオでの上演
「フェアリーズ」(クリスマスシーズン)

Rhapsody/Sensorium/The Rite of Spring (16 March 2011)
「ラプソディ」「センソリアム」「春の祭典」

Ballo Della Regina/New McGregor/DGV : Danse A grande Vitesse (13 May 2011) Balanchine's Ballo della Regina will be a Royal Ballet and European Premiere.
「バッロ・デラ・レジーナ」(ロイヤル・バレエおよびヨーロッパ初演)「マクレガー新作」「DGV」

Scenes De Ballet/Voluntaries/Still Life At The Penguin Cafe (28 May 2011)
「バレエの情景」「ヴォランタリーズ」「ペンギン・カフェ」


古典全幕では手堅い、いかにもロイヤルという作品を並べていますが、ウィールダンの全幕新作「不思議の国のアリス」やマクレガーらの新作、それにトリプル・ビルもいろいろあって、個人的にはパリ・オペラ座のラインアップよりは魅力的だと思います。

それにしても、モニカ・メイソン、ブリジット・ルフェーブル、そしてケヴィン・マッケンジーとメジャーカンパニーでは芸術監督の在任期間が長期化していて、その弊害が感じられるこのごろです。その中では、ロイヤルはラインアップ的には健闘しているほうだと思いますが。

2010/03/10

3/5 グルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」(3幕~完)

「ロミオとジュリエット」という作品の面白さのひとつには、劇中での世界観と視野の変化があると思う。

街の喧騒の中で、大勢の人々の中で始まる1幕。ジュリエットが登場するまでにも少し時間がかかるくらいで、ヴェローナの街という大きな舞台から始まって、さまざまな登場人物が交錯するキャピュレット家の宴へ。だけど、二人の恋が走り出すと、次第に外の世界の存在感はどんどん希薄になって、ロミオとジュリエット(中でもジュリエット)の二人がくっきりと際立っていく。バルコニーのシーンでも、まるで、この世界にはこの二人しか存在していないかのように感じられる。マキューシオとティボルトが死を迎える場面が、モブシーンの終わり。やがてパリスも両親もジュリエットにとっては存在しないものも同然の存在へとなっていく。

最後は暗い墓所でのたった二人の世界、それも二人同時には存在できなくて、仮死状態または本当に死んでいる恋人だけがいるという、視点がたった一人の世界へと収斂していく。

マクミランが秀逸なのは、二人の死でバレエを完全に終わらせて、この狭い視点で完結させたところ。ラヴロフスキー版では、二人の死をきっかけに両家の和解が成立するという幕切れになっている。平和への祈りという意味ではこちらが正解なのだろうけど。

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「ロミオとジュリエット」3幕は、ジュリエットとロミオの別れの朝のシーンから。このシーンは、初めての朝を迎えた愛し合う二人が離れなくてはならず、それが今生の別れになってしまうという胸を締め付けられるシーン。今まで観て来たマクミラン版の多くのジュリエット役が、急にこの場面で大人びてアンニュイ感を漂わせ始めたりしていた。でも、ニーナのジュリエットは、まだ恋とは何かということを知り始めたばかりの少女であり、この場面でもまだ10代半ばの女の子のまま。ロミオには行かないでほしいと一生懸命引きとめようとしながらも、これが本当に最後だとは思わっていないのが伝わってくる。悲しげに、だけど優しくジュリエットを抱きしめて、ロミオは行ってしまう。

その余韻も冷めやまぬうちに、ジュリエットの両親とパリスが入ってくる。これまでパリスは端正で気品のある貴公子然としていたのに、ここでは彼は嫌がるジュリエットに対してけっこうしつこい。ジュリエットはもうめちゃめちゃ彼のことを嫌っているのがわかった。ロミオが出て行った窓のカーテンを開け、外の風景を幾たびも見ては、彼のことを強く想うジュリエット。

ジュリエットがなんとしてでもロミオと結ばれるために、決意を胸に秘めるシーン。マクミラン版では、ジュリエットはベッドの上でじっとしながら正面を向き、ほんの少しの表情の変化で重大な決意を胸に抱くさまを描いている。ジュリエット役のバレリーナにとっては演技の見せ場である。ここでジュリエットの成長振りと強さが表現されている。ラヴロフスキー版では、ジュリエットはそのような"静”の状態ではなく、強い意思を全身のしなやかな動きで表しているようであった。そしてここでも、まだまだ少女のままのジュリエットの姿をニーナが好演。たった数日でジュリエットがまるで母性愛を持った存在にまで成長するわけがない、と幼くまっすぐ痛々しいまでの情熱があふれんばかりの様子で神父のところへと駆けていく。新婦の前で泣き崩れ、ナイフを手に自らの命を絶とうとするそぶりも見せるジュリエットだけど、それは死を願うというより、ロミオと結ばれたいという気持ちの表れ。だから、神父に仮死状態になる薬を飲んで、後に彼と会うという解決策を与えられたとき、彼女は素直に喜ぶ。そして部屋に戻ったジュリエットは、逡巡し恐怖と戦いながらも神父にもらった薬を飲んで、意識を失いベッドへと倒れこむ。

この次のシーンがラヴロフスキー版の大きな特徴なのだが、追放されたロミオが、旅先マントヴァでジュリエットのことを想いながら哀しみに満ちたソロを踊る。時には床に突っ伏すほどの強い苦悩。そこへジュリエットが死んでしまったという報せがベンヴォーリオから届くのだ。顔を覆って嘆くロミオ。あまりのロミオの悲しみようが胸に痛くて。彼は慟哭しながら拳を天に向けて突き上げて、ひとつの決意をする。こんなにも率直に感情を表に出しているウヴァーロフの姿が鮮烈だ。

(続く)

ジュリエットの葬列。中央にある石段の上にある墓の上に、シフォンに包まれた仮死状態のジュリエットが横たえられる。崩れ落ちるように悲しむ乳母や母、ジュリエットへと近寄り手を差し伸べるパリス。パリスも葬列とともにこの場を去るので、マクミラン版のようにロミオには殺されない。

葬列が去った後、墓所に駆け込むロミオ。横たわるジュリエットの体を抱き上げる。仮死状態のジュリエットの体は、だらりと下がるのではなく、まるで死後硬直しているかのように地面と平行した状態でつま先まできれいにぴんと伸びている。その微動だにしないジュリエットを高々と持ち上げるロミオ。ぴたりと静止したリフトを見るにつけ、ロミオはジュリエットがすでにこの世にいないものだと確信したのがよく伝わってくる。マクミラン版のように死体と踊っているような感じでないけれど、こちらのほうが現実的な演出だと思う。ジュリエットの死を確信したロミオは持参した毒をあおり、一度は跪くけれど最後にもう一度、ジュリエットの体に触れると、後ろ向きに石段の上から落ちるように斃れる。

目が覚めたジュリエットはロミオが石段のところで横たわっている姿を見つけ、死んでいることを知る。腕を大きく広げて、声にならない叫びを上げる。床にロミオが呷った毒薬の残りを見つけて飲むものの、それだけでは死ねないことが分かり、迷わずジュリエットはロミオの腰に挿してある短剣をとって胸を一突きし、彼の顔に最後に触れた後絶命する。彼がこの世にいないことが分かったとたん、何のためらいもなくまっすぐに死へと突き進んでいくジュリエット。それもまた彼女の純粋で情熱的な生き方の行き着く先だったことを、ニーナの最後までイノセントで少女らしいジュリエットが体現していた。火傷しそうな幼い熱情が疾走した物語が、「ロミオとジュリエット」なのだということがすごく伝わってきた。

だから、若い二人が墓所の石段で折り重なって斃れているところで両家の和解が実現するのは、とってつけたというか蛇足という感じが否めない。でも、このシーンは原作にあるものだし、極力さらりと表現していて最後の余韻を妨げないようにしているのは良かったのではないか。

パリ・オペラ座バレエ 2010-2011シーズン公式発表 Saison 2010-2011 à l'Opéra de Paris

オフィシャルサイトに発表されたので、お知らせしておきます。

http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/Saison_2010_2011/Ballets/index.php?lang=frurl

ROLAND PETIT ローラン・プティの夕べ 「ランデヴー」「Le Loup」「若者と死」
du 22 sep au 09 oct 2010
PALAIS GARNIER

PAQUITA パキータ
PIERRE LACOTTE
du 18 oct au 07 nov 2010
PALAIS GARNIER

BALLET DE HAMBOURG ハンブルク・バレエ 「パルシファル」
JOHN NEUMEIER
du 12 au 16 novembre 2010
PALAIS GARNIER

LE LAC DES CYGNES 白鳥の湖
RUDOLF NOUREEV
du 29 nov 2010 au 05 jan 2011
OPÉRA BASTILLE

BALANCHINE / BROWN / BAUSCH バランシン/ブラウン/バウシュ(「アポロ」「O ZŁOZONY/O COMPOSITE」「春の祭典」)
du 10 au 29 décembre 2010
PALAIS GARNIER

NOUVEL AN AU PALAIS GARNIER ガルニエ大晦日公演 バランシン/ブラウン/バウシュ
BALANCHINE / BROWN / BAUSCH
31 décembre 2010
PALAIS GARNIER

NOUVEL AN À L'OPÉRA BASTILLE バスティーユ大晦日公演 白鳥の湖
LE LAC DES CYGNES
RUDOLF NOUREEV
31 décembre 2010
OPÉRA BASTILLE

CALIGULA カリギュラ
NICOLAS LE RICHE
du 31 jan au 24 fév 2011
PALAIS GARNIER

COPPÉLIA コッペリア
PATRICE BART
du 17 au 30 mars 2011
PALAIS GARNIER

ROMÉO ET JULIETTE ロミオとジュリエット
RUDOLF NOUREEV
du 11 au 30 avril 2011
OPÉRA BASTILLE

MATS EK マッツ・エック 「ベルナルダの家」「Un Sort de..」
du 20 au 29 avril 2011
PALAIS GARNIER

BALLET DU THÉÂTRE BOLCHOÏ ボリショイ・バレエ プログラム1 「パリの炎」
PREMIER PROGRAMME
du 05 au 15 mai 2011
PALAIS GARNIER

BALLET DU THÉÂTRE BOLCHOÏ ボリショイ・バレエ プログラム2 「ドン・キホーテ」
SECOND PROGRAMME
du 10 au 14 mai 2011
PALAIS GARNIER

RAIN ケースマイケルの「Rain」
ANNE TERESA DE KEERSMAEKER
du 25 mai au 07 juin 2011
PALAIS GARNIER

L'ANATOMIE DE LE SENSATION マクレガーの新作
WAYNE MCGREGOR
du 29 juin au 15 jui 2011
OPÉRA BASTILLE

LES ENFANTS DU PARADIS 天井桟敷の人々
JOSÉ MARTINEZ
du 29 juin au 15 jui 2011
PALAIS GARNIER

2010/03/09

ジョゼ・マルティネスが2010-11シーズン末にパリ・オペラ座を引退

ダンソマニ経由フィガロに、パリ・オペラ座の2010-2011シーズンについての記事が載っていました。

http://www.lefigaro.fr/programmes-tele/2010/03/08/03012-20100308ARTFIG00780-la-danse-dans-tous-ses-etats-.php

その中で、シーズンの終わりにジョゼ・マルティネスが振付けた「天井桟敷の人々」の上演があり、そしてその上演がジョゼ・マルティネスのオペラ座との別れとなるとあります。

La saison est également marquée par la reprise de deux ballets signés par des étoiles de la compagnie : Caligula en janvier de Nicolas Le Riche et, en toute fin de saison, Les Enfants du paradis de José Martinez, qui y fera ses adieux.

年齢的に考えても、まもなく(まだですけど)オペラ座の定年に到達するので、オペラ座引退は想定内のことですが、現在の来日公演が、ジョゼのオペラ座のエトワールとしての日本での最後の舞台かと思うと寂しいですね。まだまだバリバリ踊れているし。今まで数多くの名演を見せてくれましたが、今回は心して見なければなりません。今後、ルグリのように舞台に立ち続けるかどうかはまだわかりませんが・・・

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それ以外のオペラ座シーズンについてのこのフィガロの記事は、昨日ご紹介したのとほぼ同じことが載っているのですが、ゲストの2つのカンパニーについて。

ボリショイ・バレエは「パリの炎」と「ドン・キホーテ」
ハンブルク・バレエは「パルシファル」の上演となるとのことです。


パリ・オペラ座は昨日日本に到着して、NBSのオフィシャルブログのほうで早速来日の様子とリハーサルの様子を伝えてくれていますね。教師はジャン=ギョーム・バールが来日しているんですね。
http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/2010/03/20102.html

パリ・オペラ座2009-2010シーズン発表 Ballet de l'Opéra de Paris: de grands chorégraphes pour la saison 2010-2011

まだオフィシャルには出ていませんが、3月10日に発表される予定のパリ・オペラ座2009-2010シーズンの中身が新聞記事に出ていました。

http://www.leparisien.fr/flash-actualite-culture/ballet-de-l-opera-de-paris-de-grands-choregraphes-pour-la-saison-2010-2011-08-03-2010-840227.php

http://www.la-croix.com/afp.static/pages/100308102356.s0r90wnb.htm

"Le Lac des cygnes" et "Roméo et Juliette" de Rudolf Noureev ヌレエフ振付「白鳥の湖」、「ロミオとジュリエット」
"Paquita" de Pierre Lacotte ラコット振付「パキータ」
"Caligula" Nicolas Le Riche  ル=リッシュ振付「カリギュラ」
"Les Enfants du paradis" José Martinez マルティネス振付「天井桟敷の人々」
soirée à Roland Petit ローラン・プティの夕べ 
"Coppélia" Patrice Bart. パトリス・バール振付「コッペリア」
"L'anatomie de la sensation"Wayne McGregor ウェイン・マクレガー振付 新作「L'anatomie de la sensation」
"Rain" Anne Teresa De Keersmaeker アンヌ・テレサ・ド・ケースマイケル振付 新制作「Rain」
"La Maison de Bernarda" et "Une sorte de..." Mats Ek エック振付「ベルナルダの家」「Une sorte de...」
"Sacre du printemps" Pina Bausch ピナ・バウシュ振付「春の祭典」(バウシュに捧ぐ公演、バランシン、トリシャ・ブラウンの作品も上演)

Ballet de Hambourg, Bolchoï ゲストカンパニー ハンブルク・バレエ、ボリショイ・バレエ

古典は「白鳥の湖」「パキータ」「ロミオとジュリエット」「コッペリア」で、後はコンテンポラリー作品が例によって多いシーズンです。ル=リッシュとマルティネスの作品の再演をするとおは、やはり芸術監督ルフェーブルは、振付ができることをダンサーの条件にしているような傾向だとうがった見方をしてしまったりして。
ピナ・バウシュの「春の祭典」やマクレガーの新作はとても興味深いですが。

2010/03/08

3/5 グルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」(続き)

2幕は街の喧騒から始まる。街の人々の踊りのときに急に演奏のスピードが遅くなってちょっと戸惑ってしまう。マンドリンダンスは、道化の服装をしたダンサーが踊るんだけど、まるで日本人かと思うような東洋的な容姿のダンサーがなかなかテクニックがあって上手だった。そのダンサーは、後で着替えて別の場面(マキューシオとティボルトの決闘の少し前)で、女性ダンサーと一番前で踊っていた。街の人々の中に一組、ほかよりも小柄でかわいいジプシーのペアがいて、ちょっと異色な感じで目に付いた。

ロミオとジュリエットの秘密の結婚式は、ロシア的なイコン(聖像)が飾られたシンプルな教会で。1幕では少し落ち着いて成熟した感じのニーナだったのに、ここではとても純粋でまっすぐで幼い情熱を隠せない感じで、本当に可愛らしかった。ウヴァーロフの愛情表現も、今までの彼の中では見たことがないような真摯なもので、心からの愛でジュリエットを包み込んでいるようだった。最近、日本ではウヴァーロフといえばバジルかジークフリートしか見てこなかったから、ロミオ役の彼の姿を見られて本当に良かった。離れ難い二人の気持ちがまっすぐに伝わってくる。

街の喧騒が頂点に達したころ、ついにティボルトとマキューシオが剣を交える。ティボルト役のワシル・アフメテリイラクリ・バフターゼ(修正しました)は前回の来日公演でも活躍していて、長身でハンサムなんだけどもう少し憎憎しく演じた方が盛り上がったかもしれない。でも岩田さんとのフェンシングはなかなか白熱していた。また、岩田さんの事切れるまでの演技も痛ましくて良かった。何よりも、ここでのウヴァーロフ!ロミオが不幸にも結婚式の後にその場に居合わせ、友の死を目撃してしまい、一瞬何がおきたのかわからずに呆然として逡巡。しばらくしてから意を決して剣を取り、猛然とティボルトに立ち向かうウヴァーロフの気迫が凄かった。ティボルトが斃れたところを、舞台の隅のほうでジュリエットが目撃してしまうというのが、この版の特徴のひとつ。そしてキャピュレット夫人の激しい嘆き。このキャピュレット夫人を演じていたバレリーナが、とても色っぽくて若くきれいな人だったので、キャピュレット夫人とティボルトが愛人関係にあったということを知らないと、誰だろうこの人って思ってキャビュレット夫人だとはわからなかったもしれない。

(続く)

2010/03/07

第10回マリインスキー・フェスティバルの出演者 X International Ballet Festival MARIINSKY Participants

今年のマリインスキーフェスティバルの出演者が一部オフィシャルで発表になっていますね。

http://www.mariinsky.ru/en/playbill/festivale/fest_2009_2010/ballet_fest_x/

4/15 Anna Karenina Diana Vishneva and Andrian Fadeyev
4/16 Anna Karenina Ulyana Lopatkina and Yuri Smekalov
4/17 Romeo and Juliet Polina Semionova and Vladimir Shklyarov
4/18 La Bayadère Viktoria Tereshkina and Igor Zelensky  (ガムザッティはマリーヤ・アレクサンドロワ)
4/19 Carmen Suite. Etudes. Apollo Ulyana Lopatkina and Mathieu Ganio (マチュー・ガニオは「アポロ」)
4/20 Giselle Natalia Osipova and Leonid Sarafanov
4/21 Swan Lake Svetlana Zakharova and Andrei Uvarov
4/22 Giselle (Matts Ek)  Ballet de L'Opera de Lyon
4/23 An Evening of Young Choreographers (若手振付家は Edwaard Liang, Emil Faski and Yuri Smekalovの3人、出演はYekaterina Kondaurova, Viktoria Tereshkina and Leonid Sarafanov)
4/24 The Sleeping Beauty Alina Somova and David Hallberg
4/25 Stars of Ballet Gala Concert (デヴィッド・ホールバーグ、ダニール・シムキン、アリーナ・コジョカルが出演する予定)

ということで、とーっても豪華なメンバーです。ロシア以外のダンサーにとっては、このフェスティバルに出演することが、国際的なスターの仲間入りという感じなんでしょうね。

「若手振付家の夕べ」のエドワード・リヤンは元NYCBのソリストで、NYCBのほか、ノヴォシビルスク・バレエやモーフォーセズに作品を振付けています。ユーリ・スメカロフは「アンナ・カレーニナ」の2日目に主演する、エイフマン・バレエからマリインスキーに移籍してきたダンサー/振付家ですね。ポリーナ・セミオノワとウラジーミル・シクリャーロフが主演する「ロミオとジュリエット」はラヴルフスキー版です。

3/5 グルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」(その1)

今まで本当に素晴らしい舞台を見せてくれていたニーナも、実はもうすぐ47歳。地方公演で見た人の感想で、ちょっとお疲れ気味だと聞いていたので、少しだけ不安を持ちながら舞台に臨んだのだけど、そんな不安はまったくの杞憂だった。ニーナは本当に凄い!観客に愛される華と暖かさを持つ、不世出のバレリーナであることを改めて実感。そしてロミオという役で初めて観るウヴァーロフも愛にあふれており、踊りの切れも素晴らしく、今までの彼の印象を塗り替える素敵な演技を見せてくれた。ニーナとウヴァーロフの姿は、舞台の上で永遠のものとして心の中に焼き付けられた。時を忘れさせてくれる感動をくれた、そんな舞台だった。

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「ロミオとジュリエット」といえば、やはりマクミラン版ばかりを観てきていて、原典と言っていいラブロフスキー版について多くの人はマクミラン版やクランコ版と比較して面白くないと言う。実は私はラヴロフスキー版を観たことがなくて、それも懸念材料だった。今まで、ガラではロシア系のダンサーが1幕のバルコニーのシーンのパ・ド・ドゥを踊ったのは何回か観ているんだけど、バルコニーシーンなのにバルコニーがないとはいかに?と思ったし、ガラで観る限りは、たとえそれがヴィシニョーワのように素晴らしいダンサーでも作品として、振付としていまいちだなあ、と思っていたのだ。

だけど、この日、この版を観て、ラヴロフスキー版も意外といいなあと思ってしまったのだ。マクミラン版が見せる1幕の猥雑で活気にあふれた様子がないのは物足りない。でも、この版には、この版なりの良さがあるんだと思った。現在の「ロミオとジュリエット」のバレエ作品の多くの原点になっているのがとてもよくわかる。

ケネス・マクミランの伝記を読むと、ボリショイ・バレエが1950年代にロンドンに、ガリーナ・ウラノワ主演のラヴロフスキー版「ロミオとジュリエット」を上演したところ大センセーションを巻き起こしたという記述がある。ロイヤル・バレエ(当時はサドラーズ・ウェルズ・バレエ)は、何とかしてこの作品の上演権獲得を目指すのだが、ラヴロフスキーがボリショイで失脚するなどさまざまな障害がありそれは実現しなかった。バレエ団は自前の「ロミオとジュリエット」を代わりに作ろうとして、その結果生まれたのが、マクミラン版である。ラヴロフスキー版を観たマーゴ・フォンテーンが自伝の中で語った言葉が登場する、「批評家からはオールド・ファッションだと批判されたラヴロフスキー版「ロミオとジュリエット」のプロダクションの古風さこそが素敵だと思った。ディアギレフが今世紀初頭にその革新性と引き換えに捨てたバレエの中のリアリズムがこの作品の中にあり、今それを改めて見るとかえって新鮮に感じる。豊饒なルネッサンス時代の地方での生活のイメージがわきあがってくる」
今回のロミオとジュリエットの舞台装置はグルジア国立バレエのオリジナルのものであるが、確かに古風ではあるものの、重厚で華麗、ルネッサンス時代を意識したものでとても素敵だった。

マクミランの「ロミオとジュリエット」では、一瞬場面が凍りつくシーンがあって、それが非常に効果的な演出となっている。ロミオとジュリエットがキャピュレット家の宴で初めて出会うシーン、バルコニーシーンのはじめに長く二人で見詰め合うシーン、そしてジュリエットが3幕でロミオと別れ、長い時間ベッドの上に座り、ある決意を秘めるシーンなどなど・・・ラヴロフスキー版にはそういった"溜め"がなく、ダンスがよどみなく流れるように続いていく印象が強い。後半になるとマイムは登場するが、全体的にはマイムや顔の表情ではなく踊りで感情を表現することに重点を置いている。そして、ニーナもウヴァーロフも、この"踊りで感情を表現する"ことにものすごく優れているのがすごくよくわかった。

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2枚の赤い緞帳が上がってヴェローナの街が登場すると、中央の像の傍らで佇む、憂いに満ちた男性。それがウヴァーロフが演じるロミオであることに気がつくのにしばらくかかった。ほかの観客もそうだったようで、ウヴァーロフであると気がついていたら当然あったであろう拍手がなかったことがそのことを象徴している。この時点で、もしかしてロミオ役は今までの彼のイメージを覆すものになるんじゃないかって予感がした。

最初のヴェローナの街角のシーンを見ているときには、あまり気持ちが盛り上がらなかった。なぜかっていうと、ひとつにはオーケストラの演奏があまりにもトホホだったこと。プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」は確かに難曲だけど、演奏の明らかなミスがあるだけでなく、テンポも今ひとつで群舞がいまひとつ音楽に乗り切れていなかった。しかも最初のこのシーンにはマキューシオもベンヴォーリオも登場しないのだ。この版での舞台を観るのは初めてとあって、パリスとティボルトの区別もちょっとつきにくい。あの有名な音楽に乗せての「騎士たちの踊り」(クッションダンス)は、分厚いクッションを使った舞台美術は素敵なのに演奏がすごく薄っぺらいので気分が高揚しなかったのが残念。

登場シーンのニーナはすごく可愛らしかった。おてんばで、女の子というよりもっと中性的、やんちゃで辺りを走り回っていそう。でもアラベスクなどのポーズはすごく綺麗だし、懸念していたジャンプもちゃんと脚を大きく開いて跳んでいた。キャピュレット家の宴に参加しているニーナのジュリエットはその場面とは打って変わって落ち着いておりやや大人っぽく見えてしまって、やっぱりニーナも年をとっちゃったのかな、と思った。でも、その印象はこのシーンだけで、ここから先は本当に少女っぽく、生き生きとしていて愛らしいジュリエットそのものになった。

この宴のシーンでようやくロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオが揃う。長身のウヴァーロフと並ぶと岩田さんがとても小柄で、縮尺が違う人が並んでいるようだった。でも岩田さんの踊りは素晴らしい!とても正確でキレがあり、軽やかで綺麗だ。上半身の動きもシンプルながら美しい。岩田さんの性格の真面目さが踊りに出ているようで、ひょうきんなんだけど軽薄ではないマキューシオ。ウヴァーロフも、いつもの王子の雰囲気はなく、かといってザハロワといつも踊っているバジルともまた違っていて、すごく楽しげでリラックスしていてロミオになっている。いつもの彼から、一皮もふた皮も剥けた感じで、素のままでロミオになり切っている彼のエモーションが感じられた。

そしてバルコニーのシーン。やっぱりバルコニーはないのだけど、後方が石段プラットホーム状になっていて、重厚な舞台装置。初めての恋に震えるジュリエットとロミオ。マクミラン版のような複雑なリフトはないけれども、純粋なラインの美しさを追求した古典的な振付は、踊り手が素晴らしく、なおかつ踊りで心境を表現することができていればやっぱり感動的である。ウヴァーロフは踊りが絶好調のようで、跳躍は高く伸びやかで、あの長身とは思えないくらい軽やかだ。ものすごく若々しい。ニーナはジュッテ・アントルラッセのときに後ろに高く脚が上がっていてつま先がきれいに伸び、ふわっと浮かび上がるようで、不調が伝えられていたとは思えない。パ・ド・ドゥのときには、とにかくウヴァーロフの愛情あふれるサポートが素晴らしくて、ニーナがジュッテするところを彼が軽々と持ち上げると、天にも登るように高揚した二人の気持ちが伝わってくる。二人が正面を向いて、つないだ腕を上げてアラベスクするポーズの美しいことといったら。最後は、高々とニーナをリフトするのだけど、このサポートもビシッと安定感抜群で、ロミオのジュリエットに対する熱く一途な愛が伝わってきて、観ているこちらにも思わず熱いものがこみあげてきた。

(続く)

≪ロミオとジュリエット≫ 全 3 幕
2010年3月5日(金) 18:30~21:30

音楽 : セルゲイ・プロコフィエフ
台本 : レオニード・ラヴロフスキー,
     セルゲイ・プロコフィエフ,セルゲイ・ラドロフ
振付 : レオニード・ラヴロフスキー
振付改訂 : ミハイル・ラヴロフスキー
振付改訂補佐 : ドミートリー・コルネーエフ,イリーナ・イワノワ
           アレクセイ・ファジェーチェフ
指揮 : ダヴィド・ムケリア
管弦楽 : 東京ニューシティ管弦楽団

<出 演>
  ジュリエット : ニーナ・アナニアシヴィリ
  ロミオ : アンドレイ・ウヴァーロフ
  ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥) : イラクリ・バフタ-ゼ
  マキューシオ(ロミオの友人) : 岩田守弘
  ヴェローナの太守 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
  キャピュレット卿(ジュリエットの父) : ユーリー・ソローキン
  キャピュレット卿夫人 : ニーノ・オチアウーリ
  ジュリエットの乳母 : タチヤーナ・バフターゼ
  パリス(ジュリエットの婚約者) : ワシル・アフメテリ
  パリスの小姓 : テオーナ・ベドシヴィリ
  ローレンス神父 : パータ・チヒクヴィシヴィリ
  ジュリエットの友人 : ラリ・カンデラキ
  吟遊詩人 : ヤサウイ・メルガリーエフ
  モンタギュー卿(ロミオの父) : マヌシャール・シハルリーゼ
  ベンヴォーリオ(ロミオの友人) : ゲオルギー・ムシヴェニエラーゼ
  居酒屋の主人 : ベサリオン・シャチリシヴィ

2010/03/06

エトワール・ガラ2010 演目追加発表、新作「三銃士」 Etoile Gala "Three Musketeers" new work by Lacotte

エトワール・ガラ2010の演目が追加されていました。

前回のエトワール・ガラで「メリー・ウィドウ」を振付けたピエール・ラコットが、全ダンサー参加の全幕バレエとして新作「三銃士」を振付けるのだそうです。音楽は映画音楽でおなじみのミシェル・ルグランとのこと。

<現在決まっているキャスト>

三銃士
アトス:イリ・ブべニチェク
ポルトス:アレクサンドル・リアブコ
アラミス:ジョシュア・オファルト

ダルタニアン:マチアス・エイマン
ルイ13世:マチュー・ガニオ
枢機卿:バンジャマン・ペッシュ

ほかの作品は以下の予定と出ていました。楽しみですねえ。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_10_etoiles.html

<Aプロ>
「カルメン」より“寝室の中”(振付:R.プティ、音楽:G.ビゼー) Carmen (Roland Petit)
イザベル・シアラヴォラ、マチュー・ガニオ
Isabelle Ciaravola Mathieu Ganio

「天井桟敷の人々」よりスカルラッティ・パ・ド・ドゥ(振付:J.マルティネス、音楽:D.スカルラッティ) Scarlati Pas de Deux from Le Enfants du Paradis (Jose Martinez)
ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン
Dorothee Gilbert Mathias Heymann

「人魚姫」より(振付:J.ノイマイヤー、音楽:L.アウアーバッハ) Little Mermaid (John Neumeier)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ Silvia Azzoni Alexandre Riabko

新作「三銃士」世界初演(振付:P.ラコット、音楽:M.ルグラン) The Three Musketeers (Pierre Lacotte, World Premiere)
マリ=アニエス・ジロ、ドロテ・ジルベール、イザベル・シアラヴォラ
イリ・ブベニチェク、アレクサンドル・リアブコ、マチュー・ガニオ
バンジャマン・ペッシュ、マチアス・エイマン、ジョシュア・オファルト
Marie-Agnes Gillot Dorothee Gilbert Isabelle Ciaravola
Jiri BubenicekAlexandre Riabko Mathieu Ganio Joshua Hoffalt
Benjamin Pech Mathias Heymann

<Bプロ>
「薔薇の精」(振付:M.フォーキン、音楽C.M.フォン・ウェーバー) Le Spectre La Rose (Mikhail Fokine)
イザベル・シアラヴォラ、マチアス・エイマン Isabelle Ciaravola Mathias Heymann

「プレリュード」世界初演(振付:D.ボンバナ、音楽:C.ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」ほか) Prelude (Davide Bombana, World Premiere)
エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ Eleonora Abbagnato Benjamin Pech

「ロミオとジュリエット」(振付:K.マクミラン、音楽:S.プロコフィエフ) Romeo and Juliet (Kenneth MacMillan)
イザベル・シアラヴォラ、マチュー・ガニオ Isabelle Ciaravola Mathieu Ganio

「プルースト~失われた時を求めて」より“モレルとサンルー”(振付:R.プティ、音楽:G.フォーレ) Morel wt Saint-Loup from PROUST ou les intermittences du coeur (Roland Petit)
マチュー・ガニオ、ジョシュア・オファルト Mathieu Ganio Joshua Hoffalt

「アパルトマン」(振付:M.エック、音楽:フレッシュ・カルテット) Le Apartment (Matts Ek)
マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク Marie-Agnes Gillot Jiri Bubenicek

「スターズ&ストライプス」(振付:G.バランシン、音楽:J.P.スーザ) Stars and Stripes (George Balanchine)
ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン Dorothee Gilbert Mathias Heymann

他、豪華プログラムを予定


マチュー・ガニオとジョシュア・オファルトの「プルースト」が楽しみです~。イリとマリ=アニエスの「アパルトマン」もきっと面白いでしょうね!

2010/03/05

パリ・オペラ座来日公演、イザベル・シアラヴォラ降板によるキャスト変更

ダンソマニさんに載った時にお知らせしておいた、パリ・オペラ座来日公演、イザベル・シアラヴォラ降板に伴うキャスト変更がNBSのサイトに載りました。

http://www.nbs.or.jp/blog/1003_parisopera/contents/2010/03/post-30.html

イザベルが残念ながら降板するのは、「シンデレラ」(3/12,13夜,15)の義姉、「ジゼル」(3/20夜)のジゼルです。

ジゼルの代役はデルフィーヌ・ムッサンで、シンデレラの義理の姉についてはいろいろと玉突きがあったりややこしいので、上記NBSのブログでご確認くださいね。


「シンデレラ」

2010年
3/12(金)6:30p.m.
二人の義姉:エミリー・コゼット、イザベル・シアラヴォラ→ドロテ・ジルベール

3/13(土)1:30p.m.
二人の義姉:ドロテ・ジルベール→メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール

3/13(土)6:30p.m.
二人の義姉:エミリー・コゼット、イザベル・シアラヴォラ→ドロテ・ジルベール

3/14(日)1:30p.m.
二人の義姉:ドロテ・ジルベール→メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール

3/15(月)6:30p.m.
二人の義姉:エミリー・コゼット、イザベル・シアラヴォラ→ドロテ・ジルベール

「ジゼル」

3/20(土)6:30p.m.
ジゼル:イザベル・シアラヴォラ→デルフィーヌ・ムッサン
アルブレヒト:バンジャマン・ペッシュ


イザベルさん、エトワール・ガラでは元気な姿で踊ってくれることを期待しています。

ロイヤル・バレエの2010/2011シーズン上演作品(の一部)

Ballet.co経由の情報ですが、ロイヤル・バレエの2010/2011シーズンのうち、オータムブッキングの演目が発表になっていました。
http://www.ballet.co.uk/dcforum/news/4672.html

Onegin「オネーギン」
10 Performances
30 Sept - 25 Oct

La Valse / New Brandstrup / Winter Dreams / Theme and Variations 「ラ・ヴァルス」、キム・ブランズストラップの新作、「三人姉妹」「テーマとヴァリエーション」
6 Performances
Between 15 Oct - 30 Oct

Sylvia 「シルヴィア」
9 Performances
Between 3 Nov and 1 December

Cinderella 「シンデレラ」
13 Performances
between 20 November - 31 December

ロイヤル・オペラハウスのサイトでは、
http://www.roh.org.uk/whatson/index.aspx?eventType=3
のAutumnのタブで出てくるはずなのですが、なぜか見られません。(このウェブサイト、本当にわかりづらいですよね)

フレンズの予約が6月1日、一般発売が6月29日からだそうです。キャストの記述はなし。

「オネーギン」でシーズンが開幕するんですね。ミラノ・スカラ座も同じ時期に「オネーギン」を上演するので、今年はすっかり「オネーギン」流行という感じです。毎年冬は「くるみ割り人形」をやっているというイメージが強いのですが、今年は「シンデレラ」なんですね~。

2010/03/03

ボリショイ&マリインスキー合同公演の出演者 Bolshoi & Mariinsky Ballet Gala in Tokyo October 2010

今日、ニーナ・アナニアシヴィリとグルジア国立バレエの「ジゼル」公演に行ってきた友達に教えていただきました。

今年10月開催のボリショイ&マリインスキー合同公演の出演予定者を掲載されたチラシが配布されていたとのことです。

Img_0248_2

<出演者> 
★ボリショイ・バレエ 
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ナタリア・オシポワ、マリーヤ・アレキサドロワ、イワン・ワシリエフ、ミハイル・ロブーヒン、アレクサンドル・ヴォロチコフ、アンジェリーナ・ヴォレンツォーワ、アルチョム・オフチャレンコ
★マリインスキー・バレエ
イーゴリ・コールプ、アリーナ・ソーモワ、ヴィクトリア・テリョーシキナ、ウラジーミル・シクリャローフ、ウリヤーナ・ロパートキナ、ディアナ・ヴィシニョーワ、レオニード・サラファーノフ、アンドリアン・ファジェーエフ

<日程>
10月23日~27日 東京文化会館

が書いてあったとのことです。ザハーロワ、ロパートキナ、ヴィシニョーワが出演!ファジェーエフの復活!とっても豪華なメンバーで、今から楽しみですね。

追記:ジャパンアーツのブログでの公演情報です
http://ja-ballet.seesaa.net/article/142820211.html

アリーナ・コジョカル出演デンマーク・ロイヤル・バレエの「真夏の夜の夢」(ノイマイヤー版)

2月26日から4月22日まで、デンマーク・ロイヤル・バレエではジョン・ノイマイヤー振付の「真夏の夜の夢」を上演しています。

同カンパニーでは30年ぶりの上演となる再演の初日には、アリーナ・コジョカルをゲストに迎えての公演が行われました。彼女自身、ノイマイヤー版の「真夏の夜の夢」のヒッポリタ/タイターニア役は初めてとのことですが、ギャラリーを見ると本当に美しいですね。

http://kglteater.dk/OplevTeateret/Galleri/Ballet/2009_2010/En_Skarsommernat_ny.aspx?pos=12&imgId={AA385859-3243-4D67-BFF1-09DF63348352}

Ballet.coには、アリーナが出演した公演のレビューが載っています。
http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_10/apr10/js_rev_royal_danish_ballet_midsummer_nights_dream_0210.htm

私はノイマイヤー版の「真夏の夜の夢」は観たことがないのですが、以前はボリショイのレパートリーにも入っていたのですよね。

上記Ballet.coのレビューでは、アシュトン版やバランシン版とはまったく違っており、またシェイクスピアの原作とも違うと解説してあって、わかりやすいです。ビントレー版「シルヴィア」や、クランコの「じゃじゃ馬ならし」のようなコメディなのだそうです。また、音楽も、メンデルスゾーンだけではなく、オベロンの王国でのシーンではリゲティを使っていたりとかなり異色な感じで。主役はそれぞれヒッポリタとタイターニア、テーシスとオベロンの二役を演じるということも知識として知っておいたほうがいいようですね。いつか観る機会があるといいなと思います。

ラトマンスキーの「明るい小川」をABTが2011年1月に上演/マラーホフの新作「ラ・ペリ」

バレエ雑誌PointeのTwitterによると、ABTが、2011年1月にワシントンのケネディセンターにて、アレクセイ・ラトマンスキー振付の「明るい小川」を初演するとのことです。

2011年のMETシーズンでも、「明るい小川」を上演するそうです。これは凄いですね~さて、このバレエダンサー役(ロマンティック・チュチュにポアントの男性ダンサー)は誰が踊ることになるんでしょうか?ポアントの得意なABTのダンサーといえば真っ先にホセ・カレーニョ、次にマルセロ・ゴメスの名前が浮かびますが。いずれにしても楽しみですね。

まだABTのサイトには出ていませんので、続報を待ちましょう。
→追記:オフィシャルサイトにも出ました。
http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=295

***
ウラジーミル・マラーホフがベルリン国立バレエにて再振付したオリエンタル風味のロマンティック・バレエ作品「ラ・ペリLa Peri」が初演されました。映像をほんの少しですが、こちらで見ることができます。(1分30秒あたりから)主演は、マラーホフとディアナ・ヴィシニョーワです。
http://www.dw-world.de/popups/popup_single_mediaplayer/0,,5297991_type_video_struct_0_contentId_5272857_start_689_end_824,00.html


写真のスライドショーはこちらの日本語記事で見ることができます。

マラーホフとヴィシニョーワ、ベルリンでリハーサル
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2702837/5410423

写真はこちらにも
http://tanznetz.de/kritiken.phtml?page=showthread&aid=184&tid=16880

追記

チャコットのダンスキューブにはレビューも載っています。
http://www.chacott-jp.com/magazine/news/other-news/post-30.html

追記もうひとつ

ファイナンシャルタイムズのレビューです。
"Deep and meaningful it isn’t, but Vladimir Malakhov’s new La Péri for Berlin’s Staatsballett is, nevertheless, a highly entertaining and visually ravishing two-hour romp, full of joyous dancing".
http://www.ft.com/cms/s/2/dde7cc4c-261f-11df-aff3-00144feabdc0.html
この評では絶賛されていますね!


追記:ABTの「明るい小川」上演についてのリリースです。

AMERICAN BALLET THEATRE TO PERFORM ALEXEI RATMANSKY’S THE BRIGHT STREAM
  Company Premiere Set for January 21, 2011 at The Kennedy Center for the Performing Arts in Washington, DC

American Ballet Theatre will stage the Company Premiere of Alexei Ratmansky’s The Bright Stream on January 21, 2011 at the Kennedy Center for the Performing Arts in Washington, DC. The ballet will be given four performances at the Kennedy Center through January 23, 2011.
ABT will also perform The Bright Stream during its Spring season at the Metropolitan Opera House, May 16-July 9, 2011. Alexei Ratmansky’s The Bright Stream received its World Premiere by the Bolshoi Ballet on April 18, 2003 with sets and costumes by Boris Messerer.
A comic ballet in two acts, American Ballet Theatre’s Company Premiere of The Bright Stream, set to music by Dmitri Shostakovich, features sets by Yevgeny Monakhov and Illya Utkin and costumes by Yelena Markovska. The libretto, by Adrian Piotrovsky and Fyodor Lopukhov, tells the story of the members of a Russian farm collective in the 1930’s and their humorous interactions with a group of visiting performers during the harvest festival. The original production of The Bright Stream, with choreography by Lopukhov, was premiered on April 4, 1935 by the Maly Opera and Ballet Theater at the Maly Theatre in Leningrad.
“I am thrilled to add this wonderful production to ABT's repertoire,” said Kevin McKenzie, Artistic Director. “It so reflects Alexei's inventiveness and good humor."

New York Timesの記事
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/03/02/abt-to-present-ratmanskys-bright-stream-in-washington/

なお、ウォールストリートジャーナル紙によると、ABTは今年の秋は恒例のシティセンターでの公演を行わないで、BAM(ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)劇場で上演される「くるみ割り人形」(ラトマンスキーによる新振付)に集中するとのことです。

Ballet Company Scraps Fall Season
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704548604575097942709910962.html?mod=googlenews_wsj

不景気の影響もあり、新作の「くるみ割り人形」と、コンテンポラリー中心のシティセンター公演は両立するのが営業的に難しいという判断とのことです。シティセンター公演は新作が数作品上演されることから、新しいことに挑むカンパニーの姿勢を示せるので、今年開催されないのはとても残念です。ABTのエグゼクティブ・ディレクター、レイチェル・ムーアのコメントでは、今年は秋公演を行わないということであり、将来的にはふたたび行いたいという希望を持っているとのことです。

2010/03/02

Different Drummer The Life of Kenneth MacMillan その3

<ビリー・エリオットのその後?>

ケネス・マクミランがダンサーになるまでの道程は、驚くほど「リトル・ダンサー」のビリー・エリオットに似ている。というより、「リトル・ダンサー」は彼の没後に公開された映画なので、もしかしたら彼にインスパイアされたのかもしれない。英国の小さな田舎町の貧しい家庭の出身。父親も兄もバレエに理解はなく、バレエ学校では唯一の男の子で学校では浮いているけど、本人はダンスに夢中。熱心な教師に素質を見抜かれて、サドラーズ・ウェルズ・バレエ学校(後のロイヤル・バレエ・スクール)に入学し、卒業後はサドラーズ・ウェルズ・バレエ団に入団。念願のバレエ・ダンサーとなるところまで殆ど同じなのだ。

マクミランの生涯は、もしかしたら「その後のビリー・エリオット」の姿だったのかもしれない。映画は、ビリーがバレエ・ダンサーとなって、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」に出演している姿で終わる。普通の古典バレエではないところがポイントだ。長身でノーブルだったマクミランもバレエダンサーとしての将来を嘱望され、サドラーズ・ウェルズ・バレエ団で主役級を踊るようになった。

だが、マクミランはやがて舞台恐怖症から舞台に上がると震えが止まらなくなってしまい、バレエダンサーとして踊ることを断念しなければならなくなる。彼の最愛の母の心臓が弱くてよく発作を起こしており、そして彼がバレエ学校に通うのに家から離れている間に心臓発作で亡くなってしまう。そのことから、彼自身も舞台に立っているときに発作を起こして倒れてしまうのではないかという不安におびえていたのだ。その上、戦争で受けた傷や毒ガス攻撃が元で肺が弱く、またアルコールに溺れていた父親のように自分がなってしまうのではないか、さらにいつか正気をなくしてしまうのではないかという恐怖が、彼の不安を増幅していた。その結果、マクミランはアルコールとニコチン、そして精神安定剤に溺れることになる。もともと飛行機恐怖症であり、ロイヤル・バレエのツアーでも船で渡米したマクミランであったが、さらに、盟友ジョン・クランコが飛行機上で睡眠薬とアルコールを併用した結果、喉を詰まらせて急死するという悲劇も重なった。

そんな彼の前半生においては、バレエスタジオにて振付指導を行っているときが唯一安らぎを得ることができたようである。ダンサーとスタジオで対峙し、作品を作っている時だけが幸せだったようだ。彼が後半生においては、家庭という幸福を手に入れることができたという事実に、読む側としても救われる思いがする。

<Different Drummer, アウトサイダーとしてのマクミラン>

さらに、マクミランは常にアウトサイダーであった。ダンサー時代、彼の男性の同僚の多くはアシュトン、クランコをはじめ同性愛者が多く、(少なくとも表面的には同性愛者ではなかった)マクミランは、疎外感を感じていたという。さらに、振付家として名を上げ、やがてロイヤル・バレエの芸術監督となった彼であったが、階級社会の英国の中でも特に階級意識の高いロイヤル・オペラハウスの運営陣は彼をよそ者として見下していた。彼を軽視していた運営陣との調整や意見の相違に追われていたマクミランが、芸術監督時代に振付けることができた全幕作品は「マノン」だけだった。「大地の歌」や「レクイエム」がオペラハウス側の反対に遭い、ロイヤル・バレエでは上演できずシュツットガルト・バレエに振付けることになった。また彼は、ロイヤル・バレエの芸術監督に就任する前には、(その2)で書いた通り、前任者のアシュトンにバレエ団を追われ、ベルリン・ドイツオペラの芸術監督に就任したものの、ドイツ語もできず、カンパニーに溶け込めずに孤独感を深め、失意のままドイツを去ることになったのであった。ロイヤル・バレエの芸術監督を退任した後、マクミランがサーの称号を得たのは皮肉な話である。

マクミランは、振付作品が自身の自伝的なものであるという見方は否定している。だが、アウトサイダーであった自身の経験は作品の中に現れている。「ロミオとジュリエット」のジュリエットは、表面を取り繕い冷たく偽善的なキャピュレット家の中で、ただ一人自分の愛を貫き通し、家という枠を飛び出して戦った存在であった。「マイヤリング」のルドルフ皇太子も、ハプスブルグ家のやり方や父親フランツ・ヨーゼフ1世に反発して情死にいたる。このように、彼自身のつらく痛ましい経験が、作品の中へと昇華して行ったのは明らかである。また、家族との関係、特に姉たちや兄との関係は、「My Brother, My Sisters」という作品へと昇華されている。
この伝記では、彼がいかに傷つき、悩み苦しみ、その苦悩の中から作品を作り上げていく姿が、周囲の証言から丹念に描かれているのである。

<最大の敵、批評家たち>

下層階級出身の彼の台頭を好ましく思わず、またアシュトンの作品を愛していたロイヤル・オペラハウスの運営陣がけしかけた側面も多いと思われるのだが、マクミランの最大の敵は批評家たちであった。日本ではバレエ作品の新聞評は、公演が終わってしばらく経ってから掲載されるため、さほど影響力があるとはいえない。だが、欧米にあっては、作品の初日についての批評がすぐに新聞に掲載されるため、絶大な権力を持っていたと言える。

マクミランがロイヤル・バレエの芸術監督に就任する少し前に、サドラーズ・ウェルズ・バレエはコベント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスのメーンカンパニーと、サドラーズ・ウェルズ劇場をベースにしながらも主に英国内のツアーを行うセカンド・カンパニー(後のバーミンガム・ロイヤル・バレエ)に分けられたことによる混乱があった。ニネット・ド・ヴァロワ芸術監督時代のスターたちや、チェケッティ・メソッドで鍛えられた往年のダンサーたちが盛りを過ぎ、世代交代がうまくいかないという不運もあった。アシュトンの明るい作風に対し、マクミランの作品は人間の暗部を抉り出すものであったが、必ずしもマクミランの責に帰すべき問題ではないところまで、批評家たちは激しく攻撃した。中でもニューヨークタイムズのクライブ・バーンズは彼の作品をひどく批判し、そのことによりロイヤル・バレエの米国ツアーの「マノン」が不入りに終わった。ドキュメンタリー「アウト・オブ・ライン」でマクミラン夫人が語ったことによれば、メトロポリタン・オペラの楽屋口に観客が押し寄せて「アシュトン!アッシュトン」と叫び続けていたため、しまいにはマクミラン夫妻はボディガードに付き添われて別の出口からこっそり帰る羽目になったという。振付家が批評家の評論をそれほどまでに気にするのか、日本人からすると理解しがたいのだが、それだけ大きな影響力を持っているということだろう。現在のニューヨークタイムズの主席ダンス批評家であるアレイスター・マコーリー氏がやはりアシュトンとバランシンを愛し、マクミラン作品を好んでいないということも興味深い。

批評家たちの厳しい批判、またロイヤル・オペラハウスが批評家たちと結託していたということもあったことで、マクミランが恐れをなして萎縮してしまった面があったと考えられる。芸術監督を辞し、ABTの芸術監督に就任しながらも比較的自由な立場になることができてから、ようやく彼は精神的に落ち着きを見せ、「マイヤリング」など後期の傑作を生み出すことができるようになったのだった。

パリ・オペラ座バレエ 2010-2011シーズン Saison 2010-2011 à l'Opéra de Paris

ダンソマニに掲載された速報から、パリ・オペラ座バレエ 2010-2011シーズン上演作品のお知らせです。

http://www.forum-dansomanie.net/forum/viewtopic.php?p=37750#37750

Garnier, Une soirée Roland Petit comprenant Le Rendez-vous, Le Jeune homme et la Mort et Le Loup.
オープニングは、ガルニエにて「ローラン・プティの夕べ」(「ランデヴー」「若者と死」「Le Loup」

Pour les fêtes, Le Lac des Cygnes クリスマスシーズンに「白鳥の湖」

Coppélia (P. Bart?) 「コッペリア」(パトリス・バール版?)

La Maison de Bernarda (Mats Ek) 「ベルナルダの家」(マッツ・エック)

3ème Symphonie de Mahler (Neumeier) 「マーラー交響曲3番」(ノイマイヤー)

Les Enfants du paradis, comme annoncé par LucyOnTheMoon, en fin de saison.  「天井桟敷の人々」と「LucyOnTheMoon」でシーズンの締めくくり

Compagnie invitée : Ballet de Hambourg (Neumeier) ゲストカンパニー ハンブルク・バレエ

以前に噂されていた上記に加え、

La chorégraphe invitée sera Anne Teresa de Keersmaeker.
ゲスト振付家にアンヌ・テレサ・ド・ケースマーケル(ローザス) 既存の作品か新作かは不明

Par ailleurs, échange de bons procédés, le Ballet de l'Opéra de Paris sera reçu au Bolchoï, à Moscou, du 6 au 27 février 2011, où il présentera notamment Le Parc, d'Angelin Preljocaj.
モスクワ、ボリショイ劇場にてプレルジョカージュの「ル・パルク」を上演(2011年2月6日から27日まで)

Un gala de prestige est également prévu à Moscou le 8 décembre 2010, avec la participation de danseurs de l'Opéra de Paris.
12月8日にモスクワでガラ公演

A la liste des ballets qui figureront à l'affiche de la saison 2010-2011, on ajoutera Paquita (Garnier) et Roméo et Juliette (Bastille)
ガルニエにて「パキータ」、バスティーユにて「ロミオとジュリエット」を上演(「ロミオとジュリエット」はヌレエフ版なのか、サシャ・ヴァルツなのかは不明)

こんな感じのようです。 


ロイヤル・バレエ「オンディーヌ」(吉田都、エドワード・ワトソン)DVD化

Opus Arteのサイトに、ようやくロイヤル・バレエの「オンディーヌ」(吉田都さん主演)のDVD発売情報が載っていました。4月1日発売とのことです。

Henze - Ondine (The Royal Ballet)
http://www.opusarte.com/pages/product.asp?ProductID=341

Ondine: Miyako Yoshida
Palemon: Edward Watson
Berta: Genesia Rosato
Tirrenio: Ricardo Cervera
A Hermit: Gary Avis

Act III Divertissement:
Mara Galeazzi, José Martín, Helen Crawford, Samantha Raine, Brian Maloney, Sergei Polunin and Artists of The Royal Ballet

Orchestra of the Royal Opera House
Conductor: Barry Wordsworth
Choreographer: Frederick Ashton

先日もNHKのBSで放映されていましたが、とても素敵な都さんの演技を見ることができます。それから、リカルド・セルヴェラがすごくカッコ良かったです。

ロイヤル・バレエとOpus Arteといえば、「マイヤリング(うたかたの恋)」(エドワード・ワトソン、マーラ・ガレアッツィ、サラ・ラム)のDVDが本日本国で発売になりました。Amazon.ukから発送しましたとの連絡が来たので、到着が楽しみです。

MacMillan - Mayerling (The Royal Ballet)
http://www.opusarte.com/pages/product.asp?ProductID=332

Mayerling (Mayerling Featuring.Watson/ Galeazzi) [DVD]Mayerling (Mayerling Featuring.Watson/ Galeazzi) [DVD]
Edward Watson

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2010/03/01

ニーナ・アナニアシヴィリのインタビュー記事 Interview of Nina Ananiashivili

現在来日中のニーナ・アナニアシヴィリと岩田守弘さんのインタビューが、MSN産経ニュースのサイトに載っていました。

平和に愛情込めて暮らしたい 「ロミオとジュリエット」 ニーナ・アナニアシヴィリ
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100301/tnr1003011939009-n1.htm

「ロミオとジュリエット」について熱く語るとともに、故郷グルジアへの想いと平和への祈りについても語ってくれています。
「私の子供のすぐそばで爆弾が落ち、人が殺されました。戦争を単に両親から聞く話としてではなく、実際に体験したのです」「どんなにお金があっても、死ぬとき、この世を去るときは1人です。生きている間に自分の持っているものをできるだけ多くの人に分け与えなくてはなりません。隠しているのはもったいない」という彼女の言葉で、遠く離れた国で起きた悲劇についても、私たちには無縁の話ではないのだと感じます。

毎日新聞のmore楽では、「ロミオとジュリエット」について語るニーナ(そして、ロイヤル・バレエのエドワード・ワトソン)をフィーチャーしています。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100227ddm013070078000c.html

観客はダンサーを介して役に没入し、『浄化』されるのだと。もう一度見たいと思ってもらうには、バレリーナがジュリエットを生きねばなりません」。アナニアシビリさんは毎回、「最後の舞台」のつもりで本番に臨むという

純愛が敵同士を和解させる「ロミオ……」は、彼女の信念に最もふさわしい演目なのかもしれない、とこの記事では結んでいます。

東京公演は水曜日の「ジゼル」からですが、私は金曜日に「ロミオとジュリエット」、来週水曜日に「ジゼル」を観る予定です。実は生の舞台でラヴロフスキー版を観るのが初めてなので、とても楽しみです。

ジャパンアーツのブログには、初日名古屋公演のレポートが載っています。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/142098210.html

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