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2009/12/10

12/9 マリインスキー・バレエ イワンと仔馬  Mariinsky Ballet Little Humpbacked Horse

ものすごーく面白かったし楽しかったです。でも、疲れた~。これでも、「眠り」は1回しか行かなかったし、昨日のゲルギエフ指揮のほうの「イワンと仔馬」は行かなかったのに、あと2日連続で上野通いがあるかと思うと、自分の体力の無さを思い知らされるというか。仕事しながら連日上野通いは辛い・・・上野から家が遠いというのもあるんだけど。ジャパンアーツのブログでは、連日サイン会のレポートもアップされていていいなあ、って思うんだけどとても並ぶ元気がありません。踊った後で遅くまでサイン会をやるダンサーたち、大変だわ。

「せむしの仔馬」の物語は、ロシア人なら誰でも知っているおとぎ話なのだそうです。もう今回で日本公演は終わりだけど、一応ストーリーはプログラムなどで予習して行ったほうがいいかもしれません。

追記:ジャパンアーツのブログで、写真入りのあらすじがあります。9日のキャストとほぼ同じダンサーによる写真も。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/123612954.html

キッチュでロシア的な衣装や装置がキュートでなんとも和みます。王様の冠はサンタさんの帽子のようだし、馬たちの、馬を模したステップや手つきがかわいい。なんといっても、仔馬のキュートなことといったら!去年マリインスキーに入団したばかりのイリヤ・ペトロフは、幼さの残る顔立ちと素朴さが本当に仔馬みたいで、華奢で微笑ましいことといったら、もう!軽やかですばしっこくて愛らしくて、ペットにしたいくらい。イワンと仔馬が並んで一緒に跳躍しながら横切ったりマネージュするところは、さすがにペトロフはロブーヒンに負けているところもあったけど、でもこの二人が並んで跳ぶところには、胸がすくような爽快感とワクワク感がありました。

原色を多用してポップな中にも、ちょっとグロテスクだったりシュールだったりするデザインが紛れ込んでくるところが、子供向けの作品とは一線を画しています。大きな月に模様が浮かび上がったり、ジプシーたちがでっかく顔をプリントしたシャツを着ていたり、海の精たちが胸のところに自分の顔を逆さまにプリントした服を着ていたりと、考えてみると悪夢に出てきそうなくらい不気味だったりします。大体、海の底に住んでいる精たちは白塗りにスイムキャップをかぶっていて、まるで暗黒舞踏のようだったりするし。怪しい集団があちこちに出てきて笑えました。

ラトマンスキーの振付って、他の現代振付家とはちょっと違っていて、力強いところと軽やかなところが同居していたり、民族性が濃厚に出ていたり、でも音楽性も豊かで面白いんです。

前回の来日公演では「白鳥の湖」で道化を踊っていたアンドレイ・イワーノフが王様役。本当に絵本から抜け出たようなこれまたちっちゃくてバカで可愛い王様で、落書きしたようなメイクしているし。確かに姫君に言い寄ったり、ちょっとエロ爺な王様だけど憎めない感じで、熱湯の中で死んでしまうほど悪い人には見えなかったような。でもその死にっぷりも絵になっていました。死んでいる人を指して言うのも不謹慎ですが、その姿にはおなかを抱えて笑いそうになっちゃいました。イワーノフの演技がもう達者で、可愛くて助平で面白い!それからずる賢い侍従のバイムラードフは、あのカッコいいスペインとも、妖しいカラボスともまた違った、なんともクネクネしていて笑える小悪党を演じていて爆笑モノ!帽子を取られてあっけに取られる表情からは思わず台詞が聞こえてきそう。彼の表情の変化を見ているだけでも飽きないのに、身体の動きもすごいことになっていて、一つ一つの身体のパーツのあまりの雄弁さにあっけに取られるほどでした。

もちろんテリョーシキナが素晴らしかったのはいうまでもありません。お姫様だし、可愛いところもあるんだけど生まれ持った高貴さで輝いているし、王様のところに来てからのアンニュイぶりや、王様を拒絶してイワンと仲良くしようとするイタズラな表情はちょっと色っぽい。彼女はラインが美しいだけでなく、柳のようにしなやかな身体を持っていて、特にランベルセの綺麗なこと。しなやかなんだけど、くにゃっとしなくて凛としているのが彼女の素敵なところです。

イワン役のロブーヒンは、最初はちょっとおバカな感じで純朴なところが、キャラクターによく合っていました。豪快な持ち味の人だと思うんだけど、前回の来日や合同ガラのときよりも踊りが丁寧になっていました。1幕の(間に小さなプレパレーションが入るものの)6回連続トゥール・ザン・レールも決まっていたし、特に最後の方の鬼のような連続ブリゼ・ボレでもすごくよく身体が動いていて、つま先も綺麗でした。王子様に変身するところが面白くって、熱湯の中に入ったかと思ったら、めちゃめちゃわかりやすく堂々と着替えているんですよね~。水槽の前で踊ってごまかそうとする仔馬がまた可愛くって。ラストのソロの前に、イワンが「やるの?本当にやっていいの?」って姫君に確認してから「じゃあ、やっちゃうね」って踊りだすのが、なんともほほえましくて。そして二人のパ・ド・ドゥはとてもロマンティックでスウィートでした。

エカテリーナ・コンダウローワは、雌馬の時のエルフのような大きな耳もセクシーでキュートだったし、海の女王での、その場を支配するゴージャスでクールな美しさもさすが。大柄なのに、踊りは丁寧で柔らかくて、存在感たっぷり。

ジプシーの中に、「白鳥の湖」のスペインでラテン系の色男ぶりが印象的だったカレン・ヨアンニシアンがいました。あの奇抜な衣装を着ていても、エキゾチックな美しさは相変わらず。ジプシー軍団は女性ダンサーたちも、エレーナ・バジェノワヤポリーナ・ラッサーディナ、リュー・チヨンといったプリンシパル・キャラクター・アーティストを投入していて、みんなとっても艶やかで官能的でした。(なのに、あの顔プリントシャツ・・・)

他愛も無いストーリーと言えばそこまでなのですが、カラフルでおもちゃ箱をひっくり返したような多彩さが楽しくて、あっというまの2時間でした!マリインスキー管弦楽団の演奏も、厚みがあって色彩豊かで良かったです。ものすごくノッていました。大団円で楽しく終わった後、幕の中から出演者たちの歓声が聞こえてきたのも嬉しい余韻でした。

2009年12月9日(水) 19:00~21:20
イ ワ ン と 仔 馬 全2幕
音楽 : ロジオン・シチェドリン
振付 : アレクセイ・ラトマンスキー (2009年)
台本 : マクシム・イサーエフ
音楽監督 : ワレリー・ゲルギエフ
装置・衣裳 : マクシム・イサーエフ
照明 : ダミール・イスマギロフ
指揮 : アレクセイ・レプニコフ
管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団

≪出演≫
姫君 : ヴィクトリア・テリョーシキナ
イワン / 皇子 : ミハイル・ロブーヒン
仔馬 : イリヤ・ペトロフ
侍従 : イスロム・バイムラードフ
皇帝 : アンドレイ・イワーノフ
父親 : ロマン・スクリプキン
雌馬 / 海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフ
ダニーロ : ソスラン・クラーエフ
ガヴリーロ : マクシム・ジュージン
娘たち : ヤナ・セーリナ/エカテリーナ・イワンニコワ/クセーニャ・ロマショワ/ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク/エリザヴェータ・チェプラソワ/オリガ・ミーニナ
ジプシーたち : ラファエル・ムーシン/フョードル・ムラショーフ/カレン・ヨアンニシアン/エレーナ・バジェーノワ/アナスタシア・ペトゥシコーワ/ポリーナ・ラッサーディナ/リュー・チヨン/アリサ・ソコロワ

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