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2010/02/04

《マニュエル・ルグリの新しき世界》Aプロ 超短評 New Universe of Manuel Legris Program A

遅くなってしまったので、短評を。

期待以上に面白かったです!パトリック・ド・バナの作品は「ザ・ピクチャー・オブ…」しか観たことが無くて、この作品はかなり好きだったのですが、今回の新作「ホワイト・シャドウ」、すごく良かったです。1時間くらいの上演時間で、まったく新しい作品を創造するのは難しい作業だったと思いますが、オリジナリティもあり、スケールも大きくてダイナミズムがあり、また東京バレエ団のダンサーの特質もよく考えて創られていた、美しい作品に仕上がっていました。

暗い中にダンサーが逆光気味に浮かび上がる照明、群舞の男性ダンサーが動かす舞台装置、ちょっとナチョ・ドゥアトの作品を思わせるバロック風味をベースに、近未来的、現代的なのに妖しい官能性が漂うスタイリッシュな衣装。プロダクションデザインが実に秀逸でした。音楽も、エキゾチックな民族音楽と、古楽、バロックを上手く組み合わせていて、ネオクラシックの中にも独特の艶がある振付にとてもマッチしていました。

(「ラ・シルフィード」の時に会場ロビーに飾られていた「ホワイト・シャドウ」の衣装です)
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マニュエル・ルグリがパトリック・ド=バナと出会うことによって、彼の持ち味であるエレガンスの中に野性的な色気が加わって、まさに「マニュエル・ルグリの新しい世界」とは言い得て妙。ルグリに存在感では負けていないド=バナも魅力的でした。吉岡美佳さんはほぼ出ずっぱりで、基本的にソロでの踊りというかポーズを取った姿で静止していることが中心だったのですが、独特の霊的なたたずまいは強烈。他のキャラクターを女神のように見守っているイメージ。ルグリとパ・ド・ドゥを踊った西村真由美さんの腕のラインの美しさや音楽への反応の良さ、目線、ニュアンスのつけ方がとても素敵でした。上野水香さんはド=バナとのパ・ド・ドゥを踊っていましたが、彼女は古典より現代作品の方がずっと魅力が生きると思いました。当初、ルグリ→太陽、吉岡→地球、上野→金星、西村→月、ド・バナ→火星というイメージだったそうですが、それはすごく納得できるというか、それぞれのダンサーの個性を考えた振付になっているのです。

5人の中心ダンサーの踊りだけでなく、群舞の使い方、特に男性ダンサーのコール・ドの振付に昂揚感が感じられていて、わくわくしました。小柄な男性ダンサーが多いというバレエ団の特徴を上手く使っている感じでした。やっぱり小笠原さんの動きが良かったです。群舞にしても、男女それぞれ2チームプラス3人の女性ソリスト(この3人の衣装がとても可愛い)という多重的な構成がたくみでした。

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ルグリとド=バナのパ・ド・ドゥはとてもスリリングで官能的で、かなりぞくぞくっと来ました。

初演とは思えないほどの完成度の高さで、東京バレエ団の踊りもとてもよくて、すごく満足できました。明日もう一回観たいと思うくらい。なので、これから観る方は楽しみにしていてください!


オーレリー・デュポンとフリーデマン・フォーゲルが出演した「クリアチュール」は、「ホワイト・シャドウ」ほどのスケール感はないのですが、オーレリーとフリーデマンの動きの美しさを実感。怪我でBプロの「アザー・ダンス」を降板したフリーデマンも、それほど重症ではないようで故障しているといわれなければわかりませんでした。音楽は、中東系のエキゾチックなものを使っていて、そのエキゾチズムが特にオーレリーにはよく合っていたと思います。

「ザ・ピクチャー・オブ…」は、ルグリの定番のソロになりつつありますが、何回観ても、ルグリの上半身の動きの滑らかさやしなやかさ、音楽性の素晴らしさに惹き付けられます。ここでも、ルグリがなんだかちょっと抑え目のセクシーさがあって、魅力的なのですよね。バーセルの音楽、ちょっとカウンターテナーっぽいアリアが耳に残ります。いったい誰が歌っているのでしょうか。

あと、WOWOWのカメラが入っていたのですが、公演を丸ごと放映するのか、ニュースなのかは確認していません。初演が映像に残れば素敵だと思います。


《マニュエル・ルグリの新しき世界》New Universe of Manuel Legirs Program A
Aプロ
ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション Legirs, De Bana & the Tokyo Ballet

振付:パトリック・ド・バナ Choreography Patrick de Bana

http://www.nbs.or.jp/stages/1026_legris/index.html

「クリアチュア」 (日本初演) Creatures (Japan Premiere)
音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ

オレリー・デュポン、フリーデマン・フォーゲル Aurelie Dupont, Friedemann Vogel

奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、河谷まりあ
長瀬直義、井上良太、柄本弾、杉山優一、森川茉央


「ザ・ピクチャー・オブ・・・」 The Picture of..
音楽:ヘンリー・パーセル

マニュエル・ルグリ Manuel Legris

「ホワイト・シャドウ」 (世界初演) White Shadows (World Premiere)
音楽:アルマン・アマー Music: Armand Amar
照明:高沢立生
装置:野村真紀
衣裳:髙井秀樹(stödja) Costumes: Hideki Takai

マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ Manuel Legris, Patrick de Bana

吉岡美佳、上野水香、西村真由美 Mika Yoshioka, Mizuka Ueno, Mayumi Nishimura

松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、岡崎隼也
高木綾、奈良春夏、川島麻実子

梅澤紘貴、青木淳一、井上良太、杉山優一、中村祐司
吉川留衣、河合眞里、矢島まい、渡辺理恵、河谷まりあ

MSN産経新聞にマニュエル・ルグリのインタビュー記事が載っていました。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100203/tnr1002030811001-n1.htm

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バレエ公演感想」カテゴリの記事

コメント

naomiさん、充分詳しいですよ〜。
いつものことながら本当に良く見ていらっしゃって感心してしまいます!
混沌とした雑多なエネルギーの中をワイルドに踊るルグリさんを見ているのは、私にとっても新鮮な体験でした。
The picture of はずーっと見ていたかったです。
今日も行ってきま〜す。

Naomiさん
こんばんわ。私は今日見てきました。ホワイト・シャドウ1時間があっと言う間に過ぎてしまいました。東バの皆さんもかなり頑張ってましていつも以上の力が出ていたと思います。ルグリ・バナ達との共演による刺激と指導の賜物でしょう!これからも日本人だけのなあなあ関係でなく、目標高く、海外の素晴らしいダンサー・振付家に沢山の影響と刺激と厳しい指導を受けて益々成長して欲しいですね。

クロードさん、こんばんは。

昨日はお会いできて嬉しかったです。時間が無くてざーっとした印象になってしまいましたが・・・やっぱりルグリさんの動きの美しさは別格ですよね。ザ・ピクチャ・オブは終わるのが惜しいような作品でした。2日間ともいけて羨ましいです。土曜日にもお目にかかりましょう!

隣のハミーさん、こんばんは。

ホワイトシャドウ、予想していたよりもずっと良くて、時間がたつのを忘れるくらいでしたね!東京バレエ団にもよく合っている作品でした。ここはもう古典より、コンテンポラリーとかネオクラシック中心で行った方がいいのかもって思いましたね。ルグリやド・バナなど素晴らしいアーティストと共演して、しかも新しい作品を創っていったという経験は本当に貴重なものだと思うし、きっと大きな力と自信になるでしょうね。いいことだと思います。

こんばんは。
身体の創り出す美しいラインが世界そのものを造形する、舞台の様子が浮かんでくるようでした!
新作と言うことで、しかも現代作品で…楽しみにしていたプログラムだったのですが、今回は追加公演にさえも行けないのです。なので、naomiさまのレポとっても嬉しく拝見しました。ありがとうございます。
特に「ホワイト・シャドウ」が観たかったです~(>_<)

Elieさん、こんばんは。

今回はご覧になれないんですね。今回は東京バレエ団のダンサーとのコラボレーションとしての新作だったので、ダンサーの特徴なども考慮に入れて創った感じだし、衣装や装置も素敵だったんです。やっぱり東京バレエ団は現代作品の方が合っていますよね。西村さんがすごく良かったです。あと、男性の5人のソリストが頑張っていました。
これだけの作品を作ったのだから、きっと再演はあるはずだと思います。というか再演しないとせっかくの素敵な作品がもったいないです!

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